JP2012105732A - リハビリ補助装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ユーザの関節に適度な負荷を与えることができるとともに、ユーザが関節を大きく動かすことができるリハビリ補助装置を提供する。
【解決手段】リハビリ補助装置100は、ユーザの大腿に装着する大腿リンク20と、下腿に装着する下腿リンク30を備える。大腿リンク20と下腿リンク30は回転可能に連結されている。リハビリ補助装置のコントローラ12は、下腿リンク回転角の目標角の経時的変化を記述した目標パターンを記憶している。コントローラ12は、モータ26によって下腿リンク30の回転角を目標パターンに追従させる追従制御を実行する。コントローラ12は、リハビリ動作開始時点は追従制御を休止状態とするとともに、下腿リンク30を受動回転可能状態とし、リハビリ動作開始時点からの経過時刻に対応する目標パターン上の目標角と計測された回転角との角度差を特定し、角度差が予め定められた許容角度差を超えた場合に追従制御を開始する。
【選択図】図1

Description

本発明は、予め定められた動作パターンに従ってユーザが関節を回転させるリハビリ動作を補助するリハビリ補助装置に関する。
ユーザの腕或いは脚に装着し、腕或いは脚の動きを補助する動力付装具が開発されている。例えば、特許文献1には、ユーザの腰から脚に沿って装着し、股関節と膝関節の夫々にトルクを加えるアクチュエータを備えた装具が開示されている。特許文献1の装置は、脚の筋電位に基づいてアクチュエータを制御する。そのような装具は、ロボットと同じ多リンク多関節機構を有していることから、ロボットスーツ、あるいはエグゾスケルトンタイプの装具と呼ばれることがある。そのような装置は、ユーザの社会生活において目的とする動作を達成するのに必要な筋力の不足分を補うための道具としてだけでなく、リハビリの道具としての可能性を有している。
特開2005−230099号公報
リハビリでは、ユーザの関節に適度な負荷を与えるとともに、ユーザが関節を大きく動かすことができることが重要である。特許文献1等の装置は、目的の動作を達成するのに必要な筋力の不足分を補うことを第1の目的としているので、目的とする動作を達成することはできるが(即ち、ユーザが関節を大きく動かすことはできるが)、目的とする動作を確実に達成するだけの大きさのトルクが与えられるので、ユーザが受ける負荷がリハビリ目的としては不十分なほどに小さくなってしまう可能性があった。本明細書は、ユーザの関節に適度な負荷を与えることができるとともに、ユーザが関節を大きく動かすことができるリハビリ補助装置を提供する。
本明細書が開示するリハビリ補助装置は、予め定められた動作パターンに従ってユーザが関節を回転させる際、ユーザが自力で関節を動かせる間は補助トルクを与えず、自力で動かせなくなってから補助トルクを与え、ユーザが動作パターンの最後まで関節を動かせるように補助する。そうすることで、ユーザに適度な負荷を与えつつ、大きな動作をさせることができる。
本明細書が開示するリハビリ補助装置の一実施形態は次の通りである。そのリハビリ補助装置は、予め定められた動作パターンに従ってユーザが関節を回転させるリハビリ動作を補助するための装置である。リハビリ補助装置は、リハビリ対象の関節の近位側部位と遠位側部位の夫々に装着する近位側装具と遠位側装具、及び、アクチュエータ、角度センサ、コントローラを備える。ここで、「近位側部位」とは、リハビリ対象の関節に連なるユーザ部位であってリハビリ対象の関節よりも近位側に位置するユーザの部位を意味する。例えば、リハビリ対象の関節が肘関節の場合は、上腕が近位側部位に相当する。リハビリ対象の関節が肩関節の場合は、ユーザの体幹が近位側部位に相当する。「遠位側部位」についても同様である。
近位側装具と遠位側装具は、リハビリ対象の関節の回転軸と同軸の位置で回転可能に連結されている。アクチュエータは、遠位側装具を近位側装具に対して回転させる。角度センサは、遠位側装具の回転角を計測する。コントローラは、遠位側装具回転角の目標角の経時的変化を記述した目標パターンを記憶しているとともに、アクチュエータによって遠位側装具回転角を目標パターンに追従させる追従制御を実行する。さらにコントローラは、リハビリ動作開始時点は追従制御を休止状態とするとともに、遠位側装具を受動回転可能状態としておく。コントローラは、リハビリ動作開始時点からの経過時刻に対応する目標パターン上の目標角と計測された回転角との角度差を特定する。そしてコントローラは、特定した角度差が予め定められた許容角度差を超えた場合に、追従制御を開始する。ここで、コントローラは、角度差が許容角度差を超えた時点に対応する目標パターン上の位置から追従制御を開始する。
上記のリハビリ補助装置は、ユーザが自力で目標パターンに沿って関節を動かせる間は補助するトルクを発生せず、角度差が許容角度差を超えた時点で、即ち、自力では目標パターンに追従できなくなったときに、目標パターンの残りに沿って関節が動くようにユーザの関節にトルクを加える。このため、ユーザには適度な負荷が加わり、ユーザが自力で関節を動かせなくなった後は、リハビリ補助装置の補助トルクによってユーザは目標パターンの最後まで関節を動かすことができる。
リハビリ対象動作である「予め定められた動作パターン」は、遠位側装具回転角の目標角の経時的変化を記述した目標パターンによって実現される動作パターンである。別言すれば、目標パターンは、リハビリ対象動作である「予め定められた動作パターン」に対応したリハビリ対象関節の角度の経時的変化を表す。
リハビリ対象の関節は、典型的には、肘関節、膝関節、或いは股関節である。股関節や膝関節をリハビリ対象関節とする場合、「予め定められた動作パターン」は、歩行動作のパターンであってよい。
遠位側装具を受動回転可能状態とするためのデバイスとしては、例えば、アクチュエータから遠位側装具までの動力伝達経路上に設けられたクラッチがある。また、アクチュエータの制御によっても、遠位側装具を受動回転可能状態とすることも可能である。その場合、コントローラは、アクチュエータから遠位側装具までの動力伝達経路における機械的抵抗トルクをキャンセルする大きさのトルクをアクチュエータに出力させる制御を実行するように構成される。
あるいは、アクチュエータとして遠位側装具までの動力伝達経路上に減速機構を有さないダイレクトドライブモータを用いれば、遠位側装具を簡単に受動回転可能状態とすることもできる。この場合、コントローラは、ダイレクトドライブモータへの電力供給を停止することによって、遠位側装具を受動回転可能状態とすることができる。さらには、アクチュエータとして、空気圧によってピストンを移動させる空気圧アクチュエータを用いる場合、コントローラは、空気圧アクチュエータのシリンダ内部空間と外部を通じさせるシリンダ開放バルブを開放することによって、遠位側装具を受動回転可能状態とすることもできる。
歩行動作をリハビリ対象の動作とする場合、一歩毎にリハビリが行われることが好ましい。その場合は、遊脚動作に対応した関節目標角の経時的変化を目標パターンとし、脚が離地するタイミングをリハビリ開始のタイミングとしてコントローラに設定しておくとよい。そのように構成すると、ユーザはなんらのスイッチ操作を行うことなく、リハビリ装置が歩行周期毎に自動的にリハビリの補助を行うことができる。
歩行用のリハビリ補助装置の一態様は次の通りである。目標パターンは、遊脚期間における膝角度の目標角又は股関節ピッチ軸回りの目標角の経時的変化を記述したデータである。そしてコントローラは、脚が離地したタイミングをリハビリ動作開始時点として、経過時刻に対応する目標パターン上の目標角と計測された回転角との角度差を特定する。離地タイミングは、足裏に接地センサを備えることによって検知できる。或いは、離地タイミングは、ユーザの筋電位から推定することもできる。歩行時の筋電位の変化パターンは概ね決まっているから、コントローラは、計測した筋電位と、予め記憶している離地タイミングに相当する筋電位の変化パターンを比較することによって、離地タイミングを特定できる。
本明細書が開示する技術は、ユーザの関節に適度な負荷を与えることができるとともに、ユーザが関節を大きく動かすことができるリハビリ補助装置を提供する。
リハビリ補助装置の斜視図である。 リハビリ補助装置のコントローラが実行する処理のフローチャート図である。 リハビリ補助装置の機能を説明する図である。
実施例のリハビリ補助装置100の概略図を図1に示す。リハビリ補助装置100は、歩行動作のリハビリを補助する装置である。リハビリ補助装置100は、ユーザUの脚に装着される脚装具10と、脚装具10を制御するコントローラ12で構成される。本実施例では、ユーザUは、左脚は健康であるが右脚を自由に動かすことができない患者であると仮定する。即ち、リハビリ補助装置100は、歩行時の右脚の動き、特に遊脚動作のリハビリを支援する。
リハビリ補助装置100を説明する前に、座標系について説明する。図1に示すように、ユーザUの前方をX軸とし、側方をY軸とし、鉛直上方をZ軸とする。ロボットの技術分野では一般に、ロボット(人体)の前後方向に伸びる軸(X軸)をロール軸と称し、ロボット(人体)の側方に伸びる軸(Y軸)をピッチ軸と称し、鉛直上方(Z軸)に伸びる軸をヨー軸と称する。
脚装具10の構造を説明する。脚装具10は、大腿リンク20、下腿リンク30、及び、足リンク40を備えている。大腿リンク20と下腿リンク30と足リンク40は、補助を必要とするユーザUの患脚UA(ここでは右脚)に装着される。詳しくは、大腿リンク20が大腿UBに装着され、下腿リンク30が下腿UDに装着され、足リンク40が足UEに装着される。
大腿リンク20と下腿リンク30は、ユーザの膝関節UCの両側で連結されている。詳しくは、大腿リンク20と下腿リンク30は、ユーザの膝関節と同軸に位置する一対の膝ジョイント25で回転可能に連結されている。外側の膝ジョイント25には、モータ26と角度センサ27とクラッチ28が内蔵されている。モータ26は、下腿リンク30を膝ピッチ軸回りに揺動させる。以下では、大腿リンク20と下腿リンク30がなす角度を膝角度と称する。角度センサ27が計測する角度は、大腿リンク20に対する下腿リンク30の揺動角であるが、その角度は、ユーザUの大腿UBと下腿UDがなす膝角度にも相当する。クラッチ28は、モータ26とジョイント25の間のトルク伝達経路途中に配置されている。コントローラ12が、クラッチ28の開放/係合を制御する。クラッチ28を開放すると、ジョイント25は受動回転可能、即ち、外力に応じて自由に回転することができる状態となる。なお、クラッチ28は、電力が供給されると係合し、電力が遮断されると開放するタイプであり、コントローラ12が停止している間は、クラッチ28は開放されている。
下腿リンク30と足リンク40は、ユーザの足首関節の両側で連結されている。詳しくは、下腿リンク30と足リンク40は、ユーザの足首関節のピッチ軸と同軸に位置する一対の足首ジョイント34によって回転可能に連結されている。足首ジョイント34はアクチュエータを備えておらず、足リンク40は、ユーザUの足の揺動に応じて受動的に揺動する。足リンク40の足底には、接地センサ32が配置されており、ユーザUの患脚(右脚)が接地しているのか、或いは浮いているのかを検知する。
コントローラ12は、小型のコンピュータやバッテリを内蔵しており、ケーブル16を介して脚装具10の各部へ電力を供給するとともに、脚装具10の各部の動作を制御する。コントローラ12は、装着ベルト14によって、ユーザUの体幹(腰)に取り付けられる。コントローラ12は、角度センサ27と接地センサ32のセンサデータに基づいてモータ26とクラッチ28を制御する。
リハビリ補助装置100は、ユーザUの歩行動作に合わせて、患脚(右脚)の遊脚動作を補助する。より詳しくは、リハビリ補助装置100は、ユーザUの右遊脚の膝関節にトルクを加え、右遊脚の下腿のスイング動作を補助する。ただし、リハビリ補助装置100は、ユーザUが自力で右遊脚を動かせる間はアクチュエータを駆動せず、ユーザUが自力では右遊脚の下腿を適切に動かせなくなってからアクチュエータを駆動し、右遊脚が着地するまでその動作を補助する。図2に、コントローラ12が実行する処理(リハビリサポート処理)のフローチャートを示す。図3に、コントローラ12が記憶している膝角度の目標パターンと、実際の膝角度の変化のグラフを示す。
まず、目標パターンを説明する。図3の符号Atが目標パターンを示している。目標パターンAtは、健常者の歩行時の膝角度(下腿のピッチ軸回りの揺動角)の経時的変化を示している。目標パターンAtは、タイミングT0で始まり、タイミングT2で終了する。目標パターンAtは遊脚期間における膝角度の経時的変化のデータであり、タイミングT0は離地タイミングに相当し、タイミングT2は着地タイミングに相当する。図3(a)は、人体の腰以下を線画で模式的に示している。実線が右脚を示している(最上部の実線を除く)。なお、図3(a)の最上部の実線は体幹を表している。図3(a)に示すように、本実施例において膝角度A(目標膝角度At、実際の膝角度As)は、大腿の長手方向を延長した直線と下腿の長手方向がなす角度として定義される。膝が伸びきったときが膝角度Ak=0である。膝が直角に曲がったときが膝角度Ak=+90度である。図3(a)が示すように、膝が最も曲がったときが膝角度最大のときに相当する。コントローラ12は、ユーザUの右膝角度が目標パターンAtに追従するようにモータ26を制御する。
ユーザは、コントローラ12のメインスイッチを入れ、歩行リハビリを開始する。コントローラ12は、図2のフローチャートに従って各処理を実行する。なお、前述したように、クラッチ28は、コントローラ12が電力を供給するまでは開放状態であるので、図2のリハビリサポート処理の開始時にはクラッチ28は開放状態、即ち下腿リンク30は受動回転可能状態である。
コントローラ12は、接地センサ32の出力をモニタし、患脚(右脚)が離地したタイミングを特定する(S1:YES)。離地を確認すると、コントローラ12は、タイマをスタートさせる(S2)。タイマは、患脚離地からの経過時間を特定するのに用いられる。コントローラ12はサンプリング時間(1〜10msec程度)毎に、角度センサ27から膝角度を取得し(S3)、角度差を算出する。ここではコントローラ12は、接地センサ32の出力によって特定した離地タイミングを図3の目標パターンのタイミングT0に合わせ、離地タイミングからの経過時間に対応する目標パターン上の目標角を特定する。特定した目標角から角度センサ27によって計測された実際の膝角度を減じて角度差を算出する。例えば図3のΔAは、タイミングT1における角度差(即ちタイミングT1における目標角−タイミングT1における実際の膝角度)を示している。
コントローラ12は、角度差と、予め定められた許容角度差を比較する(S4)。許容角度差はユーザに応じて予め定められており、例えば15度に設定される。なお、離地タイミングにおける目標角はゼロ度であり、また、実際の歩行動作の離地タイミングにおける膝角度も通常はゼロ度であるので、離地タイミングからしばらくは、角度差は許容角度差内である。角度差が許容角度差内にある間は、コントローラ12は着地タイミングを検知するまで角度差の比較を続ける(S4:NO、S5:NO)。角度差が許容角度差内の間は、クラッチ28は開放されたままであるから、ユーザは自力で患脚を動かさなければならない。クラッチ28を開放状態に維持することは、別言すれば、コントローラ12は追従制御を休止状態とすることに相当する。図3の符号Asが示す実線は、角度センサ27によって計測された実際の膝角度を示している。離地タイミングT0からしばらくは、ユーザは自力で下腿を揺動させることができ、膝角度Asは目標角Atに近い角度を保つ。時間の経過とともにユーザは自力では下腿を滑らかに動かすことが困難となり、実際の膝角度Asは目標角Atから離れていく。角度差ΔAが許容角度差を超えると、コントローラ12は追従制御を開始する(S4:YES、S6)。追従制御を開始する際、コントローラ12は、クラッチ28を係合するとともに、角度差ΔAが許容角度差を超えた時点に対応する目標パターン上の位置から追従制御を開始する。「追従制御」は、下腿リンク30の揺動角が目標パターンに追従するようにモータ26を制御することを意味する。追従制御が開始されると、角度差ΔAはゼロに近づいていく。例えば図3のタイミングT1において角度差ΔAが許容角度差を超えた場合、コントローラ12はタイミングT1から追従制御を開始する。追従制御を開始すると、図3の仮想線Arが示すように、実際の膝角度は目標パターンに追従し始め、円滑な遊脚動作が実現される。
追従制御を開始した後、コントローラ12は、患脚の着地が検知されるまで追従制御を継続する(S7:NO)。患脚の着地が検知されると、コントローラ12は追従制御を終了する(S8)。このとき同時にコントローラ12は、クラッチ28を開放し、下腿リンク30を受動回転可能な状態に戻す。そしてコントローラ12は、タイマをリセットし(S9)、患脚の次の遊脚動作に備える。
リハビリ補助装置100の利点を説明する。図3に示すように、リハビリ補助装置100は、ユーザが自力で目標パターンに追従するように遊脚膝関節を動かすことができる間(図3のタイミングT0からT1の間)は、下腿リンク30を受動回転可能な状態とする。ユーザが自力で遊脚膝関節を動かすことが困難となり、膝角度が許容角度差よりも大きく目標パターンから外れたときに初めてリハビリ補助装置100はトルクを発生し、遊脚である患脚を着地まで導く。即ち、リハビリ補助装置100は、ユーザが自力で膝関節を動かせる間はユーザの力にまかせ、自力では遊脚動作が困難になった後に、遊脚動作を最後まで完遂するように、膝関節にトルクを加えて患脚を補助する。リハビリ補助装置100は、ユーザの自力を最大限に使わせながら、遊脚動作を完遂させるので、ユーザに歩行リハビリ動作を継続させることができる。
本明細書が開示するリハビリ補助装置についての留意点を説明する。実施例のリハビリ補助装置100は膝関節をリハビリ対象とするものであった。従って、大腿リンク20が、リハビリ対象とする関節の近位側部位に装着される近位側装具に相当し、下腿リンク30が遠位側装具に相当する。本明細書が開示する技術は、股関節や足首関節をリハビリ対象とする装置に適用することができる。股関節のリハビリ対象とする装置の場合、リハビリ補助装置は腰に装着される装具と大腿に装着される装具を備え、前者が近位側装具に相当し、後者が遠位側装具に相当する。そしてそのようなリハビリ補助装置は、腰リンクに対して大腿リンクを揺動させるアクチュエータを備える。
実施例のリハビリ補助装置100は、接地センサ32によって患脚(右脚)の離地タイミングを特定した。離地タイミングは、接地センサ以外、例えば、前述したように、筋電位センサ、或いは、脚の関節角を計測する角度センサのセンサデータによって特定されてもよい。
下腿リンクを回転させるアクチュエータはモータに限られない。前述したようにアクチュエータとして空気圧シリンダを採用してもよい。また、下腿リンクを受動回転可能状態とする手段はクラッチに限られず、前述したようにダイレクトドライブモータの利用によって実現されてもよい。
さらに本明細書が開示する技術は、肘関節をリハビリ対象とする装置や肩関節をリハビリ対象とする装置にも適用することができる。肘関節をリハビリ対象とするリハビリ補助装置は、上腕に装着する装具と前腕に装着する装具が連結された腕装具とアクチュエータを有しており、肘角度の目標とする経時的変化を記述した目標パターンに実際の肘角度が追従するようにアクチュエータを制御する。上腕の装具が近位側装具に相当し、前腕の装具が遠位側装具に相当する。この場合、リハビリ補助装置は、リハビリ開始を合図する手段(例えばランプやブザーなど)を備えており、ユーザは、合図とともに目標パターンに追従するように肘関節を自力で動かす。リハビリ補助装置は、実際の肘角度と目標パターン上の目標肘角度との角度差が所定の許容角度差を超えたときにアクチュエータによる追従制御を開始する。
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成し得るものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
10:脚装具
12:コントローラ
20:大腿リンク
25:ジョイント
26:モータ
27:角度センサ
28:クラッチ
30:下腿リンク
32:接地センサ
100:リハビリ補助装置

Claims (2)

  1. 予め定められた動作パターンに従ってユーザが関節を回転させるリハビリ動作を補助するリハビリ補助装置であり、
    前記関節の近位側部位に装着する近位側装具と、
    近位側装具と回転可能に連結されており、前記関節の遠位側部位に装着する遠位側装具と、
    遠位側装具を近位側装具に対して回転させるアクチュエータと、
    遠位側装具の回転角を計測する角度センサと、
    遠位側装具回転角の目標角の経時的変化を記述した目標パターンを記憶しているとともに、アクチュエータによって遠位側装具回転角を目標パターンに追従させる追従制御を実行するコントローラと、
    を備えており、コントローラは、
    リハビリ動作開始時点は追従制御を休止状態とするとともに、遠位側装具を受動回転可能状態とし、
    リハビリ動作開始時点からの経過時刻に対応する目標パターン上の目標角と計測された回転角との角度差を特定し、
    前記角度差が予め定められた許容角度差を超えた場合に、前記追従制御を開始することを特徴とするリハビリ補助装置。
  2. 歩行リハビリ動作を補助する請求項1のリハビリ補助装置であり、
    前記目標パターンは、遊脚期間における膝角度の目標角又は股関節ピッチ軸回りの目標角の経時的変化を記述したデータであり、
    コントローラは、脚が離地したタイミングをリハビリ動作開始時点として、経過時刻に対応する目標パターン上の目標角と計測された回転角との角度差を特定することを特徴とするリハビリ補助装置。
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