JP2012133932A - 全固体電池用電極および全固体電池 - Google Patents
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Abstract
【課題】活物質の体積割合が向上した全固体電池用電極および体積容量密度が充分に向上した全固体電池を提供する。
【解決手段】活物質粉末と固体電解質粉末と導電助剤を含有する全固体電池用電極であって、導電助剤が、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)の少なくとも一方を含有する一次粒子1aが連結して一体化した連鎖状金属粉末1である全固体電池用電極。連鎖状金属粉末1の含有比率が、1〜6vol%である。固体電解質粉末が、リチウムイオン伝導性を有する硫化物粉末である。正極または負極のいずれか一方または両方に、前記の全固体電池用電極が用いられている全固体電池。
【選択図】図1
【解決手段】活物質粉末と固体電解質粉末と導電助剤を含有する全固体電池用電極であって、導電助剤が、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)の少なくとも一方を含有する一次粒子1aが連結して一体化した連鎖状金属粉末1である全固体電池用電極。連鎖状金属粉末1の含有比率が、1〜6vol%である。固体電解質粉末が、リチウムイオン伝導性を有する硫化物粉末である。正極または負極のいずれか一方または両方に、前記の全固体電池用電極が用いられている全固体電池。
【選択図】図1
Description
本発明は、全固体電池用電極および全固体電池に関し、特に活物質の体積割合が高い全固体電池用電極および体積容量密度が高い全固体電池に関する。
近年、携帯電話やノート型パソコン等の携帯用小型電子機器やEV用の電源として、リチウムイオン電池などの非水電解質二次電池が広く用いられており、特に可燃性の有機電解液ではなく固体電解質を用いる全固体電池は、安全性に優れ、漏液する恐れがない電池として注目されている。
このような全固体電池に用いられる電極(全固体電池用電極)は、活物質、リチウムイオン(Li+)伝導性の固体電解質(SE)等で構成され、例えば活物質粉末、固体電解質粉末(SE粉末)およびバインダを混合してスラリーとした後、スラリーを集電体(基板)に塗布、乾燥することにより作製される(例えば、特許文献1)。
前記活物質としては、正極の場合には、高エネルギー密度を有する活物質、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)等のリチウムと遷移金属元素の複合酸化物(以下、「遷移金属酸化物」ともいう)が好ましく用いられ、負極の場合には、金属リチウム、黒鉛等の炭素系材料、チタン酸リチウム(Li4Ti5O12)等の遷移金属酸化物等が好ましく用いられる。また、SE粉末としては、例えばLi+伝導性が高く電気的特性に優れる、具体的には、Li−P−S系等の硫化物系のSE粉末が好ましく用いられる。
そして、正極には、一般的に、電子伝導性を付与するため、導電助剤が添加される。また、負極についても、遷移金属酸化物を活物質として用いる場合には、導電助剤が添加される。導電助剤としては、一般的にアセチレンブラック等のカーボンブラックが好ましく用いられる。
しかしながら、従来の全固体電池は、体積容量密度が充分に高いとは言えず、体積容量密度がより高い全固体電地の開発が望まれていた。
本発明者は、全固体電池においては、全固体電池用電極の活物質の体積割合により、電池の体積容量密度が決定されていることに着目し、全固体電池用電極の活物質の体積割合の向上につき、鋭意検討した。
その結果、NiやTiのナノメートル(nm)オーダーの微細な一次粒子が集まって、樹木の枝のように枝分かれして連鎖状に延びている連鎖状金属粉末を導電助剤として用いることが、全固体電池用電極の活物質の体積割合の向上に効果的であることが分かった。
即ち、NiやTiは、導電性に優れた金属であり、連鎖状金属粉末とすることにより、活物質粉末やSE粉末等を橋渡しして連鎖状にネットワークを形成するため、少量の添加で、充分な電子伝導性を確保することができることが分かった。即ち、導電助剤の体積割合が低減されるため、相対的に活物質の体積割合が向上して、電池の体積容量密度が向上した全固体電地を提供することができる。
本発明は上記の知見に基づくものである。即ち、本発明の全固体電池用電極は、
活物質粉末と固体電解質粉末と導電助剤を含有する全固体電池用電極であって、
前記導電助剤が、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)の少なくとも一方を含有する一次粒子が連結して一体化した連鎖状金属粉末であることを特徴とする。
活物質粉末と固体電解質粉末と導電助剤を含有する全固体電池用電極であって、
前記導電助剤が、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)の少なくとも一方を含有する一次粒子が連結して一体化した連鎖状金属粉末であることを特徴とする。
前記のように、NiやTiを含有する連鎖状金属粉末は、導電性に優れ、活物質粉末やSE粉末等を橋渡しして連鎖状にネットワークを形成するため、少量、具体的には、従来一般的に用いられているカーボンブラックの約1/2(体積割合)の添加で充分な電子伝導性を確保することができる。
この結果、活物質の体積割合が大きい全固体電池用電極を提供することができ、さらに、体積容量密度が充分に大きい全固体電池を提供することができる。
前記の連鎖状金属粉末としては、NiまたはTi単体、およびNi、Tiの少なくとも一方を含有する合金のいずれかが用いられる。合金としては、Cr等との合金が好ましく用いられるが、NiまたはTiの比率が50質量%未満であると充分な導電性を得ることが難しいため、合金中のNi、Tiの少なくとも一方の含有比率は50質量%以上であることが好ましい
なお、連鎖状金属粉末の一次粒子の直径(平均値)が20nm未満の場合は、活物質粉末やSE粉末と混合する際に連鎖状金属粉末の破砕が生じ易く、その結果、前記した連鎖状のネットワーク形成が阻害されるため、導電性付与効果が小さく、充分な電子伝導性を確保することができない。一方、一次粒子の直径が200nmを超える場合は、連鎖状のネットワーク形成に必要な金属粉末添加量が多くなりすぎる。このため、導電助剤としては、粒径が20〜200nmの一次粒子が連結して一体化した連鎖状金属粉末を用いることが好ましい。
また、連鎖状金属粉末の長さが1μm未満の場合には、活物質粉末やSE粉末等との橋渡しが充分にできないため、ネットワークを充分に形成することができず、充分な電子伝導性を確保することができない。一方、長さが10μmを超える場合には、金属粉末の粉砕が生じ易くなり、また均一に分散させることが困難になるため、充分な電子伝導性を確保することができない。このため、本発明においては、長さが1〜10μmの連鎖状金属粉末を用いることが好ましい。
なお、このような連鎖状金属粉末の製造方法は、特開2004−332047号公報に示されている。
そして、前記の全固体電池用電極は、
前記連鎖状金属粉末の含有比率が、1〜6vol%であることを特徴とする。
前記連鎖状金属粉末の含有比率が、1〜6vol%であることを特徴とする。
連鎖状金属粉末の含有比率を1vol%以上とすることにより、充分な電子伝導性を確実に確保することができる。一方、連鎖状金属粉末の含有比率を6vol%以下と充分に小さくすることにより、活物質の体積割合を向上させることができる。
また、前記の全固体電池用電極は、
前記固体電解質粉末が、リチウムイオン伝導性を有する硫化物粉末であることを特徴とする。
前記固体電解質粉末が、リチウムイオン伝導性を有する硫化物粉末であることを特徴とする。
近年、SE粉末として、イオン伝導性が高いことから硫化物が好ましく用いられているが、従来のように、一般的な金属CuやFeを導電助剤として用いた場合、SE粉末と反応して、電気抵抗値を上昇させ、電池の容量を低下させる恐れがある。
しかし、本発明者の検討によれば、NiやTiを含有する連鎖状金属粉末を導電助剤として用いた場合には、SE粉末と反応することがなく、電気抵抗値の上昇が抑制されて、電池の容量が低下しないことが分かった。また、アセチレンブラックなど一般的な導電助剤に比べ、本発明の連鎖状金属粉末は添加量が少量ですむため、活物質体積割合が増加し、容量密度が大きくなることが分かった。上記の発明は、この知見に基づくものである。
本発明の全固体電池は、
正極または負極のいずれか一方または両方に、前記の全固体電池用電極が用いられていることを特徴とする。
正極または負極のいずれか一方または両方に、前記の全固体電池用電極が用いられていることを特徴とする。
前記の全固体電池用電極は、活物質の体積割合が向上しているため、この全固体電池用電極を用いた全固体電池は、体積容量密度を充分に向上させることができる。
本発明によれば、活物質の体積割合が向上した全固体電池用電極および体積容量密度が充分に向上した全固体電池を提供することができる。
以下、本発明を実施の形態に基づいて説明する。
(全固体電池用電極)
始めに、本実施の形態における全固体電池用電極について説明する。
始めに、本実施の形態における全固体電池用電極について説明する。
1.全固体電池用電極の構成材
(1)導電助剤
本実施の形態における全固体電池用電極においては、導電助剤として、NiもしくはTi単体、またはNi、Tiの少なくとも一方を含有する合金からなる一次粒子が連結して一体化した連鎖状金属粉末が使用される。
(1)導電助剤
本実施の形態における全固体電池用電極においては、導電助剤として、NiもしくはTi単体、またはNi、Tiの少なくとも一方を含有する合金からなる一次粒子が連結して一体化した連鎖状金属粉末が使用される。
(イ)導電助剤の形状
図1は、本実施の形態の全固体電池用電極において用いられる連鎖状金属粉末の形状を模式的に示す図である。図1において、1aは連鎖状金属粉末を構成する一次粒子であり、一次粒子1aが樹枝状に連結されることにより、連鎖状金属粉末1が形成されている。
図1は、本実施の形態の全固体電池用電極において用いられる連鎖状金属粉末の形状を模式的に示す図である。図1において、1aは連鎖状金属粉末を構成する一次粒子であり、一次粒子1aが樹枝状に連結されることにより、連鎖状金属粉末1が形成されている。
このとき、一次粒子1aの粒子径dとしては20〜200nmであることが好ましく、連鎖状金属粉末1の長さDとしては1〜10μmであることが好ましい。
このような連鎖状金属粉末は、前記したように、導電性に優れ、活物質粉末やSE粉末等を橋渡しする機能を有しており、また、その表面に凹凸を有しているため、活物質粉末やSE粉末等と絡まり易く混合性に優れると共に、図2に示すように、好適に連鎖状のネットワークを形成することができる。なお、図2において、1は連鎖状金属粉末、11は活物質粉末、12はSE粉末である。
(ロ)導電助剤の製造
前記連鎖状金属粉末の製造方法の一例として、水溶液中の金属イオンを還元することにより連鎖状金属粉末を得る「湿式還元法」を挙げることができる。
前記連鎖状金属粉末の製造方法の一例として、水溶液中の金属イオンを還元することにより連鎖状金属粉末を得る「湿式還元法」を挙げることができる。
具体的には、NiCl2水溶液など還元の対象となるNiイオン(Ni2+)を含む水溶液と、クエン酸イオンなどの錯体イオンを含む水溶液と、還元剤として働く3価Tiイオン(Ti3+)を含むチタンイオン水溶液とを混合した水溶液を用いる。この水溶液において、Ti3+とNi2+のイオン濃度を、Ti3+≧2.5×Ni2+(Ti3+:3価Tiイオン濃度、Ni2+:Niイオン濃度)となるように調節する。なお、このとき、チタンイオン水溶液に、Ti3+の他にTi4+を、0.15≦Ti3+/Ti4+≦30(Ti3+:3価Tiイオン濃度、Ti4+:4価Tiイオン濃度)の比率で存在させることにより、適度な反応速度となり、安定的に連鎖状金属粉末を製造することができる。また、金属粉末の表面に適度な酸化層が形成されて分散性が向上することにより、導電性付与効果が向上する。
上記の混合水溶液に対し、アンモニア水等を用いてpHを約9付近にし、常温乃至50℃近辺に加熱した状態で攪拌することにより、連鎖状金属粉末が得られる。このとき、pH、温度、反応時間を調整することにより、生成される連鎖状金属粉末の樹枝状となる形状、骨格の径、長さ等を適宜制御することができる。
(2)活物質粉末
(イ)正極活物質粉末
正極活物質粉末としては、遷移金属酸化物粉末が好ましく使用され、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウウム(LiMnO2、LiMn2O4)、オリビン型鉄リン酸リチウム(LiFePO4)等の粉末を挙げることができる。粒径としては、D50粒径で、1〜20μmであることが好ましい。
(イ)正極活物質粉末
正極活物質粉末としては、遷移金属酸化物粉末が好ましく使用され、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO2)、ニッケル酸リチウム(LiNiO2)、マンガン酸リチウウム(LiMnO2、LiMn2O4)、オリビン型鉄リン酸リチウム(LiFePO4)等の粉末を挙げることができる。粒径としては、D50粒径で、1〜20μmであることが好ましい。
(ロ)負極活物質粉末
好ましい負極活物質粉末としては、例えば、Li4Ti5O12、タングステン酸化物(WO3)、錫珪素酸化物(SnSiO3)、酸化ケイ素(SiO)等の粉末を挙げることができる。粒径としては、D50粒径で、1〜20μmであることが好ましい。
好ましい負極活物質粉末としては、例えば、Li4Ti5O12、タングステン酸化物(WO3)、錫珪素酸化物(SnSiO3)、酸化ケイ素(SiO)等の粉末を挙げることができる。粒径としては、D50粒径で、1〜20μmであることが好ましい。
(3)SE粉末
好ましいSE粉末としては、Li−P−S系の硫化物の粉末を挙げることができる。粒径としては、D50粒径で、1〜10μmであることが好ましい。
好ましいSE粉末としては、Li−P−S系の硫化物の粉末を挙げることができる。粒径としては、D50粒径で、1〜10μmであることが好ましい。
このような硫化物系SE粉末は、例えば、所定の比率で秤量されたLi2SおよびP2S5を、ボールミルなどを用いて機械的に混合(メカニカルミリング処理)して、硫化物系ガラスを得ることにより作製される。
2.全固体電池用電極の作製
最初に、活物質粉末、SE粉末、導電助剤およびバインダを所定の比率で混合し、得られた混合物を例えばトルエン等の溶媒に添加後、混合することにより合剤スラリーを作製する。なお、バインダとしては、ポリテトラフルオリエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレングリコール(PEG)やポリメチルメタアクリレート(PMMA)等が好ましく用いられる。
最初に、活物質粉末、SE粉末、導電助剤およびバインダを所定の比率で混合し、得られた混合物を例えばトルエン等の溶媒に添加後、混合することにより合剤スラリーを作製する。なお、バインダとしては、ポリテトラフルオリエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、ポリエチレングリコール(PEG)やポリメチルメタアクリレート(PMMA)等が好ましく用いられる。
作製された合剤スラリーを、所定の厚みの基材に、所定量塗布した後、乾燥させ、その後、所定の圧力でプレス処理することにより、全固体電池用電極が作製される。なお、基材としては、アルミニウム(Al)、各種ステンレス、Niなどを用いることができる。また、粉末状のバインダーと活物質粉末、SE粉末、導電助剤をボールミルなどで乾式混合した後、混合粉末をそのままプレス処理することでも電極を作成することができる。
次に、以下に示す実施例に基づいて、本発明をより具体的に説明する。
(実施例)
1.全固体電池用正極の作製
(1)導電助剤の作製
前記した湿式還元法に基づき、連鎖状Ni粉末からなる導電助剤を作製した。
1.全固体電池用正極の作製
(1)導電助剤の作製
前記した湿式還元法に基づき、連鎖状Ni粉末からなる導電助剤を作製した。
具体的には、先ず、NiCl20.03mol、クエン酸0.15molを液温25℃の純水に溶解させ、28%アンモニア水溶液を添加し、pH=9の1Lの水溶液Aを準備した。一方で、TiCl3、TiCl4を液温25℃の純水に溶解させ、Ti3+0.08mol/L、Ti4+0.50mol/Lを含む1Lの水溶液Bを準備した。ここで、[Ti3+]≧2.5×[Ni2+]であり、[Ti3+]/[Ti4+]=0.16である。
上記の水溶液Aと水溶液Bを、液温25℃に保持したまま、反応時間30分で反応させ、反応液から生成したNi粉末を回収し、洗浄、乾燥してNi粉末を作製した。
作製されたNi粉末を、SEMを用いて、倍率100000倍にて観察したところ、このNi粉末が、連鎖状のNi粉末であり、20〜200nmの一次粒子径、1〜10μmの長さであることが確認された。
(2)SE粉末の作製
Li2SとP2S5を、80:20のモル比で秤量した後、遊星型ボールミルを用いて、回転速度800rpm、10時間のメカニカルミリング処理を行い、さらに、240℃で1時間加熱処理することにより、Li−P−S非晶質硫化物系のSE粉末を作製した。得られたSE粉末のD50粒径は3μmであった。
Li2SとP2S5を、80:20のモル比で秤量した後、遊星型ボールミルを用いて、回転速度800rpm、10時間のメカニカルミリング処理を行い、さらに、240℃で1時間加熱処理することにより、Li−P−S非晶質硫化物系のSE粉末を作製した。得られたSE粉末のD50粒径は3μmであった。
(3)正極合剤スラリーの作製
前記SE粉末13g、LiCoO2粉末(D50粒径:50μm)30g、前記連鎖状Ni粉末2g、およびバインダとしてのポリエチレングリコール(PEG)樹脂5gを、トルエン溶媒300mlに添加し、混合することにより、正極合剤スラリーを得た。
前記SE粉末13g、LiCoO2粉末(D50粒径:50μm)30g、前記連鎖状Ni粉末2g、およびバインダとしてのポリエチレングリコール(PEG)樹脂5gを、トルエン溶媒300mlに添加し、混合することにより、正極合剤スラリーを得た。
(4)全固体電池用正極の作製
厚さ20μm、直径16mmφのAl基材(正極集電体層)上に、前記スラリーを所定量塗布して、150℃で5時間乾燥した後、50MPaでプレス処理を施し、厚み60μmの全固体電池用正極を作製した。このとき、正極層中の導電助剤の体積割合は2vol%、活物質の体積割合は50vol%であった。
厚さ20μm、直径16mmφのAl基材(正極集電体層)上に、前記スラリーを所定量塗布して、150℃で5時間乾燥した後、50MPaでプレス処理を施し、厚み60μmの全固体電池用正極を作製した。このとき、正極層中の導電助剤の体積割合は2vol%、活物質の体積割合は50vol%であった。
2.全固体電池の作製
(1)全固体電池の断面構造
図3は、本実施例における全固体電池の断面構造を模式的に示す図である。図3において、2は全固体電池、21は正極集電体層、22は負極集電体層、23は正極層、24は負極層、25は固体電解質層(SE層)である。
(1)全固体電池の断面構造
図3は、本実施例における全固体電池の断面構造を模式的に示す図である。図3において、2は全固体電池、21は正極集電体層、22は負極集電体層、23は正極層、24は負極層、25は固体電解質層(SE層)である。
(2)固体電解質層(SE層)の形成
前記により作製された全固体電池用正極の正極層23上に、レーザー蒸着法を用いて、10μm厚みのLi−P−S非晶質硫化物系の固体電解質層(SE層)25を成膜した。
前記により作製された全固体電池用正極の正極層23上に、レーザー蒸着法を用いて、10μm厚みのLi−P−S非晶質硫化物系の固体電解質層(SE層)25を成膜した。
(3)負極層の形成
その後、固体電解質層(SE層)25の上に、真空中抵抗加熱法を用いて、直径10mmφ、厚さ1μmの金属リチウム(Li)からなる負極層24を成膜した。
その後、固体電解質層(SE層)25の上に、真空中抵抗加熱法を用いて、直径10mmφ、厚さ1μmの金属リチウム(Li)からなる負極層24を成膜した。
(4)全固体電池の作製
その後、さらに、負極層24上に負極集電体層22を設けることにより、実施例の全固体電池2を作製した。
その後、さらに、負極層24上に負極集電体層22を設けることにより、実施例の全固体電池2を作製した。
(比較例1)
正極合剤スラリーの作製における導電助剤を、アセチレンブラック2gに変更したこと以外は、実施例と同様にして、比較例1の全固体電池を作製した。なお、このとき作製された正極層中の導電助剤の体積割合は47vol%、活物質の体積割合は5vol%であった。
正極合剤スラリーの作製における導電助剤を、アセチレンブラック2gに変更したこと以外は、実施例と同様にして、比較例1の全固体電池を作製した。なお、このとき作製された正極層中の導電助剤の体積割合は47vol%、活物質の体積割合は5vol%であった。
(比較例2)
実施例1の連鎖状金属粉末2gを、アセチレンブラック5gに変えて正極合剤スラリーとしたこと以外は、実施例と同様にして、比較例2の全固体電池を作製した。なお、このとき作製された正極層中の導電助剤の体積割合は12.5vol%、活物質の体積割合は39.5vol%であった。
実施例1の連鎖状金属粉末2gを、アセチレンブラック5gに変えて正極合剤スラリーとしたこと以外は、実施例と同様にして、比較例2の全固体電池を作製した。なお、このとき作製された正極層中の導電助剤の体積割合は12.5vol%、活物質の体積割合は39.5vol%であった。
(全固体電池の特性評価)
1.特性評価用全固体電池の作製
実施例および比較例1、2で得られた全固体電池をコインセルに組込み、特性評価用の全固体電池を作製した。
1.特性評価用全固体電池の作製
実施例および比較例1、2で得られた全固体電池をコインセルに組込み、特性評価用の全固体電池を作製した。
2.評価方法
作製した各全固体電池を、温度25℃において、100μA/cm2の定電流でカットオフ電圧4.2V−3Vで充放電試験を実施し、放電開始時のIR降下抵抗および放電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
作製した各全固体電池を、温度25℃において、100μA/cm2の定電流でカットオフ電圧4.2V−3Vで充放電試験を実施し、放電開始時のIR降下抵抗および放電容量を測定した。測定結果を表1に示す。
表1より、導電助剤として連鎖状Ni粉末を用いた実施例の場合、IR降下抵抗が60Ωcm2と小さく、放電容量が1.5mAh/cm2と大きく、体積容量密度が充分に大きいことが分かる。これに対して、同等量のアセチレンブラックを導電助剤として用いた比較例1の場合、IR降下抵抗が1050Ωcm2と非常に大きく、放電容量が1.3mAh/cm2と小さい。これは、アセチレンブラックは、連鎖状Ni粉末に比べて、電子伝導性が劣っているために、高抵抗化し、放電容量も低下したものと考えられる。
また、アセチレンブラックが追加された比較例2の場合、IR降下抵抗は80Ωcm2と、比較例1よりも向上しているものの実施例には及ばず、放電容量は、1.1mAh/cm2と、比較例1よりも低下している。これは、導電助剤の増量により、電子伝導性が向上して高抵抗化は抑制されたものの、増量されたアセチレンブラックに対応して、正極中の活物質LiCoO2の体積割合が小さくなったため、放電容量がさらに低下したものと考えられる。
このように、本実施の形態によれば、活物質の体積割合が大きい全固体電池用電極および体積容量密度が充分に大きい全固体電池を提供することができる。なお、上記の実施例においては、電極として、正極を例に採って説明したが、本実施の形態に係る連鎖状金属粉末は、負極の導電助剤としても好適に用いることができる。
以上、本発明を実施の形態に基づき説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一および均等の範囲内において、上記の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
1 連鎖状金属粉末
1a 一次粒子
2 全固体電池
11 活物質粉末
12 SE粉末
21 正極集電体層
22 負極集電体層
23 正極層
24 負極層
25 固体電解質層(SE層)
1a 一次粒子
2 全固体電池
11 活物質粉末
12 SE粉末
21 正極集電体層
22 負極集電体層
23 正極層
24 負極層
25 固体電解質層(SE層)
Claims (4)
- 活物質粉末と固体電解質粉末と導電助剤を含有する全固体電池用電極であって、
前記導電助剤が、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)の少なくとも一方を含有する一次粒子が連結して一体化した連鎖状金属粉末であることを特徴とする全固体電池用電極。 - 前記連鎖状金属粉末の含有比率が、1〜6vol%であることを特徴とする請求項1に記載の全固体電池用電極。
- 前記固体電解質粉末が、リチウムイオン伝導性を有する硫化物粉末であることを特徴とする請求項1または請求項2のいずれか1項に記載の全固体電池用電極。
- 正極または負極のいずれか一方または両方に、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の全固体電池用電極が用いられていることを特徴とする全固体電池。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010283493A JP2012133932A (ja) | 2010-12-20 | 2010-12-20 | 全固体電池用電極および全固体電池 |
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2010
- 2010-12-20 JP JP2010283493A patent/JP2012133932A/ja active Pending
Cited By (3)
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JP2018073469A (ja) * | 2016-10-24 | 2018-05-10 | トヨタ自動車株式会社 | リチウム全固体電池 |
WO2021187443A1 (ja) * | 2020-03-16 | 2021-09-23 | 株式会社村田製作所 | 固体電池 |
JP7375914B2 (ja) | 2020-03-16 | 2023-11-08 | 株式会社村田製作所 | 固体電池 |
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