JP2012117069A - 有機エレクトロルミネッセンス素子材料 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子材料に関する。
従来、発光型の電子ディスプレイデバイスとして、エレクトロルミネッセンスディスプレイ(以下、ELDという)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネッセンス素子や有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)が挙げられる。無機エレクトロルミネッセンス素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。有機EL素子は、発光する化合物を含有する発光層を陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さらに、自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
しかしながら、今後の実用化に向けた有機EL素子においては、さらに低消費電力で効率よく高輝度に発光する有機EL素子の開発が望まれている。
特許第3093796号明細書では、スチルベン誘導体、ジスチリルアリーレン誘導体またはトリススチリルアリーレン誘導体に、微量の蛍光体をドープし、発光輝度の向上、素子の長寿命化を達成している。
また、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これに微量の蛍光体をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特開昭63−264692号公報)、8−ヒドロキシキノリンアルミニウム錯体をホスト化合物として、これにキナクリドン系色素をドープした有機発光層を有する素子(例えば、特開平3−255190号公報)等が知られている。
以上のように、励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であり、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率(ηext)の限界は5%とされていた。
ところが、プリンストン大より励起三重項からの燐光発光を用いる有機EL素子の報告(M.A.Baldoet al.,nature、395巻、151−154ページ(1998年))がされて以来、室温で燐光を示す材料の研究が活発になってきている。
例えばM.A.Baldo et al.,nature、403巻、17号、750−753ページ(2000年)、また米国特許第6,097,147号明細書等にも開示されている。
励起三重項を使用すると、内部量子効率の上限が100%となるため、励起一重項の場合に比べて原理的に発光効率が4倍となり、冷陰極管とほぼ同等の性能が得られる可能性があることから照明用途としても注目されている。
例えば、S.Lamansky et al.,J.Am.Chem.Soc.,123巻,4304ページ(2001年)等においては、多くの化合物がイリジウム錯体系等重金属錯体を中心に合成検討されている。
また、前述のM.A.Baldo et al.,nature,403巻,17号,750−753ページ(2000年)においては、ドーパントとして、トリス(2−フェニルピリジン)イリジウムを用いた検討がされている。
その他、M.E.Tompson等は、The 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL’00、浜松)において、ドーパントとしてL2Ir(acac)例えば(ppy)2Ir(acac)を、また、Moon−Jae Youn.0g、Tetsuo Tsutsui等は、やはり、The10th InternationalWorkshop on Inorganic and OrganicElectroluminescence(EL’00、浜松)において、ドーパントとして、トリス(2−(p−トリル)ピリジン)イリジウム(Ir(ptpy)3),トリス(ベンゾ[h]キノリン)イリジウム(Ir(bzq)3)等を用いた検討を行っている(なおこれらの金属錯体は一般にオルトメタル化イリジウム錯体と呼ばれている。)。
また、前記、S.Lamansky et al.,J.Am.Chem.Soc.,123巻,4304ページ(2001年)等においても、各種イリジウム錯体を用いて素子化する試みがされている。
また、高い発光効率を得るために、The 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL’00、浜松)では、Ikai等はホール輸送性の化合物を燐光性化合物のホストとして用いている。また、M.E.Tompson等は、各種電子輸送性材料を燐光性化合物のホストとして、これらに新規なイリジウム錯体をドープして用いている。
中心金属をイリジウムの代わりに白金としたオルトメタル化錯体も注目されている。この種の錯体に関しては、配位子に特徴を持たせた例が多数知られている(例えば、特許文献1〜5及び非特許文献1参照。)。
何れの場合も発光素子とした場合の発光輝度や発光効率は、その発光する光が燐光に由来することから、従来の素子に比べ大幅に改良されるものであるが、素子の発光寿命については従来の素子よりも低いという問題点があった。このように、りん光性の高効率の発光材料は、発光波長の短波化と素子の発光寿命の改善が難しく実用に耐えうる性能を十分に達成できていないのが現状である。
波長の短波化に関しては、これまでフェニルピリジンにフッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基等の電子吸引基を置換基として導入すること、配位子としてピコリン酸やピラザボール系の配位子を導入することが知られている(例えば、特許文献6〜10及び非特許文献1〜4参照。)が、これらの配位子では発光材料の発光波長が短波化して青色を達成し、高効率の素子を達成できる一方、素子の発光寿命は大幅に劣化するため、そのトレードオフの改善が求められていた。
波長の短波化に関しては、これまでフェニルピリジンにフッ素原子、トリフルオロメチル基、シアノ基等の電子吸引基を置換基として導入すること、配位子としてピコリン酸やピラザボール系の配位子を導入することが知られている(例えば、特許文献6〜10及び非特許文献1〜4参照。)が、これらの配位子では発光材料の発光波長が短波化して青色を達成し、高効率の素子を達成できる一方、素子の発光寿命は大幅に劣化するため、そのトレードオフの改善が求められていた。
Inorganic Chemistry,第41巻,第12号,3055〜3066ページ(2002年)
Aplied Physics Letters,第79巻,2082ページ(2001年)
Aplied Physics Letters,第83巻,3818ページ(2003年)
New Journal of Chemistry,第26巻,1171ページ(2002年)
本発明は係る課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、発光波長が制御され、高い発光効率を示し、かつ、発光寿命の長い有機EL素子、照明装置及び表示装置を提供することである。
上記課題は、以下の構成により解決することができ、特に本願発明は、下記一般式(10)で表される部分構造及び下記補助配位子から選ばれる少なくとも1つからなる4価の白金のオルトメタル錯体の少なくとも1種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料である。
式中、X11は炭素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。R31、R32、R33、R34は水素原子を表す。X12、X13、X14はC−R10、NまたはN−R10から選ばれ、窒素原子およびX11と共に5員の複素芳香環Cを形成する原子群を表し、且つ、X12、X13又はX14のうち何れか1つは、NまたはN−R10で表される。R10は水素原子または置換基を表す。
また、以下の態様でも有効である。
(1)下記一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の少なくとも1種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
(1)下記一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の少なくとも1種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、A1、A2は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
Q1は炭素原子、A1と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員あるいは6員の芳香族複素環である環Aを形成する原子群を表す。
Q2は窒素原子、A2と共に5員または6員の芳香族複素環である環Bを形成する原子群を表す。
環Aと環BはA1、A2を介して互いに結合し4価の白金のオルトメタル錯体を形成する配位子を構成する。
(2)前記一般式(1)で表される部分構造が下記一般式(2)、(3)、(4)または(5)で表される部分構造であることを特徴とする前記(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X10、X11は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
X12、X13、X14、はC−R10、N、N−R10、O、またはSから選ばれ、窒素原子およびX11と共に5員の複素芳香環Cを形成する原子群を表す。R10は水素原子、または置換基を表し、複数のR10は互いに同じであっても、異なっていても良い。
X15、X16、X17はC−R10、N、N−R10、O、またはSから選ばれ、炭素原子およびX10と共に5員の複素芳香環Dを形成する原子群を表す。R10は水素原子、または置換基を表し、複数のR10は互いに同じであっても、異なっていても良い。
X18、X19、X1A、X1BはC−R10、またはNから選ばれ、炭素素原子と共に6員の複素芳香環である環Eを形成する原子群を表す。R10は水素原子、または置換基を表し、複数のR10は互いに同じであっても、異なっていても良い。
式中、X20は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
X21、X22、X23、X24はC−R20、またはNから選ばれ、炭素原子および窒素原子と共に6員の複素芳香環Fを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
X25、X26、X27はC−R20、N、N−R20、O、またはSから選ばれ、炭素素原子およびX20と共に5員の複素芳香環Gを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
X28、X29、X2A、X2BはC−R20、またはNから選ばれ、炭素原子および窒素原子と共に6員の複素芳香環Hを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
(3)前記一般式(2)で表される部分構造が下記一般式(6)で表される部分構造であることを特徴とする前記(2)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X30、X31は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
X32、X33、X34、はC−R30、NまたはN−R30から選ばれ、窒素原子およびX31と共に5員の複素芳香環C’を形成する原子群を表す。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
X35、X36、X37はC−R30、N、N−R30、O、またはSから選ばれ、炭素原子およびX30と共に5員の複素芳香環D’を形成する原子群を表す。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
(4)前記一般式(3)で表される部分構造が下記一般式(7)で表される部分構造であることを特徴とする前記(2)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X31は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
X32、X33、X34、はC−R30、NまたはN−R30から選ばれ、窒素原子およびX31と共に5員の複素芳香環C’を形成する原子群を表す。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
X38、X39、X3A、X3BはC−R30、またはNから選ばれ、炭素素原子と共に6員の複素芳香環である環E’を形成する原子群を表す。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
(5)前記一般式(4)で表される部分構造が下記一般式(8)で表される部分構造であることを特徴とする前記(2)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X20は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
X25、X26、X27はC−R20、N、N−R20、O、またはSから選ばれ、炭素素原子およびX20と共に5員の複素芳香環Gを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
X25、X26、X27はC−R20、N、N−R20、O、またはSから選ばれ、炭素素原子およびX20と共に5員の複素芳香環Gを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
R3は置換基を表し、n3は0〜3から選ばれる整数を表す。
Xaは−N(Ra)2、−O−Raまたは−S−Raを表す。Raは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換の複素環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
Xaが−N(Ra)2の場合、2つのRaは同じであっても異なっていても良い。
Xaが−N(Ra)2の場合、2つのRaは同じであっても異なっていても良い。
(6)前記一般式(5)で表される部分構造が下記一般式(9)で表される部分構造であることを特徴とする前記(2)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
X28、X29、X2A、X2BはC−R20、またはNから選ばれ、炭素原子および窒素原子と共に6員の複素芳香環Hを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表す。
R4は置換基を表し、n4は0〜3から選ばれる整数を表す。
X28、X29、X2A、X2BはC−R20、またはNから選ばれ、炭素原子および窒素原子と共に6員の複素芳香環Hを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表す。
R4は置換基を表し、n4は0〜3から選ばれる整数を表す。
Xaは−N(Ra)2、−O−Raまたは−S−Raを表す。Raは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換の複素環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
Xaが−N(Ra)2の場合、2つのRaは同じであっても異なっていても良い。
Xaが−N(Ra)2の場合、2つのRaは同じであっても異なっていても良い。
(7)前記一般式(3)で表される部分構造が下記一般式(10)で表される部分構造であることを特徴とする前記(2)又は(4)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X11は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
R31、R32、R33、R34は水素原子または置換基を表し、
R31、R32、R33、R34の少なくとも1つが電子供与性の置換基であるか、R31とR33の少なくとも一方が電子吸引性の置換基である。
R31、R32、R33、R34の少なくとも1つが電子供与性の置換基であるか、R31とR33の少なくとも一方が電子吸引性の置換基である。
X12、X13、X14はC−R10、N、N−R10、O、またはSから選ばれ、窒素原子およびX11と共に5員の複素芳香環Cを形成する原子群を表す。R10は水素原子、または置換基を表す。
(8)前記一般式(5)で表される部分構造が下記一般式(11)で表される部分構造であることを特徴とする前記(2)又は(6)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
R36、R37、R38、R39は水素原子または置換基を表し、
R36、R37、R38、R39の少なくとも1つが電子供与性の置換基であるか、R36とR38の少なくとも一方が電子吸引性の置換基である。
R36、R37、R38、R39の少なくとも1つが電子供与性の置換基であるか、R36とR38の少なくとも一方が電子吸引性の置換基である。
X21、X22、X23、X24はC−R20、またはNから選ばれ、炭素原子および窒素原子と共に6員の複素芳香環Fを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表す。
(9)前記一般式(1)で表される部分構造が下記一般式(12)で表される部分構造であることを特徴とする前記(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X41、X42、X43、X44、X45、X46は、各々炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
Q3は、炭素原子、X41、X43、X45と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員〜6員の芳香族複素環である環Iを形成する原子群を表す。
Q4は、窒素原子、X42、X44、X46と共に5員〜6員の芳香族複素環である環Jを形成する。
R41、R42、R43、R44は、各々分子計算によって算出されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基を表し。
m41、m42、m43、m44は、各々0または1を表す。但し、m41、m42、m43、m44の内、少なくとも1つは1である。
(10)前記一般式(12)において、m41、m42、m43、m44の内、少なくとも2つが1であることを特徴とする前記(9)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
(11)前記一般式(12)で表される部分構造が下記一般式(13)で表される部分構造であることを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X51、X52、X53、X54は、各々炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
Q31は、炭素原子、X51、X53と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員〜6員の芳香族複素環である環Kを形成する原子群を表す。
Q32は窒素原子、X52、X54と共に5員〜6員の芳香族複素環である環Lを形成する。
R51、R52は、各々分子計算によって算出されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基を表す。
R51、R52は、各々分子計算によって算出されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基を表す。
(12)前記一般式(12)で表される部分構造が下記一般式(14)で表される部分構造であることを特徴とする前記(9)又は(10)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X55、X56、X57、X58は、各々炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
Q33は炭素原子、X55、X57と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員〜6員の芳香族複素環である環Mを形成する原子群を表す。
Q34は窒素原子、X56、X58と共に5員あるいは6員の芳香族複素環である環Nを形成する。
R53、R54は、各々分子計算によって算出されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基を表す。
(13)前記一般式(1)で表される部分構造が下記一般式(15)で表される部分構造であることを特徴とする前記(1)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X61、X62、X63、X64は、炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
Q5は炭素原子、X61と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員あるいは6員の芳香族複素環である環Oを形成する原子群を表す。
Q6は窒素原子、X62と共に5員あるいは6員の芳香族複素環である環Pを形成する原子群を表す。
Q51はX63と共に芳香族炭化水素環、または芳香族複素環である環Qを形成する原子群を表す。
Q61はX64と共に芳香族炭化水素環、または芳香族複素環である環Rを形成する原子群を表す。
m6、n6は、各々0または1を表す。但し、m6、n6の少なくとも一方は1である。
(14)前記一般式(15)において、環Qまたは環Rが置換、無置換のベンゼン環、あるいは少なくとも1つのベンゼン環構造を有する多環縮合芳香環であり、環Oまたは環Pとベンゼン環部分で結合していることを特徴とする前記(13)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
(15)前記一般式(12)、(14)又は(15)で表される部分構造が下記一般式(16)、(17)、(18)または(19)の何れかで表される部分構造であることを特徴とする前記(9)、(12)又は(13)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X71、X72、X73、X74、は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
Q7は炭素原子、X71、X73と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員あるいは6員の芳香族複素環である環Sを形成する原子群を表す。
Q8は窒素原子、X72、X74と共に5員あるいは6員の芳香族複素環である環Tを形成する原子群を表す。
Q9は炭素原子と共に芳香族炭化水素環、または芳香族複素環である環Uを形成する原子群を表す。
Q10は窒素原子と共に芳香族複素環である環Vを形成する原子群を表す。
(16)下記一般式(A)、一般式(B)、一般式(C)、一般式(D)または一般式(E)で表される4価の白金のオルトメタル錯体を少なくとも1種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X0は無電荷の単座配位子を表す。
X1、X2は互いに同じでも異なっても良いマイナス1価のアニオン性単座配位子を表す。
X3、X4は各々独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選ばれる原子を表し、L1と共にマイナス1価のアニオン性二座配位子を形成する。
X5、X6は各々独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選ばれる原子を表し、L2と共にマイナス2価のアニオン性二座配位子を形成する。
X7、X8は各々独立して炭素原子、窒素原子、リン原子から選ばれる原子を表し、L3と共に無電荷の二座配位子を形成する。
Z−はマイナス1価のアニオンを表す。
Lig1は、下記一般式(20)で表される部分構造を持つマイナス1価のアニオン性二座配位子である。
上記式中、A1、A2は炭素原子または窒素原子を表す。
Q1は炭素原子、A1と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員あるいは6員の芳香族複素環である環Aを形成する原子群を表す。
Q2は窒素原子、A2とともに5員または6員の芳香族複素環である環Bを形成する原子群を表す。
環Aと環BはA1、A2を介して互いに結合し4価の白金のオルトメタル錯体を形成するマイナス1価のアニオン性二座配位子を構成する。
(17)下記一般式(F)、一般式(G)、一般式(H)、一般式(I)または一般式(J)で表される4価の白金のオルトメタル錯体を少なくとも1種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X0、X1、X2、X3、X4、L1、X5、X6、L2、X7、X8、L3、Z−は前記一般式(A)〜(E)におけるX0、X1、X2、X3、X4、L1、X5、X6、L2、X7、X8、L3、Z−と各々同義である。
Lig1は、前記一般式(A)におけるLig1と同義である。
Lig2は、一般式(21)で表される部分構造を持つマイナス1価のアニオン性二座配位子である。
上記式中、A3、A4は炭素原子または窒素原子を表す。
Q1′は炭素原子、A3と共に6員の芳香族炭化水素環、または5員あるいは6員の芳香族複素環である環A′を形成する原子群を表す。
Q2′は窒素原子、A4とともに5員または6員の芳香族複素環である環B′を形成する原子群を表す。
環A′と環B′はA3、A4を介して互いに結合し4価の白金のオルトメタル錯体を形成するマイナス1価のアニオン性二座配位子を構成する。
Lig1とLig2は同一であることはない。
(18)下記一般式(K)、一般式(L)、一般式(M)、一般式(N)、一般式(O)、一般式(P)、一般式(Q)または一般式(R)で表される4価の白金のオルトメタル錯体を少なくとも1種を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料。
式中、X0、X1、X2、X3、X4、L1、X5、X6、L2、X7、X8、L3、Z−は前記一般式(A)〜(E)におけるX0、X1、X2、X3、X4、L1、X5、X6、L2、X7、X8、L3、Z−と各々同義である。
X9、XAは各々独立して炭素原子、窒素原子、酸素原子、イオウ原子から選ばれる原子を表し、L4と共にマイナス1価のアニオン性二座配位子を形成する。
Lig1は、前記一般式(A)におけるLig1と同義である。
(19)前記(1)〜(18)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
(20)構成層として発光層を有し、該発光層が前記(1)〜(18)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有することを特徴とする前記(19)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(21)構成層として正孔阻止層を有し、該正孔阻止層が前記(1)〜(18)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有することを特徴とする前記(19)又は(20)に有機エレクトロルミネッセンス素子。
(22)下記一般式(1A)で表される化合物を含有することを特徴とする前記(19)〜(21)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、Z1は芳香族複素環を表し、Z2は芳香族複素環または芳香族炭化水素環を表し、Z3は2価の連結基または単なる結合手を表す。R101は水素原子または置換基を表す。
(23)前記一般式(1A)で表される化合物のZ1が6員環であることを特徴とする前記(22)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(24)前記一般式(1A)で表される化合物のZ2が6員環であることを特徴とする前記(22)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(25)前記一般式(1A)で表される化合物のZ3が結合手であることを特徴とする前記(22)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(26)前記一般式(1A)で表される化合物が分子量450以上であることを特徴とする前記(22)〜(25)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
(27)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(1A−1)〜(1A−10)のいずれかで表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R501〜R507、R511〜R517、R521〜R527、R531〜R537、R541〜R548、R551〜R558、R561〜R567、R571〜R577、R581〜R588、R591〜R598は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は各々同一でもよく、異なっていてもよい。
(28)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を少なくとも一つを有することを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R502〜R507、R512〜R517、R522〜R527、R532〜R537、R542〜R548、R552〜R558、R562〜R567、R572〜R577、R582〜R588、R592〜R598は各々独立に水素原子または置換基を表し、該置換基は各々同一でもよく、異なっていてもよい。
(29)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(3A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R601〜R606は各々独立に水素原子または置換基を表すが、R601〜R606の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。
(30)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(4A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R611〜R620は各々独立に水素原子または置換基を表すが、R611〜R620の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。
(31)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(5A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R621〜R623は各々独立に水素原子または置換基を表すが、R621〜R623の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。
(32)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(6A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R631〜R645は各々独立に水素原子または置換基を表すが、R631〜R645の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。
(33)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(7A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R651〜R656は各々独立に水素原子または置換基を表すが、R651〜R656の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。naは0〜5の整数を表し、nbは1〜6の整数を表すが、naとnbの和は6である。
(34)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(8A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R661〜R672は各々独立に水素原子または置換基を表すが、R661〜R672の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。
(35)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(9A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R681〜R688は各々独立に水素原子または置換基を表すが、R681〜R688の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。
(36)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(10A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R691〜R700は各々独立に水素原子または置換基を表すが、L1は2価の連結基を表す。R691〜R700の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)で表される基から選ばれる少なくとも一つの基を表す。
(37)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(11A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R1、R2は各々独立に水素原子または置換基を表す。n、mは各々1〜2の整数を表し、k、lは各々3〜4の整数を表す。但し、n+k=5、かつl+m=5である。
(38)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(12A)で表されることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R1、R2は各々独立に水素原子または置換基を表す。n、mは各々1〜2の整数を表し、k、lは各々3〜4の整数を表す。但し、n+k=5、かつl+m=5である。
(39)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(13A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R1、R2は各々独立に水素原子または置換基を表す。n、mは各々1〜2の整数を表し、k、lは各々3〜4の整数を表す。但し、n+k=5、かつl+m=5である。
(40)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(14A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R1、R2は各々独立に水素原子または置換基を表す。n、mは各々1〜2の整数を表し、k、lは各々3〜4の整数を表す。但し、n+k=5、かつl+m=5である。
(41)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(15A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、R1、R2は各々独立に水素原子または置換基を表す。n、mは各々1〜2の整数を表し、k、lは各々3〜4の整数を表す。但し、n+k=5、かつl+m=5である。Z1、Z2、Z3、Z4は各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環を表す。
(42)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(16A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、o、pは各々1〜3の整数を表し、Ar1、Ar2は各々アリーレン基または2価の芳香族複素環基を表す。Z1、Z2は各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環を表し、Lは2価の連結基を表す。
(43)前記一般式(1A)で表される化合物が下記一般式(17A)で表される化合物であることを特徴とする前記(22)〜(26)のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
式中、o、pは各々1〜3の整数を表し、Ar1、Ar2は各々アリーレン基または2価の芳香族複素環基を表す。Z1、Z2、Z3、Z4は各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環を表し、Lは2価の連結基を表す。
(44)前記(19)〜(43)のいずれか一項に記載の有機エレクトルミネッセンス素子を有することを特徴とする表示装置。
(45)前記(19)〜(43)のいずれか一項に記載の有機エレクトルミネッセンス素子を有することを特徴とする照明装置。
本発明により、高い発光効率を示し、かつ、発光寿命の長い有機EL素子、照明装置及び表示装置を提供することができる。
本発明者等は、従来の2価の白金イオンを中心金属とするオルトメタル錯体の問題点について鋭意検討を行った結果、4価の白金イオンを中心金属として有するオルトメタル錯体を用いて作製した有機EL素子は、従来よりも高い発光効率を示し、かつ、発光寿命が大幅に改善されることを見出した。この有機EL素子を用いて作製した照明装置及び表示装置は同様に優れた特性を示した。
このような効果が得られる機構については解明していないが、従来の2価の白金錯体が平面構造をとる4配位の錯体であるのに対し、4価の白金錯体は、八面体構造の6配位の錯体であることから、発光中心となる有機EL素子材料の自己組織化あるいは自己集合化によるエキシマー発光が抑制され、高い発光効率と長い発光寿命を達成するものと推定している。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
《金属錯体》
本発明の有機EL素子材料に係る金属錯体について説明する。
《一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
前記一般式(1)において、Q1が、炭素原子及びA1と共に形成する6員の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環が挙げられる。またQ1が、炭素原子及びA1と共に形成する5員〜6員の芳香族複素環としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
本発明の有機EL素子材料に係る金属錯体について説明する。
《一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
前記一般式(1)において、Q1が、炭素原子及びA1と共に形成する6員の芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環が挙げられる。またQ1が、炭素原子及びA1と共に形成する5員〜6員の芳香族複素環としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
前記一般式(1)において、Q2が、炭素原子及びA2と共に形成する5員〜6員の芳香族複素環としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、等が挙げられる。
また、前記一般式(1)において、Q1が、炭素原子及びA1と共に形成する6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環は、各々後述する、R10で表される置換基を有していてもよく、更に、上記芳香族炭化水素環や芳香族複素環上の置換基同士が環構造を形成して、縮環構造をとることも可能である。縮環を構成する縮環の例としては、ナフタレン環、アントラセン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、ベンズイミダゾール環、ベンズピラゾール環、キノリン環、イソキノリン環、等が挙げられる。
《一般式(2)〜(5)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
前記一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(2)〜(5)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体が挙げられる。
前記一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(2)〜(5)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体が挙げられる。
《一般式(2)、(3)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
前記一般式(2)、(3)において、X12、X13、X14、X15、X16、X17はC−R10、N、N−R10、O、またはSから選ばれる。R10は水素原子、または置換基を表し、複数のR10は互いに同じであっても、異なっていても良い。
前記一般式(2)、(3)において、X12、X13、X14、X15、X16、X17はC−R10、N、N−R10、O、またはSから選ばれる。R10は水素原子、または置換基を表し、複数のR10は互いに同じであっても、異なっていても良い。
一般式(3)において、X18、X19、X1A、X1BはC−R10、またはNから選ばれる。R10は水素原子、または置換基を表し、複数のR10は互いに同じであっても、異なっていても良い。
前記一般式(2)、(3)において、R10で表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、アリール基(芳香族炭化水素環基ともいい、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、芳香族複素環基(例えば、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
上記のR10で表される置換基は、更に置換基を有してもよい、また、上記のアリール基(芳香族炭化水素基ともいう)に、更に、アリール基(芳香族炭化水素基ともいう)、芳香族複素環基等が置換して、縮環構造を形成することも可能である。
前記一般式(2)、(3)において、X11、X12、X13、X14が、各々窒素原子と共に形成する5員の芳香族複素環である環Cとしては、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、等が挙げられる。
前記一般式(2)において、X10、X15、X16、X17が、各々炭素原子と共に形成する5員の芳香族複素環である環Dとしては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。
一般式(3)において、X18、X19、X1A、X1Bが、炭素原子及と共に形成する6員の芳香族炭化水素環または6員の芳香族複素環である環Eとしては、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
《一般式(4)、(5)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
前記一般式(4)、(5)において、X21、X22、X23、X24、X28、X29、X2A、X2BはC−R20、またはNから選ばれる。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
前記一般式(4)、(5)において、X21、X22、X23、X24、X28、X29、X2A、X2BはC−R20、またはNから選ばれる。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
前記一般式(4)において、X25、X26、X27はC−R20、N、N−R20、O、またはSから選ばれる。R20は水素原子、または置換基を表し、複数のR20は互いに同じであっても、異なっていても良い。
前記一般式(4)、(5)において、R20で表される置換基としては、例えば、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、プロパルギル基等)、アリール基(芳香族炭化水素環基ともいい、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、芳香族複素環基(例えば、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基、ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基またはアリールスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基、フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
上記のR20で表される置換基は、更に置換基を有してもよい、また、上記のアリール基(芳香族炭化水素基ともいう)に、更に、アリール基(芳香族炭化水素基ともいう)、芳香族複素環基等が置換して、縮環構造を形成することも可能である。
一般式(4)、(5)において、X21、X22、X23、X24が、炭素原子、窒素原子及と共に形成する6員の芳香族複素環である環Fとしては、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、等が挙げられる。
一般式(4)において、X20、X25、X26、X27が、各々炭素原子と共に形成する5員の芳香族複素環である環Gとしては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。
一般式(5)において、X28、X29、X2A、X2Bが、炭素原子及と共に形成する6員の芳香族炭化水素環または6員の芳香族複素環である環Hとしては、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
《一般式(2)〜(5)で表される部分構造のより好ましい具体例》
前記一般式(2)〜(5)で表される部分構造のより好ましい例を挙げる。
前記一般式(2)〜(5)で表される部分構造のより好ましい例を挙げる。
《一般式(2)で表される部分構造の好ましい実施態様》
前記一般式(2)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L1−1)〜(L1−247)の部分構造が挙げられる。
前記一般式(2)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L1−1)〜(L1−247)の部分構造が挙げられる。
式中、Pt4+は4価の白金イオンを表し、R12、R13、R14、R15、R16、R17は水素原子、または置換基を表す。
X12、X13、X14はN−R1E、OまたはSを表す。R1Eは水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換の複素環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表し、複数のR1Eは互いに同じであっても、異なっていても良い。
X15、X16、X17はN−R1F、OまたはSを表す。R1Fは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換の複素環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表し、複数のR1Fは互いに同じであっても、異なっていても良い。
R12、R13、R14、R15、R16、R17が表す置換基としてはR10で表される置換基と同義である。
R1E、R1Fで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
R1E、R1Fで表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
R1E、R1Fで表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
R1E、R1Fで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
R1E、R1Fで表される複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等が挙げられる。
R1E、R1Fで表される芳香族複素環基としては、例えば、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等が挙げられる。
《一般式(3)で表される部分構造の好ましい実施態様》
一般式(3)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L2−1)〜(L2−266)の部分構造が挙げられる。
一般式(3)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L2−1)〜(L2−266)の部分構造が挙げられる。
式中、Pt4+は4価の白金イオンを表し、R12、R13、R14、R18、R19、R1A、R1Bは水素原子、または置換基を表す。
X12、X13、X14はN−R1E、OまたはSを表す。R1Eは水素原子、置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換の複素環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表し、複数のR1Eは互いに同じであっても、異なっていても良い。
R12、R13、R14、R18、R19、R1A、R1Bが表す置換基としてはR10で表される置換基と同義である。
R1Eで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
R1Eで表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
R1Eで表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
R1Eで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
R1Eで表される複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等が挙げられる。
R1Eで表される芳香族複素環基としては、例えば、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等が挙げられる。
《一般式(4)で表される部分構造の好ましい実施態様》
前記一般式(4)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L3−1)〜(L3−117)の部分構造が挙げられる。
前記一般式(4)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L3−1)〜(L3−117)の部分構造が挙げられる。
式中、Pt4+は4価の白金イオンを表し、R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27は水素原子、または置換基を表す。
X25、X26、X27はN−R2E、OまたはSを表す。R2Eは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表し、複数のR2Eは互いに同じであっても、異なっていても良い。
R21、R22、R23、R24、R25、R26、R27が表す置換基としてはR10で表される置換基と同義である。
R2Eで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
R2Eで表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
R2Eで表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
R2Eで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
R2Eで表される複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等が挙げられる。
R2Eで表される芳香族複素環基としては、例えば、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等が挙げられる。
《一般式(5)で表される部分構造の好ましい実施態様》
前記一般式(5)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L4−1)〜(L4−126)の部分構造が挙げられる。
前記一般式(5)で表される部分構造のより好ましい実施態様としては下記一般式(L4−1)〜(L4−126)の部分構造が挙げられる。
式中、Pt4+は4価の白金イオンを表し、R21、R22、R23、R24、R28、R29、R2A、R2Bは水素原子、または置換基を表す。
R21、R22、R23、R24、R28、R29、R2A、R2Bが表す置換基としてはR10で表される置換基と同義である。
《一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様》
一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(6)、(7)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(6)、(7)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
《一般式(6)、(7)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
一般式(6)、(7)において、X32、X33、X34はC−R30、N、N−R30から選ばれる。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
一般式(6)、(7)において、X32、X33、X34はC−R30、N、N−R30から選ばれる。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
一般式(6)において、X35、X36、X37はC−R30、N、N−R30、O、またはSから選ばれる。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
一般式(7)において、X38、X39、X3A、X3BはC−R30、またはNから選ばれる。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
一般式(7)において、X38、X39、X3A、X3BはC−R30、またはNから選ばれる。R30は水素原子、または置換基を表し、複数のR30は互いに同じであっても、異なっていても良い。
一般式(6)、(7)において、R30で表される置換基としてはR10で表される置換基と同義である。
一般式(6)、(7)において、X31、X32、X33、X34が、各々窒素原子と共に形成する5員の芳香族複素環である環C’としては、イミダゾール環、ピラゾール環、トリアゾール環、テトラゾール環が挙げられる。
一般式(6)において、X30、X35、X36、X37が、各々炭素原子と共に形成する5員の芳香族複素環である環D’としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。
一般式(7)において、X38、X39、X3A、X3Bが、炭素原子及と共に形成する6員の芳香族炭化水素環または6員の芳香族複素環である環E’としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(6)において、X30、X35、X36、X37が、各々炭素原子と共に形成する5員の芳香族複素環である環D’としては、チオフェン環、フラン環、ピロール環、チアゾール環、オキサゾール環、イミダゾール環、イソチアゾール環、イソオキサゾール環、ピラゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環等が挙げられる。
一般式(7)において、X38、X39、X3A、X3Bが、炭素原子及と共に形成する6員の芳香族炭化水素環または6員の芳香族複素環である環E’としては、ベンゼン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(8)、(9)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
《一般式(8)、(9)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
R3、R4が表す置換基としてはR10で表される置換基と同義である。
R3、R4が表す置換基としてはR10で表される置換基と同義である。
Xaは−N(Ra)2、−O−Raまたは−S−Raを表す。Raは置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアルケニル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換の複素環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
Xaが−N(Ra)2の場合、2つのRaは同じであっても異なっていても良い。
Raで表されるアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、(t)ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等が挙げられる。
Raで表されるシクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。
Raで表されるアルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基等が挙げられる。
Raで表されるアリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、ビフェニリル基、アントリル基、フェナントリル基等が挙げられる。
Raで表される複素環基としては、例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等が挙げられる。
Raで表される芳香族複素環基としては、例えば、例えば、ピリジル基、ピリミジニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ベンゾイミダゾリル基、ピラゾリル基、ピラジニル基、トリアゾリル基(例えば、1,2,4−トリアゾール−1−イル基、1,2,3−トリアゾール−1−イル基等)、オキサゾリル基、ベンゾオキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、フラザニル基、チエニル基、キノリル基、ベンゾフリル基、ジベンゾフリル基、ベンゾチエニル基、ジベンゾチエニル基、インドリル基、カルバゾリル基、カルボリニル基、ジアザカルバゾリル基(カルボリン環を構成する炭素原子の一つが窒素原子で置き換わったものを示す)、キノキサリニル基、ピリダジニル基、トリアジニル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等が挙げられる。
一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(10)、(11)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
《一般式(10)、(11)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
X11は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
X11は炭素原子または窒素原子を表し、Pt4+は4価の白金イオンを表す。
R31、R32、R33、R34、R36、R37、R38、R39は水素原子または置換基を表し、R31、R32、R33、R34の少なくとも1つ、あるいは、R36、R37、R38、R39の少なくとも1つが電子供与性の置換基であるか、R31とR33の少なくとも一方、あるいはR36とR38の少なくとも一方が電子吸引性の置換基である。
X12、X13、X14はC−R10、N、N−R10、O、またはSから選ばれ、窒素原子およびX11と共に5員の複素芳香環Cを形成する原子群を表す。R10は水素原子、または置換基を表す。
X21、X22、X23、X24はC−R20、またはNから選ばれ、炭素原子および窒素原子と共に6員の複素芳香環Fを形成する原子群を表す。R20は水素原子、または置換基を表す。
R31〜R39が表す置換基としては、前出のR10が表す置換基と同様のものが挙げられる。
R31、R32、R33、R34の少なくとも1つ、あるいは、R36、R37、R38、R39の少なくとも1つが電子供与性の置換基であるが、ここで電子供与性の置換基はハメットの置換基定数σpが負の値を示す基のことであり、具体的にはヒドロキシ基、アルコキシ基(例えば、メトキシ基)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、ベンゾイルオキシ基)、アミノ基、ジメチルアミノ基、アセチルアミノ基、アルキル基(例えば、メチル基、プロピル基)、アリール基(例えば、フェニル基、メシチル基)等が挙げられる。
R31とR33の少なくとも一方、あるいはR36とR38の少なくとも一方が電子吸引性の置換基であるが、電子吸引性の置換基はハメットの置換基定数σpが正の値を示す基のことであり、具体的にはシアノ基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、カルバモイル基、イミノ基、N原子で置換したイミノ基、チオカルボニル基、スルファモイル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、ニトロ基、ハロゲン原子、パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルカンアミド基、スルホンアミド基、アシル基、ホルミル基、ホスホリル基、カルボキシ基(またはその塩)、スルホ基(またはその塩)、ヘテロ環基、アルケニル基、アルキニル基、アシルオキシ基、アシルチオ基、スルホニルオキシ基、またはこれら電子吸引性基で置換されたアリール基等である。ここにヘテロ環基としては、飽和もしくは不飽和のヘテロ環基で、例えばピリジル基、キノリル基、キノキサリニル基、ピラジニル基、ベンゾトリアゾリル基、イミダゾリル基、ベンツイミダゾリル基、ヒダントイン−1−イル基、スクシンイミド基、フタルイミド基等がその例として挙げられる。
一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(12)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
《一般式(12)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
一般式(12)において、Q3が、炭素原子、X41、X43、X45と共に形成する、6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(12)において、Q3が、炭素原子、X41、X43、X45と共に形成する、6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(12)において、Q4が、窒素原子、X42、X44、X46と共に形成する5員〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)のQ2で規定される5員〜6員の芳香族複素環と同義である。
一般式(12)において、R41、R42、R43、R44で表されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基とは、アクセルリス社製分子シミュレーションソフトCerius2を用いて求められるパラメーターを用い、ベンゼン環に置換基を導入し、DreidingForce Fieldを用いて、MM計算で分子構造を最適化して、ConnolySurfaceを用いて求めたVolume値のファンデルワールス(VDW)体積が20Å以上の置換基と定義される。
例えば、具体的な値は、下記のようになっており、適宜、適切なものを選択することができる。因みに、20Å3未満の置換基についても数例を下記に示す。
置換基 Å3
メチル基 25.4
エチル基 42.6
イソプロピル基 59.5
tert−ブチル基 76.2
フェニル基 74.9
メトキシ基 34.0
アミノ基 22.2
ヒドロキシル基 16.7
塩素原子 22.4
臭素原子 26.5
フッ素原子 13.3
トリフルオロメチル基 42.5
一般式(12)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体においては、R41、R42、R43、R44で表されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基を少なくとも1つ有するのが好ましく、より好ましくは2つ以上有するのが好ましい。
メチル基 25.4
エチル基 42.6
イソプロピル基 59.5
tert−ブチル基 76.2
フェニル基 74.9
メトキシ基 34.0
アミノ基 22.2
ヒドロキシル基 16.7
塩素原子 22.4
臭素原子 26.5
フッ素原子 13.3
トリフルオロメチル基 42.5
一般式(12)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体においては、R41、R42、R43、R44で表されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基を少なくとも1つ有するのが好ましく、より好ましくは2つ以上有するのが好ましい。
一般式(12)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体のより好ましい実施態様としては一般式(13)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体が挙げられる。
《一般式(13)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
一般式(13)において、Q51が、炭素原子、X51、X53と共に形成する、6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(13)において、Q51が、炭素原子、X51、X53と共に形成する、6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(13)において、Q62が、窒素原子、X52、X54と共に形成する5員〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)のQ2で規定される5員〜6員の芳香族複素環と同義である。
一般式(13)において、R51、R52で表されるファンデルワールス体積が20Å以上である置換基とは、一般式(12)においてR41、R42、R43、R44で表される置換基と同義である。
一般式(12)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体のより好ましい実施態様としては一般式(14)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
《一般式(14)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
一般式(14)において、Q33が、炭素原子、X55、X57と共に形成する、6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(14)において、Q33が、炭素原子、X55、X57と共に形成する、6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(14)において、Q34が、窒素原子、X56、X58と共に形成する5員〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)のQ2で規定される5員〜6員の芳香族複素環と同義である。
一般式(14)において、R53、R54で表されるファンデルワールス体積が20Å3以上である置換基とは、一般式(12)においてR41、R42、R43、R44で表される置換基と同義である。
一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体の好ましい実施態様としては一般式(15)の部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
《一般式(15)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
一般式(15)において、Q5が、炭素原子、X61と共に形成する6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(15)において、Q5が、炭素原子、X61と共に形成する6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(15)において、Q6が、炭素原子、X62、窒素原子と共に形成する、5員〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)のQ2で規定される5員〜6員の芳香族複素環と同義である。
一般式(15)において、環Qあるいは環Rとなる芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。更に、前記芳香族炭化水素環は、置換基を有していても良い。置換基としては一般式(2)において、R10で表される置換基と同様のものが適用できる。
一般式(15)において、環Qあるいは環Rとなる芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが更に窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。更に、前記芳香族複素環は、置換基を有していても良い。置換基としては一般式(2)において、R10で表される置換基と同様のものが適用できる。
一般式(15)において、環Qあるいは環Rとして好ましいのは、置換、無置換のベンゼン環、あるいは少なくとも1つのベンゼン環構造を有する多環縮合環であり、さらに、環Oまたは環Pとベンゼン環部分で結合するのが好ましい。
少なくとも1つのベンゼン環構造を有する多環縮合環としては、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ベンゾフラン環、ベンゾチオフェン環、ベンゾピラゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノリン環、イソキノリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジベンゾフラン環、ジベンゾチオフェン環、等が挙げられる。更に、前記多環縮合環は、置換基を有していても良い。置換基としては一般式(2)において、R10で表される置換基と同様のものが適用できる。
一般式(12)、(14)又は(15)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体のより好ましい実施態様としては一般式(16)〜(19)の何れかの部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体も挙げられる。
《一般式(16)〜(19)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体》
一般式(16)〜(19)において、Q7が、炭素原子、X71、X73と共に形成する6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(16)〜(19)において、Q7が、炭素原子、X71、X73と共に形成する6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等は、各々一般式(1)のQ1で規定される6員の芳香族炭化水素環、5員〜6員の芳香族複素環等と同義である。
一般式(16)〜(19)において、Q8が、窒素原子、X72、X74と共に形成する、5員〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)のQ2で規定される5員〜6員の芳香族複素環と同義である。
一般式(16)〜(19)において、Q9が、炭素原子と共に形成する芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。更に、前記芳香族炭化水素環は、置換基を有していても良い。置換基としては一般式(2)において、R10で表される置換基と同様のものが適用できる。
一般式(16)〜(19)において、Q9、炭素原子と共に形成する芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、オキサゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが更に窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。更に、前記芳香族複素環は、置換基を有していても良い。置換基としては一般式(2)において、R10で表される置換基と同様のものが適用できる。
一般式(12)〜(15)において、Q10が、窒素原子と共に形成する芳香族複素環としては、オキサゾール環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つが更に窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。更に、前記芳香族複素環は、置換基を有していても良い。置換基としては一般式(2)において、R10で表される置換基と同様のものが適用できる。
《補助配位子の説明》
本発明の4価の白金のオルトメタル錯体は一般式(1)〜(19)で表される部分構造を構成する主配位子と組み合わせる補助配位子をさまざまに変更することができる。それによって発光波長を最適化することや発光量子効率を向上させることが可能である。あるいは、補助配位子の立体的な効果によって錯体同士の相互作用を抑えることが可能であり、それによって有機EL素子としたときの発光効率を向上させることができる。
本発明の4価の白金のオルトメタル錯体は一般式(1)〜(19)で表される部分構造を構成する主配位子と組み合わせる補助配位子をさまざまに変更することができる。それによって発光波長を最適化することや発光量子効率を向上させることが可能である。あるいは、補助配位子の立体的な効果によって錯体同士の相互作用を抑えることが可能であり、それによって有機EL素子としたときの発光効率を向上させることができる。
一般式(1)〜(19)で表される部分構造を構成する主配位子と補助配位子の組み合わせによって様々な4価の白金のオルトメタル錯体ができるが、好ましいオルトメタル錯体の構造としては前記一般式(A)〜(R)で表されるオルトメタル錯体の構造が挙げられる。
以下、前記一般式(A)〜(R)で表される4価の白金のオルトメタル錯体における補助配位子について説明する。
《マイナス1価のアニオン性単座配位子の説明》
前記一般式(A)〜(R)において、X1、X2で表されるマイナス1価のアニオン性単座配位子としては、下記のA群のアニオンが好ましい。
前記一般式(A)〜(R)において、X1、X2で表されるマイナス1価のアニオン性単座配位子としては、下記のA群のアニオンが好ましい。
A群:
式中、R61は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。R62は置換基を表し、n101は0〜3から選ばれる整数を表す。
前記アニオンにおいて、R61で表される、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、芳香族複素環基等は、前出の説明におけるものと各々同義である。また、R62で表される置換基は、一般式(2)において、R10で表される置換基の説明におけるものと同義である。
尚、前記A群に記載されていない従来公知のマイナス1価のアニオン性単座配位子も用いることが出来る。
マイナス1価のアニオン性単座配位子としてより好ましくは、下記のSL1−1〜SL1−17である。
《マイナス1価のアニオン性二座配位子の説明》
前記一般式(A)〜(R)において、X3、X4、X9、XAは、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子から選ばれる原子を表すが、L1と共にX3−L1−X4として、またはL4と共にX9−L4−XAとして形成されるマイナス1価のアニオン性二座配位子としては、下記のマイナス1価の二座配位子が好ましい。
前記一般式(A)〜(R)において、X3、X4、X9、XAは、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子から選ばれる原子を表すが、L1と共にX3−L1−X4として、またはL4と共にX9−L4−XAとして形成されるマイナス1価のアニオン性二座配位子としては、下記のマイナス1価の二座配位子が好ましい。
式中、R63、R64、R66は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
R65は置換基を表し、n102は0〜1から、n103は0〜3から、n104は0〜2から選ばれる整数を表す。
R67はR68−CO−またはR68−SO2−を表し、R68は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
Q11は炭素、窒素と共に5員あるいは6員の芳香族複素環を形成する原子群を表す。
Q12、Q13、Q14は炭素、窒素と共に5員の芳香族複素環を形成する原子群を表す。
前記二座配位子において、R63、R64、R66で表される、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、芳香族複素環基等は、前出の説明におけるものと各々同義である。また、R65で表される置換基は、一般式(2)において、R10で表される置換基の説明におけるものと同義である。
また、Q11が、炭素、窒素と共に形成する5〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)の説明における5〜6員の芳香族複素環と同義である。
また、Q12、Q13、Q14が、各々炭素、窒素と共に形成する5員の芳香族複素環は、一般式(1)の説明における5員の芳香族複素環と同義である。
尚、X3−L1−X4、またはX9−L4−XAとして形成されるマイナス1価のアニオン性二座配位子としては、上記に記載されていない従来公知のマイナス1価のアニオン性二座配位子も用いることが出来る。
マイナス1価のアニオン性二座配位子としてより好ましくは、下記のSL2−1〜SL2−15である。
《マイナス2価のアニオン性二座配位子の説明》
前記一般式(A)〜(R)において、X5、X6は、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子から選ばれる原子を表すが、L2と共に、X5−L2−X6として形成されるマイナス2価の二座配位子としては、下記に記載のマイナス2価の二座配位子が好ましい。
前記一般式(A)〜(R)において、X5、X6は、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子から選ばれる原子を表すが、L2と共に、X5−L2−X6として形成されるマイナス2価の二座配位子としては、下記に記載のマイナス2価の二座配位子が好ましい。
式中、R69、R70、R71、R72は水素原子または置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。n105は1または2を表す。
R73、R74はR78−CO−またはR78−SO2−を表し、R78は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
R75、R76、R77は置換基を表し、n106は0または1を表す。n107、n108は0〜2から選ばれる整数を表す。
X81、X82、X83、X84、X85、X86はC−R79、またはNから選ばれ、炭素原子、窒素原子と共に5員の複素芳香環を形成する。R79は水素原子、または置換基を表す。
前記二座配位子において、R69、R70、R71、R72で、各々表される、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、芳香族複素環基等は、前出の説明におけるものと各々同義である。
また、R75、R76、R77で各々表される置換基は、一般式(2)において、R10で表される置換基と同義である。
また、X81、X82、X83、X84、X85、X86は、C−R79、またはNから選ばれ、炭素原子、窒素原子と共に形成する5員〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)の説明における5〜6員の芳香族複素環と同義である。また、R79で表される置換基は、R75、R76、R77で表される置換基と同義である。
尚、X5−L2−X6として形成されるマイナス2価のアニオン性二座配位子としては、上記に記載されていない従来公知のマイナス2価のアニオン性二座配位子も用いることが出来る。
マイナス2価のアニオン性二座配位子としてより好ましくは、下記のSL3−1〜SL3−18である。
《無電荷の単座配位子の説明》
前記一般式(A)〜(R)において、X0で表される無電荷の単座配位子としては、下記のB群の配位子が好ましい。
前記一般式(A)〜(R)において、X0で表される無電荷の単座配位子としては、下記のB群の配位子が好ましい。
B群:
式中、R80、R82、R83、R84、R85は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。R81は置換基を表し、n109は0〜2から選ばれる整数を表す。
前記配位子においてR80、R82、R83、R84、R85で各々表される、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、芳香族複素環基等は、前出の説明におけるものと各々同義である。
また、R81で表される置換基は、一般式(2)において、R10で表される置換基と同義である。
尚、上記に記載されていない従来公知の無電荷の単座配位子も用いることが出来る。
無電荷の単座配位子としてより好ましくは、下記のSL4−1〜SL4−6である。
《無電荷の二座配位子の説明》
前記一般式(A)〜(R)において、X7、X8は、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子から選ばれる原子を表すが、L3と共に、X7−L3−X8として形成される無電荷の二座配位子としては、下記の無電荷の二座配位子が好ましい。
前記一般式(A)〜(R)において、X7、X8は、各々炭素原子、窒素原子、酸素原子またはイオウ原子から選ばれる原子を表すが、L3と共に、X7−L3−X8として形成される無電荷の二座配位子としては、下記の無電荷の二座配位子が好ましい。
式中、R86、R87、R92、R93はアルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基または芳香族複素環基を表す。R88、R89、R91は置換基を表し、R90、R94は水素原子または置換基を表す。n110、n114は0〜2の整数を表し、n111、n113は0〜3の整数を表す。n112は0〜4の整数を表す。Q15、Q16、Q17は炭素、窒素と共に5〜6員の芳香族複素環を形成する原子群を表し、Q18は炭素、窒素と共に6員の芳香族複素環を形成する原子群を表す。
前記二座配位子において、R86、R87、R92、R93で、各々表される、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、複素環基、芳香族複素環基等は、前出の説明におけるものと各々同義である。
また、R88、R89、R90、R91、R94で各々表される置換基は、一般式(2)において、R10で表される置換基と同義である。
また、Q15、Q16、Q17が、各々炭素、窒素と共に形成する5〜6員の芳香族複素環は、一般式(1)の説明における5〜6員の芳香族複素環と同義である。
尚、X7−L3−X8として形成されるマイナス2価のアニオン性二座配位子としては、上記に記載されていない従来公知の無電荷のアニオン性二座配位子も用いることが出来る。
無電荷の二座配位子としてより好ましくは、SL5−1〜SL5−16である。
《対アニオンの説明》
前記一般式(A)〜(R)において、対アニオンZ−の好ましい態様を下記に示す。
前記一般式(A)〜(R)において、対アニオンZ−の好ましい態様を下記に示す。
式中、R95は置換、無置換のアルキル基、置換、無置換のシクロアルキル基、置換、無置換のアリール基、置換、無置換のヘテロ環基または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
R96、R97、R98、R99は置換、無置換のアリール基、または置換、無置換の芳香族複素環基を表す。
対アニオンとしてより好ましいものは以下のものである。
本発明に好ましく用いられるオルトメタル錯体を下記に示すが、本発明はこれらに限定されない。
これらの化合物は、例えば、Organic Leter,vol13,No.16,p2579〜2581(2001)、Inorganic Chemistry,vol30,No.8,p1685〜1687(1991)、J.Am.Chem.Soc.,vol123,p4304(2001)、InorganicChemistry,vol41,No.12,p13056〜3066(2002)、NewJounal of Chemistry,vol26,p1171(2002)、Inorganic Chemistry,vol32,No.21,p4585〜4593(1993)、InorganicChemistry,vol44,No.5,p1547〜1553(2005)、Organometallics,vol.24,No.4,p482〜485(2005)、さらにこれらの文献中に記載の参考文献等の方法を適用することにより合成できる。
本発明のオルトメタル錯体の合成スキームの一例を以下に示すが、本発明で用いるオルトメタル錯体の合成方法は、これに限定されるものではない。
前記一般式(A)〜(E)で表されるオルトメタル錯体は、文献既知の方法で(1)の錯体を合成した後、配位子の共存下にヨードベンゼンジアセタートで酸化、さらに必要に応じて配位子交換、対イオン交換などの反応を行うことで合成できる。
前記一般式(F)〜(J)で表されるオルトメタル錯体は、文献既知の方法で(2)の錯体を合成した後、配位子の共存下にヨードベンゼンジアセタートで酸化、さらに必要に応じて配位子交換、対イオン交換などの反応を行うことで合成できる。
前記一般式(K)、(L)、(O)〜(Q)で表されるオルトメタル錯体は、文献既知の方法で(3)の錯体を合成した後、配位子の共存下にヨードベンゼンジアセタートで酸化、さらに必要に応じて配位子交換、対イオン交換などの反応を行うことで合成できる。
前記一般式(M)、(R)で表されるオルトメタル錯体は、文献既知の方法で(4)の錯体を合成した後、配位子の共存下にヨードベンゼンジアセタートで酸化、さらに必要に応じて配位子交換、対イオン交換などの反応を行うことで合成できる。
前記一般式(N)で表されるオルトメタル錯体は、文献既知の方法で(5)の錯体を合成した後、配位子の共存下にヨードベンゼンジアセタートで酸化、さらに配位子交換、対イオン交換などの反応を順次行うことで合成できる。
本発明において、上記有機EL素子材料を含有する有機EL素子とは、有機EL素子材料が有機EL素子を構成するいずれかの有機層を形成するか、または有機層に含有された有機EL素子を表す。
本発明の金属錯体の含有層としては、発光層及び/または正孔阻止層が好ましく、また、発光層に含有する場合は、発光層中の発光ドーパントとして用いることにより、本発明の目的である、有機EL素子の発光寿命の長寿命化を達成することができる。
本発明においては、前記一般式(1)で表される部分構造を有する4価の白金のオルトメタル錯体(本発明の有機EL素子材料)を有機EL素子を構成するいずれかの構成層(有機層)に含有され有機EL素子を作製する。
有機EL素子が構成層として発光層を有し、該発光層が本発明の有機EL素子材料を含有することが好ましい。発光層に含有する場合は、発光層中の発光ドーパントとして用いることにより、本発明の目的である有機EL素子の発光寿命の長寿命化を達成することができる。
また、有機EL素子が構成層として正孔阻止層を有し、該正孔阻止層が上記有機EL素子材料を含有することが好ましい。
本発明の有機EL素子は、前記一般式(1A)で表される化合物を含有することが好ましい。
前記一般式(1A)において、Z1は置換基を有してもよい芳香族複素環を表し、Z2は置換基を有してもよい芳香族複素環、もしくは芳香族炭化水素環を表し、Z3は2価の連結基、もしくは単なる結合手を表す。R101は水素原子、もしくは置換基を表す。
Z1、Z2で表される芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、ジアザカルバゾール環(カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の一つがさらに窒素原子で置換されている環を示す)等が挙げられる。さらに前記芳香族複素環は、後述するR101で表される置換基を有してもよい。
Z2で表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。さらに前記芳香族炭化水素環は、後述するR101で表される置換基を有してもよい。
R101で表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、等が挙げられる。
これらの置換基は上記の置換基によってさらに置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。好ましい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、フッ化炭化水素基、アリール基、芳香族複素環基である。
2価の連結基としては、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレン等の炭化水素基の他、ヘテロ原子を含むものであってもよく、またチオフェン−2,5−ジイル基やピラジン−2,3−ジイル基のような芳香族複素環を有する化合物(ヘテロ芳香族化合物ともいう)に由来する2価の連結基であってもよいし、酸素や硫黄等のカルコゲン原子であってもよい。また、アルキルイミノ基、ジアルキルシランジイル基やジアリールゲルマンジイル基のようなヘテロ原子を会して連結する基でもよい。
単なる結合手とは、連結する置換基同士を直接結合する結合手である。
本発明においては、前記一般式(1A)のZ1が6員環であることが好ましい。これにより、より発光効率を高くすることができる。さらに一層長寿命化させることができる。また、本発明においては、Z2が6員環であることが好ましい。これにより、より発光効率を高くすることができる。さらにより一層長寿命化させることができる。さらにZ1とZ2を共に6員環とすることで、より一層発光効率と高くすることができるので好ましい。さらにより一層長寿命化させることができるので好ましい。
前記一般式(1A)で表される化合物で好ましいのは、前記一般式(1A−1)〜(1A−10)で各々表される化合物である。
前記一般式(1A−1)において、R501〜R507は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−1)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−2)において、R511〜R517は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−2)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−3)において、R521〜R527は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−3)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−4)において、R531〜R537は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−4)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−5)において、R541〜R548は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−5)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−6)において、R551〜R558は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−6)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−7)において、R561〜R567は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−7)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−8)において、R571〜R577は各々独立に水素原子もしくは置換基を表す。一般式(1A−8)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−9)において、Rは水素原子もしくは置換基を表す。また、複数のRは各々同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(1A−9)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1A−10)において、Rは水素原子もしくは置換基を表す。また、複数のRは各々同一でもよく、異なっていてもよい。一般式(1A−10)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらに長寿命の有機EL素子とすることができる。
また、前記一般式(1A)で表される化合物で好ましいものは、前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を少なくとも一つを有する化合物である。特に、分子内に前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を2つから4つ有することがより好ましい。このとき、前記一般式(1A)で表される構造において、R101を除いた部分が前記一般式(2A−1)〜(2A−10)に置き換わる場合を含む。
このとき、特に前記一般式(3A)〜(17A)で表される化合物であることが本発明の効果を得る上で好ましい。
前記一般式(3A)において、R601〜R606は水素原子もしくは置換基を表すが、R601〜R606の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。一般式(3A)で表される化合物を用いることにより、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(4A)において、R611〜R620は水素原子もしくは置換基を表すが、R611〜R620の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。一般式(4A)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(5A)において、R621〜R623は水素原子もしくは置換基を表すが、R621〜R623の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。一般式(5A)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(6A)において、R631〜R645は水素原子もしくは置換基を表すが、R631〜R645の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。一般式(6A)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(7A)において、R651〜R656は水素原子もしくは置換基を表すが、R651〜R656の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。naは0〜5の整数を表し、nbは1〜6の整数を表すが、naとnbの和が6である。一般式(7A)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(8A)において、R661〜R672は水素原子もしくは置換基を表すが、R661〜R672の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。一般式(8A)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(9A)において、R681〜R688は水素原子もしくは置換基を表すが、R681〜R688の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。一般式(9A)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(10A)において、R691〜R700は水素原子もしくは置換基を表すが、R691〜R700の少なくとも一つは前記一般式(2A−1)〜(2A−10)のいずれかで表される基を表す。
L1で表される2価の連結基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、シクロヘキシレン基(例えば、1,6−シクロヘキサンジイル基等)、シクロペンチレン基(例えば、1,5−シクロペンタンジイル基等)等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)、アリーレン基等の炭化水素基の他、ヘテロ原子を含む基(例えば、−O−、−S−等のカルコゲン原子を含む2価の基、−N(R)−基、ここでRは水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は、前記一般式(1A)においてR101で表されるアルキル基と同義である)等が挙げられる。また、上記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基の各々においては、2価の連結基を構成する炭素原子の少なくとも一つが、カルコゲン原子(酸素、硫黄等)や前記−N(R)−基等で置換されていてもよい。
さらにL1で表される2価の連結基としては、例えば、2価の複素環基を有する基が用いられ、例えば、オキサゾールジイル基、ピリミジンジイル基、ピリダジンジイル基、ピランジイル基、ピロリンジイル基、イミダゾリンジイル基、イミダゾリジンジイル基、ピラゾリジンジイル基、ピラゾリンジイル基、ピペリジンジイル基、ピペラジンジイル基、モルホリンジイル基、キヌクリジンジイル基等が挙げられ、またチオフェン−2,5−ジイル基や、ピラジン−2,3−ジイル基のような、芳香族複素環を有する化合物(ヘテロ芳香族化合物ともいう)に由来する2価の連結基であってもよい。また、アルキルイミノ基、ジアルキルシランジイル基やジアリールゲルマンジイル基のようなヘテロ原子を会して連結する基であってもよい。
前記一般式(10A)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(11A)〜一般式(15A)で各々表される化合物において、R1、R2で各々表される置換基としては、前記一般式(1A)においてR101で表される置換基と同義である。
前記一般式(15A)において、Z1、Z2、Z3、Z4で各々表される、各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。
前記一般式(16A)において、Z1、Z2で各々表される、各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。
Ar1、Ar2で各々表されるアリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ナフタセンジイル基、ピレンジイル基、ナフチルナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基(例えば、3,3′−ビフェニルジイル基、3,6−ビフェニルジイル基等)、テルフェニルジイル基、クアテルフェニルジイル基、キンクフェニルジイル基、セキシフェニルジイル基、セプチフェニルジイル基、オクチフェニルジイル基、ノビフェニルジイル基、デシフェニルジイル基等が挙げられる。また前記アリーレン基は、さらに後述する置換基を有していてもよい。Ar1、Ar2で各々表される2価の芳香族複素環基は、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子がさらに窒素原子で置換されている環等から導出される2価の基等が挙げられる。さらに前記芳香族複素環基は、前記R101で表される置換基を有してもよい。
Lで表される2価の連結基としては、前記一般式(10A)において、L1で表される2価の連結基と同義であるが、好ましくはアルキレン基、−O−、−S−等のカルコゲン原子を含む2価の基であり、最も好ましくはアルキレン基である。
前記一般式(17A)において、Ar1、Ar2で各々表されるアリーレン基は、前記一般式(16A)においてAr1、Ar2で各々表されるアリーレン基と同義である。Ar1、Ar2で各々表される芳香族複素環基は、前記一般式(16A)においてAr1、Ar2で各々表される2価の芳香族複素環基と同義である。
Z1、Z2、Z3、Z4で各々表される、各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。
Lで表される2価の連結基としては、前記一般式(10A)において、L1で表される2価の連結基と同義であるが、好ましくはアルキレン基、−O−、−S−等のカルコゲン原子を含む2価の基であり、最も好ましくはアルキレン基である。
以下に、本発明に係る一般式(1A)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
次に、本発明の有機EL素子の構成層について詳細に説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al2O3)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
次に、本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、阻止層、電子輸送層等について説明する。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記のごとく陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記のごとく陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記のごとく、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
阻止層は、上記のごとく、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層であり、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられている。
本発明では、正孔阻止層の正孔阻止材料として前述した本発明に係る化合物を含有させることが好ましい。これにより、より一層発光効率の高い有機EL素子とすることができる。さらにより一層長寿命化させることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層であり、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
(ホスト化合物)
本発明の有機EL素子の発光層には、本発明の有機EL素子材料をリン光性ドーパントとし、前記一般式(1A)で表される化合物をホスト化合物として用いることが好ましいが、更に以下に示す、公知のホスト化合物やリン光性化合物(リン光発光性化合物ともいう)が含有されていてもよい。本発明においては、ホスト化合物として前述した本発明に係る前記一般式(1A)で表される化合物を用いることにより、より一層発光効率を高くすることができる。
本発明の有機EL素子の発光層には、本発明の有機EL素子材料をリン光性ドーパントとし、前記一般式(1A)で表される化合物をホスト化合物として用いることが好ましいが、更に以下に示す、公知のホスト化合物やリン光性化合物(リン光発光性化合物ともいう)が含有されていてもよい。本発明においては、ホスト化合物として前述した本発明に係る前記一般式(1A)で表される化合物を用いることにより、より一層発光効率を高くすることができる。
ここで、本発明においてホスト化合物とは、発光層に含有される化合物のうちで室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.01未満の化合物と定義される。
さらに公知のホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することで白色発光が可能であり、照明、バックライトへの応用もできる。
これらの公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
また、発光層は、ホスト化合物としてさらに蛍光極大波長を有するホスト化合物を含有していてもよい。この場合、他のホスト化合物とリン光性化合物から蛍光性化合物へのエネルギー移動で、有機EL素子としての電界発光は蛍光極大波長を有する他のホスト化合物からの発光も得られる。蛍光極大波長を有するホスト化合物として好ましいのは、溶液状態で蛍光量子収率が高いものである。ここで、蛍光量子収率は10%以上、特に30%以上が好ましい。具体的な蛍光極大波長を有するホスト化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素等が挙げられる。蛍光量子収率は、前記第4版実験化学講座7の分光IIの362頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定することができる。
(リン光性化合物)
発光層に使用される材料(以下、発光材料という)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、本発明の有機EL素子材料をリン光性化合物として含有する。これにより、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。
発光層に使用される材料(以下、発光材料という)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、本発明の有機EL素子材料をリン光性化合物として含有する。これにより、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。
本発明に係るリン光性化合物は、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物である。リン光量子収率は好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光性化合物は、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率が達成されればよい。
リン光性化合物の発光は原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光性化合物に移動させることでリン光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光性化合物上でキャリアの再結合が起こりリン光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、リン光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
本発明の有機EL素子材料と共に、更に公知のリン光性化合物を含有しいてもよく、好ましくは元素の周期表で8族〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に、リン光性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
本発明においては、リン光性化合物のリン光発光極大波長としては特に制限されるものではなく、原理的には中心金属、配位子、配位子の置換基等を選択することで得られる発光波長を変化させることができるが、リン光性化合物のリン光発光波長が380〜480nmにリン光発光の極大波長を有することが好ましい。このような青色リン光発光の有機EL素子や、白色リン光発光の有機EL素子で、より一層発光効率を高めることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
発光層は上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。発光層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で選ばれる。この発光層はこれらのリン光性化合物やホスト化合物が1種または2種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
《基体》
本発明の有機EL素子は、基体上に形成されているのが好ましい。
本発明の有機EL素子は、基体上に形成されているのが好ましい。
本発明の有機EL素子に用いることのできる基体(以下、基板、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明のものであれば特に制限はないが、好ましく用いられる基板としては、例えば、ガラス、石英、光透過性樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基体は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよい。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
まず適当な基体上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。さらに層ごとに異なる製膜法を適用してもよい。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50〜450℃、真空度10−6〜10−2Pa、蒸着速度0.01〜50nm/秒、基板温度−50〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施しても構わない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
本発明の多色の表示装置は発光層形成時のみシャドーマスクを設け、他層は共通であるのでシャドーマスク等のパターニングは不要であり、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においては、シャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の表示装置は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。表示デバイス、ディスプレイにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレイとしてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。
本発明の照明装置は家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサの光源等が挙げられるがこれに限定するものではない。
また、本発明の有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよい。このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザ発振をさせることにより、上記用途に使用してもよい。
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような1種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。または、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を3種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。または、一色の発光色、例えば、白色発光をカラーフィルターを用いてBGRにし、フルカラー化することも可能である。さらに有機ELの発光色を色変換フィルターを用いて他色に変換しフルカラー化することも可能であるが、その場合、有機EL発光のλmaxは480nm以下であることが好ましい。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて以下に説明する。
図1は、有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。
ディスプレイ1は、複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。
制御部Bは、表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図2は、表示部Aの模式図である。
表示部Aは基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、複数の画素3等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。図2においては、画素3の発光した光が、白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。
配線部の走査線5及び複数のデータ線6は、各々導電材料からなり、走査線5とデータ線6は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。
画素3は、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図3は、画素の模式図である。
画素は、有機EL素子10、スイッチングトランジスタ11、駆動トランジスタ12、コンデンサ13等を備えている。複数の画素に有機EL素子10として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図3において、制御部Bからデータ線6を介してスイッチングトランジスタ11のドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線5を介してスイッチングトランジスタ11のゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサ13と駆動トランジスタ12のゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンサ13が画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ12の駆動がオンする。駆動トランジスタ12は、ドレインが電源ライン7に接続され、ソースが有機EL素子10の電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン7から有機EL素子10に電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が次の走査線5に移ると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフしてもコンデンサ13は充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ12の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子10の発光が継続する。順次走査により次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ12が駆動して有機EL素子10が発光する。
即ち、有機EL素子10の発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子10に対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ11と駆動トランジスタ12を設けて、複数の画素3それぞれの有機EL素子10の発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリックス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子10の発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
また、コンデンサ13の電位の保持は、次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリックス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリックス方式の発光駆動でもよい。
図4は、パッシブマトリックス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線5と複数の画像データ線6が画素3を挟んで対向して格子状に設けられている。
順次走査により走査線5の走査信号が印加されたとき、印加された走査線5に接続している画素3が画像データ信号に応じて発光する。パッシブマトリックス方式では画素3にアクティブ素子がなく、製造コストの低減が計れる。
本発明に係る有機EL材料は、また照明装置として、実質白色の発光を生じる有機EL素子に適用できる。複数の発光材料により複数の発光色を同時に発光させて混色により白色発光を得る。複数の発光色の組み合わせとしては、青色、緑色、青色の3原色の3つの発光極大波長を含有させたものでもよいし、青色と黄色、青緑と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有したものでもよい。
また、複数の発光色を得るための発光材料の組み合わせは、複数のリン光または蛍光を発光する材料(発光ドーパント)を、複数組み合わせたもの、蛍光またはリン光を発光する発光材料と、該発光材料からの光を励起光として発光する色素材料とを組み合わせたもののいずれでもよいが、本発明に係わる白色有機エレクトロルミネッセンス素子においては、発光ドーパントを複数組み合わせる方式が好ましい。
複数の発光色を得るための有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成としては、複数の発光ドーパントを、一つの発光層中に複数存在させる方法、複数の発光層を有し、各発光層中に発光波長の異なるドーパントをそれぞれ存在させる方法、異なる波長に発光する微小画素をマトリックス状に形成する方法等が挙げられる。
本発明に係る白色有機エレクトロルミネッセンス素子においては、必要に応じ製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもいいし、電極と発光層をパターニングしてもいいし、素子全層をパターニングしてもいい。
発光層に用いる発光材料としては特に制限はなく、例えば、液晶表示素子におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルター)特性に対応した波長範囲に適合するように、本発明に係る白金錯体、また公知の発光材料の中から任意のものを選択して組み合わせて白色化すればよい。
このように、白色発光する本発明の発光有機EL素子は、前記表示デバイス、ディスプレイに加えて、各種発光光源、照明装置として、家庭用照明、車内照明、また露光光源のような一種のランプとして、また液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。
その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサの光源等、さらには表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例1
《有機EL素子OLED1−1の作製》
陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
《有機EL素子OLED1−1の作製》
陽極としてガラス上にITOを150nm成膜した基板(NHテクノグラス社製:NA−45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をiso−プロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行った。
この透明支持基板を、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、5つのタンタル製抵抗加熱ボートに、α−NPD、CBP、Ir−12、BCP、Alq3をそれぞれ入れ、真空蒸着装置(第1真空槽)に取付けた。
さらに、タンタル製抵抗加熱ボートにフッ化リチウムを、タングステン製抵抗加熱ボートにアルミニウムをそれぞれ入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
まず、第1の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で透明支持基板に膜厚25nmの厚さになるように蒸着し、正孔注入/輸送層を設けた。
さらに、CBPの入った前記加熱ボートとIr−11の入ったボートをそれぞれ独立に通電して発光ホストであるCBPと発光ドーパントであるIr−11の蒸着速度が100:7になるように調節し膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
ついで、BCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で厚さ10nmの正孔阻止層を設けた。さらに、Alq3の入った前記加熱ボートを通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で膜厚40nmの電子輸送層を設けた。
次に、前記の如く電子輸送層まで製膜した素子を真空のまま第2真空槽に移した後、電子輸送層の上にステンレス鋼製の長方形穴あきマスクが配置されるように装置外部からリモートコントロールして設置した。
第2真空槽を2×10−4Paまで減圧した後、フッ化リチウム入りのボートに通電して蒸着速度0.01〜0.02nm/秒で膜厚0.5nmの陰極バッファー層を設け、次いでアルミニウムの入ったボートに通電して蒸着速度1〜2nm/秒で膜厚150nmの陰極をつけた。さらにこの有機EL素子を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスで置換したグローブボックス)へ移し、図5に示したような内部を窒素で置換した封止構造にして、有機EL素子OLED1−1を作製した。
なお、捕水剤である酸化バリウム105は、アルドリッチ社製の高純度酸化バリウム粉末を、粘着剤付きのフッ素樹脂系半透過膜(ミクロテックスS−NTF8031Q 日東電工製)でガラス製封止缶104に貼り付けたものを予め準備して使用した。封止缶と有機EL素子の接着には紫外線硬化型接着剤107を用い、紫外線ランプを照射することで両者を接着し封止素子を作製した。図5において101は透明電極を設けたガラス基板、102が前記正孔注入/輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層等からなる有機EL層、103は陰極を示す。
《有機EL素子OLED1−2〜1−20の作製》
上記の有機EL素子OLED1−1の作製において、表1に記載のように、発光ドーパント、ホスト化合物及び正孔阻止材料を変更した以外は同様にして、有機EL素子OLED1−2〜1−20を作製した。
上記の有機EL素子OLED1−1の作製において、表1に記載のように、発光ドーパント、ホスト化合物及び正孔阻止材料を変更した以外は同様にして、有機EL素子OLED1−2〜1−20を作製した。
得られた有機EL素子OLED1−1〜1−20について下記のような評価を行った。
《外部取り出し量子効率》
有機EL素子OLED1−1〜1−20を室温(約23〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。ここで、発光輝度の測定は、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ製)を用いた。
有機EL素子OLED1−1〜1−20を室温(約23〜25℃)、2.5mA/cm2の定電流条件下による点灯を行い、点灯開始直後の発光輝度(L)[cd/m2]を測定することにより、外部取り出し量子効率(η)を算出した。ここで、発光輝度の測定は、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタ製)を用いた。
また、外部取り出し量子効率は、有機EL素子OLED1−1を100とした時の相対値で表した。
《発光寿命》
有機EL素子OLED1−1〜1−20を室温下、2.5mA/cm2の定電流条件下による連続点灯を行い、初期輝度の半分の輝度になるのに要する時間(τ1/2)を測定した。また、発光寿命は、有機EL素子OLED1−1を100とした時の相対値で表した。
有機EL素子OLED1−1〜1−20を室温下、2.5mA/cm2の定電流条件下による連続点灯を行い、初期輝度の半分の輝度になるのに要する時間(τ1/2)を測定した。また、発光寿命は、有機EL素子OLED1−1を100とした時の相対値で表した。
得られた結果を表1に示す。
表1から、本発明に係る白金錯体を発光材料として用いて作製した有機EL素子は比較の有機EL素子に比べ、高い発光効率と、発光寿命の長寿命化が達成できることが明らかである。
更に、OLED1−11〜1−20に示されるように、一般式(1A)で表される化合物(カルボリン誘導体、または該カルボリン誘導体のカルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子の少なくとも一つが更に窒素原子で置換されている環構造を有する誘導体)を発光層に併用すること、あるいは正孔阻止層に使用することにより、更に本発明に記載の効果の向上が見られた。従って、本発明に係る白金錯体と一般式(1A)で表される化合物の併用によって、高い発光効率と、発光寿命の長寿命化が達成できることも明らかである。
実施例2
《フルカラー表示装置の作製》
(青色発光素子の作製)
実施例1の有機EL素子OLED1−5を青色発光素子として用いた。
《フルカラー表示装置の作製》
(青色発光素子の作製)
実施例1の有機EL素子OLED1−5を青色発光素子として用いた。
(緑色発光素子の作製)
Ir−1を緑色発光ドーパントとして用いた以外は有機EL素子OLED1−5と同様にして緑色発光素子を作製した。
Ir−1を緑色発光ドーパントとして用いた以外は有機EL素子OLED1−5と同様にして緑色発光素子を作製した。
(赤色発光素子の作製)
Ir−9を赤色発光ドーパントとして用いた以外は有機EL素子OLED1−5と同様にして赤色発光素子を作製した。
Ir−9を赤色発光ドーパントとして用いた以外は有機EL素子OLED1−5と同様にして赤色発光素子を作製した。
上記で作製した、各々赤色、緑色、青色発光有機EL素子を同一基板上に並置し、図1に記載のような形態を有するアクティブマトリクス方式フルカラー表示装置を作製し、図2には、作製した前記表示装置の表示部Aの模式図のみを示した。即ち、同一基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、並置した複数の画素3(発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素等)とを有し、配線部の走査線5及び複数のデータ線6はそれぞれ導電材料からなり、走査線5とデータ線6は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。前記複数画素3は、それぞれの発光色に対応した有機EL素子、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタと駆動トランジスタそれぞれが設けられたアクティブマトリクス方式で駆動されており、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。この様に各赤、緑、青の画素を適宜、並置することによって、フルカラー表示装置を作製した。
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度が高く、高耐久性を有し、且つ、鮮明なフルカラー動画表示が得られることが判った。
実施例3
《フルカラー表示装置の作製》
実施例2の青色発光素子の作製において、有機EL素子OLED1−5を、有機EL素子OLED1−7に変更した以外は実施例27と同様にしてフルカラー表示装置を作製した。
《フルカラー表示装置の作製》
実施例2の青色発光素子の作製において、有機EL素子OLED1−5を、有機EL素子OLED1−7に変更した以外は実施例27と同様にしてフルカラー表示装置を作製した。
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度が高く、高耐久性を有し、且つ、鮮明なフルカラー動画表示が得られることが判った。
実施例4
《フルカラー表示装置の作製》
実施例2の青色発光素子の作製において、有機EL素子OLED1−5を、有機EL素子OLED1−8に変更した以外は実施例2と同様にしてフルカラー表示装置を作製した。
《フルカラー表示装置の作製》
実施例2の青色発光素子の作製において、有機EL素子OLED1−5を、有機EL素子OLED1−8に変更した以外は実施例2と同様にしてフルカラー表示装置を作製した。
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度が高く、高耐久性を有し、且つ、鮮明なフルカラー動画表示が得られることが判った。
実施例5
《フルカラー表示装置の作製》
実施例2の青色発光素子の作製において、有機EL素子OLED1−5を、有機EL素子OLED1−10に変更した以外は実施例2と同様にしてフルカラー表示装置を作製した。
《フルカラー表示装置の作製》
実施例2の青色発光素子の作製において、有機EL素子OLED1−5を、有機EL素子OLED1−10に変更した以外は実施例2と同様にしてフルカラー表示装置を作製した。
該フルカラー表示装置を駆動することにより、輝度が高く、高耐久性を有し、且つ、鮮明なフルカラー動画表示が得られることが判った。
実施例6
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例1の透明電極基板の電極を20mm×20mmにパターニングし、その上に実施例1と同様に正孔注入/輸送層としてα−NPDを25nmの厚さで製膜し、さらに、CBPの入った前記加熱ボートと本発明化合物A−1−31の入ったボートおよびIr−9の入ったボートをそれぞれ独立に通電して発光ホストであるCBPと発光ドーパントである本発明化合物A−1−31およびIr−9の蒸着速度が100:5:0.6になるように調節し膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例1の透明電極基板の電極を20mm×20mmにパターニングし、その上に実施例1と同様に正孔注入/輸送層としてα−NPDを25nmの厚さで製膜し、さらに、CBPの入った前記加熱ボートと本発明化合物A−1−31の入ったボートおよびIr−9の入ったボートをそれぞれ独立に通電して発光ホストであるCBPと発光ドーパントである本発明化合物A−1−31およびIr−9の蒸着速度が100:5:0.6になるように調節し膜厚30nmの厚さになるように蒸着し、発光層を設けた。
ついで、BCPを10nm製膜して正孔阻止層を設けた。更に、Alq3を40nmで製膜し電子輸送層を設けた。
次に、実施例1と同様に、電子注入層の上にステンレス鋼製の透明電極とほぼ同じ形状の正方形穴あきマスクを設置し、陰極バッファー層としてフッ化リチウム0.5nm及び陰極としてアルミニウム150nmを蒸着製膜した。
この素子を実施例1と同様な方法および同様な構造の封止缶を具備させ平面ランプを作製した。図6に平面ランプの模式図を示した。図6(a)に平面模式を図6(b)に断面模式図を示す。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例7
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例6の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−1−31をB−3−61に変更した以外は実施例6と同様にして白色照明装置を作製した。
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例6の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−1−31をB−3−61に変更した以外は実施例6と同様にして白色照明装置を作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例8
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例6の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−1−31をC−1−36に変更した以外は実施例6と同様にして白色照明装置を作製した。
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例6の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−1−31をC−1−36に変更した以外は実施例6と同様にして白色照明装置を作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例9
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
25mm×25mm×0.5mmのガラス支持基板上に直流電源を用い、スパッタ法にてインジウム錫酸化物(ITO、インジウム/錫=95/5モル比)の陽極を形成した(厚み200nm)。この陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。これにポリビニルカルバゾ−ル(正孔輸送性バインダーポリマー)/本発明化合物A−2−46(青発光性オルトメタル化錯体)/トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(緑発光性オルトメタル化錯体:Ir−1)/ビス(2−ベンゾチオフェン[b]−2−イル−ピリジン)アセチルアセトナ−トイリジウム錯体(赤発光性オルトメタル化錯体:Ir−9)/2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル(電子輸送材)=200/2/5/2/50質量比を溶解したジクロロエタン溶液をスピンコーターで塗布し、100nmの発光層を得た。この有機化合物層の上にパターニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内で陰極バッファー層としてフッ化リチウム0.5nmおよび陰極としてアルミニウム150nmを蒸着して陰極を設けた。陽極、陰極よりそれぞれアルミニウムのリード線を出して発光素子を作製した。該素子を窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止容器で紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5493)を用いて封止して平面ランプを作製した。
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
25mm×25mm×0.5mmのガラス支持基板上に直流電源を用い、スパッタ法にてインジウム錫酸化物(ITO、インジウム/錫=95/5モル比)の陽極を形成した(厚み200nm)。この陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。これにポリビニルカルバゾ−ル(正孔輸送性バインダーポリマー)/本発明化合物A−2−46(青発光性オルトメタル化錯体)/トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(緑発光性オルトメタル化錯体:Ir−1)/ビス(2−ベンゾチオフェン[b]−2−イル−ピリジン)アセチルアセトナ−トイリジウム錯体(赤発光性オルトメタル化錯体:Ir−9)/2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾ−ル(電子輸送材)=200/2/5/2/50質量比を溶解したジクロロエタン溶液をスピンコーターで塗布し、100nmの発光層を得た。この有機化合物層の上にパターニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内で陰極バッファー層としてフッ化リチウム0.5nmおよび陰極としてアルミニウム150nmを蒸着して陰極を設けた。陽極、陰極よりそれぞれアルミニウムのリード線を出して発光素子を作製した。該素子を窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止容器で紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5493)を用いて封止して平面ランプを作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例10
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例9の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−2−46をB−1−55に変更した以外は実施例9と同様にして白色照明装置を作製した。
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例9の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−2−46をB−1−55に変更した以外は実施例9と同様にして白色照明装置を作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例11
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例9の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−2−46をC−3−13に変更した以外は実施例9と同様にして白色照明装置を作製した。
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例9の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−2−46をC−3−13に変更した以外は実施例9と同様にして白色照明装置を作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例12
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
25mm×25mm×0.5mmのガラス支持基板上に直流電源を用い、スパッタ法にてインジウム錫酸化物(ITO、インジウム/錫=95/5モル比)の陽極を形成した(厚み200nm)。この陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。これにポリビニルカルバゾール(正孔輸送性バインダーポリマー)/A−74(正孔輸送制御材)/本発明化合物A−1−31(青発光性オルトメタル化錯体)/トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(緑発光性オルトメタル化錯体:Ir−1)/ビス(2−ベンゾチオフェン[b]−2−イル−ピリジン)アセチルアセトナ−トイリジウム錯体(赤発光性オルトメタル化錯体:Ir−9)/2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(電子輸送材)=150/50/2/5/2/50質量比を溶解したジクロロエタン溶液をスピンコーターで塗布し、100nmの発光層を得た。この有機化合物層の上にパターニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内で陰極バッファー層としてフッ化リチウム0.5nmおよび陰極としてアルミニウム150nmを蒸着して陰極を設けた。陽極、陰極よりそれぞれアルミニウムのリード線を出して発光素子を作製した。該素子を窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止容器で紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5493)を用いて封止して平面ランプを作製した。
《塗布法による白色発光素子および白色照明装置の作製》
25mm×25mm×0.5mmのガラス支持基板上に直流電源を用い、スパッタ法にてインジウム錫酸化物(ITO、インジウム/錫=95/5モル比)の陽極を形成した(厚み200nm)。この陽極の表面抵抗は10Ω/□であった。これにポリビニルカルバゾール(正孔輸送性バインダーポリマー)/A−74(正孔輸送制御材)/本発明化合物A−1−31(青発光性オルトメタル化錯体)/トリス(2−フェニルピリジン)イリジウム錯体(緑発光性オルトメタル化錯体:Ir−1)/ビス(2−ベンゾチオフェン[b]−2−イル−ピリジン)アセチルアセトナ−トイリジウム錯体(赤発光性オルトメタル化錯体:Ir−9)/2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール(電子輸送材)=150/50/2/5/2/50質量比を溶解したジクロロエタン溶液をスピンコーターで塗布し、100nmの発光層を得た。この有機化合物層の上にパターニングしたマスク(発光面積が5mm×5mmとなるマスク)を設置し、蒸着装置内で陰極バッファー層としてフッ化リチウム0.5nmおよび陰極としてアルミニウム150nmを蒸着して陰極を設けた。陽極、陰極よりそれぞれアルミニウムのリード線を出して発光素子を作製した。該素子を窒素ガスで置換したグローブボックス内に入れ、ガラス製の封止容器で紫外線硬化型接着剤(長瀬チバ製、XNR5493)を用いて封止して平面ランプを作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例13
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例12の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−1−31をB−3−41に変更した以外は実施例12と同様にして白色照明装置を作製した。
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例12の白色発光素子の作製において、本発明化合物A−1−31をB−3−41に変更した以外は実施例12と同様にして白色照明装置を作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例14
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例12の白色発光素子の作製において、正孔輸送制御材A−74をA−173に変更した以外は実施例12と同様にして白色照明装置を作製した。
《白色発光素子および白色照明装置の作製》
実施例12の白色発光素子の作製において、正孔輸送制御材A−74をA−173に変更した以外は実施例12と同様にして白色照明装置を作製した。
この平面ランプに通電したところほぼ白色の光が得られ、照明装置として使用できることがわかった。
実施例15
《有機EL素子OLED2−1〜2−10の作製》
実施例1において、発光ドーパントをIr−1に変更し、正孔阻止材料を表2に記載のように、変更した以外は同様にして、実施例1と同様にして有機EL素子OLED2−1〜2−10を作製した。
《有機EL素子OLED2−1〜2−10の作製》
実施例1において、発光ドーパントをIr−1に変更し、正孔阻止材料を表2に記載のように、変更した以外は同様にして、実施例1と同様にして有機EL素子OLED2−1〜2−10を作製した。
得られた各々の素子の外部取り出し量子効率、発光寿命の測定も実施例1に記載の方法と同様にして行った。
この時、いずれもOLED2−1の値を100として、各有機EL素子試料の値を相対値で表した。得られた結果を表2に示す。
表2から、本発明に係る白金錯体を正孔阻止材料に用いた有機EL素子は比較の有機EL素子に比べ、高い発光効率と、発光寿命が得られることがわかった。なお、本発明の素子の発光色は全て緑色だった。
従って、本発明に係る白金錯体を正孔阻止材料として用いた場合にも、高い発光効率と、発光寿命の長寿命化が達成できることが明らかである。
1 ディスプレイ
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
A 表示部
B 制御部
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
A 表示部
B 制御部
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JP2011278890A JP2012117069A (ja) | 2011-12-20 | 2011-12-20 | 有機エレクトロルミネッセンス素子材料 |
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JP2005293375A Division JP4935042B2 (ja) | 2005-10-06 | 2005-10-06 | 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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JP2012117069A true JP2012117069A (ja) | 2012-06-21 |
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Family Applications (1)
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JP2011278890A Pending JP2012117069A (ja) | 2011-12-20 | 2011-12-20 | 有機エレクトロルミネッセンス素子材料 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2012117069A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN109535205A (zh) * | 2018-12-30 | 2019-03-29 | 浙江工业大学 | 一种含有四齿配体和芳氧基衍生物的铂配合物 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4935042B2 (ja) * | 2005-10-06 | 2012-05-23 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 |
-
2011
- 2011-12-20 JP JP2011278890A patent/JP2012117069A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP4935042B2 (ja) * | 2005-10-06 | 2012-05-23 | コニカミノルタホールディングス株式会社 | 有機エレクトロルミネッセンス素子材料、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN109535205A (zh) * | 2018-12-30 | 2019-03-29 | 浙江工业大学 | 一种含有四齿配体和芳氧基衍生物的铂配合物 |
CN109535205B (zh) * | 2018-12-30 | 2021-10-08 | 浙江工业大学 | 一种含有四齿配体和芳氧基衍生物的铂配合物 |
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