JP2012074550A - 照明素子、照明素子を用いたバックライトおよび照明素子を用いた表示装置 - Google Patents

照明素子、照明素子を用いたバックライトおよび照明素子を用いた表示装置 Download PDF

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Abstract

【課題】波長帯域が制限された表示装置およびそれに用いるバックライトおよび照明素子を実現する。
【解決手段】 発光ダイオード素子1と、
この発光ダイオード素子1の出力光のうち特定の範囲の波長のみを選択的に透過させるフィルタ部材3と、
このフィルタ部材3に導入される発光ダイオード素子1からの光を所定の入射角範囲に制限する入射角制限部材2と、
フィルタ部材3を透過した光を拡散する拡散部材4と、
この拡散部材4を光軸上に位置させたレンズ部材6と、
を備えることを特徴とする照明素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、波長帯域が制限された照明素子に関する。また、そのような照明素子を用いたバックライトおよび表示装置に関する。
液晶パネルを用いた表示装置(液晶表示装置)においては、液晶自体は発光しないため、液晶パネルを裏側から照らすバックライトが用いられる。バックライトの光源として、近年では発光ダイオード素子(以下、「LED」と記載する。)が多く利用されている。
図4は従来のLEDを用いた照明素子の一部断面図であり、バックライトの光学部分を抽出して図示したものである。配線板100は、複数の照明素子101が配列されるとともに、これらの照明素子101の周囲に反射シート110が敷きつめられている。照明素子101は、LED101aと、このLED101aを覆う光学レンズ101bから構成されている。LED101aは点光源として機能し、光学レンズ101bの作用により光が拡散され、照明素子101外へ出射される。照明素子101から出射された光は、導光板(図示せず)や拡散板200などの光学部品を透過して面光源となり、液晶パネルの全面を均一に照射する。
下記特許文献1には、LEDとこれを覆う光学レンズを備える照明素子が記載されている。
特開2006−293274号公報 図6、図7
表示装置の中には、航空機のコックピットに配備される表示装置のように、夜間運用時にパイロットが暗視装置(たとえば暗視ゴーグル)を装着した状態で使用されるものが存在する。
暗視装置は可視領域から近赤外領域の波長の微弱な光を数百万倍に増倍して投影するものであり、星明り程度の明るさでも外界を認識することを可能とするものである。逆に、暗視装置の感度帯域に通常人間が視認できる程度の明るさの光があると、この光が増倍され、本来見るべきものの微弱な光を識別することが不可能となってしまう。
図5は暗視装置の感度特性の一例を示す図である。図5は、MIL-STD-3009 ''LIGHTING, AIRCRAFT, NIGHT VISION IMAGING SYSTEM (NVIS) COMPATIBLE''(2 February 2001)に規定される、暗視装置に要求されるスペクトル特性を示したものである。図5には3種類のスペクトル特性(NVIS-A,NVIS-B,NVIS-C)が示されているが、いずれもおよそ600nm〜900nmの波長帯域に高い感度を有している。したがって、暗視装置とともに使用される表示装置は、この波長帯域の光を発してはならない。同様の要求は、民間規格であるRTCA/DO-275''MINIMUM OPERATIONAL PERFORMANCE STANDARDS FOR INTEGRATED NIGHT VISION IMAGING SYSTEM EQUIPMENT''(12,October,2001)にも存在する。
表示装置から発せられる光のスペクトル特性は、概して、液晶パネルのカラーフィルタのスペクトル特性とバックライトのスペクトル特性を掛け合わせたものとなる。そのため、600nm以上の波長帯域の光がカラーフィルタのスペクトル特性とバックライトのスペクトル特性のいずれにも含まれる場合には、その表示装置は暗視装置とともに使用することができない。
しかしながら、一般的なカラーフィルタは図6(「直視型,投射型LCD用光源と色再現」、蕪木清幸,田川幸治、光技術情報誌「ライトエッジ」No.5(1996年3月発行)、光技術コンタクトVol.34 No.1(1996))の実線に示すようなスペクトル特性を有しており、暗視装置の感度域である600nm以上の帯域の光(赤色光)を含んでいる。また、一般的なLEDバックライトは図7(Philips Lumileds Lighting Company社データシート、LUXEON Rebel ES Datasheet DS61、2009年4月23日)に示すようなスペクトル特性を有しており、600nm以上の波長帯域についても輝度を有している。したがって、このような通常のスペクトル特性を有するカラーフィルタおよびバックライトで構成された表示装置は、何らかの波長制限手段を用いない限り、暗視装置との併用には適合しない。
波長制限手段としては帯域制限フィルタの使用が考えられる。図8に示すような、たとえば400nm〜600nmまでの波長のみを透過させる帯域制限フィルタをバックライトと液晶装置の表示面との間に挿入し、バックライトの発光波長から600nm以上の波長の光を阻止する。これにより、暗視装置の感度帯域にある光を非常に小さくでき、暗視装置の使用が可能になる。
帯域制限フィルタとしては、図8のように透過帯域と阻止帯域の境界が急峻なスペクトル阻止性能を有するものが理想的である。帯域制限フィルタは、色つきのガラスまたはプラスチックを用いる方法、または、ガラスまたはプラスチックなどの透明基材の上に薄膜を積層する(多層膜フィルタ)ことで形成される。しかし、前者の方法ではスペクトル素子性能はなだらかなものとなり急峻な境界を実現することはできない。そこで、多層膜フィルタを採用することになるが、優れたスペクトル阻止性能が発揮されるのは、フィルタ面に対する光の入射角度が特定の範囲にある場合に限られてしまう。
図9は実際の帯域制限フィルタのスペクトル特性の一例を示す図であり、図9の(a)はフィルタ面に対して光が垂直に入射する場合(入射角度=0度)のスペクトル特性、図9の(b)は光が斜めに入射する場合(入射角度=75度)のスペクトル特性である。
光が垂直に入射した場合には非常に優れた阻止性能を発揮するものの、斜めに入射する光に対してはスペクトル阻止帯域が崩れ、暗視装置の感度帯域においても光の透過が生じてしまい、暗視装置と併用するのは困難となる。
そこで、本発明は、波長帯域が制限され暗視装置と併用できる表示装置およびそれに用いるバックライトおよび照明素子を実現することを目的とする。
このような課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、
発光ダイオード素子と、
この発光ダイオード素子の出力光のうち特定の範囲の波長のみを選択的に透過させるフィルタ部材と、
このフィルタ部材に導入される前記発光ダイオード素子からの光を所定の入射角範囲に制限する入射角制限部材と、
前記フィルタ部材を透過した光を拡散する拡散部材と、
この拡散部材を光軸上に位置させたレンズ部材と、
を備えることを特徴とする照明素子である。
請求項2に記載の発明は、
請求項1に記載の照明素子において、
前記入射角範囲は、前記フィルタ部材の入射角依存特性に基づいて設定されることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、
請求項1または2に記載の照明素子において、
前記入射角制限部材は、前記発光ダイオード素子に対向する面が黒色であることを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、
請求項1〜3のいずれかに記載の照明素子において、
前記拡散部材は、出射光にランバーシアン特性を持たせる拡散板であることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、
請求項1〜4のいずれかに記載の照明素子において、
前記拡散部材が発光する面積および形状を前記発光ダイオード素子の発光部分と略同一に調整するマスク部材を備えることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の照明素子を備えるバックライトである。
請求項7に記載の発明は、
請求項1〜5のいずれかに記載の照明素子を備える表示装置である。
本発明によれば、
発光ダイオード素子と、この発光ダイオード素子の出力光のうち特定の範囲の波長のみを選択的に透過させるフィルタ部材と、このフィルタ部材に導入される発光ダイオード素子からの光を所定の入射角範囲に制限する入射角制限部材と、フィルタ部材を透過した光を拡散する拡散部材と、この拡散部材を光軸上に位置させたレンズ部材と、を備えることにより、波長帯域が制限され暗視装置と併用できる照明素子を実現できる。また、この照明素子を用いることにより、波長帯域が制限され暗視装置と併用できるバックライトおよび表示装置を実現できる。
また、簡易な構造であるとともに前記フィルタ部材として一般的な多層膜フィルタを用いることができるため、新たに多層膜フィルタを開発する必要がなく、安価で良好なスペクトル阻止特性を実現できる。
本発明の実施例1の照明素子を示す図である。 帯域制限フィルタのスペクトル特性の一例を示す図である。 マスク部材の構成図である。 従来のLEDを用いた照明素子の一部断面図である。 暗視装置の感度特性の一例を示す図である。 一般的なカラーフィルタのスペクトル特性の一例を示す図である。 一般的なLEDバックライトのスペクトル特性の一例を示す図である。 理想的な帯域制限フィルタのスペクトル特性を示す図である。 実際の帯域制限フィルタのスペクトル特性の一例を示す図である。
図1は本発明の実施例1の照明素子を示す図である。本実施例では、暗視装置と併用される表示装置に用いる照明素子を想定し、およそ600nm以上の波長帯域の光が含まれないように波長を制限する例について説明する。
図1の(a)は照明素子の構成を説明するための断面図、図1の(b)はLEDからの光の帯域制限フィルタへの入射角度を説明するための図である。図1において、1はLED、2は入射角制限部材、3は帯域制限フィルタ、4は拡散部材、5はマスク部材、6は光学レンズである。
LED1は、基台上に形成された発光部分1aを備えている。入射角制限部材2は、このLED1を上から覆うように配置される。入射角制限部材2は、LED1の発光部分1aの上部にあたる位置に孔2aが形成されている。孔2aは、この孔から入射角制限部材2の外に出ていくLED1の直接光が所定の角度θ以内に制限されるように、LED1との位置関係や孔の深さ、孔の径が設定される。
入射角制限部材2のLED1に対向する内壁(孔2a部分の内壁も含む)は、光の乱反射を抑えるため、黒色に塗装される。これにより孔2aから外に出て行く光はLED1の直接光のみに限定される。
孔2aの上部には、孔2aを中心とした凹部2bが形成されている。帯域制限フィルタ3、拡散部材4およびマスク部材5は、この凹部2b内側の形状に合わせて形成され、LED1に近い側から帯域制限フィルタ3、拡散部材4、マスク部材5の順に凹部2b内に密着して配置される。凹部2bは、凹部2b内に帯域制限フィルタ3、拡散部材4、マスク部材5を配置した際にマスク部材5の上面と凹部2bの壁面の高さが一致するように形成される。
マスク部材5は中央部に開口部5aが設けられており、この開口部5aの面積および形状を光学レンズ6の軸(光軸)方向から見たときのLED1の発光部分1aと同一に設定する。
帯域制限フィルタ3には、図9に示すスペクトル特性を有するような、従来と同様の一般的な多層膜フィルタからなる帯域制限フィルタを用いる。ここで、LED1から帯域制限フィルタ3へ入射する光は、入射角度が最大で角度θとなる。帯域制限フィルタ3のスペクトル阻止性能は光の入射角によって変化していくため、角度θの大きさは、帯域制限フィルタ3が所定のフィルタ性能(すなわち本実施例では、600nm以上の波長帯域において暗視装置と併用可能な程度にスペクトルを阻止すること)を発揮することができる入射角範囲内から決定する。
図2は、図9に示すスペクトル特性を有する帯域制限フィルタの、入射角=45度におけるスペクトル特性の一例を示す図である。入射角度=45度では、入射角度=0度の場合(図9の(a))と比較して600nm以上の波長帯域に多少の光の透過が生じているが、透過量は暗視装置との併用が十分可能な程度である。したがって、本実施例では、たとえば、角度θの上限は45度とする。
また、角度θは、角度が大きいほどLED1の光の利用効率が上がるため、できるだけ大きな角度とするのが望ましい。そこで、本実施例では角度θ=45度とする。
図3はマスク部材5の構成図であり、図3の(a)はLED1の平面図、図3の(b)はマスク部材5の平面図を示している。
LED1の発光部分1aは光軸方向から見たときに一辺の長さがdの正方形形状であったとした場合に、マスク部材5の開口部5aは発光部分1aと同様に一辺の長さがdの正方形形状に形成する。これにより、マスク部材5を拡散部材4上に設置した際に、拡散部材4から発せられる光の発光位置、発光面積および形状がLED1と同一となる。
拡散部材4には、出射光にランバーシアン特性を持たせる拡散板を用いる。LEDの多くは角度特性としてランバーシアン特性を有していることから、入射角制限部材2の出射面側に拡散部材4を配置することで、開口部5aからはランバーシアン特性を持った光が出て行く。なお、ランバーシアン特性を持たせる拡散板は一般的なものでよい。
帯域制限フィルタ3を透過した光は拡散部材4によって拡散される。さらに、拡散部材4から発せられる光は、拡散部材4を光軸上に位置させた光学レンズ6でさらに拡散され、照明素子の外部へと出射される。
拡散部材4から発せられる光のレイアウト特性(発光位置、発光面積および形状)をLED1と揃えることにより、帯域制限フィルタ3の有無に関わらず、従来と同じ光学レンズを流用できるという利点がある。
また、帯域制限フィルタ3と拡散部材4を発光部分1aのサイズと同程度の小さな部品で構成すると、部品が取り扱いにくく製造しにくいが、マスク部材5を設けて発光面積および形状を調整するようにしたことにより、帯域制限フィルタ3と拡散部材4を発光部分1aよりも大きな部材で構成でき、部品の取扱いが容易になり製造しやすいという利点がある。
本実施例は以上のように構成され、
LED1と、このLED1の光のうち特定の範囲の波長のみを選択的に透過させる帯域制限フィルタ3と、この帯域制限フィルタ3に導入されるLED1からの光の入射角を角度θ以内に制限する入射角制限部材2と、帯域制限フィルタ3から出射される光にランバーシアン特性を持たせる拡散部材4と、この拡散部材4を光軸上に位置させた光学レンズ6とを備えることにより、波長帯域が600nm以下に制限された照明素子を実現できる。
したがって、暗視装置と併用される表示装置に用いても、照明素子の光が暗視装置の障害となることなく、暗視装置は本来検出すべき微弱な光を識別することが可能となる。
また、簡易な構造であるとともに帯域制限フィルタ3として一般的な多層膜フィルタを用いることができるため、新たに多層膜フィルタを開発する必要がなく、安価で良好なスペクトル阻止特性を実現できる。
また、角度θは、帯域制限フィルタ3の入射角依存特性に基づいて設定されるため、従来と同様の帯域制限フィルタ3を使用した場合であっても確実に良好なスペクトル特性が得られる。
また、入射角制限部材2は、LED1に対向する面が黒色であるため、光の乱反射が抑えられ、孔2aから角度θより入射角の大きな光が出射されるのを防止できる。
また、拡散部材4が発光する面積および形状をLED1の発光部分1aと略同一に調整するマスク部材を備えるため、従来と同じ光学レンズを流用でき、新たな開発コストが不要となる。
なお、本実施例では、LED1の発光部分1aの形状が一辺の長さdの正方形形状であった場合について説明したが、発光部分1aの形状は正方形に限らず、矩形状や円形であってもよい。
また、マスク部材5の開口部5aの形状は発光部分1aの形状に合わせて一辺の長さdの正方形としたが、発光部分1aの面積と略同一面積の矩形状や円形に形成してもよい。発光部分1aの形状が矩形状や円形である場合も同様である。
また、本実施例では、マスク部材5の外形形状を円形形状として説明したが、凹部2bの形状次第で、正方形や矩形形状としてもよい。
以上のような照明素子を用いてバックライトを構成すれば、発光波長が所望の波長帯域に制限され暗視装置と併用できるバックライトを実現できる。
また、そのようなバックライトを用いて液晶表示装置を構成すれば、表示部の発光波長が所望の波長帯域に制限され暗視装置と併用できる液晶表示装置を実現できる。
本実施例におけるLED1は特許請求の範囲における発光ダイオード素子に相当し、帯域制限フィルタ3はフィルタ部材に相当し、角度θ以内の角度は所定の入射角範囲に相当し、光学レンズ6はレンズ部材に相当する。
1 LED(発光ダイオード素子)
1a 発光部分
2 入射角制限部材
3 帯域制限フィルタ(フィルタ部材)
4 拡散部材
5 マスク部材
6 光学レンズ(レンズ部材)

Claims (7)

  1. 発光ダイオード素子と、
    この発光ダイオード素子の出力光のうち特定の範囲の波長のみを選択的に透過させるフィルタ部材と、
    このフィルタ部材に導入される前記発光ダイオード素子からの光を所定の入射角範囲に制限する入射角制限部材と、
    前記フィルタ部材を透過した光を拡散する拡散部材と、
    この拡散部材を光軸上に位置させたレンズ部材と、
    を備えることを特徴とする照明素子。
  2. 前記入射角範囲は、前記フィルタ部材の入射角依存特性に基づいて設定されることを特徴とする請求項1に記載の照明素子。
  3. 前記入射角制限部材は、前記発光ダイオード素子に対向する面が黒色であることを特徴とする請求項1または2に記載の照明素子。
  4. 前記拡散部材は、出射光にランバーシアン特性を持たせる拡散板であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の照明素子。
  5. 前記拡散部材が発光する面積および形状を前記発光ダイオード素子の発光部分と略同一に調整するマスク部材を備えることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の照明素子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の照明素子を備えるバックライト。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の照明素子を備える表示装置。
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