JP2012061972A - タイヤ情報送信システム及びタイヤ情報送受システム - Google Patents

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信宏 井手
Hideo Iizuka
英男 飯塚
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Abstract

【課題】タイヤ又はホイールに設置されたアンテナのアンテナ利得を高めることができる、タイヤ情報送信システムを提供すること。
【解決手段】ホイール10と、ホイール10の外側に設けられるタイヤと、ホイール10又はタイヤに設けられるアンテナとを備え、アンテナへの給電によってタイヤの外側のサイドウォール21aに発生する電界Eaの向きとアンテナへの給電によってタイヤの内側のサイドウォール21bに発生する電界Ebの向きとが、互いに逆向きであることを特徴とする、タイヤ情報送信システム。
【選択図】図2

Description

本発明は、タイヤ情報を送信するアンテナを備えるタイヤ情報送信システム及びタイヤ情報送受システムに関する。
近年、車両のタイヤの状態を監視するため、タイヤ情報送信装置の開発が進められている。従来、このタイヤ情報送信装置のアンテナとして、タイヤの周囲に配置される大きなループアンテナが使用されていた。しかしながら、このようなループアンテナは、その大きさがタイヤと同程度であるため、車両に搭載することが容易ではなかった。
このような問題を解決すべく、タイヤ又はホイールに設置されるアンテナの開発が進んでいる。タイヤ又はホイールに設置されるアンテナに関する文献として、例えば、特許文献1−3及び非特許文献1が知られている。
特開2005−269608号公報 特開2006−74369号公報 特表2006−514800号公報 K.Tanoshita, K.Nakatani, and Y.Yamada, "Electric Field Simulations around a Car of the Tire Pressure Monitoring System," IEICE Trans. Commun., vol.E90-B,no.9,pp.2416-2422,Sep.2007
タイヤ又はホイールに設置されたアンテナのアンテナ利得を高めることができれば、タイヤ情報を感度良く送受可能な高品質のシステムを実現することができる。
そこで、本発明は、タイヤ又はホイールに設置されたアンテナのアンテナ利得を高めることができる、タイヤ情報送信システム及びタイヤ情報送受システムの提供を目的とする。
上記目的を達成するため、本発明に係るタイヤ情報送信システムは、
ホイールと、
前記ホイールの外側に設けられるタイヤと、
前記ホイール又は前記タイヤに設けられるアンテナとを備え、
前記アンテナによって前記タイヤの両側のサイドウォールに発生する電界の向きが、互いに逆向きであることを特徴とするものである。
また、上記目的を達成するため、本発明に係るタイヤ情報送受システムは、
該タイヤ情報送信システムと、前記アンテナからのタイヤ情報を受信する車載受信システムとを備えることを特徴とするものである。
本発明によれば、タイヤ又はホイールに設置されたアンテナのアンテナ利得を高めることができる。
本発明の一実施形態であるタイヤ情報送信システム1の構成図である。 タイヤ情報送信システム1の計算上の電界分布を示した図である。 図2の電界を等価原理により置き換えた等価磁流の概略図である。 アンテナ30のアンテナ利得の計算上の放射特性を示した図である。 アンテナ30を2つのダイポールアンテナ31,32としたときのタイヤ情報送信システム1の具体例である。 アンテナ30をループアンテナ33としたときのタイヤ情報送信システム1の具体例である。 本発明の一実施形態であるタイヤ情報送受システム2の構成図である。
以下、図面を参照しながら、本発明を実施するための形態の説明を行う。図1は、本発明の一実施形態であるタイヤ情報送信システム1の構成図である。タイヤ情報送信システム1は、円柱状のホイール10と、ホイール10の外側に設けられるタイヤ20と、ホイール10又はホイール10に取り付けられたタイヤ20に設けられるアンテナ30とを備えている。アンテナ30は、タイヤ20のトレッド22に対して内側の領域に取り付けられている。例えば、アンテナ30は、タイヤ20のゴム自体に埋め込まれてもよいし、タイヤ20の内側の面に取り付けられてもよいし、ホイール10のホイールリムに取り付けられてもよい。
図2は、図1のタイヤ情報送信システム1の計算上の電界分布を示した図である。図2(a)(c)は、断面Cにおけるzx平面図である。すなわち、車体内側に対向するサイドウォール21b側を車体側から見た正面図である。図2(b)(d)は、断面Bにおけるxy平面図(拡大図)である。図2上の各三角形の向きが、その点における電界Eの向きを示し、各三角形の大きさが、その点における電界Eの強さを示す。三角形の大きさが大きいほど電界Eの強さが強いことを示す。図1に示したアンテナ30への給電によって、電界Eは、ホイール10(又は、タイヤ20)の中心に対して、放射状に発生している。
図2(a)(b)は、奇モード(odd-mode)の電界分布を示す。すなわち、タイヤ20の外側のサイドウォール21aに発生する電界Eaの向きとタイヤ20の内側のサイドウォール21bに発生する電界Ebの向きが、xy平面ではx軸方向で互いに逆向きになるように、アンテナ30に給電しているときの状態を示している。
一方、図2(c)(d)は、偶モード(even-mode)の電界分布を示す。すなわち、タイヤ20の外側のサイドウォール21aに発生する電界Eaの向きとタイヤ20の内側のサイドウォール21bに発生する電界Ebの向きが、xy平面ではx軸方向で互いに同じ向きになるように、アンテナ30に給電しているときの状態を示している。
図3は、図2の電界を等価原理により置き換えた等価磁流の概略図である。図3(a)は、奇モードの励振での等価磁流の方向を示し、図3(b)は、偶モードの励振での等価磁流の方向を示す。タイヤ20の両縁である両側のサイドウォール21には、アンテナ30への給電によって、磁流Mが発生する。一方のサイドウォール21aには、タイヤ20の円周方向に磁流Maが発生し、もう一方のサイドウォール21bには、タイヤ20の円周方向に磁流Mbが発生する。
電界Eaと電界Ebの向きが図2(d)のように同じ向き(同相)になるようにアンテナ30を励振した場合、図3(b)に示されるように、磁流Maと磁流Mbの向きがY軸方向に関して逆向きになる(逆相になる)。したがって、アンテナ30によって励振される磁流Maと磁流Mbが互いに打ち消し合ってしまうので、磁流Ma,Mbがアンテナ30の放射特性に寄与しにくくなってしまう。
これに対し、電界Eaと電界Ebの向きが図2(b)のように互いに逆向き(逆相)になるようにアンテナ30を図1の位置に配置して励振することによって、図3(a)に示されるように、磁流Maと磁流Mbの向きをY軸方向に関して同じ向きにする(同相にする)ことができる。したがって、アンテナ30によって励振される磁流Maと磁流Mbが互いに強め合うので、アンテナ30のアンテナ利得を向上させることができる。
図4は、アンテナ30のアンテナ利得の計算上の放射特性を示した図である。図4(a)(b)(c)は、それぞれzx平面、xy平面、yz平面における、電界EaとEbが逆相の奇モードのときの放射特性を示す。図4(d)(e)(f)は、それぞれzx平面、xy平面、yz平面における、電界EaとEbが同相の偶モードのときの放射特性を示す。図4上、実線で示されるアンテナ利得は、0dBを最大値として規格化した値である。zx平面の図4(a)と(d)を比較すれば明らかなように、電界EaとEbを逆相にすることによって、電界EaとEbを同相にする場合に比べて、アンテナ利得を向上させることができる。車両の前後方向且つ上下方向に広がるzx平面のアンテナ利得が向上すると、アンテナ30から放射される電波を受信する受信機の車両上での搭載位置の自由度が高くなるという点で有利である。
図5は、アンテナ30を2つのダイポールアンテナ31,32としたときのタイヤ情報送信システム1の具体例である。図5は、yz平面に平行な面Aにおける断面図である。ダイポールアンテナ31がタイヤウォール21aに埋め込まれ、ダイポールアンテナ32がタイヤウォール21bに埋め込まれている。タイヤウォール21に埋め込まれるアンテナ素子は、ダイポールアンテナに限らず、ループアンテナなどの他の形態のアンテナ素子でもよい。
ダイポールアンテナ31,32は、センサ50によって検出された情報を車体側の受信機に送信するためのアンテナである。センサ50によって検出された情報は、回路部40に伝達される。回路部40は、上述のように互いに逆向きの電界Ea,Ebが発生するようにダイポールアンテナ31,32を給電し、センサ50によって検出された情報を、ダイポールアンテナ31,32を介して、車体側の受信機に送信する。回路部40及びセンサ50は、ホイール10のホイールリム11の底部11aに取り付けられている。回路部40及びセンサ50は別部品でもよいし、一つの集積回路でもよい。センサ50は、例えば、タイヤ20の空気圧を検出する圧力センサである。
トレッド22の内側には、不図示のカーカスを締め付けるための導電性のベルト23が配置されている。タイヤ20の両側のサイドウォール20に発生する磁流を励振することで、ベルト23やホイール10などの導体がダイポールアンテナ31,32の近傍に存在していても、その導体のアンテナ利得への影響を小さくし、ダイポールアンテナ31,32のアンテナ利得の低下を防いでいる。
図6は、アンテナ30をループアンテナ33としたときのタイヤ情報送信システム1の具体例である。図6は、yz平面に平行な面Aにおける断面図である。ループアンテナ33は、ホイール10のホイールリム11の底部11a及び肩部11bから離した状態で、ホイールリム11の底部11aに、基板等の取付部材によって取り付けられている。図6に示されるように、ループアンテナ33の開口面の開口方向(法線方向)がタイヤ20(又は、ホイール10)の回転方向に一致させることによって、ループアンテナ33への給電で図2(b)に示した電界EaとEbの逆相での励振が容易に実現できる。例えば、ループアンテナ33の中心位置を、ホイールリム11のリム幅の中心位置dyに一致させると好適である。図6の場合も、図5の場合と同様に、センサ50及び回路部40がタイヤ20又はホイール10のホイールリム11に取り付けられていて、センサ50によって検出された情報が、回路部40及びループアンテナ33を介して、車体側の送信機に送信される。
図7は、本発明の一実施形態であるタイヤ情報送受システム2の構成図である。タイヤ情報送受システム2は、上述のタイヤ側のタイヤ情報送信システム1と、車体側の受信システムとを合わせたシステムである。各タイヤ(又は、各ホイール)に取り付けられる送信機100A−100Dは、上述のタイヤ情報送信システム1に構成されるアンテナ30及び回路部40に相当する。送信機100A−100Dの中に、上述のセンサ50を含めてもよい。
一方、車体側の受信システムは、受信機200と、電子制御装置(ECU)300と、インジケータ400とを備える。受信機200は、アンテナ30からのタイヤ情報に関する電波を受信する。電子制御装置300は、受信機200で受信されたタイヤ情報に基づいて、所定の制御を実行する。例えば、電子制御装置300は、タイヤの空気圧が所定値以下の場合、タイヤの空気圧が低下していることを乗員に知らせることが可能な情報(例えば、警告ランプなど)を、インジケータ等の表示装置400に表示させる。
このように、本発明の実施形態の給電方式によれば、両側のサイドウォール21に発生する磁流ループMを同相で励振することができるので、ホイール10又はタイヤ20に設けられるアンテナ30を小型化しても、タイヤの周囲に設けられる従来のループアンテナのアンテナ利得と同等のレベルまでアンテナ30のアンテナ利得を高めることができ、タイヤ情報を感度良く送受することができる。また、タイヤの周囲に設けられる従来のループアンテナと異なり、本発明の実施形態では磁流を励振するので、車体やタイヤ20に内蔵されるベルト23などのタイヤ20周囲の導体の影響が抑えられるため、アンテナ30のアンテナ利得の低下を防ぐことができる。
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
例えば、センサ50によって検知されアンテナ30によって送受されるタイヤ情報は、タイヤ20の空気圧情報に限らず、タイヤ20の温度情報でもよい。また、このタイヤ情報には、タイヤ20の情報に限らず、ホイール10の情報(例えば、温度情報)が含まれてもよい。
1 タイヤ情報送信システム
2 タイヤ情報送受システム
10 ホイール
11 ホイールリム
20 タイヤ
21 サイドウォール
22 トレッド
23 ベルト
30 アンテナ
31,32 ダイポールアンテナ
33 ループアンテナ
40 回路部
50 センサ
100 送信機
200 受信機
300 電子制御装置
400 表示装置

Claims (2)

  1. ホイールと、
    前記ホイールの外側に設けられるタイヤと、
    前記ホイール又は前記タイヤに設けられるアンテナとを備え、
    前記アンテナによって前記タイヤの両側のサイドウォールに発生する電界の向きが、互いに逆向きであることを特徴とする、タイヤ情報送信システム。
  2. 請求項1記載のタイヤ情報送信システムと、前記アンテナからのタイヤ情報を受信する車載受信システムとを備える、タイヤ情報送受システム。
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