JP2012125012A - 船舶発電システムの制御方法、船舶発電システムの制御プログラム、および船舶発電システムの制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくともターボチャージャー発電機4が運転状態の際に、主機1の運転状況を示すパラメータを取得するパラメータ取得ステップと、ディーゼル発電機22の少なくとも1つが停止状態であって、パラメータが所定の条件を満たすとき、停止状態のディーゼル発電機22の少なくとも1つを運転させる駆動ステップとを有する。
【選択図】図1
Description
一方、主機の排気エネルギーの一部を電気エネルギーとして回収し、この回収した電気エネルギーを船内の電力負荷に使用することで、省エネルギー性能を向上させる発電システムが望まれている。
このような発電システムとしては、ディーゼル発電装置等に代えて、主機のターボチャージャー(Turbo Charger)により駆動されるターボチャージャー発電機(Turbo Charger Generator)を用いることで省エネルギー効果を向上することが考えられる。
このため、ターボチャージャー発電機により賄う電力負荷が適切でないと、船内停電の発生や、省エネルギー効果の低下、主機にダメージを与えるといった課題が生じる。
この課題はターボチャージャー発電機単独で船内の電力を賄う場合には特に顕著である。
また、船内停電の可能性を低減でき、主機に与えるダメージを抑制でき、省エネルギー効果の低減を抑制することができる船舶発電システムの制御方法、船舶発電システムの制御プログラム、および船舶発電システムの制御装置を得るものである。
また、船内停電の可能性を低減でき、主機に与えるダメージを抑制でき、省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
図1は実施の形態1に係る船舶発電システムの構成を示す図である。
図1に示すように、本実施の形態に係る船舶発電システムは、主機1と、ターボチャージャー3(Turbo Charger:以下「T/C」ともいう。)と、ターボチャージャー発電機4(Turbo Charger Generator:以下「TC/G」ともいう。)と、周波数変換装置10と、ディーゼル発電装置20と、発電機盤30とを備えている。
ターボチャージャー3は、主機1からの排気によって回転するタービンと、このタービンによって駆動されて主機1に給気を供給するコンプレッサとを備えている。
ターボチャージャー発電機4は、ターボチャージャー3のタービンの回転軸に直結されて回転駆動される。ターボチャージャー発電機4は、発電した電力を周波数変換装置10を介して、後述する船内母線40に供給する。
なお、「ターボチャージャー発電機4」は、本発明における「第1発電機」に相当する。
なお、本実施の形態では、ディーゼル発電装置20が2台の場合を説明し、それぞれの構成にはサフィックス符号(a、b)を付して区別する。
なお、本実施の形態においては、ディーゼル発電装置20が2台の場合を説明するが、本発明はこれに限るものではなく、1台または3台以上であっても良い。
なお、「ディーゼルエンジン21」は、本発明における「発電用エンジン」に相当する。
なお、「ディーゼル発電機22」は、本発明における「第2発電機」に相当する。
制御装置31は、主機1の運転状況を示すパラメータを取得して、ディーゼル発電装置20の運転を制御する。詳細は後述する。
船内母線40には、開閉器41を介して周波数変換装置10の出力が接続され、ターボチャージャー発電機4の電力が供給される。
また、船内母線40には、開閉器42を介してディーゼル発電装置20の出力が接続され、ディーゼル発電機22の電力が供給される。
ソフトウェアとして実現する場合は、ROM(Read Only Memory)やHDD(Hard Disk Drive)等にこの機能を実現するプログラムを格納しておき、CPUやマイコンなどの演算装置がそのプログラムを読み込んで、プログラムの指示に従って当該機能に相当する処理を実行することにより、構成することができる。また、ここでは1つの制御装置31により構成しているが、例えばこの機能を実現するプログラムの処理を、複数の構成部により分けて行うようにしても良い。
図2において、TC/G定格電力100は、TC/G単体での出力電力の定格値を示している。
供給可能電力101は、主機1の通常の運転状態において想定する、定常的に供給可能なTC/Gの出力電力(計画値)を示している。
船内電力負荷必要電力範囲102は、船内の電力負荷が必要とする電力値の範囲(計画値)を示している。
TC/G・DG併用時定格電力103は、TC/Gと1台のDGを併用時での出力電力の定格値を示している。
また、図2の縦軸は電力(kW)を示し、横軸は主機負荷(M/E Load(%))、主機回転数(M/E Speed(rpm))、T/C回転数(T/C speed(rpm))を示している。
なお、図2における具体的な値は一例を示すものであり、本発明はこれに限るものではない。
図2において、例えば船内の電力負荷の必要値が400(kW)の場合、主機負荷が75%(T/C回転数が8000rpm)以上で、供給可能電力101が400(kW)を超える。すなわち、船内の電力負荷の必要値を、TC/Gの単独運転により賄うことが可能となる。
一方、TC/Gは主機負荷が60%(T/C回転数が7260rpm)以上で使用可能となるが、主機負荷が60〜75%の領域では、船内の電力負荷の必要値を出力できない。
また、主機回転数(主機負荷)またはT/C回転数が所定回転数を超えた場合(例えば主機負荷が75%以上)、ディーゼル発電装置20の運転を全て停止状態とし、TC/Gのみの単独運転を行う。
なお、ここでは、所定回転数以上の場合に全てのディーゼル発電装置20の運転を停止させたが、本発明はこれに限るものではなく、少なくとも1台を停止状態とするようにしても良い。
一方、実際の運行状況においては、想定以上の船内電力負荷の発生や、荒天時などにより主機1の推進負荷が大きくなりTC/G駆動のための余力が無い状況も生じる。
このような駆動トルクの増加により、T/C回転数が低下する。そして、適正なT/C回転数が確保されないことで、主機1の要求する掃気圧が不足した状態で主機1を運転することとなり、主機1の排ガス温度の上昇、主機1の推進出力の低下やこれを補うための燃料増加など、主機1にダメージを与え、また省エネルギー効果が低減し、主機1の健全な運転を阻害することとなる。
このように運航状況により、現在の回転数において取り得る主機負荷の最大値に対する、現在の主機負荷の割合であるロードインデックス(Load Index)が変化することとなる。
荒天時などロードインデックスが高い場合には、TC/Gの発電によりさらに負荷がかかり、主機1の掃気圧の低下や排ガス温度の上昇など、主機1にダメージを与え、また省エネルギー効果が低減し、主機1の健全な運転を阻害することとなる。また、出力電力の不足により船内停電の可能性が高まることとなる。
以下、図3の各ステップに基づき説明する。
制御装置31は、TC/Gが運転状態であるか否かを判断する。
主機1の回転数が低い場合や、インバータ12の駆動を停止して電力を出力しない場合など、TC/Gによる発電が停止状態である場合には、当該ステップS101を繰り返す。
一方、主機1の回転数が発電可能領域を超えてTC/Gが運転状態である場合、主機1の運転状況を示すパラメータを取得する。
このパラメータとしては、主機1のロードインデックス、主機1の掃気圧、および、主機1の排ガス温度の少なくとも1つを用いることができる。
ここでは、これら3つを用いる場合を説明する。
なお、主機1の運転状況を示すパラメータは、これに限定されるものではない。例えばTC/Gの駆動により影響される任意のパラメータを用いることができる。
主機1の掃気圧は、主機1に設けられたセンサ等により検出され、主機1から出力されるものである。
主機1の排ガス温度は、主機1に設けられたセンサ等により検出され、主機1から出力されるものである。
次に、制御装置31は、ディーゼル発電機22の少なくとも1つが停止状態であるか否かを判断する。すなわち、ディーゼル発電装置20a、20bの一方または両方が停止状態であるか否かを判断する。
全てのディーゼル発電機22が運転状態である場合、ディーゼル発電装置20の追加運転が不能であるとして、ステップS101に戻り上記動作を繰り返す。
一方、ディーゼル発電装置20a、20bの一方または両方が停止状態である場合、制御装置31は、主機1の運転状況を示すパラメータが所定の条件を満たすか否かを判断する。ここでは、主機1のロードインデックスが所定値より高いか否か、主機1の掃気圧が所定値より低いか否か、および、主機1の排ガス温度が所定値より高いか否かを判断する。
なお、各所定値は、主機1の仕様やシミュレーション、実験データ等により適宜設定する。
なお、各所定値は、例えば制御装置31内の記憶装置等に予め記憶させるようにしても良いし、制御装置31に情報を入力する入力手段(操作スイッチ等)により入力するようにしても良い。
一方、これらの3つのうち少なくとも1つのパラメータが条件を満たす場合、現在の主機1の運転が健全でないと判断し、ステップS105に進む。
例えば、これら3つのパラメータのうち、任意の2つまたは全ての条件が満たさないとき、主機1の運転が健全でないと判断するようにしても良い。
また、上記3つのパラメータのうち、任意の1つまたは2つのみについて、条件を満たすか否かを判断するようにしても良い。
次に、制御装置31は、停止状態のディーゼル発電機22のうち、少なくとも1つを運転させる。
ディーゼル発電装置20a、20bが共に停止状態で、TC/G単独運転状態においては、1台のディーゼル発電装置20を運転させる。または、要求される船内電力負荷に応じて、2台のディーゼル発電装置20を運転させる。
一方、ディーゼル発電装置20a、20bの何れか一方のみが運転状態で、TC/GとDGとが併用運転時においては、停止中のディーゼル発電装置20を運転させる。
以降、上記ステップS101に戻り上記動作を繰り返す。または、定期的に当該動作を実行する。
このため、船舶の運航状況や船内電力負荷等に応じて適切な負荷分担制御を行うことが可能となる。よって、主機1の健全な運転を補償することができる。
したがって、船内停電の可能性を低減でき、主機1に与えるダメージを抑制でき、省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
また、主機1のロードインデックスが所定値より高いとき、主機1の掃気圧が所定値より低いとき、および、主機1の排ガス温度が所定値より高いとき、の少なくとも1つを満たす場合、上記所定の条件を満たすとして、停止状態のディーゼル発電機22を運転させる。
このため、主機1の要求する掃気圧が不足した状態で主機1が運転されることを防止することができる。また、主機1の排ガス温度の上昇を抑制できる。また、主機1の推進出力の低下やこれを補うための燃料増加を抑制することができる。よって、主機1の健全な運転を補償することができる。
したがって、主機1に与えるダメージを抑制でき、省エネルギー効果の低減を抑制することができる。
このため、ディーゼル発電機22を駆動するディーゼルエンジン21の運転時間を低減することができ、エネルギー消費量を低減することができる。また、運転時間の低減によりメンテナンスコストを低減することができる。
このため、主機1の排気エネルギーの一部を電気エネルギーとして回収して、この回収した電気エネルギーにより船内の電力を全て賄うことが可能となる。
例えば、上記ステップS103にてディーゼル発電装置20の一方または両方が運転中であると判断した場合であって、ステップS104の条件を満たした場合には、運転中のディーゼル発電装置20の出力電力を増加させるように制御しても良い。このような動作であっても、上記と同様の効果を奏することができる。
Claims (7)
- 船舶の推進用プロペラを駆動する主機と、
前記主機の排気により作動されるターボチャージャーと、
前記ターボチャージャーにより駆動され、船内母線に電力を供給する第1発電機と、
発電用エンジンにより駆動され、前記船内母線に電力を供給する1つまたは複数の第2発電機と
を備えた船舶発電システムの制御方法において、
少なくとも前記第1発電機が運転状態の際に、前記主機の運転状況を示すパラメータを取得するパラメータ取得ステップと、
前記第2発電機の少なくとも1つが停止状態であって、前記パラメータが所定の条件を満たすとき、停止状態の前記第2発電機の少なくとも1つを運転させる駆動ステップと
を有することを特徴とする船舶発電システムの制御方法。 - 前記パラメータは、
前記主機のロードインデックス、前記主機の掃気圧、および、前記主機の排ガス温度の少なくとも1つである
ことを特徴とする請求項1記載の船舶発電システムの制御方法。 - 前記所定の条件は、
前記主機のロードインデックスが所定値より高いとき、前記主機の掃気圧が所定値より低いとき、および、前記主機の排ガス温度が所定値より高いとき、の少なくとも1つを満たす場合である
ことを特徴とする請求項2記載の船舶発電システムの制御方法。 - 前記駆動ステップの前に、
前記主機または前記ターボチャージャーの回転数を取得する回転数取得ステップと、
前記主機または前記ターボチャージャーの回転数が所定回転数を超えたとき、前記第2発電機の少なくとも1つを停止状態にさせる停止ステップと
を有することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の船舶発電システムの制御方法。 - 前記停止ステップは、全ての前記第2発電機を停止状態にさせる
ことを特徴とする請求項4記載の船舶発電システムの制御方法。 - 請求項1〜5の何れか1項に記載の船舶発電システムの制御方法を、コンピュータに実行させることを特徴とする船舶発電システムの制御プログラム。
- 船舶の推進用プロペラを駆動する主機と、
前記主機の排気により作動されるターボチャージャーと、
前記ターボチャージャーにより駆動され、船内母線に電力を供給する第1発電機と、
発電用エンジンにより駆動され、前記船内母線に電力を供給する1つまたは複数の第2発電機と
を備えた船舶発電システムを制御する、船舶発電システムの制御装置において、
少なくとも前記第1発電機が運転状態の際に、前記主機の運転状況を示すパラメータを取得し、
前記第2発電機の少なくとも1つが停止状態であって、前記パラメータが所定の条件を満たすとき、停止状態の前記第2発電機の少なくとも1つを運転させる
ことを特徴とする船舶発電システムの制御装置。
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