JP2012127774A - 腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システム - Google Patents

腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システム Download PDF

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Abstract

【課題】電気化学ノイズ法を用いて金属材料(特に、放射性廃棄物の廃棄物処分容器)に対する腐食の発生の検知を行うにあたり、極めて微小な孔食等の局部腐食の発生を検知することができるとともに、測定期間が超長期となる腐食発生の検知に適用することができる腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システムを提供することにある。
【解決手段】電気化学ノイズ法を用いた腐食発生検知方法であって、電気化学ノイズ法によって金属材料を経時的に測定して得られた電流信号または電位信号について、離散ウェーブレット変換を行う変換工程と、前記変換工程の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値を示す時刻を検出する検出工程と、を含むことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属材料の腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システムに関し、特に、原子力発電施設等から発生する放射性廃棄物の地下埋設処分を行う際に使用する廃棄物処分容器の孔食等の局部腐食を検知するための腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システムに関するものである。
従来、ケミカルプラント等において、腐食が問題となる金属装置(反応器、貯槽等)に対して腐食モニタリングが様々な方法により行われている。例えば、一般的な腐食モニタリングの方法としては、金属材質の腐食測定法として広く知られている、質量減少測定法、分極抵抗測定法(直流分極抵抗法、交流分極抵抗法、インピーダンス法)、電気抵抗測定法等が存在する。
しかし、これらの測定法による腐食モニタリングでは、金属材料の腐食速度を算出することはできるが、金属材料の腐食の発生を検知することはできない。
現在、金属材料の腐食の発生を検知する方法として、電気化学ノイズ法が知られている。例えば、この電気化学ノイズ法を用いた手段の一例として、特許文献1には、ケミカルプラント等のパイプや構造物に発生する腐食を検知することができる腐食測定装置が開示されている。
特表2009−544008号公報
しかしながら、本発明が対象とする放射性廃棄物の廃棄物処分容器は、通常では検討しないような極めて微小な孔食等の局部腐食の発生を検知する必要があるとともに、超長期に亘り常に腐食の有無を監視する必要がある(測定期間が超長期となる)という特徴を有する。したがって、そのような状況を想定していない特許文献1に係る技術を、放射性廃棄物の廃棄物処分容器に対する腐食の発生の検知に適用することはできない。
すなわち、特許文献1に係る技術を用いて、一般的な環境に設置されている金属材料の腐食を対象とした場合は、腐食が発生すると、電流信号や電位信号において一目してわかるような異常なデータを確認できるが、非常に穏やかな環境に制御された地中に埋設される放射性廃棄物の廃棄物処分容器を対象とした場合は、発生する孔食等の局部腐食は極めて微小なものであることから、電流信号や電位信号において一目してわかるような変動が現れない可能性が高い。
したがって、特許文献1に係る技術を、極めて微小な孔食等の局部腐食の発生の検知に適用するのは困難である。
また、特許文献1に係る技術を用いて、測定期間が超長期となる腐食発生の検知を行おうとした場合、電流信号や電位信号等の測定間隔が短いと(例えば、0.01秒以下)、取得するデータ量が膨大になりデータ解析が困難となる。また、測定装置自体が起因となる電気ノイズの抑制や制御が難しくなり、データに不要な電気ノイズの影響が残ってしまう。一方、データ量の増加を抑制するために測定間隔を長くした場合は、測定と測定との間に発生した腐食を見逃してしまう場合がある。
したがって、特許文献1に係る技術を、測定期間が超長期となる腐食の発生の検知に適用するのは困難である。
本発明は、前記の問題に鑑みてなされたものであり、その課題は、電気化学ノイズ法を用いて金属材料(特に、放射性廃棄物の廃棄物処分容器)に対する腐食の発生の検知を行うにあたり、極めて微小な孔食等の局部腐食の発生を検知することができるとともに、測定期間が超長期となる腐食発生の検知に適用することができる腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システムを提供することにある。
前記課題を解決するために、本発明に係る腐食発生検知方法は、電気化学ノイズ法を用いた腐食発生検知方法であって、電気化学ノイズ法によって金属材料を経時的に測定して得られた電流信号または電位信号について、離散ウェーブレット変換を行う変換工程と、前記変換工程の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値を示す時刻を検出する検出工程と、を含むことを特徴とする。
このように本発明に係る腐食発生検知方法は、得られた電流信号または電位信号について、離散ウェーブレット変換を行うことにより、変換後のデータ(高周波成分)上に電流信号等からは直接得ることができないような金属材料の極めて微小な変化に基づく異常値(突出した値)を得ることができる。したがって、本発明に係る腐食発生検知方法によると極めて微小な孔食等の局部腐食の発生を検知することができる。
そして、本発明に係る腐食発生検知方法は、離散ウェーブレット変換を用いることから、変換工程における計算量を抑えることができるため、測定期間が超長期となる場合に対応できるとともに、リアルタイムで腐食の発生を検知する場合にも好適に適用することができる。
また、本発明に係る腐食発生検知方法は、前記検出工程では、前記変換工程の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分の標準偏差をσとしたとき、当該高周波成分が±2σを超える時刻を少なくとも検出することが好ましい。
このように本発明に係る腐食発生検知方法は、高周波成分が±2σを超える時刻(−2σ〜+2σの範囲を超える時刻)を少なくとも検出することにより、微小な孔食等の局部腐食の発生を見逃すこと無く検知することができる。
また、本発明に係る腐食発生検知方法は、前記変換工程では、前記離散ウェーブレット変換を2回以上行うことにより、2つ以上の前記変換データの高周波成分を得るとともに、前記検出工程では、前記離散ウェーブレット変換を所定回数行った時に算出された前記変換データの高周波成分と、その後連続して前記離散ウェーブレット変換を行った時に算出された前記変換データの高周波成分とが、時間軸方向において同時に前記異常値を示す時刻を検出することが好ましい。
このように本発明に係る腐食発生検知方法は、離散ウェーブレット変換を所定回数行った時に算出された高周波成分と、その後連続して離散ウェーブレット変換を行った時に算出された変換データの高周波成分(例えば、所定回数が3回の場合は、レベル3高周波成分と、レベル4高周波成分)とに基づいて金属材料の腐食の発生を検知する。言い換えると、隣接する少なくとも2つのレベルの高周波成分に基づいて金属材料の腐食の発生を検知する。よって、1つのレベルの高周波成分に基づき判断した場合と比較し、コンピュータ計算上の誤差(浮動小数点の扱いや高速ウェーブレット変換による誤差)などが要因となる異常値に基づいて腐食が発生したと誤認するような事態を回避する可能性が高くなり、より正確に金属材料の腐食の発生を検知することができる。
また、本発明に係る腐食発生検知方法は、前記電流信号または電位信号の測定間隔が0.1〜10秒であることが好ましい。
このように本発明に係る腐食発生検知方法は、電流信号または電位信号の測定間隔を所定時間に規定することにより、取得するデータ量を適当な量とすることができる。したがって、腐食測定装置、腐食発生検知装置等の機器から発生する不要な電気ノイズが測定したデータに影響を与えるといった、取得するデータ量が多すぎることにより発生する事態を回避することができるとともに、孔食等の局部腐食の発生の検知が困難となるといった、取得するデータが少なすぎることにより発生する事態を回避することができる。
また、本発明に係る腐食発生検知方法は、前記金属材料が地中に埋められたものであることが好ましい。さらに、前記金属材料が放射性廃棄物の廃棄物処分容器を構成していることが好ましい。
このように本発明に係る腐食発生検知方法は、地中に埋められた放射性廃棄物の廃棄物処分容器に好適に適用することができる。
また、本発明に係る腐食発生検知装置は、電気化学ノイズ法を用いた腐食発生を検知する腐食発生検知装置であって、電気化学ノイズ法によって金属材料を経時的に測定して得られた電流信号または電位信号について、離散ウェーブレット変換を行う変換手段と、前記変換手段の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値を示す時刻を検出する検出手段と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る腐食発生検知システムは、電気化学ノイズ法を用いた腐食発生を検知する腐食発生検知システムであって、電気化学ノイズ法によって金属材料の電流信号または電位信号を経時的に測定する腐食測定装置と、前記腐食測定装置によって得られた前記電流信号または電位信号について離散ウェーブレット変換を行う変換手段と、前記変換手段の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値を示す時刻を検出する検出手段と、を有する腐食発生検知装置と、を備えることを特徴とする。
このように本発明に係る腐食発生検知装置および腐食発生検知システムは、腐食測定装置によって得られた電流信号または電位信号について、腐食発生検知装置により離散ウェーブレット変換を行うことにより、変換後のデータ(高周波成分)上に電流信号等からは直接得ることができないような金属材料の極めて微小な変化に基づく異常値を得ることができる。したがって、本発明に係る腐食発生検知装置および腐食発生検知システムによると極めて微小な孔食等の局部腐食の発生を検知することができる。
そして、本発明に係る腐食発生検知装置および腐食発生検知システムは、離散ウェーブレット変換を用いることから、腐食発生検知装置の変換手段における計算量を抑えることができるため、測定期間が超長期となる場合に対応できるとともに、リアルタイムで腐食の発生を検知する場合にも好適に適用することができる。
本発明に係る腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システムによれば、電流信号または電位信号について離散ウェーブレット変換を行い、得られた変換データに基づいて金属材料の腐食の発生を検知することから、極めて微小な孔食等の局部腐食の発生を検知することができる。
また、離散ウェーブレット変換を用いることから、変換を行う際の計算量を抑えることができるため、測定期間が超長期となる場合に対応できるとともに、リアルタイムで腐食の発生を検知する場合にも好適に適用することができる。
さらに、本発明に係る腐食発生検知方法によれば、隣接する少なくとも2つのレベルの前記変換データの高周波成分に基づいて金属材料の腐食の発生を検知することから、コンピュータ計算上の誤差などが要因となる異常値に基づき腐食が発生したと誤認してしまうような事態を回避し、より正確に金属材料の腐食の発生を検知することができる。
加えて、本発明に係る腐食発生検知方法によれば、電流信号または電位信号の測定間隔を所定時間に規定することにより、腐食測定装置、腐食発生検知装置等の機器から発生する不要な電気ノイズが測定したデータに影響を与えるといった事態や、孔食等の局部腐食の発生の検知が困難となるといった事態を回避することができる。
本発明に係る腐食発生検知方法が適用される腐食測定装置、腐食発生検知装置および測定環境の全体の模式図である。 本発明に係る腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システムが適用される測定環境の模式図である。 本発明に係る腐食発生検知装置のブロック図である。 腐食測定装置により測定した電流値、および電位値を示すグラフである。 腐食測定装置により測定した後、線形トレンドを除去した電流値、および、離散ウェーブレット変換後の変換データのグラフである。
以下、本発明に係る腐食発生検知方法、腐食発生検知装置、および腐食発生検知システムを実施するための形態について、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
[腐食発生検知システム]
まず、本発明に係る腐食発生検知システムの実施の形態について、図1を参照して説明する。この腐食発生検知システムは、腐食測定装置8と、腐食発生検知装置9と、を備え、腐食測定装置8から得られる金属材料の電流信号や電位信号等の測定データを、腐食発生検知装置9により信号処理することにより腐食の発生を検知するシステムである。
(腐食発生検知装置)
図3に示すように、腐食発生検知装置9は、少なくとも記憶手段と処理手段とを備えたパーソナルコンピュータなどにより具現され、詳細には、入力手段90と、第1記憶手段91と、変換手段92と、第2記憶手段93と、検出手段94と、比較手段95と、出力手段96と、を備える。
なお、第1記憶手段91、第2記憶手段93の記憶手段は、例えば、メモリまたはハードディスクなどの記憶装置から構成されている。そして、変換手段92、検出手段94、比較手段95の処理手段は、例えば、CPU(Central Processing Unit)により構成されている。
また、腐食発生検知装置9は、表示手段としてCRT(Cathode Ray Tube)またはLCD(Liquid Crystal Display)などの表示装置に接続される構成(または、含む構成)となっていてもよい。
(腐食発生検知装置の各手段の構成)
入力手段90は、腐食測定装置8から入力された金属材料の電流信号や電位信号(以下、適宜、測定データという)を、第1記憶手段91に出力する手段である。そして、この入力手段90は、所定の入力インターフェースから構成される。
第1記憶手段91は、入力手段90から入力された測定データを、所定のデータ数となるまで蓄積する手段である。なお、所定のデータ数の値については、外部より入力できるようになっているとともに、第1記憶手段91のデータ数を検知し、所定のデータ数となった時点で第1記憶手段91に蓄積された測定データを変換手段92に出力させるような処理手段(図示せず)を備えていてもよい。
変換手段92は、第1記憶手段91(または、処理手段)から入力された測定データについて離散ウェーブレット変換を行い高周波成分と低周波成分とに分解する手段である。そして、変換手段92は、変換後のデータ(以下、適宜、変換データという)を検出手段94に出力する。なお、変換手段92は、離散ウェーブレット変換の条件(レベル等)を外部より設定できるようになっている。
第2記憶手段93は、検出手段94で利用するための各レベルの閾値を蓄積する手段である。なお、この閾値は、外部より入力できるようになっている。
また、第2記憶手段93は、変換手段92から入力された変換データの高周波成分を蓄積するとともに、処理手段(図示せず)が、その時点で第2記憶手段93に蓄積している一定区間の高周波成分に基づき、閾値をリアルタイムに算出するという構成であってもよい。
検出手段94は、変換手段92から入力された変換データの高周波成分と、第2記憶手段93(または、処理手段)から入力された閾値とを比較し、高周波成分が閾値を超えた時刻(異常値を示す時刻)を検出する手段である。
なお、離散ウェーブレット変換を1回だけ行う場合や、離散ウェーブレット変換を2回以上行う場合であっても、2つ以上の高周波成分のそれぞれにおいて、閾値を超えた時刻の全てを検出する場合は、検出手段94が、検出した結果を出力手段96に出力する。この場合、比較手段95は無くてもよい。
上記場合以外は、検出手段94は、検出した時刻を比較手段95に出力する。
比較手段95は、検出手段94から入力された時刻が、隣接する少なくとも2つのレベルの高周波成分のものであって、同時刻を示しているもののみを検出する手段である。そして、比較手段95は、この結果を出力手段96に出力する。
出力手段96は、検出手段94または比較手段95から入力された結果を、外部に接続された(または、内部に設置された)表示手段等に出力する手段である。なお、この出力手段96は、所定の出力インターフェースから構成される。
ここで、表示手段は、結果(高周波成分が閾値を超えた時刻)だけでなく、測定データ、変換データ等を表示するという構成であってもよい。また、表示手段を設けず、単に、高周波成分が閾値を超えた時刻に警報音が発生するようにしてもよい。
以上、腐食発生検知装置9の各手段の構成を説明したが、腐食発生検知装置9の各手段により行われる処理工程(変換工程、検出工程)の詳細については、後記する。
(腐食測定装置)
腐食測定装置8は、金属材料、特に、地中に埋められた放射性廃棄物の廃棄物処分容器の腐食モニタリングを行う装置であり、電気化学ノイズ法を適用する際に用いられる既存の測定装置をそのまま使用することができる。よって、本発明に係る腐食発生検知方法によると、新たな測定装置を使用する必要がない。
そして、腐食測定装置8は、特に限定されるものではなく、例えば、無抵抗電流計(zero resistance ammeter)7と入力抵抗の高い電位計6を備えたポテンショスタット・ガルバノスタットを用いればよい。
また、腐食測定装置8による測定環境としては、このポテンショスタット・ガルバノスタットにより、測定対象1(廃棄物処分容器)と対極2間の電流値、または、測定対象1と参照極3間の電位値を所定の測定間隔(時間)で測定し、腐食発生検知装置9に出力するようなものであればよい(なお、電流値と電位値の両方を測定してもよい)。また、放射性廃棄物の廃棄物処分容器の腐食モニタリングを想定する場合は、測定対象1、対極2、参照極3をベントナイト4で覆うとともに、これらを試験液5に浸漬させればよい。
さらに、実際に放射性廃棄物の廃棄物処分容器の腐食モニタリングを行う場合は、図2(a)に示すように、箱状を呈するオーバーパック11の全体または一部を測定対象1とし地中に埋設するとともに、オーバーパック11の近傍に対極2と参照極3とを設置すればよい。また、図2(b)に示すように、地中に埋設させたオーバーパック11と参照極3を囲むように筒状または箱状を呈する対極2を設置してもよい。
なお、図2のオーバーパック11は電位計6および電流計7に接続されているとともに、対極2は電流計7に、参照極3は電位計6に接続されている。
対極2、参照極3としては、測定対象1と同じ金属、グラファイト、白金等の不活性金属等から構成されるものを用いればよい。また、対極2、参照極3の形状等については特に限定されないが、測定対象に対向する面の面積は大きい方が好ましい。また、対極2、参照極3は、測定対象との距離が近くなるように設置するのが好ましい。また、対極2、参照極3の数は、2つ以上であってもよい。
[腐食発生検知方法]
次に、本発明に係る腐食発生検知方法の実施の形態について、図4、図5を参照して説明する。
本実施形態に係る腐食発生検知方法は、電気化学ノイズ法を用いた腐食発生検知方法であって、変換工程と、検出工程と、からなる。
ここで、電気化学ノイズ法とは、測定対象から腐食時に発生する電流信号や電位信号を測定して、その信号に基づき、腐食状況(腐食発生等)を検知する方法である。なお、電流信号や電位信号の測定については、外部から電気的影響を与えない状況下(自然状態)で行われ、この電流信号とは測定対象1と対極2の間に流れる電流であり、この電位信号とは測定対象1と参照極3間の電位差である(図1参照)。
(変換工程)
変換工程とは、測定対象である金属材料を経時的に測定して得られた電流信号または電位信号について、離散ウェーブレット変換を行う工程である。
ここで、離散ウェーブレット変換は2回以上行うことが好ましい。金属材料の腐食発生を検知するにあたり、より正確な結果の取得につながるからである。なお、離散ウェーブレット変換は、腐食発生の検知の正確性の観点より、4回以上行うのが特に好ましい。
また、変換工程は、前記した腐食発生検知装置9の変換手段92により行われる。
なお、測定対象である金属材料は特に限定されないが、放射性廃棄物の廃棄物処分容器に用いられる炭素鋼等である。
使用する電流信号または電位信号の測定間隔は、等間隔であるとともに、0.1秒以上10秒以内であることが好ましい。測定間隔が0.1秒未満になると、腐食測定装置8、腐食発生検知装置9等の機器が起因となる電気ノイズが過大となり、この電気ノイズが測定データに影響を与える可能性が大きくなってしまうからである。また、測定間隔が10秒を超えると、取得するデータ量が少ないことにより、ウェーブレット変換を実施しても孔食等の局部腐食の発生の検知が困難になるからである。
離散ウェーブレット変換とは、電流信号または電位信号等の測定データを高周波成分と低周波成分とに分解するものである。よって、測定データに離散ウェーブレット変換を行うと、変換データとして高周波成分(レベル1高周波成分)と低周波成分(レベル1低周波成分)とを得ることができる。
ここで、離散ウェーブレット変換を2回行うと、レベル1低周波成分をレベル2高周波成分とレベル2低周波成分とに分解することとなり、変換データとして、レベル1高周波成分、レベル2高周波成分、およびレベル2低周波成分を得ることができる。なお、図5の結果は、線形トレンドを除去した電流信号(Data)に離散ウェーブレット変換を4回行った結果(レベル1〜4高周波成分とレベル4低周波成分)である。
以下、ウェーブレット変換を用いて、金属材料に発生する孔食等の局部腐食を検知する原理について説明する。
従来、ウェーブレット変換を使用せずに金属材料の腐食の発生を検知する場合は、金属材料に関する測定データが急激な変動を示したときを、金属材料に腐食が発生したときとして検知していた。
しかし、この方法によると、測定間隔よりも早く腐食状態が収まるような極めて微小な腐食は検知できなかった。一般的な環境に設置される金属材料が測定対象であれば、このような腐食は問題にする必要がないので検討に値しなかったが、非常に穏やかな環境に制御された地中に埋設される放射性廃棄物の廃棄物処分容器が測定対象となる場合には、一旦、孔食等の局部腐食により孔が発生すれば、非常に重大な事故につながってしまう。このため、通常では検討しないレベルの極めて微小な孔食等の局部腐食であっても検知する必要がある。
また、腐食が測定間隔に比べて非常に長い時間をかけて緩やかに発生する場合は、測定データに特徴的な値(極大値)が発生しないことから、このような腐食を測定データから検知するのは難しい。しかし、非常に穏やかな環境に制御された地中に埋設された金属材料は、腐食が長い時間をかけて緩やかに発生する場合がある。
以上より、電流信号や電位信号等の測定データから、放射性廃棄物の廃棄物処分容器の腐食の発生を検知することは困難であることがわかる。
ここで、測定データの解析手法として、本発明で用いるウェーブレット変換以外にフーリエ変換が存在する。しかし、フーリエ変換では、単純な周波数情報しか得られず、いつ孔食等の局部腐食が発生したかという時間的な情報は得られない。また、時間を考慮した短時間フーリエ変換を行おうとしても、解析する時間幅が一定に固定されているため、測定期間が超長期となる場合、どのような時間幅に設定することにより適切な検知が可能となるかを判断するのは至難の業である。
一方、ウェーブレット変換は、周波数に応じて解析する時間幅を自動的に変化させるため、多くの信号解析が合理的に行えるようになり、時間と周波数を同時に解析することができる。また、測定期間が超長期となることにより、どのような解析時間幅が良いかわからない場合であっても、ウェーブレット変換を用いれば最適な時間幅を含む複数の時間幅について解析がなされるため、腐食の発生を適切に検知することができる。
ここで、ウェーブレット変換には連続型と離散型が存在する。一般に、連続ウェーブレット変換を行った場合、横軸を時間、縦軸を周波数とするグラフ上に解析結果が色の濃淡で絵のように表される。この連続ウェーブレット変換によると、測定データに周期的な変動が生じるような場合に、解析結果として通常時とは異なる色の濃淡が示され、その解析結果から、何らかの異常が発生したと判断することができる。
しかし、非常に穏やかな環境に制御された地中に埋設される金属材料が腐食する現象は、測定データに周期的な変動が生じるような現象ではないため、連続ウェーブレット変換を行っても、異常が発生したことを示す特徴的な絵(色の濃淡)が現れることはほとんどない。このため、連続ウェーブレット変換は、金属材料の腐食の発生を検知する方法には適していない。
なお、腐食発生検知装置に異常が発生した場合など、人工的な機器が発する電気ノイズの多くは周期的であるため、機器の異常の発見を目的として、この連続ウェーブレット変換を後記する離散ウェーブレット変換と併用することは有用である。
一方、離散ウェーブレット変換を行った場合、孔食等の局部腐食が発生すると、図5のレベル1からレベル3において点線楕円で示すように変換データに異常値(突出した値)が表示されるため、腐食の発生を検知し易い。
また、放射性廃棄物の廃棄物処分容器の腐食の発生の検知については、重大な事故を回避するために、リアルタイム性が求められるが、腐食の発生の検知をリアルタイムに行うためには、変換工程における計算量をできる限り低減する必要がある。ここで、離散ウェーブレット変換は、計算量が連続ウェーブレット変換に比べて格段に少ないことから、この点を考慮しても、離散ウェーブレット変換は腐食の発生の検知に非常に適していることがわかる。
離散ウェーブレット変換を行う際に使用するマザーウェーブレット等の諸条件は、環境や装置に合わせて適宜決定すれば良い。ただし、離散ウェーブレット変換を行う際に使用する好ましいマザーウェーブレットは直交ウェーブレットであって、コンパクトサポートと呼ばれる性質を持つものがよい。
直交ウェーブレットであると、時間・周波数領域での信号表現として必要な基底の数が最小限となるため、信号の表し方が一通りに定まり、無駄なく表現できるからである。また、直交性を利用して計算のアルゴリズムを単純化できるため、計算や判定が簡単になるからである。さらに、コンパクトサポートする直交ウェーブレットは、0から始まり0で終わる、つまり0と0で囲まれる形をした関数であるので、ある定常状態から孔食が発生し元の定常状態に戻る場合の電流値と形が似ていることから、腐食の検出・計算が容易となるからである。
特に好ましいコンパクトサポートな直交のマザーウェーブレットは、DaubechiesまたはSymmletの4次以上のマザーウェーブレットである。一般に、検知したいデータの形状に近いマザーウェーブレットを選択するのが良いとされており、前記のマザーウェーブレットの形状が、腐食発生時のデータの形状に近いからである。
(検出工程)
検出工程とは、前記変換工程の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値(突出した値)を示した時刻を検出する工程である。
この高周波成分は、レベルについては特に限定されず、得られた全てのレベルの高周波成分を判断対象としてもよいし、一部のレベルの高周波成分を判断対象としてもよい。つまり、いずれかのレベルの高周波成分において異常値を示す時刻を検出すればよい。
なお、本明細書において「異常値」は、統計学的用語として用いられ、他の測定値から飛離れた値を意味する。異常値は、たとえば、高周波成分の標準偏差をσとしたとき、−2σ〜+2σの範囲を超えるような値のことであるが、本発明はこれに限定されない。
なお、検出工程は、離散ウェーブレット変換を所定回数行った時に算出された変換データの高周波成分と、その後連続して離散ウェーブレット変換を行った時に算出された変換データの高周波成分とが、時間軸方向において同時に異常値を示す時刻を検出する工程であることが好ましい。
これは、1つのレベルの高周波成分に基づき判断した場合、コンピュータ計算上の誤差(浮動小数点の扱いや高速ウェーブレット変換による誤差)などが要因となる異常値を検出(腐食が発生したと誤認)する可能性があるが、少なくとも2つのレベルの高周波成分を用いることにより、そのような誤った検出(誤認)を回避することができるからである。
さらに、隣接するレベルの高周波成分は、互いの周波数範囲がオーバーラップすることにより影響を与え合うため、金属材料に腐食が発生した場合は、コンピュータ計算上の誤差が生じた場合とは異なり、隣接するレベルの高周波成分が互いに影響を与え合っているような解析結果が得られる。したがって、隣接する少なくとも2つのレベルの高周波成分に基づき判断した場合、コンピュータ計算上の誤差を確実に除外し、より正確に金属材料の腐食の発生したときを検知することができる。
なお、前記所定回数とは、例えば、変換工程において離散ウェーブレット変換をn回(nは2以上の整数)行った場合は、1回〜n−1回となる。
異常値の検出は、具体的には、高周波成分を閾値と比較し、高周波成分が閾値よりも大きいかどうかを判定することによって行われる。この閾値については、様々な方法により設定することができる。
例えば、実際に腐食発生の検知を行う状況(環境、材料等)に近似した状況下で事前に試験を行い、そこで得られたデータに基づき各レベルの閾値を設定してもよい。詳細には、実際の腐食状況と、変換データの高周波成分に現れたピークとを比較し、腐食が発生した各時刻において、高周波成分に現れたピークが所定の値を超えるピークであった場合、閾値を当該所定の値と設定するといった方法である。なお、この閾値は、固定値であってもよいし、変動値であってもよい。
閾値については、上記の変換工程によって得られた各レベルの一定区間の高周波成分に基づき算出した統計値の標準偏差σに基づき、決定してもよい。つまり、レベル1高周波成分の閾値は、レベル1高周波成分から算出した標準偏差σに基づき決定し、レベル2高周波成分の閾値は、レベル2高周波成分から算出した標準偏差σに基づき決定すればよい。
なお、閾値の示す範囲は、±1.5σ〜±2.0σとするのが好ましい。閾値を±1.5σ〜±2.0σとすることにより、高周波成分が±2.0σを超える時刻を検出する一方で、高周波成分が±1.5σを下回る時刻は検出しない。その結果、検知漏れおよび誤検知を抑制することができる。特に好ましくは、±2.0σである。
ここで、一定区間とは、特に限定されず、例えば、10分間である。
この検出工程の処理は、前記のとおり、腐食発生検知装置9の検出手段94(または、検出手段94と比較手段95)によって行われてもよいし、人が行ってもよい。
[具体的な腐食発生検知方法]
以下、具体的な腐食発生検知方法について順を追って説明する。
まず、0.5秒間隔で電気化学ノイズ法により金属材料の電流値を測定する。このとき、好ましくは2個(nは自然数)のデータ数であると解析がし易い(電流値が2個にならない場合は、電流値の後半に0のデータを追加して2個に整えてから計算すればよい)。ここでは213=8192点の電流信号をひとかたまりとして計算する場合を説明する。
この電流信号が明確な線形上昇や下降といったトレンドをもっている場合は、以下の変換を行う前にトレンドを予め取り除いておくことが好ましい。
なお、金属材料の腐食の発生の検知をリアルタイムで行う場合は、測定データが2個となった段階で、随時、以下の変換(または、トレンドの除去後、変換)を行うこととなる。
この電流信号について1回(レベル1)離散ウェーブレット変換を行うと、レベル1低周波成分とレベル1高周波成分の2つに分解される。さらに、2回目(レベル2)の離散ウェーブレット変換を行うと、レベル1低周波成分がレベル2低周波成分とレベル2高周波成分に分解される。さらに、3回目(レベル3)の離散ウェーブレット変換を行うと、レベル2低周波成分がレベル3低周波成分とレベル3高周波成分に分解される。この分解(ウェーブレット変換)を所要のレベルまで繰り返す。
このとき、電流信号の測定間隔は0.5秒なので、周波数は2Hzとなる。データ数は213=8192点であることから、前記のように離散ウェーブレット変換を3回実施すると、レベル1の高周波成分の周波数は約0.5〜1Hz、データ数は212=4096点、レベル2の高周波成分の周波数は約0.25〜0.5Hz、データ数は211=2048点、レベル3の高周波成分の周波数は約0.125〜0.25Hz、データ数は210=1024点となる情報を得ることとなる。ただし、前記周波数範囲はおおよその目安であって、使用するマザーウェーブレットに起因して、隣接するレベルの周波数範囲でオーバーラップする。
なお、どのレベルの高周波成分において異常値(閾値を超える値)が確認できたかにより、孔食が発生している期間をおおよそ推定することができる。例えば測定間隔が0.5秒の場合において、レベル2において異常値を検知したときは、腐食は2〜4秒間(レベル2の高周波成分の周波数範囲は0.25〜0.5Hzであるため)発生していたと推定でき、レベル4において異常値を検知した場合は、腐食は8〜16秒間(レベル4の高周波成分の周波数範囲は0.0625〜0.125Hzであるため)発生していたと推定できる。
最後に、各レベルの一定区間の高周波成分に基づき標準偏差σを求め、各レベルの高周波成分が閾値(たとえば±2σ)を超える時刻を検出する。
なお、前記のとおり、閾値を超える点が隣接する少なくとも2つのレベルの高周波成分で同時に観察された時刻を検出してもよい。
この検出された時刻を、腐食が発生した時刻と判断することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前記実施形態に限定されず、特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜設計変更可能である。
例えば、電流信号および電位信号の両方を測定し、それぞれ離散ウェーブレット変換を行い、電流信号に基づく変換データの高周波成分と、電位信号に基づく変換データの高周波成分から金属材料の腐食を検知してもよい。詳細には、電流信号に離散ウェーブレット変換を行い、隣接する少なくとも2つのレベルの変換データの高周波成分において、それぞれの高周波成分が同時に閾値を超える時刻(電流信号に基づく異常値を示すとき)と、電位信号に離散ウェーブレット変換を行い、隣接する少なくとも2つのレベルの変換データの高周波成分において、それぞれの高周波成分が同時に閾値を超える時刻(電位信号に基づく異常値を示すとき)と、を算出し、電流信号に基づく異常値を示す時刻と、電位信号に基づく異常値を示す時刻との両時刻を、検出してもよい。また、電流信号に基づく異常値を示す時刻と、電位信号に基づく異常値を示す時刻とが、同時刻を示すときのみを、検出してもよい。
次に、腐食発生検知方法について、本発明の要件を満たす実施例と本発明とは異なる方法により腐食の発生を検知した比較例とを対比して具体的に説明する。
[測定環境]
まず、実施例の測定環境を、図1を参照して説明する。
測定対象(試験極)1として、放射性廃棄物の廃棄処分容器の代わりに炭素鋼を使用した。また、対極2には炭素鋼を使用し、参照極3にはグラファイトを使用した。測定対象1、対極2、参照極3は、板形状を呈しており、板の面積は全て0.6cmであった。
実処分環境を想定し、緩衝材として粘土質のベントナイト4(クニゲルV1:乾燥密度1.6kg/dm、硅砂混合率30mass%、10MPaで成形)で測定対象1、対極2、参照極3を覆った。ただし、測定対象1の両側の表面を観察できるよう表面から約1cmの隙間を形成させ、この隙間より30枚/1秒撮影されるビデオカメラで測定対象1の表面を観察・記録し続けた。そして、このベントナイト4全体を試験液5(pH9、NaHCO−NaCO:10,000ppm、30℃)に浸漬させ、試験液5の上面が大気に触れている状態のもと72時間経過させた。その後、電流計7と電位計6とを備えたソーラトロン(Solartron)社製1287型ポテンショスタット・ガルバノスタット8を用い、電流値および電位値を測定し、腐食発生検知装置9に記録した。測定間隔は1測定/0.5秒であった。このときの電流値および電位値を図4に示す。
[推定方法]
次に、実施例の離散ウェーブレット変換による腐食発生検知方法を説明する。上述のようにして測定した電流信号を8192点ごとに分割、線形トレンドを除去し、ソフトウェアKyPlot(登録商標)を用いて離散ウェーブレット変換を実施した。マザーウェーブレットにDaubechiesウェーブレット(オーダーは4次)を採用し、分解するレベルを4(得られるデータは5種類(各レベルの高周波成分データが4つ、レベル4の低周波成分データが1つ))に設定した。
これら解析したデータを図5に示す。線形トレンドを除去したデータ(図5のDeta)は±3σを超える明らかな異常値はなかったが、レベル2と3の高周波成分において±2σを超える値が1850秒付近で観察され、4〜8秒程度(上述レベル3:0.125〜0.25Hz)のゆっくりとした腐食が発生したものと検知できた。
同じく、4000秒付近でレベル1と2の高周波成分において±2σを超える値が観察され、2〜4秒程度(上述レベル2:0.25〜0.5Hz)の腐食が発生したと推定される。
ビデオカメラで測定した映像によると、1850秒付近、および4000秒付近において孔食が発生し、その部分で水素ガスが発生していることを確かめることができた。
一方、比較例として、図4に示された電流値または電位値から腐食の発生の検知を試みたが、1850秒、4000秒付近において腐食が発生したとは判断できなかった。
以上より、本発明に係る腐食発生検知方法によると、電流信号や電位信号等の測定データからのみでは判別できない極めて微小な孔食等の局部腐食の発生さえも検知できることがわかった。
1 測定対象(金属材料)
2 対極
3 参照極
4 ベントナイト
5 試験液
6 電位計
7 電流計(無抵抗電流計)
8 腐食測定装置(ポテンショスタット・ガルバノスタット)
9 腐食発生検知装置
11 オーバーパック
90 入力手段
91 記憶手段(第1記憶手段)
92 処理手段(変換手段)
93 記憶手段(第2記憶手段)
94 処理手段(検出手段)
95 処理手段(比較手段)
96 出力手段

Claims (8)

  1. 電気化学ノイズ法を用いた腐食発生検知方法であって、
    電気化学ノイズ法によって金属材料を経時的に測定して得られた電流信号または電位信号について、離散ウェーブレット変換を行う変換工程と、
    前記変換工程の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値を示す時刻を検出する検出工程と、を含むことを特徴とする腐食発生検知方法。
  2. 前記検出工程では、前記変換工程の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分の標準偏差をσとしたとき、当該高周波成分が±2σを超える時刻を少なくとも検出することを特徴とする請求項1に記載の腐食発生検知方法。
  3. 前記変換工程では、前記離散ウェーブレット変換を2回以上行うことにより、2つ以上の前記変換データの高周波成分を得るとともに、
    前記検出工程では、前記離散ウェーブレット変換を所定回数行った時に算出された前記変換データの高周波成分と、その後連続して前記離散ウェーブレット変換を行った時に算出された前記変換データの高周波成分とが、時間軸方向において同時に前記異常値を示す時刻を検出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の腐食発生検知方法。
  4. 前記電流信号または電位信号の測定間隔が0.1〜10秒であることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の腐食発生検知方法。
  5. 前記金属材料が地中に埋められたものであることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の腐食発生検知方法。
  6. 前記金属材料が放射性廃棄物の廃棄物処分容器を構成していることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の腐食発生検知方法。
  7. 電気化学ノイズ法を用いた腐食発生を検知する腐食発生検知装置であって、
    電気化学ノイズ法によって金属材料を経時的に測定して得られた電流信号または電位信号について、離散ウェーブレット変換を行う変換手段と、
    前記変換手段の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値を示す時刻を検出する検出手段と、
    を備えることを特徴とする腐食発生検知装置。
  8. 電気化学ノイズ法を用いた腐食発生を検知する腐食発生検知システムであって、
    電気化学ノイズ法によって金属材料の電流信号または電位信号を経時的に測定する腐食測定装置と、
    前記腐食測定装置によって得られた前記電流信号または電位信号について離散ウェーブレット変換を行う変換手段と、前記変換手段の離散ウェーブレット変換によって得られた変換データの高周波成分が異常値を示す時刻を検出する検出手段と、を有する腐食発生検知装置と、
    を備えることを特徴とする腐食発生検知システム。
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