JP2012072684A - 風力発電装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡素な構造によりナセル内に収容された変圧器を良好に冷却可能な風力発電装置を提供する。
【解決手段】風力により回転駆動されるロータ10と、ロータにより回転駆動される発電機20と、発電機の出力電圧を昇圧する変圧器30と、タワー50の上部に設けられ発電機及び変圧器を収容するナセル40とを備える風力発電装置1を、ナセルは、変圧器を冷却する空気を導入する吸気口、及び、吸気口から導入された空気が変圧器を冷却した後に外部へ排出される排気口を有し、発電機は、吸気口から排気口までの空気流路の外部に配置される構成とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、風車タワー上部のナセル内にロータにより駆動される発電機及び変圧器を収容した風力発電装置に関し、特に簡素な構造により変圧器を良好に冷却可能なものに関する。
風力発電装置は、風車タワーの上部に設けられたナセル内に収容された発電機を、ロータ(風車)によって駆動し発電するものである。発電機が発電した出力は、変圧器によって昇圧した後に電力として送電される。
一般に、変圧器は風車タワーに隣接して地上に設けられた建屋等に収容される場合が多い。
しかし、例えば山岳地帯や洋上などのように、設置スペースが限られた領域に風車を設置する際には、変圧器を収容する建屋の設置スペースを確保することが困難である。
このような問題を解決するため、変圧器をタワー内あるいはナセル内に設置する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、風車タワーの基部であるタワーベースの内部に変圧器を収容した風力発電装置が記載されている。
また、特許文献2には、変圧器を含む電力モジュールを、タワーの内部に配置されたコンテナ内に収容した風力発電設備が記載されている。
また、特許文献3の図4等には、ナセルの内部に変圧器を収容した風力発電装置が記載されている。
ここで、特許文献3のようにナセル内に変圧器を収容できれば、風車タワーの設置スペースを低減することができるが、この場合、ナセル内の各装置を適切に冷却することが重要となる。
ナセル内の冷却に関する従来技術として、例えば特許文献4には、吸気口から取り入れた空気を、ナセル内に収容したファンによって強制的に循環させ、ナセル内の温度上昇を抑制する風力発電装置の冷却機構が記載されている。
特開2006−9596号公報 特表2006−515400号公報 特開2004−218436号公報 特開昭58−65977号公報
しかし、特許文献4に記載されたようにナセル内の全体を空冷とした場合、吸気口から外気とともに侵入する雨、雪、埃、さらには洋上風車等の場合には塩分により、発電機周辺部品や配線等の汚れ、腐食、錆等が発生するという問題が生ずる。
これに対し、ナセル内の全体をラジエータを用いた水冷とすれば、発電機周辺部品等を異物や塩害等から保護することは可能であるが、ナセル内の構造が複雑化するとともに重量が増加し、メンテナンスや性能面での問題が生ずるおそれがある。
本発明の課題は、簡素な構造によりナセル内に収容された変圧器を良好に冷却可能な風力発電装置を提供することである。
本発明は、以下のような解決手段により、上述した課題を解決する。
請求項1の発明は、風力により回転駆動されるロータと、前記ロータにより回転駆動される発電機と、前記発電機の出力電圧を昇圧する変圧器と、タワーの上部に設けられ前記発電機及び前記変圧器を収容するナセルとを備える風力発電装置であって、前記ナセルは、前記変圧器を冷却する空気を導入する吸気口、及び、前記吸気口から導入された空気が前記変圧器を冷却した後に外部へ排出される排気口を有し、前記発電機は、前記吸気口から前記排気口までの空気流路の外部に配置されることを特徴とする風力発電装置である。
これによれば、外気を導入して変圧器を空冷し、発電機を例えば水冷等の他の冷却手段によって冷却することによって、簡単な構造によって変圧器を冷却するとともに発電機及びその周辺部品が外気とともに侵入する雨、雪、埃、塩分等に曝されることを防止できる。
請求項2の発明は、前記変圧器は前記発電機に対して風上側に配置され、前記ナセルは、前記変圧器と前記発電機との間に設けられた隔壁を有し、前記吸気口及び前記排気口は前記隔壁よりも風上側に配置されることを特徴とする請求項1に記載の風力発電装置である。
これによれば、隔壁によって外気から発電機等を保護しつつ、隔壁よりも風上側で変圧器を空冷することができる。
請求項3の発明は、前記ロータは、前記ナセルに対して風下側に配置され、前記吸気口は、前記ナセルの風上側の端部に配置されることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の風力発電装置である。
これによれば、ダウンウインド型の風力発電装置において、気流に対向するナセルの前面部に吸気口を設けることによって、ナセル内に外気を効率よく導入し、変圧器を良好に冷却することができる。
請求項4の発明は、前記発電機に冷却液を循環させる液冷式冷却装置を備えることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の風力発電装置である。
これによれば、発電機を液冷することによって、外気による空冷を行わない発電機を良好に冷却することができる。
以上説明したように、本発明によれば、簡素な構造によりナセル内に収容された変圧器を良好に冷却可能な風力発電装置を提供することができる。
本発明を適用した風力発電装置の実施例1の構成を示す模式図であって、図1(a)は側面視図であり、図1(b)は図1(a)のb−b部矢視図である(図3において同様)。 実施例1の風力発電装置におけるナセルの模式的外観斜視図であって、風上側の斜め上方側から見た図である。 本発明を適用した風力発電装置の実施例2の構成を示す模式図である。 実施例2の風力発電装置におけるナセルの模式的外観斜視図であって、風上側の斜め上方側から見た図である。
本発明は、簡素な構造によりナセル内に収容された変圧器を良好に冷却可能な風力発電装置を提供する課題を、ロータがナセルの風下側に配置されたダウンウインド型の風力発電装置において、ナセルの風上側にトランスを配置し、ナセルの風上側から導入した空気によってトランスを冷却するとともに、トランスと発電機との間の隔壁よりも風上側に設けられた排気口から排気することによって解決した。
以下、本発明を適用した風力発電装置の実施例1について説明する。
図1に示すように、風力発電装置1は、ロータ10、発電機20、トランス30、ナセル40、タワー50等を備えて構成されている。
実施例1の風力発電装置1は、ロータ10が通常運転時におけるナセル40の風下側に配置されたいわゆるダウンウインド型のものである。
ロータ10は、ナセル40の風下側端部に回転可能に支持されたハブに、複数のブレードを放射状に取り付けて構成されている。
ロータ10は、ブレードが気流を受け発生する揚力によって回転駆動される。
発電機20は、図示しない増速機構を介してロータ10によって駆動され、電力を発生するものである。発電機20は、ナセル40内の風下側の領域に配置されている。
発電機20は、図示しないラジエータによって冷却された冷却水を循環させる図示しない水冷式の冷却装置を備えている。また、この冷却装置は、図示しない制御盤等の周辺機器の冷却にも用いられる。
トランス30は、発電機20が発電した出力を昇圧して電力として出力する変圧器である。
トランス30は、発電機20に対して風上側に配置されている。
トランス30は、後述するように、ナセル40内に導入される空気によって冷却される。
ナセル40は、発電機20及びトランス30を収容する部分である。
ナセル40は、隔壁41、吸気口42、排気口43等を備えて構成されている。
隔壁41は、ナセル40の中央部付近に配置され、ナセル40の内部空間を風上側及び風下側に区画するものである。
発電機20は隔壁41よりも風下側に配置され、トランス30は隔壁41よりも風上側に配置されている。
吸気口42は、トランス30を冷却するための空気(外気)を導入するものである。
吸気口42は、ナセル40の風上側の端部(風上側から見た正面部)に開口して設けられている。
一例として、吸気口42は、図2に示すように、ナセル40の正面部に、上下方向に沿った長手方向を有する矩形の開口として形成され、例えば2つが水平方向に並べて配置されるが、位置や形状はこれに限定されない。
排気口43は、吸気口42から導入されトランス30を冷却した後の空気を、ナセル40の外部に排出するものである。
排気口43は、隔壁41よりも風上側におけるナセル40の上面部、下面部、側面部等の少なくとも一部に形成されている。
一例として、排気口43は、図2に示すように、ナセル40の側面部における隔壁41の風上側に、上下方向に沿った長手方向を有する矩形の開口として形成されるが、位置や形状はこれに限定されない。
タワー50は、ナセル40を支持する支柱である。
タワー50の上端部は、ナセル40の下部に接続され、下端部は地上、洋上等に設けられる基部に固定されている。
実施例1において、ナセル40に図1(a)の左側から気流(風)が当たると、外気の一部は吸気口42からナセル40内に導入され、トランス30を空冷した後に、排気口43からナセル40の外部へ排出される。
このとき、ナセル40内に隔壁41を設けたことによって、ナセル40内で外気が隔壁41よりも風下側に流入することは実質的に防止される。すなわち、発電機20及びその周辺機器類は、吸気口42からトランス30を経て排気口43へ至る空気流路の外部に配置される。
以上説明した実施例1によれば、以下の効果を得ることができる。
(1)外気を導入してトランス30を空冷し、発電機20を水冷式の冷却装置によって冷却することによって、簡単な構造によってトランス30を冷却するとともに発電機20及びその周辺部品が外気とともに侵入する雨、雪、埃、塩分等に曝されることを防止することができる。
(2)ナセル40内に隔壁41を設けたことによって、隔壁41によって外気から発電機20等を保護しつつ、隔壁よりも風上側でトランス30を空冷することができる。
(3)ダウンウインド型の風力発電装置1において、ナセル40の風上側の端部に吸気口42を設けることによって、ナセル40内に外気を効率よく導入し、トランス30を良好に冷却することができる。
次に、本発明を適用した風力発電装置の実施例2について説明する。
なお、上述した実施例1と実質的に同様の箇所については同じ符号を付して説明を省略し、主に相違点について説明する。
図3に示すように、実施例2の風力発電装置101は、ロータ10が通常運転時におけるナセル140の風上側に配置されたいわゆるアップウインド型のものである。
ナセル140は、隔壁141、吸気口142、排気口143等を備えて構成されている。
隔壁141は、ナセル140の中央部付近に配置され、ナセル140の内部空間を風上側及び風下側に区画するものである。
発電機20は、隔壁141よりも風下側に配置されている。
発電機20の主軸は、隔壁141を貫通して風上側に伸びた図示しない回転軸に接続されている。
トランス130は、図3(a)に示すように、隔壁141よりも風上側に配置される。また、トランス130は、図3(b)に示すように、上述した回転軸及びロータ10の主軸を支持するベアリングが収容されるベアリングハウジングHを避けて、風上側から見てその左右に振り分けて配置されている。
吸気口142は、トランス130を冷却するための空気(外気)を、ロータ10の後流から導入するものである。
吸気口142は、ナセル140の風上側の端部(風上側から見た正面部)に開口して設けられている。
一例として、吸気口142は、図4に示すように、ナセル140の正面部における上部に、矩形の開口として形成され、例えば2つがロータ10のハブ111を水平方向に避けた両側に配置されるが、位置や形状はこれに限定されない。
排気口143は、吸気口142から導入されトランス130を冷却した後の空気を、ナセル140の外部に排出するものである。
排気口143は、隔壁141よりも風上側におけるナセル140の上面部、下面部、側面部等の少なくとも一部に形成されている。
一例として、排気口143は、図4に示すように、ナセル140の側面部における隔壁141の風上側に、上下方向に沿った長手方向を有する矩形の開口として形成されるが、位置や形状はこれに限定されない。
以上説明した実施例2によれば、ロータ10がナセル140の風上側に配置されるアップウインド型の風力発電装置101においても、上述した実施例1の効果と実質的に同様の効果を得ることができる。
(変形例)
本発明は、以上説明した各実施例に限定されることなく、種々の変形や変更が可能であって、それらも本発明の技術的範囲内である。
例えば、風力発電装置の構成は、上述した実施例に限定されず、適宜変更することができる。例えば、ナセルに設けられる吸気口、排気口の配置、個数や、空気流路と発電機とを隔てる隔壁の形状、構造等、適宜変更することができる。
1 風力発電装置(実施例1) 10 ロータ
20 発電機 30 トランス
40 ナセル 41 隔壁
42 吸気口 43 排気口
50 タワー
101 風力発電装置(実施例2) 111 ハブ
130 トランス
140 ナセル 141 隔壁
142 吸気口 143 排気口
H ベアリングハウジング

Claims (4)

  1. 風力により回転駆動されるロータと、
    前記ロータにより回転駆動される発電機と、
    前記発電機の出力電圧を昇圧する変圧器と、
    タワーの上部に設けられ前記発電機及び前記変圧器を収容するナセルと
    を備える風力発電装置であって、
    前記ナセルは、前記変圧器を冷却する空気を導入する吸気口、及び、前記吸気口から導入された空気が前記変圧器を冷却した後に外部へ排出される排気口を有し、
    前記発電機は、前記吸気口から前記排気口までの空気流路の外部に配置されること
    を特徴とする風力発電装置。
  2. 前記変圧器は前記発電機に対して風上側に配置され、
    前記ナセルは、前記変圧器と前記発電機との間に設けられた隔壁を有し、
    前記吸気口及び前記排気口は前記隔壁よりも風上側に配置されること
    を特徴とする請求項1に記載の風力発電装置。
  3. 前記ロータは、前記ナセルに対して風下側に配置され、
    前記吸気口は、前記ナセルの風上側の端部に配置されること
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載の風力発電装置。
  4. 前記発電機に冷却液を循環させる液冷式冷却装置を備えること
    を特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の風力発電装置。
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