JP2012124790A - 携帯情報端末 - Google Patents

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Abstract

【課題】電池電圧低下時における拡声用のスピーカの音の歪を防止しつつ、電力消費を低減し得る携帯情報端末を提供する。
【解決手段】携帯情報端末200に、バッテリ210、電圧変換部220、およびセレクタ230を設ける。また、バッテリ210から電圧変換部220を経由してアンプ180に給電する第1給電路251と、電圧変換部220を迂回する第2給電路252とを形成する。バッテリ210の電池電圧が高い場合、電圧変換部220の降圧により、バッテリ210の放電電流を低減する。電池電圧が低い場合、電圧変換部220の昇圧により、アンプ180での歪を防止する。電池電圧が中間値の場合は、バッテリ210から電圧変換部220を迂回して給電し、電圧変換部220による電力消費を低減する。
【選択図】図3

Description

本発明は、スピーカに音声信号を出力するアンプを備えた携帯情報端末に関し、特に、アンプへの供給電圧を変更する技術に関する。
携帯情報端末の一例である携帯電話機は、多くの場合、受話用のレシーバに加え、拡声用のスピーカを備えている。この拡声用のスピーカにより、着信メロディ等の着信音を比較的大きな音量で出力することができる。また、拡声用のスピーカにより、受話音、音楽、TV音声等、種々の音声を出力することが可能である。なお、受話音は、携帯電話機を机の上などにおいて通話を行う際に出力される(スピーカ通話、ハンズフリー通話等と呼ばれる)。
拡声用のスピーカは、音声用のアンプによって駆動される。アンプには、電池を含む電源から電力が供給されるのであるが、供給電圧が不足するとスピーカから出力される音声が歪む場合がある。
特許文献1,2には、電池電圧の低下時に、昇圧器によって電池電圧を昇圧する技術が記載されている。
特開平5−49179号公報 特開2008−187835号公報
前述のように、携帯電話機では、種々の音声をスピーカから出力することができる。しかしながら、音楽再生、スピーカ通話等を行う場合、着信音に比して音声出力する時間が長いため、消費電力の増加が問題となる。
上記の課題に鑑み、本発明は、電池電圧低下時における拡声用のスピーカの音の歪を防止しつつ、電力消費を低減し得る携帯情報端末を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明に係る携帯情報端末は、電池と、スピーカと、音声信号を増幅して前記スピーカに出力するアンプと、前記電池から出力される電池電圧を変圧して前記アンプに供給する電圧変換部と、前記電池から前記アンプへの給電路として、前記電圧変換部を経由する第1給電路と、前記電圧変換部を迂回する第2給電路との一方を選択するセレクタと、電池電圧が、前記アンプが音声信号を正常に増幅し得る下限値以上、かつ、下限値よりも大きい上限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第2給電路を選択し、前記電池から前記電圧変換部を迂回して前記アンプに給電する制御を行い、電池電圧が上限値以上の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に降圧して前記アンプに給電する制御を行い、電池電圧が下限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に昇圧して前記アンプに給電する制御を行う制御部とを含むことを特徴とする。
本発明に係る携帯情報端末は、電池電圧低下時における拡声用のスピーカの音の歪を防止しつつ、電力消費を低減し得る。
実施形態に係る携帯情報端末100の外観構成を示す図である。 携帯情報端末100の構成を模式的に示すブロック図である。 携帯情報端末100の音声処理部153、電源部200等の構成を模式的に示すブロック図である。 アンプ180の構成を模式的に示すブロック図である。 バッテリ210の放電特性を示すグラフである。 音声信号の波形を模式的に示す図である。 電圧制御プログラムのフローチャートを示す図である。 電圧制御プログラムの切換え処理のフローチャートを示す図である。 アンプ180における供給電圧と消費電流との関係を模式的に示す図である。
本発明の実施形態および変形例について、図面を参照しながら説明する。
[実施形態]
<1.携帯情報端末の構成>
[1.1]外観構成
図1は、実施形態に係る携帯情報端末100の外観を模式的に示す図である。
本実施形態において、携帯情報端末100は、折畳み式の携帯電話機として構成されている。図1(a)、(b)は、それぞれ携帯情報端末100が開いた状態、閉じた状態を示す平面図である。また、図1(c)は、携帯情報端末100が閉じた状態(折畳まれた状態)を示す側面図である。
図1(a)に示すように、携帯情報端末100は、扁平な直方体形状をなす樹脂製の第1筐体110、および第2筐体120を備えている。第1筐体110、および第2筐体120は、縦方向(Y軸方向)に長く、横方向(X軸方向)に短い長方形状をしている。
第1筐体110の前面113側には、通話音声を出力するレシーバ(受話部)114、液晶パネルからなる表示パネル115が配置されている。なお、第1筐体110の前面113は、携帯情報端末100を折畳んだ状態において、第2筐体120と向かい合う面である。
第2筐体120の前面122側には、連結部123、操作部124、およびマイク(送話部)125が配置されている。連結部123は、第1筐体110の基端部とともに、蝶番(ヒンジ)を形成しており、第1筐体110と第2筐体120とが回動可能にされている。操作部124には、複数の操作キー、および方向入力スイッチ等が設けられている。
図1(b)に示すように、第1筐体110の背面側には、拡声用のスピーカ140が配置されている。本実施形態において、スピーカ140は、ダイナミックスピーカであり、円形状の振動板(あるいは振動フィルム)と、振動板を収容するハウジングとを有し、振動板を磁力によって振動させるものである。
ここで、スピーカ140は、例えば、着信メロディのように、比較的大きな音を発生させるために設けられており、着信メロディの他に、スピーカ通話時の受話音、音楽再生音等を発生させるために用いられる。
第1筐体110の背面側には、スピーカ140から出力された音波を通過させる複数のスリット118が形成されている。
[1.2]内部構成
図2は、主として携帯情報端末100の内部構成を模式的に示すブロック図である。
携帯情報端末100は、メイン制御部150、並びに、メイン制御部150にバスを介して接続された無線通信部151、音声処理部153、表示制御部154、及び記憶部155を備えている。
メイン制御部150は、CPU(Central Processing Unit)、メモリ、バス、及びI/Oインタフェースからなるコンピュータを備えている。メイン制御部150は、メモリ等に格納されている各種のプログラムをコンピュータによって実行することにより、携帯電話機の通話機能等、各種の機能を発揮させる制御を行う。
無線通信部151は、アンテナ152を介して基地局との間で電波の送受信を行う。また、受信信号を復調しメイン制御部150へ伝達する機能、及びメイン制御部150から伝達された信号を変調する機能を有する。
音声処理部153は、メイン制御部150から送信されたデジタル音声信号をD/A変換した後、変換されたアナログ音声信号をアンプ180によって増幅してレシーバ114、又はスピーカ140に出力する。また、マイク125に入力された音声をA/D変換してメイン制御部150に伝送する。
表示制御部154は、メイン制御部150から送信された画像を表示パネル115に表示させる制御を行う。
記憶部155は、フラッシュメモリ等の書き換え可能な不揮発性メモリを有しており、記憶部155には、着信メロディのデータ(以後、着信音データという)や、AAC(Advanced Audio Coding:先進的音響符号化)、MP3(MPEG Audio Layer-3)等の音声ファイルフォーマットで圧縮された音声圧縮データが格納されている。
また、携帯情報端末100は、メイン制御部150にバスを介して接続された電源部200を備えている。
[1.3]音声処理部、電源部等の詳細
図3に、音声処理部153、電源部200等の構成を模式的に示す。
音声処理部153は、シンセサイザ171、デコーダ172、乗算器173、D/A変換部174、及びアンプ180を備えている。
シンセサイザ171は、記憶部155に格納されている着信音データに基づきデジタル音声信号を生成する。デコーダ172は、記憶部155に格納されている音声圧縮データを復元し、デジタル音声信号(PCM信号(Pulse Code Modulation:パルス符号変調))を生成する。乗算器173は、メイン制御部150からの音量調節指令に応じた値と、デジタル音声信号との乗算値を出力する。D/A変換部174は、デジタル音声信号をアナログ音声信号に変換する。
アンプ180は、D/A変換部174から入力されたアナログ音声信号を増幅してスピーカ140に出力する。
図4に、アンプ180の構成を模式的に示す。
アンプ180は、入力段アンプ181と、2つの出力段アンプ182,183とを備えている。入力段アンプ181には、D/A変換部174から入力されたアナログ音声信号を増幅して出力段アンプ182,183に出力する。
出力段アンプ182には、アナログ音声信号が非反転入力され、出力段アンプ183には、アナログ音声信号が反転入力される。よって、出力段アンプ182は、入力信号と同位相の増幅信号を出力し、その増幅信号はスピーカ140の2つの入力端子のうちの一方に入力される。出力段アンプ183は、入力信号を反転させた増幅信号を出力し、その増幅信号はスピーカ140の他方の入力端子に入力される。このように、アンプ180には、BTL(Balanced Tranceformer Less、あるいはBridged Transless)接続方式が採用されている。
アンプ180は、入力信号を所定の増幅率で増幅して出力する。また、アンプ180は、最大振幅の信号が入力された場合、供給電圧が3.7V以上であれば、音声信号を歪なくスピーカ140に出力できる仕様のものが用いられている。なお、図4において、出力段アンプ182,183と電源部200との接続を図示し、入力段アンプ181と電源部200との接続の図示を省略している。これは、入力段アンプ181は大きな電圧を必要とせず、供給電圧の大きさが問題となるのは出力段アンプ182,183に対してであるからである。
無線通信部151は、受信回路151aとヴォコーダ151bとを備えている。受信回路151aは、受信信号を復調し、圧縮形式の音声圧縮データを取得する。ヴォコーダ151bは、音声圧縮データを復元して、デジタル音声信号を生成し、乗算器173に入力する。
電源部200は、リチウムイオン二次電池からなるバッテリ210と、バッテリ210の電池電圧を検出する電圧検出部211と、電圧変換部220と、セレクタ230とを備えている。
電圧変換部220は、バッテリ210と接続されており、バッテリ210の電池電圧を設定電圧(後述)に昇圧又は降圧して出力する。電圧変換部220は、昇圧回路と降圧回路とを備えたDC−DCコンバータからなる。DC−DCコンバータは、スイッチング・レギュレータとも呼ばれ、スイッチング素子によって電力パルスのデューティ比を制御(スイッチング制御)することで、電池電圧の変圧を行う。なお、デューティ比は、スイッチング素子のON/OFF時間の比である。スイッチング素子は、例えば、MOS−FET等のトランジスタからなる。また、昇圧回路と降圧回路とは、スイッチング素子及び変圧用のインダクタ(コイル)を備えている。
バッテリ210からアンプ180への給電路250には、電圧変換部220を経由する第1給電路251と、電圧変換部220を迂回する第2給電路252とが設けられている。
セレクタ230は、第1給電路251と第2給電路252とのいずれかと、アンプ180とを接続する。セレクタ230は、第1給電路251を介して電圧変換部220に接続され、第2給電路252を介してバッテリ210に接続されている。また、アンプ接続路253を介して、アンプ180に接続されている。セレクタ230は、第1給電路251および第2給電路252の各々と、アンプ接続路253との接続の有無を切り換えるスイッチ231,232を備えている。スイッチ231,232は、トランジスタからなる。
<2.動作>
[2.1]スピーカ140の使用
スピーカ140は、着信メロディや音楽を再生するため、スピーカ通話を行うために使用される。なお、スピーカ通話とは、レシーバ114を用いずに、携帯情報端末100をユーザの耳から離した状態で、スピーカ140から発せられる音声によって受話を行う通話である。
着信メロディや音楽を再生する場合には、着信メロディ再生用あるいは音楽再生用のプログラムを実行するメイン制御部150の制御により、記憶部155に格納されている音声圧縮データが音声処理部153に送られ、音声処理部153において音声圧縮データが音声信号に変換された後、増幅されて、スピーカ140に出力される。なお、詳細には、音声圧縮データの音声信号への変換は、シンセサイザ171、あるいはデコーダ172によって実行される。
スピーカ通話を行う場合には、通信処理プログラムを実行するメイン制御部150の制御により、無線通信部151によって受信された音声信号が音声処理部153に送られ、音声処理部153において音声信号が増幅等されて、スピーカ140に出力される。
ここで、スピーカ140を使用していない状態では、セレクタ230のスイッチ231,232の両方が開状態とされ、アンプ180への給電は停止されている。よって、着呼時、スピーカ通話開始時、音楽再生開始時等において、バッテリ210の電池電圧に応じて、昇降圧の必要性の有無が判断される。また、スピーカ通話時等において、時間経過に伴うバッテリ210の電池電圧の低下に応じて、昇降圧の必要性の有無が判断される。
着呼時とは、無線通信部151によって無線基地局からの呼出し信号が受信され、メイン制御部150が無線通信部151から着呼の通知を受けた時点である。なお、メイン制御部150から音声処理部153に着信メロディを再生する指令を行う前の時点である。また、スピーカ通話開始時とは、スピーカ通話が選択されている状態において、通話発呼又は着呼通話を行うために通話操作(例えば、操作部124の通話キーを押下する)がなされた時点とすることができる。また、スピーカ通話が選択されていない場合は、通話が開始された後、通話中にスピーカ通話を行う操作(例えば、操作部124の所定のキーを押下する)がなされた時点とすることができる。音楽再生開始時とは、ユーザによって音楽データの再生操作が行われた時点である。
[2.2]電池電圧の変化と、変圧処理について
[2.2.1]電池の放電特性
図5に、バッテリ210の放電特性を示す。この放電特性は、放電温度が20℃、放電電流は25mAの条件下で行ったものである。バッテリ210の容量は、840mAhである。ここで、放電電流が25mAというのは、携帯情報端末100において消費される電流が比較的少ない状態である。なお、一般的に、放電電流が増加すると電池電圧および放電時間が減少し、バッテリの容量が大きいと電池電圧および放電時間が増加する傾向がある。
バッテリ210は、満充電時において出力電圧が約4.2Vあり、放電時間の経過に伴い電池電圧が低下する。そして、記号Aで示すように、3.75V〜3.8Vの間で時間経過に対する電池電圧の低下度合いが緩やかになり、しばらく安定する。その後、記号Bで示すように、3.7V未満になると、ほどなく電池電圧が急激に低下する。
なお、バッテリ210は、前述のようにリチウムイオン二次電池からなり、一般的に、リチウムイオン二次電池の公称電圧は3.7Vである。ここで、図に示した放電特性において、バッテリ210の放電期間のうちの大半(例えば、75%以上)の期間において、公称電圧以上の電池電圧が得られる。なお、前述したように放電電流の増加によって電池電圧が減少する傾向がある。
したがって、リチウムイオン二次電池を用いる場合、音声処理部153の設計(増幅率の設定等)において、公称電圧(3.7V)以下の電圧が供給されている状態でアンプ180が音声信号を正常に増幅できるように設計することで、供給電圧が不足する期間を短くすることができる。なお、アンプ180が音声信号を正常に増幅するとは、後述するように、音声信号の増幅時にピーク域がカットされることに因る音声波形の歪が生じないことである。
すなわち、アンプ180が正常に動作する動作下限値を公称電圧以下に設定することで、バッテリ210の放電期間のうち、電池電圧を昇圧することなしにアンプ180から出力される音声信号の歪を防止することができる期間を長くすることができる。
[2.2.2]アンプの増幅波形、動作下限値および昇圧処理の関係
図6に、アンプ180(詳細には、出力段アンプ183)によって増幅された波形と、供給電圧の影響を模式的に示す。なお、出力段アンプ184の出力波形は、出力段アンプ183の出力波形を上下に反転したものとなる。
アンプ180が、振幅が最大の入力信号Sinを増幅した場合の出力信号Soutの波形を考える。アンプ180に必要な電圧(以後、「動作下限値」という)が供給されている場合、歪のない出力信号Soutが得られる。しかし、アンプ180への供給電圧が不足している場合(Vd)、出力信号Soutのピーク域Pがカットされて、音声に歪が生じる。
ここで、アンプ180の増幅率は、バッテリ210の公称電圧(3.7V)が供給されている状態において、最大振幅の入力信号Sinを増幅しても出力信号Soutが歪まない値に設定されている。つまり、バッテリ210の公称電圧が、アンプ180が音声信号を正常に増幅するための動作下限値にされている。
なお、図6における電圧充足時の幅は、スピーカ140から出力され得る最大の音量を示すものであり、ダイナミックレンジと呼ばれることもある。上記電圧充足時の幅は、例えば、アンプ180(詳細には、出力段アンプ183,184)がAB級増幅回路を用いる場合、供給電圧から正負の増幅回路におけるバイアス値を減じた値となる。
以上に述べたように、アンプ180の動作下限値は3.7Vであるので、バッテリ210の電池電圧Vbが3.7V未満になった場合に、昇圧処理を行うことで、音声の歪を防止できる。
[2.2.3]降圧処理を行う電圧について
一方、バッテリ210の電池電圧Vbが3.7Vよりも大きい状態では、過剰な電圧が供給されているため、アンプ180への供給電圧が3.7Vとなるように電池電圧を降圧し、電力消費を低減することが考えられる。その際には、電圧変換部220が変圧する際の電力消費を考慮することが望ましい。そこで、以下のように、降圧すべき電池電圧を決定する。
ここで、電圧変換部220の変換効率ηは、次式で表わされる。
変換効率η=(出力電圧Vo・出力電流Io)/(入力電圧Vi・入力電流Ii)
・・・(1)
出力電流Io=Iiとして、式(1)を変形する。
入力電圧Vi=出力電圧Vo/変換効率η ・・・(2)
式(2)に、変換効率η=0.95、出力電圧Vo=3.7を代入すると、入力電圧Vi=3.9 [V]となる。つまり、電圧変換部220は、3.9Vの入力電圧Viを、3.7Vの出力電圧Voに降圧するとき、入力電流Iiと出力電流Ioとが等しくなる。この状態において、バッテリ210の放電電流は、降圧しない場合と変わらない。なお、電圧降下分(3.9V−3.7V)の電力は、電圧変換部220によって消費されている。
入力電圧(電池電圧)が3.9Vを超えると、降圧処理において、入力電流Iiが出力電流Ioよりも小さくなり、バッテリ210の放電電流を低減し得る。したがって、バッテリ210の電池電圧Vbが3.9Vより大きい状態で降圧処理を行うことにより、バッテリ210の消耗を抑制し得る。
なお、入力電圧Vi(電池電圧)が3.9V未満になると、入力電流Iiが出力電流Ioよりも大きくなり、降圧処理によってバッテリ210の放電電流が増大する。
ここで、電池電圧が3.7V以上かつ3.9V未満の状態では、昇降圧の必要がないため電圧変換部220を使用せず、バッテリ210の電池電圧をアンプ180に供給することで、電圧変換部220によるロスの発生を防止する。
なお、変圧を行わず、電池電圧の供給によってアンプ180を駆動する上限の電圧値を上限値(3.9V)とし、下限の電圧値を下限値(3.7V)とする。なお、下限値は、アンプ180の動作下限値と等しい。
以上に述べた事項を踏まえ、以下に供給電圧の制御について説明する。
[2.3]供給電圧制御
メイン制御部150は、コンピュータによって電圧制御プログラムを実行することにより、電圧変換部220およびセレクタ230を制御し、アンプ180への給電方法を制御する。電圧制御プログラムは、スピーカ通話、着信メロディや音楽の再生など、スピーカ140から音声を出力するスピーカ音出力処理が行われる場合に実行される。そして、スピーカ音出力処理が終了すると、電圧制御プログラムの実行が終了する。
例えば、メイン制御部150は、前述の着呼時、スピーカ通話開始時、音楽再生開始時等において、電圧制御プログラムの実行を開始する。なお、マナーモード(着信メロディOFF)やスピーカ通話が選択されていない状態では、電圧制御プログラムが実行されない。
電圧制御プログラムの終了は、次のように行われる。メイン制御部150は、着呼後、ユーザにより通話操作がなされた時点、あるいは、呼出し側が発呼を中止したことが無線通信部151から通知された時点において、電圧制御プログラムに実行終了を通知する(例えば、終了を通知するフラグをONにする)。また、メイン制御部150は、スピーカ通話中において、通話切断操作(例えば、操作部124の切断キーを押下する)や、スピーカ通話の解除操作(例えば、操作部124に所定のキーを押下する)がなされると電圧制御プログラムに実行終了を通知する。
図7、図8に、電圧制御プログラムのフローチャートを示す。まず、図7のフローチャートについて説明する。
電圧制御プログラムの概要は、ステップS11〜S18において、電圧制御プログラムが起動された直後の電池電圧Vbに応じて給電方法が選択され、S21、S22において、スピーカ音出力処理の実行による電池電圧Vbの変化に応じて給電方法が切り換えられる。以下、詳細に説明する。
[2.3.1]給電方法の初期設定(ステップS11〜S18)
ステップS12の判定により、電圧検出部211によって検出されたバッテリ210の電池電圧Vb(S11)に応じて、次の処理がなされる。
(a)電池電圧Vbが上限値(3.9V)以上で、降圧処理を行う(S13)。また、給電方法を示す変数Xが1にされる(S14)。
(b)電池電圧Vbが上限値(3.9V)未満かつ下限値(3.7V)以上で、変圧処理(昇圧処理又は降圧処理)を停止し、アンプ180に電池電圧を供給する(S15)。また、給電方法を示す変数Xが2にされる(S16)。
(c)電池電圧Vbが下限値(3.7V)未満で昇圧処理を行う(S17)。また、給電方法を示す変数Xが3にされる(S18)。
ここで、上記の上限値、下限値との名称は、それらの値の大きさを容易に把握するために用いている。しかしながら、実際には、上限値は、降圧処理を行う範囲の下限の値という意味合いが強い。このことから、上限値を、降圧下限値と称することができる。これに合わせて、下限値を、変圧停止下限値と称することができる。
S13、S14の処理について説明する。
S13の降圧処理では、メイン制御部150から電圧変換部220に制御信号が送られ、電圧変換部220が作動状態にされる。電圧変換部220は、出力電圧が下限値(3.7V)に予め設定されており、入力電圧(電池電圧Vb)に基づいて入力電圧を降圧するか昇圧するかを自動的に選択する。この時点では、入力電圧が3.9V以上であるため、降圧回路が選択される。
その後、メイン制御部150からセレクタ230に制御信号が送られ、セレクタ230によって、電圧変換部220を経由する第1給電路251が選択される。その結果、電圧変換部220によって電池電圧が下限値に降圧されて、アンプ180に供給される。これにより、バッテリ210の放電電流が低減される。
S14では、給電方法を示す変数Xに、降圧処理を示す「1」が入力される。この変数Xは、S21の切換え処理において使用される。
S15、S16の処理について説明する。
S15の変圧停止処理では、メイン制御部150からセレクタ230に制御信号が送られ、セレクタ230によって、電圧変換部220を迂回する第2給電路251が選択される。その結果、電圧変換部220を経由せずに電池電圧Vbがアンプ180に供給され、電圧変換部220による電力の浪費が防止される。また、メイン制御部150から電圧変換部220に停止信号が送られ、電圧変換部220が停止状態になる。
S16では、給電方法を示す変数Xに、電池電圧の供給を示す「2」が入力される。
S17、S18の処理について説明する。
S17の昇圧処理では、メイン制御部150から電圧変換部220に制御信号が送られ、電圧変換部220が作動状態にされる。この時点において、入力電圧が3.7V未満であるため、電圧変換部220は、昇圧回路を選択する。
その後、メイン制御部150からセレクタ230に制御信号が送られ、セレクタ230によって、電圧変換部220を経由する第1給電路251が選択される。その結果、電圧変換部220によって電池電圧が下限値に昇圧されて、アンプ180に供給される。これにより、アンプ180への供給電圧不足が防止され、スピーカ音の歪の発生が防止される。
S18では、給電方法を示す変数Xに、昇圧処理を示す「3」が入力される。
[2.3.2]給電方法を切換える処理
S21、S22の処理について説明する。
S21の切換え処理は、電池電圧の変動に伴い、給電方法を、降圧、電池電圧(変圧停止)、および昇圧のいずれかに切り換える処理である。この切換え処理は、S22の判定により、スピーカ音出力処理の実行が継続している場合に、繰り返し実行される。なお、電圧制御プログラムは、スピーカ音出力処理の停止後に終了する。
図8にS21の切換え処理を示し、詳細に説明する。なお、切換え処理において、不感帯(あるいはヒステリシス)が設定されており、電池電圧Vbの揺らぎによる頻繁な切換えの発生が防止されている。
S212の判定により、給電方法を示す変数Xの値に基づき、その後の処理が選択される。
(a)変数X=1の場合は、S213〜S215の処理が実行される。
変数X=1の場合は、降圧処理が実行中である。そして、時間の経過に伴いS211において取得される電池電圧Vbが低下して上限値未満になると(S213)、前述のS15と同様に、降圧処理が停止され、アンプ180に電池電圧が供給される(S214)。その後、変数Xが、変圧停止を示す値である「2」にされる。なお、S213において、電池電圧Vbが上限値以上である場合は、処理は「J」に進み、切換え処理の1回の実行が終了する。
(b)変数X=2の場合は、S216〜S221の処理が実行される。
変数X=2の場合は、変圧処理が停止中であり、時間経過に伴い変化する電池電圧Vbに基づき、降圧処理または昇圧処理を行う必要性が判断される。
S216において、電池電圧Vbが上限値に設定値C1(例えば、0.05V)を加算した値以上になると、前述のS13と同様の降圧処理が実行され、アンプ180に降圧電圧が供給される(S217)。その後、変数Xが、降圧処理を示す値である「1」にされる。
ここで、S216の判定において、上限値に設定値C1を加算することで、電池電圧が上限値(3.9V)未満の状態から上限値以上の状態に変化しても、すぐに給電方法が切換えられることがなくなる。よって、電池電圧の揺らぎによる給電方法の頻繁な切換えが防止されている。なお、スピーカ使用時において電池電圧が増加する状況は稀であると考えられるが、放電電流の減少や、温度変化などにより電池電圧が増加するといった状況が考えられる。
一方、S216の判定がNOの場合は、S219の判定が実行され、電池電圧Vbが下限値未満である場合に、前述のS17と同様の昇圧処理が実行され、アンプ180に昇圧電圧が供給される(S217)。その後、変数Xが、昇圧処理を示す値である「3」にされる。なお、S219の判定がNOの場合は、処理は「J」に進み、切換え処理の1回の実行が終了する。
(c)変数X=3の場合は、S222〜S224の処理が実行される。
変数X=3の場合は、昇圧処理が実行中であり、時間経過に伴い電池電圧Vbが上昇して下限値に設定値C2を加算した値以上になると(S222)、昇圧処理が停止され、アンプ180に電池電圧が供給される(S223)。その後、変数Xが、変圧停止を示す値である「2」にされる。なお、S222の判定がNOの場合は、処理は「J」に進み、切換え処理の1回の実行が終了する。
ここで、S222の判定において、下限値に設定値C2を加算していることで、下限値付近での電池電圧の揺らぎによる給電方法の頻繁な切換えが防止されている。なお、設定値C2の値は、前述の設定値C1と同じでもよいし、異なっていてもよい。
[2.3.3]終了処理
スピーカ音出力処理が終了すると、S23において、アンプ180への電力供給が停止される。具体的には、セレクタ230の制御により、第1給電路251および第2給電路252の導通が遮断され、電圧変換部220に停止指令がなされる。
[2.4]以上で電圧制御プログラムについての説明を終了する。
上記電圧制御プログラムにより、スピーカ音の歪を防止しつつ、バッテリ210の放電電流の低減を図ることができる。
[変形例]
上記実施形態において、上限値が、電圧変換部220における電流の入出力が同じになる値(Ii=Io)とされていた。それに対し、供給電圧が過剰であることによるアンプ180での消費電力の増加を考慮して上限値を決定することもできる。
バッテリ210の電池電圧Vbが3.7Vよりも大きい状態では、過剰な電圧が供給されており、アンプ180での消費電力が無駄に増加する。したがって、アンプ180への供給電圧を3.7Vに降圧することにより、アンプ180での電力の浪費を防止して、消費電力を低減することが考えられる。
図9に、アンプ180への供給電圧と、アンプ180の消費電流との関係を模式的に示す。Vは、下限値であり、Iは、供給電圧が下限値の状態の消費電流である。
ここで、供給電圧をVxにすると、アンプ180の消費電流がIxになるとする。このとき、供給電圧が下限値の状態と比較して、消費電流がΔI増加する。逆に、電池電圧がVxである場合に、アンプ180への供給電圧を下限値Vまで降圧すれば、消費電流をΔI分減少させることができる。
これを式に表わすと、供給電圧がVx時の消費電力をWx、供給電圧がV時の消費電力をWとして、次式が得られる。
Wx−W > W・(1−η)/η ・・・(3)
なお、左辺はアンプ180での消費電力の低減量、右辺は電圧変換部220の電力消費である。これを整理する。
Wx > W / η ・・・(4)
このように、上記式(4)が成立する範囲で降圧処理を行うことで、消費電力を低減することができる。さらに、式(4)を変形する。
Vx=(V /η)・{I/(I+ΔI)} ・・・(5)
ここで、(V/η)は、式(2)と同様であり、{I/(I+ΔI)}の部分は、1未満になる。よって、アンプ180の消費電流を考慮した場合、式(2)で得られる電圧よりも低い電圧の範囲まで降圧処理を行い、電力消費を低減できる。あるいは、電圧変換部220の効率ηが低くなっても、電力消費を低減できる。つまり、本変形例では、電池電圧の降圧によるアンプ180の消費電力の低減量が、降圧処理における電圧変換部220の電力の損失量よりも大きくなる範囲で、降圧処理が行われる。
[補足]
(a)前記実施形態および変形例の説明は本発明の例示にすぎず、本発明の範囲を逸脱することなく種々の改良や変形を行うことができる。
(b)上記実施形態において、電池電圧に応じて、降圧処理、変圧停止、および昇圧処理のいずれかが選択されていたが、少なくとも2つを選択することができる。例えば、降圧処理と変圧停止とを選択するだけで省電力を図ることができる。また、例えば、昇圧処理と変圧停止とを選択するだけで、スピーカ音の歪防止を図ることができる。
(c)アンプ180の動作下限値は、例えば、音量を最大にした状態において、音声信号を歪なく増幅し得る値とすることができる。また、例えば、音量調節値(ボリューム値)に応じて(例えば、最大値の8割の音量)、音声信号を歪なく増幅し得る値とすることができる。
(d)前記実施形態において、電圧変換部220は、降圧回路と昇圧回路とを自動的に選択し得るものとされていた。それに対し、メイン制御部150から降圧処理または昇圧処理のいずれかを指令することとしてもよい。
(e)前記実施形態および変形例において、電圧変換部220およびセレクタ230の制御をメイン制御部150が行っていた。それに対し、例えば、2つのコンパレータを用いて、電圧変換部220又はセレクタ230に切換え信号を出力することもできる。この場合、2つのコンパレータを含む電子回路によって、セレクタ及び電圧変換部を制御する「制御部」が構成される。
具体的には、電源部200に2つのヒステリシス付きコンパレータを設ける。そして、一方のコンパレータによって電池電圧が上限値以上である場合に高電位を出力させ、他方のコンパレータによって電池電圧が下限値未満である場合に高電位を出力させる。そして、セレクタ230には、2つのコンパレータの一方が高電位を出力した場合に第1給電路2551を選択させ、2つとも低電位を出力している場合に第2給電路252を選択させる。電圧変換部220についても同様に、2つのコンパレータの出力に基づいてオン・オフを切り換えさせる。なお、コンパレータに入力される基準電圧(例えば、上限値等)が電池電圧を上回るような事態を避けるため、例えば、抵抗を用いた分圧回路等を用いてコンパレータに電池電圧の半分の電圧と、上限値等の半分の基準電圧とを入力することができる。
(f)バッテリが一次電池である場合、公称電圧の代わりに定格電圧を用いることができる。ここで、定格電圧は、温度20℃、電流0.2Cで放電した場合、放電量が全エネルギーの半分の状態における電圧をいう。なお、電流0.2Cは、電池が満充電の状態から放電終止電圧(リチウムイオン二次電池の場合は2.5V)となるまでの放電時間が5時間となる放電電流である。例えば、2Ahの公称容量値の電池であれば、0.4Aとなる。バッテリの全エネルギは、例えば、定格電圧×公称容量値で求めることができる。
(g)前記実施形態において、下限値をバッテリ210の公称電圧としていたが、公称電圧未満の値(例えば、3.4V)としてもよい。下限値を小さくすることで、最大の音量は低下するが、昇圧を行う期間を短くすることと、降圧を行う期間を長くすることとの少なくとも一方により、さらに消費電力を低減することができる。
(h)S12(図7)において、スピーカ140の使用による電池電圧の降下を考慮して判定を行うこともできる。例えば、音楽再生時には、スピーカ140の使用によって電池電圧が0.1V弱、降下する。ここで、設定値Dを電圧降下より大きい値として、S12の判定を、(i)電池電圧Vbが「上限値+設定値D」以上の場合にS13に進み、(ii) 電池電圧Vbが「下限値+設定値D」以上かつ「上限値+設定値D」未満の場合にS15に進み、(iii) 電池電圧Vbが「下限値+設定値D」未満の場合にS17に進むようにすることができる。
また、S213,S216,S219,S222(図8)においても同様に、上限値を「上限値+設定値D」と置き換え、下限値を「下限値+設定値D」と置き換えてもよい。なお、「上限値+設定値C1」は「上限値+設定値D+設定値C1」と、「下限値+設定値C2」は「下限値+設定値D+設定値C2」と置き換えることができる。
さらに、スピーカ通話、音楽再生等の処理によって電圧降下量が異なるため、処理の違いに応じて設定値Dの値を変えてもよい。
なお、設定値C1、C2の少なくとも一方を「0」にしてもよい。
(k)以下に、本実施形態に係る各種の携帯情報端末における構成及び効果について説明する。
(1)本実施形態に係る携帯情報端末は、電池と、スピーカと、音声信号を増幅して前記スピーカに出力するアンプと、前記電池から出力される電池電圧を変圧して前記アンプに供給する電圧変換部と、前記電池から前記アンプへの給電路として、前記電圧変換部を経由する第1給電路と、前記電圧変換部を迂回する第2給電路との一方を選択するセレクタと、電池電圧が、前記アンプが音声信号を正常に増幅し得る下限値以上、かつ、下限値よりも大きい上限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第2給電路を選択し、前記電池から前記電圧変換部を迂回して前記アンプに給電する制御を行い、電池電圧が上限値以上の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に降圧して前記アンプに給電する制御を行い、電池電圧が下限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に昇圧して前記アンプに給電する制御を行う制御部とを含むことを特徴とする。
本項の携帯情報端末は、電池電圧が上限値以上である場合に、電池電圧を下限値に降圧してアンプに供給し、電池の放電電流を低減することができる。また、電池電圧が下限値未満である場合に、電池電圧を下限値に昇圧してアンプに供給し、スピーカから出力される音声が歪むことを防止することができる。さらに、電池電圧が上限値未満かつ下限値以上である場合に、電池から電圧変換部を迂回して電力をアンプに供給し、電圧変換部における電力の浪費を防ぐことができる。
すなわち、本項の携帯情報端末は、電池電圧低下時における拡声用のスピーカの音の歪を防止しつつ、電力消費を低減し得る。
電池は、例えば、リチウムイオン二次電池、リチウムイオンポリマー二次電池、ニッケル水素蓄電池等の二次電池とすることや、アルカリ電池、リチウム電池等の一時電池とすることができる。
制御部は、電池電圧に応じてセレクタ及び電圧変換部を制御できるものである。例えば、制御部を、制御プログラムを実行させることにより、セレクタ等に制御信号を送るコンピュータを含むものとすることができる。また、例えば、コンパレータを備え、電池電圧と上限値等とを比較した結果をセレクタ等に出力する電子回路を含むものとしてもよい。
携帯情報端末は、拡声用のスピーカと音声増幅用のアンプを備えたものであればよく、例えば、携帯電話機、ノート型やタブレット型のパーソナルコンピュータ、PDA(パーソナル・デジタル・アシスタント)、携帯ゲーム機等とすることができる。
(2)本実施形態に係る携帯情報端末を、前記電圧変換部は、スイッチング素子によって電力パルスのデューティ比を制御することにより変圧を行うものであり、前記上限値は、前記電圧変換部によって電池電圧を降圧する処理において、前記電池から前記電圧変換部に入力される電流が、前記電圧変換部から出力される電流よりも小さくなる電池電圧の値である、ものとしてもよい。
本項の携帯情報端末では、より確実に電池の放電電流を低減することができる。
(3)本実施形態に係る携帯情報端末を、前記上限値は、前記電圧変換部によって電池電圧を降圧することによる消費電力低減量が、前記電圧変換部による電力の損失よりも大きくなる電池電圧の値である、ものとしてもよい。
本項の携帯情報端末では、より確実に電池の放電電流を低減することができる。なお、本項の携帯情報端末では、上記(2)項の態様と同一条件下である場合に、より小さい上限値から降圧処理を行うものである。
(4)本実施形態に係る携帯情報端末を、前記下限値は、前記アンプに入力される音声信号の振幅が最大になる場合に前記アンプが音声信号を正常に増幅し得る電圧の値である、ものとしてもよい。
本項の携帯情報端末では、アンプに供給する電圧を下限値にすることで、音声の歪を防止することができる。
(5)本実施形態に係る携帯情報端末を、前記電池は二次電池であり、前記下限値は、前記電池の公称電圧以下の値である、ものとしてもよい。
本項の携帯情報端末では、アンプに供給する電圧を確保することと、昇圧が必要となる期間を比較的短くすることとを、バランス良く図ることができる。
(6)本実施形態に係る携帯情報端末は、電池と、スピーカと、音声信号を増幅して前記スピーカに出力するアンプと、前記電池から出力される電池電圧を降圧して前記アンプに供給する電圧変換部と、前記電池から前記アンプへの給電路として、前記電圧変換部を経由する第1給電路と、前記電圧変換部を迂回する第2給電路との一方を選択するセレクタと、電池電圧が、前記アンプが音声信号を正常に増幅し得る下限値よりも大きい上限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第2給電路を選択して前記電池から前記電圧変換部を迂回して前記アンプに給電する制御を行い、電池電圧が上限値以上の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に降圧して前記アンプに給電する制御を行う制御部とを含むことを特徴とする。
本項の携帯情報端末では、電池電圧が上限値以上である場合に、電池電圧を下限値以上に降圧してアンプに供給し、電池の放電電流を低減することができる。そのため、スピーカ通話、音楽再生、TV視聴などの機能を、比較的長時間使用する場合に、消費電力を低減するために好適である。本項の携帯情報端末には、前記(2)項乃至(5)項の少なくとも1つに記載の特徴を採用することができる。
本発明に係る携帯情報端末は、例えば、拡声用のスピーカを備えた携帯電話機に用いることが有用である。
100 携帯情報端末
110 第1筐体
120 第2筐体
140 スピーカ
150 メイン制御部
151 無線通信部
151a 受信回路
151b ヴォコーダ
153 音声処理部
155 記憶部
171 シンセサイザ
172 デコーダ
173 乗算器
174 D/A変換部
180 アンプ
181 入力段アンプ
182,183 出力段アンプ
200 電源部
210 バッテリ
211 電圧検出部
220 電圧変換部
230 セレクタ
231,232 スイッチ
250 給電経路
251 第1給電路
252 第2給電路
253 アンプ接続路

Claims (6)

  1. 電池と、
    スピーカと、
    音声信号を増幅して前記スピーカに出力するアンプと、
    前記電池から出力される電池電圧を変圧して前記アンプに供給する電圧変換部と、
    前記電池から前記アンプへの給電路として、前記電圧変換部を経由する第1給電路と、前記電圧変換部を迂回する第2給電路との一方を選択するセレクタと、
    電池電圧が、前記アンプが音声信号を正常に増幅し得る下限値以上、かつ、下限値よりも大きい上限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第2給電路を選択し、前記電池から前記電圧変換部を迂回して前記アンプに給電する制御を行い、
    電池電圧が上限値以上の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に降圧して前記アンプに給電する制御を行い、
    電池電圧が下限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に昇圧して前記アンプに給電する制御を行う制御部と
    を含むことを特徴とする携帯情報端末。
  2. 前記電圧変換部は、スイッチング素子によって電力パルスのデューティ比を制御することにより変圧を行うものであり、
    前記上限値は、前記電圧変換部によって電池電圧を降圧する処理において、前記電池から前記電圧変換部に入力される電流が、前記電圧変換部から出力される電流よりも小さくなる電池電圧の値である
    請求項1に記載の携帯情報端末。
  3. 前記上限値は、前記電圧変換部によって電池電圧を降圧することによる消費電力低減量が、前記電圧変換部による電力の損失よりも大きくなる電池電圧の値である
    請求項1に記載の携帯情報端末。
  4. 前記下限値は、
    前記アンプに入力される音声信号の振幅が最大になる場合に前記アンプが音声信号を正常に増幅し得る電圧の値である
    請求項2又は3に記載の携帯情報端末。
  5. 前記電池は二次電池であり、
    前記下限値は、前記電池の公称電圧以下の値である
    請求項1乃至4のいずれか1項に記載の携帯情報端末。
  6. 電池と、
    スピーカと、
    音声信号を増幅して前記スピーカに出力するアンプと、
    前記電池から出力される電池電圧を降圧して前記アンプに供給する電圧変換部と、
    前記電池から前記アンプへの給電路として、前記電圧変換部を経由する第1給電路と、前記電圧変換部を迂回する第2給電路との一方を選択するセレクタと、
    電池電圧が、前記アンプが音声信号を正常に増幅し得る下限値よりも大きい上限値未満の状態において、前記セレクタによって前記第2給電路を選択して前記電池から前記電圧変換部を迂回して前記アンプに給電する制御を行い、
    電池電圧が上限値以上の状態において、前記セレクタによって前記第1給電路を選択し、前記電圧変換部によって電池電圧を下限値に降圧して前記アンプに給電する制御を行う制御部と
    を含むことを特徴とする携帯情報端末。
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