JP2012100709A - 陳列什器及び陳列スタンド - Google Patents

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修 宮崎
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Abstract

【課題】陳列什器に対してボビンのセット及び交換が容易で且つボビンをガタ付かずに安定保持可能な陳列スタンドを提供する。
【解決手段】陳列什器Aの什器本体1から片持ち状に突出して取り付けられる複数の支持ローラ2aに対して、ボビンBをその芯筒B1の内周面B2が各支持ローラ2aの回転面2cとそれぞれ当接するように挿入することにより、ボビンBが回転自在に支持され、長尺物品Cの引き出しに伴ってボビンBが回転しても、ボビンB及びそれに巻かれた長尺物品Cの重量で位置ズレしない。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えばホースやチューブ又はロープなどの長尺物品を店頭などで陳列しながら適宜長さ分だけ引き出して販売するために用いられる陳列什器、及び、ホースなどの長尺物品が巻き取られたボビンと、このボビンを回転自在に支持する陳列什器とからなる陳列スタンドに関する。
従来、この種の陳列什器及び陳列スタンドとして、対向状に連設させた一対の立設枠の対向面に、ボビン軸を回転可能に載架する軸受け凹部を具備した機枠と、ホースが巻回されてホースボビンの中芯に貫通状に挿入係止させるボビン支持回転体とで構成し、該ボビン支持回転体が、前記ボビン軸より同一寸法にて放射状に固着突出させ前記中芯の内周面に嵌入係止させる放射腕を具備し、ホースボビンの中芯内周面に対して、ボビン支持回転体のボビン軸から放射状に突出させた放射腕を嵌入圧接させることにより、ホースボビンにボビン軸が取付け保持されるホースボビン用什器がある(例えば、特許文献1参照)。
実公平4−6605号公報
しかし乍ら、このような従来の陳列什器及び陳列スタンドでは、ボビンを回転可能に支持するにはボビンの中芯にボビン支持回転体を嵌入してから、ボビン支持回転体のボビン軸を機枠の軸受け凹部に載架しなければならず、ボビン支持回転体の嵌入作業に手間がかかるとともに、ホースが総て引き出されてボビンを交換する際にもボビン支持回転体を出し入れする必要があって、その作業が面倒であるという問題があった。
また、ホースが巻き付けられたボビンは重く、更にボビン支持回転体の重量が追加されるため、女性などの非力な作業者では持ち上げが困難で、ボビン軸を機枠の軸受け凹部に載架する作業が行えないという問題もあった。
本発明は、このような問題に対処することを課題とするものであり、ボビンのセット及び交換が容易で且つボビンをガタ付かずに安定保持可能な陳列什器を提供すること、陳列什器に対してボビンのセット及び交換が容易で且つボビンをガタ付かずに安定保持可能な陳列スタンドを提供すること、などを目的とするものである。
このような目的を達成するために本発明による陳列什器は、什器本体と、長尺物品が巻き取られた円筒状のボビンを回転自在に支持する支持部とを備えた陳列什器であって、前記支持部は、前記ボビンに貫通状に挿通されて該ボビンの内周面と対向する支持ローラを有し、前記什器本体に対して前記支持ローラを複数それぞれの先端部が自由端となるように片持ち状に突出させて取り付け、前記支持ローラの回転面をそれぞれ前記ボビンの内周面において異なる個所に当接するように略平行に並べて配置したことを特徴とする。
また本発明による陳列スタンドは、前記陳列什器と、前記長尺物品が巻き取られた前記ボビンとからなる陳列スタンドであって、前記ボビンは、円筒状の芯筒を有し、該芯筒の外周面に沿って前記長尺物品が巻き取られ、前記芯筒の前記内周面において異なる個所に、前記陳列什器の前記支持部となる前記複数の支持ローラをそれぞれ当接させて配置したことを特徴とする。
前述した特徴を有する本発明による陳列什器は、什器本体から支持部として片持ち状に突出して取り付けられる複数の支持ローラに対し、その先端部側からボビンをその内周面が各支持ローラの回転面とそれぞれ当接するように挿入して係止させることにより、ボビンが回転自在に支持され、長尺物品の引き出しに伴ってボビンが回転しても、ボビン及びそれに巻かれた長尺物品の重量で位置ズレしないので、ボビンのセット及び交換が容易で且つボビンをガタ付かずに安定保持することができる。
その結果、ボビンに対するボビン支持回転体の嵌入作業と、機枠に対するボビン支持回転体のボビン軸の載架作業が必要な従来のものに比べ、ボビンの芯筒に対してボビン支持回転体を嵌入する必要がないから、什器に対するボビンのセットや交換作業が素早く行えるとともに、長尺物品としてホースなどが巻き付けられたボビンにボビン支持回転体の重量分が追加されないので、女性などの非力な作業者であってもボビンが持ち上げ可能になって、什器に対するボビンのセットや交換作業を行うことができる。
また、前述した特徴を有する本発明による陳列スタンドは、陳列什器の什器本体から片持ち状に突出して取り付けられる複数の支持ローラに対して、ボビンをその芯筒の内周面が各支持ローラの回転面とそれぞれ当接するように挿入することにより、ボビンが回転自在に支持され、長尺物品の引き出しに伴ってボビンが回転しても、ボビン及びそれに巻かれた長尺物品の重量で位置ズレしないので、陳列什器に対してボビンのセット及び交換が容易で且つボビンをガタ付かずに安定保持することができる。
その結果、ボビンに対するボビン支持回転体の嵌入作業と、機枠に対するボビン支持回転体のボビン軸の載架作業が必要な従来のものに比べ、ボビンの芯筒に対してボビン支持回転体を嵌入する必要がないから、什器に対するボビンのセットや交換作業が素早く行えるとともに、長尺物品としてホースなどが巻き付けられたボビンにボビン支持回転体の重量分が追加されないので、女性などの非力な作業者であってもボビンが持ち上げ可能になって、什器に対するボビンのセットや交換作業を行うことができる。
本発明の実施形態に係る陳列什器及び陳列スタンドを示す斜視図である。 陳列什器の斜視図である。 支持部の一例を示す斜視図であり、(a)が外観斜視図、(b)が分解斜視図である。 支持部の変形例を示す斜視図であり、(a)が外観斜視図、(b)が分解斜視図である。 ボビンの一例を示す斜視図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明の実施形態に係る陳列什器Aは、図1〜図5に示すように、什器本体1と、例えばホースやチューブなどの長尺物品Cが巻き取られた円筒状のボビンBを回転自在に支持する支持部2とを備えている。
さらに、本発明の実施形態に係る陳列スタンドは、陳列什器Aと、長尺物品Cが巻き取られる円筒状の芯筒(中芯)B1を有するボビンBとから構成されている。ボビンBは、その芯筒B1の内周面B2に沿って後述する支持部2を挿通することで回転自在に支持されるとともに、芯筒B1の外周面B3に沿って長尺物品Cが巻き取られている。
什器本体1は、図1及び図2に示されるように、上下(鉛直)方向へ延びる機枠1aを有している。この機枠1aは、例えば金属などの剛性材料からなる杆材や棒材や板材又はそれらの組み合わせなどで構成される。
機枠1aには、ボビンBの芯筒B1を支持するための支持部2が取り付けられる。
支持部2は、図1〜図4に示されるように、ボビンBの芯筒B1に貫通状に挿通されて芯筒B1の内周面B2と対向する支持ローラ2aを有し、什器本体1の機枠1aに対して支持ローラ2aを複数、それぞれの先端部2bが自由端となるとともに、それぞれの基端が固定端となるように片持ち状に突出させて取り付けている。
支持ローラ2aは、遊転自在な回転面2cを有し、この遊転自在な回転面2cをそれぞれ芯筒B1の内周面B2において異なる個所に当接するように略平行に並べて配置されている。支持ローラ2aの並列方向としては、ボビンBの芯筒B1に巻かれた長尺物品Cを引き出し方向、すなわち横(略水平)方向に配置することが好ましい。
支持ローラ2aの回転面2cとしては、支軸の外側に管体又は円筒体を回転自在に嵌挿するか、或いは円柱体を回転自在に支持することが好ましい。
支持ローラ2aの先端部2b側には、什器本体1の機枠1aへ向けて斜め下方へ延びる支えアーム3を設け、この支えアーム3の下端を什器本体1、詳しくはその機枠1aやそれに取り付けられる付属部品などに連結することで、支持ローラ2aの取り付け状態を補強することが好ましい。
さらに、2本の支持ローラ2aをそれらの間に間隔が空くように配置し、芯筒B1の内周面B2において支持ローラ2aの当接個所とは異なる個所に当接する補助当接部4を設け、補助当接部4と支持ローラ2aとで芯筒B1の内周面B2が三点支持されるように配置することが好ましい。
図1〜図4に示される例では、支持部2は、略平行に並んだ2本の支持ローラ2aと、支持ローラ2aの基端側に設けられるT字型のブラケット2dと、支持ローラ2aの先端側に設けられるプレート2eとで構成され、支持ローラ2aの先端部2b側からブラケット2dの下端部に亘って、杆材や板材又は棒材などからなる支えアーム3を架設し、支えアーム3の端部をそれぞれ連結している。
支持ローラ2aは、ブラケット2dの上端部とプレート2eとの間に挟持され、その遊転自在な回転面2cとして、支軸(図示しない)の外側に、環状の凹凸部が軸線方向へ連続して形成される管体を遊転自在に嵌挿している。
さらに、ブラケット2dの上端部とプレート2eとの間には、棒材や杆材又は板材などからなる補強部材2fを、支持ローラ2aと略平行に1本又は複数本設けて、ブラケット2dとプレート2eと間を所定間隔に保持するとともに、支持部2を横方向から見た状態で、ブラケット2dと補強部材2fと支えアーム3が略三角形となるように配置することが好ましい。
さらに、支えアーム3には、芯筒B1の内周面B2に当接する補助当接部4を設けることが好ましい。
補助当接部4の具体例としては、支えアーム3においてブラケット2dの下端部に連結される下端の連結部分を、芯筒B1の内周面B2に当接する補助当接部4とすることが好ましい。
一方、ボビンBの具体例としては、図5に示されるように、芯筒B1の外周面B3の両端に一対のフランジB4が周設される。ボビンBの構成材料としては、例えば段ボールや厚紙を用いるか、又は合成樹脂などを用いることが好ましい。
特に、ボビンBの芯筒B1に長尺物品Cとしてホースやチューブなどが巻き付けられる場合には、長尺物品Cの端部C1が芯筒B1に開穿された通孔B5を貫通して内周面B2から若干突出させることにより、ホースやチューブなどの製造時における圧縮空気の注入や芯筒B1に対する位置決めなどを可能にすることが好ましい。
このような本発明の実施形態に係る陳列什器A及び陳列スタンドによると、図1に示すように、陳列什器Aの什器本体1から支持部2として、それぞれの先端部2bが自由端となるように片持ち状に取り付けられる複数の支持ローラ2aに対し、その先端部2b側からボビンBをその内周面B2が各支持ローラ2aの回転面2cとそれぞれ当接するように挿入して係止させると、ボビンBの芯筒B1が回転自在に支持される。
この支持状態で、芯筒B1の外周面B3に沿って巻回された長尺物品Cを、例えば略水平方向へ引き出し、それに伴ってボビンBが回転しても、ボビンB及びそれに巻かれた長尺物品Cの重量で位置ズレしない。
それにより、陳列什器Aの什器本体1に対してボビンBのセット及び交換が容易で且つボビンBをガタ付かずに安定保持することができる。
特に、支持ローラ2aの遊転自在な回転面2cとして、環状の凹凸部が軸線方向へ連続して形成される管体を支軸の外側に遊転自在に嵌挿している場合には、ボビンBの内周面B2や支軸の外周面との接触面積が減少して、ボビンBをスムーズに回転支持できる。
さらに、支持ローラ2aの先端部2bから什器本体1へ向け斜め下方へ延びる支えアーム3を設けて、支えアーム3の下端を什器本体1、詳しくはその機枠1aやそれに取り付けられる付属部品など(図示例ではブラケット2d)に連結した場合には、支持ローラ2a及びボビンBの重量が支えアーム3で支持される。
それにより、簡単な構造でありながら支持ローラ2a及びボビンBを安定保持することができる。
その結果、支持ローラ2aの安定性に優れ、且つ支持ローラ2aの補強構造を簡素化できてコストの低減化も図れる。
また、2本の支持ローラ2aをそれらの間に間隔が空くように配置し、ボビンBの内周面B2において支持ローラ2aの当接個所とは異なる個所に当接する補助当接部4を設け、補助当接部4と支持ローラ2aとでボビンBの内周面B2が三点支持されるように配置した場合には、支持ローラ2a及び補助当接部4に対してボビンBの内周面B2が、ボビンBの径方向へ位置ズレ不能に支持される。
それにより、ボビンBの位置ズレを完全に防止することができる。
その結果、ボビンBの安定性に優れ、ボビンBに巻かれた長尺物品Cを勢い良く引き出してもガタ付くことがない。
次に、本発明の一実施例を図面に基づいて説明する。
この実施例は、図1及び図2に示すように、陳列什器Aが、什器本体1の機枠1aを柱状に形成して、この機枠1aの複数の表面にそれぞれ支持部2を上下方向へ複数個ずつ配置し、これらの支持部2に対してボビンBをそれぞれ回転自在に支持したものである。
図1及び図2に示される例では、什器本体1の機枠1aが、上下方向へ延びる複数の柱部材1bと、水平方向へ延びる複数の桟部材1cを相互に連結することで、上下方向へ所定間隔毎に桟部材1cを配置した四角柱状に形成されている。
この機枠1aの背中合わせとなる両面には、複数種類の支持部2を3個ずつそれぞれ高さ調整自在に取り付け、これらの支持部2に対して外径の異なるボビンBをそれぞれ回転自在に支持している。その具体例としては、上方の支持部2に、外径が小さくて比較的に軽量なボビンBを回転自在に支持し、上下中間の支持部2には、外径が中位のボビンBを回転自在に支持し、下方の支持部2には、外径が大きくて比較的に重いボビンBを回転自在に支持している。
什器本体1として機枠1aの下端部には、台座1dが連設され、この台座1dは、複数の杆材や棒材や板材又はそれらの組み合わせなどを格子状枠組するか、或いは平板状に連結することなどで形成されている。台座1dには、什器本体1の移動手段1eとして複数のキャスターなどが取り付けられている。
また、その他の例として図示しないが、機枠1aを四角柱状に代えて三角柱状や多角柱状又は円柱状に形成したり、上下方向へ2個又は4個以上の支持部2をそれぞれ高さ調整自在に取り付けるか又は固定配置したり、台座1dに移動手段1eを設けず移動不能にすることも可能である。
さらに、複数種類の支持部2としては、長さが異なる支えアーム3を備えたものや、補助当接部4の構造が異なるものを取り付けている。
支持部2の一例としては、図1〜図3(a)(b)に示されるように、支えアーム3の上端部をプレート2eと補強部材2fとの間に挟み込んで取り付け、支えアーム3の下端部とブラケット2dの下端部との連結部分に、補助当接部4として補助ローラ4aを、支持ローラ2aと略平行となるように遊転自在に配置している。補助ローラ4aとしては、支軸(図示しない)の外側に、環状の凹凸部が軸線方向へ連続して形成される管体を遊転自在に嵌挿している。
支持部2の変形例としては、図1、図2及び図4(a)(b)に示されるように、支えアーム3の上端部を補強部材2fの先端側に挿入して取り付け、支えアーム3の下端部をブラケット2dの下端部に沿って折り曲げ、例えば溶着などで固定するとともに、ブラケット2dの下端部における折り曲げ部分4bを、芯筒B1の内周面B2に当接する補助当接部4としている。
そして、機枠1aに対する支持部2の高さ調整手段5としては、図3及び図4に示されるように、T字型のブラケット2dにおいて上端部の裏面に、鉤型に形成されたフック5aと、フック5aに向けて往復動自在に支持されたネジ5bとを備え、機枠1aにおいて上下方向へ複数配置される桟部材1cに対し、ブラケット2dのフック5aを係止させ、ネジ5bで挟持することにより、支持部2が着脱自在に取り付けられる。
また、その他の例として図示しないが、支持部2の高さ調整手段5として、フック5aやネジ5bに代えて従来周知な着脱手段を設けることも可能である。
さらに、機枠1aの下端部となる台座1dには、図1及び図2に示されるように、支持ローラ2aに対するボビンBのセット時と交換時において什器本体1を一時的に走行不能に固定するための手段として、什器本体1の設置床面Fと接地可能な足踏み式の移動防止手段6を設けることが好ましい。
足踏み式の移動防止手段6は、什器本体1の設置床面Fと対向するストッパー部6aを有し、このストッパー部6aが台座1dを構成する杆材や棒材などに対して、着脱自在又は上下方向へ移動可能に取り付けて、作業者がストッパー部6aの表面を足踏みして体重を掛けることにより、ストッパー部6aの裏面が什器本体1の設置床面Fに圧接して、両者間に大きな摩擦抵抗が発生するようにしている。
図1及び図2に示される例では、金属板や硬質合成樹脂板などの剛性部材又は弾性変形可能な材料からなる帯状板材を略S字型に折り曲げるか又は型成形などにより、その一端にストッパー部6aが一体形成されるとともに、他端には機枠1aの台座1dを構成する杆材や棒材などと着脱自在に係合する係止部6bとしてフックが一体形成され、台座1dに係止部6bとなるフックを係合した状態で、作業者がストッパー部6aの表面を足踏みして体重を掛けることにより、ストッパー部6aや係止部6bの僅かな弾性変形や台座1dとの取り付け部に生じる遊びなどで、ストッパー部6aの裏面が什器本体1の設置床面Fへ向け接近移動して圧接するように配置している。
また、その他の例として図示しないが、フックなどの係止部6bに代えて、台座1dに対し上下方向へ往復動自在に支持されるスライド部をストッパー部6aに連設し、作業者がストッパー部6aの表面を足踏みして体重を掛けることにより、台座1dに対し前記スライド部が下動して、ストッパー部6aの裏面が什器本体1の設置床面Fへ向け沈み込み圧接するように配置したり、予めストッパー部6aが什器本体1の設置床面Fと接触するように配置することも可能である。
さらに、支持部2には、図1〜図4に示されるように、複数の支持ローラ2aに対し、その先端部2b側からボビンBを挿入してボビンBの芯筒B1が回転自在に係止された状態で、ボビンBからの長尺物品Cの引き出しなどによって複数の支持ローラ2aからボビンBが抜け出して落下することを防止するための手段として、ボビンBの落下防止手段7を設けることが好ましい。
ボビンBの落下防止手段7は、支持ローラ2aの先端部2b側に落下防止材用の突起部7aを有し、突起部7aの少なくとも一部がボビンBのフランジB4などに突き当たることで、支持ローラ2aからボビンBが抜け出ることを防止している。
図1〜図4に示される例では、金属棒などを逆U字型に屈曲した落下防止材用の突起部7aと、突起部7aの基端が着脱自在に嵌挿される孔状の保持部7bとを備え、孔状の保持部7bをプレート2eに形成し、図2に示されるように、支持部2となる複数の支持ローラ2aにボビンBを挿入して回転自在に係止された後に、突起部7aを孔状の保持部7bに挿着することで、突起部7aの先端がボビンBのフランジB4に当接して、支持ローラ2aからボビンBが抜け出ることを防止している。
また、その他の例として図示しないが、落下防止材用の突起部7aを略コの字形などの他の形状に形成したり、落下防止材用の突起部7aを板材などで形成することも可能である。
このような本発明の実施例に係る陳列什器A及び陳列スタンドによると、図1及び図2に示されるように、柱状に形成された機枠1aの複数面に支持部2を上下方向へ複数個ずつ配置したので、コンパクトに多数のボビンBを回転自在に支持することができて、専有面積の狭い売り場に好適であるという利点がある。
さらに、機枠1aの下端部に什器本体1の移動手段1eが取り付けられる場合には、ボビンBから長尺物品Cを引き出す際に、移動手段1eで什器本体1が移動して、ボビンBから長尺物品Cをうまく引き出せないおそれがある。さらにまた、ボビンBを回転自在に支持する支持部2として、什器本体1から片持ち状に突出して取り付けられる支持ローラ2aに対し、ボビンBを挿入して係止させる際には、芯筒B1の内周面B2が支持ローラ2aの先端部2bに接触すると、その反動により移動手段1eで支持ローラ2aが什器本体1と共に逃げ移動して、ボビンBをうまく挿入できないおそれがある。
そこで、このような問題点を解決する方法としては、什器本体1に取り付けられる複数の移動手段1eのうち一部か又は総てをストッパー付きのキャスターにし、これら複数のストッパーを手動操作にすることで、什器本体1を一時的に走行不能に固定することが考えられる。
しかし、複数の移動手段1eのうち一部のみをストッパー付きのキャスターにした場合には、これらストッパーを手動操作しても、ストッパー機能のないキャスターがフリー状態なので什器本体1を安定させることができず、ボビンBと支持ローラ2aの接触により什器本体1が旋回移動するおそれがある。
また、複数の移動手段1eの総てを、ストッパー付きのキャスターにした場合には、これら総てのストッパーをそれぞれ手動で操作する作業は面倒であり、簡単で素早く走行不能に切り換えることができず、支持ローラ2aに対してボビンBを簡単で素早くセットしたり、交換することができない。
このため、足踏み式の移動防止手段6が、図1及び図2に示される例のように、ストッパー部6aに台座1dと着脱自在に係合する係止部6bが一体形成された場合には、移動防止手段6の使用時のみ、図1に示されるように、台座1dの外側にストッパー部6aを取り付け、移動防止手段6の不使用時には、図2に示されるように、台座1dの内部にストッパー部6aを収納できるから、簡単な構造でありながら、支持ローラ2aに対するボビンBのセット時と交換時において什器本体1を確実に移動不能に固定することができるという利点がある。
さらに、図1〜図3に示されるように、支えアーム3の下端部とブラケット2dの下端部との連結部分に、補助当接部4として補助ローラ4aを、支持ローラ2aと略平行となるように遊転自在に配置している場合には、ボビンBの内周面B2から若干突出した長尺物品Cの端部C1が引っ掛からず、スムーズに通過させることができるという利点がある。
すなわち、図5に示されるように、ボビンBの芯筒B1に長尺物品Cとして巻き付けられたホースやチューブなどの端部C1が芯筒B1の通孔B5を貫通して若干突出している際に有効である。
また、図1〜図4に示されるように、支持部2にボビンBの落下防止手段7を設けた場合には、ボビンBからの長尺物品Cの引き出しなどにより支持ローラ2aからボビンBが抜け出して落下することがないので、安全に長尺物品Cを引き出すことができるという利点がある。
特に、落下防止手段7が、図1〜図4に示される例のように、落下防止材用の突起部7aが保持部7bに対して着脱自在に取り付けられる場合には、図2に示されるボビンBのセット時や交換時において、落下防止材用の突起部7aが邪魔とならず、支持部2となる支持ローラ2aに対しボビンBを挿入して係止させる作業が容易になるとともに、ボビンBを高く持ち上げる必要がないから、背の低い作業者でも確実にボビンBのセットや交換が行えるという利点がある。
なお、前示実施例では、陳列什器Aが、什器本体1の機枠1aを柱状に形成し、その複数の表面にそれぞれ支持部2を上下方向へ複数個ずつ配置し、これらの支持部2に対してボビンBをそれぞれ回転自在に支持したが、これに限定されず、什器本体1の機枠1aを柱状に代えて面状などに形成したり、機枠1aの一面のみに複数の支持部2を配置したり、機枠1aとして一般にゴンドラ什器と呼ばれる什器などを利用することも可能である。
このゴンドラ什器とは、少なくとも2本以上の縦柱が左右方向へ所定間隔を置いて互いに略平行に立設されるとともに、これら縦柱の間に支持バーを水平状に架け渡すことで構成され、該支持バーに支持部2を支持しても良い。
A 陳列什器 1 什器本体
2 支持部 2a 支持ローラ
2b 先端部 2c 回転面
3 支えアーム 4 補助当接部
B ボビン B1 芯筒
B2 内周面 B3 外周面
C 長尺物品

Claims (4)

  1. 什器本体と、長尺物品が巻き取られた円筒状のボビンを回転自在に支持する支持部とを備えた陳列什器であって、
    前記支持部は、前記ボビンに貫通状に挿通されて該ボビンの内周面と対向する支持ローラを有し、前記什器本体に対して前記支持ローラを複数それぞれの先端部が自由端となるように片持ち状に突出させて取り付け、前記支持ローラの回転面をそれぞれ前記ボビンの内周面において異なる個所に当接するように略平行に並べて配置したことを特徴とする陳列什器。
  2. 前記支持ローラの前記先端部側から前記什器本体へ向けて斜め下方へ延びる支えアームを設け、該支えアームの下端を前記什器本体に連結したことを特徴とする請求項1記載の陳列什器。
  3. 前記支持ローラを2本それらの間に間隔が空くように配置し、前記ボビンの前記内周面において前記支持ローラの当接個所とは異なる個所に当接する補助当接部を設け、該補助当接部を前記支持ローラとで前記ボビンの前記内周面が三点支持されるように配置したことを特徴とする請求項1又は2記載の陳列什器。
  4. 請求項1、2又は3記載の陳列什器と、前記長尺物品が巻き取られた前記ボビンとからなる陳列スタンドであって、
    前記ボビンは、円筒状の芯筒を有し、該芯筒の外周面に沿って前記長尺物品が巻き取られ、前記芯筒の前記内周面において異なる個所に、前記陳列什器の前記支持部となる前記複数の支持ローラをそれぞれ当接させて配置したことを特徴とする陳列スタンド。
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