JP2012134618A - 受信装置及びガードインターバル除去方法 - Google Patents

受信装置及びガードインターバル除去方法 Download PDF

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健紘 大田
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幸広 平田
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Abstract

【課題】精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出する。
【解決手段】無線信号の受信レベルを検出する受信レベル検出部125と、変調方式特定部126と、閾値設定部127と、同期用トレーニング信号の自己相関を計算するマッチドフィルタ121と、ディジタルフィルタ122と、シンボルタイミング検出123と、ガードインターバルを除去するガードインターバル除去124と、を備える。ガードインターバル除去124は、受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、一方、受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、ピークタイミングに基づいて、ガードインターバルを除去する。
【選択図】図2

Description

本発明は、直交周波数分割多重方式により送信された無線信号を受信して、この無線信号に含まれるガードインターバルを除去する受信装置及びガードインターバル除去方法に関する。
近年、移動体通信(特に第4世代の次世代移動体通信)の分野では、高速移動時においても100Mbps超のデータレートが要求されつつある。そのため、周波数選択性フェージング環境への適応性や周波数利用効率を向上させる観点から、直交周波数分割多重方式(OFDM:Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等のマルチキャリア伝送方式に関する応用研究が進められている。
OFDM伝送方式により送信装置から受信装置に送られる無線信号には、同期用トレーニング信号(同期用プリアンブル信号)と、一以上のOFDMシンボルとが含まれている。その他、必要に応じて伝搬路推定用トレーニング信号等も含まれる。OFDMシンボルは、データ信号と、これに時間的に先行するガードインターバルとから構成される。ガードインターバルは、これに続くデータ信号の後端が重複して循環的に挿入されたものである。ガードインターバルの存在によって、マルチパス遅延波による遅延時間がガードインターバル長以下であれば、OFDMシンボル間(シンボル間)の干渉を回避することができ、マルチパス耐性を向上させることができる。
ここで、受信装置において、OFDMシンボルからデータ信号を取り出す際は、送信側にて付加した既知の繰り返しからなる同期用トレーニング信号の自己相関を計算し、得られた相関値列のピーク値のタイミングを利用するのが一般的である(例えば特許文献1参照)。具体的には、相関値列の複数のピーク値のうち、急激にレベルが低下したピーク値よりも時間的に一つ前のピーク値のタイミングを検出する(ピーク検出)。そして、このピーク値のタイミングを用いて、これに続くガードインターバルを除去し、OFDMシンボルからデータ信号を取り出すことができる。
特開2003−8541号公報 特開2010−28280号公報
しかし、ダイナミックに変動するマルチパスフェージング環境下では、ガードインターバルを除去する際、フェージングによる受信波の変動等を考慮しなければならない。例えば、1番早いパスを伝搬した無線信号の相関値(ピーク値)よりも、2番目に早いパスを伝搬した無線信号の相関値(ピーク値)の方が高い場合、相関値列のピーク値のタイミングを利用する技術だと、ガードインターバルを除去するタイミングを誤ってしまう可能性がある。すなわち、本来は、前者のタイミングを利用しなければならないのに、ピーク値のより高い方、すなわち後者のタイミングを利用してしまう可能性がある。その結果、ガードインターバルを除去する際にシンボル間の干渉が生じ、ビットエラーレート(BER:Bit Error Rate)の劣化を招来する。
この点、上述した特許文献1には、フェージングによる受信波の変動に応じて、有効シンボル区間の受信タイミングを調整する技術が開示されており、一番早いパスが瞬時消失(消失する程度に信号レベルが低下)したり、一番早いパスが極短時間の間に再度出現したりする等の受信波の変動があったとき、ピーク値のタイミングを探索的に見つけることができるようになっている。
また、特許文献2には、マルチパスフェージング環境下においても、簡易な構成によって、精度良くガードインターバルの除去のタイミングを検出する技術が提案されている。
ここで、受信信号の平均C/N(信号対雑音電力比)が10dB、15dB、20dB、25dB及び30dBの無線通信路における平均ビット誤り率(BER)をシミュレーションにより求めた結果について説明する。
図14にシミュレーション諸元を示す。なお、今回のシミュレーションでは、諸元に示すように、QPSKと16QAMの二つを一次変調方式として採用した。
図15及び図16に、QPSKと16QAMの平均C/Nに対するBER(Bit Error Rate)の結果をそれぞれ示す。
図15及び図16から分かるように、いずれの一次変調方式においても、ある平均C/Nを境にして(QPSKの場合には平均C/Nが約22dBを境にして、16QAMの場合には平均C/Nが約18dBを境にして)、平均C/Nが低い場合と高い場合とで、第1GI除去方法によるBERと第2GI除去方法によるBERが逆転している。なお、第1GI除去方法とは、特許文献1に示すように、ピーク値位置検出部によるピーク値の位置検出のみに基づいてGIを除去するタイミングを決定する方法をいう。また、第2GI除去方法とは、ピーク値位置検出部によるピーク値の位置検出と、遅延波分布幅検出部による遅延波分布幅に基づいて、GIを除去するタイミングを決定する方法をいう。
図15及び図16に基づけば、除去方法として、第1GI除去方法と第2GI除去方法のいずれか一方のみを採用すると、全ての平均C/Nにおいて最適なBERを得ることが困難になってしまう。
本発明は、全ての平均C/Nにおいて最適なBERを得ることができ、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる受信装置及びガードインターバル除去方法を提供することにある。
以上のような課題を解決するために、本発明は、以下のものを提供する。
(1) 直交周波数分割多重方式により送信された無線信号を受信する受信装置において、前記無線信号には、既知パターンの複数回繰り返しからなる同期用トレーニング信号と、マルチキャリア変調されたデータ信号にガードインターバルが付加された少なくとも一以上のOFDMシンボルとが含まれており、前記無線信号の受信レベルを検出する受信レベル検出手段と、前記同期用トレーニング信号の自己相関を計算する自己相関計算手段と、前記自己相関計算手段の計算結果に基づいて、前記同期用トレーニング信号の後端を特定するために用いられるパルス波形のピークタイミングを検出するピークタイミング検出手段と、マルチパスフェージングに起因して生ずる前記パルス波形の時間幅を検出する時間幅検出手段と、前記ガードインターバルを除去するガードインターバル除去手段と、を備え、前記ガードインターバル除去手段は、前記受信レベル検出手段により検出された受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、前記ピークタイミング及び前記時間幅に基づいて、前記ガードインターバルを除去し、前記受信レベル検出手段により検出された受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、前記ピークタイミングに基づいて、前記ガードインターバルを除去する受信装置。
本発明によれば、受信装置において、自己相関計算手段により、同期用トレーニング信号の自己相関が計算され、ピークタイミング検出手段により、同期用トレーニング信号の後端を特定するために用いられるパルス波形のピークタイミングが検出され、時間幅検出手段により、そのパルス波形の時間幅も併せて検出され、ガードインターバル除去手段により、そのパルス波形のピークタイミングと時間幅が含まれるようにガードインターバルが除去される。また、ガードインターバル除去手段は、受信レベル検出手段により検出された受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミング及び遅延波が分布する時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、受信レベル検出手段により検出された受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、ピークタイミングに基づいて、ガードインターバルを除去する。
ここで、受信レベルは、C/N値が低くなると低くなり、C/N値が高くなると高くなる。したがって、本発明によれば、C/N値と相関関係にある受信レベルに応じて、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
(2) 前記受信レベル検出手段は、前記無線信号の受信電界強度を前記受信レベルとして検出する構成でも良い。
本発明によれば、受信電界強度(RSSI、Received Signal Strength Indication)に基づいて受信レベルを検出する。例えば、ガードインターバル除去手段は、RSSIが所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミング及び遅延波が分布する時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、RSSIが所定の閾値よりも低い場合には、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去する。よって、本発明によれば、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
(3) 受信した前記無線信号を入力して自動利得制御増幅器の利得を電圧により制御する利得制御手段を備え、前記受信レベル検出手段は、前記利得制御手段による電圧値に基づいて、前記無線信号の前記受信レベルを検出する構成でも良い。
本発明によれば、利得制御(AGC)をする際の電圧値に基づいて受信レベルを検出する。例えば、ガードインターバル除去手段は、AGCの電圧値が所定の閾値よりも低い場合には、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、AGCの電圧値が所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去する。よって、本発明によれば、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。なお、ここではAGCの電圧値が低い程受信信号レベルは高いという場合を想定したが、逆の場合も想定される。すなわち、AGCの電圧値が低い程受信信号レベルは低い場合である。この場合、ガードインターバル除去手段は、AGCの電圧値が所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、AGCの電圧値が所定の閾値より低い場合には、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去する構成になる。
(4) 前記無線信号に基づいて変調方式を特定する変調方式特定手段と、前記変調方式特定手段により特定した変調方式に基づいて、前記所定の閾値を設定する閾値設定手段を備える構成でも良い。
本発明によれば、変調方式特定手段によって特定した変調方式に基づいて閾値を設定する。ガードインターバル除去手段は、受信レベル検出手段により検出した受信レベルがこの設定された閾値よりも大きいか又は小さいかによって、ガードインターバルを除去する動作を変更する。よって、本発明によれば、各変調方式に適した閾値を設定し、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
(5) 既知パターンの複数回繰り返しからなる同期用トレーニング信号と、マルチキャリア変調されたデータ信号にガードインターバルが付加された少なくとも一以上のOFDMシンボルとが含まれた無線信号から、当該ガードインターバルを除去するガードインターバル除去方法において、前記無線信号の受信レベルを検出する受信レベル検出ステップと、前記同期用トレーニング信号の自己相関を計算する自己相関計算ステップと、前記自己相関計算ステップに基づいて、前記同期用トレーニング信号の後端を特定するために用いられるパルス波形のピークタイミングを検出するピークタイミング検出ステップと、マルチパスフェージングに起因して生ずる前記パルス波形の時間幅を検出する時間幅検出ステップと、前記ガードインターバルを除去するガードインターバル除去ステップと、を含み、前記ガードインターバル除去ステップは、前記受信レベル検出ステップにより検出された受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、前記ピークタイミング及び前記時間幅に基づいて、前記ガードインターバルを除去し、前記受信レベル検出ステップにより検出された受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、前記ピークタイミングに基づいて、前記ガードインターバルを除去するガードインターバル除去方法。
本発明によれば、自己相関計算ステップにより、同期用トレーニング信号の自己相関が計算され、ピークタイミング検出ステップにより、同期用トレーニング信号の後端を特定するために用いられるパルス波形のピークタイミングが検出され、時間幅検出ステップにより、そのパルス波形の時間幅も併せて検出され、ガードインターバル除去ステップにより、そのパルス波形のピークタイミングと時間幅が含まれるようにガードインターバルが除去される。また、ガードインターバル除去ステップは、受信レベル検出ステップにより検出された受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、受信レベル検出ステップにより検出された受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、ピークタイミングに基づいて、ガードインターバルを除去する。
ここで、受信レベルは、C/N値が低くなると低くなり、C/N値が高くなると高くなる。したがって、本発明によれば、C/N値と相関関係にある受信レベルに応じて、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
以上説明したように、本発明によれば精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
本発明の実施の形態に係る受信装置を含む、OFDM無線通信システムの構成を示すブロック図である。 本発明の実施の形態に係る受信装置におけるGI除去部の構成を示すブロック図である。 マッチドフィルタ及びディジタルフィルタの機能を説明するための説明図である。 マルチパスフェージング環境下において得られる受信波の遅延プロファイルを説明するための説明図である。 シンボル・タイミングの検出における課題についての説明に供する図である。 GI除去部におけるシンボル・タイミング検出回路の構成を示すブロック図である。 シンボル・タイミング検出回路の機能を説明するための説明図である。 従来のGI除去タイミングを説明するための説明図である。 本実施形態に係るガードインターバル除去方法のGI除去タイミングを説明するための説明図である。 本実施形態に係るガードインターバル除去方法の最適なGI除去タイミングを説明するための説明図である。 本発明の他の実施形態に係るガードインターバル除去方法のGI除去タイミングを説明するための説明図である。 本発明の実施例に係るガードインターバル除去方法をシミュレーションした際のシミュレーション諸元を示す図である。 本発明の実施例に係るガードインターバル除去方法をシミュレーションした際のシミュレーション結果を示す図である。 ガードインターバル除去方法をシミュレーションした際のシミュレーション諸元を示す図である。 変調方式がQPSKの場合における平均C/Nに対するBERの結果を示す図である。 変調方式が16QAMの場合における平均C/Nに対するBERの結果を示す図である。
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を参照しながら説明する。図1は、本発明の実施の形態に係る受信装置1を含む、OFDM無線通信システムの構成を示すブロック図である。なお、図1では、送信アンテナ25及び受信アンテナ11をそれぞれ1個しか図示していないが、送信ダイバーシチ又は受信ダイバーシチを考慮して、複数設けられていても良い。また、図1では、説明の便宜上、受信装置1の受信機能のみを図示しているが、もちろん送信機能を有していても良い。さらに、受信装置1は、図1に示す構成に限定されず、他の電気的要素(例えば、伝搬路特性に基づくひずみを補償する等化器やバンドパスフィルタ、無線信号をダウンコンバートする周波数変換回路等)を含んでいても良い。
図1に示すOFDM無線通信システムは、受信装置1と送信装置2から構成されている。まず、送信装置2の構成から説明する。送信装置2は、1次変調部(1次変調で示す)21と、IFFT(Inverse Fast Fourier Transform)部(IFFTで示す)22と、GI(Guard Interval)挿入部(+GIで示す)23と、同期用トレーニング信号発生回路24と、送信アンテナ25と、を有している。
1次変調部21は、Inputされるビット系列を所定の変調方式によってサブキャリアごとに変調する(いわゆるシンボルマッピングを行う)。所定の変調方式としては、BPSK(Binary Phase Shift Keying),QPSK(Quadrature Phase Shift Keying),16QAM(Quadrature Amplitude Modulation),64QAM,256QAM等が挙げられるが、その種類の如何を問わない。また、1次変調部21は、サブキャリアごとに変調された複数の複素信号をIFFT部13に入力する。
IFFT部22は、サブキャリアごとに変調された信号を複数の直交するサブキャリアで多重化し、マルチキャリア信号(データ信号)を生成する。そして、GI挿入部23は、遅延波によるシンボル間干渉(Inter Symbol Interference)を低減するために、データ信号の先頭にGIを付加し、OFDMシンボルを生成する。このGIは、データ信号の後端が重複して循環的に挿入されたものである。なお、同期用トレーニング信号発生回路24は、受信装置1においてデータ信号を適切に抽出するために、一以上のOFDMシンボルからなるOFDMフレームの先頭に同期用の複数の繰り返しトレーニング信号を付加する回路である。その後、所定の無線処理(アップコンバート等)を施して、送信アンテナ25を介して無線信号を送信する。
このようにして、直交周波数分割多重方式により送信された無線信号が、送信装置2から受信装置1へと送信される。また、この無線信号には、上述したように、同期用トレーニング信号と、マルチキャリア変調されたデータ信号にGI(ガードインターバル)が付加された少なくとも一以上のOFDMシンボルとが含まれている。以下、本発明の実施の形態に係る受信装置1について詳述する。
本発明の実施の形態に係る受信装置1は、受信アンテナ11と、GI除去部(−GIで示す)12と、FFT(Fast Fourier Transform)部(FFTで示す)13と、1次復調部(1次復調で示す)14と、を有している。GI除去部12は、送信装置2においてOFDMシンボルに挿入されたGIを除去する。FFT部13は、GIを除去した後の時間領域のデータ信号に対してFFTを施して、周波数領域におけるサブキャリアごとの複素信号を出力する。1次復調部14は、その複素信号を所定の復調方式で復調し、パラレルシリアル変換した後、一のデータストリーム出力(ビット系列)としてOutputする。
図2は、本発明の実施の形態に係る受信装置1におけるGI除去部12の構成を示すブロック図である。なお、図2(a)では、同期用トレーニング信号の自己相関を計算する自己相関計算手段の一例として、マッチドフィルタ121を採用しているが、本発明はこれ以外の手段を用いて自己相関を計算しても良い。例えば、OFDMシンボル自身の(巡回)自己相関を計算しても良い(すなわち、GIがデータ信号の後端を循環的に挿入したものであることを利用しても良い)。ただ、図2(a)のようにマッチドフィルタ121を用いて自己相関を計算することで、OFDMシンボル自身の自己相関を計算するよりも出力レベルを大きくすることができ、ひいては精度良く自己相関を計算することができる。
図2(a)において、GI除去部12は、マッチドフィルタ121と、ディジタルフィルタ122と、シンボル・タイミング検出回路(以下、シンボルタイミング検出で示す)123と、ガードインターバル除去回路(以下、ガードインターバル除去で示す)124と、を有しており、マッチドフィルタ121,ディジタルフィルタ122及びシンボルタイミング検出123によって、GIを除去するタイミングが検出される。さらに、詳細は、後述するが、GI除去部12は、受信レベル検出部125と、変調方式特定部126と、閾値設定部127と、を有している。
マッチドフィルタ121は、上述のとおり同期用トレーニング信号の自己相関を計算する機能を有するが、具体的な回路構成としては、例えば図2(b)に示すような回路が挙げられる。図2(b)に示すマッチドフィルタ121は、複数の遅延器(τで示す)121aを有しており、各遅延器121aの前後から抽出されたデータに自己相関値に相当するnタップの重み付け(同期用トレーニング信号のゲインに応じて予め定められた係数(0)〜係数(n−1)をそれぞれ乗算する)がなされた後、それらが加算され、絶対値計算部(絶対値で示す)121b及びレベル判定部(レベル判定で示す)121cを経て、パルス波形を出力する。その後、図2(a)に示すディジタルフィルタ122において、マッチドフィルタ121の出力に対して移動平均処理が施され、平均化された複数の自己相関を示すパルス波形が出力される(図3(b)参照)。
図3は、マッチドフィルタ121及びディジタルフィルタ122の機能を説明するための説明図である。図3(a)は、同期用トレーニング信号の一例を示し、図3(b)は、ディジタルフィルタ122の出力例を示し、図3(c)は、ガードインターバル除去124によって、図3(b)に示す出力例からGIが除去されている様子を示す図である。
図3(a)に示すように、同期用トレーニング信号は、nサンプルの既知パターンの複数回(図3ではTe1〜Te10の10回)繰り返しからなる信号である。図3(a)に示す同期用トレーニング信号がマッチドフィルタ121及びディジタルフィルタ122を通過すると、図3(b)に示す複数の自己相関パルス波形が得られる。なお、本明細書における「パルス波形」は、所定の時間幅(時間的な広がり)をもつものを含む趣旨である。
図3(b)では、ディジタルフィルタ122の出力であるため各パルス波形のゲイン(ピーク値)が次第に大きくなり、飽和した後、最後に急激に低下している(パルス波形P→パルス波形P)。そして、この急激にピーク値が低下したパルス波形Pの1個直前のパルス波形P(最もピーク値の大きなパルス波形)のタイミングは、同期用トレーニング信号の最後を示すタイミングに相当し、かつ、GIの最初を示すタイミングにも相当する。したがって、シンボルタイミング検出123(図2(a)参照)において、このパルス波形Pのタイミングを検出し、ガードインターバル除去124(図2(a)参照)において、このタイミングを用いてGIの除去を行うことによって、例えば図3(c)に示す出力例が得られる。
ここで、本発明の実施の形態に係る受信装置1では、平均C/Nが高いときには、すなわち、平均C/Nが所定の閾値以上のときには、パルス波形Pのタイミングだけでなく、パルス波形Pの時間幅も使ってGIを除去することとしている。これにより、マルチパスフェージング環境下において複数の遅延波の時間分布に相当する時間幅を検出していることになり、正確にガードインターバル除去タイミングを検出することができる。このような作用効果について、パルス波形Pのタイミングのみを使ってGIを除去する技術と比較しつつ、図4を用いて詳述する。なお、受信装置1は、平均C/Nが低いときには、すなわち、平均C/Nが所定の閾値よりも低いときには、パルス波形PのタイミングのみでGIを除去する。
図4は、マルチパスフェージング環境下において得られる受信波の遅延プロファイルとそれに相当するマッチドフィルタ+ディジタルフィルタ出力の関係を説明するための説明図である。
まず、受信波に遅延波が含まれていない場合において、受信波の遅延プロファイルが図4(a−1)に示すもの(第1波Sのみ)と仮定すると、同期用トレーニング信号がマッチドフィルタ121及びディジタルフィルタ122を通過して得られる出力は、図4(a−2)に示すようになる。図3(b)を用いて上述したように、パルス波形のゲイン(ピーク値)が飽和し(パルス波形のゲインが次第に大きくなる過程は省略している)、既知信号の繰り返し周期(上述したnサンプルのTe)でパルス波形が数回発生した後、最後に急激に低下している(パルス波形P→パルス波形P)。このとき、上述のとおり、最もピーク値の大きなパルス波形Pのタイミングが、GIの最初を示すタイミングとなる。
次に、受信波に遅延波が1波含まれている場合において、受信波の遅延プロファイルが図4(b−1)に示すもの(第1波S及び第2波S)と仮定すると、同期用トレーニング信号がマッチドフィルタ121及びディジタルフィルタ122を通過して得られる出力は、図4(b−2)に示すようになる。図4(b−2)では、第1波Sと第2波Sの影響により、既知信号の繰り返し周期で2個のパルス波形が数回発生した後(上述同様、パルス波形のゲインが次第に大きくなる過程は省略している)、最後に急激に低下している(パルス波形P,P’→パルス波形P,P’)。このとき、図4(b−2)では、第1波Sに基づくパルス波形Pのゲイン(ピーク値)の方が、第2波Sに基づくパルス波形P’のゲイン(ピーク値)よりも大きいため、パルス波形PのタイミングがGIの最初を示すタイミングとなり、GIの最初を示すタイミングを見誤ることなく、ガードインターバル除去124(図2(a)参照)で適切にGIを除去することができる。
ところが、受信波に遅延波が1波含まれている場合において、受信波の遅延プロファイルが図4(c−1)に示すもの(第1波S及び第2波S)と仮定すると、同期用トレーニング信号がマッチドフィルタ121及びディジタルフィルタ122を通過して得られる出力は、図4(c−2)に示すようになり、問題が生ずる。具体的に説明すると、図4(c−2)では、第1波Sに基づくパルス波形Pのゲインの方が、第2波Sに基づくパルス波形P’のゲインよりも小さいため、パルス波形P’のタイミングがGIの最初を示すタイミングとなってしまい、ガードインターバル除去124(図2(a)参照)で適切にGIを除去することができない(本来、GIの最初を示すタイミングは、パルス波形Pのタイミングである)。このように、1番早いパスを伝搬した無線信号(第1波S)の相関値(ピーク値)よりも、2番目に早いパスを伝搬した無線信号(第2波S)の相関値(ピーク値)の方が高い場合に、このような問題が生ずることがある。
なお、マルチパスフェージング環境下において得られる受信波を考えると、図4(d−1)に示すような遅延プロファイル(第1波S〜第4波S)も考えられ、この場合も図4(c−2)と同様に、第1波Sに基づくパルス波形Pのゲインの方が、第2波Sに基づくパルス波形P’のゲインよりも小さいため、パルス波形P’のタイミングがGIの最初を示すタイミングとなってしまい、ガードインターバル除去124(図2(a)参照)で適切にGIを除去することができない。
ところで、平均C/Nが10dB、15dB、20dB、25dB及び30dBの無線通信路における平均ビット誤り率について、シミュレーション結果を図15及び図16に示す。
また、今回のシミュレーションでは、第1GI除去方法により検出したピーク位置を2サンプル前方へ移動したものと、第2GI除去方法のみの場合と、第1GI除去方法と第2GI除去方法を併用した場合(本実施形態)の3つを比較して行った。なお、第1GI除去方法とは、ピーク値位置検出部(後述するピーク値位置検出部1231)によるピーク値の位置検出のみに基づいてGIを除去するタイミングを決定する方法をいう。また、第2GI除去方法とは、ピーク値位置検出部によるピーク値の位置検出と、遅延波分布幅検出部(後述する遅延波分布幅検出部1232)による遅延波分布幅に基づいて、GIを除去するタイミングを決定する方法をいう。
シミュレーションの結果、第2GI除去方法は、いずれの変調方式でも低い平均C/Nにおいて、第1GI除去方法よりも平均ビット誤り率(BER)が増大することが分かった。本発明では、一定条件下に、第1GI除去方法と第2GI除去方法を適宜切り替えて使用するので、平均C/Nの良し悪しに関わらず良好な平均ビット誤り率を得ることができる。
また、受信装置1では、OFDM変復調方式による無線通信システムの受信機内のシンボル・タイミングを検出する部分の性能改善に貢献することを一つの目的にしている。
無線通信環境においては、図5に示すように、建物等で電波の反射の影響(マルチパス)により、送信機からの直接波以外に減衰して時間遅延を持った電波も存在し、それらの合成波が受信機により観測(受信)される。
そのため、OFDM変調方式では、データ信号の前にガードインターバル(GI)を配置することにより、遅延波に対して頑健性を有している(図5(a))。
一方、OFDM変調方式では、受信機において適切にガードインターバル(GI)の位置を推定しなければ、シンボル間干渉が起こり、符合誤り率が増加してしまう(図5(b))。
また、シンボルタイミングの検出について説明する。送信機は、データ信号の前に複数の既知のトレーニング信号を配置してデータを送信する。そして、受信装置1は、受信した信号と既知のトレーニング信号との相互相関を計算する。そして、受信装置1は、計算された相互相関に基づいて、ディジタルフィルタにより移動平均が計算され、その値のピーク等をシンボル・タイミングとして検出する(図3を参照)。
また、シンボルタイミングの検出は、図2に示すように、相関の移動平均値からシンボル・タイミングを検出するブロック(図2中のシンボルタイミング検出123)に、どのような方法を用いるかにより、第1GI除去方法のみ、第2GI除去方法のみ、両方法の併用(本実施例)に分類できる。
第1GI除去方法のみでは、単純に相関の移動平均値のピーク値をシンボル・タイミングとして検出するだけである。詳細は、後述する図7に示すように、等電力2波モデルを想定した場合に、受信装置1は、先行波(直接波)が遅延波の電力よりも大きいパターン(以下、パターン1という)の場合には、適正にGIを除去できる。しかし、受信装置1は、直接波(先行波)よりも大きなパワーを持つ遅延波が存在するパターン(以下、パターン2という)には、失敗してしまう。
そこで、第2GI除去方法では、第1GI除去方法の問題点を解消するために、相関の移動平均値がある閾値以上となる幅を遅延波の遅延分布幅として検出し、ピーク値と併せて利用することによりシンボルタイミングの検出の精度を向上させている(後述する図8を参照)。
受信装置1は、パターン1の場合には、ピーク検出により得たタイミングをそのまま利用する。また、受信装置1は、パターン2の場合には、ピーク検出タイミングを含んで干渉成分の遅延分布幅がガードインターバル内に収まるようにタイミングを制御する。
よって、本実施形態に係る受信装置1では、受信信号のC/N値が高いときには、パルス波形Pのタイミングだけでなく、パルス波形Pの時間幅も使ってGIを除去し、受信信号のC/N値が低いときには、パルス波形PのタイミングだけでGIを除去することとしている。
また、図6は、GI除去部12におけるシンボルタイミング検出123の構成を示すブロック図である。図7は、C/Nが高い場合におけるシンボルタイミング検出123の動作についての説明に供する図である。
まず、図6において、シンボルタイミング検出123は、ピーク値位置検出部1231と、遅延波分布幅検出部1232と、OR回路1233と、切替部1234を有している。なお、図6では、4個の電気的要素から構成されることとしたが、例えば増幅器や各種フィルタ等、これら4個の電気的要素以外のものが含まれていても良い。
ピーク値位置検出部1231は、Z領域(離散群上でのラプラス変換領域)で1サンプルだけ遅延処理を施す遅延器1231aと、同領域で2サンプルだけ遅延処理を施す遅延器1231bと、レベル比較器1231cと、を有している。このような構成にすることで、急激にピーク値が低下したパルス波形の1個(1組)直前のパルス波形であって、かつ、最もピーク値の大きなパルス波形のタイミングを検出することができる。例えば、図4(c−2)でいえば、パルス波形P’のタイミングを検出することができる。しかし、上述したように、これだけだとガードインターバル除去124(図2(a)参照)で適切にGIを除去することができない。
一方、遅延波分布幅検出部1232は、レベル比較器1232aと、ホールド回路1232bと、を有している。レベル比較器1232aには、ディジタルフィルタ122(図2参照)の出力と、パルス波形の時間幅を検出するために用いられる所定の閾値とが入力される。この所定の閾値は、如何なるレベルであっても良いが、あまりに高すぎるとゲインの小さなパルス波形の時間幅を検出できず、あまりに低すぎると雑音を拾ってしまうため、システム環境に応じて適切な値が選択されるものとする。レベル比較器1232aによって、所定の閾値で切り出された信号は、ホールド回路1232bによって波高値が一時ホールドされる。これらレベル比較器1232a及びホールド回路1232bの機能について、図7を用いて詳述する。
図7は、レベル比較器1232a及びホールド回路1232bによって遅延波分布幅が生成される様子を説明するための説明図である。なお、図7(a)及び図7(c)は、それぞれ図3(b)及び図3(c)と同じである。また、図7(b)及び図7(d)は、それぞれ図7(a)及び図7(c)の時間軸を拡大した様子を示している。
図7(b)において、パルス波形Pは、GIの最初を示すタイミングを示す波形であるが、時間軸を拡大してみると所定の時間幅(時間的な広がり)をもっていることが分かる。これは、受信波の干渉成分の検出時間幅に相当する。図7(d)においても同様である。
図7(b)に示すパルス波形Pを拡大すると、図7(e)に示すようになり、このパルス波形Pがレベル比較器1232a及びホールド回路1232bを通過すると、所定の閾値に応じた出力が得られる。例えば、レベル比較器1232aに入力される所定の閾値が図7(e)に示すレベル1であれば、ホールド回路1232bの出力は図7(f)左図に示すようになる。また、レベル比較器1232aに入力される所定の閾値が図7(e)に示すレベル2であれば、ホールド回路1232bの出力は図7(f)中央図に示すようになる。レベル比較器1232aに入力される所定の閾値が図7(e)に示すレベル3であれば、ホールド回路1232bの出力は図7(f)右図に示すようになる。なお、上述した所定の閾値は、(サンプル)ホールド回路1232bのスレッショールドレベルに相当している。また、上述したように、レベル1,2又は3のいずれが用いられるかは、システム環境に応じて選択されるものとする。
このように、ピーク値位置検出部1231においてピーク値の位置(タイミング)が検出され、遅延波分布幅検出部1232において遅延波分布幅(遅延波成分の検出時間幅)が検出されると、それらの検出結果はOR回路1233(図6参照)に入力される。
また、切替部1234は、OR回路1233から出力された信号と、ピーク値位置検出部1231から出力された信号と、受信レベル検出部125により検出された受信レベルが入力される。ここで、受信レベル検出部125は、受信アンテナ11により受信した無線信号の受信レベルを受信する。
また、切替部1234は、受信レベル検出部125により検出された受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、OR回路1233からの出力、すなわちピークタイミング及び時間幅に基づいて、ピークタイミング及び時間幅の双方が含まれるように、ガードインターバルを除去するタイミングをガードインターバル除去124に通知する。
また、切替部1234は、受信レベル検出部125により検出された受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、ピーク値位置検出部1231からの出力、すなわちピークタイミングに基づいて、ガードインターバルを除去するタイミングをガードインターバル除去124に通知する。
ガードインターバル除去124は、切替部1234から通知されたタイミングを用いてGIの除去を行う。
ここで、受信レベルは、受信信号のC/N値が低くなると低くなり、受信信号のC/N値が高くなると高くなる。したがって、本発明によれば、受信信号のC/N値と相関関係にある受信レベルに応じて、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
また、受信レベル検出部125は、無線信号の受信電界強度(RSSI、Received Signal Strength Indication)を受信レベルとして検出する構成でも良い。
このような構成の場合、ガードインターバル除去124は、RSSIが所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、RSSIが所定の閾値よりも低い場合には、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去する。よって、受信装置1は、RSSIのレベルに応じて、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
また、受信装置1は、図1に示すように、受信した無線信号の利得を電圧により制御する自動利得制御増幅部15を備える構成でも良い。
このような構成の場合には、受信レベル検出部125は、自動利得制御増幅部15による電圧値に基づいて、無線信号の受信レベルを検出する。
よって、ガードインターバル除去124は、自動利得制御増幅器の制御電圧値(AGC電圧値)が所定の閾値よりも低い場合には、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、AGCの電圧値が所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去する。したがって、受信装置1は、AGCの電圧値に応じて、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。なお、ここではAGCの電圧値が低い程受信信号レベルは高いという場合を想定したが、逆の場合も想定される。すなわち、AGCの電圧値が低い程受信信号レベルは低い場合である。この場合、ガードインターバル除去124は、AGCの電圧値が所定の閾値よりも高い場合には、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去し、AGCの電圧値が所定の閾値より低い場合には、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去する構成になる。
また、GI除去部12は、上述したように、無線信号に基づいて変調方式を特定する変調方式特定部126と、変調方式特定部126により特定した変調方式に基づいて、所定の閾値を設定する閾値設定部127を備える構成でも良い。
このような構成によれば、ガードインターバル除去124は、受信レベル検出部125により検出した受信レベルがこの設定された閾値よりも大きいか又は小さいかによって、ガードインターバルを除去する動作を変更する。よって、受信装置1は、各変調方式に適した閾値を設定し、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
また、図15、図16に示された特性を持つ受信装置においては、具体的には、閾値設定部127は、変調方式特定部126で特定した(一次)変調方式がQPSKの場合には、受信信号のC/N値が約22dBになるように受信レベルの閾値を設定し、また、変調方式特定部126で特定した(一次)変調方式が16QAMの場合には、受信信号のC/N値が約18dBになるように閾値を設定する。
よって、受信装置1は、一次変調方式がQPSKの場合には、受信信号のC/N値が約22dBよりも低い場合には、第1GI除去方法にしたがって、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去し、受信信号のC/N値が約22dBよりも高い場合には、第2GI除去方法にしたがって、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去する。
また、受信装置1は、一次変調方式が16QAMの場合には、受信信号のC/N値が約18dBよりも低い場合には、第1GI除去方法にしたがって、ピークタイミングのみに基づいて、ガードインターバルを除去し、受信信号のC/N値が約18dBよりも高い場合には、第2GI除去方法にしたがって、ピークタイミング及び時間幅に基づいて、ガードインターバルを除去する。
このようにして、受信装置1は、全ての受信信号のC/N値において最適なBERを得ることができ、精度良くガードインターバルを除去するタイミングを検出することができる。
また、ピーク値位置検出部1231は、マッチドフィルタ121及びディジタルフィルタ122の出力(計算結果)に基づいて、同期用トレーニング信号の後端を特定するために用いられるパルス波形のピークタイミングを検出するピークタイミング検出手段(ピークタイミング検出ステップ)の一例であって、遅延波分布幅検出部1232は、マルチパスフェージングに起因して生ずる複数の遅延波の時間幅に相当するパルス波形の時間幅を検出する時間幅検出手段(時間幅検出ステップ)の一例である。
次に、ガードインターバル除去124において、受信信号のC/N値が高い場合において、実際にGIが除去される様子を図8〜図11を用いて説明する。なお、図8は、本実施形態に係るガードインターバル除去方法との比較のため、パルス波形のタイミングのみを使ってGIを除去する方法(第1GI除去方法)による場合を示している。また、図8〜図11は、受信信号のC/N値が高く、かつ、いずれもマルチパス環境を想定している。
図8は、第1GI除去方法に係るGI除去タイミングを説明するための説明図である。図9は、第2GI除去方法に係るガードインターバル除去方法のGI除去タイミングを説明するための説明図である。図10は、第2GI除去方法に係るガードインターバル除去方法の最適なGI除去タイミングを説明するための説明図である。
図8(a)に示すように、GI除去部12に入力される信号は、繰り返し既知パターンである同期用トレーニング信号と、GIと、データ信号と、から構成される。なお、同期用トレーニング信号については一部のみを図示し、GI及びデータ信号からなるOFDMシンボルについても一つのみを図示している(すなわち、実際は同期用トレーニング信号の後に複数のOFDMシンボルが続いている)。また、マルチパスフェージング分布として、第1波と第2波を考え、第1波と第2波との時間差は150ns(=200ns−50ns)とする。
図8(b)に示すように、第1GI除去方法に係るガードインターバルの除去でも、第1波のゲインが第2波のゲインよりも大きい場合、すなわちパターン(1)のような遅延プロファイルの場合には、パルス波形のピークタイミングのみを検出し、GIの先頭を適切に検出することができる(図4(b−1)及び図4(b−2)を用いて説明したのと同様である)。しかし、第2GI除去方法に係るガードインターバルの除去だと、図8(c)に示すように、第1波のゲインが第2波のゲインよりも小さい場合、すなわちパターン(2)のような遅延プロファイルの場合には、GIの先頭を適切に検出することができない(図4(c−1)及び図4(c−2)を用いて説明したのと同様である)。この場合、GIを除去する際に(図8(c)中の斜線部分を取り去る際に)、データ信号の一部が除去されてしまい(図8(c)中のX部分は、本来データ信号に相当する部分である)、結果として、各サブキャリアの直交性が崩れ、シンボル間の干渉が生じ、ビットエラーレートの劣化を招来することになる。なお、レーレーフェージング環境では、2つの遅延波の瞬時レベルは絶えず時間的に変動し、パターン(1)及びパターン(2)はほぼ等確率で発生することになる。
次に、図9に示すように、第2GI除去方法に係るガードインターバルの除去では、シンボルタイミング検出123におけるピーク値位置検出部1231の出力(ピークタイミング)と、シンボルタイミング検出123における遅延波分布幅検出部1232の出力(時間幅)の双方が含まれるように、GIが除去される。
具体的には、図9(a)に示すように、受信波の遅延プロファイルがパターン(1)のような場合には、ピークタイミングから、予め定められたGIの時間幅分だけ除去すれば、データ信号の一部を誤って除去することはない。また、図9(b)に示すように、受信波の遅延プロファイルがパターン(2)のような場合でも、ピークタイミングより時間的に前であって、かつ、干渉成分の検出時間幅(時間幅W)がGI除去区間(図9中の斜線の区間)に入るように、GI除去タイミングが検出されるので、図9(a)と同様にデータ信号の一部を誤って除去することはない。干渉成分の時間幅WがGI除去区間に入るように、GI除去タイミングが検出される様子を、図10を用いて詳述する。
図10(a)は、第1GI除去方法によるGI除去タイミングによって設定されるGI除去区間(図10中の斜線の区間。以下、図10において同じ。)を示しており、図8(c)を用いて上述したとおり、データ信号の一部を除去してしまうことになる。そこで、第2GI除去方法に係るガードインターバルの除去では、図10(b)に示すように、除去タイミング(すなわちGI除去区間)を時間的に前(図10(b)でいえば左方)へ移動させ、パターン(2)の遅延プロファイルのときでも第1波がGI除去区間に含まれるように(パターン(2)の遅延プロファイルにおける干渉成分の時間幅WaがGI除去区間に含まれるように)、GI除去区間が設定される。或いは、図10(c)に示すように、除去タイミング(すなわちGI除去区間)を時間的にさらに前(図10(c)でいえば左方)へ移動させ、パターン(1)の遅延プロファイルのときでも第2波がGI除去区間に含まれるように(パターン(1)の遅延プロファイルにおける干渉成分の時間幅WbがGI除去区間に含まれるように)、GI除去区間が設定される。なお、図10(d)に示すように、GI除去区間が800ns(GIの1個分に相当)時間的に前へ移動すると、GIを適切に除去できなくなる(BERが増大する)。
以上説明したように、図10によれば、適切なGI除去タイミングの範囲は、図10(b)に示すGI除去区間の最後の位置から、図10(c)に示すGI除去区間の先頭の位置であることが分かる。一方、図10(a)及び図10(d)では、マルチパスフェージングの全ての遅延波成分がGI範囲内に収まることができないため、大きなシステム劣化を招くことになる。
図11は、本発明の他の実施形態に係るガードインターバル除去方法のGI除去タイミングを説明するための説明図である。
図11では、ガードインターバル除去124において、ピークタイミングよりも時間幅Wの分だけ時間的に前のタイミングを用いて、GIを除去するようにしている。すなわち、干渉成分の時間幅をWとしたとき、ピークタイミングよりも時間的にWだけ前のタイミングを、GI除去タイミングとしている。受信波の遅延プロファイルがパターン(1)に示すものであれば、第1波に対応するピークタイミングよりも時間的にWだけ前のタイミングがGI除去タイミングになるし(図11(a)参照)、受信波の遅延プロファイルがパターン(2)に示すものであれば、第2波に対応するピークタイミングよりも時間的にWだけ前のタイミングがGI除去タイミングになる(図11(b)参照)。このように、時間幅Wを時間的な余裕として予め固定しておくことによって、GI除去区間を移動させる必要がなくなり、図6に示す遅延波分布幅検出部は不要になり、簡易な回路構成でありながら適切にGIを除去することができる。
[実施例]
図12は、本発明の実施例に係るガードインターバル除去方法をシミュレーションした際のシミュレーション諸元を示す図である。図13は、C/Nが高い場合における、本発明の実施例に係るガードインターバル除去方法(第2GI除去方法)をシミュレーションした際のシミュレーション結果を示す図である。
図12(a)に示すように、OFDMシンボル長は64サンプル(=3.2μs)とし、ガードインターバル長は16サンプル(=0.8μs)とし、サブキャリア数は52波とし、1次変調方式は16QAMとし、チャネル特性は2パス独立レーレー変動モデルを用い、同期用トレーニングとして16サンプル×10を用い、1パケットあたりのデータ長は64OFDMシンボルとした。なお、チャネル特性で用いた2パス独立レーレー変動モデルを、図12(b)に示す。図12(b)では、横軸が遅延時間(ns)であり、縦軸が平均電力(dB)であり、第1波と第2波とで150nsだけ遅延していることが分かる。
シミュレーションの結果については、図13に示す。図13では、横軸がGI除去タイミング(ns)であり、縦軸がBER(対数目盛り)である。横軸のGI除去タイミングとは、図10(a)で示したGI除去区間の位置を0として、時間的に前へ(図10(a)で言えば左方へ)どのくらい移動させたかを意味している。
図13によれば、GI除去区間を全く移動させない場合には(図10(a)のケース)、BERは約0.2であるのに対し、GI除去区間を200ns移動させた場合には(図10(b)のケースとほぼ同じ)、BERは約0.01にまで改善されている。一方で、GI除去区間を700ns移動させた場合には(図10(c)のケースとほぼ同じ)、BERは約0.02であるのに対し、GI除去区間を800ns移動させた場合には(図10(d)のケースとほぼ同じ)、BERは約0.4にまで悪化している。
このシミュレーション結果は、多少のシミュレーション誤差はあるものの、適切なGI除去タイミングの範囲は、図10(b)に示すGI除去区間の最後の位置(図13ではGI除去区間を200ns移動させた場合に相当)から、図10(c)に示すGI除去区間の先頭の位置(図13ではGI除去区間を700ns移動させた場合に相当)であることを意味している(図13中の点線枠参照)。すなわち、受信信号のC/N値が高い場合において、パルス波形のピークタイミングと時間幅の双方が含まれるようにGIを除去することによって、精度良くガードインターバルを除去できることが明らかになった。
[実施形態の主な効果]
以上説明したように、本実施形態に係る受信装置1及びガードインターバル除去方法によれば、受信装置1のGI除去部12において、ピーク値位置検出部1231によってピークタイミングを検出するだけでなく、遅延波分布幅検出部1232によってパルス波形の時間幅も検出し、ピークタイミングとパルス波形の双方が含まれるように、GIを除去するようにしたので(図10(b)及び図10(c)参照)、受信信号のC/N値が高い場合における、マルチパスフェージング環境下においても、精度良くGI除去タイミングを検出することができる(図13に示すシミュレーション結果参照)。
また、本実施形態に係る受信装置1は、スイッチの切り替え制御等が不要であるから、ハードウェア構成を複雑化させることなく、簡易な構成でGI除去タイミングを検出することができる。また、ピーク値位置検出部1231と遅延波分布幅検出部1232の検出結果を加算する手法としてOR回路を採用することで、ロジックIC等の集積回路を利用でき、ひいては回路の設計自由度を高めることができる。
1 受信装置
2 送信装置
11 受信アンテナ
12 GI除去部
13 FFT部
14 1次復調部
15 自動利得制御増幅部
121 マッチドフィルタ
122 ディジタルフィルタ
123 シンボルタイミング検出(シンボル・タイミング検出回路)
124 ガードインターバル除去(ガードインターバル除去回路)
125 受信レベル検出部
126 変調方式特定部
127 閾値設定部
1231 ピーク値位置検出部
1232 遅延波分布幅検出部
1233 OR回路

Claims (5)

  1. 直交周波数分割多重方式により送信された無線信号を受信する受信装置において、
    前記無線信号には、既知パターンの複数回繰り返しからなる同期用トレーニング信号と、マルチキャリア変調されたデータ信号にガードインターバルが付加された少なくとも一以上のOFDMシンボルとが含まれており、
    前記無線信号の受信レベルを検出する受信レベル検出手段と、
    前記同期用トレーニング信号の自己相関を計算する自己相関計算手段と、
    前記自己相関計算手段の計算結果に基づいて、前記同期用トレーニング信号の後端を特定するために用いられるパルス波形のピークタイミングを検出するピークタイミング検出手段と、
    マルチパスフェージングに起因して生ずる前記パルス波形の時間幅を検出する時間幅検出手段と、
    前記ガードインターバルを除去するガードインターバル除去手段と、を備え、
    前記ガードインターバル除去手段は、前記受信レベル検出手段により検出された受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、前記ピークタイミング及び前記時間幅に基づいて、前記ガードインターバルを除去し、前記受信レベル検出手段により検出された受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、前記ピークタイミングに基づいて、前記ガードインターバルを除去する受信装置。
  2. 前記受信レベル検出手段は、前記無線信号の受信電界強度を前記受信レベルとして検出する請求項1記載の受信装置。
  3. 受信した前記無線信号の利得を電圧により制御する自動利得制御増幅手段を備え、
    前記受信レベル検出手段は、前記自動利得制御増幅手段による電圧値に基づいて、前記無線信号の前記受信レベルを検出する請求項1記載の受信装置。
  4. 前記無線信号に基づいて変調方式を特定する変調方式特定手段と、
    前記変調方式特定手段により特定した変調方式に基づいて、前記所定の閾値を設定する閾値設定手段を備える請求項1記載の受信装置。
  5. 既知パターンの複数回繰り返しからなる同期用トレーニング信号と、マルチキャリア変調されたデータ信号にガードインターバルが付加された少なくとも一以上のOFDMシンボルとが含まれた無線信号から、当該ガードインターバルを除去するガードインターバル除去方法において、
    前記無線信号の受信レベルを検出する受信レベル検出ステップと、
    前記同期用トレーニング信号の自己相関を計算する自己相関計算ステップと、
    前記自己相関計算ステップに基づいて、前記同期用トレーニング信号の後端を特定するために用いられるパルス波形のピークタイミングを検出するピークタイミング検出ステップと、
    マルチパスフェージングに起因して生ずる前記パルス波形の時間幅を検出する時間幅検出ステップと、
    前記ガードインターバルを除去するガードインターバル除去ステップと、を含み、
    前記ガードインターバル除去ステップは、前記受信レベル検出ステップにより検出された受信レベルが所定の閾値よりも高い場合には、前記ピークタイミング及び前記時間幅に基づいて、前記ガードインターバルを除去し、前記受信レベル検出ステップにより検出された受信レベルが所定の閾値よりも低い場合には、前記ピークタイミングに基づいて、前記ガードインターバルを除去するガードインターバル除去方法。
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