JP2012106179A - 水素吸蔵材 - Google Patents

水素吸蔵材 Download PDF

Info

Publication number
JP2012106179A
JP2012106179A JP2010256898A JP2010256898A JP2012106179A JP 2012106179 A JP2012106179 A JP 2012106179A JP 2010256898 A JP2010256898 A JP 2010256898A JP 2010256898 A JP2010256898 A JP 2010256898A JP 2012106179 A JP2012106179 A JP 2012106179A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hydrogen storage
hydrogen
storage material
porous carbon
oxygen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010256898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5728203B2 (ja
Inventor
Ai Minoda
愛 蓑田
Shinji Oshima
伸司 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Eneos Corp
Original Assignee
JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Oil and Energy Corp filed Critical JX Nippon Oil and Energy Corp
Priority to JP2010256898A priority Critical patent/JP5728203B2/ja
Publication of JP2012106179A publication Critical patent/JP2012106179A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5728203B2 publication Critical patent/JP5728203B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/30Hydrogen technology
    • Y02E60/32Hydrogen storage

Landscapes

  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Hydrogen, Water And Hydrids (AREA)
  • Carbon And Carbon Compounds (AREA)

Abstract

【課題】従来に比べて優れた水素吸蔵能を有する水素吸蔵材を提供すること。
【解決手段】含酸素官能基を表面に有する、植物由来の原料の賦活物からなる多孔性炭素材と、多孔性炭素材の表面に結合したLiと、を備える、水素吸蔵材。
【選択図】 図3

Description

本発明は、水素吸蔵材に関する。
水素は石油精製、化学工業などをはじめとしてあらゆる産業分野において広く用いられているが、特に近年、将来のエネルギーとして注目されてきており、燃料電池を中心に研究が進められている。しかし、水素ガスは熱量あたりの体積が大きく、また液化に必要なエネルギーも大きいため、そのまま貯蔵、輸送することは難しいという問題がある(例えば、非特許文献1参照)。従って、燃料電池自動車のような移動体および分散電源として燃料電池を用いる場合など、水素を効率的に輸送し貯蔵する技術が求められていた。
この方法として、水素を液体水素として貯蔵・運搬し使用する方法が提案されているが、液化温度が−253℃という極低温であるため取り扱いにくい、液化に必要なエネルギーが膨大でありトータルとしてのエネルギー効率が低いという問題がある(例えば、非特許文献2参照)。
これに対し、水素を高圧ガスとして運搬し使用する方法が実用化されている。しかし、この方法は危険な高圧ガスを取り扱うこと、35MPaなどのきわめて高圧にしても体積が過大になり小型化が困難なことなどに問題がある(例えば、非特許文献3参照)。
水素吸蔵合金への吸蔵も有力な方法である。しかし、水素吸蔵合金の水素吸蔵量は通常3%程度であり、移動体などに用いるためには不十分であるばかりか重量が重くなりすぎる。水素吸蔵合金は、さらに、水素放出時に多くの熱が必要であるためエネルギー効率が低くなる、システムが複雑になるなどの欠点を有している(例えば、非特許文献4参照)。
一方、水素ガスをコンパクトに運搬する技術として水素吸蔵材料の利用が考えられている(下記特許文献1参照)。この技術は、水素放出が常温で可能であるのでシステムがシンプルである上、一般に水素放出に熱を必要とせずエネルギー効率が高いなどの特徴があるため、材料の開発が盛んになされている。その中で、カーボンナノチューブやカーボンナノファイバーなどの材料が高い吸蔵量を示すとの報告がある(例えば、非特許文献5参照)。しかし、それらの再現性が疑問視されており、十分な再現性を持ちながら高い吸蔵性能を持つ水素吸蔵材料の開発は未だ実現したとは言えない状況である。
したがって、高い吸蔵性能を持つ材料の開発が求められており、高い吸蔵能を持つ材料として、水素と同レベルのサイズの細孔を持つ材料が検討されている。その例が前述のカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーであるが、その他に炭素系を中心として様々な材料が試みられている。また、カーボン以外の材料として、窒化ホウ素ナノチューブ(非特許文献6)や多孔性錯体(非特許文献7)などが報告されている。しかし、一部に高い吸蔵量を示す材料の報告があるものの実用的であるとはいえないのが現状である。
特表2007−529404号公報
小林,「季報エネルギー総合工学」,第25巻,第4号,2003年,p.73−87 栗山,「エネルギー資源」,第24巻,第6号,2003年,p.23−27 秋山ら,「エンジンテクノロジー」,第5巻,第3号,2003年,p.43−47 秋葉,「エンジンテクノロジー」,第5巻,第3号,2003年,p.36−42頁 エー・チャンバース(A.Chambers)外,「ジャーナル・オブ・フィジカル・ケミストリー・B(J.Phys.Chem.B)」,(米国),102巻,1998年,p.4253−4256 レンツヒ・マ(Renzhi Ma)外,「ジャーナル・オブ・アメリカン・ケミカル・ソウサイアティー(J.Am.Chem.Soc.)」,(米国),124巻,2002年,p.7672−7673 ナタニール・エル・ロシ(Nathaniel.L.Rosi)外,「サイエンス(Science)」,(英国),300巻,2003年,p.1127−1129
近年、水素の有用性が高まるに伴って、水素吸蔵材の水素吸蔵能の更なる向上が望まれている。水素吸蔵能を向上させる方法としては、水素吸蔵材の比表面積を増加させることにより、水素吸蔵材の表面に物理吸着する水素の量を増加させることが挙げられる。しかし、単に水素の物理吸着量を増加させるだけでは、所望の水素吸蔵能を達成することは容易ではなかった。
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、従来よりも優れた水素吸蔵能を有する水素吸蔵材を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明に係る水素吸蔵材は、含酸素官能基を表面に有する、植物由来の原料の賦活物からなる多孔性炭素材と、上記多孔性炭素材の表面に結合したLiと、を備える。
本発明において多孔性炭素材とは、炭素を主成分とし、かつ、1gあたりの表面積が500m以上であり、かかる表面積は、炭素材の表面の凹凸や大小の孔により増大したものであって、典型的なものは活性炭である。なお、本発明において、Liの結合する多孔性炭素材の表面には、多孔性炭素材の孔の内壁が含まれる。
上記本発明に係る水素吸蔵材は、水素との親和性が高いLiを備えるため、従来の炭素材からなる水素吸蔵材に比べて、優れた水素吸蔵能を有する。また、多孔性炭素材が、植物由来の原料の賦活物であることにより、上記効果が顕著となる。植物由来の原料の賦活物は含酸素官能基を多く含むため、Liを比較的多く導入できる。
上記植物由来の原料としては、竹、おがくず、硬質木製チップ、もみがら、やしがら等の賦活可能な原料が使用できるが、特に、破砕が不要であること、賦活のし易さや入手のし易さから、もみがらを使用することが好ましい。
上記本発明では、含酸素官能基が、フェノール性水酸基、キノン基、カルボキシル基及びラクトン性カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。これにより、多孔性炭素材の表面にLiが結合し易くなり、上記本発明の効果が顕著となる。
本発明によれば、従来よりも優れた水素吸蔵能を有する水素吸蔵材を提供することができる。
本発明の実施例1及び比較例1の各水素吸蔵材の窒素吸着等温線である。 本発明の実施例2及び比較例2の各水素吸蔵材の窒素吸着等温線である。 本発明の実施例1及び比較例1の各水素吸蔵材の水素吸蔵量と、303Kにおける水素の平衡圧との関係を示すグラフである。 本発明の実施例2及び比較例2の各水素吸蔵材の水素吸蔵量と、303Kにおける水素の平衡圧との関係を示すグラフである。
(水素吸蔵材)
以下、本発明の好適な一実施形態について詳細に説明する。本実施形態に係る水素吸蔵材は、多孔性炭素材を備える。多孔性炭素材の表面には、含酸素官能基が形成され、かつLiが結合している。特に、含酸素官能基が多孔性炭素材のミクロ孔の内壁表面に形成され、かつLiが多孔性炭素材のミクロ孔の内壁表面に結合していることが好ましい。これにより、水素吸蔵能が著しく向上する。ここで、ミクロ孔とは、一般に直径2nm以下の孔であり、メソ孔や欠損の奥に形成されるものも含む。
多孔性炭素材は、植物由来の原料の賦活物であり、格別、賦活されたもみがらが好ましい。本発明において、植物由来の原料の賦活物は、「炭化」及び「賦活」の2工程を含む製造方法により製造される。「炭化」とは、一般的には、200℃〜800℃の中温で、且つ無酸素状態で蒸焼き(乾留)にすることをいい、「賦活」とは、一般的に炭素材料の細孔構造を発達させ、細孔を付加する事を言う。賦活方法は、薬品賦活法、ガス賦活法等が存在する。
ガス賦活法とは、水蒸気、二酸化炭素等を用いて炭化物を600℃〜1200℃で一定時間乾留させる事により、単位質量当りの表面積を非常に大きくする方法であり、薬品賦活法とは、アルカリを用いて細孔を発達させることをいう。こうしたアルカリは、アルカリ金属、アルカリ土類金属の水酸化物であり、LiOH、NaOH、KOH、Mg(OH)などを使用するが、特に好ましいのは、細孔構造が好ましい多孔質炭素材を得ることができるKOHである。
アルカリとしてKOHを用いる場合、加熱により原料の賦活を行った後にカリウムを除去することが好ましい。除去の方法は、一般的に水洗によるものである。具体的には、賦活後の多孔性炭素材を希塩酸などの薄い酸の水槽に浸漬し、その後、水槽から取り出した多孔性炭素材を水の水槽に浸漬するという方法を採ることができる。当然のことながら、流水を使用したり、酸水溶液と水を交互に使用するなど、適宜、手順を工夫することは差し支えない。
含酸素官能基は、フェノール性水酸基、キノン基、ラクトン性カルボキシル基及びカルボキシル基からなる群より選択される少なくとも一種であることが好ましい。
多孔性炭素材の表面の一部と、その表面に形成されたフェノール性水酸基の構造の一例を、下記化学式(1)に示す。
Figure 2012106179

多孔性炭素材の表面の一部と、その表面に形成されたキノン基の構造の一例を、下記化学式(2)に示す。
Figure 2012106179

多孔性炭素材の表面の一部と、その表面に形成されたラクトン性カルボキシル基の構造の一例を、下記化学式(3)に示す。
Figure 2012106179

多孔性炭素材の表面の一部と、その表面に形成されたカルボキシル基の構造の一例を、下記化学式(4)に示す。
Figure 2012106179

下記化学式(5)は、含酸素官能基としてカルボキシル基と水酸基が形成された多孔性炭素材の表面の一部にLiが結合していない状態を示す。下記化学式(6)は、下記化学式(5)に示す多孔性炭素材の表面の一部にLiが結合している状態を示す。
Figure 2012106179


Figure 2012106179

上記化学式(5)及び(6)に示すように、Liが、含酸素官能基に含まれる酸素に結合し、LiO基が形成されていることが好ましい。LiO基は、水素分子を強く吸着する性質を有する。したがって、LiO基が多孔性炭素材の表面に形成されることによって、水素吸蔵材における水素分子の吸着密度が増加して、水素吸蔵能が従来に比べて著しく向上する。
含酸素官能基は、上述した官能基の中でも、フェノール性水酸基であることが特に好ましい。水素吸蔵能を向上させるためには、フェノール性水酸基に結合したLiのほうが他の含酸素官能基に結合したLiよりも好ましい。
水素吸蔵材の比表面積は、500m/g以上であることが好ましく、1000m/g以上であることがより好ましい。水素吸蔵材の比表面積が大きい場合、その値は例えば4000m/g程度である。ただし、水素吸蔵材の比表面積はこれらの値に限定されない。比表面積が大きいほど水素吸蔵能が向上するので、比表面積は大きいほど好ましい。水素吸蔵材の比表面積はBET法によって評価すればよい。
水素吸蔵材に含まれるLiの量は、0.1〜3mmol/g程度であればよい。ただし、水素吸蔵材に含まれるLiの量はこの範囲に限定されない。水素吸蔵材へのLiの導入量が大きいほど水素吸蔵能が向上するので、Liの導入量は多いほど好ましい。
(水素吸蔵材の製造方法)
以下では、KOHで賦活されたもみがらを多孔性炭素材に用いる場合の水素吸蔵材の製造方法を説明する。
まず、使用するもみがらを炭素化する。炭素化の工程の条件は特に限定されないが、一般的には不活性ガス(窒素、希ガス等)の雰囲気下、または、減圧下で、200〜800℃程度で加熱する。加熱時間は、もみがらの使用量によって異なるが、0.5時間〜5時間程度である。炭化されたもみがらは、その後賦活によって多孔性炭素材を形成する。本実施形態では、炭化されたもみがらとKOHとの混合物を600〜800℃で焼成することが好ましい。これにより、もみがらの表面に含酸素官能基が形成される。次に、加熱後のもみがらと水との撹拌と、濾過とを交互に繰り返すことにより、もみがらを水洗する。水洗後のもみがらと塩酸とを撹拌した後、もみがらと水との撹拌と、濾過とを再び交互に繰り返して、もみがらを水洗する。これら一連の操作によって、KOHと共に加熱したもみがらの表面に残存しているカリウムを失活させ、且つ除去する。これにより、含酸素官能基によって賦活された多孔性のもみがらが得られる。なお、本実施形態では、KOHとの加熱によって表面に含酸素官能基が形成された後のもみがらを再度焼成しないことが好ましい。仮に、表面に含酸素官能基が形成された後のもみがらを焼成した場合、含酸素官能基から酸素が脱離して、含酸素官能基が失われる傾向がある。
賦活されたもみがらとLi試薬とを反応させることにより、もみがらにLiを導入して、本実施形態に係る水素吸蔵材を得る。Li試薬としては、Li塩水溶液または有機Li溶液を用いればよい。Li試薬としては、LiCO水溶液、LiOH水溶液、n−ブチルリチウム/ヘキサン溶液、メチルリチウム/ジエチルエーテル溶液、リチウムジイソプロピルアミド−THF/エチルベンゼン/ヘプタン溶液を用いればよいが、LiOH水溶液を用いることが好ましい。賦活されたもみがらを、Li塩水溶液中に分散させ、これらを室温〜100℃で攪拌して反応させることにより、もみがらにLiが導入される。Li塩水溶液の濃度は、0.1〜1M程度に調整すればよい。Li塩水溶液中には、賦活されたもみがらの表面に形成された含酸素官能基に対して、好ましくは1〜10倍当量のLiが含まれることが好ましく、4倍当量のLiが含まれることがより好ましい。
本発明において、Liは上記の含酸素官能基と結合して存在することがよい。金属が含酸素官能基と結合することによって、比較的低温にて、水素の着脱が可能である。さらに、アルカリ金属が金属として存在していると、不安定であり、水素貯蔵に現実に使用すると危険である。また、アルカリ金属が金属として存在していると、水と反応するため好ましくない。
以上、本発明に係る水素吸蔵材及びその製造方法の好適な一実施形態について詳細に説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、KOHの代わりに、水蒸気またはCOまたはNaOHで賦活したもみがらを多孔性炭素材としても用いてもよい。また、もみがらではなく、他の植物由来の原料を用いてもよい。これらの場合も上述した実施形態と同様に、本発明の効果を達成することが可能である。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(比較例1)
もみがらを炭化させた後、その1重量に対して、4倍量(質量基準)のKOHを混合し、750℃の窒素ガス雰囲気中における1時間の加熱処理を施すことにより、賦活物を得た。
賦活物に対して100倍量(質量基準)の水を加えて1時間撹拌する工程と、撹拌後に賦活物を濾過する工程とからなる水洗操作を2回繰返した。0.1N(規定)の塩酸を、水洗後の賦活物に対して100倍量(質量基準)加え、これらを1時間撹拌して濾過した後、上記と同様の水洗操作を3回行った。これら一連の操作によって、賦活物表面に残存しているカリウムを失活及び除去して、賦活されたもみがらを得た。以下では、この賦活されたもみがらを、場合により、「比較例1の水素吸蔵材」と記す。
賦活されたもみがらを、水酸化ナトリウム水溶液に分散させ、反応させた後、残存する塩基を塩酸で逆滴定した。この逆滴定によって、賦活されたもみがらの表面に存在する含酸素官能基の量を調べた。賦活されたもみがらの表面には、含酸素官能基として、ヒドロキシル基、ラクトン性カルボキシル基及びカルボキシル基が形成されていることが確認された。また、逆滴定によって、官能基の量を求めた。賦活されたもみがら中のヒドロキシル基、ラクトン性カルボキシル基及びカルボキシル基の合計量は、おおよそ0.9mol/gであることが確認された。
窒素吸着法によって、比較例1の水素吸蔵材のBET比表面積、全細孔容積及びミクロ孔容積を測定した。測定結果を表1に示す。また、比較例1の窒素吸着等温線を図1に示す。なお、図1の横軸に記載されたp/p0は、窒素ガスの分圧pと窒素ガスの蒸気圧p0との比である。図1の縦軸に記載されたVa/cm(STP)/gは、単位質量1gの水素吸蔵材に吸着した窒素ガスの標準状態における体積である。後述する図2の横軸及び縦軸も、図1と同様である。
(実施例1)
比較例1と同様の方法で、賦活されたもみがらを形成した。このもみがらを120℃で4時間真空乾燥した。乾燥後のもみがら1gとLiOH21mgと水30mLとを混合して得た溶液を4時間攪拌して、もみがらとLiOHとを反応させた。反応終了後、この溶液を吸引濾過して固体を濾取して、その固体を純水で5回洗浄した。洗浄後の固体を100℃で4時間真空乾燥して、実施例1の水素吸蔵材を得た。
比較例1と同様の方法で、実施例1の水素吸蔵材の比表面積、全細孔容積及びミクロ孔容積を測定した。測定結果を表1に示す。また、実施例1の窒素吸着等温線を図1に示す。
Figure 2012106179

(比較例2)
炭化されたもみがらに対して、3倍量(質量基準)のKOHを混合し、750℃の窒素ガス雰囲気中における1時間の加熱処理を施すことにより、賦活物を得た。この賦活物に対し、比較例1と同様の操作により、賦活物表面に残存しているカリウムを失活及び除去して、賦活されたもみがらを得た。以下では、この賦活されたもみがらを、場合により、「比較例2の水素吸蔵材」と記す。
比較例1と同様の逆滴定の結果、比較例2のもみがらの表面には、ヒドロキシル基、ラクトン性カルボキシル基及びカルボキシル基が形成されていることが確認された。また、賦活されたもみがら中のヒドロキシル基、ラクトン性カルボキシル基及びカルボキシル基の合計量は、おおよそ2.2mol/gであることが確認された。
比較例1と同様の方法で、比較例2の水素吸蔵材の比表面積、全細孔容積及びミクロ孔容積を測定した。測定結果を表2に示す。また、比較例2の窒素吸着等温線を図2に示す。
(実施例2)
比較例2と同様の賦活されたもみがらを120℃で4時間真空乾燥した。乾燥後のもみがら1gとLiOH53mgと水30mLとを混合して得た溶液を4時間攪拌して、もみがらとLiOHとを反応させた。反応終了後、この溶液を吸引濾過して固体を濾取して、その固体を純水で5回洗浄した。洗浄後の固体を100℃で4時間真空乾燥して、実施例2の水素吸蔵材を得た。
比較例1と同様の方法で、実施例2の水素吸蔵材の比表面積、全細孔容積及びミクロ孔容積を測定した。測定結果を表2に示す。また、実施例2の窒素吸着等温線を図2に示す。
Figure 2012106179

[元素分析]
ICP発光分析によって、実施例1の水素吸蔵材に含まれる元素の含有量を求めた。また、実施例1と同様に、実施例2、比較例1及び2の各水素吸蔵材を分析した。元素分析の結果を表3に示す。Liの分析には、分析装置として、島津製作所製のICPS−8100を用いた。C,H,Nの分析には、分析装置として、elementar社製のvario EL IIIを用いた。Oの分析には、分析装置として、CE instruments社のEA1110を用いた。表3に示す各元素の含有量の単位は、各水素吸蔵材1gあたりのモル数を表す。
Figure 2012106179

[水素吸蔵量の測定]
実施例1の水素吸蔵材の入ったサンプル管部分を303Kの水槽に浸した状態で、実施例1の水素吸蔵材の水素吸蔵量を測定した。水素吸蔵量の測定には、(株)レスカ製の水素吸蔵量測定装置を用いた。303Kにおける水素の平衡圧と実施例1の水素吸蔵量との関係を図3に示す。また、温度が303Kであり、水素の平衡圧が10MPaであるときの実施例1の水素吸蔵量を表4に示す。
実施例2、比較例1及び比較例2の各水素吸蔵材の水素吸蔵量を、実施例1と同様の方法で測定した。303Kにおける水素の平衡圧と比較例1の水素吸蔵量との関係を図3に示す。303Kにおける水素の平衡圧と実施例2及び比較例2それぞれの水素吸蔵量との関係を図4に示す。温度が303Kであり、水素の平衡圧が10MPaであるときの実施例2、比較例1及び比較例2の各水素吸蔵材の水素吸蔵量を表4に示す。なお、表4に示す水素吸蔵量は、水素吸蔵材のミクロ孔容積に対する、水素吸蔵材が吸蔵した水素の質量の割合である。
Figure 2012106179

実施例1と比較例1との比較から、賦活されたもみがらにLiを導入することによって、ミクロ孔容量に対する水素吸蔵量が増加することが確認された。また、この結果から、実施例1の水素吸蔵能は、単純な物理吸着だけではなく、導入されたLiと水素との強い相互作用に依存していることが確認された。同様のことは、実施例2と比較例2との比較からも明らかである。

Claims (2)

  1. 含酸素官能基を表面に有する、植物由来の原料の賦活物からなる多孔性炭素材と、
    前記多孔性炭素材の表面に結合したLiと、
    を備える、水素吸蔵材。
  2. 前記含酸素官能基が、フェノール性水酸基、キノン基、カルボキシル基及びラクトン性カルボキシル基からなる群より選択される少なくとも一種である、
    請求項1に記載の水素吸蔵材。
JP2010256898A 2010-11-17 2010-11-17 水素吸蔵材 Expired - Fee Related JP5728203B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010256898A JP5728203B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 水素吸蔵材

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010256898A JP5728203B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 水素吸蔵材

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012106179A true JP2012106179A (ja) 2012-06-07
JP5728203B2 JP5728203B2 (ja) 2015-06-03

Family

ID=46492415

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010256898A Expired - Fee Related JP5728203B2 (ja) 2010-11-17 2010-11-17 水素吸蔵材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5728203B2 (ja)

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122608A (ja) * 1999-10-26 2001-05-08 Tokyo Gas Co Ltd 細孔構造が制御された活性炭およびその製造方法
JP2002028483A (ja) * 2000-07-13 2002-01-29 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 水素ガス吸蔵物質
JP2006227039A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2007529404A (ja) * 2004-03-15 2007-10-25 キャボット コーポレイション 修飾炭素生成物及びその用途
JP2009292670A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Toshinori Kokubu 高比表面積活性炭の製造方法
WO2011046001A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 水素吸蔵材

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001122608A (ja) * 1999-10-26 2001-05-08 Tokyo Gas Co Ltd 細孔構造が制御された活性炭およびその製造方法
JP2002028483A (ja) * 2000-07-13 2002-01-29 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 水素ガス吸蔵物質
JP2007529404A (ja) * 2004-03-15 2007-10-25 キャボット コーポレイション 修飾炭素生成物及びその用途
JP2006227039A (ja) * 2005-02-15 2006-08-31 Ricoh Co Ltd 画像形成装置
JP2009292670A (ja) * 2008-06-03 2009-12-17 Toshinori Kokubu 高比表面積活性炭の製造方法
WO2011046001A1 (ja) * 2009-10-15 2011-04-21 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 水素吸蔵材

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
多孔質吸着材ハンドブック, JPN6014044623, 24 August 2005 (2005-08-24), pages 81 - 85, ISSN: 0002923831 *

Also Published As

Publication number Publication date
JP5728203B2 (ja) 2015-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Huang et al. Activated carbons prepared by the KOH activation of a hydrochar from garlic peel and their CO2 adsorption performance
Heidari et al. Adsorptive removal of CO2 on highly microporous activated carbons prepared from Eucalyptus camaldulensis wood: effect of chemical activation
US8657923B2 (en) Microporous carbon material, manufacturing method thereof, and hydrogen storage method using microporous carbon material
US10016743B2 (en) Activated carbon having basic functional groups and method for producing same
JP2019108269A (ja) 高活性表面積を有する活性炭
JP5835787B2 (ja) ミクロポーラス炭素系材料、ミクロポーラス炭素系材料の製造方法及びミクロポーラス系炭素材料を用いた水素吸蔵方法
CN110064367A (zh) 一种生物质基活性炭微球及其制备方法和应用
Preuss et al. Sustainable metal-free carbogels as oxygen reduction electrocatalysts
CN105854801A (zh) 一种氮掺杂的多孔碳材料及其制备方法和用途
JP5443352B2 (ja) 多孔質炭素材およびその製造方法
Luo et al. Preparation of N-doped activated carbons with high CO 2 capture performance from microalgae (Chlorococcum sp.)
Shao et al. Renewable N-doped microporous carbons from walnut shells for CO 2 capture and conversion
CN109761216A (zh) 一种通用的、基于有机锌盐制备多孔碳材料的方法
CN106512944A (zh) 一种可有效吸附二氧化碳的氧化木质活性炭的制备方法
KR101631180B1 (ko) 화학적 활성화를 이용한 왕겨 기반 수소저장용 활성탄소의 제조방법
CN106076260A (zh) 一种金属有机骨架‑氧化石墨复合材料的室温快速制备方法
JP5653025B2 (ja) 水素吸蔵材
CN110327905A (zh) 一种聚苯胺碳纳米管基含氮多孔碳纳米复合材料制备方法
CN104118861A (zh) 一种超高比表面积多级孔碳的制备方法
JP5728203B2 (ja) 水素吸蔵材
JP5623879B2 (ja) 水素吸蔵材
CN112691666A (zh) 一种非晶态羟基氧化铁-生物炭复合材料及其制备方法
JP2010207693A (ja) 揮発性有機化合物吸着材とその製造方法
KR101683834B1 (ko) 수소저장용 니켈/활성 카본 에어로겔 복합체 및 제조 방법
JP2007320799A (ja) 水素吸蔵炭素

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130904

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140509

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140527

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140718

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141021

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141218

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150324

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150406

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5728203

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees