JP2012112908A - マルチパス旋光度測定装置ならびにマルチパス対向コリメータ光学系 - Google Patents

マルチパス旋光度測定装置ならびにマルチパス対向コリメータ光学系 Download PDF

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Abstract

【課題】 呼気や呼気凝縮液などに含まれる超微量の旋光物質を検出し血中グルコース濃度との関連を明らかにする無侵襲旋光度測定装置を提供することを目的とする。
【解決手段】 上記の目的を達成するために本発明に係わるグルコース濃度測定装置は呼気または呼気凝縮液をマルチパス偏光変換対向コリメータセットの空間部に設置しセンシング部の行路長を拡大し測定感度を大幅に改善したものである。
【選択図】 図3

Description

本発明はマルチパス旋光度測定装置ならびにマルチパス対向コリメータ光学系に関し、例えば、糖分を含む水溶液に含まれる旋光物質の濃度を高精度で測定できるマルチパス旋光度測定装置ならびに旋光度測定システムを構成することができるマルチパス対向コリメータ光学系に関するものである。
従来の旋光度測定方法は被測定試料(以下、検体という)に直線偏光を入射し、検体を透過した光のパワーを検光子(アナライザ)で測定して旋光角度を測定するものであるが、この方法では光源のパワーの変動の影響によりたとえば健常者の血糖値である100mg/dL(デシリッタ)の検体に対応する旋光角度である0.005度を数%の精度で測定することはできない。
従来のもう一つの旋光度測定方法は、特許文献1に示されるような空間型リング干渉系の中に検体を置いて、それに左右両周りの直交偏光を伝搬させ、リング光路の外でその位相差を検出する方法である。この方法は光の位相を変調していないので安定に旋光度あるいは複屈折率を測定できない。
従来のもう一つの旋光度測定法は、非特許文献1に記載されている鉛ガラスのベルデ定数を利用し入射偏光状態を変調し検光子を通過する光の変化をロックインアンプで検出するものである。この方法でセル長が10mmで6.6x10-4度という微小な旋光角の測定が可能になっている。しかしこの方法では装置が大掛かりであるということと、鉛ガラスの温度特性の影響を受けやすいという課題がある。またこの方法では検体としての呼気凝縮液に含まれる微弱なグルコース濃度の旋光度測定に必要な0.0001度以下の精度で旋光角度を計測することはできない。
上記以外の従来の旋光度測定法として特許文献2に記載の方法がある。この旋光度測定法はリング干渉計あるいは光ファイバジャイロスコープのセンシングループのなかにファラデー回転素子を用いた1対の非相反光学系を設け、その中に検体を入れて複屈折率を測定するものである。4分の1波長板を追加すると旋光計となることが記載されている。本方式は上に述べた従来の複屈折率測定法と比較すると小型で低価格で構成でき、測定精度が高精度であるという特徴がある。またこの方法では0.0001度の精度で旋光角度を計測することができる。
非特許文献2に呼気凝縮液に含まれるグルコースの濃度は健常者の血液に含まれる濃度である0.1g/dLのおよそ7%であることが示されている。すなわち、もしオレンジレーザ光を用いた旋光度測定においては検体長が1cmの場合の旋光度はおよそ0.005度の7%の0.00035度である。これを十分な精度で測定するためにはもう1ケタ下の0.000035度程度の測定感度が必要である。従って従来最も高感度な測定方法である特許文献2に記載の測定装置を以てしても呼気の凝縮液に含まれるグルコース濃度を十分な精度で測定することはできない。
以上のようにこれまで光方式で呼気凝縮液や呼気自体に含まれる微小な旋光物質の旋光度を測定する旋光度測定装置は存在しなかった。
特開2002−318169号公報 特開2005−274380号公報
横田正幸他、「鉛ガラスファイバ偏光変調器を用いた旋光計」 第33回光波センシング技術研究会、LST33−15,PP.111−116,2004年6月 Baker EH他、J Appl Physiol,2007 May;102(5),1969−75,Epub 2007 Feb 15 梶岡、於保、「光ファイバジャイロの開発」、第3回光波センシング技術研究会、LST3−9,PP.55−62,1989年6月
本発明が解決しようとする課題は従来の旋光度測定装置の測定感度を大幅に改善した高精度な旋光度測定装置を提供することにある。
係る課題を解決するためになされた本発明に係る一発明の実施の形態例の旋光度測定装置および旋光度測定システムに使用することができるマルチパス対向コリメータ光学系の特筆すべき特徴は、検体部分を伝搬する円偏光の偏光状態の変動を極めて少なくなるように構成した、低損失のマルチパスを構成したところにある。
さらに具体的に例をあげて述べれば、課題を解決するためになされた本発明の一例としての第1の発明(以下、発明1という)によるマルチパス対向コリメータ光学系は本発明の旋光度測定システムに使用することができるマルチパス対向コリメータ光学系で、具体的には、信号光が伝搬する偏波面保存光ファイバの出射端にレンズ、偏光子、ファラデー回転素子、4分の1波長板を信号光の光路上に配置した偏光変換コリメータを空間部もしくは検体配置部を介して対向させた偏光変換対向コリメータセットを複数個空間的に並列にかつ光路的に直列に配置したマルチパス対向コリメータ光学系であって、前記マルチパス対向コリメータ光学系は、前記偏光変換対向コリメータセットの相対向する一方の偏光変換コリメータ(以下、コリメータ1という)から他方の偏光変換コリメータ(以下、コリメータ2という)に向けて出射する信号光の固有偏光モードと前記コリメータ2から出射してコリメータ1に入射する信号光の固有偏光モードは同一の直線偏光であるとともに、コリメータ2においても出射信号光と入射信号光の固有偏光モードは同一の直線偏光であり、前記空間部もしくは検体配置部を伝搬する両方のコリメータから出射される偏光はそれぞれ互いに直交する円偏光であるような対向する偏光変換対向コリメータセットを複数個空間的に並列に配置し、前記空間的に並列に配置された複数個の対向する偏光変換対向コリメータセットは、当該信号光の光路における両端部に配置された偏光変換対向コリメータセット(以下、最外端コリメータセットという)の当該信号光の光路の両端に位置する偏光変換コリメータ(以下、最外端コリメータという)を除き、各偏光変換対向コリメータセットの各端部は他の偏光変換対向コリメータセットの端部と接続用の偏光面保存光ファイバによって前記接続用の偏光面保存光ファイバに同一の直線偏光がまた前記空間部もしくは検体配置部に直交する円偏光がそれぞれ逆方向に伝搬するように接続され、前記空間的に並列に配置された複数個の対向する偏光変換対向コリメータセットが縦続接続され、前記縦続接続され並列に配置された複数の偏光変換対向コリメータセットが作る前記空間部もしくは検体配置部に一つの検体を置くことを特徴とするマルチパス対向コリメータ光学系である。
発明1を展開してなされた本発明の他の一例としての第2の発明(以下、発明2という)によるマルチパス対向コリメータ光学系は、発明1に記載のマルチパス対向コリメータ光学系において、前記空間的に並列に配置された複数個の偏光変換対向コリメータセット間の前記接続用の偏光面保存光ファイバの接続相手が当該偏光変換対向コリメータセットに隣接していない偏光変換対向コリメータセットである偏光変換対向コリメータセットを少なくとも1つ有することを特徴とするマルチパス対向コリメータ光学系である。
発明1または2を展開してなされた本発明の更に他の一例としての第3の発明(以下、発明3という)によるマルチパス対向コリメータ光学系は、発明1または2に記載のマルチパス対向コリメータ光学系において、前記空間的に並列に配置された複数個の偏光変換対向コリメータセットの数が4個であることを特徴とするマルチパス対向コリメータ光学系である。
課題を解決するためになされた本発明の他の一例としての第4の発明(以下、発明4という)による旋光度測定装置はマルチパス対向コリメータ光学系をリング光路に接続して用いた旋光度測定装置に関する発明で、具体的には、光源から発せられた信号光としてのレーザ光を第1の光カプラ、偏光子を介して第2の光カプラに導き、前記第2のカプラにより分岐した信号光を前記発明1〜3のいずれかに記載の空間部または検体配置部に配置された検体を挟んだマルチパス対向コリメータ光学系の両端と接続することによりリング光路を構成し、リング光路の第2のカプラの近傍に光位相変調器を設け、前記リング光路を両方向に伝搬する信号光を前記第2のカプラ、前記偏光子、前記第1のカプラを介して受光器および信号処理回路に導き、リング光路を両方向に伝搬する光の位相差を前記位相変調信号に同期した信号として抽出し検体の旋光度を測定することを特徴とするアレイ型マルチパス旋光度測定装置である。
発明4を展開してなされた本発明の更に他の一例としての第5の発明によるアレイ型マルチパス旋光度測定装置は、発明4に記載のアレイ型マルチパス旋光度測定装置において、前記アレイ型マルチパス旋光度測定装置で測定した血液、血漿、呼気、呼気凝縮液、唾液、その他の体液の旋光度と被検者の血液中の糖質成分情報との対応表を用いて健康情報を表示することを特徴とするアレイ型マルチパス旋光度測定装置である。
本発明の旋光度測定装置は、検体を透過する光のパスをマルチにし検体の長さを長くすることによって感度を数倍から数10倍に高めることができるので、呼気に含まれる超微量な旋光物質を検出できる。非特許文献2に示されているように人の呼気の中には血糖値に関連した成分が含まれるので、本発明によって採血することなしに血糖値を推定することができ、糖尿病の人にとっては採血という苦難から解放されるという大きな福音となり、糖尿病予防の観点からの血糖値管理が容易になり、健康管理機器として大きな効果を発揮する。
本発明に係る一実施の形態例に用いる偏光変換対向コリメータセットの構成図である。 図1の偏光変換対向コリメータセットを空間的に並列に光学的に直列に接続したアレイ型旋光度測定用光学系の構成図である 本発明に係る一実施の形態例としてのアレイ型マルチパス旋光度測定装置の全体構成図である。
1:偏光変換対向コリメータセット
2:検体(溶液)
3−1,3−2:偏波面保存光ファイバ
4−1,4−2:光ファイバコリメータ
5−1,5−2:偏光板
6−1,6−2:ファラデー素子
7−1,7−2:4分の1波長板
8−1,8−2:レンズ
9−1,9−2,9−3:スプライス
10:右円偏光入射光
11:右円偏光出射光
12:左円偏光入射光
13:左円偏光出射光
15:SLD光源
16−1,16−2:カプラ
17:光ファイバ偏光子
18−1:リングを構成する偏波面保存光ファイバ1
18−2:リングを構成する偏波面保存光ファイバ2
19:光位相変調器
20−1:右回り直線偏光
20−2:左回り直線偏光
21:受光器
22:信号処理回路
23:変調信号
24:マルチパス対向コリメータ光学系
以下、図面を参照して本発明に係る一実施の形態例について説明する。なお、説明に用いる各図は本実施の形態例を理解できる程度に各構成成分の寸法、形状、配置関係などを概略的に示してある。そして説明の都合上、部分的に拡大率を変えて図示する場合もあり、本実施の形態例の説明に用いる図は、必ずしも実施例などの実物や記述と相似形でない場合もある。
また、各図において、同様な構成成分については同一の番号を付けて示し、重複する説明を省略することもある。場合によっては図中において構成部分の一部に斜線をつけたり塗りつぶしをしたりすることもあるが、これは他の構成部品との区別の都合上便宜的につける場合もあり、必ずしも断面図を意味する斜線ではない場合もある。これらは通常は説明の文章から判断可能である。
また、以下の説明では、説明の重複を避けるため、当業者に容易に理解できる程度において、マルチパス対向コリメータ光学系の説明で本実施の形態例の旋光度測定装置の説明や本実施の形態例の旋光度測定方法の説明を兼ねたり、その逆のこともある。
図1〜図3を用いて本発明に係る一実施の形態例を説明する。図1は偏光変換対向コリメータセットの構成図である。偏光変換対向コリメータセット1はその対向するコリメータ間にある空間部あるいは検体配置部(以下、特に必要な場合を除いて代表して空間部で説明する)に検体2を挿入する構造になっている。
以下その構成を詳細に説明する。偏波面保存光ファイバ3−1の固有偏光軸を伝搬する直線偏光の信号光は、フェルール4−1から出射され、偏光板5−1、45度ファラデー回転素子6−1、4分の1波長板7−1、レンズ8−1を介して検体2が配置される空間部に右(または左)円偏光として出射される。
同様に偏波面保存光ファイバ3−2の固有偏光軸を伝搬する直線偏光の信号光は、フェルール4−2から出射され、偏光板5−2、45度ファラデー回転素子6−2、4分の1波長板7−2、レンズ8−2を介して検体2が配置される空間部に左(または右)円偏光として出射される。偏波面保存光ファイバ3−1からレンズ8−1までと偏波面保存光ファイバ3−2からレンズ8−2まではそれぞれ偏光変換コリメータを形成し、全体として偏光変換対向コリメータセット1を形成している。
すなわち、前記空間部に配置された検体2を両方向に伝搬する信号光は互いに直交する円偏光である。もし検体2に旋光性があれば直交する円偏光の間に位相差が発生する。
発生する位相差は旋光度の2倍である。発生する位相差は検体の比旋光度、波長、温度、検体長(光路に沿った検体の長さ)に比例する。発生する位相差が小さい場合には検体長を長くすればよいがセンサー部が大きくなってしまうのに加えて対向コリメータの対向距離が長くなると光軸調整も複雑になる。
図2は図1の偏光変換対向コリメータセット4個を空間的には並列に、光学的には直列に接続したアレイ型旋光度測定用光学系の構成図である。偏光変換対向コリメータセットの両端はスプライス9−1,9−2、9−3によって接続されている。図2において符号10は右円偏光入射光、11は右円偏光出射光、12は左円偏光入射光、13は左円偏光出射光である。
右円偏光入射光10は4つの偏光変換コリメータセットと3つの接続部により検体2が配置される空間部をすべて右円偏光として伝搬し、右円偏光出射光11として出射する。同様に左円偏光として逆の端子から入射した左円偏光入射光12は4つの偏光変換対向コリメータセットと3つの接続部を経て検体2が配置される空間部をすべて左円偏光として伝搬し、左円偏光出射光13として出射する。
図3は本発明に係る一実施の形態例としてのアレイ型マルチパス旋光度測定装置の全体構成図である。図3において、波長780nmを中心波長とするSLD光源15から発せられた信号光としてのレーザ光は信号光の光路に配置された第1の光カプラ16−1、偏光子17を介して第2の光カプラ16−2に導かれ、該第2のカプラ16−2により偏波面保存光ファイバ18−1,18−2にそれぞれ伝搬される直線偏光20−1、20−2に分岐される。
これらの分岐光はそれぞれ偏波面保存光ファイバ18−1,18−2を伝搬し、図2に示したアレイ型旋光度測定用光学系24の両端に光学的に接続されることによりリング光路を形成する。偏波面保存光ファイバ18−1を伝搬する信号光は第2のカプラの近傍に置かれた位相変調器19によって変調される。
検体2を伝搬しリング光路を両方向に伝搬した信号光は該第2のカプラ16−2、偏光子17、第1のカプラ16−1を介して受光器21で電気信号に変換される。
信号処理回路22からは位相変調器19に20KHzの変調信号23が印加されている。リング光路を両方向に伝搬する光の位相差を該位相変調信号に同期した信号として抽出し検体の旋光度を測定できる。
図3の構成はいわゆる位相変調方式光ファイバジャイロのリング光路の途中に偏光変換対向コリメータセットのアレイが設置されたものである。位相変調方式光ファイバジャイロは慣性空間におけるリング光路の回角速度を高精度に測定できるが偏光角の回転すなわち旋光度は測定できない。
本実施の形態例のリング光路の中にアレイ型旋光度測定用光学系を設けることによって光ファイバジャイロの高感度特性を維持しつつ旋光度を測定できる。
リング干渉計の光路に使用している偏波面保存光ファイバはコアが楕円のファイバを用いたがいわゆるコアに異方性の応力を印加した構造のファイバも使える。
ここで用いた光ファイバ干渉計では非特許文献3に記載されている光ファイバジャイロに用いられているものと同じ方法を用いた。リングのファイバ長は100m、位相変調器19はシリンダー型PZT(チタン酸ジルコン酸鉛)素子で信号処理回路22からの約20kHzの正弦波変調信号23で位相変調される。非特許文献3に記載の光ファイバジャイロは、変調器を正弦波で変調し、受光部でその基本波、2倍波、4倍波成分を検出し、基本波と2倍波の振幅比の逆正接(tan−1)で位相差を、2倍波、4倍波成分の比で変調度を一定に制御する方式である。
試作したセンサ−の電気出力にはRS232Cを用いたが市販の変換器でUSBでも出力できる。一般に受光感度は変調度にも依存する。変調度はループを伝搬する光の伝搬時間が長いほど、すなわちループ長が長いほど大きくなる。このため本発明の旋光度測定系は特許文献1に示されるような空間型リング干渉系の中に検体を置いてそれに左右両周りの直交偏光を伝搬させリングの外でその位相差を検出する方式に比べて本質的に高感度である。
図3のマルチパス光学系は対向コリメータセットを3個用いた3パスの例が示されているが4パスで実験した例を以下に示す。対向コリメータセットの対向距離は1パス当たり10cmとした。このような4パス光学系によって呼気凝縮液のグルコース濃度が十分な精度で計測できることを以下に示す。なお試作した偏光変換対向コリメータセットの幅は4mmであり4個並べると16mmである。セルの深さ(図3で紙面に垂直方向の寸法)は2mmとした。検体は呼気凝縮液でその容積は3ccとした。
非特許文献2によれば健常者の呼気凝縮液に含まれるグルコースの濃度は血液のグルコース濃度(0.1g/dL)のおよそ7%である。セル長が10mmの場合、グルコース濃度が0.1g/dLの場合、リング光路を両方向に伝搬する位相差は0.01度である。
従って呼気凝縮液の場合にはその7%であるので位相差は0.0007度となる。発明者の実験ではセル総長は40cmであるのでトータルの位相差は0.028度となって現行の光ファイバジャイロを応用した本発明に係る一実施の形態例の旋光度測定装置で十分な精度で測定できる。
本実施の形態例の実験における損失レベルはおおよそ以下の通りであった。
光源出力:〜1mW
光干渉計損失:〜10dB(カップラ6dB,偏光子3dB,その外1dB)
偏光変換対向コリメータセット4個分:16dB
全体で26dBとなり受光レベルは25μWであった。
ここで位相変調方式の光ファイバジャイロでθ=0.0001度の位相変化を測定するのに必要な受信部のS/Nを考察する。
変調度が最大に設定された場合、S/Nは非特許文献3に示されるように、近似的に次式で表される。
ここにPrは受光光パワー、eは電子の電荷(1.6x10−19)、Bは受信帯域幅(積分時間に逆比例)である。
この式に、θ=0.0001 度, Pr=1μW, B=0.1Hz(10秒)を代入するとS/N〜10が得られる。
上記は位相差 0.0001 度を十分なS/Nで測定するには受光パワーPrがおよそ1 μW あればよいことを意味する。実際には25μWが受光できており、呼気凝縮液のグルコース濃度から得られる位相差0.028度をその1%程度の精度で計測できる。
本実施の形態例の旋光度測定装置および旋光度測定方法は医療やバイオ分野における超微量の旋光度測定装置として用いて大きな効果を発揮することができる。
旋光性を有するが旋光角が小さい検体の旋光度を高い精度で測定するには測定系における検体以外の部分の直交する円偏光の位相差の変動を(損失を)できるだけ小さくすることが好ましい。
図3で用いたアレイ型旋光度測定用光学系24では、それを構成する信号光の光路上において、偏光変換対向コリメータセット1内の光路は対向するコリメータ間においてはそこに挿入する検体によって信号光の光路が偏光される場合を除いて信号光の光路を変更する手段を設けておらず、したがってその周囲の温度変化による測定精度への影響は最小限に抑えられており、さらに隣り合う偏光変換対向コリメータセット1間の接続は接続用の光ファイバを用いており、コーナーキューブを用いて光路接続を行う場合の反射によって発生する円偏光の偏光状態の変動が低減されて極めて高い精度で検体の旋光角を測定することができる。
図2、図3ではアレイ状に配置した複数個の偏光変換対向コリメータセットの接続用の光ファイバによるを隣り合った偏光変換対向コリメータセット間で行っているが、光ファイバの曲がりの曲率半径を大きくするために、たとえば、1つ間隔を置おいて接続したり、ある1つの偏光変換対向コリメータセットの右側の端部から隣の偏光変換対向コリメータセットの左側の端部に接続したりというように、隣り合った端部間の接続を避けることができる。
また、アレイ状に配置する配置方法を、図2や図3のように平面的に配置せずに、たとえば2×2の立体的に配置し、偏光変換対向コリメータセット間の接続ファイバの曲がりの曲率半径を大きくし、光の漏れを防ぐこともできる。
また、アレイ状に配置した複数個の偏光変換対向コリメータセットのうちの少なくとも2つのコリメータセットの少なくとも一方の光ファイバとの接続部を光コネクタ方式にすることにより、例えば図2に示したアレイ型旋光度測定用光学系や図3に示したアレイ型マルチパス旋光度測定装置の構成自由度を高め、損失が少なく、検出感度が高く、使いやすいものにすることができ、使用目的にあった構成の光学系や測定システムを構築することができる。
さらに、光コネクタを内部に短尺光ファイバを有する構成にし、光学的接続における損失の低減を図ることができる。
少なくとも一部の前記光ファイバの前記光コネクタに接続される部分の端部近傍をコア拡大ファイバにすることにより接続に関する損失を低減することができる。また、前記短尺ファイバは端部をコア拡大ファイバにしたものを用いて損失低減を図ることができ、全体を大口径ファイバにすることによりより一層の損失低減を図ることができる。
前記空間的に並列に配置する偏光変換対向コリメータセットの数は3個以上が好ましく、4個が特に好ましい。
本実施の形態例によれば、このようにして無侵襲で測定した検体としての呼気や呼気凝縮液中のグルコース濃度と人体の血液中のグルコース濃度との関係を予め調べておき、その対応表を作成し、それを信号処理回路22のメモリーに記憶させておき、呼気や呼気凝縮液中のグルコース濃度と対応させて信号処理回路で被検者の健康状態を表示することができる。これは、健康管理上重要な情報を提供する。
以上、本発明に係る一実施の形態例を図面を用いて説明したが、本発明はこれに狭く限定されるものではなく、多くのバリエーションを可能とするものである。
本発明に係る一旋光度測定装置は、呼気や呼気凝縮液や超微量な旋光性を有する検体の旋光度を高精度に測定できるので医療分野をはじめ健康管理分野、介護分野、食品分野などにおいて広く利用できるものである。特に、無侵襲で血糖値を測定できれば、第1に、採血の痛みから解放されること、第2に、採血しないので衛生的であることに加えて採血器具等を介する病気の感染が防げること、第3に、酵素を使わないので経済的であること、第4に、注射針や酵素などの廃棄物が出ないこと等の大きなメリットがある。

Claims (5)

  1. 信号光が伝搬する偏波面保存光ファイバの出射端にレンズ、偏光子、ファラデー回転素子、4分の1波長板を信号光の光路上に配置した偏光変換コリメータを空間部もしくは検体配置部を介して対向させた偏光変換対向コリメータセットを複数個空間的に並列にかつ光路的に直列に配置したマルチパス対向コリメータ光学系であって、
    前記マルチパス対向コリメータ光学系は、前記偏光変換対向コリメータセットの相対向する一方の偏光変換コリメータ(以下、コリメータ1という)から他方の偏光変換コリメータ(以下、コリメータ2という)に向けて出射する信号光の固有偏光モードと前記コリメータ2から出射してコリメータ1に入射する信号光の固有偏光モードは同一の直線偏光であるとともに、コリメータ2においても出射信号光と入射信号光の固有偏光モードは同一の直線偏光であり、
    前記空間部もしくは検体配置部を伝搬する両方のコリメータから出射される偏光はそれぞれ互いに直交する円偏光であるような対向する偏光変換対向コリメータセットを複数個空間的に並列に配置し、
    前記空間的に並列に配置された複数個の対向する偏光変換対向コリメータセットは、当該信号光の光路における両端部に配置された偏光変換対向コリメータセット(以下、最外端コリメータセットという)の当該信号光の光路の両端に位置する偏光変換コリメータ(以下、最外端コリメータという)を除き、各偏光変換対向コリメータセットの各端部は他の偏光変換対向コリメータセットの端部と接続用の偏光面保存光ファイバによって前記接続用の偏光面保存光ファイバに同一の直線偏光がまた前記空間部もしくは検体配置部に直交する円偏光がそれぞれ逆方向に伝搬するように接続され、
    前記空間的に並列に配置された複数個の対向する偏光変換対向コリメータセットが縦続接続され、前記縦続接続され並列に配置された複数の偏光変換対向コリメータセットが作る前記空間部もしくは検体配置部に一つの検体を置くことを特徴とするマルチパス対向コリメータ光学系。
  2. 請求項1に記載のマルチパス対向コリメータ光学系において、
    前記空間的に並列に配置された複数個の偏光変換対向コリメータセット間の前記接続用の偏光面保存光ファイバの接続相手が当該偏光変換対向コリメータセットに隣接していない偏光変換対向コリメータセットである偏光変換対向コリメータセットを少なくとも1つ有することを特徴とするマルチパス対向コリメータ光学系。
  3. 請求項1または2に記載のマルチパス対向コリメータ光学系において、
    前記空間的に並列に配置された複数個の偏光変換対向コリメータセットの数が4個であることを特徴とするマルチパス対向コリメータ光学系。
  4. 光源から発せられた信号光としてのレーザ光を第1の光カプラ、偏光子を介して第2の光カプラに導き、前記第2のカプラにより分岐した信号光を請求項1〜3のいずれか1項に記載の空間部または検体配置部に配置された検体を挟んだマルチパス対向コリメータ光学系の両端と接続することによりリング光路を構成し、
    リング光路の第2のカプラの近傍に光位相変調器を設け、前記リング光路を両方向に伝搬する信号光を前記第2のカプラ、前記偏光子、前記第1のカプラを介して受光器および信号処理回路に導き、
    リング光路を両方向に伝搬する光の位相差を前記位相変調信号に同期した信号として抽出し検体の旋光度を測定することを特徴とするアレイ型マルチパス旋光度測定装置。
  5. 請求項4に記載のアレイ型マルチパス旋光度測定装置において、
    前記アレイ型マルチパス旋光度測定装置で測定した血液、血漿、呼気、呼気凝縮液、唾液、その他の体液の旋光度と被検者の血液中の糖質成分情報との対応表を用いて健康情報を表示することを特徴とするアレイ型マルチパス旋光度測定装置。
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