JP2012121209A - 耐酸性難燃ポリマー部材 - Google Patents

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国夫 長崎
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Abstract

【課題】耐酸性、フレキシブル性、かつ、高度の難燃性を有する難燃部材を提供する。
【解決手段】本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、ポリマー層B、難燃層A、耐酸性層Lをこの順に含む耐酸性難燃ポリマー部材であって、該難燃層Aは、ポリマー中に層状無機系化合物fを含有する層である。好ましい実施形態においては、上記耐酸性層Lが、耐酸性樹脂を含み、上記耐酸性樹脂が、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種であり、上記耐酸性層Lの厚みが0.1〜100μmである。
【選択図】図1

Description

本発明は、耐酸性難燃ポリマー部材に関する。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、耐酸性、フレキシブル性に優れており、各種の被着体に柔軟に貼り合わされることにより、各種被着体を難燃化することができるとともに、各種被着体に耐酸性を付与できる。
燃焼性の基準は、燃え難いものから順に、不燃性、極難燃性、難燃性、緩焼性、可燃性の5段階に区分されている。ビルや住宅の内装材や、外装材、化粧板といった建材や、鉄道車両や船舶、航空機といった輸送機内での内装材、ガラス部分に貼着される印刷物においては、その用途ごとに使用できる難燃性が規定されている。
通常の店舗内などの壁面や、鉄道車両内の壁面や鉄道車両内外のガラス部分に貼着される印刷物は、紙やフィルムなどの基材シートの一方の面に表示すべき図柄を印刷し、他方の面に粘着剤層が設けられ、この粘着剤層を介して貼着される。しかし、このような印刷物は可燃性であり、燃焼を放置すればほとんど焼失してしまう。
このため、上記基材シートに難燃性を付与するには、上記基材シートとして難燃性の樹脂シートを用いることが考えられる。従来、このような難燃性の樹脂シートとしては、フッ素系樹脂や塩化ビニル樹脂などのハロゲン系樹脂が用いられている(特許文献1)。しかし、ハロゲン含有物質は、焼却した場合に有害性ガスを発生するという問題や、ダイオキシンを発生させるといった問題から、ハロゲン系の樹脂シートの使用が規制されるようになってきている。そのため、近年は、樹脂シートの樹脂材料に難燃性を付与する為に、リン酸エステルや金属水和物といったノンハロゲン系の難燃剤を樹脂に添加する方法が広く知られている(特許文献2)。しかし、この場合は、難燃剤を大量に添加しなければならず、その結果、樹脂シートの透明性が低下するという問題や、樹脂シートの外観欠点などの問題を引き起こしている。
また、図柄を印刷した印刷物の上から、上記の難燃性の樹脂シートを、粘着剤層を介してラミネートすることも考えられる。しかし、この場合、上記と同様に難燃性は得られるものの、粘着剤層を介して樹脂シートを印刷物にラミネートするため、印刷物上の図柄の鮮明度が落ちてしまうという問題がある。
また、難燃性の樹脂シートは、その材料が樹脂であることから、ある程度の難燃性は示すものの、炎を遮断できるほどの難燃性を有するものではなく、炎に直接接触した場合の難燃性は十分ではない。
また、従来の難燃性の樹脂シートは、酸性環境下に曝された場合に、表面が腐食してシワやフクレ等が生じてしまうという問題がある。
特開2005−015620号公報 特開2001−040172号公報
本発明は、耐酸性、フレキシブル性、かつ、高度の難燃性を有する難燃部材を提供することを目的とする。
本発明者は、上記の問題を解決するために鋭意検討した結果、下記の難燃ポリマー部材によって、前記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに到った。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、
ポリマー層(B)、難燃層(A)、耐酸性層(L)をこの順に含む耐酸性難燃ポリマー部材であって、
該難燃層(A)は、ポリマー中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。
好ましい実施形態においては、上記耐酸性層(L)が、耐酸性樹脂を含む。
好ましい実施形態においては、上記耐酸性樹脂が、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種である。
好ましい実施形態においては、上記耐酸性層(L)の厚みが0.1〜100μmである。
好ましい実施形態においては、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、
上記難燃ポリマー部材を、上記耐酸性層(L)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、
該耐酸性層(L)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、
該火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該耐酸性層(L)の下面に30秒間接炎させる(但し、該難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにする)水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有する。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)、ポリマー中に層状無機系化合物(f)を含有する層である難燃層(A)、耐酸性層(L)を有する。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、耐酸性層(L)を有しているので、優れた耐酸性を有効に発現できる。
難燃層(A)は、ポリマー中に層状無機系化合物(f)を含有する層であることで高度の難燃性を発揮する。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、ポリマーを有しているにも拘らず、直接に炎に接した場合にも、ある程度の時間は、燃焼することがなく、炎を遮炎することができる。
難燃層(A)は、ポリマーを有しているので、フレキシブル性を良好に維持することができ、適用の範囲が広く各種の用途に応用できる。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材においては、ハロゲン系樹脂を含有させる必要がない。
また、難燃層(A)においては、ポリマー中の層状無機系化合物(f)の割合を比較的に少なく制御することができるので、透明性の点で優れている。特に、難燃層(A)における灰分の含有割合が、70重量%未満という少ない含有割合の場合にも、難燃性を発揮することができる。このように、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、耐酸性、フレキシブル性、透明性を満足しながら、効果的に難燃性を発揮することができる。
また、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材が、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行う工程と、耐酸性層(L)を作製する工程とを含む製造方法により得られる場合や、重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行う工程と、耐酸性層(L)を作製する工程とを含む製造方法により得られる場合には、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、特に、難燃性に優れている。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、その製造にあたり、重合性組成物(α)に含まれる揮発性成分(例えば、有機溶剤や有機化合物など)の蒸発除去を必要としないため、環境への負荷を低減でき、環境面で有利である。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の概略断面図の一例である。 本発明の耐酸性難燃ポリマー部材に係る難燃性を評価するための水平燃焼試験の方法の概略図である。 本発明の耐酸性難燃ポリマー部材およびその製造方法の概略断面図の一例である。 本発明の耐酸性難燃ポリマー部材およびその製造方法の概略断面図の一例である。
≪1.耐酸性難燃ポリマー部材≫
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、ポリマー層(B)、難燃層(A)、耐酸性層(L)をこの順に含む。難燃層(A)は、ポリマー中に層状無機系化合物(f)を含有する層である。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の概略図を図1に示す。なお、図1では、ポリマー層(B)の一方の面に難燃層(A)を有するが、難燃層(A)はポリマー層(B)の両面に設けることができる。難燃層(A)がポリマー層(B)の両面に設けられる場合は、耐酸性層(L)は、2つのポリマー層(B)の少なくとも一方の面に設けられる。
<1−1.ポリマー層(B)>
ポリマー層(B)は、各種ポリマーを、好ましくは80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上、特に好ましくは98重量%以上、最も好ましくは実質的に100重量%含む。
ポリマー層(B)中のポリマーとしては、例えば、アクリル系樹脂;ウレタン系樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等の、α−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);エポキシ樹脂;オキセタン系樹脂;ビニルエーテル系樹脂;天然ゴム;合成ゴム;などが挙げられる。ポリマー層(B)中のポリマーとしては、好ましくは、アクリル系樹脂である。
ポリマー層(B)中のポリマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマーとしては、任意の適切な重合性モノマーを採用し得る。
ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマーとしては、例えば、単官能性モノマー、多官能性モノマー、極性基含有モノマー、その他の共重合性モノマーなどが挙げられる。ポリマー層(B)中のポリマーを得るために用い得る重合性モノマー中の、単官能性モノマー、多官能性モノマー、極性基含有モノマー、その他の共重合性モノマーなどの各モノマー成分の含有割合としては、得られるポリマーの目標物性に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。
単官能性モノマーとは、重合性基を1つのみ有する重合性モノマーであれば、任意の適切な単官能性モノマーを採用し得る。単官能性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
単官能性モノマーとしては、好ましくは、アクリル系モノマーである。アクリル系モノマーとしては、好ましくは、アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルが挙げられる。アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。なお、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び/又は「メタクリル」を表す。
アルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。なお、ここでいう(メタ)アクリル酸アルキルエステルとは、単官能(メタ)アクリル酸アルキルエステルを意味する。
直鎖または分岐鎖状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸s−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸イソペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸イソオクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸イソノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸イソデシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸ペンタデシル、(メタ)アクリル酸ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸ヘプタデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸ノナデシル、(メタ)アクリル酸エイコシルなどの、アルキル基の炭素数が1〜20の(メタ)アクリル酸アルキルエステルなどが挙げられる。これらの中でも、好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜14の(メタ)アクリル酸アルキルエステルであり、より好ましくは、アルキル基の炭素数が2〜10の(メタ)アクリル酸アルキルエステルである。
環状のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、例えば、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
多官能性モノマーとしては、任意の適切な多官能性モノマーを採用し得る。多官能性モノマーを採用することにより、ポリマー層(B)中のポリマーに架橋構造を付与することができる。多官能性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
多官能性モノマーとしては、例えば、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、アリル(メタ)アクリレート、ビニル(メタ)アクリレート、ジビニルベンゼン、エポキシアクリレート、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレートなどが挙げられる。これらの中でも、反応性が高く、優れた耐シガレット性を発現し得る点で、好ましくはアクリレート系の多官能性モノマーであり、より好ましくは、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレートである。
極性基含有モノマーとしては、任意の適切な極性基含有モノマーを採用し得る。極性基含有モノマーを採用することにより、ポリマー層(B)中のポリマーの凝集力を向上させることが可能となったり、ポリマー層(B)の接着力を向上させることが可能となったりする。極性基含有モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
極性基含有モノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸、イソクロトン酸などのカルボキシル基含有モノマーまたはその無水物(無水マレイン酸など);(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル等の(メタ)アクリル酸ヒドロキシアルキル、ビニルアルコール、アリルアルコールなどの水酸基含有モノマー;(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミド基含有モノマー;(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチルなどのアミノ基含有モノマー;(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸メチルグリシジルなどのグリシジル基含有モノマー;アクリロニトリルやメタクリロニトリルなどのシアノ基含有モノマー;N−ビニル−2−ピロリドン、(メタ)アクリロイルモルホリンの他、N−ビニルピリジン、N−ビニルピペリドン、N−ビニルピリミジン、N−ビニルピペラジン、N−ビニルピロール、N−ビニルイミダゾール、N−ビニルオキサゾール等の複素環含有ビニル系モノマー;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルフォスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;などが挙げられる。極性基含有モノマーとしては、好ましくは、カルボキシル基含有モノマーまたはその無水物であり、より好ましくは、アクリル酸である。
その他の共重合性モノマーとしては、任意の適切なその他の共重合性モノマーを採用し得る。その他の共重合性モノマーを採用することにより、ポリマー層(B)中のポリマーの凝集力を向上させることが可能となったり、ポリマー層(B)の接着力を向上させることが可能となったりする。その他の共重合性モノマーは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
その他の共重合性モノマーとしては、例えば、フェニル(メタ)アクリレート等の芳香族炭化水素基を有する(メタ)アクリル酸エステルなどの(メタ)アクリル酸アルキルエステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどのビニルエステル類;スチレン、ビニルトルエンなどの芳香族ビニル化合物;エチレン、ブタジエン、イソプレン、イソブチレンなどのオレフィン又はジエン類;ビニルアルキルエーテルなどのビニルエーテル類;塩化ビニル;(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチルなどの(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル系モノマー;ビニルスルホン酸ナトリウムなどのスルホン酸基含有モノマー;2−ヒドロキシエチルアクリロイルホスフェートなどのリン酸基含有モノマー;シクロヘキシルマレイミド、イソプロピルマレイミドなどのイミド基含有モノマー;2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネートなどのイソシアネート基含有モノマー;フッ素原子含有(メタ)アクリレート;ケイ素原子含有(メタ)アクリレート;などが挙げられる。
ポリマー層(B)は難燃剤を含んでいても良い。難燃剤としては、任意の適切な難燃剤を採用し得る。このような難燃剤としては、例えば、リン系難燃剤などの有機系難燃剤;水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、層状ケイ酸塩などの無機系難燃剤;などが挙げられる。
ポリマー層(B)は、難燃層(A)と同様に、層状無機系化合物(f)を難燃剤として含んでいても良い。この場合、ポリマー層(B)中の層状無機系化合物(f)の充填率は、好ましくは、難燃層(A)中の層状無機系化合物(f)の充填率よりも低くなるように設定され、難燃層(A)とポリマー層(B)は難燃性の程度において差別化される。
ポリマー層(B)の厚みとしては、任意の適切な厚みを採用し得る。ポリマー層(B)の厚みとしては、例えば、好ましくは1〜3000μmであり、より好ましくは2〜2000μmであり、さらに好ましくは5〜1000μmである。また、ポリマー層(B)は、単層であっても良いし、多層からなる積層であっても良い。
ポリマー層(B)には、これを形成する材料であるポリマーの選択により粘着性を付与することができる。例えば、アクリル系樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン系樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂は、それぞれ、アクリル系感圧性接着剤(アクリル系粘着剤)のベースポリマー、エポキシ系感圧性接着剤(エポキシ系粘着剤)のベースポリマー、オキセタン系感圧性接着剤(オキセタン系粘着剤)のベースポリマー、ビニルエーテル系感圧性接着剤(ビニルエーテル系粘着剤)のベースポリマー、ウレタン系感圧性接着剤(ウレタン系粘着剤)のベースポリマー、ポリエステル系感圧性接着剤(ポリエステル系粘着剤)のベースポリマー等として機能する。
<1−2.難燃層(A)>
難燃層(A)に含まれるポリマーとしては、上記ポリマー層(B)に含まれ得るポリマーと同様のものを例示することができる。
<1−3.層状無機系化合物(f)>
難燃層(A)中に含有される層状無機系化合物(f)としては、例えば、層状無機物およびその有機処理物が挙げられる。層状無機系化合物(f)は、固体であってもよいし、流動性を有していてもよい。層状無機系化合物は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
層状無機物を形成できる無機物としては、例えば、ケイ酸塩、粘土鉱物などが挙げられる。中でも、層状無機物としては、層状粘土鉱物が好ましい。
層状粘土鉱物としては、例えば、モンモリロナイト、バイデライト、ヘクトライト、サポナイト、ノントロナイト、スチーブンサイト等のスメクタイト;バーミキュライト;ベントナイト;カネマイト、ケニアナイト、マカナイト等の層状ケイ酸ナトリウム;などが挙げられる。このような層状粘土鉱物は、天然の鉱物として産するものであっても良いし、化学合成法によって製造されたものであっても良い。
層状無機物の有機処理物は、層状無機物を有機化合物により処理したものである。有機化合物としては、例えば、有機カチオン性化合物などが挙げられる。有機カチオン性化合物としては、例えば、4級アンモニウム塩や4級ホスニウム塩などのカチオン基を有するカチオン性界面活性剤などが挙げられる。カチオン性界面活性剤は、プロピレンオキサイド骨格、エチレンオキサイド骨格、アルキル骨格などに、4級アンモニウム塩や4級ホスニウム塩等のカチオン性基を有する。このようなカチオン性基は、好ましくは、ハロゲン化物イオン(例えば、塩化物イオンなど)などにより4級塩を形成している。
4級アンモニウム塩を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、ラウリルトリメチルアンモニウム塩、ステアリルトリメチルアンモニウム塩、トリオクチルアンモニウム塩、ジステアリルジメチルアンモニウム塩、ジステアリルジベンジルアンモニウム塩などや、メチルジエチルプロピレンオキサイド骨格を有するアンモニウム塩などが挙げられる。
4級ホスホニウム塩を有するカチオン性界面活性剤としては、例えば、ドデシルトリフェニルホスホニウム塩、メチルトリフェニルホスホニウム塩、ラウリルトリメチルホスホニウム塩、ステアリルトリメチルホスホニウム塩、ジステアリルシジメチルホスホニウム塩、ジステアリルベンジルホスホニウム塩などが挙げられる。
層状粘土鉱物等の層状無機物は、有機カチオン性化合物により処理されて、層間の陽イオンが4級塩等のカチオン性基とイオン交換され得る。粘土鉱物の陽イオンとしては、例えば、ナトリウムイオンやカルシウムイオンなどの金属カチオンなどである。有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物は、上記ポリマーや上記重合性モノマーに膨潤、分散しやすくなる。有機カチオン性化合物により処理された層状粘土鉱物としては、例えば、ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル社製)などが挙げられる。ルーセンタイトシリーズ(コープケミカル社製)としては、より具体的には、ルーセンタイトSPN、ルーセンタイトSAN、ルーセンタイトSEN、ルーセンタイトSTNなどが挙げられる。
層状無機物の有機処理物としては、例えば、層状無機物の表面に、各種有機化合物による表面処理(例えば、シリコーン系化合物やフッ素系化合物等による低表面張力化処理など)が施されたものなどが挙げられる。
層状無機物の有機処理物において、層状無機物に対する有機化合物の割合は、層状無機物のカチオン交換容量(「CEC」)による。CECは、層状無機系化合物(f)のイオン交換容量、または、層状無機物表面上に吸着され得る正電荷の全量に関連し、それは、コロイド粒子単位質量あたりの正電荷、すなわちSI単位で「単位質量当たりのクーロン」によって表現される。CECは、グラム当たりのミリ当量(meq/g)、または、100グラム当たりのミリ当量(meq/100g)で表現してもよい。1meq/gのCECは、SI単位で96.5C/gに相当する。代表的な粘土鉱物に関する幾つかのCEC値は次の通りである。モンモリロナイトは70〜150meq/100gの範囲であり、ハロサイトは40〜50meq/100gの範囲であり、カオリンは1〜10meq/100gの範囲である。
層状無機物の有機処理物において、層状無機物に対する有機化合物の割合は、層状無機物100重量部に対して、有機化合物が、好ましくは1000重量部以下であり、より好ましくは3〜700重量部であり、さらに好ましくは5〜500重量部である。
層状無機系化合物(f)の粒子径(平均粒子径)としては、良好な難燃特性を得る観点から、難燃層(A)における層状無機系化合物(f)が分布する部分では、なるべく緻密に詰まっている方が好ましく、例えば、層状無機系化合物(f)を希薄溶液中に分散させたときの一次粒子径の平均値としては、レーザー散乱法や動的光散乱法におけるメジアン径で、好ましくは5nm〜10μmであり、より好ましくは6nm〜5μmであり、さらに好ましくは7nm〜1μmである。なお、粒子は、粒子径の異なる粒子を2種以上組み合わせて用いてもよい。
粒子の形状は、真球状や楕円球状などの球状、不定形状、針状、棒状、平板状、薄片状、中空管状などのいずれの形状であってもよい。粒子の形状は、好ましくは平板状、薄片状である。また、粒子は、その表面に、孔や突起などを有していてもよい。
層状粘土鉱物の粒子径は大きくなるにつれて透明性に問題を生じるおそれがあることから、最大一次粒径の平均値は、好ましくは5μm以下であり、より好ましくは5nm〜5μmである。
なお、上記ルーセンタイトSPN(コープケミカル社製)は、4級アンモニウム塩を有する有機化合物で層状粘土鉱物が有機化処理されたものであり、有機化合物の割合が62重量%である。粒子径は、25%平均一次粒径19nm、50%平均一次粒径30nm、99%一次粒径100nmで、厚みは1nmであり、アスペクト比は約30である。
層状無機系化合物(f)として粒子を用いた場合は、該層状無機系化合物(f)は、難燃層(A)の表面において、例えば、該粒子による表面凹凸の形成に寄与できることがある。
また、層状無機系化合物(f)として層状粘土鉱物の有機カチオン性化合物による処理物を用いた場合、難燃層(A)の表面抵抗値を好ましくは1×1014(Ω/□)以下にすることができ、難燃層(A)に帯電防止性を付与することができる。帯電防止性は、層状無機系化合物(f)の種類、形状、大きさ、含有量等、難燃層(A)のポリマー成分の組成等を制御することにより、所望の帯電防止性に制御することができる。
難燃層(A)では層状無機系化合物(f)とポリマーとが混在しているため、ポリマーに基づく特性を発揮することができるとともに、層状無機系化合物(f)が有する特性を発揮することができる。
難燃層(A)における灰分の含有割合(難燃層(A)の形成材料の全量に対する層状無機系化合物(f)の含有割合:ただし、層状無機系化合物(f)が層状無機物の有機処理物の場合には、有機処理されていない層状無機物の含有割合)は、層状無機系化合物(f)の種類に応じて適宜に設定することができる。上記含有割合は、好ましくは3重量%以上70重量%未満である。上記含有割合が70重量%以上であると、層状無機系化合物(f)が良好に分散しない場合があり、ダマが発生しやすくなり、層状無機系化合物(f)が均一に分散した難燃層(A)を作製することが困難となる場合がある。上記含有割合が70重量%以上であると、難燃ポリマー部材の透明性、フレキシブル性が低下するおそれがある。一方、上記含有割合が3重量%未満であると、難燃層(A)が難燃性を有さない場合がある。難燃層(A)中の層状無機系化合物(f)の含有割合は、好ましくは3〜60重量%であり、さらに好ましくは5〜50重量%である。
<1−4.添加剤>
難燃層(A)には、任意の適切な添加剤が含まれていても良い。このような添加剤としては、例えば、界面活性剤(例えば、イオン性界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤など)、架橋剤(例えば、ポリイソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、エポキシ系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤など)、可塑剤、充填剤、老化防止剤、酸化防止剤、着色剤(顔料や染料など)、溶剤(有機溶剤)などが挙げられる。
難燃層(A)には、意匠性、光学特性等の観点から、任意の適切な顔料(着色顔料)が含まれていても良い。黒色が望まれる場合には、着色顔料として、カーボンブラックを用いることが好ましい。顔料(着色顔料)の使用量としては、着色度合い等を阻害しない観点から、例えば、難燃層(A)中のポリマー100重量部に対して、好ましくは0.15重量部以下であり、より好ましくは0.001〜0.15重量部であり、さらに好ましくは0.02〜0.1重量部である。
難燃層(A)の厚みは、好ましくは3〜1000μmであり、より好ましくは4〜500μmであり、さらに好ましくは5〜200μmである。難燃層(A)の厚みが上記範囲を外れると、難燃性に問題を生じるおそれがある。
<1−5.耐酸性層(L)>
耐酸性層(L)としては、耐酸効果が得られる限り、任意の適切な層を採用し得る。
耐酸性層(L)は、好ましくは、耐酸性樹脂を含む。耐酸性層(L)中の耐酸性樹脂の含有割合は、好ましくは50〜100重量%であり、より好ましくは70〜100重量%であり、さらに好ましくは90〜100重量%であり、特に好ましくは95〜100重量%であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。
上記耐酸性樹脂としては、任意の適切な耐酸性樹脂を採用し得る。このような耐酸性樹脂としては、例えば、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。フェノール系樹脂としては、具体的には、例えば、ノボラック型フェノール樹脂、レゾール型フェノール樹脂などが挙げられる。シリコーン系樹脂としては、具体的には、例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロポリシロキサン、シリコーンオイルまたはシリコーンワニス、特開平09−111185号公報に示されるシリコーン変性アクリル共重合体などが挙げられる。フッ素系樹脂としては、具体的には、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体などが挙げられる。
耐酸性層(L)中の耐酸性樹脂は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
耐酸性層(L)は、目的に応じて任意の適切な添加剤をさらに含有し得る。
上記添加剤としては、例えば、光重合開始剤、シランカップリング剤、離型剤、硬化剤、硬化促進剤、希釈剤、老化防止剤、変成剤、界面活性剤、染料、顔料、変色防止剤、紫外線吸収剤、柔軟剤、安定剤、可塑剤、消泡剤等が挙げられる。耐酸性層(L)に含有され得る添加剤の種類、数、および量は、目的に応じて適切に設定され得る。
耐酸性層(L)は1層のみからなっていても良いし、2層以上からなっていても良い。
耐酸性層(L)の厚みは、好ましくは0.1〜100μmであり、より好ましくは1〜100μmである。耐酸性層(L)の厚みが上記範囲内にあれば、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の難燃性を損なうことなく、非常に優れた耐酸性を発現することができる。
<1−6.耐酸性難燃ポリマー部材>
耐酸性難燃ポリマー部材の全体の厚さは、薄すぎると、十分な難燃性を示さない場合があり、厚すぎると、シート形状として巻取りにくく、取り扱い性が悪い場合がある点から、好ましくは10〜5000μmであり、より好ましくは20〜4000μmであり、さらに好ましくは30〜3000μmである。なお、耐酸性難燃ポリマー部材の全体の厚さは、難燃層(A)の厚みと、ポリマー層(B)の厚みと、耐酸性層(L)の厚みとの合計を意味する。
また、難燃層(A)の厚みは、耐酸性難燃ポリマー部材の全体の厚さ(難燃層(A)の厚みとポリマー層(B)の厚みと耐酸性層(L)の厚みとの合計)に対して、好ましくは50%以下の割合であり、より好ましくは50〜0.1%の割合であり、さらに好ましくは40〜1%の割合である。難燃層(A)の厚みの割合が上記範囲を外れると、難燃性に問題を生じるおそれや、難燃層(A)の強度に問題を生じるおそれがある。
<1−7.難燃性>
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、好ましくは、下記の難燃性を満足するものである。すなわち、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、耐酸性層(L)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、該耐酸性層(L)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、前記火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該耐酸性層(L)の下面に30秒間接炎させる水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有するものである。上記水平燃焼試験は、耐酸性難燃ポリマー部材の耐酸性層(L)側からの炎の遮断性を示す。従って、上記水平燃焼試験では、耐酸性難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにして、ブンゼンバーナーの炎を耐酸性層(L)側から接炎させる。通常は、耐酸性難燃ポリマー部材の全ての端部から少なくとも50mm以上は離れた箇所に、ブンゼンバーナーの炎が接炎するように、ブンゼンバーナーが設置して行われる。水平燃焼試験に供される、耐酸性難燃ポリマー部材の大きさとしては、任意の適切な大きさを採用し得る。耐酸性難燃ポリマー部材の大きさとしては、例えば、縦:5〜20cm、横:10〜20cm、の矩形を用いることができる。図2、実施例では、5cm×12cmの矩形のものが用いられている。
水平燃焼試験は、具体的には図2に示されるように、矩形の耐酸性難燃ポリマー部材Sは、耐酸性層(L)側を下面にして、矩形の両サイドを、それぞれ、2枚の上側と下側の支持板1により水平に固定される。支持板1は、耐酸性難燃ポリマー部材Sの下面が空気に接触して、かつブンゼンバーナー3を設置できるように、下側の支持板1の長手方向の両側には、支柱2が設けられている。図2では、5cm×12cmの矩形の耐酸性難燃ポリマー部材Sが用いられており、12cmの辺が支持板1(幅10cm)により固定されている。ブンゼンバーナー3は、その火炎口4と、耐酸性難燃ポリマー部材Sの下面が45mmになるように設置される。また、ブンゼンバーナー3は、その火炎口4が、耐酸性難燃ポリマー部材Sの中心の下に位置する。ブンゼンバーナー3の炎の高さは、火炎口からの高さが55mmに調整される。なお、ブンゼンバーナー3は難燃ポリマー部材Sの下に位置されるが、図2では、便宜上、ブンゼンバーナー3は支持板1の外側に記載している。
難燃性は、ブンゼンバーナーの炎を30秒間、1cm(ブンゼンバーナー3の火炎口4からの炎の高さ:55mmと、耐酸性層(L)側の下面とブンゼンバーナー3の火炎口4の距離:45mmとの差)を接炎させた際の、耐酸性難燃ポリマー部材の遮炎性と難燃ポリマー部材の形状維持性を評価することができる。ブンゼンバーナーのガスは、プロパンガスを用い、大気中で行われる。
耐酸性難燃ポリマー部材の遮炎性の評価は、実施例に示されるように、耐酸性難燃ポリマー部材Sの上方3mmの位置(両サイドの上側の支持体1の上側)にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を設置し、上記水平燃焼試験において、コピー用紙の燃焼の有無を観察することにより行うことができる。
<1−8.耐酸性>
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、優れた耐酸性を有する。耐酸性の評価は、例えば、実施例に示されるように、酸性水溶液を難燃ポリマー部材の難燃層(A)側の表面に接触させた後の、該表面の変化を観察して行うことができる。
<1−9.透明性>
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、好ましくは、実質的に透明であり、全光線透過率が、好ましくは60%以上であり、より好ましくは70%以上であり、さらに好ましくは80%以上であり、特に好ましくは90%以上である。また、ヘイズは、好ましくは20%以下であり、より好ましくは10%以下であり、さらに好ましくは5%以下である。
<1−10.フレキシブル性>
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、プラスチック特有のフレキシブル性を有している。例えば、5cm×10cmの耐酸性難燃ポリマー部材の5cm辺の両端を曲げて、山折、谷折で繰り返し50回くっ付けても傷やクラックを生じない場合には、良好なフレキシブル性を有すると判断できる。また、5cm×10cmの耐酸性難燃ポリマー部材を直径1cmの棒に巻きつけ、その後、耐酸性難燃ポリマー部材を剥がしても、5cm×10cmの耐酸性難燃ポリマー部材に傷やクラックが生じない場合には、良好なフレキシブル性を有すると判断できる。
≪2.耐酸性難燃ポリマー部材の製造≫
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法としては、例えば、ポリマー層(B)、難燃層(A)、耐酸性層(L)をこの順に含む構成が得られるものであれば、任意の適切な製造方法を採用し得る。
<2−1.耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法(1)>
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法としては、難燃性が良好であることから、製造方法(1)が好ましく採用される。製造方法(1)においては、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行う工程と、耐酸性層(L)を作製する工程とを含む製造方法により、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を製造する。
製造方法(1)によれば、重合性モノマー(m)および該重合性モノマーを重合して得られるポリマーに対して非相溶な層状無機系化合物(f)を含有する重合性組成物(α)により形成された重合性組成物層(a)を、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)の少なくとも一方の面に積層した後に、重合性モノマーを重合することにより、難燃層(A)およびポリマー層(B)を得ることができる。
製造方法(1)では、上記積層により、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)の一部がモノマー吸収層(b)に吸収されるとともに、重合性組成物層(a)内で層状無機系化合物(f)が移動し、層状無機系化合物(f)がモノマー吸収層(b)とは反対側に偏って分布している偏在重合性組成物層(a1)が得られる。そして、偏在重合性組成物層(a1)中の重合性モノマー(m)およびモノマー吸収層(b)中の重合性モノマー(m)を重合して硬化することにより、難燃層(A)およびポリマー層(B)が得られる。偏在重合性組成物層(a1)を硬化して得られる偏在ポリマー層(a2)中において、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)が、難燃層(A)に該当する。偏在ポリマー層(a2)中における層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)、および、モノマー吸収層(b)が重合性モノマー(m)を吸収して得られるモノマー吸収層(b1)が重合して形成された硬化したモノマー吸収層(b2)が、ポリマー層(B)に該当する。つまり、非偏在部(a22)と硬化したモノマー吸収層(b2)を合わせた部分がポリマー層(B)に該当する。
以下に、耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法(1)における、「重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層し、重合を行う工程」について、図3を参照しながら、説明する。
まず、積層工程(1)で、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)を積層して積層体(X)を得る。重合性組成物層(a)は、層状無機系化合物(f)および重合性モノマー(m)(図示せず)を含有する。重合性組成物層(a)はモノマー吸収層(b)の少なくとも一方の面に積層できるが、図3では、モノマー吸収層(b)の片面にのみ積層する場合が記載されている。図3においては、重合性組成物層(a)の、モノマー吸収層(b)に積層しない側に、カバーフィルム(C)が設けられている。また、図3においては、モノマー吸収層(b)が基材フィルム(D)上に設けられ、基材付きモノマー吸収性シート(E)として用いられている。
積層工程(1)によって得られる積層体(X)では、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)の一部がモノマー吸収層(b)に吸収される(図示せず)。一方、重合性組成物層(a)内では層状無機系化合物(f)が移動して、層状無機系化合物(f)がモノマー吸収層(b)とは反対側に偏って分布して、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)とを有する偏在重合性組成物層(a1)が得られる。すなわち、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)を積層することによって、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)がモノマー吸収層(b)に吸収され、層状無機系化合物(f)がモノマー吸収層(b)とは反対側に偏在することで、偏在重合性組成物層(a1)が得られる。
偏在重合性組成物層(a1)における層状無機系化合物(f)の偏在の現象は、モノマー吸収層(b)の膨潤によるものと推察される。すなわち、モノマー吸収層(b)が重合性モノマー(m)を吸収して膨張し、一方、層状無機系化合物(f)はモノマー吸収層(b)には吸収されないため、層状無機系化合物(f)が、重合性組成物層(a)中に残存するような形で偏在していくものと考えられる。したがって、重合性モノマー(m)を吸収しない基材をモノマー吸収層(b)として用いた場合は、重合性モノマー(m)に対して該基材が膨潤しないため、該基材に重合性組成物層(a)を積層したとしても、層状無機系化合物(f)は偏在を起こさず、偏在重合性組成物層(a1)は得られない。
耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法(1)では、上記積層体(X)に加熱工程を施すことができる。加熱工程により、層状無機系化合物(f)が高密度に偏在化した偏在部(a11)を含む偏在重合性組成物層(a1)が得られる。加熱工程においては、積層体(X)に対する加熱温度制御および加熱時間制御がなされる。かかる加熱工程を行うことにより、積層工程(1)を単に行なった場合に比べて、積層体(X)は、モノマー吸収層(b)が、重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)をより多く吸収することができ、層状無機系化合物(f)の高密度な偏在化が顕著になる。このように、加熱工程により、層状無機系化合物(f)が高密度に偏在化した偏在部(a11)が得られるため、偏在重合性組成物層(a1)、さらには偏在ポリマー層(a2)が薄層である場合にも、効率よく、層状無機系化合物(f)を偏在化でき、薄層化した偏在ポリマー層(a2)を有する積層体(Y)を得ることができる。
重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)は、その一部がモノマー吸収層(b)に吸収された後に、重合工程(2)が施されるため、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との積層構造において、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との密着性が優れている。
積層体(X)におけるモノマー吸収層(b1)は、モノマー吸収層(b)が重合性モノマー(m)を吸収したことによって膨潤した状態にあるため、偏在重合性組成物層(a1)中の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a12)とモノマー吸収層(b1)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図3ではab1として示している)、図3では、便宜上、該界面を破線で示している。
次いで、積層体(X)に、重合工程(2)を施すことにより、偏在重合性組成物層(a1)中の重合性モノマー(m)を重合して、偏在ポリマー層(a2)を含む積層体(Y)を得る。偏在ポリマー層(a2)は、偏在重合性組成物層(a1)における偏在構造が維持されたまま硬化したものである。偏在ポリマー層(a2)は、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)を有する。
重合工程(2)によって、モノマー吸収層(b1)は、硬化したモノマー吸収層(b2)になる。なお、積層体(Y)においては、偏在ポリマー層(a2)中の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)と硬化したモノマー吸収層(b2)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図3ではab2として示している)、図3では、便宜上、該界面を破線で示している。
製造方法(1)は、耐酸性層(L)を作製する工程を含む。耐酸性層(L)を作製する工程(耐酸性層(L)作製工程(3))は、製造方法(1)において任意の適切なタイミングで行うことができる。
〔2−1−1.積層工程(1)〕
積層工程(1)では、重合性組成物層(a)を、モノマー吸収層(b)の少なくとも一方の面に積層して、「重合性組成物層(a)/モノマー吸収層(b)」の構造を有する積層体を作製する。重合性組成物層(a)は、重合性組成物(α)により形成される層である。
(2−1−1−1.重合性組成物(α))
重合性組成物(α)は、重合性モノマー(m)、層状無機系化合物(f)を少なくとも含んでいる。
重合性組成物(α)は、取り扱い性、塗工性等の点から、重合性モノマー(m)の一部分が重合した部分重合組成物であっても良い。
重合性モノマー(m)の具体的な説明としては、<1−1.ポリマー層(B)>の項における重合性モノマーの説明を援用し得る。
偏在ポリマー層(a2)に粘着性が求められる用途で耐酸性難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合が、好ましくは70重量%以上であり、より好ましくは80重量%以上である。
偏在ポリマー層(a2)に硬い物性が求められる用途(例えば、フィルム用途など)で耐酸性難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、(メタ)アクリル酸アルキルエステルの含有割合が、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは0.01〜95重量%であり、さらに好ましくは1〜70重量%である。
偏在ポリマー層(a2)に粘着性が求められる用途で耐酸性難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、多官能性モノマーの含有割合が、好ましくは2重量%以下であり、より好ましくは0.01〜2重量%であり、さらに好ましくは0.02〜1重量%である。多官能性モノマーの含有割合が、重合性モノマー(m)全量に対して2重量%を超えると、得られる耐酸性難燃ポリマー部材の凝集力が高くなりすぎ、脆くなりすぎる点で不具合を生じるおそれがある。また、多官能性モノマーの含有割合が、重合性モノマー(m)全量に対して0.01重量%未満であると、多官能性モノマーを用いる目的を達成できないおそれがある。
偏在ポリマー層(a2)に硬い物性が求められる用途で耐酸性難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、多官能性モノマーの含有割合は、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは0.01〜95重量%であり、さらに好ましくは1〜70重量%である。多官能性モノマーの含有割合が、重合性モノマー(m)全量に対して95重量%を超えると、重合時の硬化収縮が大きくなり、均一なフィルム状あるいはシート状の耐酸性難燃ポリマー部材を得られなくなるおそれや、得られる耐酸性難燃ポリマー部材が脆くなりすぎるおそれがある。また、多官能性モノマーの含有割合が、重合性モノマー(m)全量に対して0.01重量%未満であると、十分な耐溶媒性や耐熱性を有する耐酸性難燃ポリマー部材が得られなくなるおそれがある。
偏在ポリマー層(a2)に粘着性が求められる用途で耐酸性難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、極性基含有モノマーの含有割合は、好ましくは30重量%以下であり、より好ましくは1〜30重量%であり、さらに好ましくは2〜20重量%である。極性基含有モノマーの含有割合が、重合性モノマー(m)全量に対して30重量%を超えると、得られるポリマーの凝集力が高くなりすぎ、例えば、偏在ポリマー層(a2)が硬くなりすぎ、密着性が低下するおそれがある。また、極性基含有モノマーの含有割合が、重合性モノマー(m)全量に対して1重量%未満であると、得られるポリマーの凝集力が低下し、高いせん断力が得られないおそれがある。
偏在ポリマー層(a2)に硬い物性が求められる用途で耐酸性難燃ポリマー部材を用いる場合、重合性モノマー(m)全量に対して、極性基含有モノマーの含有割合は、好ましくは95重量%以下であり、より好ましくは0.01〜95重量%であり、さらに好ましくは1〜70重量%である。極性基含有モノマーの含有割合が、重合性モノマー(m)全量に対して95重量%を超えると、例えば、耐水性などが不十分となり、使用環境(湿気、水分など)に対する難燃ポリマー部材の品質変化が大きくなるおそれがある。また、極性基含有モノマーの使用割合が、重合性モノマー(m)全量に対して0.01重量%以下であると、硬い物性を得る場合には、ガラス転移温度(Tg)の高い(メタ)アクリル酸エステル(例えばイソボルニルアクリレートなど)や多官能性モノマーなどの添加量が多くなり、得られる耐酸性難燃ポリマー部材が脆くなりすぎるおそれがある。
層状無機系化合物(f)の具体的な説明としては、<1−3.層状無機系化合物(f)>の項における説明を援用し得る。
重合性組成物(α)は、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤の具体的な説明としては、<1−4.添加剤>の項における説明を援用し得る。
重合性組成物(α)は、任意の適切な重合開始剤を含有し得る。重合開始剤としては、例えば、光重合開始剤、熱重合開始剤などが挙げられる。重合開始剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
光重合開始剤としては、任意の適切な光重合開始剤を採用し得る。光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインエーテル系光重合開始剤、アセトフェノン系光重合開始剤、α−ケトール系光重合開始剤、芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤、光活性オキシム系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンジル系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、ケタール系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤などが挙げられる。光重合開始剤は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ケタール系光重合開始剤としては、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(例えば、商品名「イルガキュア651」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など)などが挙げられる。アセトフェノン系光重合開始剤としては、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(例えば、商品名「イルガキュア184」(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)など)、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−(t−ブチル)ジクロロアセトフェノンなどが挙げられる。ベンゾインエーテル系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテルなどが挙げられる。アシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤としては、例えば、商品名「ルシリンTPO」(BASF社製)などが挙げられる。α−ケトール系光重合開始剤としては、例えば、2−メチル−2−ヒドロキシプロピオフェノン、1−[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]−2−メチルプロパン−1−オンなどが挙げられる。芳香族スルホニルクロリド系光重合開始剤としては、例えば、2−ナフタレンスルホニルクロライドなどが挙げられる。光活性オキシム系光重合開始剤としては、例えば、1−フェニル−1,1−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)−オキシムなどが挙げられる。ベンゾイン系光重合開始剤には、例えば、ベンゾインなどが含まれる。ベンジル系光重合開始剤としては、例えば、ベンジルなどが挙げられる。ベンゾフェノン系光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、3、3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノン、ポリビニルベンゾフェノン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンなどが挙げられる。チオキサントン系光重合開始剤には、例えば、チオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、ドデシルチオキサントンなどが挙げられる。
光重合開始剤の使用量としては、例えば、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01〜5重量部であり、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。
熱重合開始剤としては、例えば、アゾ系重合開始剤(例えば、2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジメチル、4,4´−アゾビス−4−シアノバレリアン酸、アゾビスイソバレロニトリル、2,2´−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス[2−(5−メチル−2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2´−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二硫酸塩、2,2´−アゾビス(N,N´−ジメチレンイソブチルアミジン)ジヒドロクロライドなど)、過酸化物系重合開始剤(例えば、ジベンゾイルペルオキシド、tert−ブチルペルマレエートなど)、レドックス系重合開始剤(例えば、有機過酸化物/バナジウム化合物;有機過酸化物/ジメチルアニリン;ナフテン酸金属塩/ブチルアルデヒド、アニリンあるいはアセチルブチロラクトン;等の組み合わせなど)などが挙げられる。
熱重合開始剤の使用量としては、例えば、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは5重量部以下であり、より好ましくは0.01〜5重量部であり、さらに好ましくは0.05〜3重量部である。
熱重合開始剤としてレドックス系重合開始剤を用いれば、常温で重合させることが可能である。
あるポリマーに対してある物質が、非相溶性の物質であるか否かの判断は、目視、光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、透過型電子顕微鏡(TEM)、X線回析などにより、一般的な方法(例えば、ある物質を重合性モノマーに溶解させ、重合性モノマーを重合してポリマー化して判断する方法;ポリマーをそのポリマーを溶解する溶媒に溶解し、そこへ物質を添加し、攪拌後溶媒を除去して判断する方法;ポリマーが熱可塑性ポリマーであればポリマーを加熱溶解して、そこへ物質を配合し、冷却後判断する方法;など)において、そのポリマー中の物質またはその集合体がどの程度の大きさで分散しているかにより判断することができる。その判断基準は、物質またはその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似できる場合には5nm以上の直径を有すること、また、棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似できる場合には最も長い辺の長さが10nm以上であることである。
物質をポリマー中に分散した際において、そのポリマー中の物質またはその集合体が、球や立方体、不定形状などの球体状に近似でき、該球体状の物質またはその集合体が5nm以上の直径を有する場合には、そのポリマーに対して非相溶であるとみなすことができる。また、ポリマー中の物質またはその集合体が、棒状や薄層状、直方体状などの柱体状に近似でき、該柱体状の物質又はその集合体の最も長い辺の長さが10nm以上であるには、そのポリマーに対して非相溶であるとみなすことができる。
重合性組成物(α)中に層状無機系化合物(f)を分散させる方法としては、例えば、重合性モノマー(m)、層状無機系化合物(f)、必要に応じてその他の成分(重合開始剤など)を混合して、超音波分散などによって均一分散させる方法などが挙げられる。
重合性組成物(α)中における層状無機系化合物(f)の含有割合は、重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは1〜300重量部であり、より好ましくは3〜200重量部であり、さらに好ましくは5〜100重量部である。層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)100重量部に対して300重量部を超えると、耐酸性難燃ポリマー部材の製造が困難となるおそれや、製造後の耐酸性難燃ポリマー部材で強度低下の問題が生じるおそれがある。層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)100重量部に対して1重量部未満であると、積層工程(1)において積層体を得た後において、偏在重合性組成物層(a1)や偏在ポリマー層(a2)を得難くなるおそれや、偏在ポリマー層(a2)が難燃性を有さないおそれがある。
重合性組成物(α)中における層状無機系化合物(f)の含有割合は、層状無機系化合物(f)の種類等に応じて、任意の適切な含有割合を採用し得る。例えば、層状無機系化合物(f)として粒子を使用する際は、該層状無機系化合物(f)の含有割合は、重合性モノマー(m)100重量部に対して、好ましくは0.001〜70重量部であり、より好ましくは0.01〜60重量部であり、さらに好ましくは0.1〜50重量部である。粒子としての層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)に対して0.001重量部未満の場合、表面凹凸シートの利用面表面に全体的に平均して凹凸構造を付与することが難しくなるおそれがある。粒子としての層状無機系化合物(f)の含有割合が、重合性モノマー(m)に対して70重量部を超える場合、表面凹凸シートの製造中に粒子の脱落が生じるおそれや、表面凹凸シートの強度低下の問題が生じるおそれがある。
重合性組成物(α)は、通常、基材上に塗布するなどしてシート状に成形するので、塗布作業に適した適度な粘度を持たせておくことが好ましい。重合性組成物(α)の粘度は、例えば、アクリルゴム、増粘性添加剤などの各種ポリマーを配合することや、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)を光の照射や加熱などにより一部重合させることにより調製することができる。なお、望ましい粘度は、BH粘度計を用いて、ローター:No.5ローター、回転数10rpm、測定温度30℃の条件で設定された粘度として、好ましくは5〜50Pa・sであり、より好ましくは10〜40Pa・sである。粘度が5Pa・s未満であると、基材上に塗布したときに液が流れてしまうおそれがある。粘度が50Pa・sを超えると、粘度が高すぎて塗布が困難となるおそれがある。
(2−1−1−2.重合性組成物層(a))
重合性組成物層(a)は、重合性組成物(α)により形成される層である。
重合性組成物層(a)は、例えば、重合性組成物(α)をPETフィルム等の基材上に塗布するなどしてシート状に成形することによって得られる。
重合性組成物(α)の塗布に際しては、例えば、任意の適切なコーターを用いることができる。このようなコーターとしては、例えば、コンマロールコーター、ダイロールコーター、グラビアロールコーター、リバースロールコーター、キスロールコーター、ディップロールコーター、バーコーター、ナイフコーター、スプレーコーターなどが挙げられる。
重合性組成物層(a)の厚みとしては、例えば、好ましくは3〜3000μmであり、より好ましくは10〜1000μmであり、さらに好ましくは20〜500μmである。重合性組成物層(a)の厚みが3μm未満であると、均一な塗工ができないおそれや、偏在ポリマー層(a2)が難燃性を有さないおそれがある。一方、重合性組成物層(a)の厚みが3000μmを超えると、耐酸性難燃ポリマー部材にうねりが発生し、平滑な耐酸性難燃ポリマー部材が得られないおそれがある。
(2−1−1−3.モノマー吸収層(b))
モノマー吸収層(b)は、重合性組成物層(a)から重合性モノマー(m)の一部を吸収し得る層である。モノマー吸収層(b)は、重合性モノマー(m)との親和性が高く、重合性モノマー(m)の吸収速度が速いことが好ましい。なお、モノマー吸収層(b)により提供される面をモノマー吸収面という。
モノマー吸収層(b)における重合性モノマー(m)の吸収は、積層工程(1)により、「重合性組成物層(a)/モノマー吸収層(b)」の構造を有する積層体が形成された時点で生じる。モノマー吸収層(b)における重合性モノマー(m)の吸収は、加熱工程を施す場合には、より効果的に生じる。なお、モノマー吸収層(b)における重合性モノマー(m)の吸収は、重合工程(2)より前の段階に限らず、重合工程(2)の段階で生じてもよい。
モノマー吸収層(b)は、該モノマー吸収層(b)のモノマー吸収面が重合性組成物層(a)と接することができるシート状の構造物(以下、「モノマー吸収性シート」という)で有り得る。
モノマー吸収性シートとしては、例えば、モノマー吸収層(b)のみで構成されたモノマー吸収性シート(以下、「基材レスモノマー吸収性シート」という)、基材上にモノマー吸収層(b)を設けたモノマー吸収性シート(以下、「基材付きモノマー吸収性シート」という)などが挙げられる。なお、モノマー吸収性シートが基材レスモノマー吸収性シートの場合、該シートのどちらの面をモノマー吸収面として用いても良い。また、モノマー吸収性シートが基材付きモノマー吸収性シートの場合、モノマー吸収層(b)側の表面がモノマー吸収面となる。
モノマー吸収層(b)は、ポリマー(p)を含有する。モノマー吸収層(b)中のポリマー(p)の含有割合は、好ましくは80重量%以上であり、より好ましくは90重量%以上であり、さらに好ましくは95重量%以上であり、特に好ましくは98重量%以上であり、最も好ましくは実質的に100重量%である。モノマー吸収層(b)中のポリマー(p)は、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
ポリマー(p)を得るために用いられるモノマー成分の具体的な説明としては、<1−1.ポリマー層(B)>の項における重合性モノマーの説明を援用し得る。
ポリマー(p)を得るために用いられるモノマー成分の少なくとも1つは、重合性組成物(α)中の重合性モノマー(m)の少なくとも1つと共通することが好ましい。
ポリマー(p)は、好ましくは、アクリル系モノマーを含むモノマー成分を重合して得られるアクリル系樹脂である。
ポリマー(p)は、ポリマー(p)を得るために用いられるモノマー成分を重合できる方法であれば、任意の適切な重合方法によって得ることができる。好ましい重合方法の具体的な説明としては、後述する〔2−1−3.重合工程(2)〕の項における重合方法の説明を援用し得る。
ポリマー(p)は、重合性組成物(α)から層状無機系化合物(f)を除いた以外は重合性組成物(α)と同様の組成を有する重合性組成物を重合して得られるポリマーであっても良い。
モノマー吸収層(b)は、任意の適切な添加剤を含んでいても良い。このような添加剤の具体的な説明としては、<1−4.添加剤>の項における説明を援用し得る。
モノマー吸収層(b)は、ポリマー層(B)と同様に、難燃剤を含んでいてもよい。
モノマー吸収層(b)が重合性組成物層(a)中の重合性モノマー(m)を吸収することにより、積層体(X)中のモノマー吸収層(b1)の重量が、積層工程(1)に用いるモノマー吸収層(b)の重量の1.1倍以上を示すことが好ましい。モノマー吸収層(b)の重合性モノマー(m)の吸収による上記重量増加倍率が1.1倍以上となることによって、層状無機系化合物(f)を効果的に偏在化させることができる。上記重量増加倍率は、より好ましくは2倍以上であり、さらに好ましくは3倍以上であり、特に好ましくは4倍以上である。上記重量増加倍率は、モノマー吸収層(b)の平滑性維持の点から、好ましくは50倍以下である。
上記重量増加倍率は、モノマー吸収層(b)を重合性モノマー(m)中に浸し、重合性組成物層(a)をモノマー吸収層(b)に積層してから重合工程(2)を施す前までと同じ温度で同じ時間の経過後に、モノマー吸収層(b)の重量を測定し、重合性モノマー(m)の吸収前の重量に対する重合性モノマー(m)の吸収後の重量の割合で算出することができる。
モノマー吸収層(b)の体積は、重合性モノマー(m)の吸収前と吸収後とで比較して、一定であっても良いし、変化していても良い。
モノマー吸収層(b)のゲル分率としては、任意の適切な値を採り得る。モノマー吸収層(b)において、ゲル分率が98重量%程度まで架橋されていても、あるいは、ほとんど架橋していなくても(例えば、ゲル分率が10重量%以下)、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を得ることができる。
モノマー吸収層(b)に高い架橋度(例えば、ゲル分率が90重量%以上)を持たせることにより、得られる耐酸性難燃ポリマー部材において、ポリマー層(B)に十分な耐熱性や耐溶剤性を付与することができる。モノマー吸収層(b)に低い架橋度(例えば、ゲル分率が10重量%以下)を持たせることにより、得られる耐酸性難燃ポリマー部材において、ポリマー層(B)に十分な柔軟性や応力緩和性を付与することができる。
上記ゲル分率は、例えば、測定対象物をテトラフルオロエチレン性のメッシュであるテミッシュ(例えば、日東電工社製)で包み、酢酸エチル中に1週間浸した後に該測定対象物を乾燥させた時の重量変化量から算出することができる。
モノマー吸収層(b)が硬い層であれ、軟らかい層であれ、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を得ることができる。モノマー吸収層(b)として硬い層(例えば、100%モジュラスが100N/cm以上である層)を用いる場合、該モノマー吸収層(b)を支持体(基材)として用いることができる。モノマー吸収層(b)として軟らかい層(例えば、100%モジュラスが30N/cm以下である層)を用いる場合、該モノマー吸収層(b)を粘着剤層として用いることができる。
重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みとしては、任意の適切な厚みを採用し得る。重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みとしては、例えば、好ましくは1〜3000μmであり、より好ましくは2〜2000μmであり、さらに好ましくは5〜1000μmである。重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みが1μm未満であると、多量の重合性モノマー(m)を吸収した場合にモノマー吸収層(b)が変形するおそれや、重合性モノマー(m)の吸収が十分に行われないおそれがある。重合性モノマー(m)を吸収する前のモノマー吸収層(b)の厚みが3000μmを超えると、最終的に得られる耐酸性難燃ポリマー部材をシート形状で巻取りにくくなり、取り扱い性が悪くなるおそれがある。
モノマー吸収層(b)は、単層であっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。
モノマー吸収層(b)は、例えば、後述する基材やカバーフィルムの離型処理された面などの適宜な支持体の所定の面上に、任意の適切なコーター等で、モノマー吸収層(b)を形成する材料である組成物(以下、モノマー吸収層(b)形成組成物という)を塗布することにより製造され得る。支持体上に塗布されたモノマー吸収層(b)形成組成物に対しては、必要に応じて、乾燥および/または硬化(例えば、光による硬化)が行われる。
モノマー吸収層(b)形成組成物は、任意の適切な方法によって、塗布に適した粘度に調整されていてもよい。
モノマー吸収層(b)が基材付きモノマー吸収性シートである場合に用いられる基材(モノマー吸収性シート用基材)としては、例えば、紙などの紙系基材;布、不織布、ネットなどの繊維系基材;金属箔、金属板などの金属系基材;プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材;ゴムシートなどのゴム系基材;発泡シートなどの発泡体;これらの積層体(例えば、プラスチック系基材と他の基材との積層体や、プラスチックフィルム(またはシート)同士の積層体など);などが挙げられる。このような基材としては、好ましくは、プラスチックのフィルムやシートなどのプラスチック系基材である。このようなプラスチックしては、例えば、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)等のα−オレフィンをモノマー成分とするオレフィン系樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)等のポリエステル系樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC);酢酸ビニル系樹脂;ポリフェニレンスルフィド(PPS);ポリアミド(ナイロン)、全芳香族ポリアミド(アラミド)等のアミド系樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルエーテルケトン(PEEK);などが挙げられる。このようなプラスチックは、1種のみであっても良いし、2種以上であっても良い。
モノマー吸収性シート用基材としては、モノマー吸収層(b)が活性エネルギー線により硬化する場合は、活性エネルギー線の透過を阻害しないものが好ましい。
モノマー吸収性シート用基材の表面は、モノマー吸収層(b)との密着性を高めるため、任意の適切な表面処理が施されていることが好ましい。このような表面処理としては、例えば、コロナ処理、クロム酸処理、オゾン暴露、火炎暴露、高圧電撃暴露、イオン化放射線処理等の化学的または物理的方法による酸化処理や、下塗り剤や剥離剤等によるコーティング処理などが挙げられる。
モノマー吸収性シート用基材の厚みとしては、強度や柔軟性、使用目的などに応じて、任意の適切な厚みを採用し得る。モノマー吸収性シート用基材の厚みとしては、例えば、好ましくは400μm以下であり、より好ましくは1〜350μmであり、さらに好ましくは10〜300μmである。
モノマー吸収性シート用基材は、単層であっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。
(2−1−1−4.積層体(X))
積層体(X)は、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)を積層して得られる。積層体(X)を得る方法としては、例えば、モノマー吸収層(b)のモノマー吸収面に重合性組成物(α)を塗布して重合性組成物層(a)を形成させることや、任意の適切な支持体上に重合性組成物(α)を塗布してシロップ状の重合性組成物層(a)を形成してから、モノマー吸収層(b)上に該重合性組成物層(a)を転写する方法が挙げられる。
重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率は、好ましくは300%以下であり、より好ましくは200%以下であり、さらに好ましくは100%以下である。重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率が300%を超える場合、耐酸性難燃ポリマー部材の製造が困難となるおそれや製造後の耐酸性難燃ポリマー部材において強度低下の問題が生じるおそれがある。重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率が小さい方が、層状無機系化合物(f)が偏在しやすく、偏在重合性組成物層(a1)において層状無機系化合物(f)をより高密度に偏在化させることができる。なお、重合性組成物層(a)の厚みのモノマー吸収層(b)の厚みに対する比率は、均一に製膜できる点から、1%以上とすることが好ましい。
(2−1−1−5.カバーフィルム)
積層体(X)の作製にあたり、重合性組成物層(a)の支持体として、カバーフィルムを用いることができる。カバーフィルムは、剥離性を有していても良い。なお、重合工程(2)において光重合反応を用いる場合、空気中の酸素により反応が阻害されるため、重合工程(2)ではカバーフィルムを用いて空気中の酸素を遮断することが好ましい。
カバーフィルムとしては、酸素を透過し難い薄葉体であれば、任意の適切なカバーフィルムを採用し得る。カバーフィルムとしては、光重合反応を用いる場合、透明なものが好ましく、例えば、任意の適切な剥離紙などが挙げられる。カバーフィルムとしては、具体的には、例えば、離型処理剤(剥離処理剤)による離型処理層(剥離処理層)を少なくとも一方の表面に有する基材、フッ素系ポリマー(例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン・ヘキサフルオロプロピレン共重合体、クロロフルオロエチレン・フッ化ビニリデン共重合体など)からなる低接着性基材、無極性ポリマー(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系樹脂など)からなる低接着性基材などが挙げられる。離型処理層を少なくとも一方の表面に有する基材は、離型処理層表面を離型面として利用することができる。低接着性基材は、両面を離型面として利用することができる。
離型処理層を少なくとも一方の表面に有する基材に用い得る基材としては、ポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム等)、オレフィン系樹脂フィルム(ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム等)、ポリ塩化ビニルフィルム、ポリイミドフィルム、ポリアミドフィルム(ナイロンフィルム)、レーヨンフィルムなどのプラスチック系基材フィルム;紙類(上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙など);これらをラミネートや共押し出しなどにより複層化したもの(2〜3層の複合体);などが挙げられる。このような基材としては、透明性の高いプラスチック系基材フィルムが好ましく、ポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
離型処理層を少なくとも一方の表面に有する基材に用い得る離型処理剤としては、例えば、シリコーン系離型処理剤、フッ素系離型処理剤、長鎖アルキル系離型処理剤などが挙げられる。離型処理剤は、1種のみを用いても良いし、2種以上を用いても良い。
カバーフィルムの厚みとしては、任意の適切な厚みを採用し得る。カバーフィルムの厚みとしては、取り扱い易さと経済性の点から、例えば、好ましくは12〜250μmであり、より好ましくは20〜200μmである。
カバーフィルムは、単層であっても良いし、2層以上の積層体であっても良い。
〔2−1−2.加熱工程〕
製造方法(1)においては、重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)を積層して得られる積層体(X)に、重合工程(2)を施す前に、加熱工程を施すことができる。加熱工程により、偏在重合性組成物層(a1)内での層状無機系化合物(f)の偏在化をより高密度に行うことができ、偏在ポリマー層(a2)における層状無機系化合物(f)の分布をより高密度にした耐酸性難燃ポリマー部材を得ることができる。
加熱温度は、好ましくは25℃以上100℃以下であり、より好ましくは30℃以上90℃以下であり、さらに好ましくは40℃以上80℃以下であり、特に好ましくは50℃以上80℃以下である。加熱工程の時間は、好ましくは1秒間以上120分間以下であり、より好ましくは10秒間以上60分間以下であり、さらに好ましくは1分間以上30分間以下である。特に、上記加熱温度範囲内において高温であるほど、また、上記加熱工程の時間の範囲内において加熱工程の時間が長いほど、高密度化した耐酸性難燃ポリマー部材を得ることができる。加熱温度が25℃未満であると、重合性モノマー(m)がモノマー吸収層(b)に十分に吸収されないおそれがある。加熱温度が100℃を超えると、重合性モノマー(m)が揮発するおそれや、カバーフィルムが変形するおそれがある。加熱工程の時間が1秒間未満であると、作業性が困難になるおそれがある。加熱工程の時間が120分間を超えると、耐酸性難燃ポリマー部材にうねりが発生し、平滑な耐酸性難燃ポリマー部材が得られないおそれがある。
重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)は、積層工程(1)の前から上記温度条件下に曝されていても良い。重合性組成物(α)も上記温度条件下に曝されていても良い。
加熱工程における積層体(X)の加熱方法としては、任意の適切な加熱方法を採用し得る。加熱工程における積層体(X)の加熱方法としては、例えば、オーブンによる加熱方法、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線等の電磁波を用いた加熱方法などが挙げられる。
積層工程(1)および必要により加熱工程を施すことによって、積層体(X)において、重合性組成物層(a)内で層状無機系化合物(f)が移動し、層状無機系化合物(f)が積層直後の重合性組成物層(a)とモノマー吸収層(b)との界面には実質的に存在せず、層状無機系化合物(f)がモノマー吸収層(b)とは反対側に偏って分布している偏在重合性組成物層(a1)が得られる。一方、モノマー吸収層(b)が重合性モノマー(m)を吸収してモノマー吸収層(b1)が得られる。
〔2−1−3.重合工程(2)〕
偏在重合性組成物層(a1)中の重合性モノマー(m)およびモノマー吸収層(b1)中の重合性モノマー(m)を重合する重合工程(2)を行うことにより、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との積層体(Y)が得られる。
重合工程(2)は、例えば、光照射により行うことができる。光源、照射エネルギー、照射方法、照射時間などの条件については、任意の適切な条件を採用し得る。
光照射に用いる活性エネルギー線としては、例えば、α線、β線、γ線、中性子線、電子線などの電離性放射線や、紫外線などが挙げられる。好ましくは紫外線である。
活性エネルギー線の照射としては、例えば、ブラックライトランプ、ケミカルランプ、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどによる照射が挙げられる。
重合工程(2)においては加熱を施しても良い。加熱方法としては、任意の適切な加熱方法を採用し得る。加熱方法としては、例えば、電熱ヒーターを用いた加熱方法、赤外線などの電磁波を用いた加熱方法などが挙げられる。
積層体(Y)中の偏在ポリマー層(a2)において、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)の厚みは、重合性組成物層(a)(積層前)の厚みに対して、好ましくは80%以下であり、より好ましくは60%以下であり、さらに好ましくは50%以下である。層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)の厚みの、重合性組成物層(a)(積層前)の厚みに対する比率が、80%を超えると、偏在ポリマー層(a2)と硬化したモノマー吸収層(b2)との密着性に問題が生じるおそれや、偏在ポリマー層(a2)の強度に問題を生じるおそれがある。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)の厚みは、層状無機系化合物(f)の量を調整することにより制御することができる。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)とは、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)が層状の形態を有することにより、明確に区別できる。
モノマー吸収層(b)と重合性モノマー(m)との組み合わせによっては、層状無機系化合物(f)が非偏在部(a22)に微量に分散する場合がある。しかし、このような非偏在部(a22)に微量に分散している層状無機系化合物(f)は、耐酸性難燃ポリマー部材の特性に影響を与えることはない。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)が、難燃層(A)に該当する。
層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)においては、層状無機系化合物(f)と偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分とが混在している。このため、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)では、偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分に基づく特性、層状無機系化合物(f)が有する特性、層状無機系化合物(f)が偏在ポリマー層(a2)内で偏在することに基づく特性を発揮することができる。
偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分に基づく特性としては、例えば、柔軟性、ハードコート性、粘着性、応力緩和性、耐衝撃性などが挙げられる。例えば、ポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の粘着性などが挙げられる。
層状無機系化合物(f)が有する特性としては、例えば、特定の機能(例えば、膨張性、収縮性、吸収性、発散性、導電性等)を有する層状無機系化合物(f)を用いた際の該特定の機能などが挙げられる。
層状無機系化合物(f)が偏在ポリマー層(a2)内で偏在することに基づく特性としては、例えば、ポリマー成分として粘着剤成分を用いた際の層状無機系化合物の含有量を調整することによる粘着性の制御、着色などの意匠性、層状無機系化合物(f)として粒子を用いた際の表面凹凸の付与や該表面凹凸に基づく特性(例えば、再剥離性、アンチブロッキング性、アンチグレア特性、意匠性、光散乱性など)などが挙げられる。
偏在ポリマー層(a2)のポリマー成分が粘着剤成分であり、層状無機系化合物(f)が粒子状である場合、偏在ポリマー層(a2)の表面で粒子状の層状無機系化合物(f)による凹凸が形成され、偏在ポリマー層(a2)の表面で粘着性(タック性)および剥離性(アンチブロッキング性)を発揮し得る耐酸性難燃ポリマー部材を得ることができる。このような耐酸性難燃ポリマー部材では、含有させる粒子状の層状無機系化合物(f)の量を調整することにより、偏在ポリマー層(a2)表面の粘着性(タック性)や剥離性(アンチブロッキング性)を制御できる。
偏在部(a21)中の粒子状の層状無機系化合物(f)は、偏在部(a21)中に粒子状の層状無機系化合物(f)全体が包含される形態で存在していてもよいし、粒子状の層状無機系化合物(f)の一部分が偏在ポリマー層(a2)外に露出する形態で存在していてもよい。
〔2−1−4.耐酸性層(L)作製工程(3)〕
耐酸性層(L)は、任意の適切な方法で作製することができる。耐酸性層(L)は、好ましくは、<1−5.耐酸性層(L)>の項において説明した耐酸性樹脂を塗布し、必要に応じて乾燥することにより作製することができる。耐酸性樹脂を塗布する際は、必要に応じて、任意の適切な溶媒を添加しても良い。耐酸性樹脂の塗布により難燃層(A)上に耐酸性層(L)を形成する方法としては、例えば、難燃層(A)上に直接に耐酸性樹脂を塗布して耐酸性層(L)を形成する方法、任意の適切な基材上に耐酸性樹脂を塗布して形成した耐酸性層(L)を難燃層(A)上に転写する方法などが挙げられる。
耐酸性樹脂を塗布する手段としては、任意の適切な手段を採用し得る。このような手段としては、例えば、グラビアコート、スプレーコート、デイップコートなどが挙げられる。
耐酸性樹脂を塗布した後、乾燥を行う場合、乾燥のための加熱温度は、好ましくは、30〜180℃であり、より好ましくは50〜150℃である。乾燥のための加熱時間は、好ましくは、10秒〜10分である。
耐酸性層作製工程(3)は、製造方法(1)において任意の適切なタイミングで行うことができる。
<2−2.耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法(2)>
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法としては、製造方法(1)の他に、製造方法(2)も好ましく採用される。製造方法(2)においては、重合性モノマー(m)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成される重合性組成物層(a)を重合して得られる固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a)と、ポリマー(p)を含み且つ重合性モノマー(m)を吸収できる固体状のモノマー吸収層(b)とを積層する工程と、耐酸性層(L)を作製する工程とを含む製造方法により、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を製造する。
固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a)は、製造方法(1)で説明した方法と同様の方法によって重合性組成物層(a)を製造した後に、製造方法(1)で説明した重合工程(2)と同様の方法によって該重合性組成物層(a)の重合を行うことによって得られ得る。固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a)中には、重合性モノマー(m)が重合して形成されるポリマー成分が含まれるが、重合されなかった重合性モノマー(m)が残存していても良い。
固体状のモノマー吸収層(b)は、製造方法(1)で説明した方法と同様の方法にて得られ得る。
固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a)と固体状のモノマー吸収層(b)との積層は、任意の適切な積層方法で行うことができる。固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a)と固体状のモノマー吸収層(b)との積層は、例えば、固体状の層状無機系化合物含有ポリマー層(a)を任意の適切な基材上で製造し、モノマー吸収性シートとして供されるモノマー吸収層(b)を別途準備し、それらを積層する方法が挙げられる。
耐酸性層(L)を作製する工程としては、〔2−1−4.耐酸性層(L)作製工程(3)〕で説明した工程と同様の工程が挙げられる。なお、耐酸性層(L)作製工程(3)は、製造方法(2)において任意の適切なタイミングで行うことができる。
<2−3.耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法(3)>
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法としては、製造方法(1)、(2)の他に、製造方法(3)も好ましく採用される。製造方法(3)においては、重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行う工程と、耐酸性層(L)を作製する工程とを含む製造方法により、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を製造する。
以下に、耐酸性難燃ポリマー部材の製造方法(3)における、「重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含む重合性組成物(α)から形成されるシロップ状の重合性組成物層(a´)と、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含むシロップ状の重合性組成物層(b´)とを積層し、重合を行う工程」を、図4を参照しながら、説明する。
まず、積層工程(1)で、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)を積層して積層体(X)を得る。重合性組成物層(a´)は、重合性モノマー(m1)と層状無機系化合物(f)を含有する。重合性組成物層(b´)は、重合性モノマー(m2)とポリマー(p2)を含有する。重合性組成物層(a´)は重合性組成物層(b´)の少なくとも一方の面に積層できるが、図4では、重合性組成物層(b´)の片面にのみ積層する場合が記載されている。図4においては、重合性組成物層(a´)の、重合性組成物層(b´)に積層しない側に、カバーフィルム(C)が設けられている。また、図4においては、重合性組成物層(b´)は基材フィルム(D)上に設けられている。
重合性組成物層(a´)中の重合性モノマー(m1)と、重合性組成物層(b´)中の重合性モノマー(m2)およびポリマー(p2)は、好ましくは、実質的に相溶性を示す。このことから、積層体(X)においては、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)の積層面において、相互に他の層内に、重合性モノマー(m1)の一部、重合性モノマー(m2)の一部が、それぞれ拡散することができる。ここで、重合性組成物層(a´)中の重合性モノマー(m1)の濃度(c1)が、重合性組成物層(b´)中の重合性モノマー(m2)の濃度(c2)よりも高い場合には、重合性モノマー(m1)の重合性組成物層(b´)への拡散が大きくなり、その分、重合性組成物層(b´)中のポリマー(p2)の重合性組成物層(a´)への拡散が大きくなる。一方、重合性組成物層(a´)内では、層状無機系化合物(f)が重合性組成物層(b´)とは反対側に偏って分布して、層状無機系化合物(f)の偏在部(a11)と非偏在部(a12)とを有する偏在重合性組成物層(a1)が得られる。
重合性組成物層(a´)中の重合性モノマー(m1)の濃度(c1)は、好ましくは、重合性組成物層(b´)中の重合性モノマー(m2)の濃度(c2)よりも高い。濃度(c1)と濃度(c2)との濃度差は、好ましくは15重量%以上であり、より好ましくは20重量%以上であり、さらに好ましくは30重量%以上である。濃度(c1)と濃度(c2)との濃度差を15重量%以上とすることによって、重合性組成物層(a´)中の層状無機系化合物(f)を効果的に偏在させることができる。なお、濃度(c2)が濃度(c1)より高いと、重合性組成物層(a´)中の層状無機系化合物(f)を十分に偏在させることができないおそれがある。
偏在重合性組成物層(a1)における層状無機系化合物(f)の偏在の現象は、重合性組成物層(b´)からのポリマー(p2)の拡散によるものと推察される。重合性モノマー(m1)が重合性組成物層(b´)に拡散し、一方、ポリマー(p2)が重合性組成物層(a´)に拡散することによって、重合性組成物層(b´)の方向に拡散できない層状無機系化合物(f)が、重合性組成物層(a´)中に残存するような形で偏在していくものと考えられる。モノマー吸収層(b´)は、重合性モノマー(m1)を吸収して、モノマー吸収層(b1)となる。
積層体(X)では、重合性組成物層(a´)および重合性組成物層(b´)は、相互に各成分の拡散が生じているため、偏在重合性組成物層(a1)の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a12)とモノマー吸収層(b1)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図4ではab1として示している)、図4では、便宜上、該界面を破線で示している。
次いで、積層体(X)に、重合工程(2)を施すことにより、偏在重合性組成物層(a1)およびモノマー吸収層(b1)中の、重合性モノマー(m1)および重合性モノマー(m2)を重合して、上記偏在構造が維持されたまま硬化した偏在ポリマー層(a2)および硬化したモノマー吸収層(b2)が積層された積層体(Y)を得る。偏在ポリマー層(a2)では、層状無機系化合物(f)の偏在部(a21)と層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)を有する。なお、モノマー吸収層(b1)には重合性モノマー(m1)および重合性モノマー(m2)が吸収されているため、重合工程(2)によって、モノマー吸収層(b1)は、上記重合性モノマー(m1)および重合性モノマー(m2)が硬化したモノマー吸収層(b2)になる。なお、積層体(Y)においては、偏在ポリマー層(a2)中の層状無機系化合物(f)の非偏在部(a22)と硬化したモノマー吸収層(b2)の界面は確認できないが(これらの複合箇所を図4ではab2として示している)、図4では、便宜上、該界面を破線で示している。
積層工程(1)の詳細、重合工程(2)の詳細については、製造方法(1)で説明したものと同様である。また、製造方法(1)で説明した加熱工程が含まれていても良い。
耐酸性層(L)を作製する工程としては、製造方法(1)で説明した耐酸性層(L)作製工程(3)と同様の工程が挙げられる。なお、耐酸性層(L)作製工程(3)は、製造方法(3)において任意の適切なタイミングで行うことができる。
≪3.耐酸性難燃ポリマー部材の形態≫
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の形態としては、任意の適切な形態を採用し得る。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の形態としては、例えば、シート状やテープ状が挙げられる。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の形態がシート状の場合は、耐酸性難燃シートとして用い得る。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、シート状やテープ状のものがロール状に巻回された形態を有していてもよい。また、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、シート状やテープ状のものが積層された形態を有していてもよい。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材の最外層を粘着剤層とした場合には、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を粘着テープまたは粘着シートとして用いることができる。なお、「テープ」と「シート」を総称して単に「テープ」あるいは「シート」と称する場合がある。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材に、任意の適切な粘着剤(例えば、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、ビニルアルキルエーテル系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤、ポリアミド系粘着剤、ウレタン系粘着剤、フッ素系粘着剤、エポキシ系粘着剤など)から形成される粘着剤層をさらに設けることによっても、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を粘着テープまたは粘着シートとして用いることができる。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、本発明の効果を損なわない範囲で、他の層(例えば、中間層、下塗り層など)を有していてもよい。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材において、耐酸性層(L)の表面は、カバーフィルムで保護されていても良い。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を使用する際にカバーフィルムは剥がされ得る。
≪4.難燃性物品≫
難燃性物品は、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材を、被着体に貼り合せたものである。被着体としては、例えば、紙、木材、プラスチック材、金属、石膏ボード、ガラス、またはこれらを含んでなる複合材などを用いることができる。本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は被着体の少なくとも一部に貼り合せられる。なお、被着体は、図柄層等が設けられた印刷物であってもよいし、意匠性を有するものであってもよい。
被着体の紙としては、例えば、上質紙、和紙、クラフト紙、グラシン紙、合成紙、トップコート紙などが挙げられる。
被着体の木材としては、例えば、樫、桐、欅、チーク、ローズウッドなどの広葉樹や、杉、檜、松、ヒバなどの針葉樹や、集成材や、合板などが挙げられる。
被着体のプラスチック材としては、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル(ポリエチレンテレフタレート等)、オレフィン系樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン等)、塩化ビニル樹脂、エポキシ樹脂、ビニルエーテル系樹脂、ウレタン系樹脂などが挙げられる。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材と被着体を積層する際は、任意の適切な粘着剤を、任意の適切な塗布方法によって塗布して貼り合わせてもよいし、耐酸性難燃ポリマー部材の最外層が粘着剤層である場合は、そのまま被着体に張り合わせてもよい。耐酸性難燃ポリマー部材と被着体を張り合わせる方法としては、例えば、ラミネーターを用いて張り合わせる方法が挙げられる。このようにして得られた難燃化処理された被着体は、本発明の耐酸性難燃ポリマー部材が積層された面の反対面に貼着層を設けて、該貼着層を介して、鉄道車両などの壁面やガラス面、また、住宅などの壁面や化粧板やガラス面などに貼着され得る。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、例えば、建材として、住宅や大型建造物、公共施設の壁材、天井材、屋根材、床材、間仕切り材、カーテン、特にキッチンの壁材や天井材、クリーンルームの間仕切りなどに好適に用いることができる。また、排気ダクトや防火戸や防火シャッターなど防火設備の表面仕上げ材、テーブルなど家具の表面仕上げ材、扉の表面仕上げ材、窓ガラスの表面仕上げ材、また、看板や電子看板の表面仕上げ材、ロールスクリーンなどに用いることができる。また、船舶や航空機、自動車、鉄道車両内外の壁材、天井材、屋根材、床材、また、鉄道車両内外のガラス部分に貼着される印刷物の表面保護材、インクジェットメディア材、他にも太陽電池部材や、電池保護材、電気機器内部のパーテーションなどの電気・電子機器部材に用いることができる。さらに、灰皿周辺具、ゴミ箱の表面仕上げ材、パチンコ台の前面パネル保護材としても用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
なお、以下の各例で用いた、カバーフィルム、基材フィルムは、いずれも、片面がシリコーン系離型処理された、厚さ38μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(商品名「MRN38」、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製)を用いた。
〔合成例1〕(シロップ(b−1)の調製)
イソボルニルアクリレート:50重量部、ラウリルアクリレート:50重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.1重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、ブラックライトランプにより紫外線をフラスコ外側より照射して重合し、適度な粘度になった時点でランプを消灯、窒素吹き込みを停止して、重合率7%の一部が重合した、シロップ状の組成物(以下、これを「シロップ(b−1)」という)を調製した。
〔合成例2〕(層状無機系化合物を含むシロップ(a−1)の調製)
シクロヘキシルアクリレート:100重量部、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:0.2重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部、及び光重合開始剤(商品名「イルガキュア184」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.2重量部からなるモノマー混合物に、層状粘土鉱物(商品名「ルーセンタイトSPN」、コープケミカル社製、形状:平板状):30重量部を加え、室温(25℃)で24時間静置することによって、層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物(白濁)を得た。その後、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物に、超音波分散機(日本精機社製)により、500mWの照射強度で超音波を3分間照射して、層状無機系化合物を含むシロップ(a−1)を調製した。なお、該超音波処理により、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物は透明になった。
〔合成例3〕(基材付きモノマー吸収性シート(B−1)の作製)
合成例1で調製したシロップ(b−1):100重量部に光重合開始剤(商品名「イルガキュア651」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を均一に混合したシロップ組成物を、上記基材フィルムの剥離処理された面に、硬化後の厚さが100μmとなるように塗布し、シロップ組成物層を形成させた。そして、該層上に、離型処理された面が接する形態で上記カバーフィルムを貼り合わせ、ブラックライトを用いて紫外線(照度:5mW/cm)を両面から同時に5分間照射し、該層を硬化させてモノマー吸収層を形成させることにより、モノマー吸収層表面が上記カバーフィルムで保護されている基材付きモノマー吸収性シート(B−1)を作製した。
〔合成例4〕(難燃ポリマーシート(P−1)の作製)
カバーフィルムの離型処理された面にシロップ(a−1)を塗布して重合性組成物層(厚さ:100μm)を形成させたものを、カバーフィルムを剥がしてモノマー吸収層を露出させた基材付きモノマー吸収性シート(B−1)に、モノマー吸収層と重合性組成物層とが接する形態で、貼り合わせて、積層体を形成した。
次に、該積層体を、室温で15分間放置して偏在重合性組成物層にしたのち、両面から、光源としてブラックライトランプを用い、紫外線(照度:5mW/cm)を5分間照射し、偏在重合性組成物層を光硬化させて、偏在ポリマー層を形成させることにより、難燃ポリマーシート(P−1)を製造した。
〔合成例5〕(層状無機系化合物を含むシロップ(a−2)の調製)
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:100重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部、からなるモノマー混合物に、層状粘土鉱物(商品名「ルーセンタイトSPN」、コープケミカル社製、形状:平板状):30重量部を加え、室温(25℃)で24時間静置することによって、層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物(白濁)を得た。その後、該層状粘土鉱物を加えたモノマー混合物に、超音波分散機(日本精機社製)により、500mWの照射強度で超音波を3分間照射して、層状無機系化合物を含むシロップ(a−2)を調製した。
〔合成例6〕(アクリルオリゴマー(A)の調製)
イソボルニルアクリレート:70重量部、ラウリルアクリレート:30重量部、チオグリコール酸:3.8重量部を、攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、冷却管を備えた4つ口のセパラブルフラスコ中で均一になるまで攪拌した後、窒素ガスによりバブリングを1時間行って溶存酸素を除去した。その後、70℃まで昇温し、70℃で30分攪拌した後、熱重合開始剤(商品名「パーヘキシルO」、日本油脂社製):0.05重量部、熱重合開始剤(商品名「パーヘキシルD」、日本油脂社製):0.02重量部を添加した。さらに、100℃まで昇温し、100℃で60分攪拌した後、140℃まで昇温した。その後、140℃で60分攪拌した後、180℃まで昇温し、180℃で60分攪拌し、アクリルオリゴマー(A)を調製した。なお、得られたアクリルオリゴマー(A)の重量平均分子量は5000であった。
〔合成例7〕(シロップ(b−2)の調製)
シクロヘキシルアクリレート:20重量部、合成例6で調製したアクリルオリゴマー(A):80重量部、光重合開始剤(商品名「イルガキュア819」、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製):0.5重量部を、攪拌機を備えたフラスコ中で均一になるまで攪拌して、シロップ状の組成物(以下、これを「シロップ(b−2)」という)を調製した。
〔合成例8〕(難燃ポリマーシート(P−2)の作製)
支持基材上に、シロップ(a−2)を硬化後の厚みが50μmになるように塗布して重合性組成物層(a´)を形成した。別の支持基材上に、シロップ(b−2)を硬化後の厚みが50μmになるように塗布して重合性組成物層(b´)を形成した。重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)が接する形態で、気泡が入らないように貼り合わせた後、5分後にブラックライト及びメタルハライドランプを用いて紫外線(照度9mW/cm、光量1200mJ/cm)を照射して、重合性組成物層(a´)と重合性組成物層(b´)を硬化させて、両側に支持基材を有する難燃ポリマーシート(P−2)を製造した。
〔実施例1〕(耐酸性難燃ポリマーシート(1)の製造)
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、合成例4で得られた難燃ポリマーシート(P−1)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層(L)を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(1)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(1)において、ポリマー層(B)の厚みは175μm、難燃層(A)の厚みは25μm、耐酸性層(L)の厚みは10μmであった。
〔実施例2〕(耐酸性難燃ポリマーシート(2)の製造)
耐酸塗料(商品名「サルホタイト10」、フェノール樹脂系塗料、日本ペイント社製)を、合成例8で得られた難燃ポリマーシート(P−2)の難燃層上に塗工し、120℃で1分間乾燥させ、耐酸性層(L)を形成し、耐酸性難燃ポリマーシート(2)を製造した。
得られた耐酸性難燃ポリマーシート(2)において、ポリマー層(B)の厚みは85μm、難燃層(A)の厚みは15μm、耐酸性層(L)の厚みは10μmであった。
〔比較例1〕(難燃ポリマーシート(C1)の製造)
合成例4で得られた難燃ポリマーシート(P−1)の難燃層側のカバーフィルムを剥がし、難燃層を露出させ、難燃ポリマーシート(C1)とした。
得られた難燃ポリマーシート(C1)において、ポリマー層(B)の厚みは175μm、難燃層(A)の厚みは25μmであった。
実施例および比較例のポリマーシートについて下記評価を行なった。結果を表1に示す。
<難燃性>
ポリマーシートについて下記の難燃性を評価した。
図2に示す水平燃焼試験により難燃性を評価した。測定方法を図2に示す。各ポリマーシートを5cm×12cmに裁断して評価に供した。なお、各ポリマーシートは、その両面のカバーフィルムを剥離した。
実施例1で得られた耐酸性難燃ポリマーシート(1)、実施例2で得られた耐酸性難燃ポリマーシート(2)については耐酸性層(L)の側、比較例1で得られた難燃ポリマーシート(C1)については難燃層の側を下面にした。
ポリマーシートの下面の中心部分から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、前記火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を30秒間接炎した。ブンゼンバーナーのガスはプロパンガスを用い、大気中でおこなった。
≪難燃性:*1≫
ポリマーシートについて水平燃焼試験を行い、ポリマーシートの燃焼の有無を観察することにより、ポリマーシートの難燃性を下記の基準で評価した。
○:ポリマーシートが接炎30秒で着火せず、形状を維持している。
△:ポリマーシートが接炎30秒以内に着火するが、形状を維持している。
×:ポリマーシートが接炎30秒以内に着火し、形状も維持していない。
≪遮炎性:*2≫
ポリマーシートの上方3mmの位置にコピー用紙であるホワイトエコノミー314−048(Biznet社製)を設置した、上記同様の水平燃焼試験により、コピー用紙の燃焼の有無を観察することにより、ポリマーシートの遮炎性を評価した。
○:接炎30秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火しない。
△:接炎30秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火するが、10秒以内に着火しない。
×:接炎10秒でポリマーシートの3mm上方のコピー用紙が着火する。
<耐酸性:*3>
10容量%硫酸水溶液を十分に染み込ませた定性濾紙(品名「No.2」、サイズ「φ55mm」、アドバンテック社製)をポリマーシートの難燃層(A)側の上に30分置き、定性濾紙を取り除いた後のポリマーシートの状態を観察した。
○:変化なし。
×:表面にシワやフクレがあり。
実施例1で得られた耐酸性難燃ポリマーシート(1)および実施例2で得られた耐酸性難燃ポリマーシート(2)は、優れた耐酸性を有するとともに、高度な難燃性を有する。
本発明の耐酸性難燃ポリマー部材は、各種の被着体に貼り合わされることにより、各種被着体を難燃化することができるとともに、各種被着体に耐酸性を付与できる。
A 難燃層
B ポリマー層
L 耐酸性層
a 重合性組成物層
a´ 重合性組成物層
a1 偏在重合性組成物層
a2 偏在ポリマー層
a11、a21 層状無機系化合物の偏在部
a12、a22 層状無機系化合物の非偏在部
b モノマー吸収層
b´ 重合性組成物層
b1 モノマー吸収層
b2 硬化したモノマー吸収層
C カバーフィルム
D 基材フィルム
E 基材付きモノマー吸収性シート
X 積層体
f 非相溶性の層状無機系化合物
m1 重合性モノマー
m2 重合性モノマー
p2 ポリマー

Claims (5)

  1. ポリマー層(B)、難燃層(A)、耐酸性層(L)をこの順に含む耐酸性難燃ポリマー部材であって、
    該難燃層(A)は、ポリマー中に層状無機系化合物(f)を含有する層である、
    耐酸性難燃ポリマー部材。
  2. 前記耐酸性層(L)が、耐酸性樹脂を含む、請求項1に記載の耐酸性難燃ポリマー部材。
  3. 前記耐酸性樹脂が、フェノール系樹脂、シリコーン系樹脂、フッ素系樹脂から選ばれる少なくとも1種である、請求項2に記載の耐酸性難燃ポリマー部材。
  4. 前記耐酸性層(L)の厚みが0.1〜100μmである、請求項1または2に記載の耐酸性難燃ポリマー部材。
  5. 前記難燃ポリマー部材を、前記耐酸性層(L)側を下面にして、かつ該下面は空気に接触するように水平に設置し、
    該耐酸性層(L)側の下面から45mm離れた下部にブンゼンバーナーの火炎口が位置するようにブンゼンバーナーを設置し、
    該火炎口から55mmの高さのブンゼンバーナーの炎を該耐酸性層(L)の下面に30秒間接炎させる(但し、該難燃ポリマー部材の端部には接炎しないようにする)水平燃焼試験において、該炎を遮炎できる難燃性を有する、
    請求項1から4までのいずれかに記載の耐酸性難燃ポリマー部材。

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