JP2012125830A - 電極キャップチップ修正治具 - Google Patents

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Abstract

【課題】電極キャップチップを研磨し、再使用するための電極キャップチップ修正治具を提供する。
【解決手段】電極キャップチップ修正治具1は、チップを保持部2と、ドリル掴持部3と、チップ保持部2とドリル掴持部3を両端に有する接続部4と、から構成される。チップ保持部2は、棒状で、電極キャップチップAの内周面に当接して固定する治具1は、チップ保持部2に電極キャップチップAを被せ、ドリル掴持部3をドリルチャックCに掴持して固定した状態で回転させて用いる。チップ保持部2は、チップ保持部2に電極キャップチップAを被せることによって、電極キャップチップAを固定できるようにしたものである。チップ保持部2において、接続部4に接する側からチップ保持部2の先端に向けて細くなるテーパー加工が施されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、スポット溶接機の電極キャップチップを研磨するための電極キャップチップ修正治具に関する。
スポット溶接は、金属板の接合を行う溶接法として、例えば自動車部品等の機械や電気部品の製造において広く利用されている。スポット溶接には、溶接ガンが用いられ、この溶接ガンはその先端に電極キャップチップを嵌合して使用する。
このような電極キャップチップは、長時間使用することにより、先端が溶融・磨耗・屑の付着などにより変形する。スポット溶接は、接着させる目的部分に対して、電極キャップチップを押し当てることによって行われるため、先端が変形した電極キャップチップを使用すると、正確なスポット溶接ができなくなる。また、スポット溶接とは、接触抵抗に電流を一定時間加えて加熱し、局部的に溶融させ接合する方法であり、変形した電極キャップチップを使用すると、エネルギーが分散し溶接強度が低下する等の問題が生じる。
そこで、電極キャップチップは、一定の溶接処理回数後、あるいは一定期間経過後に新品と交換するか、使用済みの電極キャップチップを再使用するために研磨することで対応している。
一方、電極キャップチップを再使用するための技術ではないが、電極キャップチップを研磨する技術は提案されている(特許文献1参照)。特許文献1では、チップ供給ステーション、研磨ステーションとからなる装置を使用して、生産段階において電極キャップチップの研磨作業が行われる。
実開平5−5274号公報
ところで、特許文献1の技術を、電極キャップチップの再使用を目的とした研磨作業に用いることも考えられる。しかし、溶接工場においては、できる限り少ないスペースで作業が行えることが望ましく、大掛かりな装置は適当でない。そもそも上記技術は、電極キャップチップ生産の最終工程における研磨であるので、ほぼ規格内のものを微調整しているにすぎない。したがって、使用済みの変形した電極キャップチップの研磨作業には用いることができない。
本発明は、以上のような従来技術の課題を解決するために提案されたものであり、その目的は、スポット溶接機電極キャップチップを簡易な方法で研磨し、再使用するための電極キャップチップ修正治具を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、電極キャップチップを固定するためのチップ保持部と、ドリルチャックに固定するためのドリル掴持部と、前記チップ保持部と前記ドリル掴持部を両端に有する接続部と、からなり、前記チップ保持部は、棒状で、電極キャップチップの内周面に当接して固定することを特徴とする。
以上の態様では、電極キャップチップを、チップ保持部に取り付け、ドリルチャックをドリル掴持部にチャックすることにより、電極キャップチップを取り付けた状態で、キャップチップ治具全体を回転させることができる。そして、回転させながら、電極キャップチップにペーパー又はヤスリ等の研磨材を接触させることによって、電極キャップチップの形状、表面状態を修正することができる。そのため、電極キャップチップ又は研磨材を作業者が回転させる手間を省くことができる。また、大掛かりな装置を用いることなく、簡易な方法で研磨することができる。
請求項2の発明は、請求項1記載の発明において、前記チップ保持部が、前記接続部から前記チップ保持部先端に向けて細くなっていることを特徴とする。
以上の態様では、1つの電極キャップチップ修正治具において、異なるサイズの電極キャップチップに幅広く対応できる。
具体的には、電極キャップチップの内径が、チップ保持部先端の外径より大きく、チップ保持部の接続部近傍の外径より小さければ、電極キャップチップをチップ保持部に固定させることができる。
請求項3の発明は、請求項2記載の発明において、前記チップ保持部が、テーパー加工されていることを特徴とする。
以上の態様では、電極キャップチップをチップ保持部に被せ、チップ保持部先端から接続部に向かってスライドさせ、適当な位置で電極キャップチップを固定させることができる。
請求項4の発明は、請求項1〜3のいずれか1項に記載の発明において、前記チップ保持部の外径が5〜20mmの範囲で構成されていることを特徴とする。
以上の態様では、例えば、内径が13mmの電極キャップチップや、内径が16mmの電極キャップチップに対応できる。
以上の本発明によれば、スポット溶接機電極キャップチップを簡易な方法で研磨し、再使用するための電極キャップチップ修正治具を提供することができる。
本発明の実施の形態に係る電極キャップチップ修正治具の構成を示す斜視図。 本発明の実施の形態に係る電極キャップチップ修正治具を電動ドライバードリルに取り付けた斜視図。 本発明の他の実施の形態に係る電極キャップチップ修正治具の構成を示す図。 本発明の他の実施の形態に係る電極キャップチップ修正治具の構成を示す図。
以下、本発明の実施の形態(以下、本実施形態という。)について、図面を参照しながら説明する。
[1.本実施形態]
[1−1.構成]
(1)全体構成
本実施形態の電極キャップチップ修正治具(以下、「治具」という)1は、図1に示すように、電極キャップチップAを保持する部分(以下、「チップ保持部」という)2と、ドリルチャックに掴持される部分(以下、「ドリル掴持部」という)3と、チップ保持部2とドリル掴持部3を両端に有する接続部4と、から構成される。
チップ保持部2とチャック掴持部3と接続部4は、一本の円柱棒状体を加工してなる。すなわち、一本の円柱棒状体において、両端部分を外径が小さくなるように切除し、一部切除された両端部分をチップ保持部2とチャック掴持部3とする。また、切除されずに残った真ん中部分を接続部4とする。
このような治具1は、チップ保持部2に電極キャップチップAを被せ、ドリル掴持部3をドリルチャックCに掴持して固定した状態で回転させて用いる。
チップ保持部2は、チップ保持部2に電極キャップチップAを被せることによって、電極キャップチップAを固定できるようにしたものである。チップ保持部2において、接続部4に接する側からチップ保持部2の先端に向けて細くなるテーパー加工が施されている。電極キャップチップには、先端球型、先端フラット型、円錐先端フラット型等があるが、いずれも開口部は円形であり、外径は13mm又は16mm、長さは20〜25mmが一般的である。したがって、チップ保持部2において、接続部4に接する側の外径は20〜30mmであり、先端の外径は5〜10mmであるのが望ましい。長手方向の長さは10mm〜30mmがよい。また、先端を尖らせるよりも面取りした方が、利便性がよく、また、耐磨耗性がよい。
ドリル掴持部3は、電動ドライバードリルDのドリルチャックCに固定できるようにしたものである。したがって、電動ドライバードリルDのドリルチャックCに固定できるよう、円筒棒状体となっている。また、ドリル掴持部3の外径は特定しなくても、ドリルチャックCの開口部の径は適宜調節可能であるので、ドリルチャックCの開口部の径を調節することによって、ドリル掴持部3をドリルチャックCに固定することができる。好ましくは、ドリル掴持部3の外径は、接続部4とのつながりを考慮して、5〜30mmである。長手方向の長さは、ドリルチャックCにドリル掴持部3の一部を挿入させることを考慮して、30〜80mmがよい。また、チップ保持部2と同様、先端を尖らせるよりも面取りした方が、利便性がよく、また、耐磨耗性がよい。
接続部4は、治具1をドリルチャックCに取り付ける際の持ち手となる。持ち手として利用することを考慮して、長手方向の長さは10mm〜50mm、また、外径は20〜30mmであるのがよい。
[1−2.作用効果]
以上のような本実施形態の構成に基づいて、治具1の作用について説明する。
(1)取り付け
図2に示すように、電動ドライバードリルDに治具1及び電極キャップチップAが取り付けられる。具体的な取り付け方法について説明する。
電動ドライバードリルDのドリルチャックCの挿入口に、ドリル掴持部3を挿入する。ドリルチャックCへの固定方法は、常用の方法で行うことができる。すなわち、ドリルチャックCの挿入口にドリル掴持部3を挿入させた状態で、ハンドル穴Bにハンドル先端部を差込み、ハンドル持ち手Eを時計回りに回転させる。ハンドル穴Bは通常3箇所あるので、順次均等に回転させる。回転が止まるまで行う。
次に、使用済みの電極キャップチップAを、チップ保持部2に嵌め、チップ保持部2の先端から接続部4に向かう方向にスライドさせ、スライドさせることができなくなる箇所で保持させる。
例えば、チップ保持部2先端の外径が10mm、チップ保持部2における接続部4近傍の外径が20mmのとき、電極キャップチップの外径が13mmであれば、電極キャップチップAは、チップ保持部2の先端から接続部4に向かって1/3のあたりで保持される。電極キャップチップAの外径が16mmであれば、電極キャップチップAは、チップ保持部2の先端から接続部4に向かって2/3のあたりで保持される。
このように、キャップ保持部2はテーパー加工されているので、電極キャップチップAは、チップ保持部2に確実に保持される。
次に、電動ドライバードリルDの回転ボタンを押す。治具1に固定された電極キャップチップAが、電動ドライバードリルDのドリルチャックCに固定された治具1に伴って回転させる。治具1に取り付けられた使用済みの電極キャップチップAに対して、ペーパー又はヤスリ等の研磨材Fを接触させ、使用済みの電極キャップチップAの変形、磨耗等を新品の電極キャップチップの表面状態へ修正する。
(2)取り外し
基本的には、上記の取り付け作業の逆である。すなわち、電動ドライバードリルDの回転ボタンを止める。
修正された電極キャップチップAを、接続部4からチップ保持部2先端へ向かってスライドさせることによって、取り外す。
ドリルチャックCのハンドル穴Bにハンドル先端部を差込み、ハンドル持ち手Eを反時計回りに回転させる。ハンドル穴Bは通常3箇所あるので、順次均等に回転させる。電動ドライバードリルDに固定された治具を、電動ドライバードリルDのドリルチャックCの挿入口から出す。
(3)効果
以上のような本実施形態の治具によれば、スポット溶接機電極キャップチップを簡易な方法で研磨し、再使用することができる。
治具1に、チップ保持部2を設け、電極キャップチップAを嵌めることによって、電極キャップチップAを作業者が直接持つことなく、研磨作業を行うことができる。そのため、作業者が電極キャップチップの全体形状を常に確認しながら、作業を行うことができる。また、チップ保持部2は、テーパー加工されているので、電極キャップチップAの内径において、幅広いサイズに対応することができる。したがって、1つの治具において、多種多様なサイズの電極キャップチップに対応することができる。
また、治具1に、ドリル掴持部3を設けることによって、電動ドライバードリルDに治具1を固定することができ、それによって、電極キャップチップAを固定した治具全体を自動回転させることができる。したがって、作業者が電極キャップチップA又は研磨材Fを回転させる手間を省くことができる。
また、治具1に、接続部4を設けることによって、チップ保持部2に電極キャップチップを嵌める際の持ち手として利用することができる。また、ドリル掴持部3をドリルチャックCに挿入する際の持ち手として利用することもできる。
以上のようなチップ保持部2、ドリル掴持部3、接続部4からなる治具1によれば、スポット溶接の作業場において、従来の大掛かりな装置を使用する必要がなく、簡単に研磨作業を行うことができる。
[2.他の実施形態]
本発明は、上記の本実施形態に示す構成に限定されるものではなく、例えば、次に示す態様も包含するものである。
本実施形態における治具1は、円筒棒状体を加工したものを例に挙げたが、治具1の両端にチップ保持部2とドリル掴持部3を有していればよく、角柱の棒状体を加工したものでもよい。
また、図3に示すように治具1′断面中心線に沿って、治具1を貫通する穴をあけてもよい。穴の直径は、例えば3〜5mm程度が好ましい。ドリル掴持部3′に設けられた穴からチップ保持部2′に向かって、外径2〜4mmの棒Gを通すことによって、保持部2′に被せられた電極キャップチップAを簡単に取り外すことができる。
本実施形態におけるチップ保持部2として、テーパー加工されているものを例に挙げたが、図4に示すように、チップ保持部2″は、接続部4に接する側から先端に向けて、段階的に小径化していく形状でもよい。段の数は、1つ又は複数でもよい。図4に示すように、段が1つの場合には、内径の異なる2つの電極キャップチップに対応することができる。
また、チップ保持部2は、テーパー加工されてなく、円筒棒状体でもよい。この場合、チップ保持部先端の外径が異なるサイズの治具をいくつか用意し、電極キャップチップAの内径に合う治具を適宜使用する。電極キャップチップAをチップ保持部2に嵌める際に、電極キャップチップAとチップ保持部2の間に、例えばゴムなどの滑り止めを用いると、より強く固定することができる。
本実施形態におけるドリル掴持部3を固定するものとして、電動ドライバードリルを例に挙げたが、ドリルチャックを有する回転装置であればよく、スリーワンモータ等の攪拌機でもよい。さらに、攪拌機をスタンドに設置しておくことにより、作業者は、電極キャップチップAが固定された治具を自ら持つことなく、研磨作業を行うことができる。
本実施形態における接続部4として、棒状体のものを例に挙げたが、表面に突起や凹みを設けて、持ち手として使いやすくしてもよい。
1、1′…電極キャップチップ修正治具
2、2′、2″…チップ保持部
3…ドリル掴持部
4…接続部
A…使用済みの電極キャップチップ
B…ハンドル穴
C…ドリルチャック
D…電動ドライバードリル
E…ハンドル持ち手
F…研磨材
G…棒

Claims (4)

  1. 電極キャップチップを固定するためのチップ保持部と、
    ドリルチャックに固定するためのドリル掴持部と、
    前記チップ保持部と前記ドリル掴持部を両端に有する接続部と、からなり、
    前記チップ保持部は、棒状で、電極キャップチップの内周面に当接して固定することを特徴とする電極キャップチップ修正治具。
  2. 前記チップ保持部が、前記接続部から前記チップ保持部先端に向けて細くなっていることを特徴とする、請求項1に記載の電極キャップチップ修正治具。
  3. 前記チップ保持部が、テーパー加工されていることを特徴とする、請求項2に記載の電極キャップチップ修正治具。
  4. 前記チップ保持部の外径が5〜20mmの範囲で構成されていることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の電極キャップチップ修正治具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106425299A (zh) * 2016-10-31 2017-02-22 宣城军焊焊接科技有限公司 氧化铝p型电极帽加工工艺

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