JP2012112425A - Toroidal continuously variable transmission - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、自動車や各種産業機械の変速機などに利用可能なトロイダル型無段変速機に関する。 The present invention relates to a toroidal continuously variable transmission that can be used for transmissions of automobiles and various industrial machines.
例えば自動車用変速機として用いるダブルキャビティ式トロイダル型無段変速機は、図4および図5に示すように構成されている。図4に示すように、ケーシング50の内側には入力軸(中心軸)1が回転自在に支持されており、この入力軸1の外周には、2つの入力側ディスク2,2と2つの出力側ディスク3,3とが取り付けられている。また、入力軸1の中間部の外周には出力歯車4が回転自在に支持されている。この出力歯車4の中心部に設けられた円筒状のフランジ部4a,4aには、出力側ディスク3,3がスプライン結合によって連結されている。
For example, a double-cavity toroidal continuously variable transmission used as a transmission for an automobile is configured as shown in FIGS. As shown in FIG. 4, an input shaft (center shaft) 1 is rotatably supported inside the
入力軸1は、図中左側に位置する入力側ディスク2とカム板7との間に設けられたローディングカム式の押圧装置12を介して、駆動軸22により回転駆動されるようになっている。また、出力歯車4は、2つの部材の結合によって構成された仕切壁13を介してケーシング50内に支持されており、これにより、入力軸1の軸線Oを中心に回転できる一方で、軸線O方向の変位が阻止されている。
The
出力側ディスク3,3は、入力軸1との間に介在されたニードル軸受5,5によって、入力軸1の軸線Oを中心に回転自在に支持されている。また、図中左側の入力側ディスク2は、入力軸1にボールスプライン6を介して支持され、図中右側の入力側ディスク2は、入力軸1にスプライン結合されており、これら入力側ディスク2は入力軸1と共に回転するようになっている。また、入力側ディスク2,2の内側面(凹面)2a,2aと出力側ディスク3,3の内側面(凹面)3a,3aとの間には、パワーローラ11(図5参照)が回転自在に挟持されている。
The
図4中右側に位置する入力側ディスク2の内周面2cには、段差部2bが設けられ、この段差部2bに、入力軸1の外周面1aに設けられた段差部1bが突き当てられるとともに、入力側ディスク2の背面(図4の右面)がローディングナット9に突き当てられている。これによって、入力側ディスク2の入力軸1に対する軸線O方向の変位が実質的に阻止されている。また、カム板7と入力軸1の鍔部1dとの間には、皿ばね8が設けられており、この皿ばね8は、各ディスク2,2,3,3の凹面2a,2a,3a,3aとパワーローラ11,11の周面11a,11aとの当接部に押圧力を付与する。
A step 2b is provided on the inner
図5は、図4のA−A線に沿う断面図である。図5に示すように、ケーシング50の内側には、入力軸1に対し捻れの位置にある一対の枢軸14,14を中心として揺動する一対のトラニオン15,15が設けられている。なお、図5においては、入力軸1の図示は省略している。各トラニオン15,15は、支持板部16の長手方向(図5の上下方向)の両端部に、この支持板部16の内側面側に折れ曲がる状態で形成された一対の折れ曲がり壁部20,20を有している。そして、この折れ曲がり壁部20,20によって、各トラニオン15,15には、パワーローラ11を収容するための凹状のポケット部Pが形成される。また、各折れ曲がり壁部20,20の外側面には、各枢軸14,14が互いに同心的に設けられている。
FIG. 5 is a cross-sectional view taken along line AA in FIG. As shown in FIG. 5, a pair of
支持板部16の中央部には円孔21が形成され、この円孔21には変位軸23の基端部(第1の軸部)23aが支持されている。そして、各枢軸14,14を中心として各トラニオン15,15を揺動させることにより、これら各トラニオン15,15の中央部に支持された変位軸23の傾斜角度を調節できるようになっている。また、各トラニオン15,15の内側面から突出する変位軸23の先端部(第2の軸部)23bの周囲には、各パワーローラ11が回転自在に支持されており、各パワーローラ11,11は、各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の間に挟持されている。なお、各変位軸23,23の基端部23aと先端部23bとは、互いに偏心している。
A
また、各トラニオン15,15の枢軸14,14はそれぞれ、一対のヨーク23A,23Bに対して揺動自在および軸方向(図5の上下方向)に変位自在に支持されており、各ヨーク23A,23Bにより、トラニオン15,15はその水平方向の移動を規制されている。各ヨーク23A,23Bは鋼等の金属のプレス加工あるいは鍛造加工により矩形状に形成されている。各ヨーク23A,23Bの四隅には円形の支持孔18が4つ設けられており、これら支持孔18にはそれぞれ、トラニオン15の両端部に設けた枢軸14がラジアルニードル軸受30を介して揺動自在に支持されている。また、ヨーク23A,23Bの幅方向(図4の左右方向)の中央部には、円形の係止孔19が設けられており、この係止孔19の内周面は球状凹面として、球面ポスト64,68を内嵌している。すなわち、上側のヨーク23Aは、ケーシング50に固定部材52を介して支持されている球面ポスト64によって揺動自在に支持されており、下側のヨーク23Bは、球面ポスト68およびこれを支持する駆動シリンダ31の上側シリンダボディ61によって揺動自在に支持されている。
The
なお、各トラニオン15,15に設けられた各変位軸23,23は、入力軸1に対し、互いに180度反対側の位置に設けられている。また、これらの各変位軸23,23の先端部23bが基端部23aに対して偏心している方向は、両ディスク2,2,3,3の回転方向に対して同方向(図5で上下逆方向)になっている。また、偏心方向は、入力軸1の配設方向に対して略直交する方向になっている。したがって、各パワーローラ11,11は、入力軸1の長手方向に若干変位できるように支持される。その結果、押圧装置12が発生するスラスト荷重に基づく各構成部材の弾性変形等に起因して、各パワーローラ11,11が入力軸1の軸方向に変位する傾向になった場合でも、各構成部材に無理な力が加わらず、この変位が吸収される。
The
また、パワーローラ11の外側面とトラニオン15の支持板部16の内側面との間には、パワーローラ11の外側面の側から順に、スラスト転がり軸受であるスラスト玉軸受(スラスト軸受)24と、スラストニードル軸受25とが設けられている。このうち、スラスト玉軸受24は、各パワーローラ11に加わるスラスト方向の荷重を支承しつつ、これら各パワーローラ11の回転を許容するものである。このようなスラスト玉軸受24はそれぞれ、複数個ずつの玉(以下、転動体という)26,26と、これら各転動体26,26を転動自在に保持する円環状の保持器27と、円環状の外輪28とから構成されている。また、各スラスト玉軸受24の内輪軌道は各パワーローラ11の外側面(大端面)に、外輪軌道は各外輪28の内側面にそれぞれ形成されている。
Further, between the outer surface of the
また、スラストニードル軸受25は、トラニオン15の支持板部16の内側面と外輪28の外側面との間に挟持されている。このようなスラストニードル軸受25は、パワーローラ11から各外輪28に加わるスラスト荷重を支承しつつ、これらパワーローラ11および外輪28が各変位軸23の基端部23aを中心として揺動することを許容する。
The thrust needle bearing 25 is sandwiched between the inner surface of the
さらに、各トラニオン15,15の一端部(図5の下端部)にはそれぞれ駆動ロッド(トラニオン軸)29,29が設けられており、各駆動ロッド29,29の中間部外周面に駆動ピストン(油圧ピストン)33,33が固設されている。そして、これら各駆動ピストン33,33はそれぞれ、上側シリンダボディ61と下側シリンダボディ62とによって構成された駆動シリンダ31内に油密に嵌装されている。これら各駆動ピストン33,33と駆動シリンダ31とで、各トラニオン15,15を、これらトラニオン15,15の枢軸14,14の軸方向に変位させる駆動装置32を構成している。
Further, drive rods (trunnion shafts) 29 and 29 are provided at one end portions (lower end portions in FIG. 5) of the
このように構成されたトロイダル型無段変速機の場合、入力軸1の回転は、押圧装置12を介して、各入力側ディスク2,2に伝えられる。そして、これら入力側ディスク2,2の回転が、一対のパワーローラ11,11を介して各出力側ディスク3,3に伝えられ、更にこれら各出力側ディスク3,3の回転が、出力歯車4より取り出される。
In the case of the toroidal continuously variable transmission configured as described above, the rotation of the
入力軸1と出力歯車4との間の回転速度比を変える場合には、一対の駆動ピストン33,33を互いに逆方向に変位させる。これら各駆動ピストン33,33の変位に伴って、一対のトラニオン15,15が互いに逆方向に変位する。例えば、図5の左側のパワーローラ11が同図の下側に、同図の右側のパワーローラ11が同図の上側にそれぞれ変位する。その結果、これら各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各入力側ディスク2,2および各出力側ディスク3,3の内側面2a,2a,3a,3aとの当接部に作用する接線方向の力の向きが変化する。そして、この力の向きの変化に伴って、各トラニオン15,15が、ヨーク23A,23Bに枢支された枢軸14,14を中心として、互いに逆方向に揺動(傾転)する。
When changing the rotational speed ratio between the
その結果、各パワーローラ11,11の周面11a,11aと各内側面2a,3aとの当接位置が変化し、入力軸1と出力歯車4との間の変速比が変化する。また、これら入力軸1と出力歯車4との間で伝達するトルクが変動し、各構成部材の弾性変形量が変化すると、各パワーローラ11,11およびこれら各パワーローラ11,11に付属の外輪28,28が、各変位軸23,23の基端部23a、23aを中心として僅かに回動する。これら各外輪28,28の外側面と各トラニオン15,15を構成する支持板部16の内側面との間には、それぞれスラストニードル軸受25,25が存在するため、前記回動は円滑に行われる。したがって、前述のように各変位軸23,23の傾斜角度を変化させるための力が小さくて済む。
As a result, the contact position between the
ところで、一対の出力側ディスク3,3は、それらの間に出力歯車4が配置されるとともに、これら一対の出力側ディスク3,3と出力歯車4が一体に回転するようになっている。このような構成に対して、一対の出力側ディスク3,3を背面同士を接合した形状に一体に設け、一体とされた一対の出力側ディスク3,3の外周部分に歯車の歯を設けることによって、一対の出力側ディスク3,3と出力歯車4を一体に形成した歯車一体型ディスクが知られている。なお、入力側ディスク2,2と出力側ディスク3,3との構成を逆にすることも可能であり、入力側ディスク2,2を歯車一体型ディスクとすることも可能である。
By the way, the
図6(a)に中心線から半分の断面を示すように、一対の出力側ディスク3,3と出力歯車4とを一体とした歯車一体型ディスク40は、前後両側面部分それぞれに、トラクション面にされる内側面3a、3aを備え、中央に入力軸1が貫通する貫通孔3bが形成されている。また、歯車一体型ディスク40の外周部には、出力歯車4になる歯車部41が形成されている
歯車部41は、出力歯車4として、多数の歯車の歯42が形成されるとともに、歯42同士の間が歯溝43であり、歯溝43の底が歯底44になっている。
6A, a gear-integrated
このようは歯車一体型ディスク40では、パラーローラ11の周面11aがトラクション油を介して転がり接触する内側面3a、3aに表面硬化処理が行われ、この表面硬化処理には、高周波焼入れが含まれる。この際に、上述の歯車部41にも高周波焼入れを行うことが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
なお、歯車部41の高周波焼入れにおいては、過度に硬度が高くなることを防止して、歯車部41の靱性を確保している。
また、この際の高周波焼入れによる表面硬化層46(ハッチング部分)は、歯車部41において、図6(a)、(b)に示すように、歯車部41の歯42の基端部の内部に至っておらず。歯42の表層部分を除く部分では、表面硬化層46が、歯底44には至っていない状態になっている。なお、歯溝43の歯底44の部分は、表層部分が露出していることから、歯底44より深い位置まで表面硬化層46が形成されているが、上述のように歯42の基端部(歯底44に対応する深さ部分)の内部は高周波焼入れによる硬化層が形成されていない状態になっている。
In this way, in the gear-integrated
In addition, in the induction hardening of the
Further, the hardened surface layer 46 (hatched portion) by induction hardening at this time is located inside the proximal end portion of the
しかしながら、特許文献1の歯車一体型ディスク40においては、表面硬化層46が歯車部41の歯42の基端部の内部に形成されておらず、歯42の内部においては、表面硬化層46が歯底44の深さに至っていない。このような高周波焼入れでは、トロイダル型無段変速機の動作時に、歯42の歯底44の深さ位置に応力集中が生じ、長年の使用で歯底44にひびが生じるなどの虞があり、歯車部41の耐久性を低下させる可能性がある。
However, in the gear-integrated
本発明は、前記事情に鑑みて為されたもので、歯車一体型ディスクの歯車部の耐久性の向上を図ることができるトロイダル型無段変速機を提供することを目的とする。 The present invention has been made in view of the above circumstances, and an object of the present invention is to provide a toroidal continuously variable transmission capable of improving the durability of the gear portion of the gear-integrated disk.
前記目的を達成するために、請求項1に記載のトロイダル型無段変速機は、それぞれの内側面同士を互いに対向させた状態で互いに同心的に且つ回転自在に支持された入力側ディスクおよび出力側ディスクと、前記入力側ディスクと前記出力側ディスクとの間に挟持されたパワーローラとを備え、前記出力側ディスクおよび入力側ディスクのうちの少なくとも一方のディスクは、外周部に歯車の歯が設けられることにより前記歯車と一体の歯車一体型ディスクとされ、前記パワーローラと接触するトラクション面と前記歯車の歯を備える外周部に焼入れが施されているトロイダル型無段変速機において、前記歯車一体型ディスクの外周部は、前記歯車の歯底の前記歯車一体型ディスクの半径方向に沿った深さより深く焼入れが施されていることを特徴とする。
In order to achieve the above object, the toroidal continuously variable transmission according to
請求項1に記載の発明においては、歯車一体型ディスクの歯車の歯を供える外周部が、歯車の歯底の深さより深く焼入れが施されている。すなわち、歯車の歯の内部も含めて歯車一体型ディスクの外周部では、焼入れの半径方向深さが歯底より深くされている。これにより、歯車の歯は、その基端部も含めてほぼ一様に硬化されていることになり、歯車の歯の基端部において応力集中が生じるのを抑制できる。したがって、歯車一体型ディスクの耐久性を向上し、長寿命化することができる。 According to the first aspect of the present invention, the outer peripheral portion of the gear-integrated disc that provides the gear teeth is hardened deeper than the depth of the gear tooth bottom. That is, in the outer peripheral portion of the gear-integrated disk including the inside of the gear teeth, the quenching radial depth is deeper than the tooth bottom. Thereby, the gear teeth are hardened substantially uniformly including the base end portion thereof, and it is possible to suppress the concentration of stress at the base end portion of the gear teeth. Therefore, the durability of the gear-integrated disk can be improved and the life can be extended.
請求項2に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1に記載の発明において、前記歯車一体型ディスクの外周部は、前記歯車一体型ディスクの凹面状の前記トラクション面の軸方向に沿って最も深くなる最深部の位置に略対応する前記半径方向に沿った深さまで焼入れが施されていることを特徴とする。
The toroidal continuously variable transmission according to
請求項2に記載の発明においては、歯車の焼入れによる表面硬化層と、硬化されていない層との境界部分が、歯の基端部になる歯底の前記半径方向深さよりさらに深くなり、歯底の深さ位置での応力集中をさらに抑制することが可能になる。これにより歯車一体型ディスクの耐久性を高めることができる。
In the invention according to
請求項3に記載のトロイダル型無段変速機は、請求項1または請求項2に記載の発明において、前記焼入れとして高周波焼入れが施されていることを特徴とする。
The toroidal continuously variable transmission according to
請求項3に記載の発明においては、歯車一体型ディスクの内側面(両側面)および歯車の主に歯の部分に焼入れを行う際に、焼入れを高周波焼入れとすることによって、以下のような効果を奏することができる。例えば、歯車一体型ディスクの内側面と、歯車部分とで高周波焼き入れ用のコイルを別々にし、それぞれのコイルで、高周波焼入れを行う時間や高周波の周波数を調整することにより、容易に歯車一体型ディスクの外周部だけ焼入れの深さが深くなるように調整できる。
In the invention according to
本発明のトロイダル型無段変速機によれば、歯車一体型ディスクにおいて、歯車部分の焼き入れの深さを歯の先端から歯底までの深さより深くすることによって、歯車一体型ディスクの耐久性の向上を図り、それによって歯車一体型ディスクの長寿命化を図ることができる。 According to the toroidal-type continuously variable transmission of the present invention, in the gear-integrated disc, the depth of quenching of the gear portion is made deeper than the depth from the tooth tip to the tooth bottom, whereby the durability of the gear-integrated disc is improved. Thus, the life of the gear-integrated disk can be extended.
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
なお、本発明の特徴は、一対の出力側ディスクを一体にするとともに、外周部に出力歯車を一体に設けた歯車一体型ディスクの焼入れによって形成された表面硬化層の構造にあり、その他の構成および作用は前述した従来の構成および作用と同様であるため、以下においては、本発明の特徴部分についてのみ言及し、それ以外の部分については、図6と同一の符号を付して簡潔に説明するに留める。
Hereinafter, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings.
The feature of the present invention lies in the structure of a hardened surface layer formed by quenching a gear-integrated disc in which a pair of output-side discs are integrated and an output gear is integrally provided on the outer peripheral portion. Since the operation and operation are the same as those of the above-described conventional configuration and operation, only the characteristic portions of the present invention will be described below, and the other portions will be briefly described with the same reference numerals as those in FIG. Keep on.
図1に示すように、この例のトロイダル型無段変速機においては、出力歯車と出力側ディスクとが一体になった歯車一体型ディスク40が用いられている。この歯車一体型ディスク40は、従来の歯車一体型ディスク40と同様の形状を有するのもので、一対の出力側ディスクを背面同士を接合した形状に設け、外周部に出力歯車の歯42を有する歯車部41が設けられている。
As shown in FIG. 1, in the toroidal type continuously variable transmission of this example, a gear-integrated
この実施形態の歯車一体型ディスク40においては、その外周部の歯車部41の歯42と歯溝43とから波状に設けられた外周面側からの高周波焼入れによる表面硬化層47の深さが歯42の先端から歯溝43の底になる歯底44までの深さより深くなっている。なお、歯車一体型ディスク40の外周部を除く部分の前後の内側面3a、3aにおける高周波焼入れによる表面硬化層46の深さは、例えば、従来と同様とすることができる。
In the gear-integrated
この実施形態では、歯車部41の各歯42は、全てその内部まで高周波焼入れにより硬化した状態になっており、歯42の先端から歯底44の深さより深く表面硬化層47が形成されている。
ここで、内側面3a,3aは、断面円弧状に形成されるとともに、内側面3a,3aの断面の小径側端部から大径側端部までの間に、歯車一体型ディスク40の軸方向に沿って最も深くなる最深部(溝底)48が設けられている。この最深部48は、大径側の端より少し小径側の端に寄った部分になっている。
In this embodiment, all the
Here, the inner side surfaces 3a and 3a are formed in an arc shape in cross section, and the axial direction of the gear-integrated
図1(a)の歯車一体型ディスク40の軸方向に沿った断面において、最も左右幅が細くなった部分がそれぞれの内側面3a,3aの最深部48になる。
この実施の形態では、歯車一体型ディスク40の外周面から前記最深部48までの半径方向に沿った深さまで高周波焼入れによる表面硬化層47が形成されている。また、歯車一体型ディスク40の前記表面硬化層47は、前後の内側面3a、3aの最深部48どうしを繋いだ線分から外周側の全ての部分が高周波焼入れを施されて表面硬化層47になっている。なお、実際には、表面硬化層47の内周側の境界部分が、図1(a)に示すように明確かつ直線状になっているわけではない。また、表面硬化層47の内周側の境界部分が最深部48,48より少し外周側にあってもよい。また、逆に、表面硬化層47の内周側の境界部分が最深部48,48より少し外周側にあってもよい。
In the cross-section along the axial direction of the gear-integrated
In this embodiment, a
このようなトロイダル型無段変速機の歯車一体型ディスク40の高周波焼入れ方法を説明する。図2に示すように、歯車一体型ディスク4の歯車部41を含む外周部の高周波焼入れを行う第1のコイル71と、第1のコイル71より内周側、すなわち、上述の最深部48より内周側の2つの内側面3a,3aにそれぞれ対応して配置される2つの第2のコイル72とが用いられる。
An induction hardening method for the gear-integrated
第1のコイル71は、歯車一体型ディスク40の外周面から前後の内側面3a,3aの最深部48より外周側の部分を覆うように概略コ字状(概略C字状)に設けられている。第1のコイル71は、いずれの位置においても、歯車一体型ディスク40からの距離が略一定になるように配置されている。なお、歯車部41においては、歯42の先端からの距離が一定になるように配置されており、歯42の先端と、歯底44とでは、第1のコイル71までの距離が異なるものになっている。
また、第1のコイル71の内側面3aに沿う部分と、第2のコイル72の全体とは、平面視した場合に、歯車一体型ディスク40の半径方向に沿って配置されている。
The
Further, the portion along the
第1のコイル71と第2のコイル72とは、それぞれ独立して電源への接続および切断が可能になっており、第1のコイル71への高周波電流の通電時間と、第2のコイル72の高周波電源の通電時間とを代えることが可能になっている。ない、第1のコイル71に通電される高周波電流と、第2のコイル72に通電される高周波電流とで周波数を異なるものとしてもよい。
The
高周波焼入れに際しては、歯車一体型ディスク40の半分側において、歯車一体型ディスク40の貫通孔3bの開口部の外周縁部より外側から外周面まで、この歯車一体型ディスク40の半径方向に沿って上述の第1のコイル71および第2のコイル72,72が配置された状態とする。
In induction hardening, on the half side of the gear-integrated
この際に歯車一体型ディスク40は、その軸周りに回転可能に支持された状態とする。高周波焼入れ時には、例えば、歯車一体型ディスク40を軸周りに回転させるとともに、まず、第1のコイル71に高周波電流を流し、次いで、予め設定された時間が経過した後に第2のコイル72にも高周波電流を流す。歯車一体型ディスク40を回転させることによって、歯車一体型ディスク40の半分側で半径方向に沿う第1のコイル71および第2のコイル72だけで、歯車一体型ディスク40の中央部を除く略全体の表層部分に高周波焼入れを施すことが可能であり、高周波焼入れのコイルの配置を簡便なものとすることができる。これにより高周波焼入れを行う装置のコストの低減を図ることができる。
At this time, the gear-integrated
また、第1のコイル71に対応する部分を第2のコイル72に対応する部分より長く高周波焼入れすることによって、歯車一体型ディスク40の外周部をほぼその全体に渡って高周波焼入れを施した状態とする。すなわち、図1、図2に示すように、外周面から最深部48に至る深い表面硬化層47を形成する。第2のコイル72で高周波焼入れされる部分の内側面3a,3aは、従来と同様の厚さの表面硬化層46を形成する。すなわち、表面硬化層46を表面硬化層47より薄くする。
Also, the portion corresponding to the
また、歯車一体型ディスク40の高周波焼入れは、例えば、図3に示す高周波焼入れ用のコイルの配置で行うことができる。図3においては、螺旋状に配置された三つのコイル73,74の断面が示されている。コイル断面a,b,cで示される螺旋状の第4のコイル74は、一方の内側面3aの最深部48より内周側の部分に高周波焼入れを施すためのものである。また、コイル断面d,e,f,g,h,iで示される螺旋状の第3のコイル72は、歯車一体型ディスク40の外周部分に高周波焼入れを施すためのものである。
Further, the induction hardening of the gear-integrated
また、コイル断面j,k,lで示される螺旋状の第4のコイル74は、他方の内側面3aの最深部48より内周側の部分に高周波焼入れを施すためのものである。
第3のコイル73および第4のコイル74は、歯車一体型ディスク40の表面から所定距離だけ離して配置されるとともに、各コイル断面a〜c,d〜i、j〜lの歯車一体型ディスク40の径方向に沿った間隔が略同じとされている。
なお、図3においては、歯車一体型ディスク40の断面の半分側部分にしかコイル断面a〜lが示されていないが、各コイル73,74は、歯車一体型ディスク40の中心を中心とする概略円状(螺旋状)に配置されている。
Further, the spiral
The
In FIG. 3, the coil cross sections a to l are shown only at the half side portion of the cross section of the gear-integrated
図3に示す高周波焼入れ用のコイル配置では、図2に示す場合に比較して、コイル配置が複雑になるとともに、コイル73,74を動かさないとコイル73,74の内側に歯車一体型ディスクを配置できない。しかし、高周波焼入れに際して、歯車一体型ディスク40を回転する必要がなく、歯車一体型ディスク40の支持機構を簡便なものとすることができる。
The coil arrangement for induction hardening shown in FIG. 3 is more complicated than the case shown in FIG. 2, and the gear-integrated disk is placed inside the
この高周波焼入れのコイル配置においても、歯車一体型ディスク40の第3のコイル73による外周部の高周波焼入れ時間を第4のコイル74により内側面3a,3aを焼入れする時間より長くすることによって、外周部側の高周波焼入れによる表面硬化層47を厚くし、内側面3aの高周波焼入れの表面硬化層46を上述の表面硬化層47より薄くできる。なお、図2、図3の示す高周波焼入れにおいては、歯車一体型ディスク40の外周部が外周面側だけから高周波焼入れが施されるわけではなく、2つの内側面3a、3aの前記最深部48より外周側の部分からも高周波焼入れが施されている。これにより、外周部の内部側まで高周波焼入れを施す際の時間の短縮を図ることができる。
Also in this induction hardening coil arrangement, the outer periphery of the gear-integrated
このトロイダル型無段変速機の歯車一体型ディスク40においては、歯車部41が形成された歯車一体型ディスク40の外周部が歯車部41の歯底44よりも深い部分まで、歯42の内部も含めて高周波焼入れされて、表面硬化層47が形成されている。さらに、表面硬化層47の深さは、内側面3aの略最深部48の位置までに至るようになっている。
In the gear-integrated
これにより、歯車部41において歯42の基端部に、硬化された部分と硬化されていない部分とが存在することによって応力集中が生じるのを防止できる。したがって、歯車一体型ディスク40の耐久性の向上を図ることができる。すなわち、歯車一体型ディスク40の長寿命化を図ることができる。
Thereby, stress concentration can be prevented from occurring due to the presence of a hardened portion and a non-hardened portion at the base end portion of the
なお、入力側ディスク2,2を歯車一体型ディスクとし、上述のように高周波焼入れを施すようにしてもよい。
The
本発明は、シングルキャビティ型やダブルキャビティ型などの様々なハーフトロイダル型無段変速機に適用することができる。 The present invention can be applied to various half-toroidal continuously variable transmissions such as a single cavity type and a double cavity type.
2 入力側ディスク
3 出力側ディスク
4 出力歯車
11 パワーローラ
40 歯車一体型ディスク
41 歯車部
42 歯
43 歯溝
44 歯底
46 表面硬化層
47 表面硬化層
2
Claims (3)
前記出力側ディスクおよび入力側ディスクのうちの少なくとも一方のディスクは、外周部に歯車の歯が設けられることにより前記歯車と一体の歯車一体型ディスクとされ、前記パワーローラと接触するトラクション面と前記歯車の歯を備える外周部に焼入れが施されているトロイダル型無段変速機において、
前記歯車一体型ディスクの外周部は、前記歯車の歯底の前記歯車一体型ディスクの半径方向に沿った深さより深く焼入れが施されていることを特徴とするトロイダル型無段変速機。 An input side disk and an output side disk that are supported concentrically and rotatably with their inner side surfaces facing each other, and a power roller sandwiched between the input side disk and the output side disk And
At least one of the output-side disk and the input-side disk is a gear-integrated disk integrated with the gear by providing gear teeth on an outer peripheral portion, and a traction surface that contacts the power roller, In the toroidal type continuously variable transmission in which the outer peripheral portion having gear teeth is quenched,
A toroidal continuously variable transmission, wherein the outer peripheral portion of the gear-integrated disc is hardened deeper than the depth of the gear tooth bottom along the radial direction of the gear-integrated disc.
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