JP2012120577A - 医療機器用コネクタおよび電気治療装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】リード線の端子が抜去できなくなることを防止しつつリード線の端子を確実に固定できる医療機器用コネクタおよび電気治療装置および電気治療装置を提供すること。
【解決手段】端子を内部に挿通可能なリングスリーブ37と、リングスリーブ37の外径と略同径の内径を有する貫通孔39、および貫通孔39の内面に開口されたネジ孔40が形成され、信号線11cが外面に固定された導体からなり、貫通孔39の内部に前記リングスリーブ37が配置された支持体38と、ネジ孔40にねじ込まれ、リングスリーブ37の外面に当接可能な先端部41aを有するネジ41と、端子が挿通可能でありリングスリーブ37の外径より小さな内径の差込口55が形成され、貫通孔39の中心軸線が差込口55の中心軸線と略同軸となるように支持体38を保持する絶縁体からなるハウジング54と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、医療機器用コネクタおよび電気治療装置に関する。
従来、体内に留置されて疾病の治療や予防に使用される様々な医療機器が知られている。このような医療機器の例として、体内に植え込まれ、生体組織に電気信号や電気刺激を与えることで検査や治療等を行う電気治療装置がある。このような体内植え込み型の電気治療装置は、電気治療装置の本体内部に設けられた信号発生部で電気信号が発せられ、体内に留置された電極等にリード線等を介して送られる。
一般的に、電気治療装置の本体とリード線とは、体内で互いが外れないように確実に固定されている。さらに、例えば電気治療装置の電池が消耗した場合にリード線を体内に留置したまま本体を交換したり、使用中のリード線を患者の体格に適合した新たなリード線に交換したり、経年劣化や人体の繰り返し運動などによるリード線の疲労破壊を防いだりする目的で、電気治療装置の本体とリード線とは単純な作業で着脱できるようになっている。
たとえば特許文献1には、電気治療装置(心臓刺激装置)の本体とリード線とを着脱可能に接続するためのリード線コネクタが記載されている。特許文献1に記載のコネクタは、第1の孔を有する第1の部材と、第2の孔を有する第2の部材とが、第1の孔と第2の孔とが略同軸状に揃うように配置されており、第2の部材が、第1の部材に対して第2の孔の径方向にずれることにより、それぞれがリード線の端子(コネクタピン)の外面に摩擦的に噛み合って、リード線の端子を固定することができるようになっている。
特表平9−507402号公報
しかしながら、特許文献1に記載のコネクタでは、第2の部材を第1の部材に対してずらしたときにリード線の端子の外面にかかる外力によって、端子が変形したり、端子の外面が傷ついたりする可能性がある。端子が変形したり、端子の外面が傷ついたりした場合には、コネクタから端子を抜去するのが困難になり、電気治療装置のリード線あるいは本体を交換できなくなるおそれがある。
本発明は、上述した事情に鑑みてなされたものであって、その目的は、リード線の端子が抜去できなくなることを防止しつつリード線の端子を確実に固定できる医療機器用コネクタおよび電気治療装置を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は以下の手段を提案している。
本発明の医療機器用コネクタは、体内の組織に電気刺激を伝達するリード線の端子と体内植え込み型の電気治療装置とを接続するための医療機器用コネクタであって、前記端子を内部に挿通可能なリングスリーブと、前記リングスリーブの外径と略同径の内径を有する貫通孔、および前記貫通孔の中心軸線と交差する方向に延び前記貫通孔の内面に開口されたネジ孔が形成され、前記リード線に電気信号を出力するための信号線が外面に固定された導体からなり、前記貫通孔の内部に前記リングスリーブが配置された支持体と、前記ネジ孔にねじ込まれ、前記リングスリーブの外面に当接可能な先端部を有するネジと、前記端子が挿通可能であり前記リングスリーブの外径より小さな内径の差込口が形成され、前記貫通孔の中心軸線が前記差込口の中心軸線と略同軸となるように前記支持体を保持する絶縁体からなる保持枠と、を備え、前記ネジを前記ネジ孔にねじ込むことにより前記ネジの先端部によって前記リングスリーブが変形し、前記差込口から差し込まれた前記端子の外面に前記リングスリーブの内周面の少なくとも一部が押し付けられることを特徴とする医療機器用コネクタである。
また、前記端子は、互いに絶縁された第一接点部および第二接点部を有し、前記リングスリーブは、前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第一接点部が内部に配置される第一スリーブと、前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第二接点部が内部に配置される第二スリーブと、を有し、前記支持体は、前記貫通孔および前記ネジ孔を有し前記第一スリーブが配置された第一支持体と、前記貫通孔および前記ネジ孔を有し前記第二スリーブが配置された第二支持体と、を有し、前記ネジは、前記第一支持体のネジ孔に配置された第一ネジと、前記第二支持体のネジ孔に配置された第二ネジと、を有し、前記第一支持体には、前記信号線であって前記電気信号のうち第一電気信号を送受信するための第一信号線が固定され、前記第二支持体には、前記信号線であって前記電気信号のうち前記第一電気信号と異なる第二電気信号を送受信するための第二信号線が固定されていてもよい。
また、前記端子は互いに絶縁された第一接点部および第二接点部を有し、前記リングスリーブは、前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか一方が内部に配置されるように1つ設けられ、前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか他方の外面に接触可能な導電性弾性ゴム部材、および前記導電性弾性ゴム部材を内部に収容可能な貫通孔を有しているとともに前記電気信号とは異なる第二電気信号を前記第二接点部を介して前記リード線に出力するための第二信号線が外面に固定された導体からなる導通部材をさらに備えていてもよい。
また、前記端子は互いに絶縁された第一接点部および第二接点部を有し、前記リングスリーブは、前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか一方が内部に配置されるように1つ設けられ、前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか他方の外面に接触可能な導電性弾性バネ部材、および前記導電性弾性バネ部材を内部に収容可能な貫通孔を有しているとともに前記電気信号とは異なる第二電気信号を前記第二接点部を介して前記リード線に出力するための第二信号線が外面に固定された導体からなる導通部材をさらに備えていてもよい。
また、本発明の電気治療装置は、本発明の医療機器用コネクタを備えることを特徴とする電気治療装置である。
本発明の医療機器用コネクタおよび電気治療装置によれば、リード線の端子の外面に傷がついたり端子が変形したりするのを防止することができ、これにより、リード線の端子が抜去できなくなることを防止しつつリード線の端子を確実に固定できる。
本発明の第1実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置を示す斜視図である。 (A)は、同電気治療装置におけるペーシングリードの構成を示す斜視図、(B)は、同ペーシングリードの模式的な断面図である。 同電気治療装置における除細動電極の一部の構成を示す斜視図である。 同電気治療装置の本体を示す正面図である。 図4のA−A線における断面図である。 図5のB−B線における断面図である。 図6の一部を拡大して示す部分断面図である。 図4のC−C線における断面図である。 図8のD−D線における断面図である。 同電気治療装置の使用時における医療機器用コネクタの作用を説明するための模式図である。 同電気治療装置の使用時における医療機器用コネクタの作用を説明するための模式図である。 本発明の第2実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置を示す図で、図8のD−D線と同様の断面指示線で断面視した図である。 図12において符号Yで示す部分の部分断面図である。 同実施形態の変形例の医療機器用コネクタおよび電気治療装置を示す図で、図8のD−D線と同様の断面指示線で断面視した図である。 本発明の第3実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置を示す図で、図8のD−D線と同様の断面指示線で断面視した図である。 図15において符号Zで示す部分の部分断面図である。 本発明の医療機器用コネクタにおける各スリーブの他の構成例を示す斜視図である。 本発明の医療機器用コネクタにおける各スリーブのさらに他の構成例を示す斜視図である。 本発明の医療機器用コネクタにおける各スリーブのさらに他の構成例を示す斜視図である。
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置について説明する。
一般に、たとえば不整脈などの心疾患は、心臓の電気生理学的特性の欠陥の結果として、心房または心室に発生する。このような心疾患を治療する目的で、電気エネルギを用いて心房または心室を刺激する治療を行うことがある。本実施形態の電気治療装置は、このような治療に好適に使用できるものであり、具体的には、体内に留置して心臓のペーシング及び除細動を行う植込み型除細動器(Implantable Cardioverter Defibrillator, ICD)である。
図1は、本実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置を示す斜視図である。
図1に示すように、電気治療装置1は、心臓100に取り付けられるペーシングリード10および除細動電極20と、心臓100に対するペーシングおよび除細動のための電気エネルギを発生する本体30とを備える。
図2(A)は、電気治療装置1におけるペーシングリード10の構成を示す斜視図である。図2(B)は、ペーシングリード10の模式的な断面図である。
図2(A)に示すように、ペーシングリード10は、長尺な被覆線11と、被覆線11の先端に設けられた電位センサー12およびペーシング電極13と、被覆線11の基端に設けられた双極端子14とを備える。
図2(B)に示すように、被覆線11は、2つの信号線(信号線11a、信号線11b)が絶縁皮膜で覆われて形成されている。信号線11aと信号線11bとは互いに絶縁されている。信号線11aの先端は、電位センサー12に接続されている。信号線11aの基端は、双極端子14における後述する第一接点部15に接続されている。信号線11bの先端は、ペーシング電極13に接続されている。信号線11bの基端は、双極端子14における後述する第二接点部16に接続されている。
図1に示すように、電位センサー12は、電気治療装置1の使用時に心臓100内の適切な位置に配置されるセンサー電極であり、心臓100を拍動させるための活動電位を検出し、本体30に設けられた後述する制御回路33に電気信号(第一電気信号)を入力するものである。
ペーシング電極13は、心臓100内の適切な位置に固定あるいは係止される電極であり、ペーシングのために本体30が発する電気信号(第二電気信号)を心臓100に供給できるようになっている。
双極端子14は、被覆線11の一端に固定されており、本体30に設けられた後述するコネクタユニット34(図1参照)に差し込み接続可能で互いに絶縁された2つの接点部(第一接点部15、第二接点部16)を有する。
図2(A)および図2(B)に示すように、第一接点部15は、双極端子14の突出端として形成された円柱状の導体である。第二接点部16は、円筒状の導体であり、第一接点部15よりも被覆線11に近い位置に、第一接点部15と同軸に配置されている。第二接点部16の外径は、第一接点部15の外径よりも大きい。第二接点部16の内部には、上述の第一接点部15に接続される信号線11aが通されている。
図2(A)に示すように、双極端子14の中心軸線方向において第一接点部15と第二接点部16との間には、可撓性を有する絶縁部材17が設けられている。絶縁部材17は、外面の一部が後述する差込口55(図1参照)の内寸より僅かに大きく円板状に張り出した筒状の部材であり、第一接点部15および第二接点部16と同軸をなしている。絶縁部材17は、例えばゴム等によって形成されている。絶縁部材17が設けられていることによって、双極端子14の使用時に第一接点部15と第二接点部16とが導通することを防止できる。
双極端子14の中心軸線方向において、第二接点部16と被覆線11との間には、可撓性を有する水密部材18が設けられている。水密部材18は、外面の一部が後述する差込口55(図1参照)の内寸より僅かに大きく円板状に張り出した筒状の部材であり、例えばゴム等によって形成されている。水密部材18を弾性変形させつつ差込口55の内部に挿入することによって、水密部材18は双極端子14と差込口55との間の隙間を埋めることができるようになっている。
なお、双極端子14の形状は、例えばISOなどの規格によって規定された形状を適宜採用することができる。本実施形態では、双極端子14の形状として、ISO5841−3:2000のIS−1として規定された形状を採用している。
図3は、電気治療装置1における除細動電極20の一部の構成を示す斜視図である。
図1および図3に示すように、除細動電極20は、電気治療装置1の使用時に心臓100の心外膜上に固定されるものであり、心室に対して所定の電気刺激を与えるための電極である。除細動電極20は、同一の構造を有する第一電極21および第二電極22と、第一電極21と第二電極22とにそれぞれ接続された導線を有する除細動リード23とを備える。
図1に示すように、第一電極21は、右室側の心外膜上に設置され、第二電極22は、第一電極21と心臓100を挟んで対向するように、左室側の心外膜上に設置される。
図3に示すように、除細動リード23は、第一電極21および第二電極22に接続された導線が絶縁性の被覆材によって被覆された被覆線24と、第一電極21および第二電極22が接続された側の端と反対側の端において導線に接続されコネクタユニット34に差し込み接続可能な単極端子25を有している。
単極端子25は、突出端25a側と被覆線24側とのうち突出端25a側が相対的に小径である略円柱状に形成された導体である。単極端子25の外面のうち、突出端側に形成された小径な部分は、単極端子25をコネクタユニット34と電気的かつ機械的に接続するための接点部26となっている。
図1に示すように、本体30は、中空に形成された筐体31と、筐体31に固定されたコネクタユニット34とを備える。
筐体31の内部には、電源としての電池32と、体内の組織に電気的刺激を与えるための駆動波形を生成する制御回路33とが収容されている。また、筐体31には、コネクタユニット34に向けられた面に貫通孔が形成され、この貫通孔に後述する気密端子56が取り付けられている。
筐体31は、生体適合性が高い材料によって形成されている。具体的には、筐体31の材料としては、チタンやタンタル、ステンレス鋼、あるいはこれらの合金を挙げることができる。また、本実施形態では、筐体31は導体からなり、電気治療装置1の制御回路33のグラウンド電位と同電位となるように制御回路33と電気的に接続されている。
制御回路33は、電位センサー12からの電気信号(第一電気信号)に基づいて心電図を検出する検出回路、心電図に基づいて心臓100の状態を判定する判定回路、判定回路における判定に基づいてペーシング電極13にペーシングのための電気信号(第二電気信号)を出力する第一の出力部、電気エネルギを蓄えるコンデンサ、コンデンサからの電気エネルギを放出して除細動電極20に対して電気エネルギを出力する除細動駆動回路等の各種構成(いずれも不図示)を内部に備える。
図4は、電気治療装置1における本体30の正面図である。
図1および図4に示すように、コネクタユニット34は、複数の医療機器用コネクタ35(単極コネクタ36、双極コネクタ42)と、単極端子25および双極端子14を差し込むための差込口55が形成されたハウジング54と、ハウジング54と筐体31との気密を維持しつつ医療機器用コネクタ35と制御回路33とを導通させる気密端子56とを備える。また、本実施形態では、コネクタユニット34は、単極コネクタ36および双極コネクタ42と、気密端子56とからなる入出力系統を2系統有しており、2系統の入出力系統は互いに独立して動作できるように構成されている。以下では、2系統のうちの1系統についてのみ説明するが、他方の入出力系統についてもその構成、作用、および効果は同様である。
医療機器用コネクタ35は、除細動リード23の単極端子25を接続可能な単極コネクタ36と、ペーシングリード10の双極端子14を接続可能な双極コネクタ42とを備える。
図5は、図4のA−A線における断面図である。図6は、図5のB−B線における断面図である。図7は、図6において符号Xで示す部分を拡大して示す部分断面図である。
図4ないし図6に示すように、単極コネクタ36は、単極端子25を内部に挿通可能なリングスリーブ37と、支持体38と、ネジ41と、ハウジング54の一部として形成された保持枠とを備える。
リングスリーブ37は、円筒形状に形成された導体であり、単極端子25(図3参照)の接点部26に接触して支持体38と単極端子25とを導通させる目的で設けられたものである。リングスリーブ37の内径は、接点部26の外径よりもわずかに大きく、リングスリーブ37の内面のうちリングスリーブ37の中心軸線方向の両端は面取りされている。
本実施形態では、リングスリーブ37は、弾性変形可能であって厚さが0.3mm以下の金属パイプによって形成されている。リングスリーブ37は、電気治療装置1の使用時に体内臓器に直接触れたり体液が接触したりする可能性が低い部材ではあるが、体内に留置可能な生体適合性が高い材質からなることが好ましい。本実施形態では、リングスリーブ37は、ステンレス鋼によって形成されている。
図5および図6に示すように、支持体38は、リングスリーブ37の外径と略同径の内径を有する貫通孔39と、貫通孔39の中心軸線と交差する方向に延び支持体38の外面と貫通孔39の内面とにそれぞれ開口されたネジ孔40とが形成された導体である。また、支持体38は、貫通孔39の中心軸線が差込口55の中心軸線と同軸となり、ネジ孔40がハウジング54の外部に露出するようにハウジング54に固定されている。
支持体38の外面には、除細動リード23を通じて除細動電極20へ電気エネルギを出力するための信号線11cの一端がレーザー溶接によって固定されている。なお、信号線11cの他端は気密端子56(図1参照)にレーザー溶接によって接続されている。また、貫通孔39の内部にはリングスリーブ37が僅かな隙間を空けて挿入されている。さらに、ネジ孔40には、リングスリーブ37の外面に当接可能な先端部41aを有するネジ41がねじ込まれている。
図7に示すように、ネジ41は、例えば六角ボルトによって締め付ける六角穴付き止めネジである。ネジ41の材質としては、生体適合性が高い材質であることが好ましく、たとえばステンレス鋼やチタン、あるいはチタン合金などを採用することができる。ネジ41の材料として金属を採用した場合には、たとえばネジ41を強く締めすぎた場合でもネジ41の破片が飛散することがないので安全性が高い。
なお、ネジ41の形状はこれに限られず、六角穴付き止めネジ以外の公知の構造のネジを適宜採用することができる。たとえば、マイナスドライバーによって締め付け可能なすりわり付き止めネジなどを採用してもよい。
図8は、図4のC−C線における断面図である。図9は、図8のD−D線における断面図である。
図4、図5、図8および図9に示すように、双極コネクタ42は、双極端子14を内部に挿通可能なリングスリーブ43(第一スリーブ44、第二スリーブ45)と、第一支持体46および第二支持体50と、第一ネジ49および第二ネジ53と、ハウジング54の一部として形成された保持枠とを備える。
図5および図9に示すように、第一スリーブ44は、円筒形状に形成された導体であり、図2(A)に示す双極端子14が差し込まれたときに第一接点部15が内部に配置されるようになっている。第一スリーブ44の内径は、第一接点部15の外径よりもわずかに大きく、第一スリーブ44の内面のうち第一スリーブ44の中心軸線方向の両端は面取りされている。
図8および図9に示すように、第二スリーブ45は、円筒形状に形成された導体であり、図2(A)に示す双極端子14が差し込まれたときに第二接点部16が内部に配置されるようになっている。第二スリーブ45の内径は、第二接点部16の外径よりもわずかに大きく、第二スリーブ45の内面のうち第二スリーブ45の中心軸線方向の両端は面取りされている。
第一スリーブ44と第二スリーブ45とは、電気治療装置1の使用時に体内臓器に直接触れたり体液が接触したりする可能性が低い部材ではあるが、何れも体内に留置可能な生体適合性が高い材質からなることが好ましい。本実施形態では、第一スリーブ44および第二スリーブ45は、ステンレス鋼によって形成されている。
図5および図9に示すように、第一支持体46は、第一スリーブ44の外径よりも僅かに大きな内径を有する第一貫通孔47と、第一貫通孔47の中心軸線と交差する方向に延び第一支持体46の外面と第一貫通孔47の内面とにそれぞれ開口された第一ネジ孔48とが形成された導体である。また、第一支持体46は、第一貫通孔47の中心軸線が差込口55の中心軸線と同軸となり、第一ネジ孔48がハウジング54の外部に露出するようにハウジング54に固定されている。
第一支持体46の外面には、ペーシングリード10の電位センサー12から信号線11aを通じて出力された電気信号(第一電気信号)を図1に示す本体30内の制御回路33へ中継するための信号線11d(第一信号線)の一端がレーザー溶接によって固定されている。なお、信号線11dの他端は、図1に示す気密端子56にレーザー溶接によって接続されている。また、第一貫通孔47の内部には第一スリーブ44が僅かな隙間を空けて挿入されている。さらに、ネジ孔40には、第一スリーブ44の外面に当接可能な先端部49aを有する第一ネジ49がねじ込まれている。
第一ネジ孔48および第一ネジ49は、例えば上述のネジ孔40およびネジ41と同様の構成とすることができる。
図8および図9に示すように、第二支持体50は、第二スリーブ45の外径よりも僅かに大きな内径を有する第二貫通孔51と、第二貫通孔51の中心軸線と交差する方向に延び第二支持体50の外面と第二貫通孔51の内面とにそれぞれ開口された第二ネジ孔52が形成された導体である。また、第二支持体50は、第二貫通孔51の中心軸線が差込口55の中心軸線と同軸となり、第二ネジ孔52がハウジング54の外部に露出するようにハウジング54に固定されている。
第二支持体50の外面には、ペーシングリード10(図2(B)参照)の信号線11bを通じてペーシング電極13にペーシングのための電気信号(第二電気信号)を出力するための信号線11e(第二信号線)の一端がレーザー溶接によって固定されている。なお、信号線11eの他端は、図1に示す気密端子56にレーザー溶接によって接続されている。第二支持体50の第二貫通孔51の内部には、第二スリーブ45が僅かな隙間を空けて挿入されている。さらに、第二ネジ孔52には、第二スリーブ45の外面に当接可能な先端部53aを有する第二ネジ53がねじ込まれている。
本実施形態では、第二支持体50に形成された第二ネジ孔52は、単極コネクタ36の支持体38および双極コネクタ42の第一支持体46に形成されたネジ孔40および第一ネジ孔48と同形状となっており、ネジ41および第一ネジ49と同形同大の第二ネジ53が第二支持体50の第二ネジ孔52にねじ込まれている。なお、単極コネクタ36におけるネジ孔40およびネジ41の形状と、双極コネクタ42における第一ネジ孔48および第二ネジ孔52並びに第一ネジ49および第二ネジ53の形状とを互いに同形同大とすると、締め付け工具が1種類で済むので、取付作業を容易とすることができる。
図5および図8に示すように、ハウジング54は、絶縁性を有しており、単極コネクタ36の支持体38と双極コネクタ42の第一支持体46および第二支持体50とを互いに絶縁状態で保持する保持枠として機能している。また、図6および図9に示すように、ハウジング54には、単極コネクタ36および双極コネクタ42にそれぞれ連通するための複数の差込口55が形成されている。
また、電気治療装置1の使用時に使用されない差込口55には、図示しないキャップを取り付けることができるようになっている。このため、電気治療装置1の使用時には、ハウジング54内は水密状態とすることができる。本実施形態では、ハウジング54は、シリコンやポリウレタンなどの絶縁性があり、体内留置に際して問題がない生体適合性のある樹脂によって一体成型されている。
図1に示すように、気密端子56は、ペーシングのための第一電気信号および第二電気信号を送受信するための信号用リード57と、除細動のための電気エネルギを出力するための電力用リード58と、信号用リード57および電力用リード58を絶縁状態で保持する保持部材59とを有している。気密端子56は、一端がハウジング54内に配置され、他端が筐体31内に配置されている。気密端子56の他端は、制御回路33に接続されている。
以上に説明した構成の医療機器用コネクタ35および電気治療装置1の作用について説明する。図10および図11は、電気治療装置1の使用時における医療機器用コネクタ35の作用を説明するための模式図である。
電気治療装置1の使用時には、図1に示すように、第一電極21および第二電極22は、処置の対象となる心臓100の左右の心室にそれぞれ取り付けられる。さらに、ペーシングリード10は、心臓100右室に挿入され、電位センサー12およびペーシング電極13が適切な位置に配置される。
ペーシングリード10および除細動電極20を心臓100に取り付けた後、除細動リード23の単極端子25とペーシングリード10の双極端子14とをそれぞれコネクタユニット34に固定する。
除細動リード23の単極端子25をコネクタユニット34に固定するためには、まず、図1に示すように、単極端子25を差込口55に挿入する。図10に示すように、単極コネクタ36の支持体38に形成された貫通孔39の内面とリングスリーブ37の外面との間、およびリングスリーブ37の内面と接点部26の外面との間には、それぞれ僅かな隙間がある。このため、差込口55に単極端子25を挿入したときに、接点部26を容易にリングスリーブ37に挿入することができる。
次に、単極端子25が差込口55から奥まで差し込まれた状態で、術者によってネジ41がネジ孔40にねじ込まれる。図11に示すように、ネジ41がねじ込まれると、ネジ41の先端部41aは、リングスリーブ37の外面に当接する。ネジ41がさらにねじ込まれると、リングスリーブ37においてネジ41の先端部41aが当接した部分は径方向内側へと押圧される。
筒状に形成されたリングスリーブ37において外面の一部の点P1が径方向内側へ押圧されると、まず、リングスリーブ37は、リングスリーブ37をその中心軸線方向から見たときにその中心軸線を間に挟んでネジ41が当接した部分と反対側である点P2が支持体38の貫通孔39の内面に当接する。さらに、リングスリーブ37は、リングスリーブ37の径方向のうちネジ41の進行方向に直交する方向の寸法が広がるように潰される。このように、リングスリーブ37の外面は、支持体38の内面に押し付けられる。さらに、リングスリーブ37の内面のうち、ネジ41の先端部が当接した位置と厚さ方向で反対側にあたる点P3は、リングスリーブ37の径方向内側へ隆起するように変形し、接点部26の外面に押し付けられる。
なお、図10および図11においては、理解を容易にするためにリングスリーブ37の変形量を誇張して図示している。実際には、支持体38と接点部26との間の隙間の大きさは、リングスリーブ37が僅かに移動できる程度の大きさである。このため、リングスリーブ37の変形量は、リングスリーブ37が弾性変形可能な範囲内の変形量になっている。すなわち、ネジ41をねじ込み、ネジ41の尖端部41aをリングスリーブ37に押し付けたときに、リングスリーブ37が塑性変形することはない。
このように、ネジ41を締め付けることにより、接点部26とリングスリーブ37と支持体38とは互いに密着し、電気的に接続されるとともに機械的に固定される。このとき、リングスリーブ37は、接点部26の外面に沿って接点部26を包み込むように変形し、接点部26の外面と面接触している。
ペーシングリード10の双極端子14をコネクタユニット34に固定するためには、図1に示すように、双極端子14を差込口55に挿入する。挿入口から奥まで双極端子14が差し込まれると、双極端子14の第一接点部15は、双極コネクタ42における第二スリーブ45の内部を通過して第一スリーブ44に挿入される。また、このとき、双極端子14の第二接点部16は、双極コネクタ42の第二スリーブ45内に位置する。
双極端子14の固定時における双極コネクタ42の作用は、上述の単極端子25の固定時における単極コネクタ36の作用と共通している。以下、図10、図11を援用して双極コネクタ42の作用を説明する。
貫通孔39の内面と第一スリーブ44の外面との間、および第一スリーブ44の内面と第一接点部15の外面との間には、それぞれ僅かな隙間がある。同様に、貫通孔39の内面と第二スリーブ45の外面との間、および第二スリーブ45の内面と第二接点部16の外面との間には、それぞれ僅かな隙間がある。このため、差込口55に双極端子14を挿入したときに、第一接点部15および第二接点部16をそれぞれ容易に第一スリーブ44および第二スリーブ45に挿入することができる。
次に、双極端子14が双極コネクタ42の奥まで差し込まれた状態で、第一ネジ49および第二ネジ53が術者によって締め付けられる。図10および図11に示すように、第一ネジ49および第二ネジ53が締め付けられることにより、単極端子25におけるリングスリーブ37および支持体38の作用と同様の作用により、双極端子14は、双極コネクタ42に電気的に接続され、且つ双極コネクタ42に機械的に固定される。
単極端子25および双極端子14がコネクタユニット34に固定されたら、除細動リード23およびペーシングリード10における余分な部分を本体30の外周に巻きつけるなどの適宜の処置をして、本体30を皮下に植え込む。本体30を植え込む位置は、必要に応じて適宜の位置とすることができる。たとえば、患者の胸部、上腹部、あるいは腋下などの皮下に本体30は植え込まれる。
以上で電気治療装置1の取り付けは終了する。
図1に示すように電気治療装置1が心臓100に取り付けられた後、電気治療装置1の動作時には、電気治療装置1の制御回路33は、電位センサー12からの電位変化を示す第一電気信号を受け付けて記憶する。また、制御回路33は、患者の心臓100において頻脈あるいは徐脈などの異常が生じた場合にこれらの異常を判定し、ペーシングのための第二電気信号をペーシング電極13へ出力する。
また、患者の心臓100において心室細動が生じた場合には、心室細動が生じていることを制御回路33が判定し、コンデンサに電気エネルギを蓄え、この電気エネルギを第一電極21および第二電極22へ出力する。
電気治療装置1が患者の体内に植え込まれて使用されている間は、患者が体を動かしたり、心臓100が拍動したりすることにより、除細動リード23およびペーシングリード10とコネクタユニット34との接続部分には振動が伝わる。本実施形態では、除細動リード23の単極端子25およびペーシングリード10の双極端子14は、いずれもコネクタユニット34に対して機械的に固定されているので、これらの振動が伝わっても、除細動リード23の単極端子25およびペーシングリード10の双極端子14がコネクタユニット34から外れることがない。
次に、ペーシングリード10あるいは除細動リード23、またはその両方を本体30から取り外す場合についての本実施形態の医療機器用コネクタ35の作用を説明する。
例えば電気治療装置1の本体30の電池容量が低下した場合には、本体30を体外に取り出し、新たな本体30に取り替えることがある。このとき、術者は、皮下に植え込んだ本体30を取り出し、まず、単極コネクタ36におけるネジ41を緩める。すると、ネジ41を緩めたときには、リングスリーブ37は元の筒状(図10参照)に復元し、接点部26の締付が解かれる。また、接点部26の締付が解けたあとでは、支持体38の貫通孔39の内面とリングスリーブ37の外面との間の隙間の範囲内でリングスリーブ37は自由に動くので、術者は、単極端子25を挿入口から容易に抜くことができる。
続いて、術者は、双極コネクタ42における第一ネジ49および第二ネジ53を緩める。すると、第一ネジ49を緩めたときには、第一スリーブ44は元の筒状に復元し、第一接点部15の締付が解かれる。また、第二ネジ53を緩めたときには、第二スリーブ45は元の筒状(図10参照)に復元し、第二接点部16の締付が解かれる。これにより、単極端子25と同様に、術者は双極端子14を容易に挿入口から抜くことができる。
その後、新たな本体30に対して除細動リード23およびペーシングリード10を固定する。固定方法については上述した初回の植え込み時と同様であるので省略する。
新たな本体30に対して除細動リード23およびペーシングリード10が固定されたら、新たな本体30を皮下に植え込み、本体30の交換を終了する。
以上説明したように、本実施形態の医療機器用コネクタ35および電気治療装置1によれば、リングスリーブ37の内面が隆起して接点部26に押し付けられるので、接点部26の外面にはリングスリーブ37の内面が面接触するようになっている。このため、接点部26の外面にネジ41などを直接当接させる場合と比較して、ネジ41を回転させることによって接点部26の外面が削られたり、接点部26のごく狭い領域に強い押圧力がかかって接点部26が変形したりするのを抑えることができる。これにより、単極端子25が挿入口から抜去できなくなることを防止しつつ単極端子25を単極コネクタ36に確実に固定できる。
双極コネクタ42についても同様の作用によって、双極端子14が挿入口から抜去できなくなることを防止しつつ双極端子14を双極コネクタ42に確実に固定できる。
また、支持体38に形成された貫通孔39によってリングスリーブ37の変形量が規制されているので、ネジ41をねじ込む力が強すぎた場合であっても、接点部26が変形したり、接点部26の外面に傷が付くのを抑えることができるという効果を奏する。双極コネクタ42についても、第一支持体46に形成された第一貫通孔47および第二支持体50に形成された第二貫通孔51によって、同様の効果を奏する。
また、支持体38に形成された貫通孔39の内部にリングスリーブ37が挿入され、貫通孔39の内面とリングスリーブ37の外面との間に僅かに隙間があるので、単極コネクタ36を製造する上での公差や軸ズレや歪み等があっても、単極端子25を容易に抜き差しすることができるという効果を奏する。また、双極コネクタ42についても同様の効果を奏する。
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置について説明する。図12は、本実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置を示す図で、図8のD−D線と同様の断面指示線で断面視した図である。図13は、図12において符号Yで示す部分の斜視図である。
図12に示すように、本実施形態では、双極コネクタ42に代えて双極コネクタ42Aを備える点において上述の第1実施形態と構成が異なっている。
双極コネクタ42Aは、第1実施形態で説明した第二支持体50に代えて、第二ネジ孔52が形成されていない導通部材50Aを有し、第二スリーブ45に代えて、導電性弾性ゴム部材45Aを有する。
図12および図13に示すように、導通部材50Aは、双極端子14の第二接点部16の外径より僅かに大きな内径を有する第二貫通孔51Aが形成され、第二貫通孔51Aの内面には、導電性弾性ゴム部材45Aの外面が嵌合する溝が形成されている。第二貫通孔51Aに形成された溝の内面と導電性弾性ゴム部材45Aとは面接触している。導通部材50Aは、第二支持体50と同様の材料によって形成されている。また、導通部材50Aの外面には上述の信号線11eがたとえばレーザー溶接によって固定されている。
導電性弾性ゴム部材45Aは、たとえば金属粉末を含むシリコンゴムなど、導電性と弾性とを有するものであり、体内留置に際して問題がない生体適合性のある金属およびゴム材を適宜選択して採用することができる。導電性弾性ゴム部材45Aは、ペーシングリード10の第二接点部16の外径より僅かに内径が小さい環状に形成されており、第二貫通孔51Aの内部に収容されている。これにより、ペーシングリード10の双極端子14が挿入口から差し込まれたときに、導電性弾性ゴム部材45Aの内面は、第二接点部16によって押し広げられ、第二接点部16の外面に密着するようになっている。
本実施形態では、導電性弾性ゴム部材45Aが第二接点部16の外面に密着することによって、導通部材50A、導電性弾性ゴム部材45A、および第二接点部16が導通する。また、このとき、導電性弾性ゴム部材45Aによって差込口55は水密にふさがれる。
さらに、本実施形態では、双極端子14のうち第一接点部15が第一ネジ49および第一スリーブ44によって固定されている。これにより、第一ネジ49を緩めない限り、双極端子14は双極コネクタ42から外れることがない。
また、第一ネジ49と第二ネジ53とをそれぞれ締め付ける必要があった上述の第1実施形態の双極コネクタ42と比較して、本実施形態ではより短時間で双極端子14の着脱をすることができる。このため、手術時間を短縮することができ、患者への負担を軽減できる。
また、弾性を有する導電性弾性ゴム部材45A内に第二接点部16が挿入されるので、双極コネクタ42Aを製造する上での公差や軸ズレや歪み等があっても、導電性弾性ゴム部材45Aが弾性変形することによって公差や軸ズレや歪み等を吸収し、双極端子14を容易に抜き差しすることができるという効果を奏する。
(変形例)
次に、上述の第2実施形態の変形例について説明する。図14は、本変形例の医療機器用コネクタ35および電気治療装置1を示す図で、図8のD−D線と同様の断面指示線で断面視した図である。
図14に示すように、本変形例では、双極コネクタ42に代えて双極コネクタ42Bを備える点において上述の第1実施形態と構成が異なっている。
双極コネクタ42Bは、第1実施形態で説明した第一支持体46に代えて、第一ネジ孔48が形成されていない導通部材46Bを有し、第一スリーブ44に代えて、導電性ゴムによって形成された導電性弾性ゴム部材44Bを有する。
導通部材46Bは、双極端子14の第一接点部15の外径より僅かに大きな内径を有する第一貫通孔47Bが形成され、第一貫通孔47Bの内面には、導電性弾性ゴム部材44Bの外面が嵌合する溝が形成されている。第一貫通孔47Bに形成された溝の内面と導電性弾性ゴム部材44Bとは面接触している。導通部材46Bは、第一支持体46と同様の材料によって形成されている。また、導通部材46Bの外面には上述の信号線11dがたとえばレーザー溶接によって固定されている。
導電性弾性ゴム部材44Bは、ペーシングリード10の第一接点部15の外径より僅かに内径が小さい環状に形成されており、貫通孔39の内部に収容されている。これにより、ペーシングリード10の双極端子14が挿入口から差し込まれたときに、導電性弾性ゴム部材44Bの内面は、第一接点部15によって押し広げられ、第一接点部15の外面に密着するようになっている。
本変形例では、双極端子14のうち第二接点部16が第二ネジ53および第二スリーブ45によって固定されている。これにより、第二ネジ53を緩めない限り、双極端子14は双極コネクタ42Bから外れることがない。また、上述の第2実施形態で説明した双極コネクタ42Aと同様に、本変形例の双極コネクタ42Bは、第一ネジ49と第二ネジ53とを締め付ける必要があった上述の第1実施形態の双極コネクタ42と比較して、より短時間で双極端子14の着脱をすることができる。このため、手術時間を短縮することができ、患者への負担を軽減できる。
また、弾性を有する導電性弾性ゴム部材44B内に第一接点部15が挿入されるので、双極コネクタ42Bを製造する上での公差や軸ズレや歪み等があっても、導電性弾性ゴム部材44Bが弾性変形することによって公差や軸ズレや歪み等を吸収し、双極端子14を容易に抜き差しすることができるという効果を奏する。
また、本変形例では、第一接点部15よりも外径が大きな第二接点部16において双極端子14のネジ止めによる固定を行っているので、ネジ止めによって第二接点部16にかかる力は、第一接点部15においてネジ止めする場合に第一接点部15にかかる力よりも分散される。このため、双極端子14が傷ついたり変形したりする可能性をより抑えることができる。
(第3実施形態)
次に、本発明の第3実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置について説明する。図15は、本実施形態の医療機器用コネクタおよび電気治療装置を示す図で、図8のD−D線と同様の断面指示線で断面視した図である。図16は、図15において符号Zで示す部分の部分断面図である。
図15に示すように、本実施形態では、双極コネクタ42に代えて双極コネクタ42Cを備える点において上述の第1実施形態と構成が異なっている。
双極コネクタ42Cは、第1実施形態で説明した第二支持体50に代えて、第二ネジ孔52が形成されていない導通部材50Cを有し、第二スリーブ45に代えて、導電性弾性バネ部材45Cを有する。
導通部材50Cは、円筒形状に形成された導体からなり、導通部材50Cの外面には信号線11eがたとえばレーザー溶接によって固定されている。導通部材50Cの内径は、ハウジング54に形成された差込口55の開口の内径よりも大きくなっている。また、差込口55の内面と導通部材50Cの内面との間には段差がある。
図15および図16に示すように、導電性弾性バネ部材45Cは、導通部材50Cの内部に配置された導体である。導電性弾性バネ部材45Cは、その最大外径が導通部材50Cの内径と略同一で差込口55の内径よりも大きな略円筒状である。また、導電性弾性バネ部材45Cの外壁は、導電性弾性バネ部材45Cの中心軸線方向における中間部において、ペーシングリード10の第二接点部16の外径よりも内径が小さくなるように縮径されている。導電性バネ部材Cにおいて縮径された部分は、第二接点部16の外面と当接し、導電性弾性バネ部材45Cのばね性によって第二接点部16の外面に押し付けられるようになっている。さらに、導電性弾性バネ部材45Cは、導電性弾性バネ部材45Cの径方向に対向する2箇所において、導電性弾性バネ部材45Cの外壁が差込口55の開口に近い側の端から中間部に向かって切り取られた形状に形成されている。
導電性弾性バネ部材45Cにおいて差込口55の中心軸線方向の両端は、導通部材50Cの内面と差込口55の内面との間に生じた段に引っかかるようになっており、差込口55の開口から導電性弾性バネ部材45Cが抜けないようになっている。
導電性弾性バネ部材45Cの材質としては、ばね性を有し生体適合性を有する金属材料を適宜選択して採用することができる。本実施形態では、導電性弾性バネ部材45Cはステンレス鋼によって形成されている。
本実施形態では、双極コネクタ42Cの第一スリーブ44にはペーシングリード10の第一接点部15が接続され、双極コネクタ42Cの導電性弾性バネ部材45Cの内部には第二接点部16が配置される。このとき、第二接点部16の外面と導電性弾性バネ部材45Cの当接部とが接触し、第二接点部16の外面によって導電性弾性バネ部材45Cにおける差込口55の開口に近い側の端は径方向外側へと押し広げられる。これにより、導電性弾性バネ部材45Cは導通部材50Cの内周面に押し付けられる。
このように、本実施形態では、導電性弾性バネ部材45Cが第二接点部16の外面によって押し広げられることによって、第二接点部16、導電性弾性バネ部材45C、および導通部材50Cは互いに密着して導通するようになっている。
また、本実施形態でも、第一接点部15は、第1実施形態と同様に第一スリーブ44、第一支持体46、および第一ネジ49によって締付けられて固定されている。
本実施形態では、弾性を有する導電性弾性バネ部材45C内に第二接点部16が挿入されるので、双極コネクタ42Cを製造する上での公差や軸ズレや歪み等があっても、導電性弾性バネ部材45Cが弾性変形することによって公差や軸ズレや歪み等を吸収し、双極端子14を容易に抜き差しすることができるという効果を奏する。
また、導電性弾性バネ部材45Cが例えばステンレス鋼などの金属製であるので、上述の導電性弾性ゴム部材45Aを採用する場合と比較して電気抵抗を少なくすることができるという効果を奏する。
以上、本発明の実施形態について図面を参照して詳述したが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等も含まれる。
たとえば、上述の第1実施形態で説明したリングスリーブ37、第一スリーブ44、および第二スリーブ45の形状の設計変更の例として、図17、図18、および図19に示すような形状とすることができる。
図17に符号60で示すように、上述の各スリーブの形状としては、それらの中心軸線方向に長い長円形の開口を有する貫通孔61が外壁に複数形成されたものであってもよい。
また、図18に符号62で示すように、上述の各スリーブの形状としては、外壁の一部において中心軸線方向に細長く切り取られ、径方向の断面視でC字状に形成されたものであってもよい。
また、図19に符号63で示すように、上述の各スリーブの形状としては、これらのスリーブの外壁のうち中心軸線方向から見たときに対向する2箇所にそれぞれ切欠64が形成されたものであってもよい。
また、双極端子14を双極コネクタ42に固定する工程は、単極端子25を単極コネクタ36に固定する工程の前に行われてもよい。また、双極端子14を双極コネクタ42から取り外す工程は、単極端子25を単極コネクタ36から取り外す工程の前に行われてもよい。
また、支持体38、第一支持体46、および第二支持体50と気密端子56とを接続する信号線11c、11d、11eは、レーザー溶接以外の接続方法によって接続されていても構わない。生体に対する適合性としてはレーザー溶接を用いることが好ましいが、たとえば、支持体38、第一支持体46、および第二支持体50と気密端子56とを接続するために、半田付け、溶着、あるいはその他の溶接方法などを適宜採用して各信号線11を接続してもよい。
また、上述の各実施形態およびその変形例において示した構成要素は適宜に組み合わせて構成することが可能である。
1 電気治療装置
11c 信号線
11d 信号線(第一信号線)
11e 信号線(第二信号線)
15 第一接点部
16 第二接点部
14 双極端子
25 単極端子
35 医療機器用コネクタ
37 リングスリーブ
38 支持体
39 貫通孔
40 ネジ孔
41 ネジ
41a 先端部
55 差込口
54 ハウジング
44 第一スリーブ
45 第二スリーブ
45A、45B 導電性弾性ゴム部材
45C 導電性弾性バネ部材
46 第一支持体
49 第一ネジ
50 第二支持体
50A、50C 導通部材
53 第二ネジ

Claims (5)

  1. 体内の組織に電気刺激を伝達するリード線の端子と体内植え込み型の電気治療装置とを接続するための医療機器用コネクタであって、
    前記端子を内部に挿通可能なリングスリーブと、
    前記リングスリーブの外径と略同径の内径を有する貫通孔、および前記貫通孔の中心軸線と交差する方向に延び前記貫通孔の内面に開口されたネジ孔が形成され、前記リード線に電気信号を出力するための信号線が外面に固定された導体からなり、前記貫通孔の内部に前記リングスリーブが配置された支持体と、
    前記ネジ孔にねじ込まれ、前記リングスリーブの外面に当接可能な先端部を有するネジと、
    前記端子が挿通可能であり前記リングスリーブの外径より小さな内径の差込口が形成され、前記貫通孔の中心軸線が前記差込口の中心軸線と略同軸となるように前記支持体を保持する絶縁体からなる保持枠と、
    を備え、
    前記ネジを前記ネジ孔にねじ込むことにより前記ネジの先端部によって前記リングスリーブが変形し、前記差込口から差し込まれた前記端子の外面に前記リングスリーブの内周面の少なくとも一部が押し付けられることを特徴とする医療機器用コネクタ。
  2. 前記端子は、互いに絶縁された第一接点部および第二接点部を有し、
    前記リングスリーブは、
    前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第一接点部が内部に配置される第一スリーブと、
    前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第二接点部が内部に配置される第二スリーブと、
    を有し、
    前記支持体は、
    前記貫通孔および前記ネジ孔を有し前記第一スリーブが配置された第一支持体と、
    前記貫通孔および前記ネジ孔を有し前記第二スリーブが配置された第二支持体と、
    を有し、
    前記ネジは、
    前記第一支持体のネジ孔に配置された第一ネジと、
    前記第二支持体のネジ孔に配置された第二ネジと、
    を有し、
    前記第一支持体には、前記信号線であって前記電気信号のうち第一電気信号を送受信するための第一信号線が固定され、
    前記第二支持体には、前記信号線であって前記電気信号のうち前記第一電気信号と異なる第二電気信号を送受信するための第二信号線が固定されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器用コネクタ。
  3. 前記端子は互いに絶縁された第一接点部および第二接点部を有し、
    前記リングスリーブは、前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか一方が内部に配置されるように1つ設けられ、
    前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか他方の外面に接触可能な導電性弾性ゴム部材、および前記導電性弾性ゴム部材を内部に収容可能な貫通孔を有しているとともに前記電気信号とは異なる第二電気信号を前記第二接点部を介して前記リード線に出力するための第二信号線が外面に固定された導体からなる導通部材をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器用コネクタ。
  4. 前記端子は互いに絶縁された第一接点部および第二接点部を有し、
    前記リングスリーブは、前記端子が前記差込口から差し込まれたときに前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか一方が内部に配置されるように1つ設けられ、
    前記第一接点部と前記第二接点部とのいずれか他方の外面に接触可能な導電性弾性バネ部材、および前記導電性弾性バネ部材を内部に収容可能な貫通孔を有しているとともに前記電気信号とは異なる第二電気信号を前記第二接点部を介して前記リード線に出力するための第二信号線が外面に固定された導体からなる導通部材をさらに備える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の医療機器用コネクタ。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の医療機器用コネクタを備える電気治療装置。
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