JP2012114535A - 半導体装置及びこれを用いた電子機器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電源電圧のばらつきに依ることなく、入力信号を適切に電力増幅して出力信号を生成することが可能な半導体装置、及び、これを用いた電子機器を提供する。
【解決手段】半導体装置100は、VDDとGNDとの間でパルス駆動される入力信号Sinを増幅し、VCC(>VDD)とGNDとの間でパルス駆動される出力信号Soutを生成するドライバZ20と、VCCからVDDを生成するVDD生成部Z30と、を有するものであって、ドライバZ20は、VDDの入力を受けて動作し出力信号Soutの帰還経路となる1次積分器(AMP、R1、R2、C1)を含み、VDD生成部Z30は、VCCを分圧してVDDを生成する分圧器(R3、R4)を含む。
【選択図】図34

Description

本発明は、入力信号を電力増幅して出力信号を生成する半導体装置、及び、これを用いた電子機器に関するものである。
従来より、入力信号を電力増幅して出力信号を生成する半導体装置(例えば、液晶テレビ、プラズマテレビ、ホームオーディオ、デスクトップPC、アミューズメント機器、電子機器などに搭載されるデジタルスピーカアンプLSI)が種々提案されている。
なお、上記に関連する従来技術の一例としては、特許文献1を挙げることができる。
米国特許第7,262,658号明細書
しかしながら、上記従来の半導体装置には、種々検討すべき課題(異常発生原因の事後解析や電源電圧のばらつき対策など)が存在していた。
本発明は、本願の発明者によって見い出された上記の課題に鑑み、電源電圧のばらつきに依ることなく、入力信号を適切に電力増幅して出力信号を生成することが可能な半導体装置、及び、これを用いた電子機器を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る半導体装置は、第1電圧と基準電圧との間でパルス駆動される入力信号を増幅し、前記第1電圧よりも高い第2電圧と前記基準電圧との間でパルス駆動される出力信号を生成するドライバと、前記第2電圧から前記第1電圧を生成する第1電圧生成部と、を有する半導体装置であって、前記ドライバは、前記第1電圧の入力を受けて動作し前記出力信号の帰還経路となる1次積分器を含み、前記第1電圧生成部は、前記第2電圧を分圧して前記第1電圧を生成する分圧器を含む構成(第1の構成)とされている。
なお、上記第1の構成から成る半導体装置において、前記1次積分器は、前記第1電圧の入力を受けて動作するオペアンプと、前記入力信号の印加端と前記オペアンプの入力端との間に接続された第1抵抗と、前記出力信号の印加端と前記オペアンプの入力端との間に接続された第2抵抗と、前記オペアンプの入力端と出力端との間に接続された第1コンデンサと、を有する構成(第2の構成)にするとよい。
また、上記第2の構成から成る半導体装置において、前記分圧器は、前記基準電圧の印加端と前記第1電圧の出力端との間に接続された第3抵抗と、前記第2電圧の印加端と前記第1電圧の出力端との間に接続された第4抵抗と、を有する構成(第3の構成)にするとよい。
また、上記第3の構成から成る半導体装置において、前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、及び、前記第4抵抗の抵抗値をそれぞれR1、R2、R3、及び、R4とした場合、R1/R2=R3/(R3+R4)という関係が成立する構成(第4の構成)にするとよい。
また、上記第4の構成から成る半導体装置において、前記第1電圧生成部は、前記基準電圧の印加端と前記第1電圧の出力端の間に接続された第2コンデンサを有する構成(第5の構成)にするとよい。
また、上記第4または第5の構成から成る半導体装置において、少なくとも、前記第1抵抗と前記第3抵抗は、それぞれ、所定の制御信号に応じて抵抗値を調整することが可能な可変抵抗である構成(第6の構成)にするとよい。
また、上記第6の構成から成る半導体装置は、前記第1電圧をモニタして減電圧保護動作を行う保護機能部を有する構成(第7の構成)にするとよい。
また、上記第1〜第7いずれかの構成から成る半導体装置は、音声信号に所定の信号処理を施して前記入力信号を生成し、これを前記ドライバに出力する音声信号処理部を有する構成(第8の構成)にするとよい。
また、本発明に係る電子機器は、上記した第1〜第8いずれかの構成から成る半導体装置と、前記半導体装置に前記音声信号を供給する音源と、前記半導体装置から前記出力信号が供給されるスピーカと、を有する構成(第9の構成)とされている。
本発明に係る半導体装置、及び、これを用いた電子機器であれば、電源電圧のばらつきに依ることなく、入力信号を適切に電力増幅して出力信号を生成することが可能となる。
本発明に係る半導体装置の一構成例(端子配置を含む)を示すブロック図 RSTX端子及びMUTEX端子の設定内容とデジタル部の状態及びスピーカ出力の状態との相関図 オーディオDSP105の一構成例を示すブロック図 Cバス制御におけるスレーブモードのフォーマットを示す模式図 データ信号SDAとクロック信号SCLの一例を示すタイミングチャート データ書込時における基本的なフォーマットを示す模式図 データ書込時におけるオートインクリメント方式フォーマットを示す模式図 データ読出時における基本的なフォーマットを示す模式図 S方式の入力フォーマットを示すタイミングチャート 左詰め方式の入力フォーマットを示すタイミングチャート 右詰め方式の入力フォーマットを示すタイミングチャート 右詰め方式(48fs)の入力フォーマットを示すタイミングチャート 電源立ち上げシーケンスを説明するためのタイミングチャート 電源立ち下げシーケンスを説明するためのタイミングチャート 半導体装置100に搭載された各種保護機能の一覧表 ERROR出力の第1設定例(出力ショート保護のみをモニタする設定)を示す出力波形図 ERROR出力の第2設定例(各保護状態を自動的に切り替えてモニタする設定)を示す出力波形図 出力ショート保護(天絡保護)の一例を示すタイミングチャート 出力ショート保護(地絡保護)の一例を示すタイミングチャート スピーカへの直流電圧印加保護の一例を示すタイミングチャート 高温ワーニングの一例を示すタイミングチャート 高温保護の一例を示すタイミングチャート 減電圧保護の一例を示すタイミングチャート ゲイン設定と閾値電圧Vdet、Vrelとの相関関係を示す一覧表 過電圧保護の一例を示すタイミングチャート クロック停止保護の一例を示すタイミングチャート 半導体装置100を用いた応用回路例(ステレオBTL出力)を示す図 半導体装置100を用いた応用回路例(モノラルBTL出力)を示す図 出力フィルタの一構成例を示す図 フィルタ定数の第1例(fc=30kHz)を示す一覧表 フィルタ定数の第2例(fc=40kHz)を示す一覧表 エラー検出部と保護機能部の連携動作を説明するためのブロック図 ドライバの第1構成例を示す模式図 ドライバの第2構成例を示す模式図 積分出力電圧Vaの第1例(理想状態)を示す波形図 積分出力電圧Vaの第2例(誤パルス発生状態)を示す波形図 積分出力電圧Vaの第3例(パルス抜け発生状態)を示す波形図 VCC変動とTHD+Nとの関係を示す図 ゲインとVCC変動幅との関係を示す図 ゲインとUVLO検出電圧/解除電圧との関係を示す図
(ブロック図)
図1は、本発明に係る半導体装置の一構成例(端子配置を含む)を示すブロック図である。本構成例の半導体装置100は、回路ブロック的に見ると、ICインタフェイス部101と、コントロールインタフェイス部102と、ISインタフェイス部103と、サンプリングレートコンバータ104(以下、SRC[Sampling Rate Convereter]104と略称する)と、オーディオDSP[Digital Sound Processor]105と、8倍オーバーサンプリング部106と、2チャンネルΔΣモジュレータ107と、クロックジェネレータ108と、PLL[Phase Locked-Loop]部109と、エラー検出部110と、第1チャンネル用プラス側ドライバ111と、第1チャンネル用マイナス側ドライバ112と、第2チャンネル用プラス側ドライバ113と、第2チャンネル用マイナス側ドライバ114と、保護機能部115と、を有する。また、半導体装置100は、外部との電気的な接続を確立する手段として48本の外部端子(1ピン〜48ピン)を有する。
なお、上記回路ブロックのうち、符号101〜110が付された回路ブロック(対応するピン番号で言えば、1ピン〜15ピン、及び、45ピン〜48ピン)については、第1の半導体チップ(DSPチップ)として形成されている。また、符号111〜115が付された回路ブロック(対応するピン番号で言えば、16ピン〜44ピン)については、第2の半導体チップ(パワーステージチップ)として形成されている。すなわち、半導体装置100は、2つの半導体チップが単一のパッケージ内に搭載されたマルチチップ構成の半導体装置である。
(概要)
半導体装置100は、薄型テレビなどの省スペース・省エネルギー用途向けに開発された15W+15WのオーディオDSP搭載フルデジタルスピーカアンプである。最先端のBCD[Bipolar, CMOS and DMOS]プロセス技術を採用し、出力パワー段のオン抵抗や配線抵抗による内部損失を極限まで排除し、高効率90%(10W+10W出力、8Ω負荷時)を実現している。さらに、小型裏面放熱タイプのパワーパッケージを採用し、低消費電力・低発熱のため、総合30W出力まで出力可能である。高性能DSPの搭載により、音声系システムの大幅な小型化・薄型化と、高機能・高音質再生の両方のニーズに応えることが可能である。
(特長)
第1の特長は、TV用途の音声信号処理に最適なDSPを搭載している点である。第2の特長は、デジタル音声入力を1系統装備(IS/左詰め/右詰めフォーマット、LRCLK:32kHz/44.1kHz/48kHz、BCLK:48fs/64fs、SDATA:16/20/24bit)している点である。第3の特長は、広い電源電圧範囲において動作可能(Vcc=9〜18V)な点である。第4の特長は、15W+15W(Vcc=15V、RL=8Ω)のステレオ出力及び30W(Vcc=15V、RL=4Ω)のモノラル出力が可能な点である。第5の特長は、高効率、低発熱によりシステムの小型化・薄型化・省電力化に貢献し得る点である。第6の特長は、電源オン/オフ時のポップ音を防止し、さらに高品位なソフトミュート機能を内蔵している点である。第7の特長は、各種保護機能内蔵の高信頼性デザイン(高温保護、高温ワーニング、過電圧保護、減電圧保護、スピーカへの直流電圧印加保護、出力ショート保護、クロック停止保護)を採用している点である。
(用途)
半導体装置100の用途としては、液晶テレビ、プラズマテレビ、ホームオーディオ、デスクトップPC、アミューズメント機器、電子楽器などを挙げることができる。
(端子機能説明)
1ピン(ADDR)は、ICバススレーブアドレス端子(端子電圧:0V)である。2ピン(SDATA)、3ピン(LRCK)、及び、4ピン(BCLK)は、いずれも、デジタルオーディオ信号入力端子(端子電圧:3.3V)である。5ピン(DGND)はデジタルI/O用GND端子(端子電圧:0V)である。6ピン(XI)は、クリスタル入力端子である。7ピン(XO)は、クリスタル出力端子である。8ピン(VSS)は、アナログ信号系GND端子(端子電圧:0V)である。9ピン(PLL)は、PLL用フィルタ端子(端子電圧:1V)である。10ピン(DVDD)は、デジタルI/O用電源端子(端子電圧:3.3V)である。11ピン(TEST2)は、テスト用端子であり、8ピン(VSS)に接続される。12ピン(REG15)は、デジタル回路用内部電源端子(端子電圧:1.5V)である。
13ピン(MONI1)及び14ピン(MONI2)は、いずれも、エラーフラグのモニター端子であり、13ピン(MONI1)が5ピン(DGND)に接続され、14ピン(MONI2)が16ピン(ERROR)に接続される。15ピン(TEST1)は、テスト用端子であり、8ピン(VSS)に接続される。16ピン(ERROR)は、エラーフラグ端子(H:通常時、L:エラー時、端子電圧:3.3V)であり、14ピン(MONI2)に接続される。17ピン(REG5)は、パワーステージ用内部電源端子(端子電圧:5V)であり、コンデンサが接続される。18ピン(ST_MONO)は、スピーカ出力モード設定端子(H:モノラルモード(パラレルBTL[Bridged Trans-Less]出力)、L:ステレオモード(ステレオBTL出力)、端子電圧:0V)である。19ピン(VCCA)は、アナログ信号系電源端子(端子電圧:VCC)である。20ピン及び21ピン(VCCP2)はいずれも、第2チャンネル用パワーステージ系電源端子(端子電圧:VCC)である。22ピン及び23ピン(GNDP2)は、いずれも、第2チャンネル用パワーステージ系GND端子(端子電圧:0V)である。24ピン(BSP2P)は第2チャンネル用プラス側ブートストラップ端子であり、コンデンサが接続される。
25ピン及び26ピン(OUT2P)は、いずれも第2チャンネル用プラス側パワーステージ出力端子(端子電圧:VCC〜0V)であり、出力LPF[Low Pass Filter]が接続される。27ピン及び28ピン(OUT2N)は、いずれも第2チャンネル用マイナス側パワーステージ出力端子(端子電圧:VCC〜0V)であり、出力LPFが接続される。29ピン(BSP2N)は、第2チャンネル用マイナス側ブートストラップ端子であり、コンデンサが接続される。30ピン(N.C.)は、N.C.[No Connection]端子である。31ピン(REG_G)は、ゲートドライバ用内部電源端子(端子電圧:5.5V)であり、コンデンサが接続される。32ピン(BSP1N)は、第1チャンネル用マイナス側ブートストラップ端子であり、コンデンサが接続される。33ピン及び34ピン(OUT1N)は、いずれも第1チャンネル用マイナス側パワーステージ出力端子(端子電圧:VCC〜0V)であり、出力LPFが接続される。35ピン及び36ピン(OUT1P)は、いずれも第1チャンネル用プラス側パワーステージ出力端子(端子電圧:VCC〜0V)であり、出力LPFが接続される。
37ピン(BSP1P)は、第1チャンネル用プラス側ブートストラップ端子であり、コンデンサが接続される。38ピン及び39ピン(GNDP1)は、いずれも、第1チャンネル用パワーステージ系GND端子(端子電圧:0V)である。40ピン及び41ピン(VCCP1)は、いずれも第1チャンネル用パワーステージ系電源端子(端子電圧:VCC)である。42ピン(FILBIAS)は、パワーステージ用基準端子(端子電圧:3.5V〜5V)であり、コンデンサが接続される。43ピン(FILP)は、パワーステージ用基準端子であり、コンデンサが接続される。44ピン(GNDA)は、アナログ信号系GND端子端子(端子電圧:0V)である。45ピン(RSTX)は内部ロジック回路用リセット端子(H:リセットオフ、L:リセットオン、端子電圧:0V)である。46ピン(MUTEX)は、スピーカ出力ミュート制御端子(H:ミュートオフ、L:ミュートオン、端子電圧:0V)である。図2は、RSTX端子及びMUTEX端子の設定内容とデジタル部の状態及びスピーカ出力の状態との相関図である。47ピン(SCL)は、IC転送クロック入力端子である。48ピン(SDA)は、ICデータ入出力端子である。
(オーディオDSP)
図3は、オーディオDSP105の一構成例を示すブロック図である。本構成例のオーディオDSP105は、プリスケーラA1と、チャンネルミキサA2と、2バンドDRC部[Dynamic Range Compression]A3と、第1スケーラA4と、疑似低音部A5と、HPF部[High Pass Filter]A6と、バス/トレブル調整部A7と、サラウンド調整部A8と、7バンドパラメトリックイコライザA9と、ボリウム/バランス調整部A10と、第2スケーラA11と、2バンドDRC部A12と、ポストスケーラA13とを有する。
プリスケーラA1は、+24〜−103dB(0.5dBステップ)、−∞dB<デフォルト0dB>の範囲で設定することが可能である。なお、プリスケーラA1は、Lch/Rchを同時制御することが可能である。
チャンネルミキサA2は、Lch信号として、ミュート、Lch(デフォルト)、Rch、及び、(L+R)/2を設定することが可能である。また、チャンネルミキサA2はRch信号として、ミュート、Lch、Rch(デフォルト)、及び、(L+R)/2を設定することが可能である。また、チャンネルミキサA2は、位相反転機能を具備しており、Lch/Rchを独立制御で位相反転することが可能である。
2バンドDRC部A3は、ノンクリップ出力を可能とする。また、2バンドDRC部A3は、Lch/Rchの同時制御が可能であり、かつ、低域と高域を独立制御することが可能である。低域と高域のクロスオーバーポイントは220Hz〜2200Hz(8ステップ)であり、ソフト遷移機能はない。アタック時間は1ms〜40ms(8ステップ)であり、リカバリ時間は0.25s〜10s(16ステップ)である。また、コンプレッションレベルは、+12dB〜−19.5dB(0.5dBステップ)である。
第1スケーラA4は、2バンドDRC部A3から入力される信号を適切にスケーリングして疑似低音部A5に出力する。
疑似低音部A5は、元の低音から2倍音と3倍音を作り、疑似的な低音(倍音)を再生する。これにより、最低共振周波数f0の高いスピーカでは鳴らすことのできない低音を擬似的に聞かせることが可能となる。疑似低音部A5は、Lch/Rchの同時制御が可能である。疑似低音部A5のHPFは、20Hz〜80Hz(10Hzステップ)、または、オフ(スルー)に設定することが可能である。疑似低音部A5の第1LPFは、40Hz〜180Hz(20Hzステップ)に設定することが可能であり、第2LPFは、80Hz〜380Hz(20Hzステップ)に設定することが可能である。疑似低音部A5は、1バンドの2次IIR[Infinite Impulse Response]フィルタで構成されたパラメトリックイコライザで低音を持ち上げる。ピーキング/ローシェルフフィルタの選択、F0/Q値/ゲイン設定は、7バンドパラメトリックイコライザA9と同じであり、ソフト遷移機能はない。なお、b0、b1、b2、a1、a2の5つの係数を直接設定することも可能である。
HPF部A6は、スピーカで再生できない低域を急峻な特性のHPF(4次)でカットする。なお、HPF部A6では、パターワース特性、FC:47〜300Hzを20分割の設定が可能である(E−24系列)。また、HPF部A6は、Lch/Rchの同時制御が可能であり、ソフト遷移機能はない。
バス/トレブル調整部A7は、ピーキングフィルタまたはシェルフフィルタを用いており、Lch/Rch同時制御機能、及び、ソフト遷移機能を備えている。F0選択については、7バンドパラメトリックイコライザA9と同じである。ゲイン選択については、±18dB(0.5dBステップ)の範囲で設定することが可能である。ただし、ゲイン選択時にDSPの係数範囲(±4)を超える場合は、大きなゲインを設定できない場合がある。Q(クオリティファクタ)については、0.33、0.43、0.56、0.75、1.0、1.2、1.5、1.8、2.2、2.7、3.3、3.9、4.7、5.6、6.8、8.2に設定することが可能である。
サラウンド調整部A8は、ステレオ感を強調する。また、サラウンド調整部A8は、モノラル音声を擬似的にステレオ化し、疑似ステレオ効果を付与する機能を備えている。
7バンドパラメトリックイコライザA9は、ピーキング/ローシェルフ/ハイシェルフ/ローパス/ハイパスのフィルタ形式を選択することが可能である。なお、b0、b1、b2、a1、a2の5つの係数を直接設定することも可能である。また、7バンドパラメトリックイコライザA9は、Lch/Rch同時制御が可能であり、ソフト遷移機能を備えている。F0選択については、20Hz〜20kHzの範囲を61分割で設定することが可能である。ゲイン選択については、±18dB(0.5dBステップ)の範囲で設定することが可能である。ただし、ゲイン選択時にDSPの係数範囲(±4)を超える場合は大きなゲインを設定できない場合がある。Q(クオリティファクタ)については、0.33、0.43、0.56、0.75、1.0、1.2、1.5、1.8、2.2、2.7、3.3、3.9、4.7、5.6、6.8、8.2に設定することが可能である。
ボリウム/バランス調整部A10は、+24dB〜−103dB(0.5ステップ)の範囲でボリウムを設定することが可能である。なお、ボリウム/バランス調整部A10はLch/Rch同時制御が可能であり、ソフト遷移機能、及び、ソフトミュート機能を備えている(デフォルト設定は−∞dB)。また、ボリウム/バランス調整部A10は、ボリウム設定値から、1dBステップ幅で減衰させるソフト遷移機能を備えている(Lch/Rch=0dB/−∞dB、0dB/−126dB、0dB/−125dB、…、0dB/0dB、…、−125dB/0dB、−126dB/0dB、−∞dB/0dB)。
第2スケーラA11は、ボリウム/バランス調整部A10から入力される信号を適切にスケーリングして2バンドDRC部A12に出力する。
2バンドDRC部A12は、前段の2バンドDRC部A3と同様である。
ポストスケーラA13は、−32dB〜+12dB(0.1dBステップ)の範囲で設定することが可能である。なお、ポストスケーラA13は、Lch/Rchを同時制御することが可能であり、ソフト遷移機能はない(デフォルト0dB)。
(ICバス制御信号仕様)
まず、コマンドインタフェイスについて説明する。ホストCPUとのコマンドインタフェイスにICバス制御が用いられている。一部のレジスタを除き、書き込みだけでなく読み出しが可能である。スレーブアドレスの他に、1バイトのセレクトアドレスを指定して、書き込みや読み出しが行われる。
図4は、ICバス制御におけるスレーブモードのフォーマットを説明するための模式図であり、図5は、データ信号SDA及びクロック信号SCLの一例を示すタイミングチャートである。図4中の符号「S」はスタートコンディションである。「スレーブアドレス」は、ADDR端子で設定されるスレーブアドレス(7ビット)の後ろに、リードモード(H)かライトモード(L)のビットが付加された合計8ビットのデータである(MSBファースト)。符号「A」はアクノリッジである。送受信されている「データ」には、バイト毎にアクノリッジビットが付け加わる。「データ」の送受信が正しく行われているときには”L”が送受信され、”H”の場合はアクノリッジがなかったことになる。「セレクトアドレス」は、1バイトのセレクトアドレスである(MSBファースト)。「データ」は、送受信されるデータバイトである(MSBファースト)。符号「P」はストップコンディションである。
次に、データの書き込みについて説明する。図6は、データ書込時における基本的なフォーマットを示す模式図であり、図7は、データ書込時におけるオートインクリメント方式のフォーマットを示す模式図である。
次に、データの読み出しについて説明する。図8は、データ読出時における基本的なフォーマットを示す模式図である。読み出し時は、まず、D0hアドレスのレジスタに読み出し対象アドレス(例では20h)が書き込まれる。次のストリームでは、スレーブアドレスの後にデータが読み出される。受信を終了するときには、アクノリッジを返さなければよい。
(デジタルオーディオ信号のフォーマット)
LRCLKは、L/Rクロック入力信号である。サンプリング周波数(fs)と同一周波数のクロック(fs)で、32kHz/44.1kHz/48kHzに対応している。この区間に1サンプル分の左チャンネルと右チャンネルのデータが入力される。
BCLKは、ビット・クロック入力信号である。サンプリング周波数(fs)の64倍の周波数(64fs)または48倍の周波数(48fs)で、データの1ビット毎のラッチに用いられる。ただし、48fsが選択されているときには、入力フォーマットが右詰め方式(図12を参照)に固定される。
SDATA1及びSDATA2は、データ入力信号であり、振幅データである。入力デジタルオーディオ信号の分解能によって、データ長が異なる。16/20/24ビットに対応している。
入力フォーマット(転送方式)としては、IS方式、左詰め方式、及び、右詰め方式がある。図9〜図12は、各転送方式のタイミングチャートである。
(電源立ち上げシーケンス)
図13は、電源立ち上げシーケンスを説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、VCCP1、VCCP2、VCCA、DVDD、XO、BCLK、LRCLK、SDATA、RSTX、SCL、SDA、及び、MUTEXのピン状態、並びに、スピーカ出力状態が描写されている。
VCCA、VCCP1、及び、VCCP2は、全て同時に立ち上げることが望ましい。VCCA、VCCP1、及び、VCCP2の立ち上げタイミングとDVDDの立ち上げタイミングは順不同である。DVDDの安定に伴い、XOの発振がスタートする。デジタルオーディオ信号は、RSTXを解除する前に送信開始すべきである。XOを10サイクル以上入力後、RSTXをハイに設定することが望ましい。RSTXを解除後にXOを10サイクル以上送信してからICバスデータを送信することが望ましい。データ送信が開始された後、MUTEXをハイにすることにより、ソフトスタートが開始される。
(電源立ち下げシーケンス)
図14は、電源立ち下げシーケンスを説明するためのタイミングチャートであり、上から順に、VCCP1、VCCP2、VCCA、DVDD、XO、BCLK、LRCLK、SDATA、RSTX、SCL、SDA、及び、MUTEXのピン状態、並びに、スピーカ出力状態が描写されている。
MUTEXをローにすることにより、ソフトミュート(Fast)が開始される。ソフトミュートの完了後、RSTをローに設定すべきである。RSTをローに設定した後、XOを10サイクル以上送信してからデジタルオーディオ信号を止めることが望ましい。VCCA、VCCP1、及び、VCCP2は、全て同時に立ち上げることが望ましい。VCCA、VCCP1、及び、VCCP2の立ち下げタイミングとDVDDの立ち下げタイミングは順不同である。
(保護機能)
図15は、半導体装置100に搭載された各種保護機能の一覧表であり、保護機能、検出&解除条件、スピーカ出力、DSP出力、及び、ERROR出力の相関関係が示されている。なお、ERROR出力端子は、Nchオープンドレイン出力である。IC制御により各保護機能の動作状態をERROR端子からモニタすることが可能である(図16を参照)。或いは、自動的に各保護機能の動作状態を切り替えてモニタすることも可能である(図17を参照)。ラッチ状態になると、異常状態が解除されても自動復帰することはない。ラッチ状態を解除するためには、(1)MUTEX端子を一旦ローに設定した後、再度MUTEX端子をハイに設定し直すか、電源を再投入すればよい。以下、各種保護機能についての個別具体的な説明を行う。
<出力ショート保護(天絡保護)>
図18は、出力ショート保護(天絡保護)の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、スピーカ出力、過電流、ERROR信号、及び、MUTEX信号が描写されている。
半導体装置100は、異常状態によりパワーステージ出力が電源へショート(天絡)した場合に、パワーステージ出力をミュートする出力保護回路を備えている。検出条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、パワーステージ出力端子を流れる電流が10A(TYP.)以上となった場合に出力ショートの検出状態となる。出力ショートが検出されると、パワーステージ出力は瞬時にHiZ−Low状態となり、半導体装置100はこの状態をラッチする。解除方法については、MUTEX信号を一旦ローレベルに設定した後で再度ハイレベルに戻すか、或いは、電源を再投入すればよい。
<出力ショート保護(地絡保護)>
図19は、出力ショート保護(地絡保護)の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、スピーカ出力、過電流、ERROR信号、及び、MUTEX信号が描写されている。
半導体装置100は、異常状態によりパワーステージ出力がGNDへショート(地絡)した場合に、パワーステージ出力をミュートする出力保護回路を備えている。検出条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、パワーステージ出力端子を流れる電流が10A(TYP.)以上となった場合に出力ショートの検出状態となる。出力ショートが検出されると、パワーステージ出力は瞬時にHiZ−Low状態となり、半導体装置100はこの状態をラッチする。解除方法については、MUTEX信号を一旦ローレベルに設定した後で再度ハイレベルに戻すか、或いは、電源を再投入すればよい。
<スピーカへの直流電圧印加保護>
図20は、スピーカへの直流電圧印加保護の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、スピーカ出力、ERROR信号、及び、MUTEX信号が描写されている。
半導体装置100は、異常状態によりスピーカへの直流電圧が印加された場合に、スピーカ出力をミュートする直流電圧印加保護回路を備えている。検出条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、パルス出力がローレベルまたはハイレベルで54ms〜108ms以上固定された場合に直流電圧印加の検出状態となる。直流電圧印加が検出されると、パルス出力は瞬時にHiZ−Low状態となり、半導体装置100はこの状態をラッチする。解除方法については、MUTEX信号を一旦ローレベルに設定した後で再度ハイレベルに戻すか、或いは、電源を再投入すればよい。
<高温ワーニング>
図21は、高温ワーニングの一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、チップ温度、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、スピーカ出力、及び、ERROR信号が描写されている。
半導体装置100は、チップ温度がTjmax=150℃に到達する前に出力を抑える高温保護回路を備えている。検出条件については、チップ温度が130℃(TYP.)以上となった場合に高温ワーニングの検出状態となる。高温ワーニングが検出されると、ERROR出力はローレベルになるが、スピーカ出力は2.5dBゲインダウンして動作し続ける。解除条件については、チップ温度が100℃(TYP.)以下となった場合に解除状態となる。高温ワーニングが解除されると、ゲインが自動的に復帰して通常状態に戻る。
<高温保護>
図22は、高温保護の一例を示すタイミングチャートであり、上から順番に、チップ温度、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、スピーカ出力、及び、ERROR信号が描写されている。
半導体装置100は、チップ温度がTjmax=150℃を超えた異常状態下における熱的暴走を防ぐ高温保護回路を備えている。検出条件については、チップ温度が150℃(TYP.)以上となった場合に高温保護の検出状態となる。高温保護が検出されると、ERROR出力はローレベルになり、スピーカ出力はソフトミュートを経て消音される。パワーステージ出力は最終的にHiZ−Low状態となる。解除条件については、チップ温度が100℃(TYP.)以下となった場合に解除状態となる。高温保護が解除されると、スピーカ出力はソフトスタートを経て音声出力状態に自動復帰する。
<減電圧保護>
図23は、減電圧保護の一例を示すタイミングチャートであり、上から順番に、電源電圧(VCCP1、VCCP2、VCCA)、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、スピーカ出力、及びERROR信号が描写されている。
半導体装置100は、電源電圧が異常に低下した場合にスピーカ出力をミュートする減電圧保護回路を備えている。検出条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、電源電圧がVdetV以下になった場合に減電圧の検出状態となる。減電圧が検出されると、パワーステージ出力は瞬時にHiZ−Low状態となり、消音される。解除条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、電源電圧がVrelV以上に戻ると解除状態となる。減電圧保護が解除されると、スピーカ出力はソフトスタートを経て音声出力状態に自動復帰する。図24は、ゲイン設定と閾値電圧Vdet、Vrelとの相関関係を示す一覧表である。
<過電圧保護>
図25は、過電圧保護の一例を示すタイミングチャートであり、上から順番に、電源電圧(VCCP1、VCCP2、VCCA)、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、スピーカ出力、及びERROR信号が描写されている。
半導体装置100は、電源電圧が異常に上昇した場合にスピーカ出力をミュートする過電圧保護回路を備えている。検出条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、電源電圧が21.5V以上になった場合に過電圧の検出状態となる。過電圧が検出されると、パワーステージ出力は瞬時にHiZ−Low状態となり、消音される。解除条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、電源電圧が20.5V以下に戻ると解除状態となる。過電圧保護が解除されると、スピーカ出力はソフトスタートを経て音声出力状態に自動復帰する。
<クロック停止保護>
図26は、クロック停止保護の一例を示すタイミングチャートであり、上から順に、クロック信号(BCLK、LRCLK)、パワーステージ出力(OUT1P、OUT1N、OUT2P、OUT2N)、及び、スピーカ出力が描写されている。
半導体装置100は、デジタルオーディオ入力のBCLK信号、LRCLK信号が停止した場合にスピーカ出力をミュートするクロック停止保護回路を備えている。検出条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、BCLK信号が31.25μs以上停止した場合、或いは、LRCLK信号が41.7μs以上停止した場合にクロック停止の検出状態となる。クロック停止が検出されると、スピーカ出力はミュートされる。解除条件については、MUTEX信号のハイレベル時において、停止していたBCLK信号、LRCLK信号が7ms以上通常動作を継続すると解除状態となる。クロック停止保護が解除されると、スピーカ出力はソフトスタートを経て音声出力状態に自動復帰する。
(応用回路例)
図27及び図28は、いずれも半導体装置100を用いた応用回路の一例を示す図である。なお、図27は、ステレオBTL出力、RL=8Ωを想定した第1の応用回路例であり、図28は、モノラルBTL出力、RL=4Ωを想定した第2の応用回路例である。
(出力LCフィルタ回路)
負荷(スピーカ)に供給される可聴帯域以外の高周波成分を排除するために出力フィルタが必要である。例えば、図29に示すLC型LPFにおいて、コイルL及びコンデンサCは、−12dB/octの減衰特性を持つ差動フィルタを構成している。スイッチング電流の大部分はコンデンサCを流れ、スピーカRLに流れる電流はごく僅かになる。従って、このフィルタは不要輻射を低減する。また、コイルL及びコンデンサCgは、同相信号に対するフィルタを構成し、不要輻射をさらに低減する。フィルタ定数は負荷インピーダンスに依存し、Q=0.707におけるL、C、Cgの算出式は、以下のようになる。なお、下記の算出式において、RLは負荷インピーダンス(Ω)、fcはLPFカットオフ周波数(Hz)を示している。
図30及び図31は、それぞれ、代表的な負荷インピーダンス時の出力LCフィルタ定数を示す一覧表である。
使用するコイルは、低直流抵抗で電流許容値に十分マージンのある部品を選ぶことが望ましい。直流抵抗成分が大きいと電力損失が発生する。また、不要輻射防止のため、通常は閉磁路タイプを選ぶことが望ましい。また、使用するコンデンサは、等価直列抵抗が小さく、高周波域(100kHz〜)でインピーダンス特性が悪化しない部品を選ぶことが望ましい。また、使用するコンデンサには高周波電流が多量に流れるため、その耐圧については、電圧値に十分な余裕があるものを選ぶことが望ましい。
(エラー検出部と保護機能部との連携動作)
図32は、エラー検出部と保護機能部の連携動作を説明するためのブロック図である。本構成例の半導体装置100は、第1チップXと第2チップYを単一のパッケージ内に有する。なお、第1チップXは、先に説明した第1の半導体チップ(図1の符号101〜110が付された回路ブロックを含むDSPチップ)に相当する。また、第2チップYは、先に説明した第2の半導体チップ(図1の符号111〜115が付された回路ブロックを含むパワーステージチップ)に相当する。
第1チップXは、入力信号INに所定の信号処理を施して中間信号MIDを生成する半導体チップであり、信号処理部X10と、エラー検出部X20と、インタフェイス部X30と、を有する。
信号処理部X10は、入力信号INに所定の信号処理を施して中間信号MIDを生成する回路ブロックであり、図1のISインタフェイス部103、SRC104、オーディオDSP105、8倍オーバーサンプリング部106、及び、2チャンネルΔΣモジュレータ107がこれに含まれる。
エラー検出部X20は、エラー信号ERRORを時分割で順次サンプリングし、そのサンプリング結果を複数の異常監視結果に関する履歴情報として格納する回路ブロックであり、レジスタX21と、サンプリング部X22と、同期制御部X23と、プルアップ抵抗X24と、を有する。なお、図32のエラー検出部X20は、図1のエラー検出部110に相当する。
レジスタX21は、サンプリング部X22で得られたサンプリング結果を複数の異常監視結果に関する履歴情報として格納する。
サンプリング部X22は、第2ピンT12を介して入力されるエラー信号ERRORを時分割で順次サンプリングして、そのサンプリング結果をレジスタX21に送出する。なお、サンプリング部X22におけるエラー信号ERRORのサンプリングタイミングは、同期制御部X23から入力されるタイミング制御信号S2によって決定されている。
同期制御部X23は、所定の発振周波数を有するクロック信号CLKに基づいて、セレクタY22(詳細は後述)の切替制御信号S1と、サンプリング部X22のタイミング制御信号S2を生成し、保護機能部Y20によるエラー信号ERRORの生成動作と、エラー検出部X20によるエラー信号ERRORのサンプリング動作とを互いに同期させる。
プルアップ抵抗X24は、第2ピンT12からサンプリング部X22に至る信号経路と電源ラインとの間に接続されており、エラー信号ERRORのハイレベルを電源電圧近傍までプルアップする。
インタフェイス部X30は、エラー検出部X20のレジスタX21に格納されている履歴情報を装置外部から参照するためのインタフェイス部であり、図1のICインタフェイス部101がこれに相当する。
第2チップYは、中間信号MIDを電力増幅して出力信号OUTを生成する半導体チップであり、電力増幅部Y10と、保護機能部Y20と、を有する。
電力増幅部Y10は、中間信号MIDを電力増幅して出力信号OUTを生成する回路ブロックであり、図1の第1チャンネル用プラス側ドライバ111、第1チャンネル用マイナス側ドライバ112、第2チャンネル用プラス側ドライバ113、及び、第2チャンネル用マイナス側ドライバ114がこれに含まれる。
保護機能部Y20は、半導体装置100における複数の異常を監視して保護動作を行うとともに、複数の異常監視結果に応じてその論理レベルが時分割で順次変遷されるエラー信号ERROR(先出の図17を参照)を生成する回路ブロックであり、複数の異常保護回路Y21と、セレクタY22と、出力トランジスタY23と、を有する。なお、図32の保護機能部Y20は、図1の保護機能部115に相当する。
複数の異常保護回路Y21は、半導体装置100における複数の異常を各々監視して複数の異常保護信号(出力ショート保護信号、高温ワーニング信号、高温保護信号、減電圧保護信号、スピーカ直流電圧印加保護信号、及び、過電圧保護信号)を生成する。これらの保護機能については、先に説明した通りである。
セレクタY22は、エラー検出部X20の同期制御部X23から入力される切替制御信号S1に基づいて、前記複数の異常保護信号のいずれか一を選択し、これを出力トランジスタY23のゲートに出力する。
出力トランジスタY23は、オープンドレイン形式のNチャネル型MOS電界効果トランジスタであり、セレクタY22で選択された異常保護信号に応じて、第1ピンT11に出力されるエラー信号ERRORの論理レベルを変遷させる。具体的に述べると、セレクタY22で選択された異常保護信号がハイレベル(異常時論理レベル)である場合には、出力トランジスタY23がオンとなるので、エラー信号ERRORがローレベル(異常時論理レベル)に立ち下げられる。これとは逆に、セレクタY22で選択された異常保護信号がローレベル(正常時論理レベル)である場合には、出力トランジスタY23がオフとなるので、エラー信号ERRORがハイレベル(正常時論理レベル)に立ち上げられる。
また、半導体装置100は、エラー信号ERRORを装置外部に出力するための第1ピンT11(図1の16ピンに相当)と、装置外部に出力されたエラー信号ERRORを再び装置内部に入力するための第2ピンT12(14ピンに相当)と、を有する。
上記構成から成る半導体装置100に何らかの異常が生じた場合、保護機能部Y20の働きにより、第2チップYの動作が強制的に停止される。また、このとき、保護機能部Y20で生成されるエラー信号ERRORは、第1ピンT11を介して装置外部に出力される一方、第2ピンT12を介してエラー検出部X20に帰還入力される。
このように、保護機能部Y20で生成されるエラー信号ERRORをエラー検出部X20に帰還入力し、その内容を履歴情報としてレジスタX21に格納する構成であれば、後日、レジスタX21から履歴情報を読み出してエラー解析を行うことができるので、異常原因の究明や対策を講じることが可能となる。
なお、第1チップXと第2チップYとは互いに異なる電源供給を受けて駆動しているため、異常発生時に第2チップYへの電源供給が遮断された場合であっても、第1チップXへの電源供給は継続される。従って、レジスタX21を不揮発型にする必要はない。
また、保護機能部Y20で生成されるエラー信号ERRORを半導体装置100の外部に出力する構成であれば、半導体装置100が搭載されるセットの統括制御装置(CPUなど)でエラー信号ERRORをモニタすることにより、半導体装置100の異常を検出することが可能となる。従って、半導体装置100に何らかの異常が生じた場合には、半導体装置100内部での保護動作のみならず、セットの統括制御装置から半導体装置100の動作を強制的に停止させたり、或いは、半導体装置100への電源供給を強制的に遮断したりすることが可能となる。
また、エラー信号ERRORが半導体装置100の外部に引き出されていれば、レジスタX21の格納内容をわざわざ読み出すことなく、エラー信号ERRORを直接モニタするだけで、半導体装置100の異常有無を確認することが可能となる。
(電源変動対策)
図1に示した半導体装置100においては、2チャンネルΔΣモジュレータ107から出力される信号をドライバ111〜114でいかに正しく電力増幅してスピーカに伝達できるかがオーディオ特性の優劣を左右する重要なポイントとなっている。
図33は、ドライバの第1構成例を示す模式図である。本図で示したように、第1電源電圧V1と接地電圧GNDとの間でパルス駆動される入力信号Sinから、第2電源電圧V2(ただしV1<V2)と接地電圧GNDとの間でパルス駆動される出力信号Soutを生成する手段として、出力帰還経路を持たないドライバ(単純なレベルシフタ)を用いた場合、簡易な回路構成で入力パルス幅と出力パルス幅を一致させることが可能である。しかしながら、図33の構成では、電源変動の影響を受けて出力信号Soutのパルスに歪みが生じやすい。そのため、オーディオ特性を向上させるためには、電源回路の能力強化(出力コンデンサの大容量化など)が必要であり、部品点数の増加やコストアップが招かれることは否めない。
図34は、ドライバの第2構成例を示す模式図である。本図に示した半導体装置100は、2チャンネルΔΣモジュレータZ10と、ドライバZ20と、内部電源電圧生成部Z30と、保護機能部Z40と、を有する。
2チャンネルΔΣモジュレータZ10は、ドライバZ20に入力信号Sinを供給する回路ブロックである。なお、図34の2チャンネルΔΣモジュレータZ10は、図1の2チャンネルΔΣモジュレータ107に相当する。
ドライバZ20は、入力信号Sinを電力増幅して出力信号Soutを生成し、これをピンT21から外部のスピーカに出力する回路ブロックである。なお、図34のドライバZ20は、図1のドライバ111〜114の各々に相当する。ドライバZ20の回路構成については、後ほど詳細に説明する。
内部電源電圧生成部Z30は、電源電圧VCC(図1のVCCP1及びVCCP2に相当)から内部電源電圧VDD(図1のREG5に相当)を生成する回路ブロックである。なお、内部電源電圧生成部Z30の回路構成については、後ほど詳細に説明する。
保護機能部Z40は、半導体装置100における複数の異常を監視して保護動作を行う回路ブロックである。なお、図34の保護機能部Z40は、図1の保護機能部115に相当する。保護機能部Z40に含まれているUVLO[Under Voltage Lock Out]回路は、電源電圧VCCではなく、内部電源電圧VDDを監視する構成とされているが、これについては後ほど詳細に説明する。
続いて、ドライバZ20と内部電源電圧生成部Z30の回路構成について説明する。ドライバZ20は、インバータINVと、オペアンプAMPと、コンパレータCMPと、タイミング制御部TIMと、ドライブ段DRV1及びDRV2と、Nチャネル型MOS電界効果トランジスタN1及びN2と、抵抗R1及びR2と、コンデンサC1と、を有する。
インバータINVは、内部電源電圧VDDの入力を受けて動作し、入力信号Sinを論理反転させる。インバータINVの入力端は、2チャンネルΔΣモジュレータZ10の出力端(入力信号Sinの印加端)に接続されている。インバータINVの出力端は、抵抗R1の第1端に接続されている。なお、抵抗R1は、不図示の制御信号に応じて抵抗値を可変制御することが可能な構成とされている。
オペアンプAMPは、内部電源電圧VDDの入力を受けて動作し、抵抗R1及びR2やコンデンサC1と共に1次積分器を形成する。オペアンプAMPの反転入力端(−)は、抵抗R1の第2端と、抵抗R2の第1端と、コンデンサC1の第1端に接続されている。抵抗R2の第2端は、出力信号Soutの出力端(ピンT21)に接続されている。オペアンプAMPの非反転入力端(+)は、第1基準電圧Vref1(例えば、VFILP)の印加端に接続されている。オペアンプAMPの出力端は、コンデンサC1の第2端に接続されている。
コンパレータCMPは、内部電源電圧VDDの入力を受けて動作し、積分出力電圧Vaと第2基準電圧Vref2(例えばVDD/2)との比較信号を生成する。コンパレータCMPの非反転入力端(+)は、オペアンプAMPの出力端に接続されている。コンパレータCMPの反転入力端(−)は、第2基準電圧Vref2の印加端に接続されている。コンパレータCMPの出力端は、タイミング制御部TIMの入力端に接続されている。
タイミング制御部TIMは、内部電源電圧VDDの入力を受けて動作し、コンパレータCMPから入力される比較信号に基づいて、第1オン/オフ制御信号と第2オン/オフ制御信号を生成する。
ドライブ段DRV1は、電源電圧VCCと内部電源電圧VDDの入力を受けて動作し、タイミング制御部TIMから入力される第1オン/オフ制御信号を電力増幅してトランジスタN1のゲート信号を生成する。
ドライブ段DRV2は、電源電圧VCCと内部電源電圧VDDの入力を受けて動作し、タイミング制御部TIMから入力される第2オン/オフ制御信号を電力増幅してトランジスタN2のゲート信号を生成する。
トランジスタN1及びN2は、ドライバZ20の出力段を形成する。トランジスタN1のドレインは、電源電圧VCCの印加端に接続されている。トランジスタN1のソース及びバックゲートと、トランジスタN2のドレインは、出力信号Soutの出力端(ピンT21)に接続されている。トランジスタN2のソース及びバックゲートは、接地端に接続されている。トランジスタN1のゲートは、ドライブ段DRV1の出力端に接続されている。トランジスタN2のゲートは、ドライブ段DRV2の出力端に接続されている。
一方、内部電源電圧生成部Z30は、抵抗R3及びR4と、バッファBUFと、を有する。抵抗R4の第1端は、電源電圧VCCの印加端に接続されている。抵抗R4の第2端と抵抗R3の第1端は互いに接続されており、その接続ノードは、バッファBUFの非反転入力端(+)に接続される一方、ピンT22及びコンデンサC2を介して接地端にも接続されている。抵抗R3の第2端は、接地端に接続されている。なお、抵抗R3は、不図示の制御信号に応じて抵抗値を可変制御することが可能な構成とされている。バッファBUFの反転入力端(−)は、バッファBUFの出力端(内部電源電圧VDDの出力端)に接続されている。
次に、上記構成から成るドライバZ20と内部電源電圧生成部Z30の動作について説明する。ドライバZ20では、その入力段に含まれる1次積分器を用いて出力帰還経路が形成されているので、電源電圧VCCが変動すれば出力パルス幅を変化させるようにフィードバックが働く。このようなフィードバック構成において、入力パルス幅と出力パルス幅とを常に一致させるためには、積分出力電圧Vaを台形波(図35を参照)に維持しなければならないが、電源電圧VCCに設定誤差(ばらつき)が生じると台形が崩れて、出力信号Soutの誤パルスやパルス抜けを生じるおそれがある。
図35は、積分出力電圧Vaの第1例(理想状態)を示す波形図である。図中に付したI1(=IIL+IOL)、I2(=IIL−IOH)、I3(=IIH+IOH)、及び、I4(=IIH−IOL)は、それぞれ、積分出力波形に対応するコンデンサC1への電流値を示しており、I1=I3、I2=I4、及び、I1+I2+I3+I4=ITという関係が成立している。なお、IIH、IIL、IOH、IOLは、それぞれ、図34に描写された電流に相当する。具体的に述べると、IIHは抵抗R1を介してコンデンサC1に流れ込む電流、IILは抵抗R1を介してコンデンサC1から流れ出る電流、IOHは抵抗R2を介してコンデンサC1に流れ込む電流、IOLは抵抗R2を介してコンデンサC1から流れ出る電流をそれぞれ示している。
I4は理想値で0μAであるが、電源電圧VCCのばらつきにより、I2、I4>0でパルス抜け、I2、I4<0で誤パルスの要因となる。以下では、電源電圧VCCの変動が生じた場合でも、誤パルスやパルス抜けを発生させないための条件について考察する。
電源電圧VCCが+α%だけ変動すると、I1〜I4は下記のように変動する。
I1→I1+ΔIT1
I2→I2−ΔIT1
I3→I3+ΔIT1
I4→I4−ΔIT1
ΔIT1=(1/2)×(α/100)×IT
逆に、電源電圧VCCが−α%だけ変動すると、I1〜I4は下記のように変動する。
I1→I1−ΔIT1
I2→I2+ΔIT1
I3→I3−ΔIT1
I4→I4+ΔIT1
ΔIT1=(1/2)×(−α/100)×IT
図36は、積分出力電圧Vaの第2例(誤パルス発生状態)を示す波形図である。本図から、出力信号Soutに誤パルスを発生させないためには、下記(1)式を満たす必要があること、すなわち、入力信号Sinのパルス間隔に制約が必要となることが分かる。なお、符号tdはIC内部遅延時間であり、符号terrは誤パルス発生時間である。また、符号CはコンデンサC1の容量値である。
I1×(td/C)>I2×(terr/C)
I1×td>I2×terr
terr<I1×(td/I2) … (1)
図37は、積分出力電圧Vaの第3例(パルス抜け発生状態)を示す波形図である。本図から、出力信号Soutにパルス抜けを発生させないためには、下記(2)式を満たす必要があること、すなわち、入力信号Sinのパルス間隔に制約が必要となることが分かる。なお、符号twは入力信号Sinのパルス幅である。
(I1×td+I2×terr)/C<I3×(tw/C)
I1×td+I2×terr>I3×tw
terr<(I3×tw−I1×td)/I2 … (2)
上記考察から分かるように、電源電圧VCCのばらつきに起因する出力信号Soutの誤パルスやパルス抜けを防止するためには、入力信号Sinのパルス間隔を狭めることが有効である。しかしながら、この対策には自ずと限界がある。
そこで、図34に示した半導体装置100は、内部電源電圧生成部Z30において、電源電圧VCCに依存する内部電源電圧VDDを生成し、この内部電源電圧VDDをドライバZ20の各ブロック(より具体的には、インバータINV、オペアンプAMP、コンパレータCMP、タイミング制御部TIM、ドライブ段DRV1、及び、ドライブ段DRV2)に供給する構成とされている。
今、入力信号Sinがデューティ50%であるときのパルス幅を基準として、入力パルス幅変化量をΔWi(μs)、出力パルス幅変化量をΔWo(μs)とする。このとき、ΔWiとΔWoとの間には、下記(3)式の関係が成立する。なお、符号R1及びR2はそれぞれ抵抗R1及びR2の抵抗値を示している。
ΔWo=(R2/R1)×(VDD/VCC)×ΔWi … (3)
ドライバZ20では、ΔWo=ΔWiとなること、すなわち、下記(4)式の関係を満たすことが求められる。
(R2/R1)×(VDD/VCC)=1 … (4)
電源電圧VCCにばらつきが生じても、上記(4)式が常に成立していれば、ΔWo=ΔWiとなる。つまり、下記(5)式の関係を満たすように、電源電圧VCCに依存した内部電源電圧VDDを生成すれば、電源電圧VCCのばらつきに依らず、上記(4)式が常に成立することになり、延いては、ΔWo=ΔWiとなる。
VDD=(R1/R2)×VCC … (5)
一方、内部電源電圧生成部Z30では、抵抗R3及びR4から成る分圧器を用いて電源電圧VCCを分圧することにより、内部電源電圧VDDが生成されている。従って、内部電源電圧VDDは、下記(6)式で算出することができる。なお、符号R3及びR4は、それぞれ、抵抗R3及びR4の抵抗値を示している。
VDD={R3/(R3+R4)}×VCC … (6)
上記(5)式と上記(6)式より、電源電圧VCCのばらつきをキャンセルして、常にΔWo=ΔWiとするためには、下記(7)式の関係を満たすように、抵抗R1〜R4の抵抗値を適宜すればよいことが分かる。
R1/R2=R3/(R3+R4) … (7)
(R1:R2=R3:(R3+R4))
なお、内部電源電圧生成部Z30において、抵抗R3と抵抗R4との接続ノードには、ピンT22(図1の42ピンに相当)を介してコンデンサC2が接続されている。このような構成とすることにより、ノイズ成分(高周波成分)の影響を受けにくくなるので、PSRR[Power Supply Rejection Ratio]特性を損なうことなく、電源電圧VCCの変動成分(低周波成分)に追従する内部電源電圧VDDを生成することが可能となる。
図38は、VCC変動とTHD+N(全高調波歪+ノイズ)との関係を示す図であり、実線が本発明の挙動、破線が従来の挙動を示している。本図に示すように、本発明に係る半導体装置100であれば、1次積分器を用いた出力帰還制御、入力パルス幅の最適化、ないしは、電源電圧VCCのばらつきキャンセルにより、THD+Nを低く抑えて良好なオーディオ特性を実現することが可能となる。
なお、ドライバZ20の各ブロックに供給される内部電源電圧VDDを電源電圧VCCに依存して変動させる場合、(各ブロックの減電限界)<VDD<(各ブロックの耐圧)という関係を満たすように、内部電源電圧VDDの変動範囲に制限を掛ける必要がある。
そこで、ドライバZ20では、抵抗R1及びR3の抵抗値を可変制御することにより、ゲインを任意に調整(切り替え)することが可能な構成とされている。このような構成とすることにより、電源電圧VCCの入力可能範囲を狭めることなく、内部電源電圧VDDの変動範囲に所定の制限を掛けることができる。
例えば、内部電源電圧VDDの変動範囲を3.5V<VDD<5Vとし、ゲインを4ステップで切り替える場合、各ゲイン設定時における電源電圧VCCの変動範囲は、図39で示す結果となる。以下では、その算出手順について説明する。
まず、VCC=8VであるときにVDD=3.5Vとなるように、第1ゲインG1を設定する。次に、この第1ゲインG1が設定されている状態で、VDD=5Vとしたときの電源電圧VCCを算出する。ここでは、VCC=(8/3.5)×5=11.42Vという結果が得られる。このようにして、第1ゲインG1の設定時における電源電圧VCCの変動範囲(8V〜11.42V)が決まる。
次ステップの第2ゲイン設定時における電源電圧VCCの最小値は、電源ばらつき(±10%)を踏まえて算出する。ここでは、VCC=11.42/1.1×0.9=9.35Vという結果が得られる。次に、VCC=9.35VであるときにVDD=3.5Vとなるように、第2ゲインG2を設定する。そして、第2ゲインG2が設定された状態で、VDD=5Vとしたときの電源電圧VCCを算出する。ここでは、VCC=(9.35/3.5)×5=13.35Vという結果が得られる。このようにして、第2ゲインG2の設定時における電源電圧VCCの変動範囲(9.35V〜13.35V)が決まる。
次ステップの第3ゲイン設定時における電源電圧VCCの最小値も、電源ばらつき(±10%)を踏まえて算出する。ここでは、VCC=13.35/1.1×0.9=10.9Vという結果が得られる。次に、VCC=10.9VであるときにVDD=3.5Vとなるように、第3ゲインG3を設定する。そして、第3ゲインG3が設定された状態で、VDD=5Vとしたときの電源電圧VCCを算出する。ここでは、VCC=(10.9/3.5)×5=15.57Vという結果が得られる。このようにして、第3ゲインG3の設定時における電源電圧VCCの変動範囲(10.9V〜15.57V)が決まる。
次ステップの第4ゲイン設定時における電源電圧VCCの最小値も、電源ばらつき(±10%)を踏まえて算出する。ここでは、VCC=15.57/1.1×0.9=12.74Vという結果が得られる。次に、VCC=12.74VであるときにVDD=3.5Vとなるように、第4ゲインG4を設定する。そして、第4ゲインG4が設定された状態で、VDD=5Vとしたときの電源電圧VCCを算出する。ここでは、VCC=(12.74/3.5)×5=18.2Vという結果が得られる。このようにして、第4ゲインG4の設定時における電源電圧VCCの変動範囲(12.74V〜18.2V)が決まる。
なお、上記によって設定される第1ゲインG1〜第4ゲインG4は、それぞれ、下記の通りとなる。
G1=20log(11.42V/5V)=7.174dB
G2=20log(13.35V/5V)=8.530dB
G3=20log(15.57V/5V)=9.866dB
G4=20log(18.20V/5V)=11.222dB
また、ドライバZ20のゲインを可変制御する構成では、ゲイン毎に変動範囲が異なる電源電圧VCCではなく、変動範囲が固定されている内部電源電圧VDDをモニタして、UVLO検出/UVLO解除を行う方が望ましい。例えば、内部電源電圧VDDの変動範囲が3.5V<VDD<5Vに制限されている場合は、UVLO検出電圧をVDD=3.0Vに設定し、UVLO解除電圧をVDD=3.3Vに設定すればよい。このような構成は、電源電圧VCCに着目してみると、各ゲイン毎にUVLO検出電圧及びUVLO解除電圧を切り替える構成と同義であると考えられる(図40を参照)。従って、ドライバZ20のゲインに依らず、適切なUVLO保護を実現することが可能となる。
なお、上記の実施形態では、DSP搭載フルデジタルスピーカアンプLSIに本発明を適用した構成を例に挙げて説明を行ったが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、入力信号を電力増幅して出力信号を生成する半導体装置全般に広く適用することが可能である。
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
本発明は、例えば、液晶テレビ、プラズマテレビ、ホームオーディオ、デスクトップPC、アミューズメント機器、電子機器などに搭載されるデジタルスピーカアンプLSIの性能や利便性を高める上で有用に利用することが可能である。
100 半導体装置100
101 ICインタフェイス部
102 コントロールインタフェイス部
103 ISインタフェイス部
104 サンプリングレートコンバータ(SRC)
105 オーディオDSP
106 8倍オーバーサンプリング部
107 2チャンネルΔΣモジュレータ
108 クロックジェネレータ
109 PLL部
110 エラー検出部
111 第1チャンネル用プラス側ドライバ
112 第1チャンネル用マイナス側ドライバ
113 第2チャンネル用プラス側ドライバ
114 第2チャンネル用マイナス側ドライバ
115 保護機能部
A1 プリスケーラ
A2 チャンネルミキサ
A3 2バンドDRC部
A4 第1スケーラ
A5 疑似低音部
A6 HPF部
A7 バス/トレブル調整部
A8 サラウンド調整部
A9 7バンドパラメトリックイコライザ
A10 ボリウム/バランス調整部
A11 第2スケーラ
A12 2バンドDRC部
A13 ポストスケーラ
X 第1チップ
X10 信号処理部
X20 エラー検出部
X21 レジスタ
X22 サンプリング部
X23 同期制御部
X24 プルアップ抵抗
X30 インタフェイス部
Y 第2チップ
Y10 電力増幅部
Y20 保護機能部
Y21 異常保護回路
Y22 セレクタ
Y23 出力トランジスタ
T11 第1ピン
T12 第2ピン
Z10 2チャンネルΔΣモジュレータ
Z20 ドライバ
Z30 内部電源電圧生成部
Z40 保護機能部
INV インバータ
AMP オペアンプ
CMP コンパレータ
TIM タイミング制御部
DRV1、DRV2 ドライブ段
BUF バッファ
N1、N2 Nチャネル型MOS電界効果トランジスタ
R1〜R4 抵抗
C1、C2 コンデンサ
T21、T22 ピン

Claims (9)

  1. 第1電圧と基準電圧との間でパルス駆動される入力信号を増幅し、前記第1電圧よりも高い第2電圧と前記基準電圧との間でパルス駆動される出力信号を生成するドライバと、
    前記第2電圧から前記第1電圧を生成する第1電圧生成部と、
    を有する半導体装置であって、
    前記ドライバは、前記第1電圧の入力を受けて動作し前記出力信号の帰還経路となる1次積分器を含み、
    前記第1電圧生成部は、前記第2電圧を分圧して前記第1電圧を生成する分圧器を含むことを特徴とする半導体装置。
  2. 前記1次積分器は、
    前記第1電圧の入力を受けて動作するオペアンプと、
    前記入力信号の印加端と前記オペアンプの入力端との間に接続された第1抵抗と、
    前記出力信号の印加端と前記オペアンプの入力端との間に接続された第2抵抗と、
    前記オペアンプの入力端と出力端との間に接続された第1コンデンサと、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
  3. 前記分圧器は、
    前記基準電圧の印加端と前記第1電圧の出力端との間に接続された第3抵抗と、
    前記第2電圧の印加端と前記第1電圧の出力端との間に接続された第4抵抗と、
    を有することを特徴とする請求項2に記載の半導体装置。
  4. 前記第1抵抗、前記第2抵抗、前記第3抵抗、及び、前記第4抵抗の抵抗値をそれぞれR1、R2、R3、及び、R4とした場合、R1/R2=R3/(R3+R4)という関係が成立することを特徴とする請求項3に記載の半導体装置。
  5. 前記第1電圧生成部は、前記基準電圧の印加端と前記第1電圧の出力端との間に接続された第2コンデンサを有することを特徴とする請求項4に記載の半導体装置。
  6. 少なくとも、前記第1抵抗と前記第3抵抗は、それぞれ、所定の制御信号に応じて抵抗値を調整することが可能な可変抵抗であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の半導体装置。
  7. 前記第1電圧をモニタして減電圧保護動作を行う保護機能部を有することを特徴とする請求項6に記載の半導体装置。
  8. 音声信号に所定の信号処理を施して前記入力信号を生成し、これを前記ドライバに出力する音声信号処理部を有することを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれかに記載の半導体装置。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれかに記載の半導体装置と、
    前記半導体装置に前記音声信号を供給する音源と、
    前記半導体装置から前記出力信号が供給されるスピーカと、
    を有することを特徴とする電子機器。
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