JP2012103004A - 周波数差分出力装置、周波数測定装置、電子機器、及び周波数測定方法 - Google Patents

周波数差分出力装置、周波数測定装置、電子機器、及び周波数測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】カウンターのゲート時間を設定する基準クロックを必要としない周波数差分出力装置を提供する。
【解決手段】供給される第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する周波数差分出力装置であって、上記第1のパルス列信号から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号を形成する第2パルス列形成手段(74)と、上記第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、上記パルス数の経時的変化から上記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する差分出力部(72,73,75)と、を備えることを特徴とする。
【選択図】図4

Description

本発明に係る一態様は周波数の測定に関し、特に、周波数差分出力装置、周波数測定装置、これを用いた電子機器、周波数測定方法等に関する。
パルス列信号の周波数測定方式には、決められたゲート時間(ゲートタイム)内に通過するパルスをカウントする直接カウント方式(例えば特許文献1参照)、及びパルス周期を正確に計測しその時間の逆数から周波数を求めるレシプロカル方式(例えば特許文献2参照)などが知られている。また、出願人は、上記に加えて新たに短ゲートタイムカウント方式(あるいは短ゲートカウント方式、短ゲート方式とも称する。)による周波数測定方法、及び周波数測定装置を提案している(特許文献3)。
特開2001−119291号公報 特開平5−172861号公報 特開2009−250807号公報
上記短ゲートタイムカウント方式による周波数カウントは、連続的な被測定パルス列信号を所定の短いゲートタイムで途切れることなく繰り返しカウント(サンプリング)を行い、得られた計数値の列から高周波成分を取り除くようにしたもの(フィルタリング)で、後述のように時間分解能・周波数分解能ともに従来法に比べ大幅に改善することができる。
また、短ゲートタイムカウント方式の周波数カウンターは、カウンター回路と小規模な演算回路で構成され、回路規模の増大を抑えつつマルチチャネル化が容易という特長を持つ。また、サンプリング周波数を高めるほど分解能が向上する等の特徴があり、ニオイセンサなどのQCM(Quartz Crystal Microbalance)デバイス等に用いて好適である。
しかしながら、上記短ゲートタイムカウント方式による周波数カウンターは、被測定パルス列信号を所定の短いゲートタイムで途切れることなく繰り返しカウントを行うので、所定のゲートタイムを生成するクロック信号(ゲートクロック信号)が必要である。このクロック信号は時間軸に揺らぎのない正確なクロック信号であることが望まれ、例えば、水晶振動子と温度補償回路などを組み合わせたクロック信号発生装置が使用されている。
このカウンターのゲート時間を設定するクロック信号が必要なくなれば、高価なクロック信号発生装置が不要となり、短ゲートタイムカウント方式による周波数カウンターの小型化、省電力化も可能となって望ましい。
一方、被測定パルス列信号の周波数変化を弁別して(見分けて)、周波数変化分(あるいは周波数差分)を被測定パルス列信号の初期周波数に逐次加算・減算(積分)することでも被測定パルス列信号の周波数を知ることが可能である。この周波数変化を弁別する装置を独立したゲートクロック信号発生装置を用いない短ゲートタイムカウント方式のカウンターで構成することが出来れば、上記の短ゲートタイムカウント方式による周波数カウンターの小型化、省電力化の利点が活用され得る。
また、例えば、デジタル信号でキャリアが変調されたFSK(Frequency-shift keying)信号は、FSK信号の周波数シフト(変化)を弁別することによって元のデジタル信号を復調することができるが、このような周波数変化(あるいは周波数変化部分)を弁別する装置をゲートクロック信号発生装置を用いないで構成することが出来ればFSK信号の復調器を比較的に簡単な構成で得ることが可能となって望ましい。
そこで、本発明の一形態では、カウンターのゲート時間を設定する基準クロックを必要としない構成とした短ゲートタイムカウント方式の周波数差分出力装置を提供すること等を目的とする。
また、このような短ゲートタイムカウント方式の周波数差分出力装置を応用した電子機器を提供することを目的とする。
かかる課題を解決するために本発明の一態様の周波数差分出力装置は、供給される第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する周波数差分出力装置であって、上記第1のパルス列信号から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号を形成する第2パルス列形成手段と、上記第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、上記パルス数の経時的変化から上記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する差分出力部と、を備えることを特徴とする。
かかる構成とすることによって、カウンターのゲート時間を設定する基準クロック信号を用いることなく、被測定信号(第1のパルス列信号)のパルス周波数の変化部分の出力(差分出力)を得ることが可能となる。
望ましくは、上記周波数差分出力装置において、上記第2パルス列形成手段は、上記第1のパル列信号と上記第2のパルス列信号との間に上記所定時間差を生じさせる信号遅延部を含み、上記差分出力部は、上記第1及び第2のパルス列信号のうちの一方のパルス列信号をゲート入力とし、他方のパルス列信号を計数入力とするカウンター部と、上記カウンター部が出力する一連のパルス計数値から高周波成分を除くローパスフィルター部と、を含む、ことを特徴とする。
望ましくは、上記周波数差分出力装置において、上記第2パルス列形成手段は、更に、上記第1及び第2のパルス列信号の少なくともいずれかのパルス列信号を分周して上記カウンター部に供給する分周部を含み、上記差分出力部は、更に、上記分周に対応して上記ローパスフィルターの出力値を調整するスケーリング部と、を含む、ことを特徴とする。
望ましくは、上記周波数差分出力装置において、上記第2パルス列形成手段は、更に、上記第1及び第2のパルス列信号のうち少なくともいずれかのパルス列信号を逓倍して上記カウンター部に供給する逓倍部を含み、上記差分出力部は、更に、上記逓倍に対応して上記ローパスフィルターの出力値を調整するスケーリング部を含むことを特徴とする。
望ましくは、上記周波数差分出力装置において、上記第2パルス列形成手段は、更に、上記第1及び第2のパルス列信号の少なくともいずれかのパルス列信号を分周して上記カウンター部に供給する分周部と、該パルス列信号を逓倍して上記カウンター部に供給する逓倍部と、を含み、上記差分出力部は、更に、上記分周及び逓倍に対応して上記ローパスフィルターの出力値を調整するスケーリング部を含むことを特徴とする。
また、本発明の一態様である周波数測定装置は、上述した周波数差分出力装置と、該周波数差分出力装置により抽出された上記第1のパルス列信号の周波数変化分を上記第1のパルス列信号の初期周波数に逐次累算し、上記第1のパルス列信号の現在の周波数を出力する累算部と、を備える。
また、本発明の一態様である電子機器は、上述したいずれかの周波数差分出力装置もしくは周波数測定装置を含むことを特徴とする。
電子機器としては、例えば、水晶を用いた各種センサー、FSK信号の復調回路、多値のデータ復調回路、デジタル出力の微分器、ニオイセンサー、ガスセンサー、バイオセンサー用トランスデューサーアレイ、QCMデバイス、圧力センサー、加速度センサー等が該当する。これ等装置の小型化・軽量化・高分解能化・低コスト化に好都合である。
また、本発明の一態様の周波数変化の検出方法は、供給される第1のパルス列信号の周波数変化部分を抽出する周波数変化の検出方法であって、上記第1のパルス列信号から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号を形成し、上記第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、上記パルス数の経時的変化から上記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する、ことを特徴とする。
また、本発明の一態様の周波数測定方法は、供給される第1のパルス列信号の周波数を検出するパルス周波数の検出方法であって、上記第1のパルス列信号から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号を形成し、上記第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、上記パルス数の経時的変化から上記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出し、上記第1のパルス列信号の初期値に、抽出された上記第1のパルス列信号の周波数変化分を逐次累算して上記第1のパルス列信号の周波数を得る。
かかる方法によって周波数を測定することにより、カウンターのゲート時間を設定する独立した基準クロック信号系統が不要となり、機器の小型化に好都合である。
なお、本明細書においては、「○○部」及び「○○回路」(○○は任意の語。)は、電気的な回路または部分を含むがこれに限定されず、当該回路または部分の機能を果たす物理的手段、又はソフトウェアで実現される機能的手段などをも含み得る。また、1つの回路または部分が有する機能が2つ以上の物理的又は機能的手段により実現されても、2つ以上の回路または部分の機能が1つの物理的又は機能的手段により実現されても良い。
本願発明の周波数差分出力装置によれば、カウンター部のゲートに基準クロック信号を使用せずに被測定信号の周波数の変化部分の検出が可能となる。
短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置の例を説明する説明図である。 短ゲートカウンター部の一連の計数値出力の例を経時的に示すグラフである。 一連の計数値出力から高周波成分を除くローパスフィルターの出力例を示すグラフである。 本発明の基本的な構成を説明する説明図である。 周波数差分出力装置の構成例を説明する説明図である。 被測定信号と疑似ゲート信号(遅延信号)を用いて差分パルス信号を形成し、周波数変化分を抽出する例を説明する説明図である。 被測定信号と疑似ゲート信号(遅延信号)を用いて周波数変化分を抽出する例において、被測定信号に周波数変化がない場合を説明する説明図である。 被測定信号と疑似ゲート信号(遅延信号)を用いて周波数変化分を抽出する例において、被測定信号に周波数変化が生じた場合を説明する説明図である。 被測定信号と疑似ゲート信号(遅延信号)を用いて周波数変化分を抽出する例において、被測定信号を分周した疑似ゲート信号を用いる場合を説明する説明図である。 周波数差分出力装置の他の構成例を説明する説明図である。 本発明の電子機器への適用例(受信機)を説明する説明図である。 FSK信号の例を説明する波形図である。 FSK信号から微分出力を得る例を説明する説明図である。 FSK信号の他の例を説明する波形図である。 FSK信号から微分出力を得る他の例を説明する説明図である。
以下、本発明に係る実施形態について図面を参照して本発明の実施形態について説明する。以下で説明する実施形態はあくまで本発明の一例に過ぎず、本発明の技術的範囲を限定するものではない。なお、各図面において、同一の部品には同一の符号を付しており、その説明を省略する場合がある。
まず、本願の発明者によって提案された「短ゲートタイムカウント法」を使用する周波測定装置(例えば、特開2009−250807号公報)の概略を図1乃至図3を参照して説明する。
図1は、「短ゲートタイムカウント法」の周波数測定装置の構成例を示す図である。同図に示すように、周波数測定装置は被測定信号源10、短ゲートカウンター部(または「短ゲートタイムカウンター部」とも称する。)20、ローパスフィルター(LPF)30、及び基準周波数信号源40を含んで構成される。
被測定信号源(以下、「パルス発生器」とも称する。)10はパルス列が連続する被測定信号61を発生するよう構成される。被測定信号源10は、例えば、発振周波数f0が30MHzの水晶発振器であり、ニオイセンサー、ガスセンサー、バイオセンサーなどの検出部に相当する。ニオイ物質などが水晶振動子に付着すると付着量に応じて発振周波数が低下する。このパルス列状の被測定信号61は短ゲートカウンター部20に供給される。
基準周波数信号源40は、被測定信号61よりも低い周波数を有するパルス列状の信号である基準周波数信号62を生成するよう構成される。すなわち、基準周波数信号62は被測定信号61よりも長い周期(パルス間隔)で変化するものである。以下、この基準周波数信号62の1周期を「ゲート時間」または「ゲートタイム」と呼ぶことがある。当該基準周波数信号源40は、例えば、被測定信号源10で用いられたものとは別の水晶発振器の信号を所定の分周比で分周することで、例えば100Hzの基準周波数信号62を生成するよう構成される。
短ゲートカウンター部20は、供給される被測定信号61のパルス列を、基準周波数信号62に基づいて決定される比較的短いゲート時間で途切れることなく計数するよう構成される。具体的には、短ゲートカウンター部20はゲート時間に含まれる被測定信号61の変化数を計数する。例えば、短ゲートカウンター部20は基準周波数信号62の立ち上がりエッジから次の立ち上がりエッジまでの1周期の期間に発生する、被測定信号61の立ち上がりエッジ(あるいは立ち下がりエッジ)の数を計数(サンプリング)するものである。ここで計数された一連の計数値63はローパスフィルター30に逐次供給される。短ゲートカウンター部20は、例えば、基準周波数信号62のゲート時間で2つの内部カウンターで被測定信号61を交互に計数し、その計数値63を交互に出力する構成によって得られる。また、短ゲートカウンター部20は、サンプリング動作するカウンターの今回計数値から前回計数値を減ずる構成として各ゲート期間における計数値63を得ても良い。なお、基準周波数信号62の周波数を「サンプリング周波数」と称したり、基準周波数信号62の1周期を「サンプリング周期」と称したりすることがある。
ローパスフィルター30は、例えば、デジタルフィルターにより、あるいはD/A変換器とアナログフィルターの組み合わせなどによって構成され、入力された計数結果(一連の計数値群)63に含まれる高周波成分を除去し、その低周波成分のみを出力信号64として出力するよう構成される。
図2は、短ゲートカウンター部20の計数値出力63の例を示しており、横軸が時間(0.1秒/div)、縦軸が計数値を示している。時間軸上における計数値の位置(位相)に周波数変化成分(情報)が含まれている。この例では、被測定パルス列信号61の周波数変化が100Hz以内のものであるので計数値63は量子化誤差(±1カウント誤差)により30.0723MHzと30.0724MHzとに分布している。
図3は、上述した図2の計数値63の信号列をタップ数512のローパスフィルター(3段移動平均フィルター)30に与えて高周波成分を除去した例を示している。図3に示されるように、供給された被測定信号61の周波数の変化が連続的(アナログ的)な曲線として出力される。ローパスフィルター30を用いることで、例えば、サンプリング周波数100Hzの計数では、通常のカウンタでは量子化誤差によって測定不能な領域である100Hz以下の周波数(量子化誤差:100Hz)まで、特に、1Hz以下の周波数変化まで検出することが可能となっていることが分かる。なお、サンプリング周波数1Hzの計数では、量子化誤差は1Hzと小さくなるが、計数値の数(サンプル数)はサンプリング周波数100Hzの場合の1/100となり、ローパスフィルター30の出力における時間分解能が低下する。
このように、短ゲートタイムカウント方式では、ゲート時間を短くする(サンプリング周波数を高くする)と、各々のサンプリングにおける計数値63における測定誤差は大きくなる一方で、複数の測定値の列が得られる。この複数の測定値から、ローパスフィルター30によって高周波成分を取り除くことで周波数測定分解能が向上する。ローパスフィルター30の特性は、出力信号の所要のS/N、信号応答性などに応じて適宜に設計される。短ゲートタイムカウント方式では、回路規模を小さく抑えることができるため、マルチチャンネル化が容易である。アナログローパスフィルターを用いることによってアナログ出力にも対応することが可能である等の利点を有する。
上述した短ゲートタイムカウント方式の周波数測定装置では、供給される被測定パルス列信号のパルス間隔(パルス周波数)に対応したレベル出力を発生する。
次に、図4を参照して、本発明の周波数差分出力装置及びこれを用いた周波数測定装置について説明する。
図4(A)は、本発明に係る周波数差分出力装置70を説明する説明図であり、同図(B)は上記周波数差分出力装置70を用いた差分累積方式(ΔΣ方式)の周波数測定装置の概略構成を示している。同図(C)は、周波数差分出力装置70の構成例を示している。
周波数差分出力装置70は、同図(A)に示すように、QCMデバイスなどの被測定信号源10から供給される被測定パルス列信号61から周波数変化分(差分値、あるいは微分値)を弁別(見分ける、抽出する)し、周波数の変化分に対応した出力(周波数差分出力)を発生する。後述するように、周波数差分出力装置70は、第1のパルス列信号(被測定パルス列信号)から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号(疑似ゲート信号)を形成する第2パルス列形成手段と、第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、前記パルス数の経時的変化から前記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する差分出力部と、を備える。
図4(B)に示すように、差分を累積する方式(差分累積方式)の周波数測定装置は、大別して、被測定信号の周波数変化分(差分値、あるいは微分値)を抽出する周波数差分出力装置70と、被測定信号の周波数既知のある時点からの周波数変化分(増減分)を逐次累積して現在の周波数値を出力する累算部80によって構成される。
周波数差分出力装置70は、同図(C)に示すように、短ゲートカウンター部72、ローパスフィルター部73、信号遅延・分周・逓倍部74、スケーリング部75等を備えている。ここで、信号遅延・分周・逓倍部74は第2パルス列形成手段に対応する。短ゲートカウンター部72、ローパスフィルター部73、スケーリング部75は差分出力部に対応する。短ゲートカウンター部72は既述した短ゲートカウンター部20(図1参照)と同様に構成され、被測定信号源10から供給される被測定パルス列信号61を疑似ゲート信号65によって計数する。疑似ゲート信号65は後述のように被測定パルス列信号(第1のパルス列信号)61を所定時間遅延させた第2のパルス列信号である。なお、被測定パルス列信号61と疑似ゲート信号65とは所定の時間差を有するものであるが、疑似ゲート信号65に対して被測定パルス列信号61を遅延させるものであっても良い(図10参照)。短ゲートカウンター部72は被測定信号61の周波数が一定状態では一定値を出力し、被測定信号61の周波数が変化した部分では変化量に対応した計数値(差分値)を遅延時間に対応した期間出力する。
ローパスフィルター部73はローパスフィルター部30と同様に構成され、短ゲートカウンター部72から出力された一連の計数値列から高周波成分を除いて周波数変化分を含む連続的なカウント出力とする(図3参照)。ローパスフィルター部73は短ゲートカウンター部72の計数値の出力に同期して、あるいは疑似ゲート信号に同期して動作する。信号遅延・分周・逓倍部74は被測定パルス列信号61を遅延させ、これを(必要により)分周、逓倍などして疑似ゲート信号(疑似基準周波数信号)65を形成し、短ゲートカウンター部72に供給する。スケーリング部75は疑似ゲート信号の分周比、逓倍比に対応してローパスフィルター部73の出力を調整する。なお、以下に説明する図5(A)に示される構成例の場合、分周部あるいは逓倍部は設けられていないので、スケーリング部ではなく、ローパスフルター部73の出力を調整するレベル調整部75が設けられている。スケーリング部及びレベル調整部はローパスフィルター部73の出力値を適宜に調整している。
累算部80は、被測定パルス列信号の初期値に、抽出された被測定パルス列信号の周波数変化分を逐次累算して被測定パルス列信号の現在の周波数を出力する。
図5は、周波数差分出力装置70の信号遅延・分周・逓倍部74のより具体的な構成例を複数説明する説明図である。同図において図4(C)と対応する部分には同一符号を付し、かかる部分の説明は省略する。
まず、図5(A)は、信号遅延・分周・逓倍部74を信号遅延部74aで構成した基本的な構成例を示している。信号遅延部74aは、例えば、所定時間遅延を生ずるトランジスタインバータ(信号反転器)を所要段数接続することによって構成することができる。被測定信号(パルス列信号)61を所定時間遅延させた疑似ゲート信号(遅延パルス列信号)65をカウンター部72のゲート入力として被測定信号61を計数すると、被測定信号61と疑似ゲート信号のパルス周波数が同じ部分では計数値が一定となる。被測定信号61のパルス周波数変化部分においては、疑似ゲート信号のパルス周波数と被測定信号のパルス周波数が異なる部分が生じ、計数値に変化(変動)が生じる。この変化分はパルス周波数の増減の程度に対応する。
図6乃至図9は、短ゲートタイム方式のカウンターを用いた被測定パルス列信号の周波数変化部分の検出を説明する説明図である。
まず、図6(A)は、被測定信号61とこれを遅延した疑似ゲート信号(遅延信号)65のパルス周波数がそれぞれf1→f2→f1 (ただし、パルス周波数f1<f2)と変化した場合のカウンター部72の計数値出力の変化を差分信号63として概略的に示している。なお、各信号のグラフの横軸は時間軸、縦軸は周波数である。
被測定信号61と疑似ゲート信号65とが共にパルス周波数f1であるときはカウンタ72の出力63は一定の計数値(差分信号)である。被測定信号61がパルス周波数f1からf2に変化した部分では疑似ゲート信号のパルス周波数f1によってゲート時間が設定されており、計数値63には一定値出力状態からΔf1の変化(増加)が発生する。次に、被測定信号61がパルス周波数f2で疑似ゲート信号65もパルス周波数f2となった状態ではパルス周波数f2でカウンタ部72のゲート時間が設定されており、計数値63は一定値出力状態である。被測定信号61がパルス周波数f2からf1に変化した部分では疑似ゲート信号のパルス周波数f2によってゲート時間が設定されており、計数値63は一定値出力状態から−Δf1の変化(減少)が発生する。一連の計数値(差分信号)63はローパスフィルター部73によって高周波成分が除かれ、スケーリング部75を経て時間軸上の周波数変化部分の位置情報を含む周波数差分出力となる。図示しない後段でこの周波数差分出力と予め設定された比較基準値とを比較することによってΔfの発生部分、すなわち、被測定信号61の時間軸上における周波数変化部分を判別することができる。
被測定信号61のパルス周波数の増減部分(変化部分)に対応した差分信号63の計数値Δf1、−Δf1は、概略、被測定信号61の変化部分における周波数変化量(差分値,微分値)に対応している。
図6(B)は、同様に、被測定信号のパルス周波数がf1→f2→f3 (ただし、パルス周波数f3<f1<f2)と変化した場合を示す。
同図(A)の場合と同様に、被測定信号61がパルス周波数f1からf2に変化した部分では疑似ゲート信号65のパルス周波数f1によってゲート時間が設定されており、カウンター部72の計数値出力63には一定値出力状態からΔf1分の変化(増加)が発生する。被測定信号61のパルス周波数がパルス周波数f2で疑似ゲート信号(遅延信号)65もパルス周波数f2となった状態ではパルス周波数f2でゲート時間が設定されており、カウンター部72の計数値63は一定値出力状態である。被測定信号61がパルス周波数f2からf3に変化した部分では遅延信号65のパルス周波数f2によってカウンター部72のゲート時間が設定されており、計数値(差分信号)63には一定値出力状態から−Δf2分の変化(減少)が発生する。一連の計数値(差分信号)63はローパスフィルター部73によって高周波成分が除かれ、スケーリング部75を経て時間軸上の周波数変化部分の位置情報を含む周波数差分出力となる。図示しない後段で周波数差分出力と予め設定された比較基準値とを比較することによってΔfの発生部分、すなわち、被測定信号61の時間軸上における周波数変化部分を判別することができる。
この例においても、被測定信号61のパルス周波数の増減部分(変化部分)に対応した差分信号の計数値Δf1、−Δf2は、概略、被測定信号61の周波数変動量(差分値、微分値)に対応している。
上述したように、短ゲートカウンター部72は、一連の計数値(差分信号)63からローパスフィルター部73によって高周波成分を除き、次段のスケーリング部(あるいはレベル調整部)75に出力される。スケーリング部75は疑似ゲート信号65の分周比、逓倍比に対応してローパスフィルター部73の出力を調整する。
図7乃至図9は、上述した図6の説明をパルス列信号に置き換えて説明したものである。
被測定信号である第1のパルス列信号から被測定信号と所定時間差Δtを有する疑似ゲート信号である第2のパルス列信号を形成し、第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数(計数値)を各パルス列間隔について連続的に得て、パルス数の経時的変化から第1のパルス列信号の周波数変化を抽出し、第1のパルス列信号(被測定信号)の周波数変化部分を検出するものである。
まず、図7の(a)は被測定信号61のパルス列に周波数変化が生じない場合の例を示している。被測定信号61はパルス周波数がf1で一定である。同図中の(b)は、被測定信号61と、この被測定信号61のパルス列を一定時間遅延させた疑似ゲート信号(遅延信号)65とを並べて示している。被測定信号61を疑似ゲート信号65を基準にカウントを行うと、図中の(c)に示すように、各ゲート時間に(この例では)1カウントすることになる。パルス列の計数値63は一定値「1」で変化しない。
図8は、既述図6と同様に被測定信号61のパルス周波数が変化する場合(パルス周波数f1→f2→f1)について考察を行ったものである。
同図中の(a)に示されるように、被測定信号61はそのパルス周波数が途中で周波数f1からf2に変化する。同図の(b)には、被測定信号61と、被測定信号61から一定時間遅延した疑似ゲート信号65が示されている。被測定信号61のパルス列を疑似ゲート信号65のパルス列間隔で計数すると、同図中の(c)に示されるように遅延時間に対応した時間範囲Δtで非定常な計数値Δfが得られる。これは、被測定信号61の周波数変化部分(微分値)を検出したことに相当する。なお、図中で周波数の減少(計数値の減少)に相当する部分を−Δfとして示している。
図9は、被測信号61を分周したものを疑似ゲート信号65として用いた例を示す。図中の(a)に被測定信号61のパルス列とこの被測定信号61のパルス列を2分周し、遅延させたた疑似ゲート信号65とを上下に並べて示している。図中の(b)には、被測定信号61のパルス列と遅延・分周した疑似ゲート信号65のパルス列信号を上下に並べて示している。被測定信号61のパルス列を疑似ゲート信号65のパルス列間隔で計数すると、同図の(c)に示されるように、分周した場合でも被測定信号61のパルス周波数の変化部分(微分)を検出できることが判る。図9(c)で周波数の減少(計数値の減少)に相当する部分を−Δfとして示している。
なお、特にパルス列信号で図示した説明は行わないが、同様に、被測定信号を逓倍し、遅延させたパルス列信号を疑似ゲート信号とした場合にも被測定信号のパルス周波数の変化部分(微分)を検出することができる。
また、図7乃至図9に示した被測定信号の例では、被測定信号61のパルス列にジッター(時間軸の揺らぎ)のない理想的な場合で説明したが、短ゲートタイムカウント法では連続的な計数を継続するので、ジッターがある区間で発生した場合でも当該区間で計数できなかったパルスを後続の区間で計数することができる。例えば1,1,1とカウントするところを1,0,2とカウントしてしまうような場合でも、連続に計数する短ゲートカウント法では誤差が平均化(相殺)されるのでジッタの周波数計測に与える影響は少ない。
このように、短ゲートカウンター部72、信号遅延部74a、ローパスフィルター部73を組み合わせた回路、特に、短ゲートカウンター部72及び信号遅延部74aの回路は、被測定信号(パルス列信号)に対して被測定信号のパルス周波数の変化部分を検出する微分回路(あるいは差分出力回路)として機能する。
上述した周波数差分出力装置70の信号遅延・分周・逓倍部74の他の構成例について説明する。
図5(B)の構成例は、信号遅延・分周・逓倍部74を上述した信号遅延部74aと分周部74bによって構成している。分周部74bは被測定信号61の遅延信号を分周して疑似ゲート信号65のパルス周波数を低くする(ゲート時間間隔を長くする)。分周部74bに設定された分周比に対応してスケーリング部75の倍率とオフセットが設定される。他の構成は図5(A)と同様である。
図5(C)の構成例は、信号遅延・分周・逓倍部74を上述した信号遅延部74aと周波数逓倍部74cによって構成している。周波数逓倍部74cは被測定信号61の遅延信号を逓倍して疑似ゲート信号65のパルス周波数を高くする(ゲート時間間隔を短くする)。分周部74bと逓倍部74cに設定された逓倍率に対応してスケーリング部75の倍率とオフセットが設定される。他の構成は図5(A)、同(B)と同様である。
図5(D)の構成例は、信号遅延・分周・逓倍部74を、上述した信号遅延部74aと、周波数分周部74bと、周波数逓倍部74cによって構成している。周波数分周部74bと周波数逓倍部74cとを組み合わせることによってより細かい疑似ゲート信号のパルス周波数を設定することが可能となる。設定された分周・逓倍率に対応してスケーリング部75の倍率とオフセットが設定される。他の構成は図5(A)乃至同(B)と同様である。
図10は、信号遅延・分周・逓倍部74の他の構成例を示すもので、図5に示す各構成における信号遅延部74aの位置を被測定信号側に変更したものである。
図10(A)の構成例は、図5(A)に示す構成において、信号遅延部74aをカウンター部72のカウント入力側に配置した例である。被測定信号源10からの被測定パルス列信号は信号遅延部74aを介して短ゲートカウンター部72の計数入力に供給され、被測定信号が疑似ゲート信号として短ゲートカウンター部72のゲート入力に供給される。他の構成は図5(A)と同様である。この構成の場合、図6(A)に示す差分信号63の周波数変化部分の信号の増減の方向が図示のものとは逆向きになるが、同様に被測定信号の周波変化部分を検出することができる。
図10(B)の構成例は、図5(B)に示す構成において信号遅延部74aをカウンター部72のカウント入力側に配置した例である。被測定信号源10からの被測定パルス列信号は信号遅延部74aを介して短ゲートカウンター部72の計数入力に供給される。被測定信号が分周部74bを介して疑似ゲート信号65として短ゲートカウンター部72のゲート入力に供給される。他の構成は図5(B)と同様である。この構成でも被測定信号の周波変化部分を検出することができる。
図10(C)の構成例は、図5(C)に示す構成において信号遅延部74aをカウンター部72のカウント入力側に配置した例である。被測定信号源10からの被測定パルス列信号は信号遅延部74aを介して短ゲートカウンター部72の計数入力に供給される。被測定信号が逓倍部74cを介して疑似ゲート信号65として短ゲートカウンター部72のゲート入力に供給される。他の構成は図5(C)と同様である。この構成でも被測定信号の周波変化部分を検出することができる。
図10(D)の構成例は、図5(D)に示す構成において信号遅延部74aをカウンター部72のカウント入力側に配置した例である。被測定信号源10からの被測定パルス列信号は信号遅延部74aを介して短ゲートカウンター部72の計数入力に供給される。被測定信号が分周部74b、逓倍部74cを介して疑似ゲート信号65として短ゲートカウンター部72のゲート入力に供給される。他の構成は図5(D)と同様である。この構成でも被測定信号の周波変化部分を検出することができる。
以上説明したように、被測定信号と疑似ゲート信号との相互間に時間差を形成するために、被測定信号及び疑似ゲート信号のいずれの側に信号遅延部を配置しても良い。また、図5及び図10に示す実施例では、分周部、逓倍部を疑似ゲート信号側に配置しているが、被測定信号側に配置することとしても良い。また、特に、図示しないが、分周部を疑似ゲート信号側に、逓倍部を被測定信号側に配置しても良い。逆に、分周部を被測定信号側に、逓倍部を疑似ゲート信号側に配置しても良い。また、信号遅延部、分周部、逓倍部の配置順序は特に限定されるものではなく、これ等構成は適宜に選択することができる。例えば、分周の後で遅延を行うと遅延素子内での信号のスイッチング回数が減り、省電力に向く。
(周波数測定装置)
図4(B)及び同図(C)は、上述した周波数差分出力装置70を利用して周波数測定装置を構成した例を示している。
本願の周波数測定装置では、被測定信号源10から供給される被測定信号61の周波数増減分を周波数差分出力装置70で求め、この周波数増減分を累算器80によって逐次累積する。例えば、ニオイセンサーなどに使用されるQCMデバイス(水晶発振器)などでは、非測定状態におけるセンサー出力の発振周波数f0が予め判っている。また、センサーに試料を暴露したときの周波数変化範囲も分かっている。そこで、累算器80に周波数foを初期値として設定しておく。被測定信号のパルス周波数(センサーの現在の発振周波数)fs=初期値(初期周波数)fo+Σ(±周波数変化分Δfn)として求めることができる。ニオイセンサーでは、例えば、発振周波数の変化パターンにより、吸着剤への特定のニオイ物質の付着を判別するため、被測定信号の周波数値自体の精度を必ずしも必要としない。したがって、カウンタ部72に供給される疑似ゲート信号65のパルス周波数が変化することによる被測定信号の周波数変化分が概略値であっても利用可能である。
(電子機器への応用例)
図11乃至図15は、上述した周波数差分出力装置の他の利用例を説明する図である。
図11は、FSK(Frequency-shift keying)信号を使用する送受信システムの例を概略的に示しており、受信機のFSK復号部に周波数差分出力装置70が利用されている。
まず、送信機100側では、デジタル信号の変調信号をFSK変調器110に印加し、搬送波をデジタル変調する。例えば、FSK変調器110はVCO(電圧制御発振器)で構成され、その電圧制御入力にデジタル信号電圧が印加される。VCO110はデジタル信号の二つの値(0,1)に対応して2.6GHzの搬送波を±0.5MHz(2.5995GHzと2.6005GHz)に変化させてFSK信号を形成する。このFSK信号を送信部120でパワー増幅して送信機のアンテナから受信機200側に送信する。
受信機200の高周波受信部210は、アンテナに誘起した高周波信号からFSK信号を復調して復調部220に供給する。復調部220は上述した周波数差分出力装置を備えており、FSK信号の周波数変移部分に対応して差分出力(微分出力)を発生する。この出力のレベルを図示しないレベル弁別器によって弁別することによって周波数シフトに対応したデジタル信号を復号化する。例えば、フリップフロップのセット端子、リセット端子に供給することで論理レベルのデジタル信号が復調(復号化)される。
この実施例において、上述した差周波数差分出力装置70の信号遅延・分周・逓倍部74は、受信信号(被測定周波数信号)を23分周したものを4逓倍する構成とした。遅延時間については約400n秒を実現できるようNOT論理を512段直列接続したものを使用した。ローパスフィルター部73は、39タップの移動平均フィルターを3段構成とした(分周比と逓倍比を変えることでゲートクロック及び動作点が変化することから、ローパスフィルター部73の調整と組み合わせることで、所望の分解能を設計することができる)。周波数差分出力装置70の遅延・分周・逓倍部74については、遅延・分周・逓倍を実行する順番を変更しても結果に相違は無いが、消費電力の点から、分周・遅延・逓倍の順で行うことにした。
図12は、FSK信号の波形例を示している。この例では、1μ秒毎に「0」と「1」を交互に配置して、データ列010101…が連続するデジタル信号を形成している。このデジタル信号の「1」に対応してキャリアの周波数を2.6005GHzに設定し、「0」に対応してキャリアの周波数を2.5995GHzに設定したFSK信号が形成されている。
図13は、図12に示すFSK信号を復調部220の周波数差分出力装置で復調した出力波形(受信波形)を示している。FSK信号の周波数シフトに対応した微分出力が得られている。例えば、正の微分出力をSRフリップフロップのセット入力に供給し、負の微分信号をリセット入力に供給することによって、フリップフロップから論理レベルの出力を得ることができ、データ信号が復号化される。
FSK信号の周波数切り替え周期を徐々に短くして、復調される微分信号の周期が短くなる様子を観察すると、1Mbps相当の通信速度を達成できていることが分かた(信号の遅れは600n秒程度)。さらに切り替え周期を短くしていくと復調信号波形が不安定化する様子が観察され、周期が0.5μ秒となった時点では微分信号を検出することができなかった。
他のFSK信号の例を図14及び図15を参照して説明する。図14は送信側のFSK信号の波形(デジタルデータ0110010100…で変調)を示している。図15はこれに対応する受信側の復調出力の微分波形を示している。上述したように微分波形をレベル弁別することによってデジタルデータ0110010100…が復号される。
この例でも、1Mbps相当の通信速度でのバイナリーストリームが正しく受信できることを確認した(信号の遅れは図12の場合と同じく600n秒程度である)。
上述した周波数差分出力装置の復調器への応用例では、2値(0,1)のデータ復調に関して説明したが、これに限定するものではない。周波数差分出力装置の測定原理より、例えば多値データ復調器や、デジタル出力の周波数信号の微分器としても動作可能である。
以上説明したように、本発明の周波数差分出力装置においては、短ゲートカウント回路において、被測定パルス列信号を遅延させたパルス列信号を短ゲート回路の基準クロック(疑似クロック信号)として用いる。このため、基準クロック生成用に振動子を用意する必要がなくなり、測定装置の小型化及び省電力化が可能となる。また、当該短ゲートカウンターは被測定信号の微分値を得ることができ、周波数のバイアスをキャンセルすることができる。
また、本発明の周波数差分出力装置では、被測定パルス列信号を「分周」又は「逓倍」し、あるいは「分周」及び「逓倍」し、「遅延」させた信号をカウンターのゲートクロック(疑似クロック信号)として用いる。逓倍することでゲートクロック周波数が上がるため、分解能が向上する。また、分周することで動作点を調整することができ、分解能が向上する。これらを組み合わせて設計することで、SN比を改善することができる。
なお、動作点パラメーターは周波数差分出力装置の出力中のパターンノイズと関連性がある。動作点パラメーターは特性把握の便宜上用いられている。以下のように定義される。
動作点パラメーター=被測定周波数÷サンプリング周波数−Int(被測定周波数÷サンプリング周波数) ただし、Int(c)はcの整数部を示す関数である。上記定義式より、動作点パラメーターは(被測定周波数÷サンプリング周波数)の少数部分を指すものであり、0以上1未満の間の値を取る。
上述した周波数差分出力装置は、同じ性能を発揮するよう設計された従来型装置に比べ省電力で小型であるため、ある物理量を水晶振動子の周波数変化に変換するようにした水晶デバイス、例えば、圧力センサー、加速度センサーや、振動子基板表面の微量の質量変化を周波数変化に変換するようにしたQCM(Quartz Crystal Microbalance)デバイス(質量センサー、ニオイセンサー、ガスセンサー、バイオセンサー等)等に使用して好適である。また、FSK信号の復調回路に使用して好適である。
上記発明の実施の形態を通じて説明された実施例や応用例は、用途に応じて適宜に組み合わせて、又は変更若しくは改良を加えて用いることができ、本発明は上述した実施形態の記載に限定されるものではない。そのような組み合わせ又は変更若しくは改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。
10 被測定信号源、20,72 短ゲートカウンター部、 30,73 ローパスフィルター、40 基準信号源、74 信号遅延・分周・逓倍部、74a 信号遅延部、74b 分周部、74c 逓倍部、75 スケーリング部(レベル調整部)。

Claims (9)

  1. 供給される第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する周波数差分出力装置であって、
    前記第1のパルス列信号から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号を形成する第2パルス列形成手段と、
    前記第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、前記パルス数の経時的変化から前記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する差分出力部と、
    を備えることを特徴とする周波数差分出力装置。
  2. 請求項1に記載の周波数差分出力装置において、
    前記第2パルス列形成手段は、前記第1のパル列信号と前記第2のパルス列信号との間に前記所定時間差を生じさせる信号遅延部を含み、
    前記差分出力部は、前記第1及び第2のパルス列信号のうちの一方のパルス列信号をゲート入力とし、他方のパルス列信号を計数入力とするカウンター部と、前記カウンター部が出力する一連のパルス計数値から高周波成分を除くローパスフィルター部と、を含む、
    ことを特徴とする周波数差分出力装置。
  3. 請求項2に記載の周波数差分出力装置において、
    前記第2パルス列形成手段は、更に、前記第1及び第2のパルス列信号のうち少なくともいずれかのパルス列信号を分周して前記カウンター部に供給する分周部を含み、
    前記差分出力部は、更に、前記分周に対応して前記ローパスフィルターの出力値を調整するスケーリング部と、を含む、
    ことを特徴とする周波数差分出力装置。
  4. 請求項2に記載の周波数差分出力装置において、
    前記第2パルス列形成手段は、更に、前記第1及び第2のパルス列信号のうち少なくともいずれかのパルス列信号を逓倍して前記カウンター部に供給する逓倍部を含み、
    前記差分出力部は、更に、前記逓倍に対応して前記ローパスフィルターの出力値を調整するスケーリング部と、を含む、
    ことを特徴とする周波数差分出力装置。
  5. 請求項2に記載の周波数差分出力装置において
    前記第2パルス列形成手段は、更に、前記第1及び第2のパルス列信号のうち少なくともいずれかのパルス列信号を分周・逓倍して前記カウンター部に供給する分周逓倍部を含み、
    前記差分出力部は、更に、前記分周・逓倍に対応して前記ローパスフィルターの出力値を調整するスケーリング部と、を含む、
    ことを特徴とする周波数差分出力装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載の周波数差分出力装置と、
    前記周波数差分出力装置により抽出された前記第1のパルス列信号の周波数変化分を前記第1のパルス列信号の初期周波数に逐次累算し、前記第1のパルス列信号の現在の周波数を出力する累算部と、
    を備える周波数測定装置。
  7. 請求項1乃至5のいずれかに記載の周波数差分出力装置もしくは請求項6に記載の周波数測定装置を含む電子機器。
  8. 供給される第1のパルス列信号の周波数変化部分を抽出する周波数変化の検出方法であって、
    前記第1のパルス列信号から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号を形成し、
    前記第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、前記パルス数の経時的変化から前記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出する、
    ことを特徴とする周波数変化の検出方法。
  9. 供給される第1のパルス列信号の周波数を検出するパルス周波数の検出方法であって、
    前記第1のパルス列信号から該第1のパルス列信号と所定時間差を有する第2のパルス列信号を形成し、
    前記第1及び第2のパルス列信号から、一方のパルス列信号のパルス列間隔に存在する他方のパルス列信号のパルス数を各パルス列間隔について連続的に得て、前記パルス数の経時的変化から前記第1のパルス列信号の周波数変化を抽出し、
    前記第1のパルス列信号の初期値に、抽出された前記第1のパルス列信号の周波数変化分を逐次累算して前記第1のパルス列信号の周波数を得る周波数測定方法。
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