以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システムは、IEEE802.19.1標準が実装され、TV White Space(TVWS)存在する場合においても互いに共存処理を行うことが可能なシステムである。但し、本発明を適用した通信システムは、これに限定されるものではなく、TVWS以外の空間においても、他のいかなるシステム間の共存処理において適用してもよい。
本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1は、図1に示すように、一つのCDIS(Coexistence Discovery and Information Server)2と、このCDISとの間で情報を送受信可能な複数のCM(Coexistence Manager)3と、これら各CM3との間で情報を送受信可能なCE4(Coexistence Enabler)とを備えている。この図1では、CDISとの間で情報を送受信可能な2つのCM3a、3bと、このCM3aの管轄に入っており、このCM3aのみと情報を送受信できる2つのCE4a−1、4a−2と、CM3bの管轄に入っており、このCM3bのみと情報を送受信できる1つのCE4bとを備えている場合を例にとり説明をするが、これに限定されるものではない。また、CDIS2は、一つのみ設けられている場合に限定されるものではなく、複数に亘り設けられるものであってもよい。仮に複数のCDIS2が設けられる場合には、互いに同期をとる必要がある。
また、この無線通信ネットワーク間の共存システム1は、外部にあるTVWSのデータベース5との間でも情報を送受信可能とされている。具体的には、CDIS2又はCM3が、このデータベース5との間で情報を送受信可能とされている。
この本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1は、そのシステム外にある複数の無線通信ネットワーク6間において互いに通信干渉が生じないようにして隣接空間において互いに共存しえるような共存処理を実行していく。CE4は、その共存処理対象としての無線通信ネットワーク6に実装されている。無線通信ネットワーク6は、当該ネットワークの基地局としての役割を担うコーディネータ61と、かかるコーディネータ61との間で無線通信可能な複数のデバイス62を有している。
一のCE4はそれぞれ割り当てられた一の無線通信ネットワーク6のコーディネータ61内に設けられる。例えば、CE4a−1は、割り当てられた無線通信ネットワーク6a−1におけるコーディネータ61a−1内に実装される。CE4a−2は、割り当てられた無線通信ネットワーク6a−2におけるコーディネータ61a−2内に実装される。CE4bは、割り当てられた無線通信ネットワーク6bにおけるコーディネータ61b内に実装される。
以下、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1の各構成要素について詳細に説明をする。
CDIS2は、少なくとも無線通信ネットワーク6間における共存処理に関する各種情報が記述され、またCM3が実際に共存処理の制御を行う場合において、自身に格納されている各種有用な情報を提供するサーバーである。また、このCDISは、TVWSのデータベース5にアクセスし、TVWSとの共存を行う上で必要な、使用可能な情報を取得してこれを蓄積する。またCDIS2は、CM3毎にその管轄するCE4を記憶する。
CM3は、必要に応じて共存処理に関する意思決定を行う。このCM3は、共存処理に関する各要求コマンド、又は応答コマンドを生成し、これをCDIS2やCE4へ送信する。また、このCM3は、CDIS2やCE4から送信されてきた各要求コマンド、又は応答コマンドを受信して共存に関する各種意思決定を行い、又は処理動作を実行することになる。また、CM3は、CE4自体が共存に関する意思決定を行わない場合には、このCE4に代わってその意思決定を代行する場合もある。またCM3はTVWSとの共存処理を行う場合においても、共存制御を自ら実行し、又はこれを補助する役割も担う。ちなみに、このCM3は、それぞれのCE4の管轄が割り当てられている。なお、このCM3は、コーディネータ61に実装されるものであってもよいし、インターネット上において個別に設けられるものであってもよい。
図2は、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1における階層構造の模式的に示している。この図2によれば、例えばCM3aの管轄としては、CE4a−1、CE4a−2、CE4a−3が割り当てられている。CM3bの管轄としては、CE4b−1、CE4b−2、CE4b−3、CE4b−4が割り当てられている。またCM3cの管轄としては、CE4c−1、CE4c−2、CE4c−3が割り当てられている。例えばCM3aは、自らの管轄内にあるCE4a−1、CE4a−2、CE4a−3がそれぞれどのチャネルを利用しているのか、その通信範囲はどの程度か、どの通信規格か、等といった各種通信情報を基本的に全て把握しようとする。把握した通信情報は、CM3内にある図示しない記憶部に記憶される。また自己の管轄内にあるCE4に関する通信情報が更新された場合には、随時アップデートされる場合もある。なお、CM3aは、他のCM3b等の管轄下にあるCE4b−1〜CE4b−4についての通信情報は、当初の段階では分からない状態となっている。
ちなみに、ここでいう通信情報は、チャネル情報に加えて、CM3のIDやネットワークID、サービスエリア、ネットワークの規格や通信方式、各種意思決定の方法等、通信に関するあらゆる情報が含まれる。
CE4は、無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61並びにデバイス62間と、CM3との間における通信を中継し、また共存に関する各種処理を実行するイネーブラーである。このCE4は、実際に無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61内に実装され、そのコーディネータ61によって生成され、又はデバイス62から受信した、共存に関する各種要求や応答をCM3へ送信する。また、このCE4は、CM3から送信されてくる、共存に関する各種要求や応答をコーディネータ61やデバイス62へ送る。CE4は、あくまでイネーブラーとしての役割が主たるものであって、送受信する信号を必要に応じて他の規格のものに置き換えたり、送受信する信号を他の信号に変換する処理を担う。即ち、図1におけるCE4とコーディネータ61との間における点線矢印は、何れもイネーブルを意味する。このCE4は、CM3の下に管轄グループに分かれ、一のCE4が2以上のCM3の管轄グループに属することは無い。
なお、CE4は、それぞれ無線通信ネットワーク6に実装されることから、CE4の判断は、無線通信ネットワーク6(コーディネータ61、デバイス62を含む)自身の判断を代表しているといえる。
TVWSのデータベース5は、プライマリユーザによって既に占有されているチャネルのリストを格納するデータベースである。また、このTVWSのデータベース5は、既に占有されていないチャネルのリストも格納する。
デバイス62は、IEEE802標準に基づいてコーディネータ61との間で無線パケット通信を行うことができ、更にはコーディネータ61を介して他のデバイス62との間で無線パケット通信を行うことができる。このデバイス62は、例えば携帯電話、パーソナルコンピュータ(PC)等を初めとしたモバイル端末等である。
コーディネータ61も同様に上述したデバイス62と構成を同一とするものであってもよい。このコーディネータ61は、無線通信ネットワーク6内における中央制御ユニットとしての役割を担う。また、コーディネータ61にはCE4を装着可能な図示しない装着部が設けられていてもよい。
ちなみに、この無線通信ネットワーク6内には、当該ネットワーク6内の通信を制御するための通信制御局が別途設けられていてもよい。
次に、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1における共存処理動作のコンセプトについて説明をする。
先ず図3(a)に示すように、CE4a−1が実装された無線通信ネットワーク6a−1と、CE4a−2が実装された無線通信ネットワーク6a−2とが十分離間していて、通信可能範囲が重複しない場合には、何ら共存処理を行う必要がない。これに対して図3(b)に示すように、CE4a−1が実装された無線通信ネットワーク6a−1と、CE4a−2が実装された無線通信ネットワーク6a−2とが接近している場合には、互いに通信可能範囲が重複するため干渉領域が形成されることになり、このまま通信を開始すると無線通信ネットワーク6間において干渉が生じてしまう。この干渉領域が形成される程度まで接近している他の無線通信ネットワーク6を以下、隣接する他の無線通信ネットワーク6という。
このような隣接する他の無線通信ネットワーク6が存在する場合には、共存処理を行う必要がある。この共存処理の最も一般的なものとしては、CE4a−1側から共存処理を行う場合において、隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを識別する。このとき、無線通信ネットワーク6と、CE4とが一対一対応の場合には、かかる無線通信ネットワーク6のネットワークIDを介して識別を行うことが可能となる。そして、識別した隣接する他の無線通信ネットワーク6a−2において実際に使用されているチャネルを識別する。仮に無線通信ネットワーク6a−1がチャネルAであり、無線通信ネットワーク6a−2がチャネルBであれば、特に干渉は生じない。これに対して、無線通信ネットワーク6a−1がチャネルAであり、無線通信ネットワーク6a−2がチャネルAであれば、干渉が生じるため、無線通信ネットワーク6a−1のチャネルを他に切り替える共存処理を行う必要性が生じる。
但し、このときCE4a−1は、隣接する他の無線通信ネットワーク6a−2が現在どのチャネルを使用しているのか、他の無線通信ネットワーク6a−2についてのいわゆる通信情報を取得する必要がある。
CE4a−1自身で、或いは無線通信ネットワーク6a−1自身で、同じ管轄グループ内の各CE4(無線通信ネットワーク6)について、下記の表1に示すように、CE4の種別毎にそれぞれの通信情報を取得している場合がある。かかる場合には、その通信情報を参照してチャネルを他に切り替える共存処理を行うことができる。
これに対して、CE4a−1自身が、或いは無線通信ネットワーク6a−1自身が、同じ管轄グループ内の各CE4(無線通信ネットワーク6)ではなく、他のCM3bの管轄下にある4b−1、4b―2管轄のCM3bについて通信情報をもっていない場合について通信情報を取得できていない場合がある。
このため、かかる隣接する他の無線通信ネットワーク6a−2についての通信情報をCDIS2に問い合わせる必要性が出てくる。
表2は、各CM3a、CM3b、CM3cにおいて、自己の管轄内にあるCE4について取得している通信情報の例である。CM3aは、自己の管轄内にある全てのCE4a−1〜4a−3の属するそれぞれの無線通信ネットワーク6の通信情報を取得しているが、他のCM3b、CM3cの管轄内にあるCE4の通信情報は、当初の段階において取得することができない。他のCM3b、3cも自らの管轄内にあるCE4の通信情報のみ取得することができ、他のCM3の管轄内にあるCE4の通信情報は当初の段階において取得することができない。
このため、例えば図3(c)に示すように、隣接する他の無線通信ネットワーク6が、CM3aの管轄ではなく、CM3bの管轄下にある場合には、CE4a−1は単にCM3aに問い合わせるだけでは足りず、CDIS2に問い合わせる必要が出てくる。
表3は、CDIS2において格納されている通信情報テーブルの例である。
CDIS2には、複数のCM3から送信されてくる全ての通信情報に基づいて上述した通信情報テーブルが作成され、記憶されることになる。この通信情報テーブルは、それぞれCM3毎に分類され、さらにその分類されたCM3の管轄する全てのCE4が記述される。即ち、このCDIS2に記憶されている通信情報テーブルを参照することにより、全てのCE4における通信情報を把握することが可能となる。
なお、上述した表1〜表3では通信情報としてチャネルに関する情報を例に挙げて説明をしたが、これらはあくまで一例であって、他の通信情報についても同様に説明することが可能となる。
CDIS2には、複数のCM3から送信されてくる全ての通信情報に基づいて上述した通信情報テーブルが作成され、記憶されることになる。この通信情報テーブルは、それぞれCM3毎に分類され、さらにその分類されたCM3の管轄する全てのCE4が記述される。即ち、このCDIS2に記憶されている通信情報テーブルを参照することにより、全てのCE4における通信情報を把握することが可能となる。
なお、上述した表1〜表3では通信情報としてチャネルに関する情報を例に挙げて説明をしたが、これらはあくまで一例であって、他の通信情報についても同様に説明することが可能となる。
従って、図3(c)に示すように、隣接する他の無線通信ネットワーク6が、他のCM3の管轄下にある場合には、CDIS2に問い合わせをすることにより、かかる通信情報テーブルを参照することで、通信情報を全て把握することが可能となる。
本発明は、かかるコンセプトの下で、このCDIS2に記憶されている通信情報テーブルを参照することを必須のプロセスとして実行する。但し、この参照する通信情報テーブルが過去の通信情報が記述されているのでは、正確な通信情報を取得することができない。このため、実際に共存処理を開始する際には、先ずこのCDIS2に記憶されている通信情報テーブルを更新し、各CE4について最新の通信情報が書き込まれている状態としてから、CDIS2からCM3を介してCE4に通信情報を通知することになる。
以下、本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1の処理動作について説明をする。
先ず図4に示すように、一のCM3aの共に管轄下にある2つのCE4a−1、4a−2が共存処理に関する意思決定主体となる場合を例にとり説明をする。なおCE4の数が3以上であっても同様の技術思想に基づく。
先ずCDIS2に記憶されている通信情報テーブルに対して最新の情報を登録する操作を行う。具体的には、ステップS11、S12においてかかる登録処理を実行する。
先ずステップS11においてCE4a−1、4a−2は、自己の属する無線通信ネットワーク6における通信情報をその管轄下であるCM3aへ送信する。このとき、CM3aのみならず他のCM3の管轄下にある全てのCE4から、その管轄元であるCM3に対してそれぞれの通信情報が送信されることを前提としているが、必ずしもこれに限定されるものではない。CM3は、自己の管轄下にある各CE4から送信されてきた通信情報を必要応じて登録する。
また、ステップS12において、CM3は、各CE4から送信されてきた通信情報をそれぞれ又はまとめてCDIS2へ送信する。CDIS2が複数のCM3からアクセス可能である場合には、その全ての複数のCM3から通信情報が送信されることを前提としているが、それに限定されるものではない。なお、図1中において、ステップS12が上位に、またステップS11が下位にきているが、何れを先に実行するようにしてもよい。
仮にステップS12を先に実行し、ステップS11を後に実行する場合には、先ずCM3内にある最新の通信情報をCDIS2へ送信した後、各CE4から通信情報が送信されてくる。そしてCM3は、かかるCE4からの通信情報に基づき自己の記憶しているCE4毎の通信情報を更新し、その後CDIS2へとこれを送信することになる。
CDIS2には、全てのCM3から通信情報が送信されてくる。ちなみに、このCM3から送信されてくる通信情報は、CE4からの最新の通信情報に更新されている。この通信情報には、CE4の属する無線通信ネットワーク6の最新の位置情報も当然に含まれることから、各無線通信ネットワーク6の最新の位置情報がCDISにおいて更新されていると考えることもできる。このため、CDIS2には、基本的には、全てのCE4から最新の通信情報(位置情報)が集められ、表3に示す通信情報テーブルが最新の状態に更新されることになる。
以上のステップS11、12は、いわゆる最新の通信情報を探索する探索ステップとされている。次にステップS13へと移行する。このステップS13以降では、実際に共存処理をおこなうための制御を行う、いわゆる共存制御ステップとなる。
ステップS13では、先ず共存処理を試みようとするCE4a−1とCE4a−2から共存処理要求をCM3を介してCDIS2へ送信する。この共存処理要求には、隣接する他の無線通信システム6の存在と、例えばチャネル情報等を始めとしたその通信情報を問い合わせるためのコマンドが記述されている。CE4a−1、CE4a−2は、先ずCM3a−1へこの共存処理要求を通知し、CM3a−1は、自らのデータベースに記憶されている管轄内の他のCE4について隣接通信情報を確認する。その結果、CM3a−1内のデータベースに隣接通信情報が格納されている場合には、CDIS2に問い合わせることなく、CE4a−1、CE4a−2へその隣接通信情報を送信する。これに対して、CM3a−1内のデータベースに隣接通信情報が格納されていない場合には、CDIS2へかかる共存処理要求を送信する。
共存処理要求を受けたCDIS2は、ステップS11、12において作成した通信情報テーブルを参照し、CE4a−1とCE4a−2の属する無線通信ネットワーク6a−1、無線通信ネットワーク6a−2に隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを判別する。この判別は、通信情報の中の一つである各無線通信ネットワーク6の位置情報に基づいて判別するようにしてもよい。そして、この隣接する他の通信ネットワーク6の通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをCM3aを介してCE4a−1、CE4a−2へそれぞれ送信する。この隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報を以下、隣接通信情報という。このときCM3aは、CE4a−1に対して無線通信ネットワーク6a−1に隣接する他の無線通信ネットワーク6における隣接通信情報を送信し、CE4a−2に対して無線通信ネットワーク6a−2に隣接する他の無線通信ネットワーク6における隣接通信情報を送信することになる。
次にステップS14へ移行し、複数の各CE4a−1、4a−2は、双方向で通信を行うことにより互いの情報を共有する。ここでいう情報の共有とは、CE4a−1における自らの通信情報並びに取得した隣接通信情報と、CE4a−2における自らの通信情報並びに取得した隣接通信情報とを互いに交換して情報を共有することを意味する。
次にステップS15へ移行し、CE4a−1、4a−2は、互いに通信を行い、いわゆるネゴシエーションを行う。このネゴシエーションでは、それぞれのチャネルや通信規格等の取り決めを行う。例えば、CE4a−1が採用しようとしている通信規格やチャネルが、CE4b−2と抵触してしまう場合には、互いにネゴシエーションを行うことにより、抵触いないように調整することができる。
次にステップS16へ移行し、CE4a−1、4a−2は、共存処理のための各種意思決定を行う。なお、実際はCE4自身が意思決定を行っているのではなく、CE4が実装されたコーディネータ61が意思決定を行うことになる。このため、CE4が意思決定を行う場合というのは、CE4が装着されたコーディネータ61が実際に意思決定を行っているものと解される。このステップS16において、CE4a−1、4a−2は、自己が属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6における通信情報が既に送信されてきている。このためCE4a−1、4a−2は、この隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。このとき、ステップS15において行われたネゴシエーションの結果にも基づいて共存処理を実行する。
そして、このステップS16における共存処理の結果、CE4a−1、4a−2は、実装されている無線通信ネットワーク6のチャネルを変更又は更新すべき旨の意思決定を行った場合には、ステップS17において新たな通信条件の再設定を行う。この通信条件の再設定では、CE4a−1、4a−2が実装されている無線通信ネットワーク6について、新たに変更又は更新されたチャネルに再設定する処理を行う。その結果、これ以降の無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61とデバイス62との間における無線通信は、その新たに再設定された通信条件に基づいて、ひいては新たに再設定されたチャネルで行われる。
次にステップS18へ移行し、CE4a−1、4a−2からCM3aに対して、再設定された通信条件に応じた新たな通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。その結果、CM3aにおいて記憶されている各CE4a−1、4a−2の新たな通信情報が最新の状態に更新されることになる。
また、次にステップS19へ移行し、CM3aからCDIS2に対して通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。その結果、CDIS2において記憶されている全てのCM3aの管轄下にある各CE4a−1、4a−2の通信情報が最新の状態に更新されることになる。
更にステップS20へ移行し、CM3aから各CE4a−1、4a−2に、通信情報のアップデートの通知を行う。このステップS20では、CE4a−1に対しては、4a−2がアップデートされたことについての通知を行い、CE4a−1に対しては、4a−2がアップデートされたことについての通知を行う。
上述した例では、あくまで共存処理の意思決定対象がCE4である場合について説明をしたがCE4は上述したようにイネーブラーとしての機能しか発揮しえない場合もある。このため、上述したCE4における実際の意思決定は、CE4が実装されたコーディネータ61が行う場合もある。かかる場合には、上述したCE4をコーディネータ61に読み替えるものとする。
なお、CDIS2の代替としてデータベース5を使用するようにしてもよい。かかる場合にはTVWSに関するチャネル情報も盛り込まれた情報がCE4へと送信されることになる。
本発明は、共存処理の意思決定対象がCE4である場合に限定されるものではない。例えば図5に示すように共存処理の意思決定対象がCE4a−1とCM3aであってもよい。即ち、この図5では、共存に関する意思決定主体が一のCM3aの管轄内にある一のCE4a−1と、他のCE4a−2のための処理も実行するCM3aである。
以下、このCE4a−1とCM3aとが共存処理の意思決定を行う場合の例について図面を参照しながら詳細に説明をする。
先ずステップS11、ステップS12の探索ステップは、上述した図5の処理と同一であるため、同一のステップ符号を付すことにより以下での説明を省略する。
ステップS21では、共存処理を試みようとするCE4a−1とCM3aから共存処理要求をCDIS2へ送信する。ちなみにCE4a−1は、CM3aを介してCDIS2へ共存処理要求を送信することは勿論である。かかる共存処理要求を受けたCDIS2は、ステップS11、12において作成した通信情報テーブルを参照し、当該一のCM3aの管轄下にあるCE4a−1、CE4a−2に属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを判別する。そして、この隣接する他の通信ネットワーク6の通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをCM3aへ送信する。
次にステップS22へ移行し、CE4a−1、CM3aは、双方向で通信を行うことにより互いの情報を共有する。次に、CE4a−1、CM3aは、ステップS23において互いに通信を行い、いわゆるネゴシエーションを行う。このネゴシエーションでは、それぞれのチャネルや通信規格等の取り決めを行う。
次にステップS24へ移行し、先ずCE4a−1が共存処理のための各種意思決定を行う。このステップS24において、CE4a−1は、自己が属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6における通信情報が既に送信されてきている。このためCE4a−1は、この隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。かかる共存処理では、上述したステップS23におけるネゴシエーションの結果も参照して行う。
そして、このステップS24における共存処理の結果、CE4a−1は、自らが実装されている無線通信ネットワーク6のチャネルを変更又は更新すべき旨の意思決定を行った場合には、ステップS25において新たな通信条件の再設定を行う。この通信条件の再設定では、CE4a−1が実装されている無線通信ネットワーク6について、新たに変更又は更新されたチャネルに再設定する処理を行う。
その結果、これ以降の無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61とデバイス62との間における無線通信は、その新たに再設定され.た通信条件に基づいて、ひいては新たに再設定されたチャネルで行われる。
ステップS26へ移行し、CE4a−1は、共存処理を実行してその結果得られる新たな通信条件をCM3aへアップデートする処理を行う。その結果、このCM3a内にあるデータベースについて、CM3aのアップデートの結果が更新されることになる。
次にステップS27へ移行し、CM3aは、かかるCE4a−1によるアップデートの結果に基づいてCDIS2に対するアップデートを行う。その結果、CDIS2における通信情報テーブルが更新されることになる。
次にステップS28へ移行し、CM3aが共存処理のための各種意思決定を行う。上述したようにCE4a−2自身は特に自ら共存に関する意思決定を行う能力は持っていない。このため、CM3aは、あくまでCE4a−2のために処理を行うものであり、CM3aは、かかるCE4a−2の属する無線通信ネットワーク6a−2に隣接する他の無線通信ネットワーク6における通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。また、CM3aはこれに加えて、ステップS23において行われたネゴシエーションの結果、並びにステップS26において行われたアップデートの結果にも基づいて共存処理を実行する。
そして、このステップS28における共存の意思決定の結果、CM3aは、自らが制御するCE4a−2を実装する無線通信ネットワーク6a−2のチャネルを変更又は更新すべき旨の意思決定を行った場合には、ステップS29において新たな通信条件の再設定を行う。この通信条件の再設定では、CE4a−2が実装されている無線通信ネットワーク6a−2について、新たに変更又は更新されたチャネルに再設定する処理を行う。
その結果、これ以降の無線通信ネットワーク6におけるコーディネータ61とデバイス62との間における無線通信は、その新たに再設定され.た通信条件に基づいて、ひいては新たに再設定されたチャネルで行われる。
次にステップS19へ移行し、CM3aは、かかるCM3aによる共存の意思決定結果に基づいてCDIS2に対するアップデートを行う。その結果、CDIS2における通信情報テーブルが更新されることになる。
次にステップS31へ移行し、CM3aから各CE4a−1に、通信情報のアップデートの通知を行う。このステップS31では、CE4a−1に対しては、4a−2がアップデートされたことについての通知を行う。
このように、本発明では、共存処理の意思決定主体が、CM3であっても、CE4(コーディネータ61)であっても、IEEE802.19.1システムにおいて、隣接する他の無線通信システムを漏れなく見つけ出して、高精度な干渉防止のための共存処理を行うことが可能となる。
特に本発明では、隣接通信情報を共有した上で、意思決定主体間でネゴシエーションを行う。このため、2以上の意思決定主体がともに共存処理を行う際において、互いの通信条件が抵触してしまうのを防止することが可能となる。
図6は、CM3aの管轄下にあるCE4a−1が実装された無線通信システム6a−1と、CM3aの管轄下にあるCE4b−1が実装された無線通信システム6b−1とが、共存の意思決定主体となる場合のフローチャートである。以下、この意思決定主体を便宜上、この無線通信システム6に実装されたCE4として説明する場合もある。この図6では、意思決定主体であるCE4a−1(無線通信システム6a−1)、CE4b−1(無線通信システム6b−1)が、互いに異なるCM3a、CM3bの管轄下にある場合を例に挙げている。
先ず、上述したS11、12と同様の探索ステップを終了させた後、ステップS13以降の共存制御ステップへ移行する。
ステップS13では、先ず共存処理を試みようとするCE4a−1からCM3aを介してCDIS2へ、また共存処理を試みようとするCE4b−1からCM3bを介して共存処理要求をCDIS2へ送信する。CE4a−1、CE4b−1は、自らの管轄元であるCM3a、CM3bへこの共存処理要求を通知し、CM3a、CM3bは、自らのデータベースに記憶されている管轄内の他のCE4について隣接通信情報を確認する。その結果、CM3a、CM3b内のデータベースに隣接通信情報が格納されている場合には、CDIS2に問い合わせることなく、CE4a−1、CE4b−1へその隣接通信情報を送信する。これに対して、CM3a、CM3b内のデータベースに隣接通信情報が格納されていない場合には、CDIS2へかかる共存処理要求を送信する。
共存処理要求を受けたCDIS2は、ステップS11、12において作成した通信情報テーブルを参照し、CE4a−1とCE4b−1の属する無線通信ネットワーク6a−1、無線通信ネットワーク6b−1に隣接する他の無線通信ネットワーク6が何であるかを判別する。そして、この隣接する他の通信ネットワーク6の隣接通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをCM3aを介してCE4a−1へ、またCM3bを介してCE4b−1へそれぞれ送信する。
次にステップS14へ移行し、CE4a−1(無線通信システム6a−1)、CE4b−1(無線通信システム6b−1)は、双方向で通信を行うことにより互いの情報を共有する。次にステップS15へ移行し、CE4a−1(無線通信システム6a−1)、CE4b−1(無線通信システム6b−1)は、互いに通信を行い、上述したようにネゴシエーションを行う。
次にステップS16へ移行し、CE4a−1(無線通信システム6a−1)、CE4b−1(無線通信システム6b−1)は、共存処理のための各種意思決定を行う。このステップS16において、CE4a−1、CE4b−1は、自己が属する無線通信ネットワーク6に隣接する他の無線通信ネットワーク6における通信情報が既に送信されてきている。このためCE4a−1、CE4b−1は、この隣接する他の無線通信ネットワーク6の通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。このとき、ステップS15において行われたネゴシエーションの結果にも基づいて共存処理を実行する。
そして、このステップS16における共存処理の結果、CE4a−1、4b−1は、実装されている無線通信ネットワーク6のチャネルを変更又は更新すべき旨の意思決定を行った場合には、ステップS17において新たな通信条件の再設定を行う。
次にステップS18へ移行し、CE4a−1からCM3aに対して、CE4b−1からCM3bに対して、再設定された通信条件に応じた新たな通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。その結果、CM3a、3bにおいて記憶されている各CE4a−1、4b−1の新たな通信情報が最新の状態に更新されることになる。
また、次にステップS19へ移行し、CM3a、3bからCDIS2に対して通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。その結果、CDIS2において記憶されている全てのCM3a、3bの管轄下にある各CE4a−1、4b−1の通信情報が最新の状態に更新されることになる。
更にステップS20へ移行し、CM3aからCE4a−1に、CM3bから4b−1に、通信情報のアップデートの通知を行う。このステップS20では、CE4a−1に対しては、4b−1がアップデートされたことについての通知を行い、CE4b−1に対しては、4a−1がアップデートされたことについての通知を行う。かかる通知を受けたCE4は、その旨をそれぞれ実装されている無線通信ネットワーク6へ送る。
図7は、2つの異なるCM3aと、CM3bとが、共存の意思決定主体となる場合のフローチャートである。
先ずステップS11、ステップS12の探索ステップは、上述した図5の処理と同一であるため、同一のステップ符号を付すことにより以下での説明を省略する。
ステップS21では、共存処理を試みようとするCM3aとCM3bから共存処理要求をCDIS2へ送信する。かかる共存処理要求を受けたCDIS2は、ステップS11、12において作成した通信情報テーブルを参照し、CM3aに対して、その管轄下にある全てのCE4がそれぞれ実装される無線通信ネットワーク6の隣接通信情報を、またCM3bに対して、その管轄下にある全てのCE4がそれぞれ実装される無線通信ネットワーク6の隣接通信情報を通信情報テーブルから取得し、これをそれぞれCM3a、CM3bへ送信する。次に、CM3a、CM3bはそれぞれ管轄下にある各CEと通信を行うことにより、共存処理を行って欲しいCE4(無線通信ネットワーク6)を判別する。この図7は、共存処理を行って欲しいCEがCM3aの管轄下においては4a−1であり、CM3bの管轄下においては4b−1である場合の例である。
次にステップS32へ移行し、CM3a、CM3bは、双方向で通信を行うことにより互いの情報を共有する。次にステップS33へ移行し、CM3a、CM3bは、互いに通信を行い、上述したようにネゴシエーションを行う。
次にステップS28に移行し、CM3a、CM3bが共存処理のための各種意思決定を行う。CE4a−1、CE4b−1またこれらが実装される無線通信ネットワーク6自身は特に自ら共存に関する意思決定を行う能力は持っていない。このため、CM3aは、あくまで管轄下のCE4a−1のために、またCM3bは、管轄下のCE4b−1のために処理を行うものである。CM3aは、かかるCE4a−1の属する無線通信ネットワーク6a−1に隣接する他の無線通信ネットワーク6の隣接通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。CM3bは、かかるCE4b−1の属する無線通信ネットワーク6b−1に隣接する他の無線通信ネットワーク6の隣接通信情報に基づいて、これと通信干渉を防止するための共存処理を実行する。また、CM3a、3bはこれに加えて、ステップS33において行われたネゴシエーションの結果にも基づいて共存処理を実行する。
そして、このステップS28における共存の意思決定の結果、CM3aは、自らが制御するCE4a−1を実装する無線通信ネットワーク6a−1について、新たに変更又は更新されたチャネルに再設定する処理を行う。CM3bは、自らが制御するCE4b−1を実装する無線通信ネットワーク6b−1について、新たに変更又は更新されたチャネルに再設定する処理を行う。
次にステップS19へ移行し、CDIS2に対するアップデートを行い、ステップS34へ移行し、CDIS2からCM3へアップデートされたことについての通知がなされる。
図8は、共存処理の意思決定対象がCE4a−1とCM3bである場合の例である。い。即ち、この図5では、共存に関する意思決定主体が一のCM3aの管轄内にある一のCE4a−1(これが実装される無線通信ネットワーク6a−1)と、CM3aとは異なる他のCM3bである。
先ずステップS11、ステップS12の探索ステップは、上述した図5の処理と同一であるため、同一のステップ符号を付すことにより以下での説明を省略する。
ステップS35では、共存処理を試みようとするCE4a−1とCM3bが上述と同様にCDIS2に隣接通信情報を問い合わせ、CDIS2は、それぞれの隣接通信情報を通信情報テーブルから取得し、CE4a−1、CM3bへ送信する。CE4a−1は、自らが実装される無線通信ネットワーク6a−1の隣接通信情報をCDIS2に問い合わせし、それを実際にCDIS2から受信する。これに対して、CM3bは、自らの管轄下にある全てのCE4がそれぞれ実装される無線通信ネットワーク6の隣接通信情報を取得している。この図7は、共存処理を行って欲しいCE4がCM3bの管轄下においては4b−1である場合の例である。
次にステップS32へ移行し、CE4a−1、CM3bは、双方向で通信を行うことにより互いの情報を共有する。次にステップS33へ移行し、CE4a−1、CM3bは、互いに通信を行い、上述したようにネゴシエーションを行う。
その後CE4a−1が実装される無線通信ネットワーク6a−1は、ステップS16において、またCM3bは、ステップS28において、上述と同様の共存に関する意思決定を行う。CE4a−1が実装される無線通信ネットワーク6a−1は、その後ステップS17において再設定処理を行う。また、CM3bは、CE4b−1に対して再設定処理を行う。
次にステップS18へ移行し、CE4a−1からCM3aに対して、再設定された通信条件に応じた新たな通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。また、次にステップS19へ移行し、CM3aからCDIS2に対して通信情報を更新する、いわゆる登録アップデートを行う。
また、ステップS34へ移行し、CDIS2からCM3へ更にはCE4へアップデートされたことについての通知がなされる。
本発明を適用した無線通信ネットワーク間の共存システム1は、上述した図4〜8のフローチャートをベースにしたものであるが、その細かい処理フローは以下に説明するとおりである。
図9(a)は、上述したステップS19における処理の詳細を示している。CM3aは、CM_CDIS_RegistrationUpdate_RequestをCDIS2へ送信する。このCM_CDIS_RegistrationUpdate_Requestは、CDIS2に対して新たな通信情報のアップデートを要求するためのメッセージであり、更新すべき各種通信情報が含まれている。CDIS2は、かかるCM_CDIS_RegistrationUpdate_Requestを受けて、通信情報テーブルをアップデートする。このアップデートの具体的な指示内容もこのCM_CDIS_RegistrationUpdate_Requestに含まれるが、これは新たな情報の追加、既にある情報の変更、既にある情報の削除等である。かかるアップデートを終了させた後、CDIS2は、CM3aに対してCM_CDIS_RegistrationUpdate_Confirmを送信する。このCM_CDIS_RegistrationUpdate_Confirmを受けてCM3aは、かかるCDIS2においてアップデートが終了したことを判別することができる。また、CDIS2は、CM3aとは異なる他のCM3bに対して、CM_CDIS_RegistrationUpdate_Announcementを送信する。CM3bは、かかるCM_CDIS_RegistrationUpdate_Announcementを受けて自らのデータベースを更新するとともに、そのCM3bの管轄下にあるCE4b−1が自ら意思決定できる場合のみ、CM_CE_RegistrationUpdate_Announcementを送信し、これを受信したCE4b−1は、自らが装着される無線通信ネットワーク6b−1のデータベースのアップデートを行う。
また図9(b)は、互いに異なるCM3a、CM3bの管轄下にあるCE4a−1と、CE4b−1(これが実装される無線通信ネットワーク6を意味する)との間で情報を送受信する例を示している。この処理を行う上では、CE4、CM3への通信情報の登録が終了していることが前提となる。
CE4a−と、CE4b−1は直接的に情報を送受信することができない。管轄元であるCM3a、CM3bを介して情報を送受信する。
先ずCE4a−1は、CM_CE_Info-Acquiring_RequestをCM3aへ送信する。CM_CE_Info-Acquiring_Requestには、実際にCE4b−1に送信を要求したい情報がコマンドとして記述されている。これを受信したCM3aは、CM3bへCM_CM_Info-Acquiring_Requestを送信する。これを受信したCM3bは、CE4b−1へCM_CE_Info-Acquiring_Requestを送信する。CE4b−1は、CM_CE_Info-Acquiring_Requestを受信し、要求を受けている情報をCM_CE_Info-Acquiring_Responseに含めてCM3bへ送る。CM3bは、その情報を含めたCM_CM _Info-Acquiring_ResponseをCM3aへ送る。CM3aは、その情報を含めたCM_CE_Info-Acquiring_ResponseをCE4a−1へ送信する。
図9(c)は、CM3aの管轄下にあるCE4a−1(これが実装される無線通信ネットワーク6を意味する)が、他のCM3b(又はCDIS2)から情報を受信する例を示している。この処理を行う上では、CE4、CM3への通信情報の登録が終了していることが前提となる。
先ずCE4a−1は、CM_CE_Info-Acquiring_RequestをCM3aへ送信する。CM_CE_Info-Acquiring_Requestには、実際にCM3b(又はCDIS2)に送信を要求したい情報がコマンドとして記述されている。これを受信したCM3aは、CM3b(又はCDIS2)へCM_CM(CDIS)_Info-Acquiring_Requestを送信する。これを受信したCM3b(又はCDIS2)は、要求を受けている情報をCM_CM(CDIS)_Info-Acquiring_Requestに含めてCM3aへ送る。CM3aは、その情報を含めたCM_CE_Info-Acquiring_ResponseをCE4a−1へ送信する。
図10(a)は、一のCM3aの管轄下にあるCE4a−1、CE4a−2(CDIS2)間でステップS14に示すような情報の共有を行う場合の詳細なフローチャートである。CM3の登録が既に完了しており、更にCM3においてCE4a−1、CE4a−2(CDIS2)が既に登録されているものとする。
このとき、先ずCE4a−1は、CM_CE_Info-Sharing_RequestをCM3aに送信する。このCM_CE_Info-Sharing_Requestには、実際に通信情報を共有したい無線通信ネットワーク6のリスト等が含められていてもよい。CM3aは、かかるCM_CE_Info-Sharing_Requestを受けて、CM_CE(CDIS)_Info-Sharing_Requestを、CE4a−2(CDIS2)へ送信する。CE4a−2(CDIS2)は、これを受けて、仮に通信情報を共有したい無線通信ネットワーク6のリストに記載されているいくつかの中から、CE4a−2に共有させてもよいものを記述した、CM_CE(CDIS)_Info-Sharing_Responseを、CM3aに送信する。CM3aはこれを受けて、CM_CE_Info-Sharing_ResponseをCE4a−1へ送信する。CE4a−1は、このCM_CE_Info-Sharing_Responseを受信して読み取ることにより、CE4a−2側において共有させてもよい通信情報を知ることができる。
次にCE4a−1は、CM_CE_Info-Provision_RequestをCM3aへ送信する。このCM_CE_Info-Provision_Requestは、実際に通知された共有可能な通信情報について、その具体的な情報の内容の送信を要求するためのメッセージである。CM3aはこれを受けて、CM_CE(CDIS)_Info-Provision_RequestをCE4a−2(CDIS2)へ送信する。CE4a−2(CDIS2)は、このCM_CE(CDIS)_Info-Provision_Requestを受信した場合に、共有可能な通信情報の具体的な内容をCM_CE(CDIS)_Info-Provision_ Responseに記述して、CM3aへ返す。CM3aは、これを受けてCM_CE_Info-Provision_ ResponseをCE4a−1へ送信する。CE4a−1(具体的には、これが実装された無線通信ネットワーク4a−1)は、かかるCM_CE(CDIS)_Info-Provision_ Responseから具体的な共有可能な通信情報の内容を読み取ることが可能となる。
図10(b)は、ステップS22に示すように一のCM3aの管轄下にあるCE4a−1が係るCM3aとの間で実際に情報を共有する場合の詳細なフローチャートである。CM3の登録が既に完了しており、更にCM3においてCE4a−1、CE4a−2(CDIS2)が既に登録されているものとする。
先ずCE4a−1は、CM_CE_Info-Sharing_RequestをCM3aに送信する。このCM_CE_Info-Sharing_Requestには、実際に通信情報を共有したい無線通信ネットワーク6のリスト等が含められていてもよい。CM3aは、かかるCM_CE_Info-Sharing_Requestを受けて、通信情報を共有したい無線通信ネットワーク6のリストに記載されているいくつかの中から、CE4a−1に共有させてもよいものを記述した、CM_CE_Info-Sharing_Responseを、CE4a−1に送信する。CE4a−1は、このCM_CE_Info-Sharing_Responseを受信して読み取ることにより、CE4a−2側において共有させてもよい通信情報を知ることができる。
次にCE4a−1は、CM_CE_Info-Provision_RequestをCM3aへ送信する。このCM_CE_Info-Provision_Requestは、実際に通知された共有可能な通信情報について、その具体的な情報の内容の送信を要求するためのメッセージである。CM3aはこれを受けて、共有可能な通信情報の具体的な内容をCM_CE_Info-Provision_ Responseに含めてCE4a−1へ送信する。CE4a−1(具体的には、これが実装された無線通信ネットワーク4a−1)は、かかるCM_CE_Info-Provision_ Responseから具体的な共有可能な通信情報の内容を読み取ることが可能となる。
図11は、CM3aの管轄下にあるCE4a−1が実装された無線通信システム6a−1と、CM3bの管轄下にあるCE4b−1が実装された無線通信システム6b−1とが、共存の意思決定主体となる場合において、図6のステップS14に示す情報の共有を行う例を示している。なお図11では、ステップP、ステップQの何れかが採用されることになる。
先ずCE4a−1は、CM_CE_Info-Sharing_RequestをCM3aに送信する。このCM_CE_Info-Sharing_Requestには、実際に通信情報を共有したい相手側の無線通信ネットワーク6、並びに実際に共有したい通信情報のリスト等が含められている。CM3aは、かかるCM_CE_Info-Sharing_Requestを受けて、先ずCDIS2に対してCM_CDIS_GetDestinationCM__Requestを送信する。このCM_CDIS_GetDestinationCM__Requestには、実際に相手側の無線通信ネットワーク6を管轄するCM3のアドレスを教えて欲しい旨のメッセージが記述されている。CDIS2は、かかるCM_CDIS_GetDestinationCM__Requestを受け、相手側の無線通信ネットワーク6を管轄するCM3(この図11の例ではCM3b)のアドレスをCM_CDIS_GetDestinationCM__Requestに含めてCM3aに送信する。これを受信したCM3aは、今後CM3bと通信をすればよいことが分かり、しかもそのアドレスを取得することが可能となる。
次に図中ステップPに示すようにCM3aは、CM_CM_Info-Sharing_RequestをCM3bへ直接的に送信し、これを受けたCM3bは、その管轄下であってしかも信情報を共有したい相手側の無線通信ネットワーク6b−1に実装されたCE4b−1へ向けてCM_CE_Info-Sharing_Requestを送信する。CE4b−1は、これを受けて、仮にCE4a−1に共有させてもよい通信情報のリストを記述した、CM_CE_Info-Sharing_Responseを、CM3bに送信する。CM3bはこれを受けて、CM_CM_Info-Sharing_ResponseをCM3aへ送信し、CE4a−1は、CM3aからCM_CE_Info-Sharing_Responseを受信して読み取る。その結果CE4a−1(これが実装された無線通信ネットワーク6a−1)は、CE4a−1側において共有させてもよい通信情報のリストを知ることができる。
次にCE4a−1は、CM_CE_Info-Provision_RequestをCM3aへ送信する。CM3aはこれを受けて、CM_CM_Info-Provision_RequestをCM3bへ送信する。CM3bは、CM_CE_Info-Provision_RequestをCE4b−1へ送信する。これを受けたCE4b−1は、共有可能な通信情報の具体的な内容をCM_CE_Info-Provision_ Responseに記述して、CM3bへ返す。CM3bは、これを受けて、CM3aにCM_CM_Info-Provision_ ResponseをCE3aに送信する。CM3aは、CM_CE_Info-Provision_ ResponseをCE4a−1へ送信する。CE4a−1(具体的には、これが実装された無線通信ネットワーク4a−1)は、かかるCM_CE_Info-Provision_ Responseから具体的な共有可能な通信情報の内容を読み取ることが可能となる。
なお、このステップPのようにCM3aとCM3bとの間で直接的に情報の送受信をする場合に限定されることなく、ステップQのようにCM3aとCM3bとの間でCDIS2を介して情報を送受信するようにしてもよい。
図12は、図7のステップS32に示すようにCM3a、CM3b間において通信情報を行う場合の詳細なフローチャートである。図12では、ステップP、ステップQの何れかが採用されることになる。
CDIS2に信情報を共有したい相手側の無線通信ネットワーク6のアドレスを要求するCM_CDIS_GetDestinationCM__Request、CM_CDIS_GetDestinationCM__Requestの送受信の説明は上述した図11の説明を引用することで以下での説明を省略する。
また、その後のCM_CM_Info-Sharing_RequestをCM3bへ直接的に送信し、これを受けたCM3bは、CM3aに共有させてもよい通信情報のリストを記述した、CM_CM_Info-Sharing_ResponseをCM3aへ送信し、その結果CMaは、CE4a−1側において共有させてもよい通信情報のリストを知ることができる。
次にCM3aは、M_CM_Info-Provision_RequestをCM3bへ送信し、これを受けたCM3bは、共有可能な通信情報の具体的な内容をCM_CM_Info-Provision_ Responseに記述して、CM3aへ返す。CM3aは、かかるCM_CM_Info-Provision_ Responseから具体的な共有可能な通信情報の内容を読み取ることが可能となる。
なお、このステップPのようにCM3aとCM3bとの間で直接的に情報の送受信をする場合に限定されることなく、ステップQのようにCM3aとCM3bとの間でCDIS2を介して情報を送受信するようにしてもよい。
図13は、CM3aの管轄下にあるCE4a−1が実装された無線通信システム6a−1と、CM3bとが、共存の意思決定主体となる場合において、図8のステップS36に示す情報の共有を行う例を示している。
CDIS2に信情報を共有したい相手側の無線通信ネットワーク6のアドレスを要求するCM_CDIS_GetDestinationCM__Request、CM_CDIS_GetDestinationCM__Requestの送受信の説明は上述した図11の説明を引用することで以下での説明を省略する。
次に図中ステップPに示すようにCM3aは、CM_CM_Info-Sharing_RequestをCM3bへ直接的に送信し、これを受けたCM3bは、CE4a−1に共有させてもよい通信情報のリストを記述した、CM_CM_Info-Sharing_ResponseをCM3aへ送信し、CE4a−1は、CM3aからCM_CE_Info-Sharing_Responseを受信して読み取る。その結果CE4a−1(これが実装された無線通信ネットワーク6a−1)は、CE4a−1側において共有させてもよい通信情報のリストを知ることができる。
次にCE4a−1は、CM_CE_Info-Provision_RequestをCM3aへ送信する。CM3aはこれを受けて、CM_CM_Info-Provision_RequestをCM3bへ送信する。CM3bは、共有可能な通信情報の具体的な内容をCM_CM_Info-Provision_ Responseに記述して、CM3aに返す。CM3aは、CM_CE_Info-Provision_ ResponseをCE4a−1へ送信する。CE4a−1(具体的には、これが実装された無線通信ネットワーク4a−1)は、かかるCM_CE_Info-Provision_ Responseから具体的な共有可能な通信情報の内容を読み取ることが可能となる。
なお、このステップPのようにCM3aとCM3bとの間で直接的に情報の送受信をする場合に限定されることなく、ステップQのようにCM3aとCM3bとの間でCDIS2を介して情報を送受信するようにしてもよい。
図14は、一のCM3aの管轄下にあるCE4a−1、CE4a−2間でステップS15に示すようなネゴシエーションを行う場合の詳細なフローチャートである。ステップS11、12が完了しているものとする。なお、この図13において、ステップR、ステップS、ステップTの何れかが採用されることになる。
先ずステップRに示すように、CE4a−1は、CM_CE_Proposal_NegotiateをCM3aを介してCE4a−2へ送信する。このCM_CE_Proposal_Negotiateは、相手側に対してネゴシエーションの提案をするものであり、その具体的な内容としては、実際に通信のスケジュールの提案、使用するチャネルの提案などが含まれている。CE4a−2は、かかる提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM3aを介してCM_CE_Proposal_CompleteをCE4a−1へ送信する。CE4a−1(具体的には、これが実装される無線通信ネットワーク6a−1)は、かかるCM_CE_Proposal_Completeを受信することにより、CE4a−2に対して行った提案が受け入れられたか否かを識別することが可能となる。
なお、ステップSに示すように、CM_CE_Proposal_Negotiateを受けたCE4a−2から、CE4a−1に対して別の提案がなされる場合がある。この別の提案は、CE4a−2によりCM_CE_Proposal_Negotiateに含められ、CM3aを介してCE4a−1へ送信される。CE4a−1は、かかるCM_CE_Proposal_Negotiateの提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM3aを介してCM_CE_Proposal_CompleteをCE4a−2へ送信する。CE4a−2(具体的には、これが実装される無線通信ネットワーク6a−2)は、かかるCM_CE_Proposal_Completeを受信することにより、CE4a−1に対して行った提案が受け入れられたか否かを識別することが可能となる。
ステップTに示すように、CE4a−1は、CE4a−2から別の提案を受けたときに、更に別の提案をして、これをCM_CE_Proposal_Negotiateに記述してCE4a−2へ送信するようにしてもよい。
このようにして、互いにネゴシエーションをする両者間で互いに、提案を行うことができ、それに対する拒絶又は承認が確定するまで連続するものであってもよい。
図15は共存処理の意思決定対象がCE4a−1とCM3aである場合における図5のステップS23のネゴシエーションの詳細なフローチャートである。即ち、この図13では、共存に関する意思決定主体が一のCM3aの管轄内にある一のCE4a−1と、他のCE4a−2のための処理も実行するCM3aである。
先ずステップRに示すように、CE4a−1は、CM_CE_Proposal_NegotiateをCM3aへ送信する。CM3aは、かかる提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM_CE_Proposal_CompleteをCE4a−1へ送信する。CE4a−1(具体的には、これが実装される無線通信ネットワーク6a−1)は、かかるCM_CE_Proposal_Completeを受信することにより、CE4a−2に対して行った提案が受け入れられたか否かを識別することが可能となる。
なお、ステップSに示すように、CM_CE_Proposal_Negotiateを受けたCM3aから、CE4a−1に対して別の提案CM_CE_Proposal_Negotiateが送信される場合もあり、CE4a−1は、かかるCM_CE_Proposal_Negotiateの提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM3aへCM_CE_Proposal_Completeを送信する。
更にステップTに示すように、そのネゴシエーションの提案が連続的に行われるものであってもよい。
図14は、CM3aの管轄下にあるCE4a−1が実装された無線通信システム6a−1と、CM3bの管轄下にあるCE4b−1が実装された無線通信システム6b−1とが、共存の意思決定主体となる場合において、図6のステップS15に示すように、ネゴシエーションを行う例を示している。なお図14では、ステップR、ステップS、ステップTの何れかが採用されることになる。
先ずステップRに示すように、CE4a−1は、CM_CE_Proposal_NegotiateをCM3a、CM3bを介してCE4b−1へ送信する。CE4b−1は、かかる提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM3b、CM3aを介してCM_CE_Proposal_CompleteをCE4a−1へ送信する。なお、上述した通信においてCM3a、CM3b間においてCM_CM_Proposal_Negotiate、CM_CM_Proposal_Completeを介して情報が送受信されることになる。CE4a−1(具体的には、これが実装される無線通信ネットワーク6a−1)は、かかるCM_CE_Proposal_Completeを受信することにより、CE4b−1に対して行った提案が受け入れられたか否かを識別することが可能となる。
なお、ステップSに示すように、CM_CE_Proposal_Negotiateを受けたCE4b−1から、別の提案CM_CE_Proposal_Negotiateが送信される場合もあり、CE4a−1は、かかるCM_CE_Proposal_Negotiateの提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、再びCE4a−1へCM_CE_Proposal_Completeを送信する。
更にステップTに示すように、そのネゴシエーションの提案が連続的に行われるものであってもよい。
図17は、CM3aとCM3bとが、共存の意思決定主体となる場合において、図7のステップS33に示すように、ネゴシエーションを行う例を示している。なお図15では、ステップR、ステップS、ステップTの何れかが採用されることになる。
先ずステップRに示すように、CM3aは、CM_CM_Proposal_NegotiateをCM3bへ送信する。CM3bは、かかる提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM_CM_Proposal_CompleteをCM3aへ送信する。CM3aは、CM_CM_Proposal_Completeを受信することにより、CM3bに対して行った提案が受け入れられたか否かを識別することが可能となる。
なお、ステップSに示すように、CM_CM_Proposal_Negotiateを受けたCM3bから、CM3aに対して別の提案CM_CE_Proposal_Negotiateが送信される場合もあり、CM3aは、かかるCM_CM_Proposal_Negotiateの提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM3aへCM_CE_Proposal_Completeを送信する。
更にステップTに示すように、そのネゴシエーションの提案が連続的に行われるものであってもよい。
図18は、CM3aの管轄下にあるCE4a−1が実装された無線通信システム6a−1と、CM3bとが、共存の意思決定主体となる場合において、図8のステップS37に示すネゴシエーションを行う例を示している。
先ずステップRに示すように、CE4a−1は、CM_CE_Proposal_NegotiateをCM3aへ、CM3aは、CM_CM_Proposal_NegotiateをCM3bへ送信する。CM3bは、かかる提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、CM_CM_Proposal_CompleteをCM3aへ、これを受けたCM3aは、CM_CE_Proposal_CompleteをCE4a−1へ送信する。
なお、ステップSに示すように、CM_CE_Proposal_Negotiateを受けたCE4b−1から、別の提案CM_CE_Proposal_Negotiateが送信される場合もあり、CE4a−1は、かかるCM_CE_Proposal_Negotiateの提案を受け入れる場合、または拒絶する場合であっても、再びCE4a−1へCM_CE_Proposal_Completeを送信する。
更にステップTに示すように、そのネゴシエーションの提案が連続的に行われるものであってもよい。