以下、本発明の種々の実施例を図面に従い順次説明する。本明細書において、コネクションとセッションは、いずれも端末とネットワークの間の認証や位置登録といった基本的な接続を示す。本明細書では、LTEのメッセージ名の関係で、端末と直接やり取りする場合はコネクション、上位ノード間でやり取りする場合はセッションと表現する。なお、本明細書において、各実施例のシステムの処理フローを説明するためフローチャートを用いるが、フローチャートの数番は、動作フローの各動作、ステップ、命令等を示している。
図2A及び図2Bは、第一の実施例に係る無線通信システムを説明するための図である。図2Aに、無線通信システムの一般的なネットワーク構成を示す。端末102がコアネットワーク201と無線通信コネクションを確立する際、その間には基地局101の他に移動管理ノード204とゲートウェイ装置203が介在する。端末102は第一の基地局101を通りコアネットワーク201へ至る第一の経路でコネクションを確立済みとする。この時、端末102が更に第二の基地局202を通りコアネットワークへ至る第二の経路でコネクションの確立要求を行った場合、従来のシステムでは、移動管理ノード204が既存の第一の経路のコネクションを削除する。これにより、端末102とネットワークのコネクションが最大1つに制限され、端末102が複数の基地局の通信エリアを、ネットワークに対する通知なく移動した場合でも、使用が期待できない過去のエリアの通信コネクションを削除できる。ただし、端末102が同時に複数のコネクションを確立することが許可されないため、例えばリレー局のように殆ど移動を行わないものが、複数の親基地局との間にコネクションを確立する動作が実現できない。
そこで、第一の実施例では、このような複数のコネクションの同時利用を見込む端末102が、複数のコネクションを確立することを可能にする。具体的には、端末102からのコネクション確立要求に、既存のコネクションを削除しないことを要求する“複製要求”の情報を追加する。
図2Bに、第一の実施例における移動管理ノード204の動作フローチャートを示す。端末からのコネクション確立要求を受けた際(205)、移動管理ノードはまず複製要求の有無を判定し(206)、複製要求がない場合は通常通り既存のコネクションを削除する(207,208)。一方、複製要求がある場合はこれらの動作をスキップし、ゲートウェイ装置に対して新規のコネクション確立を要求する(209)。
以上説明した第一の実施例により、例えばリレー局や殆ど移動しない端末が、複製要求を設定することで複数のコネクションを確立できるようになる。ソフトハンドオーバと異なり、別々のコネクションでは独立のデータ送信もできるため、無線リソースの利用効率の劣化を最小限に抑えつつ、これらの端末の通信を安定化することができる。なお、移動管理ノードやゲートウェイ装置が第一と第二の経路で共通の場合を例に説明したが、別々の場合でもそれらの間で通信が可能であれば、同様の制御が可能である。
以上説明した実施例1の基本構成を、LTEのシステムに適用する場合の各種の実施例を、第二から第六の実施例として説明する。まず、第二から第六の実施例を説明するにあたり、まずLTE−Aで現在想定されるリレー局を含むシステムの構成を、図3〜図14を用いて説明する。
上述の通り、コネクションとセッションはいずれも端末とネットワークの間の認証や位置登録といった基本的な接続を示し、LTEのメッセージ名の関係で、端末と直接やり取りする場合はコネクション、上位ノード間でやり取りする場合はセッションと表現する。
図3にLTEのネットワーク構成を示す。端末102がコアネットワーク301とコネクションを確立する際、その間には基地局101の他にMME(Mobility Management Entity)302、SGW(Serving Gateway)303、PGW(Packet Data Network Gateway)304が介在する。MME302は端末の移動管理のためのノードであり、端末が基地局間を移動した場合のコネクションの維持を行う。SGW303は無線通信システム内の移動を終端するためのノードであり、複数の基地局を配下に置くことで、SGWのエリア内を端末が移動した場合の通信の継続性を制御する。PGW304はコアネットワークに対するゲートウェイであり、端末とコアネットワークの間のコネクション管理を行う。1つの基地局は1つのSGWとMMEに、1つのSGWは1つのMMEに接続している。ただし、1つのMMEに複数のSGWが接続することや、1つのSGWに複数の基地局が接続することは可能である。
図4に、上記の構成において、端末がネットワークとコネクションを確立する際の動作シーケンスを示す。端末102は最初に基地局101との間で無線コネクションを確立する(401)。無線コネクション確立後、端末102はまずMMEを宛先としてコネクション確立要求(Attach Request)402を通知する。コネクション確立要求402はNAS(Non−Access Stratum)メッセージの形で通知され、基地局101は直接の処理を行わずに、無線コネクション確立後初めての端末からのメッセージであることを示すUE Initial MessageとしてMME302へと転送する(403)。
図5に、コネクション確立要求402の例として、必須の内容を示す。必須のフィールドは、L3メッセージとしてのヘッダ501、コネクション確立の目的502、端末のID503、端末の無線・ネットワークレベルの機能サポート情報504の4つに大別される。端末ID503において、端末はMMEに接続した場合に与えられる一時的なIDであるGUTI(Globally Unique Temporary Identity)を所持していればGUTIを、所持していなければIMSI(International Mobile Subscriber Identity)を通知する。コネクション確立要求402を受信したMME(図4における new MME)は、端末ID503がGUTIであるか否かにより、端末が新規にコアネットワークとコネクションを確立するのか、既にどこかのMME経由でコネクションを確立済であるのかを判断する。
コネクション確立要求402を受けたMMEは、まずネットワーク側のノードであるHSS(Home Subscriber Server)との間で端末の認証を行い(404)、暗号化が行われていなければ、端末に対して暗号化のパラメータを設定する(405)。以上の後、MMEはコネクション確立要求402の端末ID503から既存のコネクションの有無を判定し(406)、既存のコネクションが存在する場合は削除する。端末IDがGUTIを示し、端末がGUTIを取得したエリア(≒MME)Old routing area identificationがnew MMEと同じ場合、正式な切断をせずにコネクション確立を再度行ったことを示す。この場合、new MMEはSGWに対して端末の既存セッションの削除を要求し(407)、SGWはPGWとの間で該当セッションの削除を行い(408)、削除の完了をMMEへと通知する(409)。
一方、GUTIの取得エリアがnew MMEとは別の場合、ハンドオーバを行わずに他MMEのエリアから移動したことを示す。この場合、new MMEはHSSに対して端末所属情報の更新(Location Update)を要求する(410)。HSSはそれを受けてold MMEに対して端末のセッションを削除するCancel Locationを要求し、old MMEはSGWに端末のセッションを削除させる(411)。old MMEから削除完了の通知を受けると、HSSは更新の完了通知であるLocation Update Ackをnew MMEへ通知する(412)。
以上のようにして端末のコネクションがない状態とした上で、MMEはSGWに新規セッションの確立を要求する(413)。SGWはそれを受けてPGWとの間で新規セッションを確立し(414)、セッション確立応答をMMEへ通知する(415)。MMEはセッション確立応答415に従いコネクション確立応答(確立成功の場合はAttach Accept)416を生成してInitial Context Setup Requestの形で基地局へと通知し、基地局はそれを受けて端末との間で無線コネクションの情報を更新する(417)。以上で端末とネットワークの間でコネクションが確立されるため、端末は基地局を介してMMEへコネクション確立完了通知Attach Complete418をInitial Context Setup Respoonseの形で通知する。
図6に、MME302の動作フローチャートを示す。MMEは端末のコネクション確立要求を受信した場合(601)、まず端末ID503がGUTIを示すかを判定する(602)。GUTIの場合、更に自分が割り当てたものかを503の取得エリアの情報から判定し(603)、自分が割り当てていた場合は対応するコネクションを削除する(604)。自分以外が割り当てていた場合、もしくはGUTIが通知されなかった場合、HSSにLocation Updateを要求する(605)。すなわち、移動元のMMEが存在する場合、端末102とそのMMEとの間で確立されたコネクションを削除する。以上の処理の後、SGW303に対して新規のセッション確立を要求し(606)、結果を基地局101へと通知する(607)。
なお、LTEにおいて、“コネクション”は更にBearerと呼ばれるものに対応付けられる。Bearerは音声や画像というQoS要求の異なる単位で確立される論理的なデータのトンネルであり、例えばコネクション確立要求に対してはDefault Bearerと呼ばれるBearerが確立される。図7に示すように、Bearerは両端のノードにより名称が変わり、端末とPGWの間はEPS Bearer701、端末と基地局の間はRadio Bearer702、基地局とSGWの間はS1 Bearer703、SGWとPGWの間はS5/S8 Bearer704、端末とSGWの間はE−RAB705と呼ばれる。各ノードは各EPS Bearerに対して上位と下位のBearer(例えば基地局ではRadio BearerとS1 Bearer)の対応付けを行う。
図8に、リレー局を含むシステムの構成を示す。端末102はリレー局103に接続し、リレー局103は更に親基地局101(Donor Base Station)を介してコアネットワーク301に接続している。基地局101とコアネットワーク301の間には、リレー局103のコネクションを管理するためのMME、SGW、PGWであるRN−MME801、RN−SGW802、RN−PGW803と、端末102のコネクションを管理するためのMME、SGW、PGWであるUE−MME804、UE−SGW805、UE−PGW806が介在する。リレー局103とRN−MME801、RN−SGW802、RN−PGW803の間、及び端末102とUE−MME804、UE−SGW805、UE−PGW806の間の制御動作は、基本的に図3における端末102とMME302、SGW303、PGW304の間の制御動作に従う。UE−MME804及びUE−SGW805と通信を行うノードが、図3では基地局101であったのに対し、図8ではRN−PGW803となる。
図9に、図8の構成において端末102がコアネットワーク301とコネクションを確立する際の動作シーケンスを示す。まず、リレー局103は、親基地局101を選択した時点でRN−PGW802との間にコネクションを確立する。この動作901は図4における端末のコネクション確立動作401〜418と変わらない。図示の便宜上、動作406〜415はDefault Bearer確立動作902と示した。このようにしてRN−PGWとリレー局の間にEPS Bearer(以降RN Bearerと呼ぶ)が確立されると、後で図10を用いて説明するUE EPS BearerとRN Bearerを対応付けるため、RN−PGWとUE−PGWは、確立したRN Bearerに対してDiffservのDS Field値を対応付け、情報を共有する(903)。
以上にて、UEのコネクション確立動作を受け付ける準備が完了する。端末がコネクション確立要求402を送信するまでの動作は図4と同様で、それを受けたリレー局が送信するInitial UE Message904が、親基地局及びRN−PGWを介してUE−MMEへ到着する点が異なる。また、RN BearerとUE EPS Bearerを対応付けるため、RN−PGWはInitial UE Message904にRN BearerのIDを付加する。
認証動作(905)の動作は認証動作404と同様で、RN−PGW及び親基地局を介して端末と通信する点が異なる。UE−MMEとUE−SGW/PGWとの間のDefault Bearer確立動作(902)はリレー局と同様に行い、コネクション確立応答906をUE Context Setup Requestの形で通知し、リレー局と端末の間で無線コネクションの情報更新(417)が完了した後、コネクション確立完了通知(907)をUE Context Setup Resnponse(907)の形で受ける。以上により端末のEPS Bearerを確立した後、UE−PGWはRN−PGWからの情報に基づき、確立したEPS BearerとRN Bearerの対応付けを記録する(908)。
図10に、UE−PGW806の動作フローチャートを示す。UE−SGW805からセッション確立要求(Create Session Request)を受信すると(1001)、その情報に従ってEPS Bearer IDを対応付け(1002)、UE−SGWとの間にS5/S8 Bearerを確立する(1003)。更にRN Bearer IDが含まれているかを判定し(1004)、含まれていた場合はUE EPS BearerとRN Bearerとの対応付けを内部で管理するテーブルに記録する(1005)。以上の動作の後、UE−PGWは確立したUE EPS Bearerの情報をセッション確立応答としてUE−SGWへと通知する(1006)。
図11に、リレー局を含むシステムにおける、UE BearerとRN Bearerの対応付けを示す。リレー局配下の端末のデータは必ずRN−PGWを通るため、一旦RN Bearerへのマッピングが必要となる。UE Radio Bearer702は図7と同様であり、UE EPS Bearer1101は図7におけるS1 Bearer703とS5/S8 Bearer704を合わせたものを示す。RN Bearer1102は、RN−PGWとリレー局の間に確立されている。UE EPS BearerとRN Bearerの対応付け1103には、Diffservのヘッダに含まれるDS Fieldを用いる。RN Bearer毎に別々のDS Field値を割り当て、UE EPS Bearerのデータに対して対応するRN BearerのDS Field値を設定することで、RN−PGWがUE EPS Bearerのデータを対応するRN Bearerへマッピング可能となる。図9のステップ903で新規のRN Bearerを確立した場合、RN−PGWがUE−PGWへIDを通知し、UE−PGWが新規のDS Field値を割り当てる。以上のように、リレー局を含むシステムにおいては、UE−PGW806は少なくとも図12、13に示すようなテーブルを内部で管理する。
図12はRN BearerとDS Filed値の対応テーブルであり、図9の903のタイミングで更新する。一方、図13はUE EPS BearerとRN Bearerの対応を示すテーブルであり、図10の1005にて更新する。リレー局を介さずにEPS Bearerを確立した場合、図13のEPS Bearer ID=2、3のように対応するRN Bearerが存在しない状態となる。
図14に、以上の説明をまとめた、リレー局を含むシステムにおける、端末宛のデータを受信した場合のシステムの動作フローチャートを示す。UE EPS Bearerに対するデータを受信した場合(1401)、UE−PGWは、まず図13のテーブルから宛先の端末がリレー局の配下にいるかを判定する(1402)。リレー局の配下でない、すなわち図13の対応するRN Bearerが有効な値でない場合、UE−PGWは通常通りにUE−SGWを経由して端末の接続先基地局へデータを転送する(1403)。
一方、RN Bearerが有効な値であった場合、UE−PGWは図12のテーブルから対応するDS Fieldの値を取得し、データのDS Fieldを取得した値に設定した上でRN−PGWへ転送する(1404)。RN−PGWはDS Fieldの値に基づいてRN Bearerへマッピングすることで(1405)端末の接続先リレー局へとデータを転送し、リレー局は端末の送信データキューにデータを格納する(1406)。以上により基地局/リレー局いずれの配下である場合も、端末の接続先にデータが到着し、それらのノードが無線リンクを介して端末へとデータを送信する(1407)。
以上が、これから詳述する第二の実施例〜第六の実施例が適用される、LTE−Aで想定されるリレー局を含むシステムの構成を説明した。
以上を踏まえ、リレー局が複数の経路でコネクションを確立する第二の実施例を図15〜図25を用いて説明する。図4で説明したように、既にコネクションを確立している端末が、別の基地局経由でコネクション確立要求を送信した場合、通常、MMEは既存のコネクションを削除する。これは、車や電車で高速に移動し得る端末を考えた場合に、古いコネクションが未使用のまま確保され続けることを回避するためと考えられる。一方、特に不感地対策として導入されるリレー局は殆ど移動がないと考えられ、複数のコネクションを確立しても無駄になる可能性は低い。言い換えるなら、リレー局は殆ど移動を行わない端末と考えることができる。そこで、本実施例では、リレー局が実施例1で説明した端末と同様、複数の経路でコネクションを確立可能な構成とする。
このように、リレー局が複数コネクションの確立を図る契機は、例えばリレー局に接続する端末数が増えてトラフィック量の期待値が一定以上となった場合や、第三無線通信路の品質が低いと判断された場合が考えられる。トラフィック量の期待値は、例えばLTEの場合はEPS Bearer毎にQoS要求を示すQCI(QoS Class Indicator)が割り当てられており、これを基に推定する。例えば、リレー局に接続する端末数が第一の閾値以上か否か、あるいは、期待されるトラフィック量の総和が第二の閾値以上か否かを判断して、複数コネクションの確立を図る。また、第三無線通信路の品質は、下り信号の受信SINRやPER(Packet Error Rate)、上りの残りバッファ量などを基に判断できる。すなわち、受信SINRが第三の閾値以下か否か、下り信号のPERが第四の閾値以下か否かを判断して、複数コネクションの確立を図る。
図15に、第二の実施例におけるネットワーク構成の一例を示す。リレー局103から基地局101を通り、UE−PGW805を経てコアネットワーク301へ至る第一の経路は、図8のネットワーク構成と同様である。第二の実施例では、リレー局103が更に基地局1501を通り、UE−PGW805を経てコアネットワーク301へ至る第二の経路を確立する。本実施例では、少なくともUE−PGW806は、経路が異なる場合でも共通、すなわちコアネットワーク301からのデータの到着地点は、少なくとも各経路で共通とする。それ以外のノードは経路によって共通でも別々でも良いが、図15の構成においては、第二の経路のRN−SGW1502、RN−PGW1503、UE−MME1504、UE−SGW1505は第一の経路と別で、RN−MME801は共通とした。動作シーケンスの説明の便宜上、第二の実施例はこのような構成例としたが、これから説明する図17、図20、図22のフローチャートはこれらが共通であっても動作する。
図16に示すコネクション確立要求メッセージを用い、本実施例において、第一の経路でコネクションを確立しているリレー局が、更に第二の経路でコネクションを確立する方法を説明する。本実施例の構成においては、第二以降の経路のコネクション確立であることを上位ノードに認識させるため、図16のようにコネクション確立要求に、複製要求を示すフィールド“Duplicate Indicator”1601を追加する。最初のコネクション確立においては複製要求を設定せず、第二以降の経路のコネクション確立においては複製要求を設定することで、コネクション確立要求を受信したノードが第二以降の経路に対するものか否かを判断する。
図17に、第二の実施例におけるRN−MMEの動作フローチャートを示す。動作601〜607は図6と同様である。ただし、RN−MME801における“端末”、例えばステップ602の端末とはリレー局を示す。上述した通り本明細書において、広義には“端末”にはリレー局が含まれる。RN−MME801が、リレー局103からコネクション確立要求を受信した場合、まず複製要求1601を確認する(1701)。設定されていなかった場合、新規セッション確立動作602〜607を行う。設定されていた場合、ID情報503がRN−MME801に既知であるかを確認する(1702)。
具体的には、RN−MME801が確立したコネクションの情報とID情報503が示すIMSIもしくはGUTIの一致を調べる。既知ではない場合、第二以降の経路のコネクション確立ではないと判断して新規のコネクション確立を行う。既知の場合、RN−SGW802に対するセッション確立要求に複製要求を設定する(1703)。既知でない場合でもUE−PGW806を介して他のRN−MMEにIDの問合せを行い、第二以降の経路のセッション確立であるか否かを判断する構成としても良い。
図18に、第二の実施例において、コネクション確立要求の複製要求が設定されていた場合の動作シーケンスを示す。リレー局103から親基地局を介してRN−MMEに送信されるコネクション確立要求(1801、1802)に複製要求のフィールド1601が含まれている点が図4と異なる。複製要求が設定されている場合、コネクションの重複判定動作(406)の結果に関わらず、既存のコネクションを削除する動作407−409や410−412を行わない(1803)。また、RN−MMEからRN−SGWに対して通知するセッション確立要求1804にも複製要求のフィールドが含まれており、図17で述べたようにリレー局103が通知する端末IDがRN−MMEに既知であった場合に設定する。
図19に、RN−MMEからRN−SGWに対して通知するセッション確立要求の内容を示す。IMSIやRN−SGWのRN−PGW側/親基地局側のポート情報、EPS Bearer(RN Bearer)ID等の情報が含まれているが、本実施例に直接は関係しないため詳細は省略する。複製要求のフィールド1901が含まれており、設定されている場合は第二以降の経路のセッション確立要求であることを示す。
図20に、第二の実施例におけるRN−SGWの動作フローチャートを示す。RN−MMEからセッション確立要求を受信した場合(2001)、RN−SGWはまず複製要求を確認する(2002)。設定されていない場合、通知されたEPS Bearer IDを格納し(2003)、RN−PGWに対してそのEPS Bearer IDでセッション確立要求を実施し(2004)、RN−PGWからのセッション確立応答を受けて(2005)、コネクション確立応答を親基地局へと通知する(2006)。
複製要求が設定されている場合、EPS Bearer IDがRN−SGWで確立済みのものと一致するかを判定する(2007)。一致しない場合、例えば図15のように第一の経路はそのRN−SGW以外を通る。そのため、EPS Bearer IDを格納した上でRN−SGWからRN−PGWに対するセッション確立要求の複製要求を設定し(2008)、そのEPS Bearerに対するコネクションをそのRN−SGW経由でも確立する。一致する場合、親基地局が異なっていてもRN−SGWは共通のため、RN−SGWと第二の親基地局との間のS1 Bearerを、第一の親基地局との間のS1 Bearerを複製する形で確立する(2009)ことで、RN−PGWよりも上位のノードに認識させることなく第二の経路を確立できる。この場合、親基地局に対するコネクション確立応答2006はRN−SGWが生成する。具体的には、S1 BearerはS5/S8 Bearerと対応付けることでEPS Bearerを形成するため、RN−SGWが管理しているS1 BearerとS5/S8 Bearerの対応テーブルにおいて、第二の親基地局との間のS1 Bearerを第一の親基地局が対応付けられているS5/S8 Bearerに対応付けることで実現できる。
図21に、RN−SGWのRN−PGWに対するセッション確立要求の内容を示す。図19と同様、IMSIやRN−SGWのRN−PGW側/親基地局側のポート情報、EPS Bearer(RN Bearer)ID等の情報が含まれているが、本実施例に直接は関係しないため詳細は省略する。複製要求2101が含まれており、設定されている場合は第二以降の経路のセッション確立要求であることを示す。
図22に、第二の実施例におけるRN−PGWの動作フローチャートを示す。RN−SGWからのセッション確立要求の受信(2201)に複製要求のフィールドが含まれている点が図10と異なる。複製要求の設定を判定し(2202)、設定されていない場合は図10と同様の動作1002〜1006を行う。設定されている場合、通知されたEPS Bearer IDがRN−PGWで確立済みのものと一致するかを判定する(2203)。一致しない場合、例えば図15のように第一の経路は該RN−PGW以外を通る。そこで、RN−PGWのレベルでは、図10と同じ動作1002〜1006により独立の経路を生成し、UE−SGWもしくはUE−PGWのレベルで経路を統合する。一致する場合、親基地局及びRN−SGWが異なっていてもRN−PGWは共通のため、RN−PGWと第二のRN−SGWとの間のS5/S8 Bearerを、第一のRN−SGWとの間のS5/S8 Bearerを複製する形で確立する(2204)。具体的には、RN−PGWが管理しているS5/S8 BearerとEPS Bearerの対応テーブルにおいて、第二のRN−SGWとの間のS5/S8 Bearerを第一のRN−SGWが対応付けられているEPS Bearerに対応付けることで実現できる。
以上により、RN−SGWと親基地局の間のS1 BearerもしくはRN−PGWとRN−SGWの間のS5/S8 Bearerの複製により経路を二重化できる。図15のようにRN−PGWが経路間で異なる場合は、UE−SGWもしくはUE−PGWのレベルで二重化する。
次に、第二の実施例において、リレー局103が複数の経路でコネクションを確立している状態で、リレー局103に接続する端末102が新規にコネクションを確立する場合について説明する。
図23に、第二の実施例において、端末102がコアネットワーク301とコネクションを確立する際の動作シーケンスを示す。リレー局103は、図16〜図22に示す手段により、少なくとも二つの親基地局を介してRN−PGWまでのコネクションを確立しており、各々のRN−PGWとUE−PGWは、図12に示すRN Bearer IDとDS Field値の対応の情報903を共有しているとする。また、図9におけるRNのコネクション確立動作901は、本実施例に直接は関係しないため、図23上ではスペースの関係上省略する。
端末がコネクション確立要求402を送信してからコネクション確立完了通知907が送信されるまでの動作は図9と同様である。すなわち、第一の経路のコネクションは図9と同様の手段で確立する。第一の経路を確立後、リレー局は自らがネットワークとの間に複数の経路でコネクションを確立しているかを判定し(2301)、確立している場合、第一の経路の親基地局とは異なる親基地局各々に対し、コネクション確立要求402を複製して複製要求を設定し、Initial UE Message904の形で送信する(2302)。UE−MMEは端末IDとRN Bearer IDの対応関係を参照し(2303)、端末IDとRN Bearer IDの組合せ、もしくは端末IDそのものが既知でない場合は、UE−SGWに対して複製要求を設定したセッション確立要求を行う(902)。
UE−MMEからRN−PGW経由でセッション確立応答(Attach Accept906)を受信した場合、リレー局はその端末が少なくとも1つの経路でコネクションを確立済みであるかを判定し(2304)、確立済み、すなわちリレー局自身が複製したInitial UE Messageへのセッション確立応答であった場合、端末との間で無線コネクションの情報の更新417を行わず、コネクション確立完了通知2305を代理で生成してUE MMEに通知する。UE−PGWが同じUE EPS Bearer IDに対して異なるRN Bearer IDとの対応でコネクション確立応答を受信した場合、UE−PGWは、図13のテーブルにおいて、UE EPS Bearerに対してRN Bearerの対応付けを追加する(2306)。その結果、第二の実施例におけるUE EPS BearerとRN Bearerの対応テーブルは図24のようになる。UE EPS Bearer ID=1に対し、複数のRN Bearer ID=1,3が対応付けられている。なお、UE−MME/UE−SGW/UE−PGWの動作フローチャートは、各々図17/図20/図22に示すフローチャートと共通となる。
図24のようなテーブルを持つことにより、第二の実施例における、端末宛のデータを受信した場合のシステムの動作フローチャートは図25のようになる。
図25において、動作1401〜1407は全て図14と同様である。図24のように、複数のRN Bearer IDに対応するUE EPS Bearer IDが存在するため、受信したUE EPS BearerのデータのDS Fieldをその値に設定した上でRN−PGWへと転送する動作1404の後に、対応するRN Bearer IDが他にもあるかを判定するステップ(2501)を追加し、対応する全てのRN Bearer IDに対するDS Fieldの値をもつパケットを各々生成した上でRN−PGWへと送信する。これにより、同じUE EPS Bearer IDに対するデータが複数の経路を通ってリレー局へと到達するようになる。
第三の実施例を図26〜図28を用いて説明する。第二の実施例では、リレー局が複数の経路でコネクションを確立した後、端末からのコネクション確立要求をその都度複製することで、端末に意識させずに複数の端末のコネクションを確立したが、第三の実施例ではUE−PGWがRN Bearer IDの間の対応関係を把握する形態とすることで、コネクション確立要求を複製することなく端末のコネクションを複数化する。
図26に、第三の実施例において、端末がネットワークとコネクションを確立する際の動作シーケンスを示す。RN−PGWとUE−PGWがRN Bearer IDとDS Field値の対応情報を共有する際、更にリレー局の固有IDであるIMSIを対応付けて共有する(2601)点、UE−PGWがUE EPS Bearer IDとRN Bearer IDの対応関係を記録する(2602)際にIMSIとRN Bearerの対応付けを追加する点、その結果リレー局が複製したコネクション確立要求2302を送信する必要がなくなっている点が図23と異なる。
図27に、第三の実施例におけるRN BearerとDS Filedの値の対応を示すテーブルを示す。図13に比べてリレー局のIMSIが管理対象に加わり、同じIMSIを持つRN Bearer IDとDS Field値がまとめられている。例えばIMSI=1のリレー局はRN Bearer ID1と3を確立している。このテーブルは、図26において2601を受信すると更新される。
図28に、第三の実施例におけるUE−PGWの動作フローチャートを示す。リレー局配下の端末からコネクション確立要求を受けた場合、図13のようなUE EPS Bearer IDとRN Bearer IDの対応テーブルを作成する動作1005において、更に図27のテーブルを用いてIMSIが同じ他のRN Bearer IDが存在するかを判定するステップ(2801)を追加し、1回のコネクション確立要求で図24に示すUE EPS Bearer IDと複数のRN Bearer IDの対応関係を示すテーブルを作成する点が図22と異なる。
以上、第二及び第三の実施例では、リレー局が複数の経路でコネクションを確立し、そのリレー局配下の端末がコネクション確立を要求した場合の動作を説明した。この時、同じ端末に対する同じデータが複数の親基地局からリレー局に到着する可能性があるが、リレー局で重複したデータを破棄すれば問題はない。ただし、第三無線通信路のリソースを余分に消費するため、個別の端末のコネクション全ては二重化しない方がリソースの利用効率は向上する。そこで、以下の第四〜第六の実施例により、リレー局が複数の経路でコネクションを確立した環境下で無線リソースの利用効率を向上する方法を説明する。
図29により、第四の実施例を説明する。第四の実施例においては、リレー局が親基地局に対して送信するフィードバック情報により、親基地局からリレー局への無線データの送信を制御する。
第四の実施例におけるリレー局の動作フローチャートを図29に示す。まず、リレー局は無線データを受信する親基地局数の最大値Mを予め所持しておく。この情報は、例えば図4における無線コネクションの情報更新(417)においてネットワーク側から通知しても良いし、リレー局のハードウェアに予め設定しておいても良い。リレー局はコネクションを確立している親基地局の数Nを第五の閾値である最大値Mと比較し(2901)、N>Mとなった場合は下位(N−M)の基地局とのデータ送受信を停止する。セルラシステムの下り通信においては、一般に端末は基地局へ下り通信品質の情報をフィードバックする。例えばLTEにおいてはCQI(Channel Quality Indicator)が相当する。この情報を無効な値、すなわち最も低いMCS(Modulation and Coding Scheme)でも通信が不可能であることを示す値へと上書きすることで、その基地局からの下り通信を遮断できる(2902)。また、OFDMAの上り通信では基地局から予め周波数リソースの割り当てを受ける必要があるため、端末は一般に割り当ての希望を事前に基地局へ通知する。例えばLTEにおいてはSR(Scheduling Request)が相当する。SR送信を停止することで、その基地局からの上りリソースの割り当てを停止できる(2903)。
図30及び図31を用いて第五の実施例を説明する。第五の実施例は、第二の実施例において、端末のコネクション確立要求の都度リレー局が転送先の基地局を選択し、そちらのみにコネクション確立要求を転送することで、いずれか一方のRN Bearerを経由する経路でのみ端末のコネクションを確立する。
図30に、第五の実施例において、端末がネットワークとコネクションを確立する際の動作シーケンスを示す。端末からコネクション確立要求を受信した際、リレー局が転送先の親基地局を選択し(3001)、そちらのみに転送を行う点が図23と異なる。親基地局の選択はランダムで行っても良いが、負荷の状況を勘案して選択すると親基地局間の負荷分散を実現できる。例えば、図31のように親基地局毎の接続端末数を基準にして転送先の基地局を選択(コネクションを確立している端末の数が最も少ないコネクションを選択)すれば良い。また、前記のQCIから親基地局毎のスループットを推定して基準としても良い。例えば、通信コネクションを介して通信を行う端末の期待されるトラフィック量の総和が最も小さいコネクションを選択する。
以降907の動作までは図9と同様である。このような状況で、ある親基地局との間の無線コネクションが切断された場合(3002)、リレー局は他にコネクションを確立している親基地局が存在するかを判定する(3003)。存在する場合、切断された親基地局を介してコネクションを確立していた端末各々に対して、Initial UE Message904を複製して別の親基地局に対して送信することでコネクションを再確立する。この時、複製要求は設定しないことで古いコネクションをクリアする。親基地局の変更に伴いUE−SGWが変更される場合があるため、コネクション確立応答906の受信時点で端末との間で無線コネクションの再設定417を行う。これにより、いずれかの親基地局との間の無線コネクションが切断されたとしても、別の親基地局との間に端末のコネクションを張り直すことで、端末の通信の継続性を向上できる。
図32〜35を第六の実施例を用いて説明する。第六の実施例は、第三の実施例のようにUE−PGWがRN Bearerの対応関係を把握している状況において、リレー局経由のコネクション確立の要求を受けた場合、UE−PGWが同じIMSIに対応するRN Bearerの負荷状況を比較し、UE EPS Bearerと対応付けるRN Bearerを決定する。
第六の実施例において、UE−MMEとUE−PGW間のセッション確立動作を図32に示す。3201、3202、3203、3205、3206は、図9において902で纏めて表現していた動作の詳細である。端末からのコネクション確立要求を受け、UE−MMEは図19に示す内容のセッション確立要求(Create Session Request)3201をUE−SGWへ行い、それを受けたUE−SGWは図21に示す内容のセッション確立要求3202をUE−PGWへ行う。UE−PGWは課金やQoSを管理するノードであるPCRF(Policy and Charging Tules Function)から前記のQCIのような情報を取得し(3203)、セッション確立応答(Create Session Response)をUE−SGW経由でUE−MMEへ返信する(3205、3206)。セッション確立応答は、主には要求に対する結果を示す“Cause”と確立したEPS Bearerの詳細を示す“Bearer Contexts Created”の2つのフィールドから成る。本実施例においては、UE−PGWがセッション確立応答を受けた際、同じIMSIに対応するRN Bearerの中で負荷を比較(3204)した上でセッション確立応答を返信する。RN Bearerの負荷は、例えば図33のようなテーブルを用いて管理する。ここでは接続端末数(RN Bearer ID経由で確立しているコネクションの数)を比較の基準(通信コネクションを介して通信を行う端末の数が最も小さいコネクションを選択)としたが、PCRFから受信したQCIの情報に基づいて前記第五の実施例と同様にRN Bearer毎のスループットを予測し、それを基準としても良い。
図34に、第六の実施例におけるUE−PGWの動作フローチャートを示す。セッション確立要求にRN Bearerの情報が含まれていた場合、UE−PGWはまず図33のテーブルに基づき、同じIMSIを持つ他のRN Bearerの有無を判定し(2801)、存在しない場合は要求通りのRN Bearerでセッションを確立する(3402)。存在する場合は、同じテーブルに基づきセッション確立要求に含まれているRN Bearerの負荷を他のRN Bearerと比較し、負荷が他よりも低い場合は要求通りのRN Bearerでセッションを確立する(3402)。一方、他のRN Bearerよりも負荷が高い場合、UE−PGWはリレー局に対して別のRN Bearer経由でのコネクション確立を要求する。具体的には、セッション確立応答の“Cause”に別のRN Bearerでの確立を要求する内容を追加し、それを受けたUE−MMEがリレー局に対して別のRN Bearerでのコネクション確立を要求する内容を示すコネクション確立拒否通知(Attach Reject)を行う。この時、コネクション確立を要求すべき、すなわち最も負荷が低いRN BearerのIDを具体的に示すことで、リレー局がコネクション確立要求をやり直す回数を低減しても良い。
第六の実施例において、第一の親基地局経由のRN Bearerの負荷が第二の親基地局経由のRN Bearerの負荷よりも高い場合に、リレー局が第一の親基地局経由で端末のコネクション確立要求を送信した場合の動作シーケンスを図35に示す。第一のRN Bearerの負荷が第二のものよりも高いため、UE−PGWは第二の基地局経由でのコネクション確立を要求し、UE−MMEはその旨をコネクション確立拒否通知3501に含めて通知する。リレー局はそれを受けて第二の基地局経由で再びコネクション確立要求を転送し、UE−MMEからコネクション確立応答(Attach Accept)906を受けた時点で初めて端末に対して無線コネクションの再設定417を行う。以上の動作はリレー局がコネクション確立要求を転送する経路を選択する手段には直接関係しないため、第五の実施例のようにリレー局が自らの判断基準でコネクション確立要求の転送経路を選択し、UE−PGWが最終的な経路の決定権を持つ構成としても良い。そのため、第五の実施例と同様に、ある親基地局との間の無線コネクションが切断された場合に、切断された親基地局を介してコネクションを確立していた端末各々に対して、リレー局がそのInitial UE Message904を複製して別の親基地局へと送信することでコネクションを再確立し、端末の通信の継続性を向上できる。
図36から図41を用いて、上述した各実施例中のOFDM通信を行う無線通信システムを構成するリレー局、MME、SGW、PGWの構成の一例を説明する。
図36はリレー局である無線通信装置の機能構成例である。3601は基地局側の無線フロントエンド部、3602は端末側の無線フロントエンド部である。3601及び3602は、アンテナ、デュプレクサ、パワーアンプ、ローノイズアンプ、アップコンバータ、ダウンコンバータ、アナログデジタル変換、デジタルアナログ変換で構成される。
下りベースバンド処理部3603は、基地局側無線フロントエンド部3601から入力された下りベースバンド信号を復号し、リレー局制御ブロック3604へと復号データを入力する。更に、リレー局制御ブロック3604から第二無線通信路の下りリソース割当て情報と送信データの入力を受け、送信データを符号化して端末側無線フロントエンド部3602へ出力する。
上りベースバンド信号処理部3605は、端末側無線フロントエンド部3602から入力された上りベースバンド信号を復号し、リレー局制御ブロック3604へと復号データを入力する。更に、リレー局制御ブロック3604から第二無線通信路の上りリソース割当て情報と送信データの入力を受け、符号化して基地局側フロントエンド部3601へ出力する。
リレー局制御ブロック3604は各実施例におけるリレー局の動作の主体となり、ベースバンド処理部3603、3605から入力された受信信号に基づいた受信データバッファ3702の更新、受信データバッファに基づく第二無線通信路のリソース割当て情報及び送信データ情報のベースバンド処理部3603、3605への入力、及び送信指示を行う。第二から第六の実施例において第二以降の経路のコネクション確立を生成し、更に、第二及び第四の実施例においては自らを接続先とする端末のコネクション確立要求の複製、第四の実施例においてはフィードバック情報の調整による経路の制御、第五及び第六の実施例においては自らを接続先とする端末のコネクション確立要求の転送経路の選択を行う。
図37は、リレー局103である無線通信装置のハードウェア構成例である。リレー局103は、処理部であるプロセッサ3701と、記憶部となるデータバッファ3702と、メモリ3703を有し、それぞれ内部バス3704で接続されている。さらに、ネットワークI/Fとして、基地局無線フロントエンド部3601及び端末側無線フロントエンド部3602を有する。また、リレー局103は、プログラムやテーブルを格納する記憶装置3705を有する。
記憶部である記憶装置3705には、処理部であるプロセッサ2701等で実行される中継制御プログラム3706、端末コネクション管理プログラム3707、通信路品質推定プログラム3708、参照信号処理プログラム3709、更には端末情報管理テーブル3710及び親基地局情報管理テーブル3711が格納されている。なお、本願明細書で開示されるリレー局103における処理に対応するプログラムや情報は、図示されていないものも格納されている。
プロセッサ3701が実行する中継制御プログラム3706及び端末コネクション管理プログラム3707は、図36のリレー局制御ブロック3604に対応する。中継制御プログラム3706は、第二から第六の実施例においては、端末情報管理テーブル3710に格納されている接続端末数やトラフィック量の期待値の情報と閾値の比較、及び通信路品質推定プログラム3707が出力する、下り信号の受信SINRや無線バックホールのPER、上りデータの残りバッファ量と閾値の比較により、複数経路でのコネクション確立の要否を判定する。また、第四の実施例においては、通信路品質推定プログラム3707が出力する前記の情報を親基地局情報管理テーブル3711に格納されている親基地局各々に対して計算し、親基地局の数が閾値を超過している場合は、前記の情報が示す無線バックホールの品質が悪い方から親基地局と閾値の差の数だけ、親基地局に対するフィードバック情報を無効にする。
端末コネクション管理プログラム3707は、第二の実施例においては、親基地局情報管理テーブル3711に格納されている情報に基づき、第二以降の親基地局に対するコネクション確立要求を複製して送信し、UE−SGWからのコネクション確立完了通知を受けて端末情報管理テーブル3710の情報を更新する。また、第五及び第六の実施例においては、端末からコネクション確立要求を受けた際、3711の示す情報に基づいて親基地局毎の負荷情報を推定し、コネクション確立要求を転送する親基地局を決定する。
通信路品質推定プログラム3708は、端末からの上り参照信号または基地局からの下り参照信号を基に、上りまたは下り通信路の通信品質を推定する。
参照信号処理プログラム3709は、端末への下り参照信号または基地局への上り参照信号について、参照シンボル系列を生成し、送信変調シンボルへと挿入する。
端末情報管理テーブル3710は、リレー局に接続している端末各々について、QCIや転送先の親基地局の情報を管理する。
親基地局情報管理テーブル3711は、リレー局が接続先とする親基地局各々について、下り信号の受信SINRやPERという無線バックホールの品質情報や、転送端末数やトラフィック量の期待値という無線バックホールの負荷情報を管理する。
プロセッサ3701は、記憶装置3705に格納されているプログラムを実行する。また、プロセッサ3701は、プログラムを実行し、リレー局制御ブロック3604に対応する処理等を実行し、テーブルを参照し、無線通信を制御する。
データバッファ3702は、端末から受信した上り信号または基地局から受信した下り信号を、基地局あるいは端末へ転送するために一時的に格納するもので、図14におけるリレー局のキューに相当する。メモリ3703は、プロセッサ3701が処理するプログラムが展開され、処理に必要なデータを保持する。
無線フロントエンド部3601及び3602は、図36と同様で、基地局や端末装置との無線信号の送受信を行うインターフェースである。
図38は、MME302の装置構成例である。本発明においては、MMEはRN−MMEとUE−MMEの2通りが存在するが、共通点が多いため1つの構成で説明する。MME302は、プロセッサ3803とメモリ3804を有し、それぞれ内部バス3805で接続されている。さらに、基地局側に対するネットワークI/F3801とS−GWに対するネットワークI/F3802を有し、プログラムやテーブルを格納する記憶装置3806を有する。
記憶装置3806には、MME制御プログラム3807と端末情報管理テーブル3808が格納されている。ここで、RN−MMEにおける“端末”はリレー局を示す。なお、本願明細書で開示されるMME302における処理に対応するプログラムや情報は、図示されていないものも格納されている。
プロセッサ3803で実行されるMME制御プログラム3807は、端末からのコネクション確立要求を受けた際、その端末IDがMMEの割り当てたものか判定し、MMEが割り当てたものの場合は端末情報管理テーブル3808の情報と比較し、自らがIDを割り当てた端末か判定する。自ら割り当てていた場合、S−GWに対してその端末の古いコネクションを削除するよう要求し、割り当てていなかった場合は、PGWに対して、割り当てたMMEにその端末の古いコネクションを削除させるよう要求する。第二から第六の実施例においては、更に端末からのコネクション確立要求に含まれる複製要求を参照し、複製要求があった場合は前記の古いコネクションを削除する動作を行わず、S−GWに対して複製要求を含むセッション確立要求を実施する。
端末情報管理テーブル3808は、MME配下のS−GW経由でコネクションを確立している端末各々について、MMEが割り当てた端末のIDや接続先のS−GWの情報を管理する。
プロセッサ3803は、記憶装置3806に格納されているプログラムを実行する。それにより、前記のようなMMEの制御動作を実現する。メモリ3804は、プロセッサ3803が処理するプログラムが展開され、処理に必要なデータを保持する。
ネットワークI/F3801及び3802は、基地局やS−GWとデータ及び制御信号の送受信を行うインターフェースである。
図39は、S−GW303の装置構成例である。上述した各実施例においては、S−GWはRN−SGWとUE−SGWの2通りが存在するが、共通点が多いため1つの構成で説明する。S−GW303は、プロセッサ3903、データバッファ3904及びメモリ3905を有し、それぞれ内部バス3906で接続されている。さらに、MMEに対するネットワークI/F3901とP−GWに対するネットワークI/F3902を有し、プログラムやテーブルを格納する記憶装置3907を有する。
記憶装置3907には、S−GW制御プログラム3908と端末情報管理テーブル3909が格納されている。ここで、RN−SGWにおける“端末”はリレー局を示す。なお、本明細書で開示されるS−GW303における処理に対応するプログラムや情報は、図示されていないものも格納されている。
プロセッサ3903で実行されるS−GW制御プログラム3908は、MMEからセッション確立要求を受け、その内容に従ってP−GWへセッション確立要求を通知する。第二から第六の実施例においては、更にMMEからのセッション確立要求に含まれる複製要求を参照し、複製要求があった場合、複製する端末のセッションが、そのS−GW配下の基地局を経由して既に確立済の場合は、そのS−GWと新たにセッションを確立する基地局との間のセッションを複製する。確立済みでなかった場合は、P−GWに対するセッション確立要求に複製要求を含める。
端末情報管理テーブル3909は、S−GW経由でコネクションを確立している端末各々について、MMEが割り当てた端末のIDや、経由する基地局及びP−GWの情報を管理する。
プロセッサ3903は、記憶装置3907に格納されているプログラムを実行することで、前記のようなS−GWの制御動作を実現する。メモリ3905は、プロセッサ3903が処理するプログラムが展開され、処理に必要なデータを保持する。
データバッファ3904は、基地局から受信した上り信号またはP−GWから受信した下り信号を、P−GWあるいは基地局へ転送するために一時的に格納するものである。
ネットワークI/F3901及び3902は、MMEやP−GWとデータ及び制御信号の送受信を行うインターフェースである。
図40は、RN−PGW803の装置構成例である。RN−PGW803は、プロセッサ4004、データバッファ4005及びメモリ4006を有し、それぞれ内部バス4007で接続されている。さらに、RN−SGWに対するネットワークI/F4001とUE−MMEに対するネットワークI/F4002及びUE−SGWに対するネットワークI/F4003を有し、プログラムやテーブルを格納する記憶装置4008を有する。
記憶装置4008には、RN−PGW制御プログラム4009とマッピングプログラム4010、及びリレー局情報管理テーブル4011が格納されている。なお、本願明細書で開示されるRN−PGW803における処理に対応するプログラムや情報は、図示されていないものも格納されている。
プロセッサ4004で実行されるRN−PGW制御プログラム4009は、図4で説明した新規セッションの確立動作及びRN−MMEから要求を受けての既存セッションの削除動作に加え、リレー局がRN−PGWとの間に新規RN Bearerを確立した際、DiffservのDS Fieldの値の対応付けをUE−PGWと共有し、リレー局情報管理テーブル4011を更新する。また、端末からリレー局を経由して通知されたセッション確立情報をUE−MME及びUE−SGWへと転送する際、経由したリレー局のRN Bearerの情報を付加する。第二から第六の実施例においては、RN−SGWから複製要求を含むセッション確立要求を受けた際、複製する端末のセッションが、そのRN−PGW配下のRN−SGW経由で確立済の場合は、新たにセッションを確立するRN−SGWとの間のセッションを複製する。確立済みでなかった場合は、通常の新規セッション確立を行う。
マッピングプログラム4010は、UE−SGWから端末宛のデータを受信した際、リレー局情報管理テーブル4011を参照し、設定されたDS Fieldの値に対応するRN Bearerへと受信データをマッピングする。
リレー局情報管理テーブル4011は、RN−PGWに対してコネクションを確立しているリレー局各々について、RN−MMEが割り当てた端末のIDや、経由する親基地局及びRN−PGWの情報、確立したRN Bearer IDとDS Field値の対応を管理する。
プロセッサ4004は、記憶装置4008に格納されているプログラムを実行することで、前記のようなRN−PGWの制御動作を実現する。メモリ4006は、プロセッサ4004が処理するプログラムが展開され、処理に必要なデータを保持する。
データバッファ4005は、RN−SGWから受信した上り信号またはUE−SGWから受信した下り信号を、UE−SGWあるいはRN−SGWへ転送するために一時的に格納するものである。ここで“信号”はリレー局配下の端末の信号を示す。
ネットワークI/F4001、4002及び4003は、RN−SGWやUE−MME及びUE−SGWとデータ及び制御信号の送受信を行うインターフェースである。
図41は、UE−PGW806の装置構成例である。UE−PGW806は、プロセッサ4103、データバッファ4104及びメモリ4105を有し、それぞれ内部バス4106で接続されている。さらに、UE−SGWに対するネットワークI/F4101とコアネットワークに対するネットワークI/F4102を有し、プログラムやテーブルを格納する記憶装置4107を有する。
記憶装置4107には、UE−PGW制御プログラム4108とマッピングプログラム4109、リレー局情報管理テーブル4110及び端末情報管理テーブル4111が格納されている。なお、本願明細書で開示されるUE−PGW803における処理に対応するプログラムや情報は、図示されていないものも格納されている。
UE−PGW制御プログラム4108は、図4で説明した新規セッション確立動作及びUE−MMEから要求を受けての既存セッション削除動作に加え、リレー局がRN−PGWとの間に新規RN Bearerを確立した際、DiffservのDS Fieldの値の対応付けをRN−PGWと共有し、リレー局情報管理テーブル4110を更新する。また、端末からリレー局経由で通知されたセッション確立情報を受信すると、RN−PGWが付加するRN Bearerの情報と4110に基づき、確立した端末のEPS BearerとRN Bearerの対応付けを端末情報管理テーブル4111に記録する。第二から第四の実施例においては、UE−SGWから複製要求を含むセッション確立要求を受けると、セッション確立要求が示す端末のEPS Bearerに対応するセッションを、UE−PGWとセッション確立要求の送信元のUE−SGWとの間にも確立する。その際、セッション確立要求が示すリレー局の情報に基づき、端末情報管理テーブル4111を更新する。第三の実施例においては、前記の端末のEPS BearerとRN Bearerの対応付けを4111に記録する際、4110に格納されている情報に基づき、同じリレー局(IMSI)に対応するRN Bearer全てと対応付けて記録する。第六の実施例においては、リレー局管理テーブル4110に基づき、セッション確立要求を中継するRN Bearerの負荷情報を、同じリレー局を経由する他のRN Bearerと比較し、前者の方が高負荷である場合は、セッション確立を拒否する、もしくは別のRN Bearer経由でのセッション確立をリレー局に対して要求する。
マッピングプログラム4109は、コアネットワークから端末宛のデータを受信した際、端末情報管理テーブル4111に格納されている端末とリレー局の対応情報に基づき、UE−SGWを介してRN−PGWへと送信するデータのDS Fieldの値を、リレー局情報管理テーブル4110が示すリレー局に対応する値に設定する。第二から第四の実施例において、UE−PGWと端末の間に複数の経路がある場合、各リレー局に対応するDS Fieldの値に設定したパケットを各々生成し、それらをUE−SGWへと転送する。
リレー局情報管理テーブル4110は、RN−PGWに対してコネクションを確立しているリレー局各々について、RN−MMEが割り当てた端末のIDや、経由する親基地局及びRN−PGWの情報、確立したRN Bearer IDとDS Field値の対応を管理するもので、図12、27、33に相当する。第三の実施例においては、更にRNの固有ID(IMSI)と対応付けて管理を行い、第六の実施例においては、更にRN Bearer毎の負荷情報を管理する。
端末情報管理テーブル4111は、リレー局を含むシステムにおいてUE−PGWとの間にコネクションを確立した端末各々について、確立したEPS Bearerと対応するRN Bearerの情報を管理するもので、図13、24に相当する。第二から第四の実施例において、UE−PGWと端末の間に複数の経路がある場合、同じEPS Bearer IDに対して複数のRN Bearer IDが対応付けられる。
プロセッサ4103は、記憶装置4107に格納されているプログラムを実行することで、前記のようなUE−PGWの制御動作を実現する。メモリ4105は、プロセッサ4103が処理するプログラムが展開され、処理に必要なデータを保持する。
データバッファ4104は、RN−SGWから受信した上り信号またはUE−SGWから受信した下り信号を、UE−SGWあるいはRN−SGWへ転送するために一時的に格納するものである。ここで“信号”はリレー局配下の端末の信号を示す。
ネットワークI/F4101及び4102は、UE−SGW及びコアネットワークとデータ及び制御信号の送受信を行うインターフェースである。
以上の実施例により、リレー局を有する無線通信システムにおいて、無線通信リソースの利用効率を維持しつつ無線バックホールの安定性を高めることができる。
なお、本発明は上記した実施例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施例は本発明のより良い理解のために詳細に説明したのであり、必ずしも説明の全ての構成を備えるものに限定されものではない。
また、ある実施例の構成の一部を他の実施例の構成に置き換えることが可能であり、また、ある実施例の構成に他の実施例の構成を加えることが可能である。また、各実施例の構成の一部について、他の構成の追加・削除・置換をすることが可能である。
更に、上述した各構成、機能、処理部等は、それらの一部又は全部を、例えば集積回路で設計する等によりハードウェアで実現しても良いし、それらの一部又は全部を実現するプログラムを作成することによりソフトウェアで実現しても良いことは言うまでもない。
以上詳述した本願明細書には、特許請求の範囲の欄に記載された発明に限定されることなく、その他多くの発明が開示されている。それらを例示すると下記の通りである。
例示1:無線通信システムであって、基地局と、前記基地局と第一の通信路を介して通信する端末と、前記端末と第二の通信路、前記基地局と第三の通信路を介して通信するリレー局と、前記端末の移動管理を行うノードと、前記リレー局の移動管理を行うノードと、前記端末に対するゲートウェイ装置と、前記リレー局に対するゲートウェイ装置を備え、前記リレー局は、前記第三の無線通信路を介した前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを複数の前記基地局との間で確立することを特徴とする無線通信システム。
例示2:例示1記載の無線通信システムであって、前記リレー局が、前記第二の無線通信路を介してリレー局と通信する前記端末から前記端末に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを、前記リレー局からゲートウェイ装置までの複数の通信コネクションを介して複数確立することを特徴とする無線通信システム。
例示3:例示1記載の無線通信システムであって、前記リレー局から前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを、前記リレー局と前記第二の無線通信路を介して通信する前記端末の数が第一の閾値を上回った場合に複数確立することを特徴とする無線通信システム。
例示4:例示1記載の無線通信システムであって、前記リレー局から前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを、前記リレー局と前記第二の無線通信路を介して通信する前記端末に対して期待されるトラフィック量の総和が第二の閾値を上回った場合に複数確立することを特徴とする無線通信システム。
例示5:例示1記載の無線通信システムであって、前記リレー局から前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを、前記第三の無線通信路の受信信号と干渉電力の比が第三の閾値を下回った場合に複数確立することを特徴とする無線通信システム。
例示6:例示1記載の無線通信システムであって、前記リレー局から前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを、前記第三の無線通信路の通信の成功率が第四の閾値を下回った場合に複数確立することを特徴とする無線通信システム。
例示7:例示2記載の無線通信システムであって、前記端末は、前記リレー局に対して通信コネクションの確立要求を一度だけ行い、前記リレー局が前記コネクションの確立要求を複製して前記複数の通信コネクションで送信することを特徴とする無線通信システム。
例示8:例示2記載の無線通信システムであって、前記端末は、前記リレー局に対して通信コネクションの確立要求を一度だけ行い、前記端末に対するゲートウェイ装置が、前記リレー局から前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションが複数確立されていることを把握して、前記端末から前記端末に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを複数確立することを特徴とする無線通信システム。
例示9:例示7記載の無線通信システムであって、前記リレー局は、前記リレー局から前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションを確立している数が第五の閾値を上回っている場合に、前記複数の通信コネクションのうち、通信品質の低い通信コネクションにおける通信を停止することを特徴とする無線通信システム。
例示10:例示1記載の無線通信システムであって、前記リレー局は、前記第二の無線通信路を介してリレー局と通信する前記端末から前記端末に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションの確立を要求された場合、前記複数の通信コネクションのうち、通信コネクションを介して前記端末に対するゲートウェイ装置と通信コネクションを確立している前記端末の数が最も少ないコネクションを選択して前記通信コネクションを確立することを特徴とする無線通信システム。
例示11:例示1記載の無線通信システムであって、前記リレー局は、前記第二の無線通信路を介してリレー局と通信する前記端末から前記端末に対するゲートウェイ装置までの通信コネクションの確立を要求された場合、前記複数の通信コネクションのうち、通信コネクションを介して通信を行う前記端末の期待されるトラフィック量の総和が最も小さいコネクションを選択して前記通信コネクションを確立することを特徴とする無線通信システム。
例示12:例示1記載の無線通信システムであって、前記端末に対するゲートウェイ装置は、前記第二の無線通信路を介してリレー局と通信する前記端末から通信コネクションの確立を要求された場合、前記リレー局と前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの複数の通信コネクションのうち、前記通信コネクションを介して通信を行う前記端末の数が最も小さいコネクションを選択して前記通信コネクションを確立することを特徴とする無線通信システム。
例示13:例示1記載の無線通信システムであって、前記端末に対するゲートウェイ装置は、前記第二の無線通信路を介してリレー局と通信する前記端末から通信コネクションの確立を要求された場合、前記リレー局と前記リレー局に対するゲートウェイ装置までの複数の通信コネクションのうち、前記通信コネクションを介して通信を行う前記端末の期待されるトラフィック量の総和が最も小さいコネクションを選択して前記通信コネクションを確立することを特徴とする無線通信システム。