JP2012128187A - 露光装置、露光用マスク - Google Patents

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康一 梶山
Toshinari Arai
敏成 新井
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Abstract

【課題】P偏光及びS偏光の直線偏光の露光光による露光を同時に行うことができる露光装置、露光用マスクを提供する。
【解決手段】露光装置1には、光源11、コンデンサレンズ14、及びマスク12が設けられており、露光光源11から出射した露光光をコンデンサレンズ14及びマスク12に透過させる。そして、露光装置1には、必要に応じて、フライアイレンズ13が設けられている。マスク12は、その光透過領域に、P偏光の直線偏光のみを透過させる複数個の第1の偏光変換素子122aと、S偏光の直線偏光のみを透過させる複数個の第2の偏光変換素子122bとが設けられており、第1の偏光変換素子122a及び第2の偏光変換素子122bは、光透過領域に交互に配置されている。第1及び第2の偏光変換素子122a,122bは、例えば長尺の部材であり、1方向に延びる幅方向に交互に配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、1個のマスクによりP偏光及びS偏光の直線偏光の露光光による露光を同時に行うことができる露光装置、露光用マスクに関し、特に、1絵素若しくは1画素に対応する領域を2分割して夫々の領域を異なる直線偏光の露光光により露光するか、又は隣接する絵素若しくは画素に対応する領域ごとに異なる直線偏光の露光光により露光する露光装置、露光用マスクに関する。
従来、例えば液晶ディスプレイ等に使用されている液晶としては、複数個のベンゼン又はシクロヘキサン分子と両端部の修飾基からなる棒状の分子により構成されたものが使用されており、棒状の液晶分子を均一な方向に整列させることにより、液晶ディスプレイ等の視野角及びコントラスト等を調整することが行われている。
液晶分子の整列には、従来、液晶を挟持するガラス基板の表面に例えばポリイミド等からなる配向膜を形成し、配向膜間に液晶を挟持することにより、配向膜の配向方向に合わせて液晶分子を所定の方向に整列させることが行われている。
ガラス基板の表面に配向膜を形成する際には、例えばポリイミド溶液をガラス基板上に塗布・焼成して数十nm程度のポリイミド膜(配向材料膜)を形成した後、表面に布が巻き付けられたラビングローラにより、ポリイミド膜(配向材料膜)の表面を一方向に擦るという製造方法が採用されている。
しかしながら、ガラス基板の表面に配向膜を形成して液晶分子を整列させる方法においては、配向膜の形成に上記のような製造方法を採用しているため、擦られてローラから離脱したラビング布及び削り取られたポリイミド膜等の塵により、配向膜が傷ついたり、塵そのものが配向膜の表面に付着してしまう。よって、液晶ディスプレイの表示ムラ及び表示不良につながりやすいという問題点がある。
この問題点を解決するために、近時、配向材料膜の配向に紫外線を使用する光配向という技術が提案されている。即ち、直線偏光又は無偏光の紫外光をポリイミド又はアゾベンゼン等の配向材料膜に照射することにより、配向材料膜は、その光分解特性により、同一方向に配向する。従って、光による非接触方式により配向性のよい配向膜を形成することができ、液晶ディスプレイ等の表示ムラ及び表示不良を防止できる。
ところで、近時、3D(Three Dimensional)ディスプレイ装置の開発がますます進んでいるが、この3Dディスプレイのガラス基板の表面に貼る偏光フィルムの製造においても、上記光配向の技術が採用されている。図10に示すように、従来の配向膜の形成に使用される露光装置10においては、光源11から出射された露光光は、例えば反射ミラー17により反射された後、フライアイレンズ(インテグレータ)13にてその強度を光軸に垂直な面内で均一化される。そして、フライアイレンズ13の透過光がコンデンサレンズ14にて平行光に変換される。コンデンサレンズ14の透過光は、マスク12を介して、フィルム基材又はガラス基板上の配向材料膜に照射される。図11(a)に示すように、マスク12には、例えばフィルム及びガラス基板等の露光対象部材のスキャン方向に長手方向を有するような光透過領域のパターン121aが、例えば透過光の照射領域が画素の幅ずつ離隔して複数本形成されるように、一定の間隔で設けられており、各光透過領域のパターン121aは、その幅が表示装置の1絵素分の長さ(又は1画素の半分の長さ)に対応するように構成されている。そして、露光光を連続的に照射しながら、露光対象部材をスキャン方向に移動させていくことにより、同一の方向に配向した配向膜をスキャン方向に帯状に形成することが行われている。そして、帯状に形成された配向膜間の未露光の領域には、照射する露光光の偏光方向を変えるか、又は異なる方向から露光光を照射することにより、図11(b)に示すように、既に形成された配向膜とは異なる方向に配向した配向膜(図11(b)における二点鎖線部)を形成する。これにより、配向方向が異なる配向膜を相互に隣接するように形成することができ、隣接する配向膜間で配向方向が90°異なる配向膜を表示装置の1絵素分の長さ又は1画素の半分の長さに対応する幅で形成することにより、製造されたフィルムを3Dディスプレイ用の偏光フィルムとして使用することができる。また、各配向膜を1絵素(若しくは1画素の半分)の長さ又は1絵素の半分の長さに対応する幅で形成すれば、2種類のプレチルト角を有する配向膜の透過光により、表示装置の視野角を広げることができる。
又は、図12に示すように、マスク12が、露光パターン形成用領域の全面を覆う大きさで設けられている場合には、例えば1絵素に対応する領域、又は1絵素若しくは1画素に対応する領域をその幅方向(パターン121aが延びる方向に垂直の方向)に2分割した領域を露光(図12(a))した後、マスク12を1パターン幅移動させると共に、露光光の偏光方向又は照射方向を変更して、未露光の領域を露光する(図12(b))。この場合にも、上記連続露光の場合と同様の配向膜を形成することができる。
上記のような構成の露光装置10により3Dディスプレイ用の偏光フィルムを製造する際には、例えば1回の露光による配向膜の形成領域を3Dディスプレイ装置の1絵素分の長さ(又は1画素の半分の長さ)ごとに離隔するように構成し、照射する露光光の偏光方向を、隣接する画素となる領域ごとに夫々P偏光及びS偏光の直線偏光にすることが行われている。これにより、製造されたフィルムを3Dディスプレイ装置のガラス基板等の所定の位置に貼り付けることにより、各領域を透過する表示光は、2種類の偏光方向を有することになる。そして、帯状に形成された各配向膜を例えば行方向に並ぶ絵素に対応させて配置することにより、各配向膜を透過した2種類の表示光を、夫々、例えば右目用及び左目用の表示光として使用することができる。
1台の露光装置において、露光光の偏光状態を調整する技術としては、例えば特許文献1乃至3に開示されたものがある。特許文献1及び2の露光装置は、λ/2板及びデポラライザ等の偏光度調整部材をレーザ光路に複数個並べて配置し、夫々をレーザ光の光軸に対して回転可能に構成している。
また、特許文献3の露光装置においては、図10に示すように、例えば偏光ビームスプリッタ等の偏光変換素子15を、各レンズ等により構成された光学系の下流に配置し、マスク12に透過させるレーザ光の偏光度を偏光変換素子により調整可能に構成している。
特開2010−10701号公報 特開2010−141091号公報 特開2003−25623号公報
しかしながら、上記従来技術においては、以下のような問題点がある。特許文献1乃至3の露光装置は、露光光を偏光ビームスプリッタ等の偏光変換素子に透過させることにより、露光光の偏光方向を一方向に偏光させることができる。しかし、この露光装置を使用して、例えば1絵素(若しくは1画素の半分)に対応する領域ごと、又は1絵素の半分に対応する領域ごとに偏光方向が異なる配向膜を形成する場合、少なくとも2回の露光を行う必要があり、生産性が低い。また、2回目以降の露光時には、露光位置の重なり又は未露光領域の発生を防止するために、既に露光された領域に対して、位置合わせを精度良く行う必要がある。従って、露光装置に、露光位置を調整するための制御装置を設ける必要があり、露光装置が大型化し、生産性も低下する。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたものであって、1個のマスクによりP偏光及びS偏光の直線偏光の露光光による露光を同時に行うことができる露光装置、露光用マスクを提供することを目的とする。
本発明に係る露光装置は、露露光光を出射する光源と、この光源からの露光光の光路上に配置され前記露光光を平行光にするコンデンサレンズと、このコンデンサレンズを透過した露光光を透過させる光透過領域が設けられたマスクと、を有し、前記マスクの光透過領域を透過した露光光により露光対象部材を露光する露光装置において、前記マスクは、その光透過領域に、P偏光及びS偏光のいずれか一方の直線偏光のみを透過させる複数個の第1の偏光変換素子と、他方の直線偏光のみを透過させる複数個の第2の偏光変換素子と、を有し、前記複数個の第1の偏光変換素子及び前記複数個の第2の偏光変換素子は、前記光透過領域に交互に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る露光装置は、例えば、更に、前記マスクと前記露光対象部材との間における前記露光光の光路上に、前記露光対象部材における前記露光光の照射領域の大きさを調節可能なズームレンズを有する。この場合に、ズームレンズにより、露光光の照射領域の大きさを拡大する、縮小する又は等倍に調節することができる。この拡大、縮小、等倍とは、ズームレンズが設置されない場合における露光光の照射領域の大きさに対する拡大、縮小又は等倍を意味する。露光装置がズームレンズを有する場合において、露光装置は、更に、前記ズームレンズによって調節された前記露光対象部材上の前記露光光の照射領域の大きさを検出するカメラを有することが好ましい。また、露光装置は、更に、前記光源と前記コンデンサレンズとの間における前記露光光の光路上に、前記露光光の強度を光軸に垂直な面内で均一化するフライアイレンズを有し、このフライアイレンズを透過した露光光が前記コンデンサレンズに入射されるように構成することができる。
本発明に係る露光用マスクは、所定の光透過領域が設けられこの光透過領域を透過した露光光により露光対象部材を露光するマスクにおいて、前記光透過領域に、P偏光及びS偏光のいずれか一方の直線偏光のみを透過させる複数個の第1の偏光変換素子と、他方の直線偏光のみを透過させる複数個の第2の偏光変換素子と、を有し、前記複数個の第1の偏光変換素子及び前記複数個の第2の偏光変換素子は、前記光透過領域に交互に配置されていることを特徴とする。
本発明に係る露光装置及び露光用マスクにおいて、例えば前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、長尺の部材であり、前記光透過領域には、複数本の前記第1及び第2の偏光変換素子が、1方向に延び幅方向に交互に配置されている。この場合に、前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、例えば偏光板であるか、又は偏光ビームスプリッタである。
本発明に係る露光装置及び露光用マスクは、マスクの光透過領域に、P偏光及びS偏光のいずれか一方の直線偏光のみを透過させる複数個の第1の偏光変換素子と、他方の直線偏光のみを透過させる複数個の第2の偏光変換素子と、を有しており、複数個の第1の偏光及び複数個の第2の偏光変換素子は、マスクの光透過領域に交互に配置されている。よって、露光光は、マスクの第1の偏光変換素子及び第2の偏光変換素子に透過されることにより、各偏光変換素子により、夫々P偏光及びS偏光の直線偏光の露光光として露光対象部材に照射される。これにより、本発明の露光装置及び露光用マスクによれば、1個のマスクにより、P偏光及びS偏光の直線偏光の露光光による露光を同時に行うことができ、生産性が高い。
(a)は本発明の第1実施形態に係る露光装置を示す模式図、(b)は本発明の第1実施形態に係るマスクを示す図である。 (a)は本発明の第1実施形態に係る露光装置において、偏光変換素子の一部及びその透過光を示す図、(b)は本発明の第1実施形態に係る露光装置によって形成される配向膜の一例を示す図である。 (a)乃至(c)は3D表示機能を有する表示装置における絵素及び画素の配列を一例として示す図である。 (a)及び(b)は偏光ビームスプリッタ及びその透過光を示す図である。 本発明の実施形態に係る露光装置によって形成される配向膜の変形例を示す図である。 本発明の第2実施形態に係る露光装置において、マスク及び形成される配向膜の一例を示す図である。 (a)は本発明の第3実施形態に係る露光装置を示す模式図、(b)は図7(a)に示すマスク及びズームレンズとこれにより形成される配向膜の一例を示す図である。 本発明の第3実施形態に係る露光装置において、カメラによる露光光の照射領域の大きさの検出を示す模式図である。 生産計画用制御装置が設けられた露光装置を示す模式図である。 従来の光配向方式の露光装置の一例を示す図である。 (a)は従来の露光装置におけるマスクを示す模式図、(b)は連続露光により形成される配向膜を一例として示す図である。 ステップ露光を示す図である。 (a)及び(b)は、形成する配向膜の幅によるマスクの相違を示す図である。
以下、添付の図面を参照して本発明の実施形態について具体的に説明する。先ず、第1実施形態の露光装置の構成について説明する。図1(a)は本発明の第1実施形態に係る露光装置を示す模式図、図1(b)は本発明の第1実施形態に係るマスクを示す図である。また、図2(a)は本発明の第1実施形態に係る露光装置において、偏光変換素子の一部及びその透過光を示す図、図2(b)は本発明の第1実施形態に係る露光装置によって形成される配向膜の一例を示す図である。図1に示すように、露光装置1は、露光光を出射する光源11と、露光光の強度を光軸に垂直な面内で均一化するフライアイレンズ13と、フライアイレンズ13の透過光を平行光にして透過させるコンデンサレンズ14と、コンデンサレンズ14の透過光を透過させる光透過領域が設けられたマスク12と、を有しており、本発明においては、マスク12は、その光透過領域に、例えば偏光板及び偏光ビームスプリッタ等の偏光変換素子122が設けられている。そして、この偏光変換素子122を透過した露光光により露光対象部材2を露光する。なお、本実施形態においては、露光対象部材2がフィルムであり、フィルム基材20の表面に形成された配向材料膜21を露光して所定の方向に配向させた配向膜21a,21bを形成し、3Dディスプレイ用の偏光フィルムを製造する場合について説明する。
露光光源11は、例えば紫外光を出射する光源であり、例えば水銀ランプ、キセノンランプ、エキシマランプ及び紫外LED等であって、連続光又はパルスレーザ光を出射する光源が使用される。本実施形態においては、露光光源11から出射したレーザ光等の露光光は、フライアイレンズ13に入射される。なお、露光光の光路上には、図10に示す従来の露光装置と同様に、例えば全反射ミラー17等が配置され、露光光源11から出射された露光光が全反射ミラー17により反射されてからフライアイレンズ13に入射されるように構成されていてもよい。
フライアイレンズ13は、例えば同一形状及び焦点距離等を有する複数個の凸レンズが幅方向及び長さ方向に碁盤の目状に配列されて全体として略平板状に形成されたものである。そして、フライアイレンズ13の各凸レンズに入射した露光光は、夫々、焦点に集光された後、拡散し、複数本に分割された露光光が重畳的に次の光学系部材へと入射される。これにより、フライアイレンズ13への入射光が例えば光軸に垂直な面内にて不均一な強度分布を有する場合においても、この強度分布を均一化することができる。例えば光源から出射される露光光は、その強度が光軸に垂直な面内にてガウス分布を有していたり、例えば全反射ミラー17等による反射により、照度ムラが発生する場合があるが、フライアイレンズ13を設置することにより、これらを解消することができる。しかし、露光光の強度分布が、十分に均一化されている場合においては、フライアイレンズ13は設けなくてもよい。
コンデンサレンズ14は、例えばフライアイレンズ13とf値が同一となるように設けられた集束レンズである。即ち、本実施形態においては、フライアイレンズ13の焦点とコンデンサレンズ14の焦点とが同一の位置となるように、コンデンサレンズ14が配置されている。これにより、フライアイレンズ13からコンデンサレンズ14に入射した露光光は、平行光の透過光となるように構成されている。なお、フライアイレンズ13が設けられていない場合においては、コンデンサレンズ14は、露光光源11(光路上の全反射ミラー17等も含む)とf値が同一となるように配置されている。
図1(b)に示すように、マスク12は、例えば枠体120の内側のパターン形成部121の中央に開口が設けられており、この開口に例えば偏光板及び偏光ビームスプリッタ等の偏光変換素子122が固定されている。そして、この偏光変換素子122にフライアイレンズ13及びコンデンサレンズ14を透過した平行光が入射される。本実施形態においては、偏光変換素子122は、複数本の第1の偏光板122a、及び複数本の第2の偏光板122bにより構成されており、図1(b)に示すように、夫々長尺の第1の偏光板122a及び第2の偏光板122bが1方向に延び幅方向に交互に配置されている。そして、この第1及び第2の偏光板122a,122bの長手方向は、連続露光の場合には、露光対象部材2のスキャン方向となり、ステップ露光の場合には、絵素又は画素が並ぶ方向となる。
図2(a)に示すように、マスク12の光透過領域に設けられた第1の偏光板122aは、P偏光の直線偏光の露光光のみを透過させ、第2の偏光板122bは、S偏光の直線偏光の露光光のみを透過させる。これにより、偏光変換素子122にP偏光とS偏光の直線偏光の露光光を入射させると、第1の偏光板122aの形状に対応するP偏光の露光光が透過され、第2の偏光板122bの形状に対応するS偏光の露光光が透過される。よって、フィルム基材20上に配向材料膜21が形成されたフィルムをマスク12の透過光の照射領域に配置すると、配向材料膜21は、第1の偏光板122aの透過光により露光されて光配向し、所定の配向方向を有する配向膜21aが第1の偏光板122aの形状に対応するように形成される。同様に、配向膜21aが形成される領域に隣接する配向材料膜21は、第2の偏光板122bの透過光により露光されて、配向膜21aとは異なる方向に光配向し、配向膜21bが第2の偏光板122bの形状に対応するように形成される。これにより、本実施形態においては、マスクを移動させることなく、1個のマスク12により、P偏光及びS偏光の直線偏光の露光光による露光を同時に行うことができる。
このように構成されたマスク12による露光領域と表示装置の画素又は絵素との対応について、図3を参照して説明する。図3は、3D表示機能を有する液晶ディスプレイパネル等の表示装置における絵素及び画素の配列を一例として示す図である。3D表示機能を有しない表示装置の場合、通常、1画素は、R(赤),G(緑),B(青)の3個の絵素により構成されているが、3D表示機能を有する表示装置においては、1画素内に右目用及び左目用の各絵素を設ける必要があることから、図3に示すように、1画素は、2個のR(赤),2個のG(緑),2個のB(青)の6個の絵素により構成されている。図3(a)に示す配列は、ストライプ配列と称されており、行方向にR(赤),G(緑),B(青)の絵素が交互に配列され、列方向に並ぶ絵素は、同色となるように配置されている。図3(b)に示す配列は、ダイアゴナル配列と称されており、行方向及び列方向に3原色の絵素が交互に配列され、行方向に並ぶ3原色の絵素からなる絵素群が列方向に対をなして、6個の絵素により1画素が構成されている。又は、列方向に並ぶ3原色の絵素が行方向に対をなして、6個の絵素により1画素が構成されている。図3(c)に示す配列は、デルタ配列と称されており、行方向に3原色の絵素が交互に配列され、行方向の絵素同士の境界は、列方向に隣接する絵素群同士で、絵素の半分の長さだけずれている。そして、デルタ形状に配列された3原色の絵素が行方向に対をなして、6個の絵素により1画素が構成されている。
画素及び絵素の配列が、図3(a)に示すようなストライプ配列の場合には、各偏光板122a,122bによる露光領域の幅を1絵素の列方向の長さ(又は1画素の列方向の半分の長さ)に対応させると共に、各偏光板122a,122bの長手方向を表示装置の画素行に対応する領域と平行にする。これにより、表示装置の行方向に配向方向が揃った配向膜を、隣接する配向膜間で配向方向が異なるように形成し、各配向膜の透過光により、表示装置の視野角を広げたり、各透過光を3Dディスプレイ装置の右目用及び左目用の表示光として使用することができる。
なお、画素及び絵素の配列が図3(b)に示すようなダイアゴナル配列の場合においては、各偏光板122a,122bにより形成される配向膜の幅を1絵素の行方向又は列方向の長さ(1画素の行方向又は列方向の半分の長さ)に対応するように調節する。そして、行方向に並ぶ絵素に対応するように配向膜を形成するか、又は列方向に並ぶ絵素に対応するように配向膜を形成する。画素及び絵素の配列が図3(c)に示すようなデルタ配列であって、デルタ形状に配列された3つの絵素からなる絵素群が行方向に対をなして、6個の絵素により1画素が構成されている場合には、各偏光板122a,122bにより形成される配向膜の幅を1絵素の列方向の長さ(又は1画素の列方向の半分の長さ)に対応するように調整すると共に、各偏光板122a,122bの長手方向を行方向に並ぶ絵素に対応する領域と平行になるように、マスク12の向きを調節する。
以上のように構成された露光装置1により、露光対象部材2を露光する際には、露光対象部材2に対する露光光の照射方向は、例えば図10に示すように、マスク12のパターン形成面に対して傾斜させて照射してもよく、マスク12のパターン形成面に対して垂直に照射してもよい。即ち、本発明においては、所定の露光光をマスク12のパターン121aに透過させることができればよく、本発明は、パターン形成面に対する露光光の照射角度により限定されるものではない。
次に、本実施形態の露光装置の動作について説明する。先ず、露光光の照射予定位置に、表面に配向材料膜21が形成されたフィルム(露光対象部材2)を配置し、露光光源11から露光光を出射させる。露光光源11から出射される露光光は、例えば無偏光の光であり、そのP偏光成分及びS偏光成分は大凡半分ずつである。光源11から出射された無偏光の露光光は、例えば全反射ミラーにより反射された後、フライアイレンズ13に入射する。フライアイレンズ13は複数個の凸レンズが碁盤の目状に配列されており、入射光は、各凸レンズへの入射光として分割され、各凸レンズを透過した後、各凸レンズごとに、夫々、焦点に集光され、拡散していく。そして、複数本に分割された露光光は、重畳的にコンデンサレンズ14に照射される。これにより、フライアイレンズ13を透過し、コンデンサレンズ14に入射する露光光は、光軸に垂直な面内にて強度分布が均一化されており、照度ムラが解消される。
そして、露光光は、コンデンサレンズ14を透過し、マスク12へと向かう。コンデンサレンズ14は、フライアイレンズ13とf値が同一となるように設けられているため、コンデンサレンズ14の透過光は、平行光として、マスク12へと向かう。本実施形態においては、マスク12には、そのパターン形成部121の中央に設けられた開口に偏光変換素子122が固定されている。よって、コンデンサレンズ14を透過した無偏光の露光光は、偏光変換素子122に入射される。本実施形態においては、偏光変換素子122は、長尺の第1の偏光板122a及び第2の偏光板122bが互いに平行に延びるように且つ交互に配置されたものであり、第1及び第2の偏光板122a,122bへの入射光は、各偏光板の偏光特性により、特定の方向に偏光した光のみが透過される。即ち、第1の偏光板122aは、P偏光の直線偏光の露光光のみを透過させ、第2の偏光板122bは、S偏光の直線偏光の露光光のみを透過させる。
これにより、偏光変換素子122の透過光は、第1の偏光板122aの形状に対応するP偏光の露光光及び第2の偏光板122bの形状に対応するS偏光の露光光となり、この露光光がフィルム基材20の表面に形成された配向材料膜21に照射される。よって、配向材料膜21は、P偏光の露光光の照射により特定の方向に光配向し、第1の偏光板122aの形状に対応する配向膜21aが形成される。また、P偏光の露光光が照射される領域に隣接する配向材料膜21上には、S偏光の露光光が照射され、配向膜21aとは異なる方向に配向方向を有する配向膜21bが第2の偏光板122bの形状に対応するように形成される。これにより、各配向膜21a,21bが形成された領域は、第1及び第2の偏光板122a,122bの形状により、夫々例えば1絵素に対応する領域、又は1画素に対応する領域を、その幅方向(パターン121aが延びる方向に垂直の方向)に2分割した領域となる。
マスク12が、露光パターン形成用領域の全面を覆う大きさで設けられている場合には、フィルム(露光対象部材2)に対する露光光の1回の照射により、配向材料膜21は、露光パターン形成用領域の全面が露光される。フィルム(露光対象部材2)を連続露光する場合には、マスク12を透過した露光光の照射領域に、フィルムを連続的に供給する。これにより、フィルムのスキャン方向に沿って、配向膜21aと配向膜21bとが互いに隣接するように帯状に形成されていく。そして、所定の露光パターン形成用領域の全面を露光したら、フィルムを露光装置から排出する。
以上のような工程で形成される配向膜21a,21bは、幅方向に隣接する帯状の領域間で、位相が相互に90°異なる配向膜となる。例えば、図2(b)に示すように、第1の偏光板122aの透過光により形成された配向膜21aの配向方向を90°とした場合、第2の偏光板122bの透過光により形成された配向膜21bの配向方向は0°となる。なお、図面において、配向膜21a,21bの符号の横に記載した矢印は、各配向膜の配向方向を示す。よって、これらの各領域の幅を例えば1絵素の長さと等しくすることにより、製造されたフィルムを3Dディスプレイ用の偏光フィルムとして使用することができる。即ち、このフィルムは、1/4λ板と同様の機能を有するものとなり、直線偏光の画像表示用の光をこの偏光フィルムに透過させれば、複数個の画素により構成されフィルムの幅方向に並ぶ絵素列ごとに、相互に回転方向が逆の円偏光の透過光が出射される。この円偏光の2つの透過光を、夫々例えば3Dディスプレイの右目用及び左目用の表示光として使用することができる。なお、本実施形態により製造される偏光フィルムは、VA(Vertical Alignment)方式の3Dディスプレイ用偏光フィルムとして好適に使用される。
このように、本実施形態においては、P偏光の露光光による露光とS偏光の露光光による露光とを同時に行うことができ、高い生産性で偏光フィルムを製造することができる。また、従来の露光装置においては、互いに配向方向が異なる配向膜21a,21bを形成する場合には、露光工程を分ける必要があり、2回目の露光による露光位置を、1回目の露光により露光された領域に対して精度よく位置合わせする必要があった。これに対して、本実施形態においては、P偏光の露光光による露光とS偏光の露光光による露光とを同時に行うことができるため、上記のような位置合わせを行う必要がなく、従って、例えば露光位置を調整するための制御装置等を露光装置に設ける必要がない。よって、本実施形態のようなマスク12を使用することにより、露光装置の構成を簡略化することもできる。
なお、本実施形態においては、偏光変換素子122は、偏光板122a,122bに替えて例えば偏光ビームスプリッタを使用することができる。図4は、偏光ビームスプリッタ及びその透過光を示す図である。偏光ビームスプリッタは、例えば柱状の直角プリズムを2個貼り合わせたものであり、接合面には、例えば誘電体多層膜又は金属薄膜からなるコーティングが施されている。これにより、偏光ビームスプリッタのコーティング膜部分は、P偏光及びS偏光のうちのいずれか一方を透過させ、他方を反射する反射透過面として構成されている。そして、この偏光ビームスプリッタの直角プリズム同士の接合面(反射透過面)を例えば入射光の光軸に対して45°傾斜するように配置することにより、P偏光とS偏光とが混在した露光光を入射させた場合に、図4(a)に示すような第1の位置において、偏光ビームスプリッタ122cは、コーティング膜部分(反射透過面)にてP偏光の露光光を透過し、S偏光の露光光を入射方向に対して90°傾斜した方向へと反射する。一方、図4(a)に示す第1の位置から、偏光ビームスプリッタ15が光軸を回転中心として90°回転された第2の位置においては、偏光ビームスプリッタ15の反射透過面に透過される露光光は、P偏光の直線偏光から位相が90°ずれた光、即ちS偏光の直線偏光となる。これにより、図4(b)に示すように、偏光ビームスプリッタ122dは、反射透過面にてS偏光の露光光を透過し、P偏光の露光光を入射方向に対して90°傾斜した方向へと反射するように構成されている。このような偏光ビームスプリッタ122c,122dを複数個並置することにより、第1及び第2の偏光板122a,122bと同様の機能を有する偏光変換素子122とすることができ、本実施形態と同様の配向膜21a,21bを形成することができる。
また、本実施形態においては、VA方式の3Dディスプレイ用偏光フィルムを製造する場合について説明したが、例えば、P偏光及びS偏光の各露光光の照射角度を変更することにより、図5に示すように、偏光方向が夫々+45°の配向膜21a及び偏光方向が−45°の配向膜21bを形成することもできる。このように形成した偏光フィルムは、IPS(In Plane Switching)方式の3Dディスプレイ用の偏光フィルムとして好適に使用することができる。
次に、本発明の第2実施形態に係る露光装置について説明する。本実施形態においては、マスク12のみが第1実施形態と異なっており、その他の構成については、第1実施形態と同一である。即ち、第1実施形態においては、マスク12の光透過領域には、長尺の第1の偏光板122a及び第2の偏光板122bが1方向に延び幅方向に交互に配置されているが、本実施形態においては、図6に示すように、マスク12の光透過領域には、第1実施形態の偏光板よりも小さい複数個の第1の偏光板122aと複数個の第2の偏光板122bとが、幅方向及びこれに垂直の方向に交互に配置されている。これにより、本実施形態においては、細分化された各偏光板122a,122bを、図3に示すような1画素内の各絵素又は各画素の半分に対応させて、1画素内で対をなす同色の絵素に対応する領域間で配向方向が異なるように、フィルム基材20上に配向膜21a,21bを形成する。これにより、図6に示すように、第1実施形態の場合よりも細分化された配向膜21a,21bを得ることができる。そして、製造されたフィルムにより、第1実施形態と同様に、表示装置の視野角を広げたり、フィルムの透過光を3Dディスプレイ装置の右目用及び左目用の表示光として使用することができる。なお、本実施形態のマスク12は、連続露光には適しない。
本実施形態においても、マスク12の光透過領域には、P偏光の露光光のみを透過させる第1の偏光板122aとS偏光の露光光のみを透過させる第2の偏光板122bが設けられているため、第1及び第2の偏光板122a,122bへの入射光は、各偏光板の偏光特性により、特定の方向に偏光した光のみが透過される。そして、各偏光板122a,122bを透過した夫々P偏光及びS偏光の露光光により、配向材料膜21を光配向させ、各偏光板122a,122bの形状に対応する配向膜21a,21bを形成することができる。
以上のように、本実施形態においても、第1実施形態と同様に、P偏光の露光光による露光とS偏光の露光光による露光とを同時に行うことができ、高い生産性で偏光フィルムを製造することができる。また、P偏光の露光光による露光とS偏光の露光光による露光とを同時に行うことができるため、従来のような複数回の露光における位置合わせを行う必要がなく、露光位置を調整するための制御装置等を設ける必要がなく、露光装置の構成を簡略化することもできる。
次に、本発明の第3実施形態に係る露光装置について説明する。図7(a)は本発明の第3実施形態に係る露光装置を示す模式図、図7(b)は図7(a)に示すマスク及びズームレンズとこれにより形成される配向膜の一例を示す図である。本実施形態においては、図7(a)に示すように、露光装置1には、マスク12と露光対象部材2としての例えばフィルム又はガラス基板との間に、ズームレンズ16が設けられており、マスク12を透過した露光光をズームレンズ16を介して露光対象部材2に照射して露光対象部材2を露光する。これにより、本実施形態においては、露光対象部材2に照射される露光光の照射領域の大きさをズームレンズ16により拡大又は縮小できるため、露光光の照射面積を、露光パターン形成用領域の大きさに合わせて調節可能に構成されている。また、露光装置1にはカメラ18が設けられており、露光対象部材2の裏側から、ズームレンズ16によって調節された露光対象部材2上の露光光の照射領域の大きさを検出する。カメラ18は、例えば図示しない制御装置に接続されており、例えば検出した配向膜21aの幅を制御装置に送信する。そして、制御装置は、露光光の照射領域が所定の倍率で拡大又は縮小されているかを判定し、所定の倍率からずれている場合には、例えばズームレンズ16の各レンズ群の位置を調節することにより、倍率を補正できるように構成されている。その他の構成は、第1実施形態と同様である。
例えばフルHD(High Definition)方式の表示装置に使用される偏光フィルムを製造する場合、1,920×1,080(横×縦)の画素数に対応したものを製造する必要がある。この画素数は、表示装置の大きさが異なる場合においても、フルHD方式であれば同一である。従って、例えば、表示装置の絵素配列が図3(a)に示すようなストライプ配列であって、同色の絵素が表示装置の縦方向(列方向)に並んでいる場合、各絵素の列方向の幅は、例えば50インチサイズの表示装置において577μm、32インチサイズの表示装置において369μmである。よって、従来の露光装置においては、異なる幅の画素に対応する偏光フィルムを製造する場合には、図13に示すように、各絵素(又は各画素)の幅に対応したマスクを使用することが行われている。
また、大きさは異なるが画素数が同一の表示装置に使用される例えば偏光フィルム等を製造する場合、上記のように、表示装置の大きさ及び画素数に対応するマスクを設ける必要があり、露光装置の導入コストが増大する。また、この場合、製造するフィルムごとにマスクを取り換える必要があり、生産性が低い。本実施形態の露光装置は、これらの問題点も解消できるものである。
ズームレンズ16は、複数枚の凸レンズ及び凹レンズを組み合わせたものであり、焦点距離を所定の範囲で変化させることができ、且つピントがずれないように構成されたレンズである。図7に示すように、ズームレンズ16は、例えば2枚の凸レンズ又は平凸レンズ(16a,16b)と、その間に配置された凹レンズ16cとが組み合わされたものであり、例えばマスク12側の凸レンズ16aの位置が固定された状態で露光対象部材2側の凸レンズ16b及び凹レンズ16cが移動可能に構成されている。又は、ズームレンズ16は、露光対象部材2側の凸レンズ16bの位置が固定された状態でマスク12側の凸レンズ16a及び凹レンズ16cが移動可能に構成されている。なお、ズームレンズ16におけるピントのずれの補正は、機械補正式、光学補正式及び電子補正式のいずれによって行ってもよく、複数の方式の補正を組み合わせてもよい。
本実施形態においては、マスク12を透過した露光光は、図7に示すように、例えば平行光としてズームレンズ16に入射され、ズームレンズ16にて、露光光の光軸に垂直な面における照射面積を拡大又は縮小された後、平行光としてズームレンズ16から出射される。即ち、露光装置1は、露光対象部材2に対する露光光の照射面積を、ズームレンズ16による拡大又は縮小により、調整可能に構成されている。よって、例えば大きさは異なるが画素数が同一の表示装置に使用される偏光フィルムを製造する場合においては、マスク12を取り換えずに、ズームレンズ16によるズーム倍率を調整するだけで、露光対象部材2に対する露光光の照射面積を広げたり、狭く調整することができる。
これにより、本実施形態の露光装置は、例えば第1及び第2の偏光板122a,122bの幅が形成予定の配向膜の幅に比して大きい場合においても、ズームレンズ16により、各露光光の照射領域の幅を縮小することができる。第1及び第2の偏光板122a,122bの幅は例えば9.7乃至100mmであり、図3(a)に示すようなストライプ配列を採用した表示装置において、1画素の大きさは、例えば行方向の幅が102乃至1153μmであり、1画素内には絵素が2列に配列されているので、列方向の幅は204乃至2306μmである。そして、1画素内には、R,G,Bの3絵素が行方向に配列されているので、1絵素の(行方向の)幅は、例えば34乃至384μmである。よって、例えば幅が10mmの偏光板の透過光により、34μm幅の配向膜を形成する場合には、ズームレンズ16により、露光光の照射領域の幅を0.0034倍に縮小する。
カメラ18は、例えばCCDカメラであり、露光対象部材2の裏側から、ズームレンズ16によって調節された露光対象部材2上の露光光の照射領域の大きさを検出する。又は、カメラ18は、例えば露光対象部材2における露光光の照射領域側(ズームレンズ16側)からその大きさを検出するように構成されていてもよい。図8に示すように、カメラ18は、例えばP偏光(又はS偏光)の露光光によって形成された配向膜21a(21b)の幅を検出することができる。又は、形成された配向膜21a(21b)間の距離を検出することができる。これにより、例えば、ズームレンズ16による拡大により、配向膜21aの幅が大きくなった場合には、その幅を検出することにより、ズームレンズ16による拡大倍率を確認することができる。カメラ18は、例えば露光対象部材2のパターン形成用領域のうち、特定の領域のみを観察できるものであってもよく、パターン形成用領域の全体を観察できるものであってもよい。
露光装置1には、例えば露光光の照射領域の調整を自動的に行える制御装置が設けられている。図9は、この生産計画用制御装置が設けられた露光装置を示す模式図である。露光対象部材2には、例えばパターン形成用領域の大きさを示すバーコード等の指標が付されている。図9に示すように、露光装置には、露光光の照射位置よりも上流側にセンサ31が設けられており、露光対象部材2に付された前記バーコード等の指標を検出する。センサ31は、生産計画用の制御装置30に接続されており、生産計画用制御装置30には、パターン形成用領域の大きさの信号がセンサ31から送信される。生産計画用制御装置30は、この信号に基づいて、ズームレンズ16の倍率を決定し、例えば図示しない駆動装置により、ズームレンズ16の各レンズ群の位置を調整する。このように、露光装置1に生産計画用の制御装置30を設けることにより、複数種類の露光対象部材2に対して、順次、露光を行うことができ、生産性を高めることができる。
次に、本実施形態の露光装置の動作について説明する。なお、露光光をマスク12に透過させるまでの工程については、第1実施形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
本実施形態においては、マスク12の透過光は、第1の偏光板122a及び第2の偏光板122bの形状に対応する夫々P偏光及びS偏光の露光光として、ズームレンズ16に入射する。ズームレンズ16は、露光対象部材2の露光対象領域の大きさに合わせて各レンズの位置が調整されている。例えば、大きさは異なるが、画素数が同一のフィルムを露光する場合においては、1画素の幅が異なっており、露光対象領域が狭い場合においては、画素の幅は狭く(図8(a))、露光対象領域が広い場合においては、画素の幅も広い(図8(b))。よって、画素の幅を広げるためには、例えばズームレンズ16の3つのレンズのうち、マスク12側の平凸レンズ16aの位置を固定した状態で、露光対象部材2側の平凸レンズ16bを露光対象部材2側に移動させ、平凸レンズ間の凹レンズ16bをマスク12側へと移動させる。これにより、複数枚の凸レンズ及び凹レンズが組み合わされて構成されたズームレンズ16の透過光は、その光軸に垂直な照射領域の面積が相似的に拡大される。そして、ズームレンズ16の透過光は、第1及び第2の偏光板122a,122bに対応する形状で、大きさのみが拡大されて露光対象部材2に照射される(図7(b))。このように、本実施形態の露光装置は、露光対象部材2に対する露光光の照射面積を、ズームレンズ16による拡大又は縮小により、調整可能に構成されており、マスク12を取り換えずに、ズームレンズ16によるズーム倍率を調整するだけで、露光対象部材2に対する露光光の照射面積を広げたり、狭く調整することができる。
ズームレンズ16によりその照射領域が拡大されたP偏光の露光光の照射により、フィルム(露光対象部材2)の表面の配向材料膜21は、所定の方向に光配向し、第1の偏光板122aの形状に対応する形状の配向膜21aが形成される。一方、配向膜21aに隣接する領域には、S偏光の露光光が照射され、第2の偏光板122bの形状に対応する形状の配向膜21bが形成される。
本実施形態においては、露光装置1にはカメラ18が設けられており、露光対象部材2の裏側から、ズームレンズ16によって調節された露光対象部材2上の露光光の照射領域の大きさを検出する。カメラ18は、例えば配向膜21aの幅を検出し、検出結果を図示しない制御装置に送信する。そして、制御装置は、露光光の照射領域が所定の倍率で拡大又は縮小されているかを判定し、所定の倍率からずれている場合には、例えば図示しない駆動装置により、ズームレンズ16の各レンズ群の位置を調節することにより、倍率を補正する。
連続露光の場合においては、露光光の照射を継続した状態で、フィルム(露光対象部材2)をスキャン方向に移動させて、露光光の照射領域に連続的に供給する。これにより、フィルム(露光対象部材2)は、露光光の照射領域に連続的に供給されて、その表面の配向材料膜21は、露光光の照射により、順次、光配向していき、P偏光及びS偏光の露光光により配向膜21a,21bが夫々スキャン方向に沿って帯状に延びるように形成されていく。
以上のような露光装置の動作において、図9に示すように、露光装置1に生産計画用の制御装置30が設けられている場合には、露光対象部材2が露光光の照射位置に供給される前に、センサ31により、露光対象部材2に付された前記バーコード等の指標を検出させる。センサ31は、パターン形成用領域の大きさの信号を生産計画用制御装置30に送信し、生産計画用制御装置30は、この信号に基づいて、ズームレンズ16の倍率を決定し、図示しない駆動装置により、ズームレンズ16の各レンズ群の位置を調整する。また、生産計画用制御装置30は、図示しない駆動装置により、アライメントマーク検出用カメラ19の位置を、決定したズームレンズ16の倍率に応じて調節する。これにより、パターン形成用領域の大きさがバーコード等の指標により、露光光の照射領域の調整を自動的に行えるように構成することにより、複数種類の露光対象部材2に対して、順次、露光を行うことができ、露光装置による生産性を高めることができる。
従来の露光装置においては、露光すべきパターンの形状及び大きさを、マスクを取り換えることにより変更しており、露光装置の導入コストが増大したり、生産性が低下するという問題点があった。しかしながら、本実施形態においては、露光装置1には、マスク12とフィルム(露光対象部材2)との間にズームレンズ16が設けられており、パターン121aにより配向膜の形状が決定した後に、その照射面の大きさを調節可能に構成されている。よって、画素数又は絵素数が等しいが、露光パターン形成用領域の大きさが異なる複数の露光対象部材を、マスク12を取り換えることなく露光することができ、生産性が高い。また、本実施形態の露光装置は、ズームレンズ16を設けただけのものであり、その構成も単純であるため、露光装置の導入コストが増大することもない。
なお、マスク12に設けられたパターン数以下の画素数の露光対象部材2を露光する場合においても、本実施形態の露光装置を使用して、上記の効果を得ることができる。即ち、この場合、露光光の照射領域は、露光対象部材2の露光パターン形成用領域の大きさよりも大きくなるため、例えばマスク12の透過光は、配向材料膜の露光に使用されない。しかし、少なくとも、露光パターン形成用領域には、その全体に露光光が照射されるため、マスク12を変更することなく所定の配向膜を形成することができる。また、マスク12に設けられた第1及び第2の偏光板122a,122bの数よりも多い画素数又は絵素数に対応した偏光フィルムを製造する場合には、1回の露光が終わったら、例えばマスク12又は露光対象部材2をスキャン方向に垂直な方向に移動させて、複数回の露光を繰り返すことにより、本実施形態と同様の配向膜を形成できる。
以上説明した実施形態においては、露光対象部材としてフィルム基材の表面に配向膜材料が形成されたフィルムを使用し、配向膜材料を光配向させて3Dディスプレイ用の偏光フィルムを製造する場合について述べたが、表面に配向材料膜が形成されたガラス基板を露光対象部材として使用した場合においても、本発明の露光装置を使用することにより、同様の効果を得ることができる。
1,10:露光装置、11:露光光源、12:マスク、120:枠体、121:パターン形成用領域、121a:パターン、122:偏光変換素子、122a:第1の偏光板、122b:第2の偏光板、122c,122d:偏光ビームスプリッタ、13:フライアイレンズ、14:コンデンサレンズ、15:偏光ビームスプリッタ、16:ズームレンズ、16a,16b:平凸レンズ、16c:凹レンズ、17:反射ミラー、18:カメラ、2:露光対象部材、20:フィルム基材、21:配向材料膜、21a,21b:配向膜、30:生産計画用制御装置、31:センサ

Claims (11)

  1. 露光光を出射する光源と、この光源からの露光光の光路上に配置され前記露光光を平行光にするコンデンサレンズと、このコンデンサレンズを透過した露光光を透過させる光透過領域が設けられたマスクと、を有し、前記マスクの光透過領域を透過した露光光により露光対象部材を露光する露光装置において、
    前記マスクは、その光透過領域に、P偏光及びS偏光のいずれか一方の直線偏光のみを透過させる複数個の第1の偏光変換素子と、他方の直線偏光のみを透過させる複数個の第2の偏光変換素子と、を有し、
    前記複数個の第1の偏光変換素子及び前記複数個の第2の偏光変換素子は、前記光透過領域に交互に配置されていることを特徴とする露光装置。
  2. 更に、前記マスクと前記露光対象部材との間における前記露光光の光路上に、前記露光対象部材における前記露光光の照射領域の大きさを調節可能なズームレンズを有することを特徴とする請求項1に記載の露光装置。
  3. 更に、前記ズームレンズによって調節された前記露光対象部材上の前記露光光の照射領域の大きさを検出するカメラを有することを特徴とする請求項2に記載の露光装置。
  4. 前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、長尺の部材であり、
    前記光透過領域には、複数本の前記第1及び第2の偏光変換素子が、1方向に延び幅方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の露光装置。
  5. 前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、偏光板であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の露光装置。
  6. 前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の露光装置。
  7. 更に、前記光源と前記コンデンサレンズとの間における前記露光光の光路上に、前記露光光の強度を光軸に垂直な面内で均一化するフライアイレンズを有し、このフライアイレンズを透過した露光光が前記コンデンサレンズに入射されることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の露光装置。
  8. 所定の光透過領域が設けられこの光透過領域を透過した露光光により露光対象部材を露光する露光用マスクにおいて、
    前記光透過領域に、P偏光及びS偏光のいずれか一方の直線偏光のみを透過させる複数個の第1の偏光変換素子と、他方の直線偏光のみを透過させる複数個の第2の偏光変換素子と、を有し、
    前記複数個の第1の偏光変換素子及び前記複数個の第2の偏光変換素子は、前記光透過領域に交互に配置されていることを特徴とする露光用マスク。
  9. 前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、長尺の部材であり、
    前記光透過領域には、複数本の前記第1及び第2の偏光変換素子が、1方向に延び幅方向に交互に配置されていることを特徴とする請求項8に記載の露光用マスク。
  10. 前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、偏光板であることを特徴とする請求項8又は9に記載の露光用マスク。
  11. 前記第1の偏光変換素子及び前記第2の偏光変換素子は、偏光ビームスプリッタであることを特徴とする請求項8又は9に記載の露光用マスク。
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