JP2012137268A - 空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【課題】 風向板への露付きが軽減され、かつ利用者の目に触れやすい筺体下面の吹出部近傍の意匠性を高めることができる空気調和機を提供する。
【解決手段】 筺体10の底面から正面前部に連続して大きく開口する吹出部40の前部に、吹出横ルーバ41を回転可能に配置し、運転停止時には吹出部40の前部を封鎖し、運転時には吹出横ルーバ41を所定の角度に開放する空気調和機であって、運転停止時に、前記吹出横ルーバ41を筺体10の底面から張り出して設けるようにする。
【選択図】 図1
【解決手段】 筺体10の底面から正面前部に連続して大きく開口する吹出部40の前部に、吹出横ルーバ41を回転可能に配置し、運転停止時には吹出部40の前部を封鎖し、運転時には吹出横ルーバ41を所定の角度に開放する空気調和機であって、運転停止時に、前記吹出横ルーバ41を筺体10の底面から張り出して設けるようにする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、屋外に設置される室外機と、屋内の壁面に設置される室内機とを冷媒配管で接続するセパレート型の空気調和機に関するものであり、特に、室内機の吹出部の後端部に常に開放する開口部を備えた空気調和機に関するものである。
一般家庭に普及している冷凍サイクルを利用した空気調和機は、圧縮機を備えて屋外に設置される室外機と、送風ユニットを備えて室内の壁面に設置される室内機とを冷媒配管で接続したセパレート型のものが主流である。この室内機は、その筺体の内部に環流ファンと、この環流ファンを包むように折り曲げて形成される熱交換器を備えている。そして、これら従来例の室内機は、環流ファンを駆動させることにより、筺体の上方に設けた吸込部から吸い込んだ室内空気を、前記熱交換器を介して、温風または冷風に熱交換し、この室内空気を筺体下部に設けた吹出部から吹き出す構造を備えている。
また、これら室内機は、運転停止時には吹出部を覆うことが可能な吹出横ルーバと、この吹出横ルーバの内側に配置される複数の吹出縦ルーバとを備えることで、温風または冷風の風向を制御することができる。特に、吹出横ルーバは、駆動部を備えて、冷房や暖房などの運転モードに対応して回転角度が制御され、更に運転停止時には吹出部を隠蔽して意匠性を高めている。
従来構造の吹出横ルーバは、筺体下部に形成される吹出部の内側に収まる大きさを備えて、運転停止時には、吹出横ルーバの表面が周囲の筺体面と面一となり、運転時には、吹出横ルーバの前端部が前方に張り出し、後端部が内部に入り込むように回転する構造を備えることで、吹出横ルーバの表面と裏面に空気流を形成して、吹出横ルーバへの露付きを軽減している。
近年の壁面取り付けの室内機は、室内環境への調和と運転効率を向上するために、筺体正面がフラットで、筺体上面に広い吸込部を備えた箱型の筺体構造を備えている。しかも、冷房時は前方へ、暖房時は下方へ空気を吹き出すために、吹出部を備えた筺体下面は前方に行くに従って立ち上がる傾斜面とする構造を備えている。特に、近年の室内機は、筺体の高さ寸法より筺体の奥行き寸法を大きくすることで、筺体上面に広い吸込部を形成したものが増えている。このような寸法体系を備えた室内機では、筺体の下面も広い面積となる。
このように前方に立ちあがった傾斜面を備えた室内機を壁面に設置した場合、傾斜面に配置する吹出部が利用者の目に触れやすくなる。従来例では、吹出部に吹出横ルーバを備えることで、この吹出横ルーバで運転停止時の吹出部の開口部を覆う構造としている。しかし、従来例では、吹出横ルーバの露付き防止を図るため開口部が、吹出部の後端部に常に形成されているため、この開口部が利用者の目に触れやすくなり、室内のインテリアに調和し難いという課題がある。
そこで、この発明の目的とするところは、風向板への露付きが軽減され、かつ利用者の目に触れやすい筺体下面の吹出部近傍の意匠性を高めることができる空気調和機を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明に係る空気調和機は、筺体の底面から正面前部に連続して大きく開口する吹出部の前部に、吹出横ルーバを回転可能に配置し、運転停止時には吹出部の前部を封鎖し、運転時には吹出横ルーバを所定の角度に開放する空気調和機であって、運転停止時に、前記吹出横ルーバを筺体の底面から張り出して設けるようにする。
本発明によれば、吹出横ルーバへの露付きを防止するために、吹出部の後方位置に常に開放して形成される開口部を、吹出横ルーバを筺体面から張り出して設けることにより使用者から見えにくくなるから、露付き防止を図りつつ意匠性を向上させることができる。
以下、図1から図6を参照して、この発明に係る空気調和機を具体的に説明する。ここで、図1から図5が第1実施例に係る空気調和機を示し、図6が第2実施例の空気調和機を示している。なお、同様な部位や方向などについては同一符号をもって示して、重複した説明を省略する。
(第1実施例)
図1から図5はこの発明の第1実施例に係る空気調和機を示している。ここで、図1は室内機の概略説明図であり、(a)図が室内機の外観斜視図、(b)図が室内機の縦断面図である。図2は、室内機の内部構成図であり、(a)図が平面図、(b)図が正面図、(c)図が縦断面図である。図3は室内機の外観図であり、(a)図が平面図、(b)図が正面図、(c)図が右側面図、(d)図が底面図である。図4は、室内機の動作図であり、(a)図が動作状態を示す右側面図、(b)図が動作状態を示す縦断面図である。図5は室内機の比較図であり、(a)図が本実施例の縦断面図を示し、(b)図が従来構造の吹出横ルーバを採用した縦断面図である。
(第1実施例)
図1から図5はこの発明の第1実施例に係る空気調和機を示している。ここで、図1は室内機の概略説明図であり、(a)図が室内機の外観斜視図、(b)図が室内機の縦断面図である。図2は、室内機の内部構成図であり、(a)図が平面図、(b)図が正面図、(c)図が縦断面図である。図3は室内機の外観図であり、(a)図が平面図、(b)図が正面図、(c)図が右側面図、(d)図が底面図である。図4は、室内機の動作図であり、(a)図が動作状態を示す右側面図、(b)図が動作状態を示す縦断面図である。図5は室内機の比較図であり、(a)図が本実施例の縦断面図を示し、(b)図が従来構造の吹出横ルーバを採用した縦断面図である。
先ず、図1を参照して、この実施例に係る空気調和機の概略構造を説明する。図1において、この実施例に係る空気調和機は、圧縮機を備えて屋外に設置される図示しない室外機と、環流フアン11を備えて室内の壁面に取り付けられる室内機1とを図示しない冷媒配管を介して接続することで、室内機1による冷暖房を可能にするものである。
この室内機1は、高さ寸法H1より奥行き寸法D1が大きく、この奥行き寸法D1より横幅寸法W1が大きい横長の筺体10を備えている。筺体10の外観形状は、その上面を略水平に形成し、筺体10の下面を前方に行くに従って徐徐に立ちあがり、先端部では大きな丸みをもって筺体10の前面に連続する先細りの箱型形状としている。また、筺体10の内部には、この筺体10の上面に形成される吸込部20から取り込んだ空気をこの筺体10の下面の前部に形成される吹出部40から吹き出す空気流路13が形成されている。
この空気流路13には、その長手方向をこの筺体10の長手方向と一致するように配置される環流フアン11と、この環流フアン11の前方と上部を覆うように配置される熱交換器12とが内蔵されている。(b)図に示すように、筺体10のほぼ中央に配置される環流フアン11の前後には、前部ドレン皿14と、後部ドレン皿15が設けられ、この前部ドレン皿14と後部ドレン皿15を跨いで環流フアン11の上部を覆うように熱交換器12が配置されている。
また、この実施例は、常に開放して設けられる吸込部20から室内の空気を取り込む構造としている。(b)図に示すように、吹出部40は、環流フアン11から吹き出される空気を前方にも吹き出せるように、環流フアン11と前部ドレン皿14の下方を大きく開放するように、筺体10の長手方向に沿って形成される。この吹出部40には、吹出横ルーバ41と、この吹出横ルーバ41の内側後方に配置される吹出縦ルーバ42が設けられている。この吹出横ルーバ41は、図示しないルーバ駆動機構部を介して、実線で示すように、吹出部40を封鎖した状態と、破線で示すように、吹出部40を解放して空気流を所定の方向に案内するように所定の角度に動作させることができる。
この実施例では、環流フアン11やルーバ駆動機構部などは、筺体10内に設けられる図示しない制御部によって統括制御され、また、この制御部は図示しない遠隔操作装置によって操作指示を受け付けることができる。
ここで、この実施例では、吹出横ルーバ41の開閉の如何にかかわらず常に開放した領域(開口部)43を吹出部40の後部に形成している。吹出横ルーバ41は円弧状の断面を備えており、回転すると吹出部40を上下に二分する位置となる。これにより吹出横ルーバ41の表面41aと裏面41bに気流を流すことができる。気流は吹出横ルーバ41の円弧に沿って流れるコアンダ効果で、冷房時には気流を上方向に流し、暖房時には下方向に流すように作用する。
なお、コアンダ効果とは、水や空気など流体の中に物体を置くと、物体に沿って流体の流れの向きが変わるという現象である。身近な例としては、水道の蛇口から流れる水にストローや箸を近づけると、それに沿って水の流れが変わるという現象が、コアンダ効果に当たる。
吹出横ルーバ41の内側面(裏面41b)だけに気流を流す場合、吹出横ルーバ41の外側(表面41a)のコアンダ効果分が得られないので、気流の指向性を(両面に流れるときと同じように)得るためには、吹出横ルーバ41の前後の長さを延長し大型化する必要があると考えられる。吹出横ルーバ41を前後に大型化しなくても吹出横ルーバ41の後ろに吹出部40の開口を設けておくことで、吹出横ルーバ41の両面に気流を流しコアンダ効果を得られるメリットがある。
また、吹出横ルーバ41の両面に気流を流すことで、ハネの表裏の温度は一定に保たれて温度の変化がしにくいが、片面にだけ気流を流すと、気流の流れている面と反対側の面とで温度差が生じやすい。このため、温度差が大きくなると吹出横ルーバ41の面に結露が発生し水滴が流れ出てしまう。これを防止するためには吹出横ルーバ41の表面に断熱材や吸湿材を貼り付けるなどの結露対策が必要となりコストアップに繋がる。
この露付きの課題を解決するためには、吹出横ルーバ41の表面41aと裏面41bに空気(冷気)を流すことによって軽減することができる。これを実現するためには、吹出横ルーバ41の奥行き方向の中央に回転軸P1を備えて、運転時には、吹出横ルーバ41の前端部41cを外側に、後端部41dを内側に張り出させることによって達成できる。
しかし、吹出部40の後端部を覆う大きさを備えた吹出横ルーバ41を動作させた場合、内側に張り出す吹出横ルーバ41の後端部41dが吹出縦ルーバ42に当たってしまうという課題がある。この課題を解決するために、吹出縦ルーバ42を奥側に設けることも考えられるが、この構造では吹出縦ルーバ42の風向制御に課題が残る。そこで、この実施例では、吹出横ルーバ41の内側に張り出す後端部42dの長さを短くしている。これにより、この実施例では、常に開放した領域(開口部)43を吹出部40の後部に形成している。
そして、この実施例に係る空気調和機1の大きな特徴の1つは、運転停止時に、前記吹出横ルーバ41を筺体10の底面から張り出して設けた点にある。
即ち、前記したように、この種の壁取付型の空気調和機では、吹出横ルーバ41による上下方向の風向制御と、吹出縦ルーバ42による左右方向の風向制御とを効率よく行い、かつ、吹出横ルーバ41への露付きを軽減するために、吹出部40の後方位置に常に開放して形成される領域(開口部)43を設ける必要がある。しかし、壁取付型の空気調和機では、吹出部40を備えた筺体10の下面が利用者の目に触れやすいため、常に開放した領域(開口部)43が意匠性を悪くする課題がある。
この実施例では、運転停止時に、前記吹出横ルーバ41を筺体10の底面から張り出して設けることにより、常に開放した領域(開口部)43を見え難くすることができるから、吹出横ルーバ41への露付き防止を図りつつ意匠性を向上させることができる。
また、この実施例に係る空気調和機1の大きな特徴の他の1つは、高さ寸法H1より奥行き寸法D1が大きく、この奥行き寸法D1より横幅寸法W1が大きい筺体10の底面を、前方に行くに従って徐徐に立ちあがった傾斜面16を形成し、この傾斜面16に形成される吹出部40に配置される吹出横ルーバ41を、傾斜面16から下方に張り出して設けた点にある。
前記したように、壁取付型の空気調和機では、常に開放した領域(開口部)43が意匠性を悪くする課題がある。特に、この実施例のように、高さ寸法H1より奥行き寸法D1が大きく、この奥行き寸法D1より横幅寸法W1が大きい筺体10においては、設置時に利用者に眼に触れやすい筺体10の底面部が広くなる。加えて、この種の奥行きのある筺体10においては、筺体10をより小さくまとめるために、筺体10の底面を「まくしあげ形状」が有効である。したがって、この実施例のような奥行きのある筺体10では、常に開放した領域(開口部)43が利用者から見えやすくなり、美観を損ねる課題が大きくなる。そこで、この実施例では、吹出横ルーバ41を筺体10の底面から張り出して設けることにより、前記課題を軽減することができる。
また、この実施例に係る空気調和機1の大きな特徴の他の1つは、筺体10の底面から張り出して設けられる吹出横ルーバ41を、筺体10の背面で構成される壁面との設置面47の投影面積内に収めた点にある。この構造によれば、設置性と梱包サイズを維持しつつ、前記課題である常に開放した領域(開口部)43を利用者から見え難くすることができる。
また、この実施例に係る空気調和機1の大きな特徴の他の1つは、筺体10の底面から張り出して設けられる吹出横ルーバ41の両側に、この吹出横ルーバ41に合わせて化粧部材46を設け、この化粧部材46の一方に遠隔操作装置からの操作信号を受信する信号受信部44と、運転状態表示部45を配置した点にある。
即ち、通常、筺体10の底面に配置される吹出部40は、周囲に筺体10の筺体面が形成される。 このため、吹出部40に設けられる吹出横ルーバ41の横幅W2は、吹出部40の横幅W2と同じ横幅となる。したがって、吹出横ルーバ41を筺体10の底面から張り出して設けようとすると、吹出横ルーバ41のみが張り出して、意匠性を高めることができない。特に、この実施例では、筺体10長手方向の一方の内部に電気品室60(図2参照)を配置しているため、吹出部40の配置も電気品室60に合わせて片側に偏った配置となる。このため、前記課題が助長される。
そこで、この実施例では、吹出横ルーバ41の横幅調整部材として、その両側に第1化粧部材46aと第2化粧部材46bを横並びで形成することにより、筺体10の底面に張り出した吹出横ルーバ41と筺体10との連続した印象を強くさせて意匠性を高めることができる。更にまた、この構造によれば、吹出横ルーバ41のオフセットしている印象を軽減することができる。
以下、図2から図5を参照して、この実施例に係る室内機1の構造を更に説明する。
先ず、図2を参照して、室内機1に内蔵される構造部材の配置について説明する。この実施例の筺体10は、裏面側を構成する主キャビネット80と、底面の外装体を構成する下ケース81と、上面を構成する上ケース82と、前面を構成する前ケース83とを含んで構成される。
主キャビネット80は、この筺体10の骨格を構成するものであり、下ケース81や上ケース82及び内部機器などの各部材がネジ等を介して取り付けられる。つまり、この主キャビネット80は、裏面側の空気流路13や後部ドレン皿15を備えて構成され、この内側に、環流フアン11や熱交換器12、及び環流フアン11の駆動部61、電装品62、フィルタ掃除機構部63、前部ドレン皿14、吹出横ルーバ41、吹出縦ルーバ42などが、直接、あるいは図示しないシャーシを介して間接的に取り付けられる。
この実施例では、筺体10の長手方向の片側に電気品室60を形成し、この電気品室60に駆動部61と電装品62を集中配置している。このため、環流フアン11と熱交換器12は一方の片側にオフセットされて配置される。
下ケース81と上ケース82は、筺体10の両側面の中央に形成される結合部84によって上下に分割される外装部品である。下ケース81は、結合部84の下方の両側面と、この両側面を連続する底面部とで形成される。この実施例では、筺体10の上面の殆どが吸込部20で構成されるため、上ケース82は結合部84の上部の両側面で構成される。前ケース83は、内側の上部に設けた可動アーム85を介して、主キャビネット80に開閉可能に取り付けられる。
次に、図3及び図1を参照して、室内機1の外観構造を説明する。図1において、この実施例の筺体10は、奥行き寸法D1が高さ寸法H1より大きい、奥行きのある横長の直方体形状を基調としている。その具体的な造形は、図3(c)図に示す側面図に表されるように、上面がわずかに前方に傾斜した略水平な平面であるのに対し、底面は、裏面側から前方に行くに従ってわずかに立ち上がる傾斜が、吹出部20の後端部から大きな円弧で上方に立ちあがって吹出部20の前端部に至り、この前端部がやや下方に傾斜した略垂直な面を備えた円弧状の前ケース83に連続する前すぼみの形状を備えている。この造形を備えた筺体10は、裏面を壁面の高い位置に設置された設置状態では、利用者の目に最も触れやすい正面下部が大きな円弧で形成されているので、圧迫感が軽減される。
また、この実施例では、吸込部20を上面にのみ設けているので、筺体10の正面を、空気を吸い込むための開口部のない平面的な前ケース83で構成することができる。そして、この前ケース83を大きな円弧で形成することにより、筺体10の正面と底面を大きな丸みで連続する円弧面とすることができるから、室内のインテリアに調和させることができる。
ここで、筺体10の正面と底面を大きな丸みで形成すると、吹出部40が利用者の目に最も触れやすくなるという課題が生じる。そこで、この実施例では、吹出部40の前面に吹出横ルーバ41を備え、その両側に、この吹出横ルーバ41と連続する第1化粧部材46aと第2化粧部材46bを配置し、これら三つの部材の横幅の合計寸法が筺体10の横幅と一致するように形成している。
この吹出部40近傍の造形によれば、運転停止状態において、利用者の目線に最も触れやすい吹出部20の近傍を前記3つの部材から成る帯状の平坦面で形成することができる。しかも、3つの部材から成る帯状の平坦面は、丸みのある前ケース83と連続した形態とすることができるので、意匠性を向上することができる。
特に、この実施例では、3つの部材から成る帯状の平坦面を、筺体10の底面から浮かして、張り出した形状とすることで、吹出部40の後端部側に形成される常に開放した領域(開口部)43を設置状態における利用者の目線から見え難くすることができるので、意匠性を向上することができる。
また、この実施例では、利用者の目線に最も触れやすい第1化粧部材46aに信号受信部44と運転状態表示部45を集中配置することで、意匠性を向上しつつ、視認性を向上させることができる。
なお、この実施例の筺体10の上面は、熱交換器12の上部を露出する吹出部40とし、この吹出部40の一方の片側は電気品室60を覆う広い平坦面とし、他方の片側は狭い平坦面としている。
次に、図4と図5を参照して、この実施例に係る室内機1の動作状態を更に説明する。
図4(b)図において、この実施例に係る室内機1によれば、環流フアン11を回転させることにより、吸込部20から筺体10内に取り込まれた室内空気は、熱交換器12を通過して熱交換が行われ、吹出部40から室内に吹き出される。吹出部40から吹き出される熱交換された空気は、吹出縦ルーバ42により左右の風向が制御され、また、吹出横ルーバ41より上下の風向が制御される。吹出横ルーバ41は、図4(a)図に示すように、運転停止状態では吹出部40の前部を封鎖し、この封鎖した位置から、運転モードに対応して略90度開放した位置まで回転させることができる。
吹出横ルーバ41は、運転状態では、吹出横ルーバ41の表面41aと裏面41bに空気が流れるので、露付きが軽減される。
一方、この実施例では、前ケース83の裏面側に空気清浄フィルタ17を設置することができる。即ち、この実施例では、吸込部20から筺体10に取り込んだ室内空気の一部を前ケース83の裏面側に導かせることができる。この裏面側の室内空気は、空気清浄フィルタ17と熱交換器12を通過して吹出部40から吹き出される。この構造によれば、室内機1を空気清浄機としても利用することができる。
また、この実施例では、可動アーム85を介して前ケース83を開放し、また着脱することができる。この開放機構によれば、空気清浄フィルタ17の交換を可能にすることができるとともに、前ケース83を取り外して清掃することもできる。更に、吸込部20の長手方向に沿って駆動するフィルタ掃除機構部63のメンテナンスも行うことができる。
図5において、(b)図に示すように、従来の吹出部40の構造では、吹出部40を構成する開口部に収まるように吹出横ルーバが設けられている。したがって、運転停止状態の吹出横ルーバは、その表面が周囲の筺体面と面一になる構造としているのが一般的である。この構造によれば、利用者は、吹出部40の後端部側に形成される常に開放した領域(開口部)43をそのまま視認することとなるため、意匠性を損なう課題がある。
この課題に対し、この実施例の吹出部40の構造では、吹出部40から吹出横ルーバ41が外側に張り出して形成される。このため、(a)図に示すように、利用者が設置状態の室内機1を見上げた場合、吹出部40の後端部側に形成される常に開放した領域(開口部)43が下方に張り出した吹出横ルーバ41によって見えずらくなるので、意匠性を向上することができる。特に、この実施例では、吹出横ルーバ41の両側に第1化粧部材46aと第2化粧部材46bを設けることで、吹出部40の近傍を前ケース83と連続する平坦面で形成しているので、常に開放した領域(開口部)43の存在を軽視させることができる。
図1において、一般に、室内機1を正面から見て小さく見えるように造形するには筺体10の底面をまくしあげる形状が有効である。しかし、このような造形を備えた筺体10では、吹出横ルーバ41の後ろにある常に開放した領域(開口部)43が見えやすく、美観を損ねる課題がある。特に、この実施例のように、筺体10の長手方向の片側に電気品室60を設け構造では、吹出部40が他方側にオフセットされるため、正面が非対称に見え、バランスが悪くなる。
そこで、この実施例では、吹出横ルーバ41の両側に化粧部材46(第1化粧部材46a、第2化粧部材46b)を設け、更に、この3つの連続した帯状の部材を筺体10の底面から張り出して形成する構造を採用した。しかも、この3つの連続した帯状の部材を丸みのある前ケース83と連続する曲面で形成した。更に、筺体10の底面を、前方に立ちあがった傾斜面で形成することで、この傾斜面に設けられる前記3つの部材が筺体10の背面部(設置面)の投影面積内に収まるように構成した。
この実施例によれば、吹出横ルーバ41を張り出して設けたことにより、運転停止状態では、常に開放した領域(開口部)43を開口した領域として感じさせないことが出来る。また、前記3つの部材は、横方向に連続した形状に見え、しかも、筐体10から分割された造形としているので、この3つの部材の色彩を筐体10の色彩と別色に設定することができる。例えば、筺体10の正面を上下のツートーンカラーに見せることができるから、吹出部40のオフセットしていることを感じにくくすることができる。更に、前記3つの部材は、前ケース83と連続した曲線であることから、この3つの部材と筺体10の色彩を同色とすることにより、一体感あるデザインとすることもできるから、製品(デザイン)バリエーション展開をしやすくすることができる。
(第2実施例)
次に、図6を参照して、第2実施例に係る室内機1の具体的な構造を説明する。ここで、図1は第2実施例に係る室内機の概略図であり、(a)図が室内機の外観斜視図、(b)図が内部機器のレイアウトを示す室内機の右側面図、(c)図が吹出横ルーバの回転機構を示す参考図である。
(第2実施例)
次に、図6を参照して、第2実施例に係る室内機1の具体的な構造を説明する。ここで、図1は第2実施例に係る室内機の概略図であり、(a)図が室内機の外観斜視図、(b)図が内部機器のレイアウトを示す室内機の右側面図、(c)図が吹出横ルーバの回転機構を示す参考図である。
図6において、この実施例は、前記第1実施例と同様、運転停止時に、前記吹出横ルーバ41を筺体10の底面から張り出して設けることにより、常に開放した領域(開口部)43を見え難くすることができるから、吹出横ルーバ41への露付き防止を図りつつ意匠性を向上させることができる構造を備えたものであるが、以下の特徴的な構造も備えている。
即ち、この第2実施例の特徴の他の1つは、吹出横ルーバ141を、筺体10の横幅いっぱいまで延長して設けた点である。
つまり、従来の吹出横ルーバは、吹出部40の開口部の大きさに収まる大きさを備えることが一般的である。このため、吹出横ルーバを筺体10の底面から張り出して設ける場合、吹出横ルーバの横幅は、筺体10の横幅より小さくなるため、下方に張り出す吹出横ルーバが強調され、意匠性が悪かなる課題がある。そこで、前記第1実施例では、吹出横ルーバ41両側に化粧部材46を設けることで、前記課題を解決した。
この第2実施例では、吹出横ルーバ141の横幅を筺体10の横幅と同じ大きさのものを採用することで、前記課題を解決したしたものである。しかし、筺体10と同じ横幅の吹出横ルーバ141を回転させようとすると、その回転構造は複雑なものとなる。つまり、吹出横ルーバ141の横幅は、吹出部40の横幅より大きくなるため、その回転機構は、複雑な持ち出しヒンジ機構を用いるか、あるいは、吹出横ルーバ141の長手方向の両端部を切欠いて、この切欠部が回転する際に吹出部40内に入り込む構造を採用しなければならない。このような構造は、コスト高を招いたり、あるいは切り欠いた部分が意匠性を悪くする課題が新たに生じる。
そこで、この第2実施例では、吹出横ルーバ141の両側の後端部に内側に張り出した回転軸受部142を設けるとともに、この回転軸受部142が取り付けられる筺体10の両側端部に回転軸部151を設けて、この一対の回転軸部151に一対の回転軸受部142を取り付ける構造とすることにより、前記新たな課題をも解決している。
より具体的には、回転軸受部142は、半円形の張出部143と、この張出部143の内側に設けられる図示しない回転軸穴とを含んで構成する。一方、回転軸部151は、半円形の張出部143を包含する半円形の凹部152と、筺体10の外側に張り出して配置される回転軸153とを含んで構成する。
この構造によれば、回転軸153が前記回転軸穴に取り付けられることによって、張出部143が凹部152内を回転する。そして、回転軸153の軸心P2は、筺体10の底面と吹出横ルーバ141との接触面に設けられるから、吹出横ルーバ141は、その後端部の軸心P2を中心に回転することができる。
更に、この構造によれば、吹出横ルーバ141を回転させた状態では、その後端部41dが筺体10内に入り込まないので、吹出縦ルーバ42を吹出部40の出口近傍に設けることができるから、筺体10をコンパクトにできるとともに、左右方向の風向制御を良好にすることができる。
また、この第2実施例の特徴の他の1つは、筺体10の高さ寸法H1より奥行き寸法D1を大きくして、熱交換器12と前ケース83との間に電気品室60を配置した点である。
即ち、第1実施例では、電気品室60を筺体10の長手方向の一方の片側に配置していた。このため、吹出部40が筺体10の左右方向(幅方向)に対して非対象となる課題がある。この実施例では、この非対称の大きな要因である電気品室60(図2に示す電装品62)を熱交換器12と前ケース83との間に配置した。これにより、環流フアン11を筺体10の長手方向の両端部近傍まで拡張して配置することができるから、吹出部40を筺体10に対して対象に配置することができる。
この実施例の奥行き方向に長い筺体10の構造によれば、熱交換器12の前部に電気品室60のスペースを確保することができるとともに、筺体10の上面に広い吸込部20を確保することができる。これにより、この広い吸込部20から取り込んだ室内空気を幅の広い熱交換器12で熱交換して、この熱交換した空気を幅の広い吹出部40からワイドに吹き出すことができる。
また、この第2実施例の特徴の他の1つは、吹出横ルーバ141を、奥行き方向に前後に配置される複数のルーバ(第1吹出横ルーバ141aと第2吹出横ルーバ141b)で構成した点にある。
即ち、壁面に取り付けられて、筺体10の下方に吹出部40を備えた室内機1においては、暖房時は筺体10の下方に、冷房時は筺体10の前方に熱交換された室内空気を吹き出す必要がある。しかし、筺体10の底面が水平に近い筺体面である場合には、吹出部40が下方に向いているため、冷房時の吹出し性能が悪くなる。特に、筺体10の奥行き寸法が長く、電気品室60を筺体10の前部に配置する構造では、前記課題が大きくなる。
そこで、この実施例では、電気品室60の下方まで吹出部40を拡張して前記課題を解決している。しかも、この前後(奥行き方向)に拡張された吹出部40を1枚の吹出横ルーバ141で隠蔽し、かつ風向制御するには、吹出横ルーバ141の駆動構造が大型化するため、奥行き方向に前後に分割される複数のルーバ(第1吹出横ルーバ141aと第2吹出横ルーバ141b)で構成した。
この構造によれば、運転停止時には前記第1実施例と同様な作用効果を得ることができるとともに、運転時には、複数のルーバ(第1吹出横ルーバ141aと第2吹出横ルーバ141b)を介してラッパ状に広がる空気流路13を延長させることができる。つまり、冷房時には、複数のルーバを介して室内空気を前方へ案内することができるし、また、暖房時には、第2吹出横ルーバ141bを介して気流を押し下げる効果もえることができる。
1…室内機、10…筺体、11…環流フアン、12…熱交換器、13…空気流路、14…前部ドレン皿、15…後部ドレン皿、16…傾斜面、17…空気清浄フィルタ、20…吸込部、40…吹出部、41…吹出横ルーバ、41a…表面、41b…裏面、41c、…前端部41d…後端部、42…吹出縦ルーバ、43…常に開放した領域(開口部)、44…信号受信部、45…運転状態表示部、46…化粧部材、46a…第1化粧部材、46b…第2化粧部材、47…設置面、60…電気品室、61…駆動部、62…電装品、63…フィルタ掃除機構部、80…主キャビネット、81…下ケース、82…上ケース、83…前ケース、84…結合部、85…可動アーム、141…吹出横ルーバ、141a…第1吹出横ルーバ、141b…第2吹出横ルーバ、142…回転軸受部、143…張出部、151…回転軸部、152…凹部、153…回転軸、H1…高さ寸法、D1…奥行き寸法、W1…横幅寸法、W2…吹出横ルーバ41の横幅、P1…回転軸、P2…軸心
Claims (4)
- 筺体の底面から正面前部に連続して大きく開口する吹出部の前部に、吹出横ルーバを回転可能に配置し、運転停止時には前記吹出部の前部を封鎖し、運転時には前記吹出横ルーバを所定の角度に開放する空気調和機であって、運転停止時に、前記吹出横ルーバを前記筺体の底面から張り出して設けた
ことを特徴とする空気調和機。 - 前記請求項1記載の空気調和機において、
運転停止時に、前記吹出横ルーバの両側に横並びで配置される部材を設け、この一対の部材の両端までの長さは前記筺体の横幅とほぼ一致する大きさである
ことを特徴とする空気調和機。 - 前記請求項1記載の空気調和機において、
前記吹出横ルーバは、前記筺体の横幅と略同じ横幅を備えて形成し、この吹出横ルーバの両側の後端部に設けた回転軸部を介して回転可能に設けた
ことを特徴とする空気調和機。 - 前記請求項1または2記載の空気調和機において、
前記吹出横ルーバは、前後方向に配列される複数のルーバで構成される
ことを特徴とする空気調和機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010291520A JP2012137268A (ja) | 2010-12-28 | 2010-12-28 | 空気調和機 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2010291520A JP2012137268A (ja) | 2010-12-28 | 2010-12-28 | 空気調和機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2012137268A true JP2012137268A (ja) | 2012-07-19 |
Family
ID=46674819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP2010291520A Withdrawn JP2012137268A (ja) | 2010-12-28 | 2010-12-28 | 空気調和機 |
Country Status (1)
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JP (1) | JP2012137268A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN106642360A (zh) * | 2017-02-22 | 2017-05-10 | 珠海格力电器股份有限公司 | 空调机组及其室内机 |
CN106949539A (zh) * | 2017-03-16 | 2017-07-14 | 广东美的制冷设备有限公司 | 空调器、清洗控制方法及装置 |
CN114963303A (zh) * | 2022-07-01 | 2022-08-30 | 珠海格力电器股份有限公司 | 一种防凝露控制方法、系统及空调室内机 |
-
2010
- 2010-12-28 JP JP2010291520A patent/JP2012137268A/ja not_active Withdrawn
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