JP2012088089A - 臨床検査キットおよび血液の検査方法 - Google Patents

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昭典 稲生
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Abstract

【課題】全血を採取した後、血漿だけではなく赤血球の検査を行うことができる臨床検査キットおよび血液の検査方法を提供すること。
【解決手段】検査キットは、採取された血液を血漿と赤血球とに分離するための血液分離フィルタ4と、血液分離フィルタ4を通過した血漿を収容する第1の容器12と、第1の容器12に配置されており、該血漿と反応する第1の臨床検査試薬21と、赤血球を収容する第2の容器13と、第2の容器13内に配置されており、赤血球と反応する第2の臨床検査試薬22と、を備える。血液分離フィルタ4は親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、血液検査を行うための臨床検査キットおよび血液の検査方法に関し、より詳細には、全血を採取した後、血漿もしくは血清および赤血球を用いて臨床検査を行うことを可能とする臨床検査キットおよび血液の検査方法に関する。
臨床検査においては、真空採血管に血液を採取した後、採取された血液を遠心分離し、赤血球と血漿もしくは血清(以下、血漿および血清を単に血漿という。)とに分離する。得られた血漿を検査試薬と混合し、その後様々な測定が行われている。
しかし、このような方法では、真空採血管に全血を採取した後、血液を凝固し、遠心分離などの後操作が必要であるため、検査を行うまでの前処理にかなりの操作と時間が必要である。また、全血から血漿を分離するために大型でかつ高価な遠心分離装置を必要とし、しかも長時間を要する。
そこで、遠心分離装置を必要とすることなく、メンブレンフィルタを使って血液から血漿を分離し検査する技術が、例えば、次に示す特許文献に開示されている。
特開2007−3482号公報(特許文献1)、特開2004−325412号公報(特許文献2)、特開2007−33086号公報(特許文献3)、特開平5−196620号公報(特許文献4)。
しかし、これらの特許文献に記載の技術は、全血から血漿を採取し、その血漿についてのみ検査するものであり、同一の試料からの赤血球についての測定をする方法を開示しない。
また、従来のメンブレンフィルタを用いて、全血をろ過しようとしても、フィルタが目詰まりするので、十分にろ過できず、またフィルタに吸水性や保持性があるため、分析に必要とする以上の多量の血液が必要になるという問題もある。
特開2007−3482号公報 特開2004−325412号公報 特開2007−33086号公報 特開平5−196620号公報
本発明は上記課題を解決するためになされたもので、全血を採取した後、血漿だけではなく赤血球の検査を行うことができる臨床検査キットおよび血液の検査方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、フィルタが目詰まりすることがなく、しかも可能な限り少ない量の血液で検査が行える臨床検査キットおよび血液の検査方法を提供することにある。
本発明のさらに他の目的は、現行のイムノクロマトよりも感度および検査速度が上がり、かつ製造コストが低減できる臨床検査キットを提供することにある。
すなわち、本発明は以下を特徴とする。
(項目1)
採取された血液を血漿と赤血球とに分離するための血液分離フィルタと、
該血液分離フィルタを通過した血漿を収容する第1の容器と、該第1の容器内に配置されており、該血漿と反応する第1の臨床検査試薬と、
該赤血球を収容する第2の容器と、該第2の容器内に配置されており、該赤血球と反応する第2の臨床検査試薬と、を備え、
該血液分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、臨床検査キット。
(項目2)
前記ナノファイバーの分散体の少なくとも一部が網目状構造を形成している、項目1に記載の臨床検査キット。
(項目3)
前記血液分離フィルタが、前記ナノファイバーの分散体と、数平均直径が1μmより大きく100μm以下の繊維基材との積層体である、項目1または2に記載の臨床検査キット。
(項目4)
前記ナノファイバーの平均直径が、30nm以上300nm以下である、項目1〜3のいずれかに記載の臨床検査キット。
(項目5)
前記血液分離フィルタを配置する分離装置をさらに有し、
該分離装置の排出口に切り替え用コックを介して前記第1の容器および第2の容器がそれぞれ接続されている、項目1〜4のいずれかに記載の臨床検査キット。
(項目6)
前記分離装置の開口を気密的に封止するように該開口に取り付けられており、かつ中空針により刺通可能な材料からなる栓体を有する、項目5に記載の臨床検査キット。
(項目7)
(a)血液を分離装置内に採取する工程、
(b)該分離装置内に配置された血液分離フィルタによって、該採取された血液から血漿をろ過し、赤血球を該フィルタ上またはフィルタ内に残す工程、
(c)該血漿と第1の容器内に配置された第1の臨床検査試薬とを反応させる工程、
(d)該フィルタ上に精製水を滴下して赤血球を溶血させ、該赤血球を該フィルタを通過させる工程、および
(e)該赤血球と第2の容器内に配置された第2の臨床検査試薬とを反応させる工程、
を包含する血液の検査方法であって、
該血液分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、方法。
(項目8)
前記(d)フィルタ上に精製水を滴下して赤血球を溶血させ、該赤血球を該フィルタを通過させる工程の前に、
(f)該フィルタ上に生理食塩水を滴下して赤血球を洗浄する工程、を包含する、項目7に記載の方法。
(項目9)
前記(b)工程および前記(d)工程が、前記第1および第2の容器内を吸引することによって行われる、項目7に記載の方法。
(項目10)
細胞成分を含む溶液を採取する分離装置と、
該分離装置内に配置されており、該採取された溶液を液体成分と、細胞成分とに分離するための分離フィルタと、
該第1の容器内に収納されており、該分離フィルタにおいて溶液を分離することにより得られた液体成分と反応する第1の臨床検査試薬と、
第2の容器内に配置されており該細胞成分と反応する第2の臨床検査試薬と、を備え、
該分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、臨床検査キット。
(項目11)
(a)細胞成分を含む溶液を分離装置内に採取する工程、
(b)該分離装置内に配置された分離フィルタによって、該採取された溶液から液体成分を該フィルタを通過させ、細胞成分を該フィルタ上に残す工程、
(c)該液体成分と第1の臨床検査試薬とを反応させる工程、
(d)該フィルタ上に細胞溶解液を滴下して細胞成分を溶解し、該細胞成分からの溶解成分を該フィルタを通過させる工程、および
(e)該細胞成分と第2の臨床検査試薬とを反応させる工程、
を包含する細胞成分を含む溶液の検査方法であって、
該分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、方法。
血液分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバー分散体を含むので、全血が血液分離フィルタに供給されると、血漿が血液分離フィルタを通過すると共に、赤血球が血液分離フィルタ上に目詰まりすることなく残る。フィルタを通過した血漿は、容器内に配置された第1の臨床検査試薬と接触し反応させる。次に、フィルタ上に分離された赤血球は生理食塩水で洗浄することができ、洗浄後、精製水で溶血させて赤血球内の成分を回収できる。この赤血球を第2の臨床検査試薬と反応させる。
このようにして、採血した場所において、開業医の診察室などで簡単に、遠心分離機などを使用することなく、赤血球と血漿を分離し、それぞれを検査・診断することができる(例えば、HbAlcを測定する。)。
本発明の試験対象は、血液中の赤血球に限定されることなく、溶液中の細胞成分全般に適用可能である。例えば、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバー分散体を含む本発明のフィルタは、細胞成分を含む溶液から、細胞成分と液体成分をそれぞれさらなる試験のために同一の試料から分離するために使用できる。
例えば、細胞成分を含む溶液をフィルタを通過させることによって、溶液中の細胞成分をフィルタにトラップし、液体成分をろ過液として回収する。その後、フィルタを生理食塩水などで洗浄し、次に、フィルタ上にトラップされた細胞を細胞溶解液(例えば、水などの低張液、または、界面活性剤もしくは変性剤を含む溶液)によって溶解し、細胞内の成分を回収する。
上記の分離方法は、例えば、以下の工程を包含する:
(a)細胞成分を含む溶液をフィルタでろ過する工程;
(b)ろ液を回収するか、または、ろ液を測定する工程;
(c)フィルタを洗浄する工程;
(d)フィルタ上の細胞を溶解する工程;および、
(e)細胞溶解液を回収するか、または、細胞溶解液を測定する工程。
一つの局面において、分離対象の細胞は、血液細胞であり、好ましくは、赤血球、白血球、リンパ球であり、最も好ましくは、赤血球である。本発明の細胞成分を含む溶液は、血液、リンパ液、尿、腹腔液、髄液、滑液、または、関節液である。
別の局面において、分離対象は、動物細胞、植物細胞、真核生物細胞、原核生物細胞、細菌、真菌、あるいは、ウイルスである。
図1は、血液分離フィルタの一実施形態の断面図である。 図2は、臨床検査キットの一実施形態の概略断面図である。 図3は、血液分離フィルタの他の実施形態の使用方法を説明する図である。 図4は、図3に続いて、血液分離フィルタの他の実施形態の使用方法を説明する図である。 図5は、図4に続いて、血液分離フィルタの他の実施形態の使用方法を説明する図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
図1〜図2に示すように、本発明の臨床検査キット1は、血液を採取する分離装置11と、該分離装置11内に配置された血液分離フィルタ4と、分離装置11の下部にチューブ14およびコック15を介して接続された第1の容器12および第2の容器13と、第1の容器12内に収納されており血漿と反応する第1の臨床検査試薬21と、第2の容器13内に収納されており赤血球と反応する第2の臨床検査試薬22と、を備えている。分離装置11の開口は栓体3により気密的に封止されている。栓体3は、中空針により刺通可能な材料であって、かつ開口を封止し得る限り、適宜のゴム弾性を有する材料により構成され得る。このような材料としては、ブチルゴムなどの合成ゴム、熱可塑性エラストマーまたは天然ゴムなどを挙げることができる。コック15は、2方コックまたは3方コックなどを用いることができる。
分離装置11の下部にチューブ14およびコック15を介して第1の容器12および第2の容器13がそれぞれ接続されているので、該コック15の切り替えによって、分離装置11と第1の容器12および第2の容器13とを連通しない状態(分離状態)としたり、分離装置11と第1の容器12とを連通状態としたり、あるいは分離装置11と第2の容器13とを連通状態とすることができる。
該第1および第2の容器12、13は、合成樹脂、ガラスまたは金属などの適宜の材料により形成され得るが、好ましくは、後述する測定結果を外部から観察できるように、透明な材料で構成されていることが望ましい。
血液分離フィルタ4は、支持体40の表面にナノファイバー分散体41を貼り付けあるいは積層して構成されている。ナノファイバー分散体41は、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体41である。このナノファイバーの分散体41の構成は後述する。
ナノファイバー分散体41の支持体40としては、通液性を有するものであればよく、織物、編物、不織布、紙など繊維基材が好ましく使用できる。支持体40を使用することにより、ナノファイバー分散体41を補強することができる。また、ナノファイバー分散体41を容器2に取り付ける際に、支持体40を介してナノファイバーを容器2に取り付けることができる。例えば、支持体40として熱可塑性樹脂などで構成する場合には、支持体40を溶融して容器2に融着することができる。
支持体40は、薄くて強度のあるナイロンなど、メッシュが望ましく、親水性であることが好ましい。
支持体40は、ナノインプリントによる凹凸であっても、赤血球を保持し、親水性で血清や生理食塩水などが流れる流路が確保できればよい。ナノインプリントで成形された流路の上にナイロン製のナノファイバのフィルタを形成してもよい。
ナノファイバー分散体41は薄く(20層あっても2ミクロン程度、通常のメンブレンフィルタは30から50ミクロン)、支持体40を選択することで吸水できる水の量も少なく、保水性も低くできるため少ない血液量ですむ。
上記第1の容器12内に第1の臨床検査試薬が配置されている。また、第2の容器13内に第2の臨床検査試薬22が配置されている。
本実施形態では、減圧、吸引または加圧などの方法によって、分離装置11内に採取された血液成分(血漿、血清)を第1の容器12および第2の容器13内へ移動させることができる。
該第1の臨床検査試薬21は、血漿と接触し混合した後、免疫反応により凝集する免疫反応試薬により構成することができる。また第2の臨床検査試薬22は、赤血球と接触し混合した後、免疫反応により凝集する免疫反応試薬により構成することができる。これらの臨床検査試薬としては、検査対象項目等に応じて適宜の試薬を用いることができる。あるいは、臨床検査試薬の代わりにセンサーを容器内に配置してもよい。
また、分離装置11は、フィルタを通過した液体成分を排出する排出口を含んでもよい。
分離装置11内には、血液分離フィルタ4が分離装置11の中間高さ位置に収納されている。分離装置11内の血液分離フィルタ4よりも開口側において、血液採取部11bが形成され、また、分離装置11内の血液分離フィルタ4よりも下流側において検体収容部11cが形成されている。
分離装置11内では、採取された全血が血液採取部11bに採取され、血液分離フィルタ4を通過して、血漿が検体収容部11cへ送られる。
血液分離フィルタ4は、上記血液の流れ方向と直交するように、分離装置11内に配置される。従って、血液採取部11bに導かれた血液は血液分離フィルタ4を通って下方へ移動する。
血液などの液体を移動させる手段としては、第1および第2の容器12、13内を真空状態としてもよく、あるいは第1および第2の容器12、13に吸引装置を切り替え可能に接続して、適宜時期に各容器内を吸引するようにしてもよい。
(血液分離フィルタ)
次に、本発明で使用する血液分離フィルタ4について詳細に説明する。血液分離フィルタは、血液のみならず、細胞成分を含む任意の溶液に適用可能である。
血液分離フィルタ4は、数平均直径が1nm以上500nm以下である熱可塑性ポリマーからなるナノファイバーの分散体41を含む。
ナノファイバーの分散体41とは、ナノファイバーが分散した形態を有するもののことである。ナノファイバーは、繊維状の形態であればよく、その長さや断面形状などは限定されない。
ナノファイバーの数平均直径が1nm以上であれば繊維としての強力を確保できるので、例えば血液を処理している時に衝突する血球成分や他の粗大成分などによって繊維が切れやすくなるのを抑制する。また、数平均直径が500nm以下であれば、赤血球や蛋白が吸着するための充分な表面積を確保できるとともに、ナノファイバー故の選択吸着性が発現し、フィルタ4の性能を向上させることができる。ナノファイバーの強力を向上させる観点からは、ナノファイバーの数平均直径は大きい方が好ましく、30nm以上であることが好ましい。一方、フィルタ4の性能を向上させる観点からは、ナノファイバーの数平均直径は小さい方が好ましく、好ましくは300nm以下である。
ナノファイバーの分散体41は、網目状構造を形成していることが好ましい。ここで網目状構造とは、ナノファイバーが束状にはなっておらず、それぞれのナノファイバーが開繊された状態にある、いわゆる単繊維が分散されポアを形成する状態であって、複数本の単繊維が物理的あるいは化学的に絡まり合って網目状構造を形成していることを指す。
上記熱可塑性ポリマーとしては、ポリエステルやポリアミド(ナイロン)、ポリオレフィン、ポリフェニレンスルフィド(PPS)等が挙げられる。特に、ナイロンなどの親水性に富むもの、または親水性処理などによってファイバに親水性を付与させたものが特に好ましい。
血液分離フィルタ4の表面を改質する方法としては、表面グラフト重合、高分子材料のコーティングあるいは浴中処理、放電処理などが挙げられる。
表面グラフト重合、高分子材料のコーティングあるいは浴中処理によって血液分離フィルタ4表面を改質する場合に用いられる高分子材料としては、特に限定はないが、親水化する目的から、非イオン性親水基を有する高分子材料が好ましい。
非イオン性親水基としては、ヒドロキシル基、アミド基、ポリエチレンオキサイド鎖などが挙げられる。非イオン性水酸基を有する高分子材料の合成に用いることができるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、ビニルアルコール(酢酸ビニルを重合して得られた高分子を加水分解することにより調製したもの)、メタクリルアミド、N−ビニルピロリドンなどが挙げられる。上記モノマーの中でも、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレートが好ましい。
本発明に係る血液分離フィルタ4の形態は特に限定されず、ナノファイバが少なくとも一部に含まれていればよい。好ましい血液分離フィルタ4の形態としては、織物、編物、不織布、紙、フィルムおよびそれらの複合体などが特に好ましい。
このナノファイバは以下の性質を有するものである。
(1)親水性であり、水を給水したり、膨潤させたりすることがない。
(2)ナノファイバは、薄い層で構成されている。
(3)数平均直径が1nm以上500nm以下(好ましくは100〜300nm)である。そのため、10〜20層になっていてもなの7ファイバーの分散体41の厚みは1〜3ミクロンである。
次に、図2に示す臨床検査キットの使用方法を説明する。以下の説明は、血液を血漿と赤血球に分ける方法に関するものであるが、本願発明は、細胞成分を含む任意の溶液に適用可能であり、血液を血漿と赤血球に分ける方法に限定されるものではない。
コック15の切り替えによって、分離装置11を第2および第2の容器12、13から分離した状態とし、該分離装置11内に全血を採取する。血液は注射器に採取した後、注射針を栓体3に差し込んで分離装置11内へ注入することができる。なお、栓体3を分離装置11に取付けることなく、直接分離装置11内へ血液を注入してもよい。
血液は血液分離フィルタ4を通して濾過が始まる。血漿がフィルタ4を通過すると共に、赤血球がフィルタ4上に残り、血漿が分離装置11の検体収容部11cに収容される。
次に、コック15を切り替えて分離装置11と第1の容器12とを連通させる。第1の容器12内には、第1の臨床検査試薬21が配置されており、チューブ14を介して分離装置11から第1の容器12へ入った血漿は該第1の臨床検査試薬21と反応する。
次に、分離装置11内のフィルタ4上に生理食塩水を滴下して赤血球を洗浄する。この操作によって、血漿は分離装置11から排出される。この排出液は、コック15の操作により第1の容器12内へ送ってもよく、あるいは分離装置11の下部に接続した第3の容器(図示せず)に送ってもよい。
次に、分離装置11内のフィルタ4上に精製水を滴下して赤血球を溶血させると、赤血球はフィルタ4を通過して検体収容部11cに収容され、コック15の操作により第2の容器13へ送られる。
第2の容器13内には、第2の臨床検査試薬22が配置されているので、赤血球はこの第2の臨床検査試薬22と反応する。精製水の代わりに、界面活性剤および/またはカオトロピック剤などの細胞を破壊する溶液を用いることもできる。
上記第1および第2の臨床検査試薬21、22との免疫反応による凝集反応が進行すると、第1の容器12の底部に凝集物が生じ、目視により第1の容器12を外部から凝集物を観察し、または光学的にこの凝集物の存在により反応結果を確認、検査することができる。
上記反応結果の確認や反応結果の測定法としては、目視により観察し、凝集の有無を把握する方法の他、目視により呈色の度合いを観察する方法を用いてもよい。あるいは、上記呈色の度合いや、凝集の度合い、あるいは濁度を光学的に測定してもよい。
(第2実施形態)
図3〜図5は他の実施形態を示したものである。
本実施形態の臨床検査キットで使用する血液分離フィルタ4の上面にプラスチックシート24が積層され、該血液分離フィルタ4の下面に剥離用フィルム25が積層され、さらに該剥離用フィルム25の下面にろ紙26が積層されている。
該プラスチックシート24の中央部には血液を滴下するための滴下口27が形成され、また該滴下口27に対応する位置において該剥離用フィルム25の中央部に開口部28が形成されている。このようにして積層体30が構成されている。
プラスチックシート24の滴下口27に血液Bを滴下すると、血液Bは血液分離フィルタ4によってろ過され、赤血球は該血液分離フィルタ4の上に残り、血漿が血液分離フィルタ4を通過してろ紙26内へ入る(図4(A))。
次に、赤血球を覆うようにプラスチックシート24の上にカバーフィルム28を貼着する。その後、ろ紙26から剥離用フィルム25を剥がし取る(図4(B))。
この血漿を含むろ紙26は、第1の容器(図示せず)内へ投入され、第1の容器内で血漿は第1の臨床検査試薬と反応する。
ろ紙26以外の赤血球を含む積層体は、次に、図5に示すように、第2の容器32内へ投入される。この第2の容器32内には蒸留水が入っており、赤血球は蒸留水によって溶血し、ヘモグロビンはフィルタ4を通して溶出してくる。このとき、赤血球膜などの不溶成分はろ過されて溶血液中に出てくることはない。この第2の容器32内で赤血球は第2の臨床検査試薬と反応する。
以下、本発明を実施例によって具体的に説明する。本発明は本実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
A.血液分離フィルタの作成
厚み30μmのナイロンメッシュ上に数平均直径が500nmのナイロン製のナノファイバーの分散体を積層して血液分離フィルタを作成した。ファイバーの分散体は10層とし、その厚みは2ミクロンであった。
B.臨床検査キットの作成および血液の検査
図2に示す形状の分離装置11内に上記で得られた血液分離フィルタを配置した。
フィルタ上に全血100μlを滴下し、分離装置の底部から吸引してろ過を行った。血液はフィルタ上に円状に広がるがその広がり程度は小さかった。
次に、生理食塩水200μlをフィルタ上に滴下し、吸引によるろ過を行った。赤血球は、ろ過された後でもフィルタ上に残っていた。最後に、精製水200μlをフィルタ上に滴下し、吸引によるろ過を行った。フィルタ上には溶血した血液の色が残っていたが赤血球は存在していなかった。
(比較例1)
実施例1で用いた血液分離フィルタに代えて普通の市販のろ紙を用いたこと以外は、実施例1と同様に臨床検査キットを作成し、血液の検査を実施した。
ろ紙上に全血100μlを滴下し、分離装置の底部から吸引してろ過を行った。血液はろ紙上に円状に広がった。
次に、生理食塩水200μlをろ紙上に滴下し、吸引によるろ過を行った。赤血球は、ろ過されてろ紙上には残らなかった。最後に、精製水200μlをフィルタ上に滴下し、吸引によるろ過を行った。ろ紙はきれいになった。
1 臨床検査キット
4 血液分離フィルタ
11 分離装置
12 第1の容器
13 第2の容器
14 チューブ
15 コック
21 第1の臨床検査試薬
22 第2の臨床検査試薬
40 支持体
41 ナノファイバーの分散体

Claims (11)

  1. 採取された血液を血漿と赤血球とに分離するための血液分離フィルタと、
    該血液分離フィルタを通過した血漿を収容する第1の容器と、該第1の容器内に配置されており、該血漿と反応する第1の臨床検査試薬と、
    該赤血球を収容する第2の容器と、該第2の容器内に配置されており、該赤血球と反応する第2の臨床検査試薬と、を備え、
    該血液分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、臨床検査キット。
  2. 前記ナノファイバーの分散体の少なくとも一部が網目状構造を形成している、請求項1に記載の臨床検査キット。
  3. 前記血液分離フィルタが、前記ナノファイバーの分散体と、数平均直径が1μmより大きく100μm以下の繊維基材との積層体である、請求項1または2に記載の臨床検査キット。
  4. 前記ナノファイバーの平均直径が、30nm以上300nm以下である、請求項1〜3のいずれかに記載の臨床検査キット。
  5. 前記血液分離フィルタを配置する分離装置をさらに有し、
    該分離装置の排出口に切り替え用コックを介して前記第1の容器および第2の容器がそれぞれ接続されている、請求項1〜4のいずれかに記載の臨床検査キット。
  6. 前記分離装置の開口を気密的に封止するように該開口に取り付けられており、かつ中空針により刺通可能な材料からなる栓体を有する、請求項5に記載の臨床検査キット。
  7. (a)血液を分離装置内に採取する工程、
    (b)該分離装置内に配置された血液分離フィルタによって、該採取された血液から血漿をろ過し、赤血球を該フィルタ上またはフィルタ内に残す工程、
    (c)該血漿と第1の容器内に配置された第1の臨床検査試薬とを反応させる工程、
    (d)該フィルタ上に精製水を滴下して赤血球を溶血させ、該赤血球を該フィルタを通過させる工程、および
    (e)該赤血球と第2の容器内に配置された第2の臨床検査試薬とを反応させる工程、
    を包含する血液の検査方法であって、
    該血液分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、方法。
  8. 前記(d)フィルタ上に精製水を滴下して赤血球を溶血させ、該赤血球を該フィルタを通過させる工程の前に、
    (f)該フィルタ上に生理食塩水を滴下して赤血球を洗浄する工程、を包含する、請求項7に記載の方法。
  9. 前記(b)工程および前記(d)工程が、前記第1および第2の容器内を吸引することによって行われる、請求項7に記載の方法。
  10. 細胞成分を含む溶液を採取する分離装置と、
    該分離装置内に配置されており、該採取された溶液を液体成分と、細胞成分とに分離するための分離フィルタと、
    該第1の容器内に収納されており、該分離フィルタにおいて溶液を分離することにより得られた液体成分と反応する第1の臨床検査試薬と、
    第2の容器内に配置されており該細胞成分と反応する第2の臨床検査試薬と、を備え、
    該分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、臨床検査キット。
  11. (a)細胞成分を含む溶液を分離装置内に採取する工程、
    (b)該分離装置内に配置された分離フィルタによって、該採取された溶液から液体成分を該フィルタを通過させ、細胞成分を該フィルタ上に残す工程、
    (c)該液体成分と第1の臨床検査試薬とを反応させる工程、
    (d)該フィルタ上に細胞溶解液を滴下して細胞成分を溶解し、該細胞成分からの溶解成分を該フィルタを通過させる工程、および
    (e)該細胞成分と第2の臨床検査試薬とを反応させる工程、
    を包含する細胞成分を含む溶液の検査方法であって、
    該分離フィルタが、親水性の熱可塑性ポリマーからなり、数平均直径が1nm以上500nm以下であるナノファイバーの分散体を含む、方法。
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