JP2012073096A - 耳式体温計 - Google Patents
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Abstract
【課題】 被検者の耳腔内にプローブを的確かつ容易に挿入することが可能な耳式体温計を提供する。
【解決手段】 耳式体温計100であって、中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブ101と、測定者の指に装着するための装着機能106〜108を有し、該装着機能106〜108を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブ101の支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブ101を支持する装着部102、104とを備え、前記プローブ101は、その底部が、弾性部材を介して支持されることで、前記装着部102に固定されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
【解決手段】 耳式体温計100であって、中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブ101と、測定者の指に装着するための装着機能106〜108を有し、該装着機能106〜108を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブ101の支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブ101を支持する装着部102、104とを備え、前記プローブ101は、その底部が、弾性部材を介して支持されることで、前記装着部102に固定されていることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
本発明は、耳式体温計に関するものである。
従来より、耳腔内にプローブを挿入し、鼓膜またはその周辺の温度を検出することで、被検者の体温を測定する耳式体温計が実用化されている。
耳式体温計は、一般に、環境温度を検出する温度検出素子(例えば、サーミスタ)と、耳腔内の温度測定部位(鼓膜またはその周辺)から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子(例えば、冷接点と温接点とからなるサーモパイル)とを備えており、それぞれの検出素子の検出温度に基づいて、被検者の体温を算出する構成となっており、他の方式の体温計と比較して、体温の測定を短時間で高精度に行うことができるという利点を備えている。
しかしながら、耳式体温計の場合、耳腔内にプローブが的確に挿入されず(つまり、適切な測定状態を確保できず)、耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を適切に検出できなかった場合に、測定誤差が大きくなるという問題がある。特に、乳幼児等のように、一定時間、静止させておくことが困難であり、かつ測定者による支えなどが必要な被検者の場合には、このような問題が顕著になる。
これに対して、従来の耳式体温計は、例えば、図8に示すように、測定者または被検者自身が、本体部下方を支持しながら測定を行うことを前提としていたため、耳腔内への挿入において、プローブ部の先端を高精度に位置合わせすることが必ずしも容易ではなかった。また、本体部の支持において片方の手が完全に塞がるため、乳幼児等のように、測定に際して測定者が手で支える必要がある被検者の場合には、高精度な測定がより困難なものとなっていた。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、被検者の耳腔内にプローブ部を的確かつ容易に挿入することが可能な耳式体温計を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る耳式体温計は以下のような構成を備える。即ち、
環境温度を検出する温度検出素子と、被検者の耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出することで該温度測定部位の相対温度を検出する赤外線検出素子とを備え、該温度検出素子により検出された環境温度と該赤外線検出素子により検出された相対温度とを用いて、被検者の体温を測定する耳式体温計であって、
中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブと、
測定者の指に装着するための装着機能を有し、該装着機能を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブの支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブを支持する装着部と、を備え、
前記プローブは、その底部が、弾性を有する部材を介して支持されることで、前記装着部に固定されていることを特徴とする。
環境温度を検出する温度検出素子と、被検者の耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出することで該温度測定部位の相対温度を検出する赤外線検出素子とを備え、該温度検出素子により検出された環境温度と該赤外線検出素子により検出された相対温度とを用いて、被検者の体温を測定する耳式体温計であって、
中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブと、
測定者の指に装着するための装着機能を有し、該装着機能を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブの支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブを支持する装着部と、を備え、
前記プローブは、その底部が、弾性を有する部材を介して支持されることで、前記装着部に固定されていることを特徴とする。
本発明によれば、被検者の耳腔内にプローブ部を的確かつ容易に挿入することが可能な耳式体温計を提供することが可能となる。
以下、本発明の各実施形態について図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
1.耳式体温計の外観構成
はじめに、本発明の第1の実施形態に係る耳式体温計100の外観構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る耳式体温計100の外観構成を示す図である。
1.耳式体温計の外観構成
はじめに、本発明の第1の実施形態に係る耳式体温計100の外観構成について説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る耳式体温計100の外観構成を示す図である。
図1において、101はプローブ部であり、耳腔内の温度測定部位(好ましくは鼓膜及び/又はその周辺)から放射される赤外線を検出するために耳腔内(外耳道)に挿入される。プローブ部101は、耳腔内への挿入が可能となるよう、先端の外径寸法が約7mmの筒状形状となっている。
102はプローブ支持部であり、一方の面に設けられた開口部よりプローブ部101が突出するようにしてプローブ部101を支持する。また、当該一方の面に対向する面111には、指固定壁103が設けられており、耳式体温計100を測定者の指に装着した際の、当該指のX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)及びY軸方向(マイナス方向)の位置を規定している。
なお、プローブ支持部102の面111のY軸方向の長さは、概ね、測定者の指の先端から第1関節付近までの長さとなっており、面111上であって、プローブ部101を支持する支持位置に対向する位置に、測定者の指の腹(指紋がある部分。手指末節部の手掌面側の部分)が接触するよう構成されている。これにより、プローブ部101の先端を被検者の耳腔内に挿入した際に、プローブ部101の先端が耳壁に接触する感覚を、測定者は指先で敏感に感じ取ることが可能となる。
104は耳式体温計100全体を制御する固定部であり、プローブ支持部102の面111と同一平面を形成する面112を有しており、耳式体温計100が測定者の指に装着された際に、測定者の指の第1関節よりも根元側の部分が接触するよう構成されている。なお、本実施形態における耳式体温計100では、固定部104のY軸方向の長さが、概ね、測定者の指の第1関節から第2関節までの長さとなるように構成されているものとする。これにより、測定者は第2関節で指を折り曲げる動作を自由に行うことができ、耳式体温計100を被検者の耳腔内に挿入した際に、指先で微小角度の調整を行うことができるようになる。つまり、プローブ部101の先端の位置合わせを高精度に行うことが可能となる。
なお、固定部104の面112には、指固定壁105が設けられており、耳式体温計100を測定者の指に装着した際の、当該指のX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)の位置を規定している。
また、固定部104の側面には、測定者の指に巻かれる装着帯106、108が設けられており、プローブ支持部102の面111及び固定部104の面112に測定者の指が載置された状態で、該測定者の指に装着帯106を巻き、その先端の装着リング107に、装着帯108を通したうえで、X軸方向(マイナス方向)に引っ張ることにより、測定者の指を耳式体温計100に安定して固定することができる(つまり、装着帯106、108、装着リング107は、耳式体温計100を測定者の指に装着するための装着機能を実現するものであり、当該装着機能により装着されるプローブ支持部102及び固定部104は、一体で、装着部としての役割を果たす)。
なお、装着帯106及び装着帯108にはそれぞれ、雄型の面ファスナーと雌型の面ファスナーとが備えられており(不図示)、装着帯108をX軸方向(マイナス方向)に引っ張った状態で、装着帯108を装着帯106に罫着固定できるように構成されている。
2.耳式体温計100の正面及び側面の構成
次に、耳式体温計100の正面及び側面の構成について説明する。図2A(a)は、耳式体温計100の正面図であり、図2A(b)は、耳式体温計100の側面図である。
次に、耳式体温計100の正面及び側面の構成について説明する。図2A(a)は、耳式体温計100の正面図であり、図2A(b)は、耳式体温計100の側面図である。
図2A(a)に示すように、固定部104の面112と対向する面206上(プローブ部101が突出している側の面と同じ側の面)には、表示部201が設けられており、測定された被検者の体温を表示する。また、面206上には、電源スイッチ202が設けられており、押圧操作により耳式体温計100の電源のON/OFFを制御することができる。
また、図2A(b)に示すように、固定部104の側面には、測定開始スイッチ203が設けられており、電源がONとなった状態で押圧操作されることで、測定の開始を指示することができる。204はスピーカであり、測定開始スイッチ203が押圧操作された場合や、体温測定が終了した場合等に、音声を出力する。205はLED素子であり、耳式体温計100の内部状態に対応して点灯が制御される。
3.耳式体温計100のプローブ部の取付構成
次に、耳式体温計100のプローブ部101のプローブ支持部102に対する取付構成について説明する。図2Bは、プローブ部101及びプローブ支持部102の側面の断面構成を示す図である。以下、図2Bの断面構成を示す図を用いて、プローブ部101のプローブ支持部102に対する取付構成について説明する。
次に、耳式体温計100のプローブ部101のプローブ支持部102に対する取付構成について説明する。図2Bは、プローブ部101及びプローブ支持部102の側面の断面構成を示す図である。以下、図2Bの断面構成を示す図を用いて、プローブ部101のプローブ支持部102に対する取付構成について説明する。
図2B(a)に示すように、プローブ部101は、中空筒状体のプローブハウジング212と、プローブハウジング212の底部を形成するプローブ底部213とを備え、プローブハウジング212内には、検出素子収納体214(詳細は後述)が固定された構成となっている。
そして、プローブ底部213は、基台217に取り付けられた支持部材215により、その中心位置が支持されている。つまり、プローブハウジング212は、プローブ支持部102に設けられた開口部211内において、支持部材215を介して、プローブ支持部102に取り付けられている。
なお、支持部材215は、検出素子収納体214から延びる電極リード(不図示)をプローブ支持部102内の接点(不図示)に接続するための接続部216を取り囲むようにして配置されている。
ここで、本実施形態の耳式体温計100では、支持部材215は弾性を有しているものとする。このため、プローブハウジング212に対して、Y軸方向(プラス方向及びマイナス方向)及びX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)の力が加わった場合、支持部材215は弾性変形し、プローブハウジング212の外周面が、プローブ支持部102の開口部211を形成する周縁部に接触するまで、プローブ部101は傾くこととなる。
図2B(b−1)〜(b−3)は、プローブハウジング212に対して、Y軸方向に力が加わることで、支持部材215が弾性変形し、プローブ部101が傾いた様子を示している。
図2Bに示すように、支持部材215の薄肉部位220は、他の部位と比較して薄肉構造となっているため、プローブハウジング212に対して、Y軸方向に力が加わると、薄肉部位220において支持部材215は弾性変形する。
(b−1)は、プローブハウジング212に対して、Y軸のマイナス方向に力が加わった様子を、(b−3)は、プローブハウジング212に対して、Y軸のプラス方向に力が加わった様子をそれぞれ示している。また、(b−2)は、プローブハウジング212に加わっていた力がなくなり、支持部材215の弾性により傾いていたプローブ部101が元に戻った様子を示している。なお、支持部材215の薄肉部位220は、円周方向に形成されているため、プローブハウジング212に対して、X軸方向に力が加わった場合にも、同様に、プローブ部101が傾くこととなる。
このように、プローブ部101が、外部からの力によって、微小角度だけ傾く構成とすることで、被検者の耳孔内へのプローブ部101の先端の挿入に際して、プローブ部101が耳孔内の側壁に接触した場合であっても、当該接触によりプローブ部101に加わった力により、プローブ部101は傾くこととなる。
つまり、被検者の耳孔の開口方向に対して、測定者によるプローブ部101の先端の挿入方向がずれていたとしても、プローブ部101が、被検者の耳孔の開口方向に沿って傾くこととなり、結果、測定者は、耳式体温計100を被検者の耳孔内に正しく固定することが可能となる。
4.耳式体温計100の装着状態
次に測定者が耳式体温計100を装着した状態について図3を参照しながら説明する。図3に示すように、測定者の指の先端部が指固定壁103に接触することで、測定者の指のY軸方向(マイナス方向)及びX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)の位置が規定される。
次に測定者が耳式体温計100を装着した状態について図3を参照しながら説明する。図3に示すように、測定者の指の先端部が指固定壁103に接触することで、測定者の指のY軸方向(マイナス方向)及びX軸方向(プラス方向及びマイナス方向)の位置が規定される。
また、装着帯106の先端に設けられた装着リング107に装着帯108が通され、装着帯108がX軸方向(マイナス方向)に引っ張られることで、測定者の指の第1関節と第2関節の間の部分が、固定部104に固定される。
上述したように、耳式体温計100が測定者の指に装着された状態では、測定者は指の第2関節を折り曲げることができ、これにより、被検者の耳腔内へのプローブ部101の挿入に際して、測定者はプローブ部101の先端の位置を微調整することができる。
また、測定者の指の腹が、プローブ支持部102の面111上であって、プローブ支持部102がプローブ部101を支持する支持位置に対向する位置において面111に接触するため、測定者は、プローブ部101の先端が耳壁に接触する感覚を、指先で敏感に感じ取ることができる。
なお、図3に示すように、耳式体温計100は、測定者のいずれかの指(通常は、人指し指)に安定して固定されるため、測定者は、被検者の体温測定に際して、耳式体温計100が装着された指以外の指を、自由に使うことができる。
5.耳式体温計100による体温測定
次に測定者が耳式体温計100を装着して、被検者の体温測定を行う様子を図4を参照しながら説明する。図4に示すように、耳式体温計100を測定者の右手の人差し指に装着した場合、右手人差し指以外の指は自由に使うことができる。このため、測定者は、被検者の顔を両手(左手のすべての指と、右手の人差し指以外の指と)で、押えることができる。
次に測定者が耳式体温計100を装着して、被検者の体温測定を行う様子を図4を参照しながら説明する。図4に示すように、耳式体温計100を測定者の右手の人差し指に装着した場合、右手人差し指以外の指は自由に使うことができる。このため、測定者は、被検者の顔を両手(左手のすべての指と、右手の人差し指以外の指と)で、押えることができる。
このように、本実施形態に係る耳式体温計100によれば、測定に際して、被検者を両手で押えることができるため、安定した状態(被検者が静止した状態)での体温測定が可能となり、測定誤差の発生を低減させることが可能となる。
6.検出素子収納体214の構成
上述したように、プローブ部101は先端に開口部が形成された中空筒状体により形成されており、先端の開口部近傍には、環境温度を検出する温度検出素子(例えば、サーミスタ)と、耳腔内の温度測定部位(鼓膜またはその周辺)から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子(例えば、冷接点と温接点とからなるサーモパイル)とが収納された検出素子収納体214が固定されている。
上述したように、プローブ部101は先端に開口部が形成された中空筒状体により形成されており、先端の開口部近傍には、環境温度を検出する温度検出素子(例えば、サーミスタ)と、耳腔内の温度測定部位(鼓膜またはその周辺)から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子(例えば、冷接点と温接点とからなるサーモパイル)とが収納された検出素子収納体214が固定されている。
図5は、検出素子収納体214の一部を破断して示した外観斜視図である。図5に示すように、検出素子収納体214は、取付け基部材503を備え、取付け基部材503上には、環境温度を検出する温度検出素子であるサーミスタ501と、耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出する赤外線検出素子502とが固定されている。
サーミスタ501は、使用環境温度である絶対温度を検出できるように調整されている。また、外気温度がサーミスタ501に伝達されるよう、取付け基部材503はアルミ材等の良熱伝導体により構成されており、かつ、サーミスタ501は、取付け面の表面積が大きくなるように取付け基部材503に固定されている。
更に、サーミスタ501には、電極リード507が取付けられており、検出温度は電極リード507を介して出力される。
一方、赤外線IRを検出する赤外線検出素子502は、相対温度を検出するように調整されている。
本実施形態に係る耳式体温計100では、赤外線検出素子502として、熱電対型(サーモパイル型)の検出素子を用いている。このため、図5に示すように、取付け基部材503の台座503b上に固定されるウエハ担体502c上には、花弁状に形成された温接点502aと、冷接点502bとが形成される。
各温接点502aと冷接点502bとは異種金属から形成され、かつ直列に接続されており、取付け基部材503に対して絶縁状態で固定された電極リード508に向かってリード線が接続されている。なお、温接点502aで囲まれる範囲Hは、赤外線を吸収しやすくするために黒色塗装されている。
このような構成のもと、赤外線検出素子502では、各接点間において発生した起電力に基づいて、相対温度の検出を行う。
そして、耳式体温計100では、被検者の体温を、温度検出素子により検出された検出温度に、赤外線検出素子により検出された検出温度を加えることで算出する。なお、この算出処理の詳細については、例えば特開平11−123179号公報に詳しく記載されているので、ここでの詳細な説明は省略する。
更に、検出素子収納体214は、2つの検出素子を囲い込むように形成された筒状の容器部材505を備え、容器部材505は、外周面505aと、孔504を有する天井面とから構成される。
容器部材505も取付け基部材503と同様にアルミ材、ステンレス材等の良熱伝導体から形成されており、外気温度がサーミスタ501に伝達されやすい構成となっている。また、孔504には赤外線を透過させるセラミック素材からなる窓部材506が固定されている。
なお、図5に示す検出素子収納体214の場合、取付け基部材503にはその縁部から半径方向に向かって外側鍔部503aが延設されており、これにより検出素子収納体214は、プローブ部101の内壁に保持されることとなる。
7.耳式体温計100の機能構成
次に耳式体温計100の機能構成について図6を用いて説明する。図6は、耳式体温計100の機能構成を示すブロック図である。なお、図6に示す構成または部品のうち、既に説明済みの構成または部品については同様の参照番号を附すこととし、ここでは詳細な説明は省略する。
次に耳式体温計100の機能構成について図6を用いて説明する。図6は、耳式体温計100の機能構成を示すブロック図である。なお、図6に示す構成または部品のうち、既に説明済みの構成または部品については同様の参照番号を附すこととし、ここでは詳細な説明は省略する。
図6に示すように、プローブ部101の検出素子収納体214に内蔵されたサーミスタ501は、電極リード507を介して実装基板上の増幅部605に接続されている。また、赤外線IRを検出する赤外線検出素子502は、電極リード508を介して実装基板上の増幅部606に接続される。
実装基板上に配された制御部601には、CPU602と記憶素子であるRAM603及びROM604とが配されており、サーミスタ501により検出された検出温度と、赤外線検出素子502により検出された検出温度とに基づいて、被検者の体温の算出を行う。
また、制御部601には、LED素子205と、表示部201と、スピーカ204と、電源スイッチ202と、測定開始スイッチ203とがそれぞれ接続されている。
表示部201は、制御部601において算出された被検者の体温を表示する。また、測定開始スイッチ203が押圧操作された場合には、測定モードに移行したことを示す絵文字等のキャラクタを表示する。
LED素子205は、測定開始スイッチ203が押圧操作されると緑色に点灯し、被検者の体温の測定が完了すると、赤色に点灯する。スピーカ204は、測定開始スイッチ203が押圧操作された場合や、被検者の体温の測定が完了した場合に、音声を出力する。
なお、制御部601は、電源スイッチ202が押圧操作されることにより、ボタン電池608(電源部)からの電力供給を受けて動作するよう構成されているものとする。
8.体温測定処理の流れ
次に耳式体温計100における体温測定処理の流れについて説明する。図7は、耳式体温計100における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。
次に耳式体温計100における体温測定処理の流れについて説明する。図7は、耳式体温計100における体温測定処理の流れを示すフローチャートである。
電源スイッチ202が押圧操作されると、体温測定処理が開始され、ステップS701では、測定開始スイッチ203が押圧操作されたか否かを判定する。ステップS701において、測定開始スイッチ203が押圧操作されたと判定された場合には、ステップS702に進む。
ステップS702では、サーミスタ501及び赤外線検出素子502において検出された検出温度を取得する。
ステップS703では、ステップS702において取得された検出温度に基づいて、制御部601が被検者の体温を算出する。また、算出した被検者の体温を表示部201に表示する。
ステップS704では、制御部601において被検者の体温を算出する処理が完了したことを報知するために、LED素子205を赤色に点灯させる。また、スピーカ204より音声を出力し、体温測定処理を終了する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態に係る耳式体温計100では、装着部(102及び104)及び装着帯106、107を配し、測定者の指に装着できる構成とするとともに、装着時に測定者の指が接触する面111、112に指固定壁(規定部材)を設け、装着時の測定者の指の位置を規定する構成としたことで、耳式体温計100の測定者の指への安定装着を実現した結果、測定者が、被検者の体温測定に際して、両手を使うことができるようになった。
また、耳式体温計100が装着された場合であっても、測定者が指の第2関節を自由に折り曲げることができるよう固定部104の長さを規制したことにより、プローブ部101の耳腔内への挿入に際して、プローブ部101の先端の位置を微調整することができるようになった。
更に、耳式体温計100を装着した際に、測定者の指の腹が、プローブ支持部102の面111上の、プローブ部101の支持位置と対向する位置において、面111に接触する構成としたことで、プローブ部101の先端が耳壁に接触する感覚を、測定者は指先で敏感に感じ取ることが可能となった。
更に、プローブ部101を、弾性を有する支持部材215を介してプローブ支持部102に固定し、プローブ部101に対して力が加わった場合に、プローブ部101が微小角度だけ傾くように構成した。これにより、被検者の耳孔の開口方向に対して、測定者によるプローブ部101の先端の挿入方向がずれていたとしても、当該ずれを修正することが可能となった。
この結果、耳式体温計において、被検者の耳腔内にプローブ部を的確かつ容易に挿入することが可能となった。
なお、上記説明では、プローブ部101がプローブ支持部102の開口部211より略直交する方向に突出するものとしたが、本発明はこれに限定されず、プローブ支持部102に対して斜めに突出するように構成してもよい。
また、上記説明では、プローブ支持部102の面111及び固定部104の面112は平面としたが、本発明はこれに限定されず、中央がくぼんだ曲面により形成してもよい。この場合、指の形状に一致することとなり、耳式体温計100装着時の安定性がより向上することとなる。
100・・・第1の実施形態に係る耳式体温計、101・・・プローブ部、102・・・プローブ支持部、103・・・指固定壁、104・・・固定部、105・・・指固定壁、106・・・装着帯、107・・・装着リング、108・・・装着帯、111・・・面、112・・・面、201・・・表示部、202・・・電源スイッチ、203・・・測定開始スイッチ、204・・・スピーカ、205・・・LED素子、206・・・面、211・・・開口部、212・・・プローブハウジング、213・・・プローブ底部、214・・・検出素子収納体、215・・・支持部材、216・・・接続部、220・・・薄肉部位、501・・・サーミスタ、502・・・赤外線検出素子、502a・・・温接点、502b・・・冷接点、502c・・・ウエハ担体、503・・・基部材、503a・・・外側鍔部、503b・・・台座、504・・・孔、505・・・容器部材、505a・・・外周面、506・・・窓部材、507・・・電極リード、508・・・電極リード
Claims (6)
- 環境温度を検出する温度検出素子と、被検者の耳腔内の温度測定部位から放射される赤外線を検出することで該温度測定部位の相対温度を検出する赤外線検出素子とを備え、該温度検出素子により検出された環境温度と該赤外線検出素子により検出された相対温度とを用いて、被検者の体温を測定する耳式体温計であって、
中空の筒状体によって形成され、前記耳腔内に挿入されるプローブと、
測定者の指に装着するための装着機能を有し、該装着機能を用いて該測定者の指に装着した場合に、前記プローブの支持位置が、該測定者の手指末節部の手掌面に対向する位置となるように、前記プローブを支持する装着部と、を備え、
前記プローブは、その底部が、弾性を有する部材を介して支持されることで、前記装着部に固定されていることを特徴とする耳式体温計。 - 前記プローブは、前記装着部に設けられた開口部より突出するように配されており、該プローブの底部は、該開口部内において前記装着部に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の耳式体温計。、
- 前記装着部は、前記測定者の指に装着された場合に、該測定者の指の先端から該測定者の第2関節までの間におさまるように構成されていることを特徴とする請求項2に記載の耳式体温計。
- 前記装着部は、測定した前記被検者の体温を表示する表示部を更に備え、該表示部は、前記装着部上であって、前記プローブが突出する側と同じ側の面を形成する第1の面上に配置されていることを特徴とする請求項3に記載の耳式体温計。
- 前記装着機能は、前記装着部の側面を形成する第2の面上から延設された装着帯であって、前記第1の面に対向する第3の面上に、前記測定者の指が載置された場合に、該指の外周面に対して周方向に巻くことで、該指を該第3の面上に固定する装着帯により実現されることを特徴とする請求項4に記載の耳式体温計。
- 前記第3の面上には、前記測定者の指が載置された場合に、該指の先端部の位置を規定する規定部材が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の耳式体温計。
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