以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
(第1の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
図1(a)は、ドア21が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム10の正面図である。図1(b)は、ドア21が完全に開いている状態での自動ドアシステム10の正面図である。
図1に示すように、自動ドアシステム10は、2枚のドア21と、ドア21に隣接して建物に固定された壁部である2枚のフィックス22と、ドア21およびフィックス22の上部に配置されて建物に固定された箱体である無目23と、無目23に固定されてドア21の周辺の物体の存在を検知する本発明の物体センサとしての起動センサ41とを備えている。
ドア21は、上側のフレームである上フレーム21aと、下側のフレームである下フレーム21bと、ドア21が開いたときに生じる出入口10a側、すなわち、戸先側で上下に延在しているフレームである戸先側縦フレーム21cと、ドア21が開いたときに生じる出入口10a側とは反対側、すなわち、戸尻側で上下に延在しているフレームである戸尻側縦フレーム21dと、上フレーム21a、下フレーム21b、戸先側縦フレーム21cおよび戸尻側縦フレーム21dによって囲まれたガラス21eと、戸先側で上下に延在していて表示を行う表示部21fとを備えている。
表示部21fは、例えば、複数のLED(Light Emitting Diode)の列によって構成されていても良いし、LEDの光を導光板によって面で発するように構成されていても良いし、EL(Electroluminescence)シートによって構成されていても良い。
フィックス22の構成は、ドア21が表示部21fを備えていない構成と同様である。
起動センサ41は、物体の存在を検知したことを示す信号である物体検知信号を生成する。
図2は、自動ドアシステム10のブロック図である。
図2に示すように、自動ドアシステム10は、ドア21を開閉のために移動させるドア駆動部42と、起動センサ41からの物体検知信号に基づいてドア駆動部42にドア21を移動させる本発明のドア制御部としてのコントローラ43と、ドア21の位置を検出する複数のリミットスイッチ44と、表示部21fに表示を行わせる本発明の表示制御部としての表示コントローラ45とを備えている。ドア駆動部42、コントローラ43、リミットスイッチ44および表示コントローラ45は、無目23内に収納されている。
ドア駆動部42は、ドア21の移動を案内する図示していないレールや、ドア21を移動させる力を発生する図示していないモータなどを備えている。
コントローラ43は、図示していないCPU(Central Processing Unit)と、各種のプログラムや各種のデータを予め記憶している図示していないROM(Read Only Memory)と、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶する作業領域として用いられる図示していないRAM(Random Access Memory)とを備えている。
リミットスイッチ44は、ドア21が完全に閉じていることを検出することができる位置と、ドア21が完全に開いていることを検出することができる位置とに少なくとも配置されており、ドア21の位置を検出し、検出した位置を表す位置信号を生成することができる。この位置信号は、ドア21の現在の移動状態を示す信号、すなわち、ドア21の移動状態を直接的に示す信号であり、本発明の移動信号を構成している。すなわち、リミットスイッチ44は、本発明の移動信号生成部を構成している。
表示コントローラ45は、図示していないCPUと、各種のプログラムや各種のデータを予め記憶している図示していないROMと、CPUによってプログラムが実行されるときにプログラムや各種のデータを一時的に記憶する作業領域として用いられる図示していないRAMとを備えている。
図3(a)は、ドア21が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム10の一部を拡大した正面図である。図3(b)は、ドア21が完全に開いている状態での自動ドアシステム10の一部を拡大した正面図である。
図3に示すように、表示コントローラ45は、無目23内に収納されている電線40aを介してドア21の表示部21fに電力を供給している。電線40aは、表示コントローラ45が無目23内の所定の位置に固定されているため、ドア21の移動に伴って図3に示すように移動する。したがって、電線40aは、移動による接触不良や断線などの不具合を防止するために、例えば、株式会社ツーデン製のアールリボンや、株式会社ハギテック製のエナジーチェーンなどのガイド機構が備わっていることが好ましい。
次に、自動ドアシステム10の動作について説明する。
図4は、コントローラ43の動作のフローチャートである。
図4に示すように、コントローラ43は、起動センサ41が物体の存在を検知したと判断するまで、起動センサ41が物体の存在を検知したか否かを起動センサ41からの物体検知信号に基づいて判断する(S61)。
コントローラ43は、起動センサ41が物体の存在を検知したとS61において判断すると、ドア駆動部42がドア21を開く動作(以下、「開動作」という。)をドア駆動部42に開始させ(S62)、ドア21が完全に開いたと判断するまで、ドア21が完全に開いたか否かを判断する(S63)。ここで、コントローラ43は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が完全に開いたか否かを判断することができる。
コントローラ43は、ドア21が完全に開いたとS63において判断すると、ドア駆動部42に開動作を終了させ(S64)、ドア駆動部42に開動作を終了させてから所定の時間が経過したと判断するまで、ドア駆動部42に開動作を終了させてから所定の時間が経過したか否かを判断する(S65)。
コントローラ43は、ドア駆動部42に開動作を開始させてから所定の時間が経過したとS65において判断すると、ドア駆動部42がドア21を閉じる動作(以下、「閉動作」という。)をドア駆動部42に開始させ(S66)、起動センサ41が物体の存在を検知したか否かを起動センサ41からの物体検知信号に基づいて判断する(S67)。
コントローラ43は、起動センサ41が物体の存在を検知したとS67において判断すると、S62の処理に戻る。一方、コントローラ43は、起動センサ41が物体の存在を検知していないとS67において判断すると、ドア21が完全に閉じたか否かを判断する(S68)。ここで、コントローラ43は、ドア駆動部42に対する指示の内容と、その指示の時間とに基づいてドア21の位置を判断することができるので、自ら判断したドア21の位置に基づいて、ドア21が完全に閉じたか否かを判断することができる。
コントローラ43は、ドア21が完全に閉じていないとS68において判断すると、S67の処理に戻る。一方、コントローラ43は、ドア21が完全に閉じたとS68において判断すると、ドア駆動部42に閉動作を終了させて(S69)、S61の処理に戻る。
図5は、表示コントローラ45の動作のフローチャートである。
図5に示すように、表示コントローラ45は、ドア21が完全に閉じている状態ではないと判断するまで、ドア21が完全に閉じている状態であるか否かをリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて判断する(S81)。
表示コントローラ45は、ドア21が完全に閉じている状態ではないとS81において判断すると、表示部21fの青色の発光を開始する(S82)。
次いで、表示コントローラ45は、ドア21が完全に開いている状態であると判断するまで、ドア21が完全に開いている状態であるか否かをリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて判断する(S83)。
表示コントローラ45は、ドア21が完全に開いている状態であるとS83において判断すると、表示部21fの発光を終了する(S84)。
次いで、表示コントローラ45は、ドア21が完全に開いている状態ではないと判断するまで、ドア21が完全に開いている状態であるか否かをリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて判断する(S85)。
表示コントローラ45は、ドア21が完全に開いている状態ではないとS85において判断すると、表示部21fの赤色の発光を開始する(S86)。
次いで、表示コントローラ45は、ドア21が完全に閉じている状態であると判断するまで、ドア21が完全に閉じている状態であるか否かをリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて判断する(S87)。
表示コントローラ45は、ドア21が完全に閉じている状態であるとS87において判断すると、表示部21fの発光を終了して(S88)、S81の処理に戻る。
コントローラ43および表示コントローラ45が以上に説明したように動作するので、自動ドアシステム10は、図1(a)に示すようにドア21が完全に閉じている状態から開き始めたときから、図1(b)に示すようにドア21が完全に開くときまで、表示部21fが青色に発光し、図1(b)に示すようにドア21が完全に開いている状態から閉じ始めたときから、図1(a)に示すようにドア21が完全に閉じるときまで、表示部21fが赤色に発光する。
以上に説明したように、自動ドアシステム10は、ドア21の移動に連動した表示を行うことができるので、利用者に従来より大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム10は、表示部21fがドア21に設置されており、ドア21とともに移動する表示を行うことができるので、利用者に更に大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム10は、表示部21fがドア21の戸先の表示を行っており、ドア21が開いたことによって生じる出入口10aを利用者が通過するときに、利用者にドア21の戸先を強く認識させることができるので、利用者がドア21に衝突する可能性を下げることができる。
また、リミットスイッチ44は、ドア21が完全に閉じていることを検出することができる位置や、ドア21が完全に開いていることを検出することができる位置以外の任意の位置に配置されていても良い。表示コントローラ45は、任意の位置に配置されたリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて、ドア21の移動に更に複雑に連動した表示を行うことができる。
また、表示部21fは、赤色または青色に発光するようになっているが、これらの色以外の色で発光するようになっていても良い。また、表示部21fの発光方法は、点灯であっても、任意のタイミングによる点滅であっても良く、ドア21が開くときと、ドア21が閉じるときとで異なっていても良い。
また、自動ドアシステム10は、ドア21が開くときと、ドア21が閉じるときとで異なる表示を行っているが、ドア21が開くときと、ドア21が閉じるときとで同じ表示を行うようになっていても良い。
また、自動ドアシステム10は、表示部21fがドア21の戸先の表示を行うようになっているが、表示部21fがドア21の戸先の表示を行うようになっていなくても良い。
(第2の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成は、以下に述べる構成を除いて第1の実施の形態に係る自動ドアシステム10(図1および図2参照。)の構成と同様である。本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成のうち自動ドアシステム10の構成と同様の構成については、自動ドアシステム10の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図6は、本実施の形態に係る自動ドアシステム110のブロック図である。
図6に示すように、自動ドアシステム110の構成は、自動ドアシステム10がリミットスイッチ44(図2参照。)を備えておらず、表示コントローラ45がコントローラ43から信号を受信可能になった構成と同様である。
コントローラ43は、ドア駆動部42に開動作を開始させたこと、ドア駆動部42に閉動作を開始させたこと、ドア駆動部42に閉動作を終了させたことなど、ドア21の移動の指示状態を表す指示状態信号を生成することができる。この指示状態信号は、ドア21の未来の移動状態を示す信号、すなわち、ドア21の移動状態を間接的に示す信号であり、本発明の移動信号を構成している。すなわち、コントローラ43は、本発明の移動信号生成部を構成している。
次に、自動ドアシステム110の動作について説明する。
図7は、コントローラ43の動作のフローチャートである。
図7に示すように、コントローラ43は、図4に示すS61およびS62と同様なS161およびS162を実行し、ドア駆動部42に開動作を開始させたことを指示状態信号によって表示コントローラ45に通知する(S163)。
次いで、コントローラ43は、図4に示すS63およびS64と同様なS164およびS165を実行し、ドア駆動部42に開動作を終了させたことを指示状態信号によって表示コントローラ45に通知する(S166)。
次いで、コントローラ43は、図4に示すS65〜S69と同様なS167〜S171を実行し、ドア駆動部42に閉動作を終了させたことを指示状態信号によって表示コントローラ45に通知し(S172)、S161の処理に戻る。
図8は、表示コントローラ45の動作のフローチャートである。
図8に示すように、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を開始させたと判断するまで、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を開始させたか否かをコントローラ43からの指示状態信号に基づいて判断する(S181)。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を開始させたとS181において判断すると、表示部21fの青色の発光を開始する(S182)。
次いで、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたと判断するまで、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたか否かをコントローラ43からの指示状態信号に基づいて判断する(S183)。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたとS183において判断すると、表示部21fの発光を終了する(S184)。
次いで、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたと判断するまで、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたか否かを判断する(S185)。ここで、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させてから所定の時間が経過したとき(S167でYES)にドア駆動部42に閉動作を開始させる(S168)ので、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたとS183において判断してから所定の時間が経過したときに、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたと判断することができる。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたとS185において判断すると、表示部21fの赤色の発光を開始する(S186)。
次いで、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を開始させたか否かをコントローラ43からの指示状態信号に基づいて判断する(S187)。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を開始させたとS187において判断すると、S182の処理に戻る。一方、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を開始させていないとS187において判断すると、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を終了させたか否かをコントローラ43からの指示状態信号に基づいて判断する(S188)。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を終了させていないとS188において判断すると、S187の処理に戻る。一方、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を終了させたとS188において判断すると、表示部21fの発光を終了して(S189)、S181の処理に戻る。
コントローラ43および表示コントローラ45が以上に説明したように動作するので、自動ドアシステム110は、ドア21が開くときに、表示部21fが青色に発光し、ドア21が閉じるときに、表示部21fが赤色に発光する。
以上に説明したように、自動ドアシステム110は、ドア21の移動に連動した表示を行うことができるので、利用者に従来より大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム110は、表示部21fがドア21に設置されており、ドア21とともに移動する表示を行うことができるので、利用者に更に大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム110は、表示部21fがドア21の戸先の表示を行っており、ドア21が開いたことによって生じる出入口10aを利用者が通過するときに、利用者にドア21の戸先を強く認識させることができるので、利用者がドア21に衝突する可能性を下げることができる。
また、自動ドアシステム110は、コントローラ43が本発明の移動信号生成部としても機能しており、ドア21の移動と、表示部21fによる表示とにコントローラ43を兼用するので、コントローラ43をドア21の移動のみに利用する構成と比較して、部品点数を削減することができる。
なお、自動ドアシステム110は、ドア21が閉じる途中で再び開くときに、表示部21fが赤色に発光している状態から青色に発光するようになっているが、第1の実施の形態に係る自動ドアシステム10と同様に赤色に発光しているままになっていても良い。
また、自動ドアシステム110は、任意の位置に配置されたリミットスイッチ44(図2参照。)を更に備えていても良い。表示コントローラ45は、任意の位置に配置されたリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて、ドア21の移動に更に複雑に連動した表示を行うことができる。
また、表示部21fは、赤色または青色に発光するようになっているが、これらの色以外の色で発光するようになっていても良い。また、表示部21fの発光方法は、点灯であっても、任意のタイミングによる点滅であっても良く、ドア21が開くときと、ドア21が閉じるときとで異なっていても良い。
また、自動ドアシステム110は、ドア21が開くときと、ドア21が閉じるときとで、異なる表示を行っているが、ドア21が開くときと、ドア21が閉じるときとで同じ表示を行うようになっていても良い。
また、自動ドアシステム10は、表示部21fがドア21の戸先の表示を行うようになっているが、表示部21fがドア21の戸先の表示を行うようになっていなくても良い。
(第3の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成は、以下に述べる構成を除いて第2の実施の形態に係る自動ドアシステム110(図6参照。)の構成と同様である。本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成のうち自動ドアシステム110の構成と同様の構成については、自動ドアシステム110の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図9(a)は、ドア221が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム210の正面図である。図9(b)は、ドア221が完全に開いている状態での自動ドアシステム210の正面図である。
図9に示すように、自動ドアシステム210の構成は、自動ドアシステム110がドア21(図1参照。)およびフィックス22(図1参照。)に代えてドア221、フィックス222およびフィックス223を備えた構成と同様である。
ドア221の構成は、ドア21が表示部21f(図1参照。)に代えて人型の表示部221fを備えた構成と同様である。表示部221fは、例えば、LEDの光を導光板によって面で発するように構成されていても良いし、ELシートによって構成されていても良い。なお、図9においては図示していないが、表示部221fには、表示コントローラ45に電気的に接続された電線が接続されている。
フィックス222の構成は、フィックス22のガラスに帽子の図柄222fが描かれた構成と同様である。図柄222fは、例えば、帽子が描かれたシートがフィックス222のガラス222eに貼り付けられることによって構成されていても良いし、ガラス222eに本物の帽子が固定されることによって構成されていても良い。
フィックス223の構成は、フィックス22のガラスにマフラーの図柄223fが描かれた構成と同様である。図柄223fは、例えば、マフラーが描かれたシートがフィックス223のガラス223eに貼り付けられることによって構成されていても良いし、ガラス223eに本物のマフラーが固定されることによって構成されていても良い。
図10は、フィックス222の断面図である。
図10に示すように、フィックス222は、ガラス222eがフィックス222の上フレーム222aおよび下フレーム222bに対して前後方向の中央ではなく前側の端または後側の端に配置される構造であっても良い。フィックス222が図10に示す構造である場合、上フレーム222a、下フレーム222bおよびガラス222eに囲まれた空間222gを大きく形成することができるので、本物の帽子がガラス222eに固定されるために必要な大きさに空間222gを形成することができる。以上においては、フィックス222について説明したが、フィックス223についても同様である。
次に、自動ドアシステム210の動作について説明する。
コントローラ43は、図7に示す動作と同様の動作を実行する。なお、本実施の形態においては、S163およびS172の処理を省略しても良い。
図11は、表示コントローラ45の動作のフローチャートである。
図11に示すように、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたと判断するまで、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたか否かをコントローラ43からの指示状態信号に基づいて判断する(S281)。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたとS281において判断すると、表示部221fの発光を開始する(S282)。
次いで、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたと判断するまで、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたか否かを判断する(S283)。ここで、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させてから所定の時間が経過したとき(S167でYES)にドア駆動部42に閉動作を開始させる(S168)ので、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたとS281において判断してから所定の時間が経過したときに、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたと判断することができる。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に閉動作を開始させたとS283において判断すると、表示部221fの発光を終了して(S284)、S281の処理に戻る。
コントローラ43および表示コントローラ45が以上に説明したように動作するので、自動ドアシステム210は、ドア221が完全に開いて表示部221fと図柄222fまたは図柄223fが重なっているときに、表示部221fが発光する。
以上に説明したように、自動ドアシステム210は、ドア221の移動に連動した表示を行うことができるので、利用者に従来より大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム210は、表示部221fと、図柄222f、223fとが重なることによって新たな図柄が完成するので、利用者に更に大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム210は、表示部221fがドア221に設置されており、ドア221とともに移動する表示を行うことができるので、利用者に更に大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム210は、コントローラ43が本発明の移動信号生成部としても機能しており、ドア221の移動と、表示部221fによる表示とにコントローラ43を兼用するので、コントローラ43をドア221の移動のみに利用する構成と比較して、部品点数を削減することができる。
なお、自動ドアシステム210は、任意の位置に配置されたリミットスイッチ44(図2参照。)を更に備えていても良い。表示コントローラ45は、任意の位置に配置されたリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて、ドア221の移動に更に複雑に連動した表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム210は、表示コントローラ45がコントローラ43からの指示状態信号に基づいて表示部221fによる表示を制御するようになっているが、第1の実施の形態に係る自動ドアシステム10(図2参照。)のように、表示コントローラ45がリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて表示部221fによる表示を制御するようになっていても良い。
また、表示部221fは、任意の色で発光するようになっていても良い。また、表示部221fの発光方法は、点灯であっても、任意のタイミングによる点滅であっても良い。
また、自動ドアシステム210は、表示部221fが左右両側のドア221に設置されているが、片側のドア221のみに設置されていても良い。
また、自動ドアシステム210は、表示部221f以外の表示部がドア221に更に設置されていても良い。例えば、自動ドアシステム210は、第1の実施の形態に係る表示部21fのような上下に延在していて表示を行う表示部(以下「ライン表示部」という。)がドア221の戸先側および戸尻側に更に設置されていて、ドア221が完全に閉じている状態から開き始めてから、ドア221が完全に開くまでのときと、ドア221が完全に開いている状態から閉じ始めてから、ドア221が完全に閉じるまでのときとに、ライン表示部が点滅し、ドア221が完全に開いているときに、ライン表示部が点灯し、ドア221が完全に閉じているときに、ライン表示部が消灯するようになっていても良い。
また、自動ドアシステム210は、表示部221fがドア221に設置されていて、図柄222f、223fがフィックス222、223に設置されているが、表示部がフィックス222やフィックス223に設置されていて、図柄がドア221に設置されるようになっていても良い。この場合、図柄は、例えば、帽子やマフラーが描かれたシートがドア221のガラスに貼り付けられることによって構成されていても良いし、ドア221のガラスに本物の帽子や本物のマフラーが固定されることによって構成されていても良い。なお、ドア221は、ガラスに本物の帽子や本物のマフラーが固定される場合、本物の帽子や本物のマフラーを設置するための十分に大きな空間を形成するために、図10に示すフィックス222と同様な構造であると好ましい。
(第4の実施の形態)
まず、本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成は、以下に述べる構成を除いて第2の実施の形態に係る自動ドアシステム110(図6参照。)の構成と同様である。本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成のうち自動ドアシステム110の構成と同様の構成については、自動ドアシステム110の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図12(a)は、ドア321が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム310の正面図である。図12(b)は、ドア321が完全に開いている状態での自動ドアシステム310の正面図である。図13は、自動ドアシステム310のブロック図である。
図12および図13に示すように、自動ドアシステム310の構成は、自動ドアシステム110がドア21(図1参照。)およびフィックス22(図1参照。)に代えてドア321およびフィックス322を備えており、表示コントローラ45が起動センサ41から信号を受信可能になった構成と同様である。
ドア321の構成は、ドア21が表示部21f(図1参照。)を備えていない構成と同様である。
フィックス322の構成は、フィックス22が表示部322fを備えた構成と同様である。表示部322fは、液晶ディスプレイなどの薄型のモニタである。なお、フィックス322は、表示部322fを設置するための十分に大きな空間を形成するために、図10に示すフィックス222と同様な構造であると好ましい。
次に、自動ドアシステム310の動作について説明する。
コントローラ43は、図7に示す動作と同様の動作を実行する。なお、本実施の形態においては、S163およびS172の処理を省略しても良い。
図14は、表示コントローラ45の動作のフローチャートである。
図14に示すように、表示コントローラ45は、表示部322fに商品や店舗の広告を表示する(S381)。この広告は、動画であっても、静止画であっても良い。また、2つの表示部322fには、別々の広告が表示されても良い。
次いで、表示コントローラ45は、起動センサ41が物体の存在を検知したと判断するまで、起動センサ41が物体の存在を検知したか否かを起動センサ41からの物体検知信号に基づいて判断する(S382)。
表示コントローラ45は、起動センサ41が物体の存在を検知したとS382において判断すると、表示部322fに「いらっしゃいませ」などの歓迎の表示を行う(S383)。この表示は、動画であっても、静止画であっても良い。
次いで、表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたと判断するまで、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたか否かをコントローラ43からの指示状態信号に基づいて判断する(S384)。
表示コントローラ45は、コントローラ43がドア駆動部42に開動作を終了させたとS384において判断すると、S381の処理に戻る。
コントローラ43および表示コントローラ45が以上に説明したように動作するので、自動ドアシステム310は、起動センサ41が物体の存在を検知してからドア321が完全に開くまで、表示部322fが歓迎の表示を行い、それ以外のときに、表示部322fが広告を表示する。
以上に説明したように、自動ドアシステム310は、ドア321の移動に連動した表示を行うことができるので、利用者に従来より大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム310は、コントローラ43が本発明の移動信号生成部としても機能しており、ドア321の移動と、表示部322fによる表示とにコントローラ43を兼用するので、コントローラ43をドア321の移動のみに利用する構成と比較して、部品点数を削減することができる。
また、起動センサ41が生成する物体検知信号は、ドア321の未来の移動状態を示す信号、すなわち、ドア321の移動状態を間接的に示す信号であり、本発明の移動信号を構成している。自動ドアシステム310は、起動センサ41が生成する物体検知信号が本発明の移動信号としても利用されることによって、起動センサ41が本発明の移動信号生成部としても機能するようになっている。したがって、自動ドアシステム310は、ドア321の移動と、表示部322fによる表示とに起動センサ41を兼用するので、起動センサ41をドア321の移動のみに利用する構成と比較して、部品点数を削減することができる。
なお、自動ドアシステム310は、起動センサ41からの物体検知信号に基づいて歓迎の表示を行うようになっているが、起動センサ41以外のセンサからの信号に基づいて歓迎の表示を行うようになっていても良い。例えば、自動ドアシステム310は、起動センサ41より広い範囲など、起動センサ41とは異なる範囲の物体の存在を検知するセンサを設け、このセンサからの信号に基づいて歓迎の表示を行うようになっていても良い。これによって、自動ドアシステム310は、利用者に更に大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム310は、ドア321が完全に開いたときに歓迎の表示を広告の表示に戻すようになっているが、例えばドア321が開いてから完全に閉じたときなど、ドア321が完全に開いたとき以外のタイミングで歓迎の表示を広告の表示に戻すようになっていても良い。表示コントローラ45は、ドア321が開いてから完全に閉じたときに、歓迎の表示を広告の表示に戻す場合、図7に示すS172においてコントローラ43から通知された指示状態信号を利用すれば良い。
また、自動ドアシステム310は、任意の位置に配置されたリミットスイッチ44(図2参照。)を更に備えていても良い。表示コントローラ45は、任意の位置に配置されたリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて、ドア321の移動に更に複雑に連動した表示を行うことができる。
また、自動ドアシステム310は、表示コントローラ45がコントローラ43からの指示状態信号に基づいて表示部322fによる表示を制御するようになっているが、第1の実施の形態に係る自動ドアシステム10(図2参照。)のように、表示コントローラ45がリミットスイッチ44からの位置信号に基づいて表示部322fによる表示を制御するようになっていても良い。
また、自動ドアシステム310は、第3の実施の形態と同様に、ドア321が開いたときにフィックス322の表示部322fと重なる図柄が、ドア321に設けられていても良い。
また、自動ドアシステム310は、表示部322fが左右両側のフィックス322に設置されているが、片側のフィックス322のみに設置されていても良い。
また、自動ドアシステム310は、ドア321の周辺を撮影するカメラと、このカメラによって撮影された画像を分析する画像分析装置とを備えることによって、ドア321に向って来る人物をカメラで撮影し、カメラによって撮影された画像中の人物の性別や年齢などの属性を画像分析装置による画像の分析によって取得し、画像分析装置によって取得された人物の属性に応じた表示を表示コントローラ45に行わせることができる。例えば、自動ドアシステム310は、ドア321に向って来る人物に子供が含まれている場合、「子供服フェア実施中」などの広告を表示部322fに表示することができる。
また、自動ドアシステム310は、ドア321の周辺の物体がドア321に近付く速度を検知する速度センサを備えることによって、物体がドア321に近付く速度に応じた表示を表示コントローラ45に行わせることができる。例えば、自動ドアシステム310は、自動ドアシステム310は、物体がドア321に近付く速度が所定の速度以上である場合に、「速度を落としてください。」などの注意表示を表示部322fに行うことができる。速度センサは、例えば、ドア321の周辺を撮影するカメラと、このカメラによって撮影された画像を分析して画像中の人物がドア321に近付く速度を検知する画像分析装置とによって構成されていても良い。
また、自動ドアシステム310は、表示部322fがフィックス322に設置されているが、表示部がドア321に設置されるようになっていても良い。自動ドアシステム310は、表示部がドア321に設置されている場合、ドア321とともに移動する表示を行うことができるので、利用者に更に大きなインパクトを与える表示を行うことができる。
(第5の実施の形態)
本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成は、以下に述べる構成を除いて第4の実施の形態に係る自動ドアシステム310(図12参照。)の構成と同様である。本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成のうち自動ドアシステム310の構成と同様の構成については、自動ドアシステム310の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図15は、本実施の形態に係る自動ドアシステム410の断面図である。図16は、自動ドアシステム410のブロック図である。
図15および図16に示すように、自動ドアシステム410の構成は、自動ドアシステム310がフィックス322(図12参照。)に代えてフィックス422を備えており、新たに投影機423を備えている構成と同様である。
フィックス422の構成は、フィックス322が表示部322f(図12参照。)に代えて表示部422fを備えた構成と同様である。
表示部422fは、投影機423によって投影される画像を表示するスクリーンである。表示部422fは、例えば、フィックス422のガラス422eに貼り付けられたシートによって構成されるスクリーンであっても良いし、投影機423によって投影される画像を表示することができればフィックス422のガラス422e自体によって構成されるスクリーンであっても良い。表示部422fがフィックス422のガラス422eに貼り付けられたシートによって構成されるスクリーンである場合、表示部422fは、例えば、九州ナノテック光学株式会社製の機能性フィルムシートのように、通電の有無によって、透明状態と、不透明状態とが切り替わるものであっても良い。
投影機423は、例えば建物の天井など、表示部422fから離れた場所に設置されていて、表示コントローラ45からの指示に応じて表示部422fに画像を投影する装置である。
自動ドアシステム410の作用効果は、表示部がドア321に設置されるようになっていても良い点など、自動ドアシステム310と同様である。
(第6の実施の形態)
本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成について説明する。
本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成は、以下に述べる構成を除いて第4の実施の形態に係る自動ドアシステム310(図12参照。)の構成と同様である。本実施の形態に係る自動ドアシステムの構成のうち自動ドアシステム310の構成と同様の構成については、自動ドアシステム310の構成と同一の符号を付して詳細な説明を省略する。
図17(a)は、ドア321が完全に閉まっている状態での本実施の形態に係る自動ドアシステム510の正面図であって、人物900がフィックス522の正面をドア521側に移動している図である。図17(b)は、ドア321が完全に閉まっている状態での自動ドアシステム510の正面図であって、図17(a)で示す状態よりも人物900がドア521側に移動している図である。図18は、自動ドアシステム510のブロック図である。
図17および図18に示すように、自動ドアシステム510の構成は、自動ドアシステム310がドア321(図12参照。)およびフィックス322(図12参照。)に代えてドア521およびフィックス522を備えており、投影機523と、ドア521の周辺の物体の位置を検知する位置センサ524とを新たに備えている構成と同様である。
ドア521の構成は、ドア321が表示部521fを備えた構成と同様である。表示部521fは、液晶ディスプレイなどの薄型のモニタである。なお、ドア521は、表示部521fを設置するための十分に大きな空間を形成するために、図10に示すフィックス222と同様な構造であると好ましい。
フィックス522の構成は、フィックス322が表示部322f(図12参照。)に代えて表示部522fを備えた構成と同様である。表示部522fは、第5の実施の形態に係る表示部422f(図15参照。)と同様に、投影機523によって投影される画像を表示するスクリーンである。
投影機523は、第5の実施の形態に係る投影機423と同様に、例えば建物の天井など、表示部522fから離れた場所に設置されていて、表示コントローラ45からの指示に応じて表示部522fに画像を投影する装置である。
位置センサ524は、例えば、ドア521の周辺を撮影するカメラと、このカメラによって撮影された画像を分析する画像分析装置とによって構成され、カメラによって撮影された画像中の人物の位置を画像分析装置による画像の分析によって取得するようになっていても良い。また、起動センサ41が例えば格子状に区切られた複数の領域上の物体の存在を検知することができる場合、位置センサ524は、起動センサ41によって構成され、起動センサ41によって物体の存在が検知された領域によって物体の位置を取得するようになっていても良い。位置センサ524は、他の方法によって、ドア521の周辺の物体の位置を検知するようになっていても良い。
次に、自動ドアシステム510の動作について説明する。
コントローラ43は、図7に示す動作と同様の動作を実行する。なお、本実施の形態においては、S163およびS172の処理を省略しても良い。
表示コントローラ45は、表示部521fに対して図14に示す動作と同様の動作を実行する。
図19は、投影機523に対する表示コントローラ45の動作のフローチャートである。
図19に示すように、表示コントローラ45は、物体の位置を検知したと判断するまで、物体の位置を検知したか否かを位置センサ524からの信号に基づいて判断する(S581)。
次いで、表示コントローラ45は、物体の位置を検知したとS581において判断すると、物体の位置に応じた表示を投影機523によって表示部522fに行って(S582)、S581の処理に戻る。
例えば、表示コントローラ45は、図17に示すように、ドア521の周辺の物体である人物900の動きに付いて動く星型の画像を表示部522fに表示することによって、人物900の興味を表示部522f上の画像に集めることができる。したがって、自動ドアシステム510は、フィックス522の周辺からドア521の周辺に移動する人物900に対して、人物900の移動方向において表示部522fの隣に存在する表示部521fの表示を注目させることができる。
なお、表示コントローラ45は、位置センサ524からの信号に基づいて人物900の移動に合わせて変更する表示部522fの表示を、起動センサ41からの物体検知信号や、コントローラ43からの指示状態信号に基づいてドア521の移動にも合わせて変更するようになっていても良い。
また、自動ドアシステム510は、表示部521f、表示部522fが左右両側のドア521、フィックス522に設置されているが、片側のドア521、フィックス522のみに設置されていても良い。
以上の実施の形態においては、ドアの移動状態を直接的に示す信号として、リミットスイッチからの位置信号について説明しており、ドアの移動状態を間接的に示す信号として、起動センサからの物体検知信号と、コントローラからの指示状態信号とについて説明しているが、これらの信号以外の信号であっても、ドアの移動状態を示す信号であれば、本発明の移動信号として利用されることができる。
また、以上の実施の形態においては、引分け(両引き)タイプの自動ドアシステムについて説明しているが、本発明は、引分け(両引き)タイプ以外のタイプの自動ドアシステムに対しても適用されることができる。例えば、本発明は、片引きタイプの自動ドアシステムに対しても適用されることができる。