JP2012117228A - 熱負荷軽減用パネル部材、熱負荷軽減用パネル部材を備えた熱負荷軽減用パネル構造体、及び熱負荷軽減用パネル部材の配置方法 - Google Patents
熱負荷軽減用パネル部材、熱負荷軽減用パネル部材を備えた熱負荷軽減用パネル構造体、及び熱負荷軽減用パネル部材の配置方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】冷房期においても暖房期においても建築物の熱負荷の軽減を両立させる。
【解決手段】建築物の熱負荷軽減のため、建築物の外表面Sに設置して日射からその全域又は一部を覆い隠す建築物用の熱負荷軽減用パネル1において、少なくとも二つの面を有する板状の伝熱基材2と、前記伝熱基材の一方の面に設けられ、冷房期に日射側へ向けて熱の伝導を抑制する、日射反射率が80%以上の遮熱面3と、前記伝熱基材2の他方の面に設けられ、暖房期に日射側へ向けて熱の吸収を促進する、日射反射率が20%以下の吸熱面4と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】建築物の熱負荷軽減のため、建築物の外表面Sに設置して日射からその全域又は一部を覆い隠す建築物用の熱負荷軽減用パネル1において、少なくとも二つの面を有する板状の伝熱基材2と、前記伝熱基材の一方の面に設けられ、冷房期に日射側へ向けて熱の伝導を抑制する、日射反射率が80%以上の遮熱面3と、前記伝熱基材2の他方の面に設けられ、暖房期に日射側へ向けて熱の吸収を促進する、日射反射率が20%以下の吸熱面4と、を備える。
【選択図】図1
Description
この発明は、建築物の外表面に設置して日射からその全域又は一部を覆い隠す熱負荷軽減用パネル部材、この熱負荷軽減用パネル部材を備えた熱負荷軽減用パネル構造体、及びこの熱負荷軽減用パネル部材の配置方法に関し、特に建築物の熱負荷の軽減を図るものである。
近年、特に都市部においてヒートアイランド現象が問題となっているが、その原因の一つに、昼間にビルや舗装道路のコンクリートに蓄積された太陽熱が、夜間に放出されることが挙げられる。
このため、建築物の外表面に日射反射率を高めた高反射塗料を塗装することにより太陽からの日射成分を外部に反射させ、建築物の外表面の温度上昇を抑制することにより、ヒートアイランド現象を低減するという考えから、日射反射率を高めた高反射塗料が開発され実用化されている。
そしてこのような高反射塗料を建築物の外表面に塗装することにより、建築物の外表面の温度上昇を有効に抑制でき、空調管理されていない建築物における熱環境を改善したり、空調管理されている建築物の冷房負荷を軽減したりすることができる。
例えば、通常の塗料では、日射反射率が白色で50〜60%程度、中間色で20%程度、黒色で5〜10%程度となり、それを塗装した面に垂直に入射する日射成分を700W/m2とし、表面熱伝達率を25W/m2Kとし、長波長放射率を無視するとすれば、温度上昇は白色で約11〜14℃、中間色で約22℃、黒色で約25〜27℃となる。一方、高反射塗料では、日射反射率が白色で80〜90%程度のものが多く開発されており、同様に試算すると、温度上昇は3〜6℃程度に抑制され、いわゆる遮熱効果が高いことが分かる。
一方、特許文献1には、高反射塗料による日射成分の反射に代えて、光の遮断特性を有するシート状の部材を屋根上に別途配置し、太陽光を遮断することによって屋根の温度上昇を抑制する技術が開示されている。
何れにせよ、太陽からの日射熱を遮断することにより、冷房期(例えば夏季)における室内の熱環境の改善や冷房負荷の軽減を有利に実現できる。
しかしながら、これが暖房期(例えば冬季)になると、日射熱の建築物内部への侵入は反対に温熱環境改善や暖房負荷軽減に働くこととなるため、日射熱の遮断ばかりに注目した上記従来技術では夏季においては室内の熱環境改善や冷房負荷軽減を有効に実現できる反面、暖房期(冬季)においては温熱環境の悪化や暖房負荷の増大を助長する結果となる。
それゆえこの発明は、冷房期においても暖房期においても建築物の熱負荷の軽減を両立できる後付型の熱負荷軽減用パネル部材、この熱負荷軽減用パネル部材を備えた熱負荷軽減用パネル構造体、及びこの熱負荷軽減用パネル部材の配置方法を提供することを目的としている。
この発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、この発明の熱負荷軽減用パネル部材は、建築物の熱負荷軽減のため、建築物の外表面に設置して日射からその全域又は一部を覆い隠す建築物用の熱負荷軽減用パネル部材であって、少なくとも二つの面を有する板状の伝熱基材と、前記伝熱基材の一方の面に設けられ、冷房期に日射側へ向けて熱の伝導を抑制する、日射反射率が80%以上の遮熱面と、前記伝熱基材の他方の面に設けられ、暖房期に日射側へ向けて熱の吸収を促進する、日射反射率が20%以下の吸熱面と、を備えることを特徴とするものである。なお、ここでいう「日射反射率」とは、0.78〜2.1μmの波長域における日射反射率を、「JIS R3106:板ガラス類の透過率・反射率・放射率・日射熱取得率の試験方法」に準じて測定したものである。
かかる熱負荷軽減用パネル部材にあっては、冷房期においては熱負荷軽減用パネル部材の遮熱面により近赤外域の日射成分を高効率で反射できる。一方で、暖房期においては熱負荷軽減用パネル部材の吸熱面により日射熱を吸収するとともに、吸収した熱を、伝熱基材を介して建築物に伝達させることができる。
従って、この発明の熱負荷軽減用パネル部材によれば、冷房期においては、熱負荷軽減用パネル部材の遮熱面にて熱負荷を軽減でき、暖房期においては、熱負荷軽減用パネル部材の吸熱面にて熱負荷を軽減できるので、冷房期においても暖房期においても建築物の熱負荷の軽減を両立させることができる。
なお、この発明の熱負荷軽減用パネル部材にあっては、遮熱面は、吸熱面よりも高い長波長反射率を有することが好ましい。長波長放射率が高いと熱負荷軽減用パネル部材からの輻射伝熱が大きくなり、逆に長波長反射率が低いと熱負荷軽減用パネル部材からの輻射伝熱が小さくなるので、これによれば、暖房期においては、熱負荷軽減用パネル部材からの熱を建築物に伝達し易くできるとともに、冷房期においては熱負荷軽減用パネル部材からの熱を建築物に伝達し難くできるので、冷房期及び暖房期における建築物の熱負荷の軽減をより高い次元で両立させることが可能となる。
また、この発明の熱負荷軽減用パネル部材にあっては、建築物の外表面と吸熱面との間に隙間を形成する位置決め部材を備えることが好ましい。これによれば、熱負荷軽減用パネル部材と建築物の外表面との間の隙間空間を断熱層として機能させることができるとともに、空気の流通空間を確保できるため、冷房期における遮熱効果をより高めることができる。
さらに、この発明の熱負荷軽減用パネル部材にあっては、吸熱面に補強部材を備えることが好ましい。これによれば、熱負荷軽減用パネル部材の強度を確保しつつ伝熱基材を薄肉化でき、吸熱面から遮熱面への熱流量を増大させることができるので、暖房期における暖房負荷軽減効果をより一層高めることができる。
また、前記目的を達成するため、この発明の熱負荷軽減用パネル構造体は、建築物の外表面の全部又は一部を覆い隠す熱負荷軽減用パネル部材と、この熱負荷軽減用パネル部材を支持する支持具とを備えた熱負荷軽減用パネル構造体であって、前記熱負荷軽減用パネル部材は、日射反射率が80%以上で、冷房期に日射側へ向けて熱の伝導を抑制する遮熱面と、日射反射率が20%以下で、暖房期に日射側へ向けて熱の吸収を促進する吸熱面とを、それぞれ板状の伝熱基材に互いに逆向きに配設した少なくとも二つの面を有し、前記支持具は、前記熱負荷軽減用パネル部材に連係する軸部と、この軸部を回転可能に支持して前記熱負荷軽減用パネル部材を遮熱面又は吸熱面に反転させる軸受け部とを有することを特徴とするものである。
この発明の熱負荷軽減用パネル構造体によれば、熱負荷軽減用パネル部材を建築物の外表面に対して回転可能に支持することができるため、熱負荷軽減用パネル部材の遮熱面及び吸熱面間における反転を容易かつ確実に行うことが可能となる。
なお、この発明の熱負荷軽減用パネル構造体にあっては、熱負荷軽減用パネル部材の遮熱面は、吸熱面よりも高い長波長反射率を有することが好ましい。
また、この発明の熱負荷軽減用パネル構造体にあっては、熱負荷軽減用パネル部材は、建築物の外表面と吸熱面との間に隙間を形成する位置決め部材を備えることが好ましい。
さらに、この発明の熱負荷軽減用パネル構造体にあっては、熱負荷軽減用パネル部材は、吸熱面に補強部材を備えることが好ましい。
さらに、この発明の熱負荷軽減用パネル構造体にあっては、支持具は、軸部を熱負荷軽減用パネル部材とともに、該軸部の軸線に直交する方向でかつ前記外表面に平行な方向に沿って移動させるガイドを有することが好ましい。これによれば、支持具の軸部をガイドに沿ってスライド移動させつつこの軸部を基点して熱負荷軽減用パネル部材を回転させることで、熱負荷軽減用パネル部材を建築物の外表面に水平に配置したときの、熱負荷軽減用パネル部材の投影面内にて、熱負荷軽減用パネル部材を反転させることができるため、熱負荷軽減用パネル構造体の必要設置面積を最小限とすることができ、言い換えれば、建築物の外表面上に熱負荷軽減用パネル構造体を隙間なく配置することが可能となる。
さらに、この発明の熱負荷軽減用パネル構造体にあっては、二以上の熱負荷軽減用パネル部材が前記支持具に支持されており、これらの二以上の熱負荷軽減用パネル部材は相互に連結されていることが好ましい。これによれば、相互に連結された複数の熱負荷軽減用パネル部材を同時かつ一緒に反転させることができる。
そして、前記目的を達成するため、この発明の熱負荷軽減用パネル部材の配置方法は、建築物の熱負荷軽減のため、建築物の外表面に熱負荷軽減用パネル部材を設置して日射からその全域又は一部を覆い隠す熱負荷軽減用パネル部材を配置するにあたり、日射反射率が80%以上で熱の伝導を抑制する遮熱面と、日射反射率が20%以下で熱の吸収を促進する吸熱面とを、それぞれ板状の伝熱基材に互いに逆向きに配設した少なくとも二つの面を有する熱負荷軽減用パネル部材を用意し、冷房期においては該熱負荷軽減用パネル部材の遮熱面を日射側に向けて配置し、暖房期においては該熱負荷軽減用パネル部材の吸熱面を日射側に向けて配置することを特徴とするものである。
この発明の熱負荷軽減用パネル部材の配置方法によれば、冷房期においては、熱負荷軽減用パネル部材の遮熱面にて熱負荷を軽減でき、暖房期においては、熱負荷軽減用パネル部材の吸熱面にて熱負荷を軽減できるので、冷房期においても暖房期においても建築物の熱負荷の軽減を両立させることができる。
なお、この発明の熱負荷軽減用パネル部材の配置方法にあっては、冷房期において、吸熱面を外表面に対して隙間をあけて配置し、暖房期において、遮熱面を外表面に対して近接又は密着して配置することが好ましい。これによれば、冷房期において熱負荷軽減用パネル部材と建築物の外表面との間の隙間を断熱層として機能させることができ、遮熱効果をより高めることができる一方、暖房期においては、熱負荷軽減用パネル部材から建築物の外表面への熱伝達を良好とし、暖房負荷軽減効果をより高めることができる。
この発明によれば、冷房期においても暖房期においても建築物の熱負荷の軽減を両立させることができる。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。
図1はこの発明の一実施形態の熱負荷軽減用パネル部材を示したものであり、(a)は斜視図、(b)は(a)中のA−A線に沿う断面図である。
この図において、熱負荷軽減用パネル部材(以下、単に「パネル部材」という)1は、建築物の熱負荷軽減のため、建築物の外表面Sに設置して日射からその全域又は一部を覆い隠すものである。パネル部材1は、矩形の板状に形成された伝熱基材2を備える。伝熱基材2は、良熱伝導性の材料からなり、例えば、アルミニウムやステンレス製の金属板を用いることができる。伝熱基材2の熱伝導率としては15W/m2K以上とすることが好ましい。ここでは外形寸法900mm×900mmであり、厚さについては、熱伝導抵抗を考慮すれば薄ければ薄いほど熱流量が大きくなるが、薄くしすぎると熱容量が低下し、微風によって表面温度が低下し、逆に熱流量が低下することもあるため、想定する風速に対して適切な熱流量が確保できる板厚とすることが望ましい。
この伝熱基材2の一方の面には、冷房期に日射側へ指向され熱の伝熱を抑制する、日射反射率が80%以上、より好適には95%以上の遮熱面3が形成されている。また、遮熱面3の裏面となる、伝熱基材2の他方の面には、暖房期に日射側へ指向され熱の吸収を促進する、日射反射率が20%以下、より好適には5%以下の吸熱面4が形成されている。ここではさらに、遮熱面3の長波長反射率は、吸熱面4の長波長反射率よりも高く設定される。
この遮熱面3は、日射反射率、長波長反射率が上記値となるよう顔料の調整がされた金属系又は白色系の塗膜により形成できる他、伝熱基材2が金属で構成される場合には磨き仕上げやめっき処理を施し金属光沢面とすることで形成できる。金属光沢面とすると、95%程度の日射反射率を得ることができ、また長波長反射率も2〜20%程度得ることができる。一方、吸熱面4は、日射反射率、長波長反射率が上記値となるよう顔料の調整がされた黒色系の塗膜により形成できる。
また、パネル部材1の端部は、吸熱面4側に所定長さ(ここでは50mm)折り曲げられている。これによりパネル部材1の吸熱面4には、該吸熱面4を取り囲む、補強部材としての周壁5が形成される。パネル部材1を補強して伝熱基材2の薄肉化を図るためには、周壁5は、パネル部材1の遮熱面3又は吸熱面4の何れに設けても良いが、吸熱面4を日射側に指向させた際に、遮熱面3と建築物の外表面Sとの間の距離をできる限り小さくして、伝熱効果を高めるという観点からは、周壁5は吸熱面4側に設けることが好ましい。またここでは、周壁5はパネル部材1の端縁に沿って連続的に形成しているが、周壁5の一部に切り欠き部(図示省略)を設けて断続的なものとしても良く、これによればかかる切り欠き部を空気の流通路とすることができるので、冷房期におけるパネル部材1の遮熱効果をより高めることができる。
さらに、パネル部材1の一端部には位置決め部材としてのアングル6が配設されている。アングル6は、パネル部材1をその吸熱面4を建築物の外表面Sに対向させて配置した際に、該外表面Sと吸熱面4との間に所定の隙間(ここでは100mm)を形成する。位置決め部材としては、建築物の外表面Sと吸熱面4との間に隙間を形成できれば、形状、位置及び個数等に関して特に限定はなく、例えば吸熱面4上に一又は複数の単なる突起(図示省略)を設けることで構成しても良い。
このパネル部材1を建築物の外表面S(例えば、外壁、屋上又は屋根)に設置するにあたっては、冷房期(例えば夏季)においては該パネル部材1の遮熱面3を日射側に向けて配置する。このとき、パネル部材1はアングル6によって外表面Sからの高さが位置決めされ、吸熱面4と外表面Sとの間には所定の隙間が形成される。一方、暖房期(例えば冬季)においては、該パネル部材1の吸熱面4を日射側に向けて配置する。このとき遮熱面3と外表面Sは密着することとなる。
これにより、冷房期においてはパネル部材1の遮熱面3を用いて近赤外域の日射成分を高効率で反射でき、建築物の日射の吸収による温度上昇を抑制できるため、建物内が空調されていない場合は室内温熱環境を改善することができ、空調されている場合は冷房負荷の軽減に寄与することができる。また、建築物への日射熱を遮断することはヒートアイランド対策にも有効である。一方、暖房期においてはパネル部材1の吸熱面4を用いて、従来の高反射による遮熱外装よりも温度を高くでき、さらに建築物の外表面Sよりも日射熱を吸収して温度を高くできる。その結果、建物内が空調されていない場合は室内温熱環境を改善することができ、空調されている場合は暖房負荷の軽減に寄与することができる。なぜなら、吸熱面4で吸収された日射率は、良好な熱伝導性を有する伝熱基材2を介して効率的に建築物の外表面Sに伝達されるからである。この観点からして、伝熱基材2の厚さδはでき得る限り薄くして熱流量を増大させることが好ましく、これは同時にパネル部材1の軽量化にも寄与する。
従って、かかる実施形態のパネル部材1によれば、パネル部材1の遮熱面3にて日射熱の吸収を抑制でき、パネル部材1の吸熱面4にて日射熱の吸収を高めることができるので、冷房期及び暖房期の両期における建築物の熱負荷軽減の両立を、同一部材で有利に実現することができる。すなわち、同一のパネル部材1で遮熱と吸熱の両方の機能を備え、冷房期での遮熱効果と、暖房期での日射熱利用の両立が可能となる。
ちなみに、遮熱面3の日射反射率を80%未満とした場合には、伝熱基材2を良伝導性としたこととの関係上、冷房期における遮熱効果が十分得られなくなるおそれがある。一方、吸熱面4の日射反射率を20%超とした場合には、伝熱基材2において大きな熱流量を確保しなければ暖房期における十分な吸熱効果が得られなくなるおそれがあるため、コスト高やパネル部材の強度不足を助長する結果となる。また、遮熱面3の日射反射率はより高い方が良く、吸熱面4の日射反射率はより低い方が良い。
なお、この実施形態のパネル部材1では、遮熱面3の長波長反射率を吸熱面4のそれよりも高くしたことから、遮熱面3からの輻射伝熱を大きく、逆に吸熱面4からの輻射伝熱を小さくできる。その結果、暖房期においては、パネル部材からの熱を建築物に伝達し易くできるとともに、冷房期においてはパネル部材からの熱を建築物に伝達し難くできるので、冷房期及び暖房期における建築物への熱負荷の軽減をより高い次元で両立させることが可能となる。
また、このパネル部材1では、建築物の外表面Sと吸熱面4との間に隙間を形成するアングル6を設けたことから、パネル部材1と建築物の外表面Sとの間に断熱層として機能する隙間空間を形成することができ、また、当該隙間は空気の流通空間としても作用するので、冷房期における遮熱効果をより高めることができる。一方、暖房期においてはパネル部材1の吸熱面4を建築物の外表面Sに密着させることができるので、暖房期における日射熱の利用効率をより高めることができる。
さらに、このパネル部材1では、パネル部材1の端部に補強部材としての周壁5を設けたことから、パネル部材1の強度を確保しつつ伝熱基材2の薄肉化を実現することができる。なお、周壁5とともに又はこれに代えて補強用のリブ(図示省略)を遮熱面3及び吸熱面4の少なくとも一方に設けても良い。
次いで、図1で説明したようなパネル部材1を建築物の外表面Sに適用する際に好適に用いることできる熱負荷軽減用パネル構造体について図面を参照して説明する。
ここで、図2は、この発明に従う実施形態の熱負荷軽減用パネル構造体を、吸熱面を日射側に指向させた状態で示す斜視図であり、図3(a)は図2の熱負荷軽減用パネル構造体のB−B線に沿う断面図であり、(b)は図2の熱負荷軽減用パネル構造体のC−C線に沿う断面図であり、図4は、図2の熱負荷軽減用パネル構造体を、遮熱面を日射側に指向させた状態で示す斜視図であり、図5は、図4の熱負荷軽減用パネル構造体のD−D線に沿う断面図であり、図6は、反転過程にある熱負荷軽減用パネル構造体を示す斜視図である。以下、図1で示したパネル部材1の構成要素と同様の要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
これらの図において、熱負荷軽減用パネル構造体(以下、単に「パネル構造体」という)10は、パネル部材1と、パネル部材1の左右方向に並んで配置された一対の枠材11と、を備える。パネル部材1の後端部には、軸部としての車軸12が留め具13によって回転自在に設けられている。この車軸12はパネル部材1の左右方向に沿って配置され、その両端部には各枠材11の後述するガイド溝内に収容される車輪14がそれぞれ装着されている。よって、パネル部材1は車軸12を回転基点として枠材11に回転可能に支持される。なお、ここでは車輪14として直径75mmのものを採用しているが、これに限定されない。
各枠材11は、パネル部材1側に開口する略C字状の断面形状を有し、長手方向が車軸12の軸線方向に直交する方向でかつ建築物の外表面Sに沿う方向(以下、「ガイド方向」という)となるよう配置される。枠材11の内面側には、車輪14を収容しかつ案内する、ガイドとしてのガイド溝16がガイド方向に沿って連続して形成されている。各枠材11の開口部11aには車軸12の端部がそれぞれ挿入される。よって、車輪14は、枠材11のガイド溝16内をガイド方向に転動可能であり、かかる車輪14の転動と連動して車軸12はガイド方向にスライド移動可能である。ここでは、枠材11は、各々軽量C形鋼(リップ溝形鋼)(C−100×40×12×1.6)から形成されるが、これに限らずH形鋼、角形鋼管等を用いることができ、材質や寸法等においても特に制限はない。また、各枠材11間をなす距離D(内法寸法)は、パネル部材1の横幅Wより若干大きく(ここでは920mm)、パネル部材1の側部と枠材11との間には少許の間隙が形成される。枠材11の長さはパネル部材1の縦幅と同じにするかそれよりも大きくすることが好ましい。一対の枠材11で複数のパネル部材1を保持する場合は、そのパネル部材1の枚数に応じた長さとする。例えば、一対の枠材11で2枚のパネル部材1を保持する場合、枠材11の長さとして、少なくとも、2枚分のパネル部材1の縦幅に応じた距離が必要となる。前述した枠材11、車軸12、車輪14、ガイド溝16は全体として、パネル部材1を回転可能に支持する支持具を構成する。
この実施形態のパネル構造体10にあっては、暖房期においては図2及び図3(a)に示すようにパネル部材1の吸熱面4を日射側に、遮熱面3を建築物の外表面S側に向けて水平姿勢に配置する。このとき、パネル部材1のアングル6の下端部6aが枠材11の上面に当接してパネル部材1の遮熱面3は外表面Sに対して密着した位置に位置決めされる。そしてこのように位置決めされた状態にて、アングル6の下端部6aはボルトやクランプなどの固定具(図示省略)を用いて枠材11に固定することが好ましい。一方、冷房期においては図4及び図5に示すようにパネル部材1の遮熱面3を日射側に、吸熱面4を建築物の外表面S側に向けて前傾姿勢に配置する。このとき、パネル部材1のアングル6の下端部6aが枠材11の上面に当接してパネル部材1の吸熱面4は、外表面Sとの間に所定の空間を形成した状態にて位置決めされる。そしてこのように位置決めされた状態にて、アングル6の下端部6aはボルトやクランプなどの固定具(図示省略)を用いて枠材11に固定することが好ましい。
ここで、パネル部材1を反転させるには、先ず、吸熱面4が日射側を向いた状態(図2参照)から、図6中に矢印で示すように、車軸12を基点としてパネル部材1を回転させながら、つまりパネル部材1の、アングル6が付設された方の端部を持ち上げながら、車軸12をガイド方向に沿ってスライド移動させて、パネル部材1を起立姿勢とする。次いで、起立姿勢の状態から車軸12をさらに同方向にスライド移動させながら、アングル6の下端部6aが枠材11の上端面に当接するまでパネル部材1を同方向に回転させる。遮熱面3から吸熱面4への反転はかかる動作と反対の動作により行うことができる。
従ってこのパネル構造体10によれば、パネル部材1による上述の効果に加えて遮熱面3及び吸熱面4間でのパネル部材1の反転を容易かつ確実に実現できる。
またこの実施形態のパネル構造体10によれば、パネル部材1の回転基点となる車軸12が枠材11のガイド溝16に沿ってスライド移動可能であるから、水平姿勢にあるパネル部材1の投影面内にて、パネル部材1を反転させることができる。これによりパネル構造体10の必要設置面積を最小限とすることができ、つまり、建築物の外表面S上にパネル構造体10を隙間なく効率的に配置できるようになる。
次いで、この発明に従う他の実施形態のパネル構造体について図面を参照して説明する。ここで、図7は、この発明に従う他の実施形態のパネル構造体を、吸熱面を日射側に指向させた状態で示す斜視図であり、図8は、図7中のE−E線に沿う断面の一部を示す断面図であり、図9は、図7のパネル構造体を、遮熱面を日射側に指向させた状態で示す斜視図であり、図10は、図9中のF−F線に沿う断面の一部を示す断面図である。なお、上記で説明したパネル構造体10の構成要素と同様のものには同一の符号を付し、その説明を省略する。
これらの図において、この実施形態のパネル構造体20は、パネル部材1と、パネル部材1の左右方向で建築物の外表面Sに固定される一対の嵩上げ部材21と、各嵩上げ部材21上に固定された一対の枠材22と、を備える。嵩上げ部材21は、枠材22を所定距離上方へ嵩上げするためのものである。
嵩上げ部材21は、アンカーボルトやクランプ等を用いた既知の手法により建築物に対して固定される。各嵩上げ部材21は互いに、図示しない連結部材により左右方向に所定の距離隔てた状態にて連結でき、かかる連結部材を建築物に固定することもできる。ここでは、嵩上げ部材21は、各々軽量H形鋼(H−100×100×6×9)から形成されるがこれに限定されない。
パネル部材1は、先の実施形態で説明したものと同様の構成であるものの、アングル6の長さが若干長く形成されている。また、パネル部材1の、アングル6が配置された方とは逆の端部には延長アーム24が固定されている。また、延長アーム24の先端部には保持金具25が連係されており、これら延長アーム24と保持金具25とはピン26(軸部)を介して相互に回動可能である。延長アーム24は、回転基点となるピン26をパネル部材1から離れた位置に離間保持させるものである。保持金具26はその先端に、各枠材22に設けられた後述するガイド溝内に収容される車輪27を保持する。なお、車輪27はロック爪(図示省略)によって逆回転不可能としても良い。
各枠材22は、図8に示すように、上側に開口する略C字状の断面形状を有し、長手方向がピン26の軸線方向に直交する方向でかつ建築物の外表面Sに沿う方向(ガイド方向)となるよう配置される。枠材22の内面側には、車輪27を収容し案内するガイド溝28がガイド方向に沿って連続して形成されている。各枠材22の開口部22aには保持金具26の端部がそれぞれ挿入される。車輪27は枠材22のリップ部分29によって脱輪が防止される。よって、車輪27は、枠材22のガイド溝28内を転動可能であり、かかる車輪27の転動と連動して回転基点となるピン26はガイド方向にスライド移動する。ここでは、枠材22は、各々軽量C形鋼(リップ溝形鋼)(C−100×40×12×12)から形成されるが、これに限定されない。前述した嵩上げ部材21、枠材22、延長アーム24、保持金具25、ピン26、車輪27、ガイド溝28は全体として支持具を構成する。
この実施形態のパネル構造体20にあっては、暖房期においては図7及び図8に示すようにパネル部材1の吸熱面4を日射側に、遮熱面3を建築物の外表面S側に向けて配置する。このとき、パネル部材1のアングル6の下端部6aが枠材22の上面に当接してパネル部材1の遮熱面3は外表面Sに対して密着した位置に位置決めされる。一方、冷房期においては図9及び図10に示すようにパネル部材1のアングル6の下端部6aが枠材22の上面に当接してパネル部材1の吸熱面4は、外表面Sとの間に所定の間隔を形成した状態にて位置決めされる。ここで、この構造体20ではパネル部材1とピン26とのなす距離が延長アーム24によって延長され、アングル6の長さも先の実施形態のものよりも長いことから、パネル部材1の吸熱面4及び外表面S間の間隔は図4に示す場合よりも大きくなる。パネル部材1の反転は先の実施形態のパネル構造体10と同様に行い得る。
従ってこのパネル構造体20によれば、パネル部材1の遮熱面3を日射側に向けた状態にて吸熱面4と建築物の外表面Sとの間により大きな空間を形成することが可能となる。よって、より多くの空気をかかる空間内に流通させることができるので、パネル部材1による遮熱効果をより一層高めることができる。
また、このパネル構造体20によれば、枠材22のリップ部分29によって車輪27の脱輪が防止されることから、風の吹き上げに対してもパネル部材1が外れることはない。
以上、図示例に基づき説明したが、この発明は上述の実施形態に限定されるものでなく、特許請求の範囲の記載範囲内で適宜変更することができる。例えば、上記実施形態では、一対の枠材11、22に保持するパネル部材は1枚のみであったが、枠材11、22を長手方向に延長し、複数のパネル部材を支持可能としても良い。また、横方向(左右方向)にも枠材11、22を増設してパネル部材1を支持しても良い。このように、複数のパネル部材1を設けた場合には、隣り合うパネル部材のアングル6等を連係してグループ化することにより、パネル部材1の反転する単位を設定することができる。パネル部材1の反転は、手動でも機械的手段を用いても良く、パネル部材1のグループ化はその反転手法を考慮して決定することが好ましい。また、ガイドはガイド溝16、28の構成に限らず、車輪を案内可能なレールとしても良い。
次に、この発明に従う実施例1〜3のパネル部材及び比較例1、2のパネル部材をそれぞれ試作し、遮熱効果及び吸熱効果についての評価を行ったので、以下説明する。
実施例1のパネル部材は、厚さ1.6mm、縦幅900mm、横幅900mmの鋼板(伝熱基材)の一方の面(遮熱面)に日射反射率が80%、長波長放射率が80%となるよう顔料を調整した白色系の塗装(一般白色塗装)を施し、他方の面(吸熱面)に日射反射率が10%、長波長放射率が95%となるよう顔料を調整した黒色系の塗装(一般黒色塗装)を施したものである。
実施例2のパネル部材は、厚さ1.6mm、縦幅900mm、横幅900mmの鋼板(伝熱基材)の一方の面(遮熱面)に日射反射率が95%、長波長放射率が40%となるよう顔料を調整した白色系の塗装(高反射白色塗装)を施し、他方の面(吸熱面)に日射反射率が5%、長波長放射率が95%となるよう顔料を調整した黒色系の塗装(つや消し黒色塗装)を施したものである。
実施例3のパネル部材は、厚さ1.6mm、縦幅900mm、横幅900mmの伝熱基材の一方の面(遮熱面)を日射反射率が90%、長波長放射率が20%となるアルミ系のめっき光沢面とし、他方の面(吸熱面)に日射反射率が5%、長波長放射率が95%となるよう顔料を調整した黒色系の塗装(つや消し黒色塗装)を施したものである。
比較例1のパネル部材は、厚さ1.6mm、縦幅900mm、横幅900mmの鋼板の一方の面(裏面の使用は想定しない)に日射反射率が95%、長波長放射率が40%となるよう顔料を調整した白色系の塗装を施したものである。
比較例2のパネル部材は、厚さ1.6mm、縦幅900mm、横幅900mmの鋼板(伝熱基材)の一方の面(遮熱面)に日射反射率が80%、長波長放射率が80%となるよう顔料を調整した白色系の塗装を施し、他方の面(吸熱面)に日射反射率が20%(20%以上の値を想定しています)、長波長放射率が80%となるよう顔料を調整した黒色系の塗装を施したものである。
ここで遮熱効果及び吸熱効果の評価は、冷房期の日射を900W/m2(夏至)、暖房期の日射を450W/m2(概ね期間平均)、夜間輻射を冷房期で65W/m2、暖房期で110W/m2、表面熱伝達率を25W/m2Kと仮定して、部材の温度上昇(外気温度からの温度上昇)を相当外気温度から求めて相対比較することにより行った。
その結果、冷房期のパネル裏側の隙間による排熱効果を安全側に無視すると、実施例1では、冷房期+5.12℃、暖房期+12.02℃、実施例2では、冷房期+0.76℃、暖房期+12.92℃、実施例3では、冷房期+3.08℃、暖房期+12.92℃、比較例1では、冷房期+0.76℃、暖房期+0.86℃、比較例2では、冷房期+5.12℃、暖房期+10.88℃となる。参考として、通常のコンクリートスラブ(屋上面)に何も設置しない場合(日射反射率20%、長波長反射率80%)は、冷房期+26.72℃、暖房期+10.88℃である。なお、冷房期の温度上昇は、室内側への冷房負荷となるため小さい方がよく、暖房期の温度上昇は、室内側への熱供給が増大して暖房負荷軽減に寄与するため、大きい方がよい。また、温度上昇は、温度上昇=(日射吸収率×日射量+長波長放射率×夜間輻射)/表面熱伝達率、から求めることができる。
この結果からも分かるように、遮熱パネル(比較例1)を設置すると、何も設置しない場合に比べて、冷房期の温度上昇が小さくなり、冷房負荷軽減となるが、暖房期はむしろ表面温度が低くなるために暖房負荷が増大する。本発明によれば、冷房負荷軽減効果および暖房負荷軽減効果の両方に寄与し、さらに通常のパネルを本発明と同様の形態で使用した場合(比較例2)よりも効果が高いものとなる。
かくしてこの発明の熱負荷軽減用パネル部材、熱負荷軽減用パネル構造体、熱負荷軽減用パネル部材の配置方法によれば、冷房期においては日射熱を効率良く遮断し、暖房期においては日射熱を吸収、伝達させることができるので、冷房期における断熱及び冷房負荷軽減と、暖房期における暖房負荷軽減とを両立させることができる。
1 熱負荷軽減用パネル部材
2 伝熱基材
3 遮熱面
4 吸熱面
5 周壁(補強部材)
6 アングル(位置決め部材)
10、20 熱負荷軽減用パネル構造体
11、22 枠材(軸受け部)
12 車軸(軸部)
13 留め金具
14、27 車輪
16、28 ガイド溝(ガイド)
21 嵩上げ部材
24 延長アーム
25 保持金具
26 ピン(軸部)
S 建築物の外表面
2 伝熱基材
3 遮熱面
4 吸熱面
5 周壁(補強部材)
6 アングル(位置決め部材)
10、20 熱負荷軽減用パネル構造体
11、22 枠材(軸受け部)
12 車軸(軸部)
13 留め金具
14、27 車輪
16、28 ガイド溝(ガイド)
21 嵩上げ部材
24 延長アーム
25 保持金具
26 ピン(軸部)
S 建築物の外表面
Claims (12)
- 建築物の熱負荷軽減のため、建築物の外表面に設置して日射からその全域又は一部を覆い隠す建築物用の熱負荷軽減用パネル部材であって、
少なくとも二つの面を有する板状の伝熱基材と、
前記伝熱基材の一方の面に設けられ、冷房期に日射側へ向けて熱の伝導を抑制する、日射反射率が80%以上の遮熱面と、
前記伝熱基材の他方の面に設けられ、暖房期に日射側へ向けて熱の吸収を促進する、日射反射率が20%以下の吸熱面と、を備えることを特徴とする熱負荷軽減用パネル部材。 - 前記遮熱面は、前記吸熱面よりも高い長波長反射率を有する、請求項1に記載の熱負荷軽減用パネル部材。
- 前記熱負荷軽減用パネル部材は、前記建築物の外表面と前記吸熱面との間に隙間を形成する位置決め部材を備える、請求項1又は2に記載の熱負荷軽減用パネル部材。
- 前記熱負荷軽減用パネル部材は、前記吸熱面に補強部材を備える、請求項1〜3の何れか一項に記載の熱負荷軽減用パネル部材。
- 建築物の外表面の全部又は一部を覆い隠す熱負荷軽減用パネル部材と、この熱負荷軽減用パネル部材を支持する支持具とを備えた熱負荷軽減用パネル構造体であって、
前記熱負荷軽減用パネル部材は、日射反射率が80%以上で、冷房期に日射側へ向けて熱の伝導を抑制する遮熱面と、日射反射率が20%以下で、暖房期に日射側へ向けて熱の吸収を促進する吸熱面とを、それぞれ板状の伝熱基材に互いに逆向きに配設した少なくとも二つの面を有し、
前記支持具は、前記熱負荷軽減用パネル部材に連係する軸部と、この軸部を回転可能に支持して前記熱負荷軽減用パネル部材を遮熱面又は吸熱面に反転させる軸受け部とを有することを特徴とする熱負荷軽減用パネル構造体。 - 前記遮熱面は、前記吸熱面よりも高い長波長反射率を有する、請求項5に記載の熱負荷軽減用パネル構造体。
- 前記熱負荷軽減用パネル部材は、前記建築物の外表面と前記吸熱面との間に隙間を形成する位置決め部材を備える、請求項5又は6に記載の熱負荷軽減用パネル構造体。
- 前記熱負荷軽減用パネル部材は、前記吸熱面に補強部材を備える、請求項5〜7の何れか一項に記載の熱負荷軽減用パネル構造体。
- 前記支持具は、前記軸部を前記熱負荷軽減用パネル部材とともに、該軸部の軸線に直交する方向でかつ前記外表面に平行な方向に沿ってスライド移動させるガイドを有する、請求項5〜8の何れか一項に記載の熱負荷軽減用パネル構造体。
- 二以上の熱負荷軽減用パネル部材が前記支持具に支持されており、これらの二以上の熱負荷軽減用パネル部材は相互に連結されている、請求項5〜9の何れか一項に記載の熱負荷軽減用パネル構造体。
- 建築物の熱負荷軽減のため、建築物の外表面に熱負荷軽減用パネル部材を設置して日射からその全域又は一部を覆い隠す熱負荷軽減用パネル部材を配置するにあたり、
日射反射率が80%以上で熱の伝導を抑制する遮熱面と、日射反射率が20%以下で熱の吸収を促進する吸熱面とを、それぞれ板状の伝熱基材に互いに逆向きに配設した少なくとも二つの面を有する熱負荷軽減用パネル部材を用意し、冷房期においては該熱負荷軽減用パネル部材の遮熱面を日射側に向けて配置し、暖房期においては該熱負荷軽減用パネル部材の吸熱面を日射側に向けて配置することを特徴とする熱負荷軽減用パネル部材の配置方法。 - 冷房期において、前記吸熱面を前記外表面に対して隙間をあけて配置し、暖房期において、前記遮熱面を前記外表面に対して近接又は密着して配置する、請求項11に記載の熱負荷軽減用パネル部材の配置方法。
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JP2010265707A JP2012117228A (ja) | 2010-11-29 | 2010-11-29 | 熱負荷軽減用パネル部材、熱負荷軽減用パネル部材を備えた熱負荷軽減用パネル構造体、及び熱負荷軽減用パネル部材の配置方法 |
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CN106480975A (zh) * | 2016-09-23 | 2017-03-08 | 四川大学 | 一种预制阳台板 |
-
2010
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