JP2012070440A - 送信端末装置およびネットワークノードおよび中継スイッチ - Google Patents

送信端末装置およびネットワークノードおよび中継スイッチ Download PDF

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Abstract

【課題】 複数コネクション間で帯域の分配を行う際、送信端末から実際に送信される帯域を各コネクションの優先度に応じて分配し、更に輻輳通知等で送信帯域を制限され分配した帯域で送信不可能なコネクションは、差分の帯域を他コネクションが利用してセルを送信する送信帯域分配方式を提供する。
【解決手段】 シェーピング部410に、受信RMセル内の輻輳通知情報から送信帯域を計算するABR帯域計算回路420と、コネクション間で帯域を優先度をつけて分配した帯域を計算する帯域分配部430を設け、ABR帯域計算回路420による計算結果と帯域分配部430による計算結果のうち値の小さい方を送信帯域としシェーピング部410でシェーピングを行う。輻輳通知情報により送信帯域を制限されたコネクションは、帯域分配の優先度を下げることで、自分が利用することができない帯域を他のコネクションに解放するようにしている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、非同期転送網における交換スイッチ、非同期転送網における交換スイッチを備える端末装置またはスイッチ等に係り、特に、セル送信帯域のコネクション間での分配技術に関する。更に、可変長パケット網における端末装置に係り、特に、パケット送信帯域のユーザ間での分配技術に関する。
非同期転送技術は、セルと呼ばれる固定長パケットを用いて、音声・画像・データ等の様々な種類のトラヒックを効率的にサポートすることができ、マルチメディア通信に適した通信技術として広く知られている。非同期転送技術に関しては、例えば“The ATM Forum TM4.0”(従来技術1)に述べられている。
図2は、複数の端末とスイッチから構成される一般的な網を示しているが、非同期転送網の場合、従来技術1の“2. ATM Service Architecture (p.4)”に記載されているように、コネクションと呼ばれる仮想的な経路を介してセルが転送される。図2において一つの端末10(以下、送信端末)から別の端末20(以下、受信端末)へセルを転送する場合、送信端末10、スイッチ30、31、32、受信端末20のそれぞれの間で仮想的な経路(コネクション)を確立し、セルは両端末10、20間を接続するコネクション上で転送される。コネクション確立は送信端末が要求する場合と、網管理用の端末15が要求する場合がある。
上記マルチメディア通信では、データ系のバーストトラヒックと音声・画像等の実時間トラヒックを同一の回線内の別々のコネクションで同時に転送する。複数の入力回線からのコネクションがスイッチの出力ポートで合流する場合、コネクション間のセルの送信制御(トラヒック制御)が必要となる。音声・画像等の転送では、予め使用帯域が予測できる。この使用帯域(以下、送信帯域)をセル送信を始める前にセルを送信する通信路内に確保(帯域確保)し、さらに、その予約帯域内で低遅延伝送を行うために、出力ポート内のデータ系のセルに対して優先的にセルが送信(優先転送)される。セル送信装置は、帯域確保した送信帯域でセルを送信する必要がある。このためには、各コネクション毎の予約帯域でセルを送信する機能が必要である。この予約帯域でのセル送信機能を以下シェーピングと呼ぶ。
シェーピング装置に関しては、例えば特開平6−315034“セル流制御装置およびATM通信網”(従来技術2)に示されている。従来技術2の「セル流制御装置」は、シェーピング装置と同じ意味である。
従来技術2では、シェーピング装置は図3のように構成されている。シェーピング装置7では、到着するセル間隔が規定の許容値内であるか否かを判定するポリシング部2と、セルの出力時刻を計算するセル送出時刻演算部3と、セルを一時的に記憶するメモリ4と、メモリ4にセルを書き込む書き込み制御装置5と、メモリからセルを読み出す読み出し制御装置6から構成され、セルを送信する帯域よりも高い帯域でセルを受信しても、セルを一時的にメモリ4に蓄積することで、契約した送信帯域を守ってセルを送信することができる。
シェーピングは、上記の実時間トラヒックに対して以外に、データ系のバーストトラヒックに対しても必要である。データ系のバーストトラヒックの場合、送信帯域を予め予測することが出来ない。しかし、データ系のバーストトラヒックを転送する場合には、伝送遅延を小さくすることはさほど重要ではないために送信帯域を確保せずに送信端末はセル送信を始める。あるノードにトラヒックが集中し網が混雑した場合には、網内のバッファにセルを蓄積することで、セル廃棄を防ぎつつ網の高い利用効率を得ることができる。しかし、網がセルを処理できる能力以上にセルが網に流入すると、バッファから溢れたセルが送信途中で廃棄される。
従来技術1では、このようなセル廃棄の観点から、データ系トラヒックに関して2つのトラヒッククラスが示されている。1つのクラスは、セル廃棄が生じることなくセル転送を円滑に行えるように、網の混雑の状態(以下、輻輳状態)を監視するための輻輳通知セルを網に定期的に巡回させ、輻輳時には網へのセル流入量を減少させ、輻輳していないときにはセル流入量が増加することを許可するという、網から送信帯域の動的な制御を行うABR(Available Bit Rate)クラスである。 ABRクラスのモデルは、例えば従来技術1の“5.10 ABR Flow Control (p.44)”に記述されている。もう1つのクラスは、帯域の有効利用という点に重点をおき、網が輻輳状態になりセル廃棄が生じるような状態になった場合でも送信帯域を制限しないUBR(Unspecified Bit Rate)クラスである。
従来技術1では、図4に示すABR制御のモデル(従来技術1では、図2−1)において、網が輻輳していることを検出したスイッチ30〜32または受信端末20は、コネクション中に巡回している輻輳通知セルの輻輳通知ビットを‘1’にセットする。送信端末10は輻輳通知ビットが‘1’にセットされた輻輳通知セルを受信すると、網が輻輳していると判断し、網への過剰なセルの流入を防止するために送信帯域を減少させ、輻輳通知ビットがセットされていない輻輳通知セルを受信すると、網は輻輳していないと判断し、網の利用効率を上げるために送信帯域を増加させる。
このとき、輻輳通知ビットが‘1’の輻輳通知セルを受けた場合でも、セルの送信帯域をコネクション設定時に契約されるMCR(Minimum Cell Rate:最小送信帯域)を下回る帯域まで減少させる必要はない。このような輻輳通知セルを用いたフィードバック制御を行うことで、網側から送信帯域の動的な制御を行うことができる。
尚、図4では、簡単のために送信端末10から受信端末20へ向けての一方向のデータセルの流れのみを示しているが、実際の端末装置は送信端末動作と受信端末動作の両方の動作を行うので、受信端末20側から送信端末10側へのデータセルの流れも存在する。以下、特に断らない限り上記のような一方向の通信のモデルで表す。
また、従来技術1では、前記輻輳通知用のセルを“RMセル(Resource Management Cell:帯域管理セル)”と称しており、送信端末から受信端末へ向かって転送されているものを“forwardRMセル(順方向RMセル)”、受信端末から送信端末へ向かって転送されているものを“backward RMセル(逆方向RMセル)”と称している。以下では、上記名称に従い、forwardRMセルをFRMセル、backwardRMセルをBRMセルと呼ぶ。FRMセルとBRMセルの区別は、RMセル中にある転送方向を示すビット(DIRビット)によって、DIR=0のセルはFRMセル、DIR=1のセルはBRMセルと、容易に判別することができる。
従来技術1の“5.10 ABR Flow Control”に記載されているRMセルの輻輳通知情報による送信帯域の制御は、帯域の計算を行う送信端末を始点とするコネクションが1本である場合を対象としており、送信端末が複数のコネクションの始点となっている場合については、言及されていない。
送信端末が複数のコネクションの始点となっている場合には、RMセルによるフィードバック制御が行われている(ABRクラス)か行われていない(UBRクラス)かに関わらず、通信路の帯域を各コネクションで等しく分配したり、あるいは重要なコネクションに優先的に帯域を割り当てることが重要となる。帯域分配の公平性に関しては、例えば従来技術1の“Informative Appendix I.3 Example Fairness Criteria (p.82)”に示されている。従来技術1の“Informative Appendix I.3 Example Fairness Criteria”には、公平性の規準として、すべてのコネクションで帯域を平等に分割するMax-Min、MCR plus equal share(等分配)、およびコネクション毎の重み付けを行ったWeight allocation(重み付け分配)等が示されている。
上記の通信路の帯域の等分配を実現する一つの手段として、ABRクラスに対してはERICA方式が知られている。ERICA方式に関しては、例えば従来技術1の“Informative Appendix I.5 Example Switch Mechanism (p.85)”に示されている。ERICA方式は、網内のスイッチあるいは受信端末が、該スイッチあるいは該受信端末に入力している通信路の帯域を等分配するような値を送信許可帯域として送信端末に通知する方式であり、これを用いることで通信路の帯域を等分割することができる。
また、従来技術3として、特開平9−83547“パケットスケジューリング装置”を示す。従来技術3では、複数のUBRクラスのコネクションをサポートしているシェーピング装置において、各コネクション毎のキューとその送信順序を示すキューを設け、送信順序を示すキューから読み出された要素が示すコネクションのセルが送信される。送信順序を示すキューには、各コネクションの送信比率の重みに応じた個数の要素しか入ることができない。以上のようにして、従来技術3では、複数のUBRクラスのコネクションの送信セルの割合を制御することができる。
また、従来技術1の“5.10.7 Virtual Source and Virtual Destination”には、送信端末から受信端末までの経路が長距離のコネクションに対して、VS/VD(Virtual Source / Virtual Destination:仮想送信端末/仮想受信端末)を用いたABR制御技術が示されている。長距離のコネクションでは、輻輳通知情報が送信端末に通知されるまでに時間を要し、送信帯域の制御性が低下するために、図5(従来技術1では、図5−5)に示すように送信端末11と受信端末21の間の経路を途中のVS/VD60で分割し、長距離になって輻輳通知が遅れることを防止している。VS/VDは、データセルはそのまま通過して転送させ、RMセルの送受信に関しては、VS40は送信端末11と、VD50は受信端末21と同じ動作をする。VS/VDの構成は、以下に示す3種類の実現形態がある。
すなわち、図5のように独立したノード60としての構成、図6のようにスイッチ35の回線インタフェース部に配置する構成、および図7のようにスイッチ36に付随するトランクとしての構成である。
VS/VDに関して、例えば“マルチプロトコルの実現に柔軟なWAN その1 信学技法SSE 95−186(1996−03)”(従来技術4)がある。従来技術4では、実際の網へVS/VDを適用して、少ないコストでABRクラスを導入する方式を提案し、必要なバッファ量等を示している。
また、特開平10−70541(従来技術5)には、始点から終点までの間に複数のATMノードで交換され、かつ同一のリンクで伝送される同一経路上の複数のVPCと、複数のVPCと同一経路を経由し複数のVPCで共有される帯域を有する共有VPCとを多重化し、VPCの帯域の過不足を共有VPCの有する帯域により補う旨が記載されている。
しかし、従来技術5では、送信端末における送信帯域の分配については検討されていない。
以下では、送信端末およびVS/VDのVSを合わせてセル送信装置と呼ぶ。
従来技術1のERICA方式は、スイッチまたは受信端末に接続されている通信路の帯域を分配する方式であり、セル送信装置に通知される帯域は、セル送信装置に接続されている通信路の帯域を考慮したものではない。
従って、複数のコネクションをサポートしているセル送信装置では、各コネクションERICA方式によって計算・通知される帯域の合計が、セル送信装置に接続されている通信路の帯域を超える場合がある。上記の場合、通知された帯域でセルを送信することができず、各コネクションに対して常に前述のMCR(Minimum Cell Rate:最小送信帯域)以上の帯域でセルを送信することができるとは限らない。
従って、セル送信装置においても、セル送信装置に接続されている通信路の帯域を各コネクションに分配することが必要である。
従来技術3では、セル送信装置において各コネクションに重みを付けてセルを送信しているが、該方式では、送信する通信路に空き帯域があれば必ずセルを送信する。
従って、UBRクラスの動作しか行うことができず、指定された送信帯域を守ってセルを送信するABRクラスに用いることはできない。更に、各コネクションに対してMCR以上の帯域でセルを送信することを保証することもできない。
本発明の第1の目的は、複数のコネクションをサポートしているセル送信装置において、各コネクションがMCR以上の帯域で送信することを保証しつつ、かつMCR以外の帯域を各コネクションの優先度に応じた割合で分配する送信帯域制御方式を提案することである。
ABRクラスでは、網が輻輳しRMセルによって輻輳通知された場合、セル送信装置は通知された値以下の帯域でセルを送信しなければならない。
従って、セル送信装置において、セル送信装置に接続されている通信路の帯域を、全コネクションに割り当てられた帯域の合計が通信路の帯域となるように分配している場合に、あるコネクションが、該コネクションに割り当てられた帯域よりも小さな値を網から通知されると、全コネクションの送信帯域の合計が、セル送信装置に接続されている通信路の帯域よりも小さくなる。すなわち、通信路の帯域に空き帯域が生じ、通信路の帯域を有効利用することができない。
このように輻輳通知を受け送信帯域を制限されたコネクションは、過剰に割り当てられた帯域(帯域分配によって割り当てられた帯域と、実際にセルを送信する帯域との差分の帯域)を他のコネクションに解放し、該帯域を他のコネクションが再分配することが望ましい。
本発明の第2の目的は、複数のコネクションをサポートしているセル送信装置において、網からの輻輳通知として、帯域分配機能により割り当てられた送信帯域よりも小さな値を通知されたコネクションが、該コネクションに割り当てられた帯域と該コネクションの実際の送信帯域の差分の帯域を他のコネクションに解放し、全体としての網の高い利用効率を達成し得る送信帯域制御方式を提案することである。
従来技術1の“5.10 ABR Flow Control (p.44)”には、送信端末において、輻輳通知情報による送信帯域の増減に関しては述べられているが、送信端末の帯域分配に関しては述べられていない。
本発明の第3の目的は、第1の目的、第2の目的に示した送信帯域制御方式を実現するための回路を備えた送信端末の具体的な構成法を示すことである。
従来技術1の“5.10.7 Virtual Source and Virtual Destination”にはVS/VDの概念と満たすべき条件が示されているのみであり、VS/VDの具体的な構成法に関しては言及されていない。
また、従来技術3にはVS/VDの利用法が示されているのみであり、VS/VDの構成に関するものではない。
本発明の第4の目的は、第1の目的、第2の目的に示した送信帯域制御方式を実現するための回路を備えたVS/VDの具体的な構成法を示すことである。
更に、シェーピング、および帯域分配はATMセルに対してのみではなく、一般の可変長パケット転送においても重要な技術である。
本発明の第5の目的は、IP(Internet Protocol)パケット等の可変長パケットに対して、全体として網の高い利用効率を達成し得る送信帯域制御方式を提案することである。
上記目的を達成するため、本発明は、送信端末装置と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末装置から構成され、送信端末装置から受信端末装置へ予め設定されたコネクション上で同一コネクション内にデータセルと輻輳通知セルを転送する非同期転送網における送信端末装置であり、輻輳状態において受信端末装置または中継スイッチが前記輻輳通知セルに輻輳通知情報を書き込んで送信端末へ送り返した輻輳通知セルに書き込まれた輻輳通知情報に基づいて送信帯域を増減させる送信帯域制御手段を備え、該送信帯域制御手段は、コネクション毎のセル転送時の帯域分配の優先度を示す優先度情報を記憶しておく記憶手段と、複数のコネクションが同時にセル転送状態である場合、前記優先度情報に基づいてセル送信帯域を計算する送信帯域計算手段を備え、セル転送状態にあるすべてのコネクション間で送信帯域を分配するようにしている。
また、前記送信帯域計算手段は、前記各コネクションの優先度情報を、該コネクションと同一の回線に送信するコネクションの内、セル転送状態にあるすべてのコネクションの前記優先度情報の和で除算した比率と、該回線の送信帯域を乗ずることによって、各コネクション毎に優先度情報に比例したセル送信帯域を計算するようにしている。
また、前記送信帯域制御手段は、各コネクション毎の最低保証帯域値情報を記憶しておく記憶手段を備え、前記送信帯域計算手段は、前記各コネクションの優先度情報を、該コネクションと同一の回線に送信するコネクションの内、セル転送状態にあるすべてのコネクションの前記優先度情報の和で除算した比率と、該回線の送信帯域から該回線に送信するすべてのコネクションの最低保証帯域の和を減じた帯域を乗じ、得られた結果に更に前記最低保証帯域値情報を加えることによって各コネクション毎にセル送信帯域を計算し、 前記送信帯域制御手段は、各コネクション毎の最低保証帯域を確保し、かつ各コネクションで自由に分配し得る帯域は各コネクションの優先度情報に比例してセル送信帯域を分配するようにしている。
また、送信端末装置と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末装置から構成され、送信端末装置から受信端末装置へ予め設定されたコネクション上で同一コネクション内にデータセルと輻輳通知セルを転送する非同期転送網における送信端末装置であって、輻輳状態において受信端末装置または中継スイッチが前記輻輳通知セルに輻輳通知情報を書き込んで送信端末へ送り返した輻輳通知セルに書き込まれた輻輳通知情報に基づいて送信帯域を増減させる送信帯域制御手段を備え、該送信帯域制御手段は、コネクション毎のセル転送時の帯域分配の優先度を示す優先度情報を記憶しておく記憶手段と、複数のコネクションが同時にセル転送状態である場合、各コネクションの最低保証帯域を、該コネクションと同一の回線に送信するコネクションの内、セル転送状態にあるすべてのコネクションの最低保証帯域の和で除算した比率と、該回線の送信帯域を乗ずることによって、各コネクションに最低限確保したい送信帯域に比例してセル送信帯域を分配する手段を備えるようにしている。
また、送信端末装置と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末装置から構成され、送信端末装置から受信端末装置へ予め設定されたコネクション上でデータセルと、同一コネクション内にデータセル以外に輻輳通知セルを転送する非同期転送網における送信端末装置であって、輻輳状態において受信端末装置または中継スイッチが前記輻輳通知セルの輻輳通知ビットをセットして送信端末へ送り返し、前記輻輳通知ビットがセットされた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を減少させ、輻輳通知ビットがセットされていない輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を増加させる送信帯域制御手段を備え、該送信帯域制御手段は、複数のコネクションが同時にセル転送状態である場合、該コネクションと同一の回線の送信帯域を、該回線に送信するコネクションの内、セル転送状態にあるコネクションの数で除算することによって、各コネクションに均等にセル送信帯域を分配する手段を備えるようにしている。
また、送信端末装置と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末装置から構成され、送信端末装置から受信端末装置へ予め設定されたコネクション上でデータセルと、同一コネクション内にデータセル以外に輻輳通知セルを転送する非同期転送網における送信端末装置であって、輻輳状態において受信端末装置または中継スイッチが前記輻輳通知セルの輻輳通知ビットをセットして送信端末へ送り返し、前記輻輳通知ビットがセットされた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を減少させ、輻輳通知ビットがセットされていない輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を増加させる送信帯域制御手段を備え、
該送信帯域制御手段は、各コネクション毎に最低保証帯域値情報を記憶しておく記憶手段と、該コネクションと同一の回線の送信帯域から該回線に送信するすべてのコネクションの最低保証帯域の和を減じた帯域を、該回線に送信するコネクションの内、セル転送状態にあるコネクションの数で除算し、得られた結果に更に該コネクションの最低保証帯域を加えることによって、各コネクションで最低保証帯域を確保し、かつ各コネクションで自由に分配し得る帯域は各コネクションに均等にセル送信帯域を分配する手段を備えるようにしている。
また、送信端末と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末から構成され、送信端末から受信端末へ予め設定されたコネクション上でデータセルを転送する非同期転送網における送信端末装置において、コネクション毎のセル転送時の帯域分配の優先度を示す優先度情報を記憶しておく記憶手段と、複数のコネクションが同時にセル転送状態である場合、前記優先度情報に比例したセル送信帯域を計算する送信帯域計算手段を備え、セル転送状態にあるすべてのコネクション間で送信帯域を分配するようにしている。
また、前記送信帯域計算手段に替えて、前記各コネクションの優先度情報を、該コネクションと同一の回線に送信するコネクションの内、セル転送状態にあるすべてのコネクションの前記優先度情報の和で除算した比率と、該回線の送信帯域を乗ずることによって、各コネクションごとに優先度情報に比例したセル送信帯域を計算する送信帯域計算手段を備えるようにしている。
また、送信端末と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末から構成され、送信端末から受信端末へ予め設定されたコネクション上でデータセルを転送する非同期転送網における送信端末装置において、複数のコネクションが同時にセル転送状態である場合、該コネクションと同一の回線の送信帯域を、該回線に送信するコネクションの内、セル転送状態にあるコネクションの数で除算することによって、各コネクションに均等にセル送信帯域を分配する手段を備えるようにしている。
また、前記輻輳通知セルによって網から輻輳通知を受けた場合、あるいは送信するためのセルがなくなった場合に、前記送信帯域計算手段によって計算されたセル送信帯域でセルを送信することができない場合に、前記送信帯域計算手段に用いる優先度情報の代わりに、優先度情報を最大値とする分配情報を用いて帯域分配計算を行う手段を備えるようにしている。
また、前記輻輳通知セルによって網から輻輳通知を受けた場合、あるいは送信するためのセルがなくなった場合に、前記セル送信帯域計算によって計算されたセル送信帯域でセルを送信することができない場合に、前記セル送信帯域の分配計算に用いる最低保証帯域の代わりに、該最低保証帯域を最大値とする分配情報を用いて帯域分配計算を行う手段を備えるようにしている。
また、分配情報として取り得る候補の値それぞれに対して並列に前記帯域分配計算を行い、計算結果の送信帯域と輻輳通知情報によって計算された送信帯域とを並列に比較し、最適な分配情報を求める手段を備えるようにしている。
また、送信端末装置と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末装置から構成され、送信端末装置から受信端末装置へ予め設定されたコネクション上で同一コネクション内にデータセルと輻輳通知セルを転送する非同期転送網に配置され、入力回線と出力回線が接続され、輻輳通知セルを生成することができ、自ノードが生成しかつ輻輳通知ビットがセットされて戻ってきた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を減少させ、自ノードが生成しかつ輻輳通知ビットがセットされずに戻ってきた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を増加させる手段と、自ノードが生成していない輻輳通知セルを受信した場合には、該コネクションのバッファの輻輳状態を輻輳通知セルに書き込み、受信した通信路に向けて送り返す手段を備えたネットワークノードにおいて、前述の送信帯域制御手段を備えるようにしている。
また、送信端末装置と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末装置から構成され、送信端末装置から受信端末装置へ予め設定されたコネクション上で同一コネクション内にデータセルと輻輳通知セルを転送する非同期転送網における、輻輳通知セルを生成することができ、自ノードが生成しかつ輻輳通知ビットがセットされて戻ってきた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を減少させ、自ノードが生成しかつ輻輳通知ビットがセットされずに戻ってきた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を増加させる手段と、自ノードが生成していない輻輳通知セルを受信した場合には、該コネクションのバッファの輻輳状態を輻輳通知セルに書き込み、受信した通信路に向けて送り返す手段を回線インタフェース部に備えた中継スイッチにおいて、前記回線インタフェース部に前述の送信帯域制御手段を備えるようにしている。
また、送信端末装置と一つまたは複数の中継スイッチと受信端末装置から構成され、送信端末装置から受信端末装置へ予め設定されたコネクション上で同一コネクション内にデータセルと輻輳通知セルを転送する非同期転送網における、輻輳通知セルを生成することができ、自ノードが生成しかつ輻輳通知ビットがセットされて戻ってきた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を減少させ、自ノードが生成しかつ輻輳通知ビットがセットされずに戻ってきた輻輳通知セルを受信したときにはセル送信帯域を増加させる手段と、自ノードが生成していない輻輳通知セルを受信した場合には、該コネクションのバッファの輻輳状態を輻輳通知セルに書き込み、受信した通信路に向けて送り返す手段をトランク方式を用いて備えた中継スイッチにおいて、前記トランクに前述の送信帯域制御手段を備えるようにしている。
また、前記送信端末装置、ネットワークノード、中継スイッチにおいて、前記セル送信帯域の計算をソフトウェアによって行うようにしている。
また、前記送信端末装置、ネットワークノード、中継スイッチにおいて、コネクション毎のセル転送時の帯域分配のための基準となる情報(優先度情報等)を、前記非同期転送網に接続された網管理装置から設定するようにしている。
以上に説明したとおり、本発明によれば、送信端末において各ABRコネクションに送信帯域を分配する際、重要なコネクションに優先して帯域を割り当てることができ、優先してセルを転送することができる。
また、輻輳通知を受けたコネクションが帯域分配によって割り当てられた送信帯域で送信できないときには、その差分の帯域を他のコネクションが何ら優先度情報の変更をすることなく優先度の割合に応じて利用することができる。
本発明をVS/VDに適用した一実施例の構成を示すブロック図である。 非同期転送網のコネクションの概念を示すブロック図である。 従来のシェーピング装置の構成を示すブロック図である。 ABRクラスのセルの流れを示す図である。 独立ノードとしてVS/VDを設けたABRクラスのセルの流れを示す図である。 スイッチの回線インタフェース部にVS/VDを設けた場合のABRコネクションの接続図である。 スイッチに付随するトランクとしてVS/VDを構成した場合のABRコネクションの接続図である。 図6のコネクションのにおけるすべてのセルの流れを示した図である。 ABR対応のシェーピング装置の構成を示すブロック図である。 帯域分配部の構成を示すブロック図である。 送信間隔情報記憶回路の記憶形式を示すテーブルである。 送信帯域情報記憶回路の記憶形式を示すテーブルである。 優先度情報記憶回路の記憶形式を示すテーブルである。 分配帯域計算回路の詳細ブロック図である。 分配情報変更回路の詳細ブロック図である。 最適分配情報決定回路の詳細ブロック図である。 新総分配情報更新回路の詳細ブロック図である。 分配情報変更回路の動作を示すフロー図である。 セル種別判定部のブロック図である。 通知帯域計算回路の詳細ブロック図である。 本発明をIPパケットのシェーピング装置に適用した一実施例の構成を示すブロック図である。 コネクションに対する割り当て帯域の変動を示す図である。
<実施例1>
以下に、第1の実施例として、本発明をVS/VDに適用した例を、図1に基づいて詳細に説明する。
本実施例の構成を図1に示す。本発明においてVS40は、送信待ちのセルを蓄積しておくセル記憶回路400、送信帯域を制御し、セル記憶回路400からセルを読み出し、通信路71に送信するシェーピング部410、受信したBRMセルの輻輳通知情報による送信帯域を計算し、シェーピング部410からセルを送信する間隔を更新するABR帯域計算部420、ABR用余剰帯域をアクティブコネクション(実際にセルを送信しているコネクション)で分配した帯域を計算する帯域分配部430から構成される。
セル記憶回路400は、例えば外付けメモリとその制御回路で実現できる。
シェーピング部410およびABR帯域計算部420のブロック図を図9に示し、帯域分配部430のブロック図を図10に示す。シェーピング部410は、図3に示した従来技術2のセル流制御装置7と同様の構造をもつ。すなわち、図3のセル送出時刻演算部3は、図9の送信時刻計算回路412および送信間隔情報記憶回路413に対応し、メモリ4はセル記憶回路400に対応し、書き込み制御回路5および読み出し制御回路6はセル送信制御回路411に対応している。
また、VD50は、受信したセルの種別(データセル、FRMセル、BRMセル)を判別し、受信セルがデータセルの場合はシェーピング部450に送り、受信セルがFRMセルの場合はシェーピング部410に送り、受信セルがBRMセルの場合はセル中の輻輳通知情報を抽出しABR帯域計算部420に通知するセル種別判定部500から構成される。
セル種別判定部500のブロック図を図19に示す。
また、VS41はVS40と、VD51はVD50と、それぞれ同じ構造を持つ。
図8に、本発明の装置60で送受信されるセルの流れについて示す。
VD51には通信路70からセルが受信される。通信路70を流れているセルには、送信端末11で生成され受信端末21まで転送されるデータセル701、送信端末11で生成され受信端末22に送り返されるFRMセル702、VS41で生成され、受信端末22から送り返されてきたBRMセル703がある。通信路73からVD50に受信されるセルも同様に、データセル731、FRMセル732、BRMセル733がある。通信路73から受信したセルの種別は、VD50の中のセル種別判定部500(図1)で判定される。
ここで、セル種別判定部500のブロック図を図19に示す。セル種別判定部500は、セルの種別を判別し、判別結果に応じてデータセルならば回線72に送信するシェーピング部450に転送し、FRMセルならば通信路71に送り返すためにシェーピング部410に転送し、BRMセルならば輻輳通知情報検出回路502に転送するセル種別判定回路501と、受信セルがBRMセルのときのみ受信セルの輻輳通知ビットを検出し、送信帯域を変更するためにABR帯域計算部420に通知する輻輳通知情報検出回路502から構成される。セル種別は、セルのヘッダ中にあるセル種別識別子(ペイロードタイプ)によって容易に判別することができる。また、前述のようにRMセルのDIRビットによって、FRMセルとBRMセルを判別することができる。
以下に、通信路70からVD51にデータセル、FRMセルを受信した場合、および通信路73からVD50にBRMセルを受信した場合の動作について説明する。通信路73からデータセル、FRMセルを受信、あるいは通信路70からBRMセルを受信した場合も同様の動作を行う。
まず、ABRクラス以外のトラヒッククラスのセルを受信した場合の動作について説明する。
ABRクラス以外のトラヒッククラスでは、RMセルの転送はなく、データセルのみが転送されている。ABRクラス以外のクラスのセルが受信されると、VD51のセル種別判定回路510が、セルの種別を判別し、受信セルはすべてVS40内のシェーピング部410でアドレスを割り当てられ、セル記憶回路400に保存される。
送信間隔情報記憶回路413には、図11に示すように、コネクション毎にセル送信間隔4130、および次セル送信予定時刻4131が記憶されている。
セル送信制御回路411は、送信間隔情報記憶回路413に記憶しているセル送信間隔4130でセルをシェーピングし、通信路71にセルを送信する。
セルを送信すると、次セル送信予定時刻を送信時刻計算回路412で計算し、送信間隔情報記憶回路413に記憶する。次セル送信予定時刻の計算方法は、例えばリーキーバケット方式等による。リーキーバケット方式に関しては、例えば従来技術1の“Normative Annex C.1 Equivalence of Virtual Scheduling and Continuous Leaky Bucket Algorithms”に記載されている。
次に、ABRクラスのセルを受信した場合の動作について説明する。
ABRクラスでは、前記のようにデータセルの他にFRMセル、BRMセルが転送されている。
通信路70からABRクラスのセルを受信すると、セル種別判定回路510においてセルの種別を判別する。
通信路70からVD51にデータセルを受信した場合には、通信路72に送信するためにVSのセル送信制御回路410でアドレスを割り当てられ、セル記憶回路400に保存される。
通信路70からVD51にFRMを受信した場合には、送り返すセルとして、通信路72に送信するためにVSのセル送信制御回路450でアドレスを割り当てられ、セル記憶回路440に保存される。このとき、BRMセルとして送信するために、前記DIRビットを“0”から“1”に変換しておく。
ABRクラスに関しては、送信帯域の分配を行う際に実際にセルを送受信しているコネクションは、アクティブコネクションと認識する必要がある。従って、セルを受信したときに、図9のセル送信制御回路411において、アクティブ状態でなかったコネクションがアクティブ状態になったか否かを判定し、帯域分配部430に通知する。帯域判定部430での動作は後述する。
セルの送信に関しては、ABRクラス以外のセル送信と同じである。但し、セル送信時に、従来技術1のセル送信規則により、FRMセルおよび送り返すBRMセルを混在させて送信することのみが、ABRクラス以外と異なっている。また、セル送信により、送信コネクションがアクティブ状態からアクティブでない状態へ移行した場合も、受信時と同様に帯域分配部430に通知する。
通信路73からVD50にBRMセルを受信した場合には、輻輳通知情報抽出回路502においてBRMセル中の輻輳通知情報のみを抽出し、セル自体は保存しない。
抽出された輻輳通知情報は、通信路71に送信するためのABR帯域計算回路420に通知される。
図9において、通知帯域計算回路421は、送信帯域情報記憶回路423に記憶してある情報を基に、文献1に記載されている計算式によって通知帯域を計算する。送信帯域情報記憶回路423には、図12に示すように、コネクション毎に送信帯域(文献1ではACR)4230、およびコネクション設定時に契約される最小送信帯域MCR4231、最大送信帯域PCR4232、送信帯域増加率RIF4233、送信帯域減少率RDF4234等が記憶されている。ここで、文献1の“ACR”と、本発明の通知帯域は同じ意味である。通知帯域計算回路421は、図20に示したとおり、シフト回路4210、4211、加算回路4213、減算回路4212、および選択回路4214で容易に構成することができる。計算した通知帯域は、送信帯域計算回路422に通知される。送信帯域計算回路422は、通知帯域と、帯域分配部430において計算される分配帯域(後述)の2つの帯域の内、値の小さい方を送信帯域とし、送信帯域情報記憶回路423に書き戻すと同時に、該送信帯域をシェーピング間隔に変換し送信間隔情報記憶回路413の送信間隔情報を更新する。
以上のようにして、BRMセルにより輻輳通知を受けた場合は送信帯域を減少させるので送信間隔が広がり、輻輳通知を受けなかった場合は送信帯域を増加させるので送信間隔が狭くなるという動作を実現するVS/VDを実現することができる。
次に、帯域分配部430において、ABR用余剰帯域(後述)を各コネクションに設定された優先度の割合に応じてアクティブコネクションに分配する動作について説明する。
帯域分配部430のブロック図を図10に示す。
帯域分配部430内の優先度情報記憶回路433には、図13に示すように、各コネクションの帯域分配の優先度を示す優先度情報(固定)4330、優先度情報を最大値として実際の帯域分配計算に用いられる分配情報(可変)4331がコネクション毎に記憶されている。尚、初期設定値としては、分配情報=優先度情報として優先度に応じた分配を行う。
本実施例では簡単のために、優先度情報の候補として、n個の自然数の集合(1,2,・・・,n)を用い、分配情報の候補として、n個の自然数の集合に“0”を加えた集合(0,1,2,・・・,n)とするが、優先度情報、分配情報共に小数値でもよく、また、優先度情報の候補の集合が分配情報の候補の集合の部分集合である必要もない。
優先度情報記憶回路433には、上記パラメータの他に、ABRクラス全体で1つの情報として、ABR用余剰帯域4332、およびABRクラスのアクティブコネクションの分配情報の合計である総分配情報4333が記憶されている。ABR用余剰帯域4332は、通信路の帯域から、帯域を確保して送信している音声・画像等の送信帯域、およびABRクラスのMCRを減じた帯域であり、新たにコネクションを設定、あるいは解除しない限り固定値である。
通信路73からBRMセルを受信した場合、輻輳通知情報を抽出し、通知帯域計算回路421で通知帯域を計算すると同時に帯域分配部430において分配帯域を計算する。分配帯域の計算は、分配帯域計算回路431で行われる。
分配帯域計算回路431の詳細なブロック図を図14に示す。
優先度情報記憶回路433から読み出した、対応コネクション番号の分配情報、総分配情報、ABR用余剰帯域、および送信帯域情報記憶回路423から読み出したMCRを用いて分配帯域を計算する。なお、ABR用の帯域は、各コネクションのMCRを合計した値とABR用余剰帯域を加えたものである。
まず、除算回路4310において、総分配情報に対する該コネクションの分配情報の比率(分配情報/総分配情報)を計算する。
次に乗算回路4311において(ABR用余剰帯域)×(分配情報/総分配情報)を計算し、最後に加算回路4312において対応コネクション番号のMCRを加算し、その値を分配帯域とする。
最後にMCRを加算するので、分配帯域は常にMCR以上の値となる。図22は、余剰帯域を2つのコネクション間で帯域を分配する場合の例を示している。2つのコネクションに分配する余剰帯域は、(ABR用余剰帯域)×(分配情報/総分配情報)の値により変化するが、各コネクションに対して、MCRは必ず保証される。
計算結果の分配帯域は送信帯域計算回路422に通知され、前述のとおり、通知帯域と分配帯域の値の小さい方を送信帯域とし、該送信帯域をシェーピング間隔に変換し、送信間隔情報記憶回路413の送信間隔情報を更新する。
次に、分配帯域計算回路431で過剰に帯域が割り当てられている場合に、帯域の過剰分を他のコネクションに解放する動作について説明する。
上記動作は、分配情報変更回路432によって実現される。分配情報変更回路432の詳細ブロック図を図15に、そのフロー図を図18に示す。
本実施例では、分配情報はn+1個の候補が存在する。
本実施例では、分配帯域0計算回路4320−0によって、次に分配情報の候補Wiが0になった場合の分配帯域0を計算し、分配帯域1計算回路4320−1によって、次に分配情報の候補Wiが1になった場合の分配帯域1を計算し、分配帯域2計算回路4320−2によって、次に分配情報の候補Wiが2になった場合の分配帯域2を計算し、以下同様にして、分配帯域3,4,……を計算する。
分配帯域1,2,3,……の各計算回路は、コネクション間分配帯域計算回路431の構成と同様であるが、図14における分配情報の代わりに分配情報の候補Wiを用い、分配情報の候補Wiとして固定値i(分配帯域0を計算するときは“0”、分配帯域1を計算するときは“1”、分配帯域iを計算するときは“i”)を用い、総分配情報の代わりに(総分配情報−分配情報+固定値i)を用いる点が異なっている。この計算処理は、図18のステップ920に相当する。
各分配帯域計算回路による計算結果の各帯域、すなわち、分配帯域0から分配帯域nと、通知帯域計算回路421によって計算された通知帯域との大小関係により、最適分配情報決定回路4321において、
分配帯域 (k−1) < 通知帯域 ≦ 分配帯域kを満たす分配情報の値を求め、最適分配情報=kとする。この場合には、k=iになる。この処理は、図18のステップ921に相当する。
最適分配情報決定回路4321の詳細なブロック図を図16に示す。
最適分配情報決定回路4321は、分配帯域i計算回路(0≦i≦n)において計算された分配帯域i(0≦i≦n)と通知帯域を比較回路43210−0〜nで比較し、その結果をエンコーダ43211でエンコードすることで容易に実現することができる。
優先度情報超過判定回路4322では、新分配情報>優先度情報とならないように新分配情報を決定する。すなわち、最適分配情報≦優先度情報の場合には、新分配情報=最適分配情報とし、最適分配情報>優先度情報となった場合には新分配情報=優先度情報とする。この処理は、図18のステップ922に相当する。
また、分配情報の値の変化に伴い、アクティブコネクションの分配情報の合計である総分配情報も更新する。
総分配情報は、BRMセルからの輻輳通知によって分配情報が変化した場合の他に、前述のように、あるコネクションがセル受信によりアクティブでない状態からアクティブ状態に変化した場合、およびセル送信によりアクティブ状態からアクティブでない状態に変化した場合にも更新される。
以上の3つの場合の総分配情報の更新を行う総分配情報更新回路4323の動作について説明する。
総分配情報更新回路4323の詳細なブロック図を図17に示す。
BRMセルからの輻輳通知によって分配情報が変化した場合には、加算回路、減算回路43230において新総分配情報=総分配情報−分配情報+新分配情報によって新総分配情報を計算する。この処理は図18のステップ923に相当する。
セル受信によりアクティブでない状態からアクティブ状態に変化した場合には、加算回路43231において新総分配情報=総分配情報+分配情報によって新総分配情報を計算する。
セル送信によりアクティブ状態からアクティブでない状態に変化した場合には、減算回路43232において新総分配情報=総分配情報−分配情報によって新総分配情報を計算する。
上記3つの計算結果の内、どの値を最終的な新総分配情報とするかは、計算タイミングが送信タイミングであるか、受信タイミングであるか、あるいは受信タイミングの場合は受信したセル種別によって決定することができる。選択は、選択回路43233で行われる。
以上の計算結果の新分配情報、新総分配情報を、それぞれ優先度情報記憶回路433の分配情報領域4331、総分配情報領域4333に書き戻す。
以上に説明したように、BRMセルを受信したときに輻輳通知された値によっては分配情報を変化させる。分配情報の変化によって、新分配情報<旧分配情報となった場合には、新総分配情報<旧総分配情報となっている。この変化を他のコネクションの立場で考えれば、自分の分配情報を変化させなくても総分配情報が小さくなったので、比率(分配情報/総分配情報)は大きくなっている。
すなわち、ABR用余剰帯域を分配する際、より多く割り当てられることになる。
以上のようにして、輻輳通知等の理由で、帯域分配機能によって割り当てられた帯域で送信できない場合に、その差分の帯域を他のコネクションが利用してセルを送信することができ、通信路の利用率を上げることができる。
コネクション毎に優先度情報を設定する方法は、コネクションを確立する方法により決まる。
コネクションの確立には、図2における網管理装置15が予めコネクションの設定を行うPVC(Permanent Virtual Call)と、端末から網に対してパラメータを申告しコネクションを設定するSVC(Switched Virtual Call)の2種類がある。本発明においては、PVCの場合は、網管理装置15からコネクション毎の送信帯域の分配の優先度を設定することができる。また、SVCの場合はコネクションを確立するために様々なパラメータ(例えば、図12のMCR,PCR等のパラメータ)を端末と網の間で契約するが、その契約パラメータの一つとして優先度を設定することができる。
以上に、本発明の一実施例として、コネクション毎に帯域分配の優先度情報を設定し、その優先度に応じて送信帯域を分配したが、特に別のパラメータ(優先度情報)を設定せず、MCRに比例した割合で分配することもできる。
具体的には、すべての回路において優先度情報の代わりにMCRを用い、また分配情報の候補として0以上MCR以下の値を選べばよい。
但し、MCR=0のコネクションが混在していると該コネクションの送信帯域は常に0となるので、MCR=0のコネクションが混在している場合には用いることができない。
また、コネクション間で帯域を均等に分配したい場合にも、前記優先度情報を設定しなくてもよい。具体的には、すべての回路において優先度情報の代わりに固定値“1”(すなわちすべてのコネクションの優先度が等しい)を用い、また分配情報の候補として0以上1以下の小数値を選べばよい。
以上では、すべて送信帯域が最低限確保したい帯域(MCR)以上になるように保証しており、送信帯域がMCR以下になることはない。
MCRを保証する必要がない場合には、図14の加算回路4312を取り除くことができる(取り除いた場合は乗算回路4311の出力が分配帯域となる)。
但し、この場合、ABR用余剰帯域の計算が、通信路の帯域から、帯域を確保して送信している音声・画像等の送信帯域のみを減じた帯域とし、MCRは減じてはいけない。
尚、以上は、すべて網内の独立ノードのVS/VD60で構成した場合を示しているが、図6のようにスイッチ35の回線インタフェース部にVS/VD62を構成してもよいし、図7のようにスイッチ36に付随するトランクとしてVS/VD63を構成してもよい。いずれの場合も図1と同じ構造で実現することができる。
また、本発明をVS/VDとして実現するのではなく、送信端末に実現することもできる。この場合は、図1においてVS40およびVD50のみの構成となり、VD51の代わりに、送信すべき上位層のパケットをATMで転送するためのセルに変換(分割)する装置が、VS41の代わりに、ATM用のセルを上位層で処理することができるように変換(合成)する装置がそれぞれ必要になる。
また、以上の例では、RMセル受信時に帯域分配計算を行う例を説明したが、ユーザセルも含めたすべてのセル受信時に行ってもよいし、すべてのセル送信時に行ってもよい。
すべてのセルを帯域分配の対象とする方が帯域分配のトリガが多くなり、より早く定常状態に安定させることができる。更に、セルの送受信とは独立したタイミングで定期的に計算してもよい。この方法は、例えばシェーピングに用いている時計(図9のタイマ414)を基にアドレスを生成し、定期的に分配帯域を計算する。
この場合、図9の帯域分配部430が分配帯域を計算するコネクションは、タイマ414が生成する時刻である。また、BRMセルによって通知される輻輳通知情報を基に計算される通知帯域は送信帯域情報記憶回路423に記憶しておき、送信帯域計算回路422において送信帯域を計算する際に値を反映させる。具体的な送信帯域の計算方法は、RMセル受信をトリガとする場合と同様である。
以上では、すべてABRクラスに適用した実施例を示したが、RMセルによるフィードバック制御を行わないUBRクラスのトラヒックにも適用することができる。UBRでは、RMセルを転送しないため、帯域計算のトリガとして、上述の全セル受信時、あるいは全セル送信時、または時計を用いて定期的に行う方法をとる。
<実施例2>
次に、第2の実施例として、本発明をIPパケットを転送するシェーピング装置に適用した例を、図21を用いて説明する。第1の実施例では、コネクションに対する帯域の割り当てを検討したが、本実施例は、フローに対する帯域の割り当てを検討する。図21に示したシェーピング装置80は、基本的にはVS/VDのVS部分と同じ構成であるが、以下の点が異なっている。
IPパケットはATMセルと異なり可変長であるので、パケット長情報を送信間隔に反映させることが必要である。すなわち、長いパケットを送信した場合には次のパケットとの送信間隔を長くするような送信予定時刻を計算し、短いパケットを送信した場合には次のパケットとの送信間隔を短くするような送信予定時刻を計算し、平均として設定帯域を守るようなシェーピングを行う。
具体的には、シェーピング部810内のパケット送信制御回路811は、パケット送信時に、送信したパケットのヘッダ内に記述してあるパケット長情報を送信時刻計算回路812に通知する。パケット長情報を受けた送信時刻計算回路812では、例えば以下のような送信予定時刻の計算を行い、パケット長に応じた送信予定時刻を算出する:
送信予定時刻=現在時刻+送信バイト数×基準帯域/シェーピング帯域.
ここで、基準帯域とは、時計の‘1’を1バイトのパケット間隔とするような帯域であり、送信バイト数は、パケット送信制御回路811から通知されたパケット長情報である。以上の計算により、送信パケット長に応じた送信間隔で可変長パケットを送信することができる。
本発明では、ハードウェアにより送信帯域の分配計算、および過剰に割り当てられた帯域の再分配計算を高速に行うことができるセル送信装置を構成したが、同様の計算をソフトウェアによって計算することもできる。
10〜12 送信端末
15 網管理端末
20〜22 受信端末
30〜36 スイッチ
40〜43 仮想送信端(VS)
50〜53 仮想受信端(VD)
70、73 受信セル
71、72 送信セル
400、440 セル記憶回路
410、450 シェーピング部
420、460 ABR帯域計算機
430、470 帯域分配部
500、510 セル種別判定部。

Claims (1)

  1. 複数のフローの少なくとも一に設定される最低保証帯域に関するパラメータを記憶する記憶部と、少なくとも一のフローに対して前記パラメータに従って前記最低保証帯域を割り当てた後の余剰帯域を、転送すべき可変長パケットに対応する2以上のフローに分配する帯域割当部と、
    前記割当てられる帯域及び転送される可変長パケットのパケット長に従って、いずれかのフローに属する可変長パケットの転送を制御する転送制御部と、を備える通信装置。
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