JP2012061383A - 中空糸膜ユニット、水処理装置および水処理方法 - Google Patents
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Abstract
Description
前記中空糸膜の内径Din(m)、前記中空糸膜により膜分離された水(膜分離水)の粘性係数μ(Pa・s)、前記中空糸膜の孔の透過抵抗r0(Pa・m-2・s)、及び原水が膜分離されて一端側に流される、前記中空糸膜の部分における長手方向の長さL(m)が下記数式1を満たすことを特徴とする中空糸膜ユニットにある。
尚、下記数式2の128の単位は、無次元である。
尚、中空糸膜の孔の透過抵抗r0 は、後述する「孔の透過抵抗の測定」に記載の方法で測定した初期(孔が不純物により目詰まりされる前)の中空糸膜の孔の透過抵抗を意味する。
尚、中空糸膜ユニット2の構造としては、特開2006−21109号公報に開示された一端が封止され他端から処理水Bが吸引されるタイプのものや、特開2008−296136号公報に開示された両端から処理水Bが吸引されるタイプのもの、などがある。
本発明の中空糸膜ユニットが圧力容器に濾過膜が収納されたタイプの場合には、本発明の水処理方法では、中空糸膜ユニットに原水が流入する入口の静圧に対する中空糸膜ユニットから濃縮水(非透過水)が流出する出口での静圧の差が、好ましくは±30%以内であり、より好ましくは±20%以内、さらに好ましくは±10%以内となるように原水を膜分離する。尚、下記に示すモデルでは、前提として全体での静圧が一定であるとしてモデル化したものであるので、中空糸膜ユニットは、静圧が一定であれば、下記に示すモデルの関係を満たすことから、更に、数式2の条件を満たせば、薬品による洗浄頻度が抑制されたものとなる。
(1)モデルの概要
中空糸膜で得られる処理水の流量及び処理水によって生じる中空糸膜への圧力について、1次元モデルでモデル化した。
本実施形態のモデルにおける処理水の流れの概略図を図4に示す。
本実施形態のモデルでは、原水が中空糸膜5表面を覆い、ポンプにより中空糸膜5の中空部分が吸引され、原水に含まれる水Cが、中空糸膜5の孔を透過し、その後、中空糸膜5の中空部分(中空領域5a)を通過し透過水たる処理水Bとして回収されるものとした。
また、本実施形態のモデルでは、中空糸膜5の長手方向をx軸とし、処理水Bが中空領域5aを出る出口の位置をx軸の原点とした。
即ち、中空糸膜5の内径Din、処理水Bの密度ρ、中空糸膜5の中空領域5aにおける処理水Bの流速ν、及び処理水Bの粘性係数μが下記数式3を満たすと仮定した。
本実施形態のモデルで使用するパラメータを下記表1に示す。
尚、以下の数式に於いて、f0 (x)、I0 (x)、I0 、r0 、P0 は、それぞれf(x)、I(x)、I、r、Pの初期状態のものを意味する。
原水の膜分離開始後、図5に示すように、原水が膜分離されるに従い、中空糸膜の孔5bが不純物Dにより閉塞されることによって、膜間差圧が上昇することから、斯かる状態を時間経過に応じて膜間差圧が上昇するものとしてモデル化した。
尚、閉塞の原因としては、不純物Dがケーキとして中空糸膜5の表面に付着することと、不純物Dが中空糸膜の孔5bに詰まることとが考えられるが、本実施形態のモデルでは、中空糸膜5の表面に付着する不純物Dは、逆洗によって除去する状態を仮定し、閉塞の原因として不純物Dが中空糸膜の孔5bに詰まる状態のみを考慮し、不純物Dがケーキとして中空糸膜5の表面に付着することは無視した。
膜の孔内部に異物(不純物)が流入すると、処理水の経路(孔)は部分的に閉塞され、処理水が透過できなくなって、孔の透過抵抗が上昇する。以下の数式では、膜の孔内部に流入するような異物(不純物)は水中に均一に存在しており、その一部が膜の孔内部に捕捉されると仮定した。
初期状態では、水の透過量は流出口付近で大きい。kが大きいと、膜を動径方向に進む時のエネルギーよりも内部を進む時のエネルギーロスの方が大きくなるため、流出口付近における局所的な流量が増加し、圧力損失も増大する。その結果、kLが大きな膜では、流出口から離れた部分を充分に利用することができない。
また、時間経過による膜の閉塞は、流量の大きな場所、すなわち流出口付近から進行する。流出口近傍における膜透過抵抗が増大すると、もともと流量の少なかった、すなわちエネルギーロスの大きな領域から水を強制的に吸い込むため、圧力上昇の速度も大きくなる。さらに膜が長い場合、フラックスを一定にしても水は流出口近傍を集中的に流れるため、局所的な流量は大きくなり全体の差圧も大きくなる。そのため、フラックスとkが同じでも膜の長さが大きい場合には、膜間差圧の上昇速度も大きくなると考えられる。
よって、下記数式28を満たす中空糸膜を用いることにより、図6に示すように、従来の中空糸膜よりも膜間差圧の上昇速度P1/P0(−)の傾きを緩やかにすることができ、該膜間差圧の上昇速度P1/P0(−)を抑制することができる。
即ち、下記数式28を満たす中空糸膜を用いることにより、薬品による洗浄頻度を抑制し得る。
また、膜間差圧の上昇速度をさらに抑制するという観点を考慮すると、かかるkLは、1.2未満が好ましく、1.0未満がより好ましい。
尚、ここで、下記数式32において、前記中空糸膜の内径Dinの単位は、「m」、前記中空糸膜により膜分離された水の粘性係数μの単位は「Pa・s」、前記中空糸膜の孔の透過抵抗r0 の単位は、「Pa・m-2・s」、原水が膜分離されて一端側に流される、前記中空糸膜の部分における長手方向の長さLの単位は、「m」である。また、下記数式32の係数「128」の単位は、無次元である。
(1)初期状態における孔の透過抵抗r0 の測定及び膜の空隙率εの算出
モデルの検証に用いる中空糸膜の初期状態における孔の透過抵抗r0 を得るべく、図7に示す小型実験装置10を用いて該孔の透過抵抗r0 の測定を行った。
尚、モデルの検証に用いる中空糸膜としては、外径が1.2mm、内径が0.6mm、長さが1.0mである中空糸膜を使用したが、下記の実験では、同じ種類の中空糸膜を加工して長さを10.6cmにしたものを用いた。
まず、中空糸膜5のうち水の抜出し口の反対側を針で塞ぎ、もう片側は中空糸膜の内径と同程度の外径を持つ注射針を刺して固定してこれを試料とした。注射針を水の抜出し管に接続してセル6にセットし、セル6内部を純水で満たした。セル6の入口側に加圧ポンプ4をつないでセル6内部を加圧し、水を透過させた。加圧ポンプ4の出口とセル6の出口にはそれぞれ圧力計P1とP2とを設置し、2つの圧力計の差圧を膜間差圧とした。具体的には、セル6の出口には電子天秤7の上に乗せたビーカー8を設置して透過してきた水を回収し、その重量を連続的にモニタリングし、測定値をデータロガー9に転送した。水の透過速度を重量変化によって測定することで透過流束を求め、膜間差圧と透過流束との関係から、数式11を用いて該中空糸膜の孔の透過抵抗r0 を求めた。
実験では、まず膜を接続せずに水のみを通じ、中空糸膜による圧力損失を求めた。さらに、同じ流量の水を通過させた時の圧力差から膜を透過させた時の差圧を求め、2つの値の差を膜間差圧とした。
以上をまとめると表2のようになる。
上記検討結果を基に、現実の装置における膜間差圧の上昇を検証した。運転(実験)で使用した膜の基本データを表3に示す。
実装置は、工業排水の処理で使用し、運転条件は長谷川ら(長谷川進、島田光重、塩田憲明:「水リサイクル技術への取組み」、神鋼環境ソリューション技報、Vol.15、No.1、P24−28(2008))と同様の方法で行った。
具体的には、中空糸膜ユニットの形式が外圧式円筒型、中空糸膜の材質がPVDF(ポリフッ化ビニリデン)、中空糸膜としては、内径が0.6mm、公称細孔径が0.1μm、膜面積が約7m2 、フラックスが1.44m/d、膜ユニット仕様が3インチ(外径)×1m(原水の一端側流路の長さ)である条件の下で実験を実施した。
尚、本実験では、原水が中空糸膜ユニットに流入する入口の静圧に対する濃縮水(非透過水)が膜ユニットから流出する出口での静圧の差が、±30%以内の条件下で実施した。
従って、本実施形態のモデルは、妥当なものと判断することができる。
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