JP2012083591A - 画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 感光体の表面を帯電装置によって再度帯電させるにあたり、装置が大型化することなく、感光体の表面に均一な光を照射させて、感光体の表面に残留している残留電位を適切に除電させるようにする。
【解決手段】 感光体10の表面に形成されたトナー像を転写材14に転写させた後、この感光体の表面を帯電装置12によって次に帯電されるまでの位置に、感光体の軸方向に伸びたシート部材20の一端側を感光体の表面に接触するように設け、このシート部材に面発光部材30を設けるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。特に、回転駆動される感光体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、静電潜像が形成された感光体の表面にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置に、感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の感光体の表面に残留する残留物を除去するクリーニング装置とが設けられた画像形成装置において、感光体の表面に残留する電位を適切に除電させて、帯電装置により感光体が均一に適切に帯電されるようにした点に特徴を有するものである。
複写機,プリンタ,ファクシミリ及びこれらの複合機等の電子写真方式を用いた画像形成装置においては、一般に、感光体の表面を帯電装置によって帯電させた後、このように帯電された感光体に潜像形成装置により画像データに従った静電潜像を形成し、このように静電潜像が形成された感光体に現像装置からトナーを供給して、感光体の表面に静電潜像に対応したトナー像を形成し、このトナー像を転写装置により感光体から記録紙や中間転写ベルト等の転写材に転写させた後、転写後の感光体の表面に残留するトナー等の残留物をクリーニング装置により除去し、この感光体の表面を上記の帯電装置によって再度帯電させるようにしている。
また、このように感光体の表面を帯電装置によって再度帯電させるにあたり、感光体に残留している残留電位によって感光体の帯電にむらが生じるのを抑制するため、従来においては、特許文献1,2等に示されるように、上記のように感光体の表面を帯電装置によって再度帯電させる前に、発光ダイオード(以下、「LED」と略す。)やエレクトロルミネッセンス(以下、「EL」と略す。)素子等を用いた発光手段から感光体の表面に光を照射させて、感光体に残留している残留電位を除電させることが開示されている。
ここで、LEDやエレクトロルミネッセンス等を用いた発光手段を別個に設けるようにした場合、装置が大型化するという問題があり、またLED等の点光源を用いた発光手段の場合、光量むらによって感光体に残留している残留電位を均一に除電させることができないという問題もあった。
特開昭62−260180号公報 特開2005−37892号公報
本発明は、感光体の表面を帯電装置によって帯電させた後、このように帯電された感光体に潜像形成装置により画像データに従った静電潜像を形成し、このように静電潜像が形成された感光体に現像装置からトナーを供給して、感光体の表面に静電潜像に対応したトナー像を形成し、このトナー像を転写装置により感光体から記録紙や中間転写ベルト等の転写材に転写させた後、転写後の感光体の表面に残留するトナー等の残留物をクリーニング装置により除去し、この感光体の表面を上記の帯電装置によって再度帯電させるようにした画像形成装置において、感光体の表面を帯電装置によって再度帯電させる前に、感光体に残留している残留電位を除電させる場合における上記のような問題を解決することを課題とするものである。
すなわち、本発明においては、上記のような画像形成装置において、感光体の表面を帯電装置によって再度帯電させる前に、感光体の表面に残留している残留電位を除電させるにあたり、装置が大型化することなく、感光体の表面に均一な光を照射させて、感光体の表面に残留している残留電位を適切に除電させるようにすることを課題とするものである。
本発明の第1の画像形成装置においては、上記のような課題を解決するため、回転駆動される感光体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、静電潜像が形成された感光体の表面にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置に、感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の感光体の表面に残留する残留物を除去するクリーニング装置とが設けられた画像形成装置において、上記の転写装置によりトナー像が転写された後、次に帯電装置によって帯電されるまでの位置に、感光体の軸方向に伸びたシート部材の一端側を感光体の表面に接触するように設け、このシート部材に面発光部材を設けるようにした。
そして、この第1の画像形成装置において、感光体の軸方向に伸びたシート部材に設けられた上記の面発光部材を発光させると、トナー像が転写された後の感光体の表面に残留する残留電位が均一に除電されるようになる。
また、この第1の画像形成装置においては、上記のシート部材の一端側を感光体の表面に接触するように設けるようにしているため、このシート部材を、クリーニング装置においてトナーの噴出を抑制するシール部材や、帯電装置にトナーが流入するのを抑制するシール部材等と兼用して使用することができ、従来のように別個に発光手段を設ける必要がなくなる。
また、本発明の第2の画像形成装置においては、回転駆動される感光体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、静電潜像が形成された感光体の表面にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置に、感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の感光体の表面に残留する残留物を除去するクリーニング装置とが設けられた画像形成装置において、上記の現像装置によりトナー像が形成されて転写装置に導かれるまでの位置に、感光体の軸方向に伸びたシート部材を感光体の表面に近接するようにして設け、このシート部材に面発光部材を設けるようにした。
そして、この第2の画像形成装置においても、感光体の軸方向に伸びたシート部材に設けられた上記の面発光部材を発光させると、感光体の表面における残留電位が均一に除電されるようになる。
ここで、上記の第1及び第2の画像形成装置において、上記の面発光部材としては、例えば、有機EL素子や無機EL素子等を用いることができ、特に、低い電圧で十分な輝度が得られると共に、安価に製造することができる有機EL素子を用いることが好ましい。
ここで、上記の第1及び第2の画像形成装置においては、面発光部材において発光された光が安定して感光体の表面に照射されるようにするため、面発光部材が設けられたシート部材の感光体と対面する側にトナー等が付着して汚れるのを抑制するように、シート部材の感光体と対面する側を清掃する清掃手段等を設けることが好ましい。
本発明の第1及び第2の画像形成装置においては、感光体の軸方向に伸びたシート部材に設けられた面発光部材を発光させることにより、感光体の表面において残留する残留電位を均一に除電できるようになる。
また、本発明の第1の画像形成装置においては、上記のようにシート部材の一端側を感光体の表面に接触するように設けたため、このシート部材を、クリーニング装置においてトナーの噴出を抑制するシール部材や、帯電装置にトナーが流入するのを抑制するシール部材等と兼用して使用することができ、従来のように別個に発光手段を設ける必要がなくなり、装置が大型化するということもなくなる。
本発明の一実施形態に係る画像形成装置を示した概略説明図である。 同実施形態の画像形成装置において、第1クリーニング装置における感光体の回転方向上流側の部分に透明なシート部材の一端を感光体の表面に接触するように設け、このシート部材における感光体と反対側の面に面発光部材を設けた状態を示した概略説明図である。 同実施形態の画像形成装置において、シート部材に設けた面発光部材の積層構造を示した概略説明図である。 同実施形態の画像形成装置において、第1クリーニング装置における感光体の回転方向上流側の部分にシート部材を設け、このシート部材における感光体と対向する面に面発光部材を設けた状態を示した概略説明図である。 同実施形態の画像形成装置において、帯電装置にスコロトロン方式のものを用い、この帯電装置における感光体の回転方向上流側の部分に、面発光部材が設けられた透明なシート部材の一端を感光体の表面に接触するように設け、このシート部材における感光体と対向する面に面発光部材を設けた状態を示した概略説明図である。 同実施形態の画像形成装置において、第1クリーニング装置とローラ状の帯電装置との間に保持部材を設け、この保持部材21に面発光部材が設けられた透明なシート部材を保持させて、このシート部材の一端を感光体の表面に接触させた状態を示した概略説明図である。 同実施形態の画像形成装置において、現像装置と感光体の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルトに転写させる位置との間に、面発光部材が設けられた透明なシート部材を、感光体10の表面と接触しないように近接して設けた状態を示した概略説明図である。
次に、この発明の実施形態に係る画像形成装置を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、本発明に係る画像形成装置は、下記の実施形態に示したものに限定されず、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この実施形態に係る画像形成装置においては、図1に示すように、4つのドラム状になった感光体10に対応させて、現像剤中におけるトナーに、黒色,黄色,マゼンタ色,シアン色の色彩の異なるトナーを用いた4つの現像装置11を設けている。
そして、この実施形態の画像形成装置においては、上記の各感光体10を回転させて、各感光体10の表面をそれぞれ帯電装置12によって帯電させ、このように帯電された各感光体10に対して、それぞれ潜像形成装置13により画像形成情報に従った露光を行い、各感光体10の表面にそれぞれ静電潜像を形成するようにしている。
次いで、このように静電潜像が形成された各感光体10に対して、それぞれ対応する現像装置11内における現像剤を現像ローラ11aにより感光体10と対向する位置に導き、所定の色彩のトナーを各感光体10の静電潜像に供給して現像を行い、各感光体10の表面にそれぞれの色彩のトナー像を形成するようにしている。
そして、このように各感光体10に形成された各色彩のトナー像を、ローラ14aに架け渡されて駆動される無端状になった中間転写ベルト14からなる転写材に、それぞれローラ状になった一次転写装置15により順々に一次転写させて、この中間転写ベルト14の上にフルカラーのトナー像を形成するようにしている。
一方、上記のようにトナー像を中間転写ベルト14に転写させた後の各感光体10をそれぞれ第1クリーニング装置16に導き、各感光体10の表面にそれぞれクリーニングブレート16aの端部を圧接させて、各感光体10の表面に残留しているトナー等の残留物を除去し、各第1クリーニング装置16に回収するようにしている。また、上記の各第1クリーニング装置16においては、感光体10の回転方向上流側に、感光体10の軸方向に伸びたシート部材20の一端を感光体10の表面に接触するように設け、このシート部材20によって感光体10の表面から除去されたトナー等の残留物が第1クリーニング装置16から外部に漏れ出すのを防止するようにしている。
そして、上記のように中間転写ベルト14の上に形成されたフルカラーのトナー像を、この中間転写ベルト14によりローラ状になった二次転写装置17と対向する位置に導くと共に、この画像形成装置の下部に収容された記録シートSを中間転写ベルト14と二次転写装置17との間に導き、上記の二次転写装置17により中間転写ベルト14の上に形成されたフルカラーのトナー像をこの記録シートSに二次転写させるようにしている。
その後、フルカラーのトナー像が転写された記録シートSを定着装置18に導いて、転写されたフルカラーのトナー像を記録シートSに定着させた後、このようにフルカラーのトナー像が定着された記録シートSを排紙させるようにしている。一方、記録シートSに転写されずに上記の中間転写ベルト14に残ったトナー等の残留物を、第2クリーニング装置19によって中間転写ベルト14から除去させるようにしている。
ここで、この実施形態の画像形成装置においては、図2に示すように、上記の第1クリーニング装置16において、感光体10の回転方向上流側に設ける上記のシート部材20における感光体10と反対側の面に面発光部材30を設けると共に、上記のシート部材20をポリエチレンテレフタレート等の透光性を有する可撓性フィルムで構成するようにしている。
そして、上記の面発光部材30を発光させ、上記のシート部材20を通して、この面発光部材30から出射された光をトナー像が転写された後における感光体10の表面に照射させるようにしている。
このようにすると、転写後の感光体10の表面に残留している残留電位が除電されて、この感光体10の表面を帯電装置12によって再度帯電させる際に、感光体10の表面が均一に帯電されるようになる。また、上記のように感光体10の表面から除去されたトナー等の残留物が第1クリーニング装置16から外部に漏れ出すのを防止するシール部材20に面発光部材30を設けたため、従来のように別個に発光手段を設ける必要がなくなり、装置が大型化するということもなくなる。
ここで、この実施形態においては、上記の面発光部材30として、図3に示すような構成を有する有機EL素子を用いるようにした。
そして、この有機EL素子からなる面発光部材30においては、図3に示すように、上記のシート部材20に、透明電極である陽極31と正孔輸送層32と発光層33と電子輸送層34と陰極35とを積層させ、さらに陰極35の上に保護層36を積層させたものを用いるようにした。なお、有機EL素子の構造はこのようなものに限定されず、例えば、陽極と正孔輸送層と発光層と陰極とを積層させたもの、陽極と発光層と電子輸送層と陰極とを積層させたもの、陽極と陽極バッファー層と正孔輸送層と発光層と電子輸送層と陰極バッファー層と陰極とを積層させたもの等であってもよい。
ここで、上記の発光層33には、ホスト化合物とリン光発光性化合物とが含有されることが好ましい。これにより、より一層高い発光効率が得られるようになる。
そして、上記のホスト化合物としては、発光層33に含有される化合物の中で室温においてリン光発光のリン光量子収率が0.01未満の化合物を用いることが好ましい。
また、ホスト化合物を複数種併用させることもできる。このように、ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することりより、白色発光を得ることもできる。
ここで、ホスト化合物としては、正孔輸送能や電子輸送能を有しつつ、かつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。そして、このようなホスト化合物としては、例えば、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、フェナントロリン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、有機金属化合物、アリールメタン誘導体等が挙げられる。この中でも、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体を用いることが好ましい。
なお、発光層33の膜厚については特に制限はなく、状況に応じて適宜選択することができ、一般には5nm〜5μmの範囲になるようにする。
また、上記の正孔輸送層32は、陽極31より注入された正孔を発光層33に輸送する機能を有するものであり、この正孔輸送層32を陽極31と発光層33の間に介在させることにより、より低い電界で多くの正孔が発光層33に注入されるようになる。その上、陰極35から電子輸送層34より発光層33に注入された電子は、発光層33と正孔輸送層32の界面に存在する電子の障壁により、発光層33内の界面に累積され、発光効率が向上する等の優れた特性を有するようになる。
そして、この正孔輸送層32の材料(以下、正孔輸送材料という)は、陽極31から注入された正孔を発光層33に伝達する機能を有する性質を有するものであれば特に制限はなく、従来、光導伝性材料において、正孔の電荷注入輸送材料とし慣用されているものや、有機EL素子の正孔輸送層32に使用される公知のものの中から任意のものを選択して用いることができ、有機物、無機物の何れであってもよい。
ここで、有機物からなる正孔輸送材料としては、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、または導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。この中でも、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を用いることが好ましい。
そして、上記の芳香族第三級アミン化合物及びスチリルアミン化合物としては、例えば、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらに米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(α−NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した高分子材料や、これらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、無機物からなる正孔輸送材料としては、p型−Si、p型−SiC等を使用することができる。
そして、正孔輸送層32を形成するにあたっては、上記のような正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。なお、正孔輸送層32の膜厚については特に制限はないが、5nm〜5μm程度での範囲に調整することが好ましい。また、この正孔輸送層32は、上記材料の一種または二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
また、上記の電子輸送層34は、陰極35より注入された電子を発光層33に伝達する機能を有するものであり、その材料としては、従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができる。
そして、この電子輸送層34に用いる材料(以下、電子輸送材料という)としては、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、ナフタレンペリレン等の複素環テトラカルボン酸無水物、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体、有機金属錯体等が挙げられる。さらに、上記のオキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した高分子材料や、これらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、Ga又はPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリー又はメタルフタロシアニン、さらにはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層33の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
なお、この電子輸送層34の膜厚については特に制限はないが、5nm〜5μm程度での範囲に調整することが好ましい。また、この電子輸送層34は、上記材料の一種または二種以上からなる一層構造であってもよく、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
また、上記の陽極31としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が用いられる。そして、このような陽極31の材料としては、例えば、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。
そして、陽極31を形成するにあたっては、蒸着やスパッタリング等の方法を用いることができる。なお、この陽極31から光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極31のシート抵抗は数百Ω/角以下であるが好ましい。さらに、陽極31の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは10〜200nmの範囲になるようにする。
一方、陰極35としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物が用いられる。このような陰極35の材料としては、例えば、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中でも、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性の金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物等を用いることが好ましい。
そして、陰極35を形成するにあたっては、蒸着やスパッタリング等の方法を用いることができる。また、陰極35のシート抵抗は数百Ω/□以下であることが好ましい。また、陰極35の膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1μm、好ましくは50〜200nmの範囲になるようにする。
また、上記の保護層36は、酸素及や水蒸気の透過を阻止する層であり、酸素の透過度が23℃、0%RHにおいて0.005ml/m2/day以下が好ましく、また、JIS K7129B法に従って測定した水蒸気透過度が0.1g/m2/day以下であることが好ましい。
そして、保護層36を構成する材料は特に限定されるものではないが、無機酸化物を用いることが好ましく、例えば、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化窒化珪素、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、酸化スズ等を挙げることができる。
なお、この実施形態においては、面発光部材30に上記のような有機EL素子を用いるようにしたが、無機EL素子等を用いることも可能である。
また、この実施形態においては、面発光部材30をシート部材20における感光体10と反対側の面に設けるようにしたが、図4に示すように、面発光部材30を感光体10と対面するようにしてシート部材20に設けるようにすることも可能である。なお、このように感光体10と対面するようにして面発光部材30を設けた場合、感光体10の表面に残留しているトナー等の残留物が面発光部材30に付着して面発光部材30の出射面が汚れ、面発光部材30から感光体10に適切に光が照射されなくなるため、面発光部材30の出射面を清掃させる清掃手段(図示せず)を設けるようにしたり、面発光部材30の出射面に透明なシート材(図示せず)を剥離可能に貼付させ、この透明なシート材を適当な時期に交換させるようにしたりすることができる。
また、この実施形態においては、面発光部材30が設けられたシート部材20を第1クリーニング装置16に設けるようにしたが、面発光部材30が設けられたシート部材20を設ける位置はこのような位置に限られない。
例えば、図5に示すように、感光体10を帯電させる帯電装置12に、スコロトロン方式のものを用い、この帯電装置12における感光体10の回転方向上流側の部分に、面発光部材30が設けられた透明なシート部材20の一端を感光体10の表面に接触するように設け、上記のように面発光部材30を発光させ、透明なシート部材20を通して、この面発光部材30から出射された光を、帯電装置12に導かれる前の感光体10の表面に照射させるようにすることができる。
このようにすると、帯電装置12に導かれる前に感光体10の表面に残留している残留電位が除電されて、この感光体10の表面が上記の帯電装置12によって均一に帯電されるようになると共に、飛散しているトナー等が帯電装置12内に侵入されるのも防止されるようになる。
また、図6に示すように、第1クリーニング装置16とローラ状の帯電装置12との間に設けられた保持部材21に、面発光部材30が設けられた透明なシート部材20を保持させて、このシート部材20の一端を感光体10の表面に接触させるようにし、上記のように面発光部材30を発光させ、透明なシート部材20を通して、この面発光部材30から出射された光を、帯電装置12に導かれる前の感光体10の表面に照射させて、感光体10の表面を除電させるようにすることもできる。
さらに、図7に示すように、感光体10の表面にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置11と、感光体10の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト14に転写させる位置との間に、面発光部材30が設けられた透明なシート部材20を、感光体10の表面と接触しないように近接して設け、上記のように面発光部材30を発光させ、透明なシート部材20を通して、この面発光部材30から出射された光を、トナー像が形成された感光体10の表面に照射させて、感光体10の表面を除電させるようにすることもできる。
10 感光体
11 現像装置
11a 現像ローラ
12 帯電装置
13 潜像形成装置
14 中間転写ベルト(転写材)
14a ローラ
15 一次転写装置(転写装置)
16 第1クリーニング装置(クリーニング装置)
16a クリーニングブレート
17 二次転写装置
18 定着装置
19 第2クリーニング装置
20 シート部材
21 保持部材
30 面発光部材
31 陽極
32 正孔輸送層
33 発光層
34 電子輸送層
35 陰極
36 保護層
S 記録媒体

Claims (4)

  1. 回転駆動される感光体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、静電潜像が形成された感光体の表面にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置に、感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の感光体の表面に残留する残留物を除去するクリーニング装置とが設けられた画像形成装置において、上記の転写装置によりトナー像が転写された後、次に帯電装置によって帯電されるまでの位置に、感光体の軸方向に伸びたシート部材の一端側が感光体の表面に接触するように設けられ、このシート部材に面発光部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 回転駆動される感光体の表面を帯電させる帯電装置と、帯電された感光体の表面に静電潜像を形成する潜像形成装置と、静電潜像が形成された感光体の表面にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置に、感光体の表面に形成されたトナー像を転写材に転写させる転写装置と、トナー像を転写させた後の感光体の表面に残留する残留物を除去するクリーニング装置とが設けられた画像形成装置において、上記の現像装置によりトナー像が形成されて転写装置に導かれるまでの位置に、感光体の軸方向に伸びたシート部材が感光体の表面に近接するようにして設けられ、このシート部材に面発光部材が設けられていることを特徴とする画像形成装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、上記のシート部材に設けられた面発光部材を発光させて、感光体の表面を除電させることを特徴とする画像形成装置。
  4. 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の画像形成装置において、上記の面発光部材が、有機エレクトロルミネッセンス素子又は無機エレクトロルミネッセンス素子で構成されていることを特徴とする画像形成装置。
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