JP2012060973A - 根菜類野菜の新規養液栽培方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】根菜類野菜の新規養液栽培方法の提供。
【解決手段】本発明は、無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液を供給することを特徴とする根菜類野菜の養液栽培方法に関する。本発明は、特に、前記培養液が、表1に規定する必須元素組成を有する園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液であり、かつ、前記無機質農業用資材の孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である、ニンジンの養液栽培方法に関する。
【選択図】なし
【解決手段】本発明は、無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液を供給することを特徴とする根菜類野菜の養液栽培方法に関する。本発明は、特に、前記培養液が、表1に規定する必須元素組成を有する園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液であり、かつ、前記無機質農業用資材の孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である、ニンジンの養液栽培方法に関する。
【選択図】なし
Description
本発明は、根菜類野菜の新規養液栽培方法に関する。より詳細には、本発明は、生育培地として所定範囲の孔隙率、固相率、及び液相率を有する無機質農業用資材を生育培地として使用する根菜類野菜の養液栽培方法に関する。
野菜等の園芸作物の栽培方法は、土耕による方法が最も普及しており一般的である。しかしながら、土耕による栽培は、栽培地の土壌の状態や気温、天候や気候の変動、災害や病害等の影響を受けることが多く、収穫量や品質を一定に保つことは必ずしも容易ではない。
かかる問題を解決するため、土壌に代わる養液栽培に適した培地について検討した報告がなされている。
かかる問題を解決するため、土壌に代わる養液栽培に適した培地について検討した報告がなされている。
以下の特許文献1には、無機系の多孔体物(パーライト)と、針葉樹の樹皮を細切り・繊維状片にした有機系のものとの二種類の培地材の混合体から成る野菜等の養液栽培用培地が開示されている。
しかしながら、特許文献1に記載された培地は有機系のものを含み、培地として使用するパーライトの粒径として2mm〜25mm程度のものを使用することが好ましいと記載されており(段落0014参照)、また、栽培される対象は根菜類野菜に特化されたものではない。さらに、特許文献1では、作物の生育量の検討、さらには作物生育量の最大化を目指した検討や結果は報告されていない。
しかしながら、特許文献1に記載された培地は有機系のものを含み、培地として使用するパーライトの粒径として2mm〜25mm程度のものを使用することが好ましいと記載されており(段落0014参照)、また、栽培される対象は根菜類野菜に特化されたものではない。さらに、特許文献1では、作物の生育量の検討、さらには作物生育量の最大化を目指した検討や結果は報告されていない。
以下の特許文献2には、1.5〜5mmのふるい目を100%通過する細粒状のパーライト又はバーミキュライト培地を装填した容器と、その内部に該容器を配置し、かつ培養液を貯留するための貯液槽を備えた植物栽培装置及び栽培方法が開示されている。
しかしながら、実施例で栽培された根菜はゴボウであり、また、作物の生育量の検討、さらには作物生育量の最大化を目指した検討や結果は報告されていない。
しかしながら、実施例で栽培された根菜はゴボウであり、また、作物の生育量の検討、さらには作物生育量の最大化を目指した検討や結果は報告されていない。
以下の特許文献3には、幼苗の植え替えの手間がなく、従来の土壌栽培に比べ、単位面積あたりの収穫量を向上させることのできる根菜類の養液栽培装置及び方法が開示されている。
しかしながら、該装置に使用される培地はロックウールスラブや連通気泡等を有する多孔質部材などの、根が内部に進入することのできる程度の粗さを備えた(ポーラスな)素材からなる略板状の部材であり、複数の該板状の部材から構成された空間内部にサツマイモ等の塊根を収容するように設計されたものであり、培地として細粒状のパーライトを使用したものではない。
しかしながら、該装置に使用される培地はロックウールスラブや連通気泡等を有する多孔質部材などの、根が内部に進入することのできる程度の粗さを備えた(ポーラスな)素材からなる略板状の部材であり、複数の該板状の部材から構成された空間内部にサツマイモ等の塊根を収容するように設計されたものであり、培地として細粒状のパーライトを使用したものではない。
ところで、養液栽培方法自体は、園芸作物栽培方法の一つであり、以前より普及している。
しかしながら、主に検討されているのは葉菜類や果菜類を中心とした野菜類であり、根菜類の養液栽培方法の検討事例は少ない。
以下の非特許文献1には、土壌、及びバーミキュライトを定植用培地として用い、また、大塚ハウスB処方標準濃度の0.15倍及び0.30倍溶液を用いたダイコンの栽培実験の結果が報告されている。
しかしながら、栽培対象はダイコンであり、また、培地として細粒状のパーライトを使用したものではない。
しかしながら、主に検討されているのは葉菜類や果菜類を中心とした野菜類であり、根菜類の養液栽培方法の検討事例は少ない。
以下の非特許文献1には、土壌、及びバーミキュライトを定植用培地として用い、また、大塚ハウスB処方標準濃度の0.15倍及び0.30倍溶液を用いたダイコンの栽培実験の結果が報告されている。
しかしながら、栽培対象はダイコンであり、また、培地として細粒状のパーライトを使用したものではない。
以下の非特許文献2には、固形培地耕装置における地下水位がニンジンの生育に与える影響について検討されている。
しかしながら、使用された固形培地は4号硅砂(粒径約0.2〜1mm、空隙率0.46m3m-3、西戸崎興産)であり、培養液としてpHを6.0に調整した大塚ハウス1号、2号(大塚化学)の1/2処方(電気伝導度(EC)1.26mScm-1)が使用されている。非特許文献2では、ニンジンの貯蔵根に形成に対する地下水位の影響が検討されているものの、培地として細粒状のパーライトを使用した際の、培地の孔隙率、固相率、及び液相率が、根重に及ぼす影響や、培養液の適正化については検討されていない。
しかしながら、使用された固形培地は4号硅砂(粒径約0.2〜1mm、空隙率0.46m3m-3、西戸崎興産)であり、培養液としてpHを6.0に調整した大塚ハウス1号、2号(大塚化学)の1/2処方(電気伝導度(EC)1.26mScm-1)が使用されている。非特許文献2では、ニンジンの貯蔵根に形成に対する地下水位の影響が検討されているものの、培地として細粒状のパーライトを使用した際の、培地の孔隙率、固相率、及び液相率が、根重に及ぼす影響や、培養液の適正化については検討されていない。
以下の非特許文献3には、水耕ニンジンの根の肥大に及ぼす通気および培養液水位の影響について検討されている。
しかしながら、非特許文献3では、培養液として園試処方1/2単位濃度液が使用されているものの、培地を用いない水耕栽培であり、培地として細粒状のパーライトを使用した際の、培地の孔隙率、固相率、及び液相率が、根重に及ぼす影響や、培養液の適正化については検討されていない。
しかしながら、非特許文献3では、培養液として園試処方1/2単位濃度液が使用されているものの、培地を用いない水耕栽培であり、培地として細粒状のパーライトを使用した際の、培地の孔隙率、固相率、及び液相率が、根重に及ぼす影響や、培養液の適正化については検討されていない。
以上のように、根菜類の養液栽培の技術確立を目指して検討した報告事例はあるものの、土壌に代わる無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液を供給する、根菜類野菜の養液栽培方法において、生育量を最大化する技術は未だ確立されていない。
三重大生資農場研報12:18〜23(2001)
植物環境工学(J.SHITA)21(2):65−71,2009
園学研.(Hort.Res.(Japan))7(3):439−444,2008
以上のように、天候不順や病害など土耕栽培の欠点を解決する栽培方法の手段として、土壌を用いない培地による栽培である養液栽培が知られているが、土壌を用いない根菜類野菜の養液栽培方法の検討事例は少なく、かつ経済性(生育量最大化)の観点で栽培条件を検討・適正化した事例はほとんどない。
かかる状況に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、無機質農業用資材を生育培地とし、その物理性に着目して適切な範囲を特定し、さらに培養液の組成及び濃度の適切な範囲を特定することで、生育量を最大化し、かつ、土耕栽培の欠点を回避できる根菜類の養液栽培方法を提供することである。
本願発明者らは、かかる課題を解決すべく、鋭意検討し実験を重ねた結果、以下の解決手段により課題を解決することができることを予想外に発見し、本願発明を完成するに至った。
すなわち、本願発明は、以下のとおりのものである。
すなわち、本願発明は、以下のとおりのものである。
[1]無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液を供給することを特徴とする根菜類野菜の養液栽培方法。
[2]前記無機質農業用資材が、ゼオライト、軽石、及びパーライトからなる群から選ばれる、前記[1]に記載の方法。
[3]前記無機質農業用資材が、粒子径が1.2mm未満のパーライトである、前記[2]に記載の方法。
[4]前記無機質農業用資材の孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である、前記[1]〜[3]のいずれかに記載の方法。
[5]前記無機質農業用資材の液相率が47(v/v%)以上である、前記[1]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]前記培養液が、表1に規定する必須元素組成を有する園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液である、前記[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]前記根菜類野菜がニンジン又はサツマイモである、前記[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]前記根菜類野菜がニンジンである、前記[7]に記載の方法。
本発明により、例えば、孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液として、表1に規定する必須元素組成を有する園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液を使用することにより、ニンジンの根重を最大化することができた。したがって、本発明は、生育量を最大化し、かつ、土耕栽培の欠点を回避できる根菜類の栽培方法として有用である。
本発明は、無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液を供給することを特徴とする根菜類野菜の養液栽培方法である。
培養液は、少なくとも必須元素である窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含む、例えば、以下の表1に規定する園試処方液水溶液(表題:園試処方第1例(濃度100%)ともいう。)であることができる:
尚、表1は、濃度100%時の配合を示す。
本発明者らは、根菜類野菜の生育に必要な栄養分の供給については、栄養分を含んだ養液を生育培地に供給するが、その栄養成分について鋭意検討した結果、培養液の構成成分及び濃度範囲が前記園試処方液水溶液の50〜200%であると、生育量が顕著となることを見出した。したがって、本発明においては、培養液は、好ましくは、前記園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液である。
培養液は、少なくとも必須元素である窒素、リン、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含む、例えば、以下の表1に規定する園試処方液水溶液(表題:園試処方第1例(濃度100%)ともいう。)であることができる:
本発明者らは、根菜類野菜の生育に必要な栄養分の供給については、栄養分を含んだ養液を生育培地に供給するが、その栄養成分について鋭意検討した結果、培養液の構成成分及び濃度範囲が前記園試処方液水溶液の50〜200%であると、生育量が顕著となることを見出した。したがって、本発明においては、培養液は、好ましくは、前記園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液である。
但し、本発明において使用する培養液は、特に制限はなく、この濃度範囲に収まる範囲であれば、市販されているイオン塩を水に溶解して使用してもよいし、市販されている園芸栽培用の汎用培養液を用いて、それを適宜希釈するなどして簡易的に使用してもよい。
本発明に係る方法により生育が可能な根菜類野菜は、具体的には、ニンジン、ダイコン、カブ、サツマイモなどが挙げられるが、これに制限されるものではない。根菜類野菜は、好ましくは、ニンジン又はサツマイモであり、より好ましくは、ニンジンである。
本発明で使用する無機質農業用資材は、培地の物理性の適正な範囲を担保するものであれば特段の制約はないが、好ましくは、ゼオライト、軽石、及びパーライトからなる群から選ばれ、より好ましくは、粒子径が1.2mm未満のパーライトである。粒子径がこの範囲にあると、無機質農業用資材の孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満となり、根菜類野菜の生育量が顕著に増加するため、好ましい。
パーライトとは、火山岩として産出される真珠岩、松脂岩、黒曜石を高温で熱処理してできる発泡体である。ガラス質の岩石中に含まれる構造水がガス化して発泡する。「真珠石」との呼ばれる。多孔質という特性から、ろ過材、土壌改良材、園芸培養土、保冷(温)材などとして用いられ、日本国内では三井金属鉱業(株)が製造販売を行っている。三井金属鉱業(株)の製品カタログによれば、成分組成及びpHは、SiO2:75.0%、Al2O3:14.0%、Fe2O3:0.9%、CaO:0.1%、K2O:4.2%、Na2O:3.5%、pH7(中性)である。
本発明の養液栽培方法においては、無機質農業用資材を使用し、土壌を使用しないため、ハウスなどの室内での栽培も可能であり、土壌条件や天候の不順、病害等の弊害を回避する根菜類野菜の栽培が可能となる。
本発明で用いる生育培地は無機質材料であるので、腐敗等の心配がないことから、一度栽培が終了した後でも培地の再利用が可能である。つまり繰り返して根菜類を生育させることが可能であるため、栽培の都度生育培地を新たに用意する必要がないため、固定費の削減につながる。
本発明で用いる生育培地は無機質材料であるので、腐敗等の心配がないことから、一度栽培が終了した後でも培地の再利用が可能である。つまり繰り返して根菜類を生育させることが可能であるため、栽培の都度生育培地を新たに用意する必要がないため、固定費の削減につながる。
本発明者らは、栽培培地として用いる無機質農業用資材の物理特性に着目し、無機質農業用資材が、粒子径が1.2mm未満のパーライトを使用した場合、すなわち、無機質農業用資材の孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満であると、根菜類野菜の生育量が顕著になることを見出した。
但し、孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である限り、本発明で使用する培地用の無機質素材を通常の土壌や培土と混合して使用することも可能である。本発明においては、無機質農業用資材の液相率は、好ましくは47(v/v%)以上でもある。
但し、孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である限り、本発明で使用する培地用の無機質素材を通常の土壌や培土と混合して使用することも可能である。本発明においては、無機質農業用資材の液相率は、好ましくは47(v/v%)以上でもある。
土壌は、固相(土壌粒子・腐植等)、液相(土壌水)、及び気相(空気)の三相からなる物質で、このうちの固相と液相の容積の和を実容積と呼ぶ。土壌の三相分布及び仮比重の測定は、100mLの円筒に採取した試料について、ボイルの法則を応用した土壌三相計により実容積を測定する。さらに、試料の全重量測定後に、熱乾燥して水分重量を測定することによって三相分布が求められる。
土壌三相計は、例えば、大起理化学工業(株)DIKI−1121であることができる。例えば、上記土壌三相形を使用して、土試料円筒を土壌三相系の試料室にセットし、ハンドルの回転操作により実容積をボリュームゲージから直読する。実容積(VmL)の測定が終了したら、円筒と共に重量を0.1gまで秤量する。測定値と円筒の重量の差が土壌の全重量(Wg)である。試料円筒を105℃で48時間以上乾燥させた後、0.1gまで秤量する。測定値と円筒の重量の差が乾土重で、全重量と乾土重の差が水分重量(Mg)である。測定結果は以下のように計算する。
気相率(空気率): Av(%)=100−V
液相率(水分率): Lv(%)=M
固相率: Sv(%)=V−M
孔隙率: P(%)=Av+Lv
仮比重(乾土の容積比重): do(g/mL)=(W−M)/100
気相率(空気率): Av(%)=100−V
液相率(水分率): Lv(%)=M
固相率: Sv(%)=V−M
孔隙率: P(%)=Av+Lv
仮比重(乾土の容積比重): do(g/mL)=(W−M)/100
本発明においては、土壌と同様にして、パーライトの孔隙率、固相率、液相率、及び気相率を測定した。
また、土壌の水分保持特性、すなわち保水性は、土壌粒子への水の吸引力と水分量との関係で、それはまた孔隙の大きさとその容量との関係でもあり、いわゆるpF−水分曲線として表される場合が多い。保水性は、土壌水の移動、土壌の物理性、工学性、及び植物への水の有効性などの観点から、重要な意義をもっているので、これらの性質が比較的明瞭に変化するいくつかの水分点(水分恒数)又は水分領域について検討されることが多い、pFは、土壌の水分保持力で、地下水面と土壌中の任意の箇所との間の毛管作用による水柱高さをh(cm)とすれば、pF=loghの関係がある。pF1.5又はpF1.8は圃場容水量であり、本発明においては、土壌と同様に、pF1.8でのパーライトの孔隙率、固相率、液相率、及び気相率を測定した。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。
<実施例1(培地の種類と培養液の濃度)>
ハウス内にて、36Lコンテナ(寸法(縦、横、高):533×343×200mm)に生育用培地(パーライト(三井金属鉱業社製、商品名:ネニサンソ1号)、ゼオライト(株式会社イズカ製、商品名:イズカライト)、軽石(グリーンテク社製、商品名:日向軽石))を、それぞれ、30L投入した。ここにニンジン(品種名:Dr.カロテン5、タキイ種苗)の種子を9粒播種した。各試験区とも3反復実施した。
ハウス内にて、36Lコンテナ(寸法(縦、横、高):533×343×200mm)に生育用培地(パーライト(三井金属鉱業社製、商品名:ネニサンソ1号)、ゼオライト(株式会社イズカ製、商品名:イズカライト)、軽石(グリーンテク社製、商品名:日向軽石))を、それぞれ、30L投入した。ここにニンジン(品種名:Dr.カロテン5、タキイ種苗)の種子を9粒播種した。各試験区とも3反復実施した。
さらに、培養液として、前記表1に規定する必須元素組成を有する園試処方液水溶液の濃度(培養液濃度)を、それぞれ、12.5%と25%となるよう調整し、これらを、1Lずつ、毎日、上記生育用培地に供給した。これも、各試験区とも3反復実施した。培養液の濃度は、多量要素については規定の濃度に適宜希釈して使用し、微量要素については規定の濃度に関わらず常に記載の濃度にて配合し、使用した。
180日間栽培し、栽培180日後のニンジンの根重量を計測した。結果を以下の表2に示す:
生育量に差はあるが、どの生育培地であっても十分な生育量を認めた。
180日間栽培し、栽培180日後のニンジンの根重量を計測した。結果を以下の表2に示す:
<実施例2(ニンジンの種類)>
ハウス内にて、39Lコンテナ(寸法(縦、横、高):422×320×300mm)に生育用培地としてパーライト(三井金属鉱業社製、商品名:ネニサンソ1号(粒径5mm以下))35Lを投入した。ここに、ニンジン(品種名:Dr.カロテン5、グランプリ、恋ごころ、いずれもタキイ種苗)の種子を9粒ずつ播種した。各試験区とも3反復実施した。
さらに、培養液の濃度を、前記園試処方液で、それぞれ、12.5%と25%となるよう調整し、これらを1Lずつ、毎日、前記生育用培地に供給した。これも各試験区とも3反復実施した。培養液の濃度は、実施例1の方法に従った。
180日間栽培し、栽培180日後のニンジンの根重量を計測した。結果を、以下の表3に示す:
いずれの品種においても、十分な生育量を認めた。
ハウス内にて、39Lコンテナ(寸法(縦、横、高):422×320×300mm)に生育用培地としてパーライト(三井金属鉱業社製、商品名:ネニサンソ1号(粒径5mm以下))35Lを投入した。ここに、ニンジン(品種名:Dr.カロテン5、グランプリ、恋ごころ、いずれもタキイ種苗)の種子を9粒ずつ播種した。各試験区とも3反復実施した。
さらに、培養液の濃度を、前記園試処方液で、それぞれ、12.5%と25%となるよう調整し、これらを1Lずつ、毎日、前記生育用培地に供給した。これも各試験区とも3反復実施した。培養液の濃度は、実施例1の方法に従った。
180日間栽培し、栽培180日後のニンジンの根重量を計測した。結果を、以下の表3に示す:
<実施例3(パーライトで、粒子径と培養液濃度の検討)>
ハウス内にて、39Lコンテナ(寸法(縦、横、高):422×320×300mm)に生育用培地としてパーライト(グリーンサムレギュラー1号(5mm以下)、グリーンサムレギュラー2号(2.5mm以下)、グリーンサムレギュラー3号(1.2mm以下)、宇部パーライト1型F(0.6mm以下)、いずれも宇部興産社製)を、それぞれ、35Lを投入した。これらに、ニンジン(品種名:Dr.カロテン5、タキイ種苗)の種子を9粒播種した。各試験区とも3反復実施した。
さらに、培養液の濃度を、前記園試処方液液で、それぞれ、25%、50%、100%、200%と300%となるよう調整し、それぞれ、1Lずつ、毎日、前記生育用培地に供給した。これも各試験区とも3反復実施した。培養液の濃度は、実施例1の方法に従った。
180日間栽培し、栽培180日後のニンジンの根重量を計測した。結果を以下の表4に示す:
ハウス内にて、39Lコンテナ(寸法(縦、横、高):422×320×300mm)に生育用培地としてパーライト(グリーンサムレギュラー1号(5mm以下)、グリーンサムレギュラー2号(2.5mm以下)、グリーンサムレギュラー3号(1.2mm以下)、宇部パーライト1型F(0.6mm以下)、いずれも宇部興産社製)を、それぞれ、35Lを投入した。これらに、ニンジン(品種名:Dr.カロテン5、タキイ種苗)の種子を9粒播種した。各試験区とも3反復実施した。
さらに、培養液の濃度を、前記園試処方液液で、それぞれ、25%、50%、100%、200%と300%となるよう調整し、それぞれ、1Lずつ、毎日、前記生育用培地に供給した。これも各試験区とも3反復実施した。培養液の濃度は、実施例1の方法に従った。
180日間栽培し、栽培180日後のニンジンの根重量を計測した。結果を以下の表4に示す:
粒子径が細かいほど生育量は増大する傾向が見られ、特に粒子径が1.2mm未満の場合に顕著であった。また、培養液濃度は、50%〜200%の範囲で良好な生育量を得たが、特に培養液濃度が100%の時に生育量の最大値を得て、適正範囲を認めた(図2参照)。
また、本実施例において、ニンジンの生育量と生育培地の物理性の関係を追求するため、本実施例で検討したパーライトの物理性(三相分布)を計測し、パーライトの粒径を物理性の数値に置き換えた結果を以下の表5に示す:
この結果より、孔隙率が87%以上(図3参照)又は固相率が13%未満(図4参照)の場合に生育量の増大が認められた。また、液相率は47%以上の場合に生育量の増大が認められた(図5参照)。
<実施例4(ニンジン以外、サツマイモ)>
ハウス内にて、39Lコンテナ(寸法(縦、横、高):422×320×300mm)に生育用培地としてパーライト(商品名:グリーンサムレギュラー2号(2.5mm以下)、宇部興産社製)を35Lを投入した。ここにサツマイモの一種である品種ベニアズマの苗を2株ずつ植えた。各試験区とも3反復実施した。
さらに、培養液の濃度を、前記園試処方液で、100%となるよう調整し、これを1Lずつ、毎日、前記生育用培地に供給した。培養液の濃度は、実施例1の方法に従った。180日間栽培し、栽培180日後のベニアズマの根重量を計測した。計測は、各苗に生育した塊根のうち大きいものから3つを選び、その平均値を算出した。結果を以下の表6に示す:
ベニアズマにおいても十分な生育量を認めた。
ハウス内にて、39Lコンテナ(寸法(縦、横、高):422×320×300mm)に生育用培地としてパーライト(商品名:グリーンサムレギュラー2号(2.5mm以下)、宇部興産社製)を35Lを投入した。ここにサツマイモの一種である品種ベニアズマの苗を2株ずつ植えた。各試験区とも3反復実施した。
さらに、培養液の濃度を、前記園試処方液で、100%となるよう調整し、これを1Lずつ、毎日、前記生育用培地に供給した。培養液の濃度は、実施例1の方法に従った。180日間栽培し、栽培180日後のベニアズマの根重量を計測した。計測は、各苗に生育した塊根のうち大きいものから3つを選び、その平均値を算出した。結果を以下の表6に示す:
本発明により、例えば、孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液として、表1に規定する必須元素組成を有する園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液を使用することにより、ニンジンの根重を最大化することができた。したがって、本発明は、生育量を最大化し、かつ、土耕栽培の欠点を回避できる根菜類の栽培方法として有用である。
Claims (8)
- 無機質農業用資材を生育培地として使用し、かつ、培養液を供給することを特徴とする根菜類野菜の養液栽培方法。
- 前記無機質農業用資材が、ゼオライト、軽石、及びパーライトからなる群から選ばれる、請求項1に記載の方法。
- 前記無機質農業用資材が、粒子径が1.2mm未満のパーライトである、請求項2に記載の方法。
- 前記無機質農業用資材の孔隙率が87(v/v%)以上、固相率が13(v/v%)未満である、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
- 前記無機質農業用資材の液相率が47(v/v%)以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 前記培養液が、表1に規定する必須元素組成を有する園試処方液水溶液の50〜200%濃度水溶液である、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 前記根菜類野菜がニンジン又はサツマイモである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 前記根菜類野菜がニンジンである、請求項7に記載の方法。
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JP2010209944A JP2012060973A (ja) | 2010-09-17 | 2010-09-17 | 根菜類野菜の新規養液栽培方法 |
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CN102986430A (zh) * | 2012-11-18 | 2013-03-27 | 云南农业大学 | 一种反季马铃薯机械化种植配套栽培技术 |
JP2023055003A (ja) * | 2021-10-05 | 2023-04-17 | 株式会社しろはとファーム | サツマイモの育苗方法 |
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- 2010-09-17 JP JP2010209944A patent/JP2012060973A/ja active Pending
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