図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
<マルチディスプレイシステムの全体構成>
図1は、本実施の形態におけるマルチディスプレイシステムの概略を示す図である。図1に示されるように、マルチディスプレイシステムは、制御用のパーソナルコンピュータ(以下、「制御用PC」という)(コマンド出力装置)1と、信号発生器(信号発生装置)50A,50Bと、分配器70A,70Bと、横方向および縦方向に配列された複数のディスプレイ装置200−1〜200−8と、を備える。
ディスプレイ装置200−1〜200−8は、映像を表示する表示装置であり、例えば、液晶表示装置、CRT、プラズマディスプレイである。ディスプレイ装置200−1〜200−8は、縦2列横4列で互いに隣接して配置され、制御用PC1とデイジーチェーン接続される。ディスプレイ装置200−1、・・・、ディスプレイ装置200−8は、この順でデイジーチェーン接続される。すなわち、ディスプレイ装置200−kは、ディスプレイ装置200−(k−1)およびディスプレイ装置200−(k+1)と接続される。
なお、ここではディスプレイ装置の台数を縦2列横4列の8台としたが、ディスプレイ装置の配列を縦2列横4列の配列に限定するものでも、ディスプレイ装置の台数を限定するものでもない。
分配器70Aは、縦2列横4列で互いに隣接して配置されたディスプレイ装置群の中の左側の縦2列横2列に配置されたディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6と並列に接続され、分配器70Bは、ディスプレイ装置群の中の右側の縦2列横2列に配置されたディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8と並列に接続される。
制御用PC1は、一般的なコンピュータであり、信号発生器50A,50Bそれぞれと接続され、信号発生器50A,50Bそれぞれと通信が可能である。制御用PC1は、信号発生器50A,50Bを制御して、ディスプレイ装置200−1〜200−8に表示するための動画データまたは画像データを含む映像信号を発生させる。また、制御用PC1は、デイジーチェーン接続されたディスプレイ装置200−1〜200−8に対して、グループ分けを行うためのコマンドを送信する。このコマンドの詳細については後述する。
信号発生器50Aは、分配器70Aと接続される。信号発生器50Aは、制御用PC1に制御されることにより映像信号を発生し、分配器70Aを介して、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6に映像を表示させる。
信号発生器50Bは、分配器70Bと接続される。信号発生器50Bは、制御用PC1に制御されることにより映像信号を発生し、分配器70Bを介して、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8に映像を表示させる。
<制御用PCの構成>
図2は、制御用PCのハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2に示されるように、制御用PC1は、それぞれがバス23に接続され、制御用PC1の全体を制御するためのCPU11と、CPU11が実行するプログラム等を記憶するためのROM13と、CPU11の作業領域として用いられるRAM15と、制御用PC1を外部と接続するためのシリアルI/F17,19と、大容量記憶装置としてのHDD3と、表示部5と、ユーザの操作を受け付ける操作部7と、外部記憶装置9と、を含む。
外部記憶装置9は、プログラムを記憶したCD−ROMが装着される。CPU11は、外部記憶装置9を介して、CD−ROMに記憶された画像表示プログラムをRAM15にロードし、実行する。また、HDD3に記憶された画像表示プログラムをRAM15にロードして実行するようにしてもよい。
図3は、ROM13に記憶されたプログラムをCPU11が実行することにより実現される機能をHDD3に記憶されたデータとともに示すブロック図である。図3に示されるように、制御用PC1は、操作受付部31と、制御信号生成部33と、コマンド生成部35と、コマンド送信部37と、制御信号送信部39とを含む。
HDD3は、画像データ45を記憶する。ここで、画像データ45は、予め記憶されており、動画データまたは静止画データとを含む。
操作受付部31は、グループ設定画面を表示部5に表示し、操作部7を介して、ディスプレイ装置200−1〜200−8のグループ設定に関するユーザの操作を受け付けるものである。具体的には、操作受付部31は、グループ設定画面においてユーザからグループ設定指示を受け付けると、HDD3に記憶された画像データ45を読み出す。
ここで、グループ設定画面は、グループ設定指示として、グループ初期化指示およびグループ分け指示のいずれかの選択をユーザに促すとともに、信号発生器50Aの識別情報および信号発生器50Bの識別情報のいずれかの選択を促すための画面である。なお、グループ分け指示は、ディスプレイ装置200−1〜200−8を少なくとも1つのグループに分けるグループ分け処理の実行指示である。グループ初期化指示は、グループ分けにより分けられた少なくとも1つのグループを、グループ分けがされていない初期の状態に戻すグループ初期化処理の実行指示である。
図4は、グループ設定画面の一例を示す図である。図4に示されるように、グループ設定画面180は、コマンド選択領域181と、信号発生器選択領域187と、送信ボタン193とを含む。
コマンド選択領域181は、グループ分け指示またはグループ初期化指示のいずれかを選択するための領域であり、グループ初期化指示を入力するためのコマンド要求ボタン183と、グループ分け指示を入力するためのコマンド要求ボタン185とを含む。ユーザが操作部7を操作してコマンド要求ボタン183を指示すると、グループ初期化指示が受け付けられる。また、ユーザが操作部7を操作してコマンド要求ボタン185を指示すると、グループ分け指示が受け付けられる。
また、信号発生器選択領域187は、画像データの送信先となる信号発生器50A,50Bのいずれかを選択するための領域であり、信号発生器50Aを選択するための選択ボタン189と、信号発生器50Bを選択するための選択ボタン191とを含む。
また、送信ボタン193は、コマンド送信部37からのコマンドの送信、および、制御信号送信部39からの制御信号の送信の実行を指示するためのボタンである。
操作受付部31は、グループ設定画面180において、信号発生器50Aおよび信号発生器50Bのうちユーザにより指定された信号発生器の識別情報と、HDD3から読み出された画像データ45とを制御信号生成部33に出力する。
また、操作受付部31は、グループ設定画面180においてグループ初期化指示およびグループ分け指示のうちユーザにより指定された指示をコマンド生成部35に出力する。
さらに、操作受付部31は、送信ボタン193が操作されると、コマンド送信部37への出力指示をコマンド生成部35に出力するとともに、制御信号送信部39への出力指示を制御信号生成部33に出力する。
制御信号生成部33は、操作受付部31から、画像データ45と、信号発生器50Aおよび信号発生器50Bのうちのいずれかの識別情報とが入力される。制御信号生成部33は、操作受付部31から信号発生器50Aおよび信号発生器50Bのうちのいずれかの識別情報が入力されると、当該識別情報で示される信号発生器による映像信号の発生をON状態に制御するための制御信号を生成する。
具体的には、制御信号生成部33は、操作受付部31から信号発生器50Aの識別情報が入力される場合、信号発生器50Aによる映像信号の発生をON状態にし、信号発生器50Bによる映像信号の発生をOFF状態にする制御信号を生成する。制御信号生成部33は、操作受付部31から信号発生器50Bの識別情報が入力される場合、信号発生器50Aによる映像信号の発生をOFF状態にし、信号発生器50Bによる映像信号の発生をON状態にする制御信号を生成する。制御信号生成部33は、操作受付部31から出力指示を受けると、生成した制御信号と操作受付部31から入力された画像データ45とを制御信号送信部39に出力する。
制御信号送信部39は、制御信号生成部33から制御信号および画像データ45が入力される。制御信号送信部39は、制御信号生成部33から制御信号および画像データ45が入力されると、制御信号生成部33から入力された制御信号および画像データ45を信号発生器50Aおよび信号発生器50Bに出力する。
コマンド生成部35は、操作受付部31からグループ初期化指示またはグループ分け指示のいずれかが入力される。コマンド生成部35は、グループ分けコマンド生成部41と、グループ初期化コマンド生成部43とを含む。
グループ初期化コマンド生成部43は、操作受付部31からグループ初期化指示が入力されると、グループの初期化を要求するグループ初期化コマンドを生成する。グループ初期化コマンド生成部35は、操作受付部31から出力指示を受けると、生成したグループ初期化コマンドをコマンド送信部37に出力する。ここで、グループ初期化コマンドは、各ディスプレイ装置に既に割り当てられていた、グループを識別するためのグループ識別情報を初期化するためのコマンドである。
グループ分けコマンド生成部41は、操作受付部31からグループ分け指示が入力されるごとに、グループ分けを要求するグループ分けコマンドを生成する。ここで、グループ分けコマンドは、グループを識別するための更新用のグループ識別情報(更新用識別情報)を含む。更新用のグループ識別情報は、例えば、番号であってもよいし、アルファベットでもよい。グループ分けコマンド生成部41は、操作受付部31から出力指示を受けると、生成したグループ分けコマンドをコマンド送信部37に出力する。
なお、グループ分けコマンド生成部41は、前回グループ初期化コマンドを送信してからすでにグループ識別情報を含むグループ分けコマンドを生成している場合において、操作受付部31からグループ分け指示が入力されると、すでに生成されたグループ識別情報とは異なるグループ識別情報を含むグループ分けコマンドを新たに生成する。このように、グループ分けコマンド生成部41は、ユーザによりグループ分け指示が入力されることに応じて、複数のグループ識別情報それぞれを含む複数のグループ分けコマンドを生成する。そして、グループ分けコマンド生成部41は、操作受付部31から出力指示を受けると、生成したグループ分けコマンドをコマンド送信部37に出力する。
コマンド送信部37は、グループ分けコマンド生成部41からグループ分けコマンドが入力されるごとに、グループ分けコマンド生成部41から入力されるグループ分けコマンドをディスプレイ装置200−1に送信する。
また、コマンド送信部37は、グループ初期化コマンド生成部43からグループ初期化コマンドが入力される場合、グループ初期化コマンド生成部43から入力されたグループ初期化コマンドをディスプレイ装置200−1に送信する。
<信号発生器の構成>
図5は、信号発生器のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。ここで、信号発生器50A,50Bそれぞれの構成および機能は同じであるので、信号発生器50Aを例に説明する。図5に示されるように、信号発生器50Aは、信号処理部51と、映像信号発生部53と、制御信号入力部55と、映像信号出力部57を含む。
制御信号入力部55は、制御用PC1と通信可能であり、制御用PC1から制御信号および画像データ45を受信する。また、映像信号出力部57は、分配器70Aを介して、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6それぞれに映像信号を出力する。
信号処理部51は、制御信号入力部55を介して、制御用PC1から制御信号および画像データ45が入力される。信号処理部51は、制御用PC1から入力された制御信号がON状態を示す信号であるか否かを判断する。信号処理部51は、制御用PC1から入力された制御信号がON状態を示す信号であるならば、画像データ45を映像信号発生部53に出力するが、そうでなければ画像データ45を処理しない。
映像信号発生部53は、信号処理部51から画像データ45が入力される。映像信号発生部53は、信号処理部51から画像データが入力されると、当該画像データ45に基づいて映像信号を生成し、生成した映像信号を分配器70Aに出力する。上述したように、分配器70Aは、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6と並列に接続されているので、映像信号は、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6それぞれに入力される。
<ディスプレイ装置の構成>
図6は、ディスプレイ装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。ここで、ディスプレイ装置200−1〜200−8それぞれの構成および機能は同じであるので、ディスプレイ装置200−1について説明する。図6に示されるように、ディスプレイ装置200−1は、ディスプレイ装置200−1の全体を制御するためのCPU101と、映像入力端子(表示処理部)102と、映像信号処理部103と、映像出力端子104と、映像信号出力処理部105と、ディスプレイ装置200−1を外部と接続するための第1シリアル信号入出力端子106および第2シリアル信号入出力端子107と、シリアル通信処理部108と、表示処理部109と、表示部(表示手段)110と、映像信号処理部103の作業領域として用いる表示メモリ111と、CPU101が実行するプログラム等を記憶するためのROM112と、CPU101の作業領域として用いられるRAM113と、IR信号(Infrared signal)を受信するIR信号処理部114と、大容量記憶装置としてのHDD(記憶手段)116とを備える。
映像入力端子102は、映像信号が入力される端子である。入力される信号としては、(1)1線式のY・C信号、(2)2線式のY・C信号、(3)3線式のYUV信号、(4)3線式のRGB信号、(5)RGB3線式信号に同期信号1線を加えた信号、(6)RGB3線式信号に同期信号2線を加えた信号、(7)YUV3線式信号に同期信号1線を加えた信号、(8)YUV3線式信号に同期信号2線を加えた信号、(9)上記(5)〜(8)をエンコードした信号(TMDSなど)、などがある。映像入力端子102は、これらのうち複数、または、同種信号を複数入力するための複数の端子を有していてもよい。本実施形態では、映像入力端子102は、複数の端子を有するものとする。
映像信号処理部103は、映像入力端子102が有する端子のうちどの端子から信号を受信するかを選択する機能を有し、選択した端子から入力される映像信号を処理する。具体的には、映像信号処理部103は、信号発生器50Aから分配器70Aを介して入力された映像信号を、RGB信号もしくはYUV信号と水平動機信号、垂直動機信号に分離するための所定の処理を実行し、CPU101を通じて、表示メモリ111に処理した映像信号を記憶する。
映像出力端子104は、映像信号を出力するための端子である。
映像信号出力処理部105は、映像信号処理部103が処理することにより表示メモリ111に記憶された映像信号に時間的および空間的にフィルタリング等を行うことで、映像に変更を加える処理を行うものである。例えば、ディスプレイ装置200−1を含む複数のディスプレイ装置を用いて1つの映像を表示させる場合、映像信号出力処理部105は、ディスプレイ装置200−1と他のディスプレイ装置との位置関係に応じて、ディスプレイ装置200−1の表示部110に表示される映像の映像信号を、表示メモリ111に記憶された映像信号から切り出す。そして、映像信号出力処理部105は、切り出した映像信号に、表示部110の大きさに応じた拡大処理を実行し、拡大処理された映像信号を表示メモリ111に格納する。
第1シリアル信号入出力端子106は、制御用PC1が出力したコマンドを入力し、このコマンドをシリアル通信処理部108を通じてCPU101に出力する。CPU101は、制御用PC1から入力されたコマンドを処理し、必要に応じて応答動作する。また、CPU101は、制御用PC1が出力するコマンドをシリアル通信処理部108および第2シリアル信号入出力端子107を介して外部に出力する。具体的には、CPU101は、ディスプレイ装置200−1に接続されたディスプレイ装置200−2にコマンドを出力する。ここで、上述したようにディスプレイ装置200−1〜200−8それぞれはデイジーチェーン接続されているので、ディスプレイ装置200−kが受信したコマンドは、ディスプレイ装置200−kからディスプレイ装置200−(k+1)に送信される。
シリアル通信処理部108は、第1シリアル信号入出力端子106(または第2シリアル信号入出力端子107)、から入力された信号のデコードを行い、バイナリデータもしくは文字データへ変換を行ってCPU101に渡す。また、シリアル通信処理部108は、CPU101によって生成された文字データもしくはバイナリデータを受け取り、エンコードを行い、第2シリアル信号入出力端子107(または第1シリアル信号入出力端子106)を介して信号を外部に送信する。
表示処理部109は、表示メモリ111に一時的に記憶された映像信号に各種の処理を施し、映像信号を表示部110に出力する。各種の処理は、例えば、映像信号を表示部110が受信可能な形式に変換する処理である。
表示部110は、表示処理部109が処理する映像を表示する装置であり、例えば、液晶表示パネル、CRT、プラズマ表示パネル等である。
表示メモリ111は、CPU101、映像信号処理部103および映像信号出力処理部105が表示処理および表示用加工処理を行うために一時的に映像信号を記憶するためのものである。
IR信号処理部114は、ディスプレイ装置200−1に付属されたIR信号送信装置115から出力されたIR信号を受信し、受信した信号をデコードしてCPU101に出力するものである。ここで、IR信号送信装置115は、IR信号処理部114との間であらかじめ決められた信号を送信する装置であり、例えば、メニュー表示、上、下、左、右の5つの信号を送信する。
図7は、ディスプレイ装置が備えるCPUの機能をHDDに記憶されたデータとともに示すブロック図である。図7に示されるように、ディスプレイ装置200−1は、映像信号受付部131と、コマンド受付部133と、コマンド判断部135と、グループ情報設定部(グループ設定部)139と、グループ情報初期化部141とを含む。
映像信号受付部131は、映像信号処理部103が出力する映像信号を受け付ける。映像信号受付部131は、映像信号処理部103から映像信号を受け付けると、映像信号の入力があった旨をグループ情報設定部139に出力する。
コマンド受付部133は、シリアル通信処理部108が出力するコマンドを受け付ける。コマンド受付部133は、シリアル通信処理部108からコマンドを受け付けると、受け付けたコマンドをコマンド判断部135に出力する。
コマンド判断部135は、コマンド受付部133からコマンドが入力される。コマンド判断部135は、コマンド受付部133からコマンドが入力されると、入力されたコマンドがグループ初期化コマンドおよびグループ分けコマンドのいずれであるかを判断する。コマンド判断部135は、コマンド受付部133から入力されたコマンドがグループ初期化コマンドおよびグループ分けコマンドのいずれかであると判断したならば、HDD116に記憶されたディスプレイ識別情報およびグループ識別情報を抽出する。ここで、ディスプレイ識別情報は、ディスプレイ装置を識別するための情報であり、グループ識別情報は、複数のディスプレイ装置200−1〜200−8それぞれが所属するグループを特定するための識別情報(所属グループ識別情報)である。コマンド判断部135は、HDD116から抽出したディスプレイ識別情報およびグループ識別情報を表示処理部109に出力する。これにより、表示処理部109は、コマンド判断部135から入力されたディスプレイ識別情報およびグループ識別情報に基づいてグループ分表示画面を表示部110に表示する。ここで、グループ分表示画面は、複数のディスプレイ装置200−1〜200−8それぞれが属するグループのグループ識別情報と、ディスプレイ識別情報とを表示するための画面である。
また、コマンド判断部135は、コマンド受付部133からグループ初期化コマンドが入力されたと判断したならば、グループ分けを初期化する指示をグループ情報初期化部141に出力する。
コマンド判断部135は、抽出部137を備える。抽出部137は、コマンド受付部133からグループ分けコマンドが入力された場合、グループ分けコマンドに含まれる更新用のグループ識別情報を抽出し、抽出した更新用のグループ識別情報をグループ情報設定部139に出力する。
グループ情報初期化部141は、コマンド判断部135からグループ分けを初期化する指示が入力される。グループ情報初期化部141は、コマンド判断部135からグループ分けを初期化する指示が入力されると、ディスプレイ識別情報を設定するとともに、HDD116に記憶されていたグループ識別情報を消去する(グループ識別情報を「なし(null)」状態に初期化する)。
具体的には、グループ情報初期化部141は、コマンド受付部133が受け付けたグループ初期化コマンドにディスプレイ識別情報が付加されていない場合、ディスプレイ識別情報として「1」を設定する。一方、グループ情報初期化部141は、コマンド受付部133が受け付けたグループ初期化コマンドにディスプレイ識別情報が付加されている場合、付加されていたディスプレイ識別情報に1だけ加算した値を、自装置であるディスプレイ装置を識別するためのディスプレイ識別情報として設定する。例えば、グループ初期化コマンドにディスプレイ識別情報「1」が付加されている場合、グループ情報初期化部141は、自装置であるディスプレイ装置を識別するためのディスプレイ識別情報として「2」を設定する。そして、グループ情報初期化部141は、設定したディスプレイ識別情報をHDD116に格納する。
また、グループ情報初期化部141は、設定したディスプレイ識別情報をグループ初期化コマンドに付加し、シリアル通信処理部108に対して、当該グループ初期化コマンドを第2シリアル信号入出力端子107から出力するように制御する。具体的には、コマンド受付部133が受け付けたグループ初期化コマンドにディスプレイ識別情報が付加されていない場合、グループ情報初期化部141は、設定したディスプレイ識別情報「1」が付加されたグループ初期化コマンドを第2シリアル信号入出力端子107から出力するように制御する。一方、コマンド受付部133が受け付けたグループ初期化コマンドにディスプレイ識別情報が付加されていた場合、グループ情報初期化部141は、付加されていたディスプレイ識別情報に代えて、新たに自装置に対して設定したディスプレイ識別情報が付加されたグループ初期化コマンドを第2シリアル信号入出力端子107から出力するように制御する。これにより、ディスプレイ装置200−1〜200−8は、この順でデイジーチェーン接続されているため、連番のディスプレイ識別情報が設定されることとなる。
さらに、グループ情報初期化部141は、HDD116に記憶されたグループ識別情報を消去することにより、HDD116に記憶されたグループ識別情報が初期化される。
グループ情報設定部139は、映像信号受付部131から映像信号の入力があった旨が入力され、抽出部137から更新用のグループ識別情報が入力される。グループ情報設定部139は、映像信号受付部131から映像信号の入力があった旨が入力された場合、抽出部137から受けた更新用のグループ識別情報を新たに設定すべきグループ識別情報として、HDD116に格納する。すなわち、グループ情報設定部139は、映像信号が入力されている場合に限り(つまり、表示部110に映像が表示されている場合に限り)、抽出部137により抽出されたグループ識別情報を新たなグループ識別情報(所属グループ識別情報)としてHDD116に設定(更新)する。したがって、ユーザは、同一のグループ識別情報を設定したい複数のディスプレイ装置に対して映像信号が入力されるように設定するだけで、これら複数のディスプレイ装置に対して同一のグループ識別情報を設定することができる。つまり、映像信号が入力されている複数のディスプレイ装置を同一のグループに属するように設定することができる。
<グループ分けの処理の流れ>
以下、グループ分けの具体的な処理の流れについて説明する。
まず、制御用PC1における処理の流れについて、図8を参照しながら説明する。図8は、制御用PC1におけるコマンド送信の処理の流れを示すフローチャートである。
図8に示されるように、まず、操作受付部31は、例えば図4に示されるような、グループ設定指示を受け付けるためのグループ設定画面180を表示部5に表示する(S1)。
次に、操作受付部31は、グループ設定画面180に対して、グループ初期化指示が入力されたか否かを判断する(S2)。グループ初期化指示が入力された場合(S2でYes)、操作受付部31は、グループ初期化指示をグループ初期化コマンド生成部43に出力する。これにより、S6において、グループ初期化コマンド生成部43は、グループ初期化コマンドを生成する。
一方、グループ初期化指示が入力されない場合(S2でNo)、操作受付部31は、グループ分け指示がグループ設定画面180に入力されたか否かを判断する(S3)。グループ分け指示が入力されてない場合(S3でNo)、操作受付部31は、信号発生器50A,50Bの選択指示が入力されたか否かを判断する(S4)。S4においてNoの場合、S2の処理に戻る。
グループ分け指示がグループ設定画面180に入力された場合(S3でYes)、もしくは、信号発生器50A,50Bの選択指示が入力された場合(S4でYes)、操作受付部31は、グループ分け指示および信号発生器50A,50Bの選択指示の両者が入力されているか否かを判断する(S5)。どちらか一方のみが入力されている場合(S5でNo)、S2の処理に戻る。一方、グループ分け指示および信号発生器50A,50Bの選択指示の両者が入力されている場合、操作受付部31は、グループ分け指示をグループ分けコマンド生成部41に出力する。これにより、S6において、グループ分けコマンド生成部41は、グループ分けコマンドを生成する。
なお、上述したように、グループ分けコマンド生成部41は、前回グループ初期化コマンドを送信してからすでにグループ識別情報を含むグループ分けコマンドを生成している場合、すでに生成されたグループ識別情報とは異なるグループ識別情報を含むグループ分けコマンドを生成する。
また、S5でYesの場合、操作受付部31は、S6において、信号発生器50Aおよび信号発生器50Bのうちユーザにより指定された信号発生器の識別情報と、HDD3から読み出された画像データ45とを制御信号生成部33に出力する。これにより、S6にいて、制御信号生成部33は、受けた信号発生器の識別情報に基づいて、上述した制御信号を生成する。
その後、操作受付部31は、グループ設定画面180において送信ボタン193が押下されたか否かを判断し(S7)、送信ボタン193が押下された場合(S7でYes)、出力指示をコマンド生成部35および制御信号生成部33に出力する。これにより、コマンド送信部37は、コマンド生成部35により生成されたコマンドをディスプレイ装置200−1〜200−8に送信する。また、制御信号送信部39は、制御信号生成部33により生成された制御信号と画像データとを信号発生器50A,50Bに送信する(S8)。
続いて、操作受付部31は、次の指示の入力の有無を判断し(S9)、次の指示がある場合には(S9でYes)、S2の処理に戻る。
次に、ディスプレイ装置200−1〜200−8における処理の流れについて、図9を参照しながら説明する。図9は、ディスプレイ装置200−1〜200−8におけるグループ設定処理の流れを示すフローチャートである。
図9に示されるように、まず、コマンド受付部133は、制御用PC1または前段に接続されているディスプレイ装置から、コマンドを受け付けたか否かを判断する(S11)。
コマンドを受け付けた場合(S11でYes)、コマンド判断部135は、受け付けたコマンドを解析して、コマンドの種類を判断する(S12)。受け付けたコマンドがグループ初期化コマンドである場合(S13でYes)、コマンド判断部135は、グループ分けを初期化する指示をグループ情報初期化部141に出力する。
続いて、グループ情報初期化部141は、ディスプレイ識別情報を設定し、設定したディスプレイ情報をHDD116に格納する。さらに、グループ情報初期化部141は、HDD116に格納されているグループ識別情報を消去することで、グループ識別情報を初期化する(S16)。そして、次のディスプレイ装置に対して、グループ初期化コマンドを第2シリアル信号入出力端子107を介して出力する(S17)。この際、上述したように、設定したディスプレイ識別情報が付加されたグループ初期化コマンドを送信する。
一方、受け付けたコマンドがグループ分けコマンドである場合、グループ識別情報の設定処理が実行される(S17)。その後、次のディスプレイ装置に対して、グループ分けコマンドを第2シリアル信号入出力端子107を介して出力する(S17)。
なお、受け付けたコマンドがグループ分けコマンドではない場合も(S14でNo)、次のディスプレイ装置に対して、受け付けたコマンドを第2シリアル信号入出力端子107を介して出力する(S17)。
なお、S13〜S16の処理において、コマンド判断部135は、HDD116から抽出したディスプレイ識別情報およびグループ識別情報を表示処理部109に出力する。これにより、現在設定されているグループ識別情報と、ディスプレイ識別情報とを含むグループ分け表示画面が表示部110に表示されている。
次に、S15におけるグループ識別情報の設定処理の詳細について、図10を参照しながら説明する。図10は、S15におけるグループ識別情報の設定処理の流れを示すフローチャートである。
まず、グループ情報設定部139は、映像信号受付部131から映像信号の入力があった旨が入力されたか否かを判断する(S151)。映像信号の入力があった旨を受けた場合(S151でYes)、つまり、表示部110に映像が表示されている場合、グループ情報設定部139は、抽出部137によりグループ分けコマンドから抽出されたグループ識別情報を新たに設定すべきグループ識別情報として、HDD116に格納する(S152)。
一方、映像信号の入力があった旨を受けていない場合(S151でNo)、つまり、表示部110に映像が表示されていない場合、グループ情報設定部139は、グループ識別情報の設定を行うことなく、S17の処理に移行する。
これにより、映像信号の入力の有無によりグループ識別情報を自動的に設定することができる。
<グループ設定処理の具体例>
以下に、既にグループ識別情報が設定されていた複数のディスプレイ装置200−1〜200−8の配置を図1に示されるような縦2列横4列の配置に変更した直後に、ディスプレイ装置200−1〜200−8を、グループ識別情報「1」を有する、左側に配置された縦2列横2列のディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6のグループと、グループ識別情報「2」を有する、右側に配置された縦2列横2列のディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8のグループと、にグループ分けする場合を例に説明する。
このような場合、まず、ユーザは、グループ初期化指示をグループ設定画面180に入力する。これにより、S6において、グループ初期化コマンドが生成される。そして、グループ設定画面180において送信ボタン193を押下することにより、グループ初期化コマンドがディスプレイ装置200−1〜200−8に送信される。
グループ初期化コマンドを受けた各ディスプレイ装置200−1〜200−8では、S16の処理が行われる。具体的には、まず、ディスプレイ識別情報の設定処理が実行される。ここで、ディスプレイ装置200−1〜200−8は、この順でデイジーチェーン接続されているため、ディスプレイ装置200−1は、ディスプレイ識別情報「1」を設定する。そして、ディスプレイ装置200−2〜200−8は、前段に接続されているディスプレイ装置に設定されたディスプレイ識別情報に1だけ加算された値を自装置のディスプレイ識別情報として設定する。
図11は、ディスプレイ識別情報が設定されたときのグループ分け表示画面の一例を示す図である。図11において、各ディスプレイ装置200−1〜200−8は、ディスプレイ識別情報およびグループ識別情報を含むグループ分け表示画面300を表示している。なお、グループ分け表示画面300において、「ID: 」がディスプレイ識別情報を示しており、「Gr: 」がグループ識別情報を示している。
図11に示されるように、ディスプレイ装置200−1〜200−8の各々には、デイジーチェーン接続されている順(つまり、ディスプレイ装置200−1〜200−8の順)に連番となるディスプレイ識別情報が設定されていることがわかる。なお、ディスプレイ識別情報の設定は、グループ識別情報の初期化の前に実行される。そのため、ディスプレイ識別情報が設定された時点を示す図11では、配置変更前に既に設定されていたグループ識別情報が表示されている。
その後、ディスプレイ装置200−1〜200−8の各々において、グループ情報初期化部141は、グループ初期化コマンドに従って、HDD116に記憶されていたグループ識別情報を消去する。
図12は、グループ識別情報が初期化されたときのグループ分け表示画面の一例を示す図である。図12に示されるように、ディスプレイ装置200−1〜200−8の各々には、グループ識別情報として、何も設定されていないことを示す「Gr:−」を含むグループ分け表示画面300が表示されている。
次に、ユーザは、グループ分け指示とともに、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6に映像信号を配信する信号発生器50Aを選択する旨の選択指示をグループ設定画面180に入力する。これにより、S6において、制御用PC1において、グループ識別情報「1」を含むグループ分けコマンドと、信号発生器50Aによる映像信号の発生をON状態にし、信号発生器50Bによる映像信号の発生をOFF状態にする制御信号とが生成される。そして、グループ設定画面180において送信ボタン193を押下することにより、生成された制御信号および画像データが信号発生器50A,50Bに送信されるとともに、生成されたコマンドがディスプレイ装置200−1〜200−8に送信される。
上記の制御信号および画像データ45が信号発生器50A,50Bに送信されることにより、信号発生器50Aは、画像データに対応する映像信号を、分配器70Aを介して、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6に出力する。一方、信号発生器50Bは、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8に対して何ら映像信号を出力しない。
図13は、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6にのみ映像信号が入力されている際のマルチディスプレイシステムを示す図である。
図13に示されるように、ディスプレイ装置200−1は、映像画面410の上にグループ分け表示画面300を重ねて表示させている。同様に、ディスプレイ装置200−2は、映像画面420の上にグループ分け表示画面300を重ねて表示させ、ディスプレイ装置200−5は、映像画面430の上にグループ分け表示画面300を重ねて表示させ、ディスプレイ装置200−6は、映像画面440の上にグループ分け表示画面300を重ねて表示させている。
ここで、映像画面410〜440は、信号発生器50Aから出力される映像信号に対応する映像が表示されている画面である。映像信号は、信号発生器50Aがそれと並列に接続されたディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6それぞれに出力されるものである。上述したように、ディスプレイ装置200−2は、ディスプレイ装置200−1よりも右に位置し、ディスプレイ装置200−6は、ディスプレイ装置200−2よりも上に位置し、ディスプレイ装置200−5は、ディスプレイ装置200−1よりも上に位置する。したがって、映像画面410〜440それぞれは、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6それぞれの位置関係とディスプレイ装置の台数とに基づいて、映像信号を分割したうちの1つが表示される。具体的には、映像画面410は、映像信号を4分割したうちの左下の映像に対応し、映像画面420は、映像信号を4分割したうちの右下の映像に対応し、映像画面430は、映像信号を4分割したうちの左上の映像に対応し、映像画面440は、映像信号を4分割したうちの右上の映像に対応している。
これにより、ユーザは、ディスプレイ装置200−1〜200−8のうち映像が表示されているディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6を確認することにより、ユーザが意図したディスプレイ装置に映像を表示できているかを確認することができる。
なお、ディスプレイ装置200−1〜200−8それぞれが備えるHDD116に、所属するグループにおける、それぞれの位置関係とディスプレイ装置の台数とを示す位置情報を記憶させておく。映像信号の分割の際には、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6それぞれがHDD116から位置情報を読み出し、読み出した位置情報に基づいて分割すればよい。位置情報は、具体的には、所属するグループにおける、複数のディスプレイ装置の横方向の数および縦方向の数と、横方向の位置および縦方向の位置とを含む情報である。
また、HDD116に格納される位置情報の変更が可能である。グループ設定処理を行う際には、各ディスプレイ装置200のHDD116に正しい位置情報が記憶されていないことが考えられる。そのため、各ディスプレイ装置200の配置に応じて、位置情報を適当なタイミングで変更すればよい。この場合、例えば制御用PC1が、ユーザが操作部7を操作することにより位置情報を変更する指示を受け付ける。そして、ディスプレイ200−1,200−2,200−5,200−6のうち変更の対象となったディスプレイ装置に対応した位置情報を、変更を受け付けた内容で更新させるコマンドを当該ディスプレイ装置に送信すればよい。
または、制御用PC1に代えて、ディスプレイ装置200−1〜200−8それぞれを制御可能なリモートコントローラ等でディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6を操作して、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6それぞれの位置情報を変更してもよい。
続いて、グループ分けコマンドを受けた各ディスプレイ装置200−1〜200−8では、S15の処理が実行される。
ここでは、映像信号が入力されているディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6では、抽出部137がグループ分けコマンドからグループ識別情報「1」を抽出し、グループ情報設定部139に出力する。また、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6では、映像信号受付部131が映像信号が入力されている旨の信号をグループ情報設定部139に出力する。これにより、グループ情報設定部139は、図10のS151においてYesと判断し、S152においてグループ分けコマンドから抽出したグループ識別情報「1」をHDD116に記憶する。これにより、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6では、同一のグループ識別情報「1」が設定されることとなる。
一方、映像信号が入力されていないディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8では、映像信号受付部131が映像信号が入力されている旨の信号をグループ情報設定部139に出力しない。そのため、グループ情報設定部139は、図10のS151においてNoと判断し、グループ識別情報の設定処理を行わない。
図14は、この段階におけるマルチディスプレイシステムを示す図である。図14に示されるように、映像が表示されているディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6のグループ分け表示画面300には、新たに設定されたグループ識別情報として「Gr:1」が表示されている。一方、映像が表示されていないディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8では、グループ識別情報が設定されていないため、図12と同様のグループ分け表示画面300を表示させている。したがって、ユーザは、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6が同一のグループに属することを視認することができる。
次に、ユーザは、グループ分け指示とともに、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8に映像信号を配信する信号発生器50Bを選択する旨の選択指示をグループ設定画面180に入力する。これにより、S6において、制御用PC1において、グループ識別情報を含むグループ分けコマンドと、信号発生器50Bによる映像信号の発生をON状態にし、信号発生器50Aによる映像信号の発生をOFF状態にする制御信号とが生成される。なお、グループ分けコマンドに含まれるグループ識別情報には、既に生成しているグループ識別情報「1」とは異なるグループ識別情報「2」が設定される。
そして、グループ設定画面180において送信ボタン193を押下することにより、生成された制御信号および画像データ45が信号発生器50A,50Bに送信されるとともに、生成されたコマンドがディスプレイ装置200−1〜200−8に送信される。
この場合、信号発生器50Bは、画像データ45に対応する映像信号を、分配器70Bを介して、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8に出力する。一方、信号発生器50Bは、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6に対して何ら映像信号を出力しない。そのため、グループ分けコマンドを受けた各ディスプレイ装置200−1〜200−8では、次のような処理が実行される。
すなわち、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8の各々は、映像画面510〜540の上にグループ分け表示画面300を重ねて表示させる。一方、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6は、映像信号を受けないので、グループ分け表示画面300のみを表示している。
そして、映像信号が入力されているディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8では、抽出部137がグループ分けコマンドからグループ識別情報「2」を抽出し、グループ情報設定部139に出力する。また、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8では、映像信号受付部131により映像信号が入力されている旨の信号がグループ情報設定部139に出力される。これにより、グループ情報設定部139は、図10のS151においてYesと判断し、S152においてグループ分けコマンドから抽出したグループ識別情報「2」をHDD116に記憶する。これにより、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8では、同一のグループ識別情報「1」が設定されることとなる。
一方、映像信号が入力されていないディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6では、映像信号受付部131は映像信号が入力されている旨の信号をグループ情報設定部139に出力しない。そのため、グループ情報設定部139は、図10のS151においてNoと判断し、グループ識別情報の設定処理を行わない。よって、前回設定されたグループ識別情報「1」がそのまま維持されることとなる。
図15は、この段階におけるマルチディスプレイシステムを示す図である。図15に示されるように、映像が表示されているディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8のグループ分け表示画面300には、新たに設定されたグループ識別情報として「Gr:2」が表示されている。これにより、ユーザは、ディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8が同一のグループに属することを視認することができる。
上述したように、ディスプレイ装置200−1は、信号発生器50Aが出力する映像信号を受け付けているときに、制御用PC1が出力するグループ識別情報「1」を含むグループ分けコマンドを受け付けることにより、グループ識別情報「1」を設定する。同様にして、ディスプレイ装置200−2,200−5,200−6それぞれも、グループ識別情報「1」を設定する。
一方、ディスプレイ装置200−3は、信号発生器50Bが出力する映像信号を受け付けているときに、制御用PC1が出力するグループ識別情報「2」を含むグループ分けコマンドを受け付けることにより、グループ識別情報「2」を設定する。同様にして、ディスプレイ装置200−4,200−7,200−8それぞれも、グループ識別情報「2」を設定する。
このように、ディスプレイ装置200は、複数のディスプレイ装置200が互いに隣接するように配置され、当該複数のディスプレイ装置200が少なくとも1つのグループに分けられるマルチディスプレイシステムを構成する表示装置である。そして、ディスプレイ装置200は、表示部110と、映像信号を受信し、受信した映像信号に基づいた映像を表示手段に表示させる映像入力端子102および表示処理部109と、所属するグループを示すグループ識別情報(所属グループ識別情報)を記憶するためのHDD116と、所属するグループの設定を指示するグループ分けコマンドを受け付けるコマンド受付部133と、コマンド受付部133がグループ分けコマンドを受け付けたとき、映像信号の受信の有無に応じて、グループ識別情報の設定を行うか否かを判断し、グループ識別情報の設定を行うと判断した場合に、グループ分けコマンドに基づいてグループ識別情報をHDD116に設定(更新)するグループ情報設定部139とを備える。そのため、ユーザが信号発生器50Aまたは信号発生器50Bと、ディスプレイ装置200−1〜200−8のうちの少なくとも1つとを接続し、制御用PC1にグループ分け設定の指示と映像信号を発生させる指示とを入力することにより、映像信号を受け付け、グループ分け設定の指示を受け付けた少なくとも1つのディスプレイ装置が共通のグループに設定される。したがって、ユーザは、複数のディスプレイ装置で1つの映像を表示するためのグループ分けを簡単にすることができる。
<変形例>
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。以下、変形例について説明する。
<変形例1>
上記の説明では、映像信号が入力されているディスプレイ装置200において、グループ情報設定部139が、グループ分けコマンドから抽出したグループ識別情報を自装置のグループ識別情報として設定するものとした。しかしながら、本発明はこの形態に限定されるものではない。例えば、逆に、映像信号が入力されていないディスプレイ装置200において、グループ情報設定部139が、グループ分けコマンドから抽出したグループ識別情報を自装置のグループ識別情報として設定してもよい。
図16は、本変形例1における、S15の処理を流れを示すフローチャートである。図16に示されるように、まず、グループ情報設定部139は、映像信号受付部131から映像信号の入力があった旨が入力されたか否かを判断する(S153)。そして、映像信号の入力があった旨を受けた場合(S153でYes)、つまり、表示部110に映像が表示されている場合、グループ情報設定部139は、グループ識別情報の設定を行うことなく、S17の処理に移行する。一方、映像信号の入力があった旨を受けていない場合(S153でNo)、つまり、表示部110に映像が表示されていない場合、グループ情報設定部139は、抽出部137によりグループ分けコマンドから抽出されたグループ識別情報を新たに設定すべきグループ識別情報として、HDD116に格納する(S154)。
この変形例でも、映像信号の入力の有無によりグループ識別情報を自動的に設定することができる。
また、ディスプレイ装置200は、グループ情報設定部139の処理を、図10に示す処理とするか、図16に示す処理とするかを切り換える切換部を備えていてもよい。ここで、図10に示す処理は、映像信号が入力されているときにグループ識別情報を設定する信号検出時設定モードであり、図16に示す処理は、映像信号が入力されていないときにグループ識別情報を設定する信号未検出時設定モードである。つまり、切換部は、ユーザ入力に応じて、信号検出時設定モードか信号未検出時設定モードかのいずれかにモードを設定する。
図17は、このような切換部を有している場合のS15の処理の流れを示すフローチャートである。図17に示されるように、切換部を有している場合、図10に示す処理に加えてS155およびS156の処理が加わる。
映像信号の入力があった場合(S151でYes)、グループ情報設定部139は、切換部により設定されているモードが信号検出時設定モードが否かを判断する(S155)。信号検出時設定モードが設定されている場合(S155でYes)、グループ情報設定部139は、グループ識別情報の設定を行う(S152)。一方、信号検出字設定モードではなく信号未検出時設定モードが設定されている場合(S155でNo)、グループ情報設定部139はグループ識別情報の設定を行うことなく、S17の処理に移行する。
また、映像信号の入力がない場合も(S151でNo)、グループ情報設定部139は、切換部により設定されているモードが信号検出時設定モードが否かを判断する(S156)。そして、信号検出時設定モードが設定されている場合(S156でYes)、グループ情報設定部139はグループ識別情報の設定を行うことなく、S17の処理に移行する。一方、信号検出字設定モードではなく信号未検出時設定モードが設定されている場合(S156でNo)、グループ情報設定部139は、グループ識別情報の設定を行う(S152)。
例えば、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6に映像信号を入力した状態で、切換部によりグループ情報設定部139の処理を図10に示す処理(信号検出時設定モード)に切り換え、グループ分けコマンドをディスプレイ装置200−1〜200−8に入力する。これにより、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6において同一のグループ識別情報が設定される。その後、切換部によりグループ情報設定部139の処理を図16に示す処理(信号未検出時設定モード)に切り換え、前回と異なるグループ識別情報を含むグループ分けコマンドをディスプレイ装置200−1〜200−8に入力する。これにより、映像信号が入力されていないディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8において同一のグループ識別情報を設定することができる。
<変形例2>
上記の説明では、分配器70Aを用いることにより、信号発生器50Aからの映像信号を、ディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6の各々に並列に入力させていた。しかしながら、分配器70Aを用いることなく、信号発生器50A,50Bからの映像信号を、映像入力端子102および映像出力端子104を用いてデイジーチェーン接続された複数のディスプレイ装置200に入力してもよい。
図18は、映像入力端子102および映像出力端子104を用いて複数のディスプレイ装置200をデイジーチェーン接続しているマルチディスプレイシステムを示す図である。
図18に示されるように、信号発生器50Aの映像信号は、ディスプレイ装置200−1の映像入力端子102に入力される。そして、ディスプレイ装置200−1の映像出力端子104とディスプレイ装置200−5の映像入力端子102、ディスプレイ装置200−5の映像出力端子104とディスプレイ装置200−6の映像入力端子102、ディスプレイ装置200−6の映像出力端子104とディスプレイ装置200−2の映像入力端子102、を接続している。
また、信号発生器50Bの映像信号は、ディスプレイ装置200−3の映像入力端子102に入力される。そして、ディスプレイ装置200−3の映像出力端子104とディスプレイ装置200−7の映像入力端子102、ディスプレイ装置200−7の映像出力端子104とディスプレイ装置200−8の映像入力端子102、ディスプレイ装置200−8の映像出力端子104とディスプレイ装置200−4の映像入力端子102、を接続している。
そして、各ディスプレイ装置200では、映像入力端子102に入力された映像信号をそのまま映像出力端子104から出力する。これにより、デイジーチェーン接続されたディスプレイ装置200−1,200−2,200−5,200−6のグループと、デイジーチェーン接続されたディスプレイ装置200−3,200−4,200−7,200−8のグループとの各々には、同一の映像信号が入力されることとなる。
<変形例3>
上記の説明では、制御用PC1において、操作受付部31は、HDD3から画像データ45を読み出し、制御信号送信部39が制御信号とともに画像データ45を信号発生器50A,50Bに送信するものとした。しかしながら、本発明はこの形態に限定されるものではない。
例えば、HDD3が複数の画像データを記憶しており、操作受付部31は、当該複数の画像データから任意に一つの画像データを読み出してもよい。
もしくは、操作受付部31は、HDD3に記憶されている複数の画像データのリストを作成し、一つの画像データの選択入力をユーザに促す画像を図4に示すグループ設定画面180に含めてもよい。これにより、ユーザは、グループ設定を行う際に、グループごとに異なる映像を表示させることができる。
<変形例4>
また、制御用PC1から画像データを信号発生器50A,50Bに送信するのではなく、信号発生器50A,50Bにテレビアンテナが接続されていてもよい。この場合、信号発生器50A,50Bは、制御用PC1から受信した制御信号が映像信号の発生をON状態にする旨を示している場合に限り、テレビアンテナから受信した信号に基づいて映像信号を発生し、出力すればよい。
<変形例5>
上記の説明では、制御用PC1からグループ分けコマンドやグループ初期化コマンドを送信するものとした。しかしながら、コマンドの送信元は制御用PC1に限定されない。例えば、ディスプレイ装置200に付属されているIR信号送信装置(コマンド出力装置)115(図6参照)を用いてコマンドをディスプレイ装置200に送信してもよい。この場合、コマンドは、デイジーチェーン接続されている複数のディスプレイ装置200における先頭のディスプレイ装置200−1に対してのみ送信すればよい。その結果、コマンドは、デイジーチェーン接続されている全てのディスプレイ装置200−2〜200−8に順次送信されることとなる。
なお、IR信号送信装置115からグループ分けコマンドを送信する場合、当該グループ分けコマンドに含まれるグループ識別情報は、ユーザが任意に設定入力してもよい。
<変形例6>
また、上記の説明では、制御用PC1から送信される制御信号により、信号発生器50A,50Bからの映像信号の出力を制御するものとした。これにより、制御用PC1を操作するだけで、信号発生器50からの映像信号の出力の有無と、ディスプレイ装置200へのコマンドの送信とを制御することができる。
しかしながら、制御用PC1により信号発生器50A,50Bを制御する形態ではなく、ユーザは、信号発生器50A,50Bを操作することにより、映像信号の出力の有無を変更してもよい。この場合、まず、ユーザは、信号発生器50Aからのみ映像信号が出力されるように、信号発生器50A,50Bを操作した後、グループ分けコマンドを出力するように制御用PC1を操作する。その後、ユーザは、信号発生器50Bからのみ映像信号が出力されるように、信号発生器50A,50Bを操作した後、グループ分けコマンドを出力するように制御用PC1を操作する。これにより、図15と同様のグループ設定を行うことができる。
<その他>
上記の説明では、グループ設定を行っている際、グループ分け表示画面がディスプレイ装置200に表示されるものとしたが、当該グループ分け表示画面を表示しない形態であってもよい。
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
最後に、ディスプレイ装置200の機能を実現するソフトウェアであるディスプレイ装置200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、ディスプレイ装置200に供給し、ディスプレイ装置200内のコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
また、ディスプレイ装置200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。