JP2012058218A - 導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置及び屈折率測定方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】屈性率が制御された複数の屈折液を用意し(S1)、それらの屈折率を精度よく測定する(S2)。各屈折液を導波モード共鳴格子に接触させ、出射光の強度を測定して角度スペクトルを算出し、共鳴放射角及び回折角や全反射角の差分値を求める(S3、S4)。屈折率と差分値との複数の関係が分かるので、これを用いたフィッティングを行い、これを校正曲線として記憶する(S5、S6、S7)。未知試料を導波モード共鳴格子に接触させ、同様にして共鳴放射角等を測定して差分値を求め(S8、S9)、校正曲線を参照して共鳴入射角から屈折率を求める(S10)。
【選択図】図6
Description
一方、導波モード共鳴格子に基準液と試料の両方を載せて同時に測定する場合は正確度は高くなるが、測定毎に基準液を消費することになる。また、基準液と試料の両方を導波モード共鳴格子に載せることで該導波モード共鳴格子の実効的な素子面積が小さくなり、放射効率を損なうおそれがある。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射について出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから異なる2つの導波モードの共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として、前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された異なる2つの共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、異なる2つの導波モードの共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された異なる2つの共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射について出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから異なる2つの導波モードの共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と異なる2つの共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された異なる2つの共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴としている。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴としている。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として、前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする。
a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする。
また、本発明の第10態様は、第1〜第8態様に係る屈折率測定装置を用いた屈折率測定方法であって、同一の導波モード共鳴格子の異なる部位を用いて、基準液の測定と未知試料の測定とを同時並行的に行うことを特徴とする。
一方、第10態様の場合、基準液の測定と未知試料の測定とをほぼ同じ時刻に同じ環境(主として温度)の下で行うことができる。したがって、例えば基準液の屈折率の温度依存性が大きくても、この影響を殆ど受けずに精度よく未知試料の屈折率を算出することができる。
このように、導波路端面から光を入射させれば、入射角度の機械的走査が不要であり、また、光源10と検出器13とを同期して移動させる必要がない。
集光素子151を用いることで、測定光11を、集光素子の入口の幅/出口の幅の分だけ光の強度を増強することができる。例えば、集光素子11の入口部の幅を10mm、出口部の幅を10μmとすると、光の強度〈密度)は1000倍になる。従って、SN比を飛躍的に向上することができる。
nsmpl<nwg=1.662 (1)
となる。
ここで、θ0(smpl)、θm(smpl)は、それぞれ試料側の入射角(即ち、試料側から導波層への入射角)とm次の回折角、θ0(sb)、θm(sb)は、それぞれ基板側の入射角(即ち基板側から導波層への入射角)とm次の回折角、λは光の波長である。
となる。
ここで、θm(smpl→air)、θm(sb→air)は、それぞれ試料から空気側へのm次の回折角、基板から空気側へのm次の回折角である。
が成立する。式(10)は、Max{θ-1 (sb→air)}以下の領域には連続的に-1次光が分布し、その上限であるMax{θ-1 (sb→air)}は試料屈折率に依存しないことを意味する。
Max{θ-1 (sb→air)}=14.08° (11)
となる。
この角度は出射光の明暗の境界であり、導波モード共鳴格子1の素子構造によって決まる固有の値である。従って、上記角度で出射する回折光を基準線とすることができる。
一方、-1次光回折角は、上述したように、試料屈折率に依存しない、素子固有の値であり、共鳴放射角と-1次光の回折角との差分値、つまり相対的は、導波モード共鳴格子1の素子配置がずれても変動しない。
そして、定量化された素子固有の分散特性をもって、試料の共鳴放射角と回折角との差分値を読み取ることで、真の屈折率を求めることができる。
図11に示す導波モード共鳴格子1に、端面から光を入射させる場合を考える。この導波モード共鳴格子1の構造を決めるパラメータは図11に示すとおりである。即ち、格子4aの周期Λは416.7nm、デューティー比は0.5、溝深さ(格子層4の厚さ)は20nm、導波層3の膜厚は230nmである。導波層3及び格子層4の屈折率nwgは共に2.164であり、基板2の屈折率nsbは1.50である。試料は格子層4と導波層3に接触させる。
図11に示す例では、基板2の屈折率nsbが1.50であるため全反射角θtr=56.44°となる。図12は、入射光が波長=441.6nmのTM偏光であるときの、共鳴放射角θgmrf及び全反射角θtrの試料屈折率依存性を示す図である。図12は、格子層4の有効屈折率を2次の有効屈折率近似で求め、さらにスラブ導波路の分散方程式を解くことで求めたものである。角度がθtrよりも小さいところは明領域となるが、これから離れたところでは暗領域となるため、共鳴放射による明線が観察される。従って、共鳴放射角と全反射角の差分値を特定できる。従って、全反射角を基準点とし、該全反射角と共鳴放射角との差分値を読み取ることで、導波モード共鳴格子の素子配置のずれの影響を受けることなく、真の屈折率を精度良く求めることができる。
なお、実施例2では、光の入射条件は端面入射に限られる。
なお、実施例3の光の入射条件は端面入射、格子結合のいずれでも良い。
図15に示すように、異なる次数のTE偏光の共鳴放射角はそれぞれ異なる分散特性を有するため、それらの差分値も試料屈折率に依存する。
図16に示すように、異なる次数及びモードの共鳴放射角はそれぞれ異なる分散特性を有するため、それらの差分値も試料屈折率に依存する。
図17(a)では、光源10から放出された測定光11はビームスプリッタ101にて分岐され、一方の分岐光は図示左側の導波路端面に入射される。他方の分岐光は、ミラー102〜104によって反射されることで、図示右側の導波路端面に導かれ、該導波路端面から入射される。図17(b)では、導波モード共鳴格子1の左右両側に2個の光源10a及び10bが配置され、これら光源10a及び10bから放出された測定光11a及び11bが図示両側の導波路端面から入射される。図17(c)では、導波モード共鳴格子1の左側に光源10が配置され、該導波モード共鳴格子1の右側の導波路端面に金属ミラーや多層膜ミラー等のミラー105が形成されている。前記光源10から放出され左側の導波路端面から入射した測定光の一部は導波層を右方に向かって進行する。そして、右側の端面に設けられたミラー105によって反射され、導波層内を左方に向かって進行する。
図18(a)では、光源10から放出された測定光11はビームスプリッタ101にて分岐され、一方の分岐光は導波モード共鳴格子1の基板面のうち図示左端部から基板内に入射される。他方の分岐光は、ミラー102によって反射され、導波モード共鳴格子1の基板面のうち図示右端部から基板内に入射される。図18(b)では、導波モード共鳴格子1の基板面の左端部及び被測定物面の右端部付近にそれぞれ光源10a及び10bが配置され、これら光源10a及び10bから放出された測定光11a及び11bは基板面及び被測定物面から導波モード共鳴格子内に入射する。
一方、図18の(a)及び(b)のいずれにおいても、基板面・被測定物面から入射した光は、格子を通じて結合することで前進モード及び後進モードが励起され、さらに、これら2つの導波モードが回折格子と再結合することによって共鳴放射が生じる。また、同時に、通常の回折、全反射が生じる。
即ち、導波モード共鳴格子の素子構造や素子配置、角度測定系の配置等に全く誤差がない場合は、一方の導波モード、即ち左方からの共鳴放射角θ+と他方の導波モード、即ち右方からの共鳴放射角θ-との間に、
θ+=−θ-
の関係が成立する。しかし、導波モード共鳴格子の素子構造や素子配置、角度測定系の配置等に誤差がある場合はこの関係が成立しない。従って、左方及び右方からの共鳴放射角の加重平均
Δθ=(θ++θ-)/2
を加算することで、基板2に対する法線の傾きを0°に校正する(つまり、法線をLからL’に変更する)ことができる(図19参照)。なお、このような校正は、回折角、全反射角についても同様に可能である。
なお、回折角も双方向励起の場合は正及び負の値になる。そのため、全反射角と同様、共鳴放射角が正及び負のいずれであるかに応じて適宜の基準点を選択することができる。
一方向励起の場合、共鳴放射角と、その共鳴放射角に対する基準点となる別の共鳴放射角の両方が正の分散であると、或いは両方が負の分散であると、相殺によりその差分値の分散の度合いが弱められてしまう。
これに対して、図21に示すように、双方向励起の場合は前進モード及び後進モードの共鳴放射がそれぞれ逆の分散を持つ。従って、両者の差分値の分散は2倍に増強されることになり、屈折率分解能を向上することができる。
図22及び図23は、双方向励起の回折角を基準点として試料屈折率を測定する例であり、図9及び図10に示す一方向励起の実施例1に対応するものである。従って、この例でも、光の入射条件は端面入射に限られる。この導波モード共鳴格子1は、格子4aの周期Λが416.7nm、デューティー比が0.5、溝深さ(格子層4の厚さ)が20nm、導波層3の膜厚が230nmとする。導波層3及び格子層4の屈折率nwgは共に2.164であり、基板2の屈折率nsbは1.50である。試料は格子層4と導波層3に接触させる。試料の屈折率をnsmplとすると、導波モードが形成されるための条件は
nsmpl<nwg=2.164
となる。
が成立する。式(10)は、Max{θ-1 (sb→air)}以下の領域には連続的に-1次光が分布し、その上限であるMax{θ-1 (sb→air)}は試料屈折率に依存しないことを意味する。
Max{θ-1 (sb→air)}=26.12° (11’)
となる。この角度は出射光の明暗の境界となるため、これを基準線とすることができる。
ただし、式(11’)は正方向に伝搬する光に対する回折角であり、負方向に伝搬する光に対する回折角は、
Min{θ-1 (sb→air)}=-26.12° (11”)
が成立する。負方向の場合は角度が-26.12°以下の領域には回折光が存在せず、暗領域となる。負方向の場合も、上記角度(-26.12°)を基準線とすることができる。
図24に示す例では、基板2の屈折率nsbが1.50であるため全反射角θtr=56.44°となる。これは正方向の伝播モードの全反射角であり、負方向の伝播モードの全反射角は-56.44°となる。
即ち、双方向励起すると、同一モードで正方向及び負方向の共鳴放射が生じる。これら共鳴放射角の分散は一方が正であれば他方は負となるため、これらの差分値の分散は、式(13)に示すように、一方向励起の場合の2倍になり、屈折率分解能が向上する。
ただし、励起光の波長によっては、試料屈折率が小さくなると参照光による回折角と共鳴放射角との差が大きくなり、Min{θ-1 (sb→air)}と導波モード共鳴の放射を同時にCCD画像として記録することができない場合がある。この場合は、励起波長を変更すると良い。例えば、TM偏光の波長を435nmにしたときの負方向に伝搬する光の回折角(-27.13°)を図28中、一点鎖線L1で示す。このように、試料屈折率が1.48以下の領域では回折角がシフトした分だけ共鳴放射角との差分を小さくすることができる。
2…基板
3…導波層
4、6…格子層
6a…第1格子
6b…第2格子
4a…格子
5…媒体層
Sr…基準液
S、Ss…試料
100…隔壁
10…光源
11…測定光
12…反射光
13…検出器
14…駆動部
15…制御部
17…移動部
20…データ処理部
21…出射光スペクトル算出部
22…差分値算出部
23…校正曲線作成部
24…校正曲線記憶部
25…屈折率算出部
26…出力部
101…ビームスプリッタ
102,105…ミラー
150…シリンドリカルレンズ
151…集光素子
152…ミラー
Claims (18)
- a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射について出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから異なる2つの導波モードの共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として、前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された異なる2つの共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから異なる2つの導波モードの共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と異なる2つの共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された異なる2つの共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射について出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として、前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の導波路端面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する出射光スペクトルを測定し、該出射光スペクトルから共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、
前記導波モード共鳴格子が、対向する一対の導波路端面を有し、
前記光照射手段が、一方の導波路端面から光を入射させる第1光源と他方の導波路端面から光を入射させる第2光源とを備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、
前記導波モード共鳴格子が、対向する一対の導波路端面を有し、
前記光照射手段が、1個の光源と、該光源からの光を一対の導波路端面の一方に導く第1光路及び他方に導く第2光路に分岐するビームスプリッタとを備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - 請求項1〜4のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、
前記導波モード共鳴格子が、対向する一対の導波路端面を有し、
前記光照射手段が、一方の導波路端面から光を入射させる光源と、他方の導波路端面に設けられ、一方の導波路端面から入射して他方の導波路端面に到達した光を反射させる反射部材とから構成されていることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - 請求項1〜7のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、
前記光照射手段からの光を集光して導波路端面から導く集光素子を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、異なる2つの導波モードの共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された異なる2つの共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、異なる2つの導波モードの共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と異なる2つの共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された異なる2つの共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)異なる既知の屈折率を有する複数の基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段によりそれぞれ測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との離散的な関係に基づいて、校正曲線を作成する校正曲線作成手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - a)格子層と導波層との複層構造体又は両者の機能を併せ持つ単層構造体が基板上に形成された導波モード共鳴格子と、
b)該導波モード共鳴格子の複層構造体又は単層構造体を挟んで基板と反対側の面に被測定物が接触した状態で、該導波モード共鳴格子の基板面又は被測定物面に光を照射する光照射手段と、
c)該光照射手段による光照射に対する反射光を受け、照射光の入射角度を変化させたときの角度スペクトル又は照射光の波長を変化させたときの波長スペクトルを測定し、共鳴放射角及び非共鳴放射角を求めるスペクトル測定手段と、
d)前記導波モード共鳴格子の設計上の理論値に基づいて計算される屈折率と共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値との関係を示す分散曲線を、既知の屈折率を有する基準液を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角の差分値と屈折率との関係に基づいて修正することで校正曲線を取得する校正曲線取得手段と、
e)未知試料を被測定物として前記スペクトル測定手段により測定された共鳴放射角及び非共鳴放射角から、前記校正曲線を参照して、未知試料の屈折率を求める演算処理手段と、
を備えることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - 請求項1〜12のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、
前記スペクトル測定手段が、前記光照射手段に対する出射光又は反射光を受光するCCDを備えて構成され、異なる導波モードの共鳴放射角の差分値又は共鳴放射角と非共鳴放射角の差分値をCCD画像データとして取り込むことを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。 - 請求項3、4、11、12のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、前記非共鳴放射角が高次光回折角であることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。
- 請求項3、4、11、12のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、前記非共鳴放射角が全反射角であることを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。
- 請求項1〜15のいずれかに記載の屈折率測定装置であって、基準液及び未知試料の測定時に同時にそれぞれの温度を測定する温度検出手段をさらに備え、その温度の相違及び基準液の温度特性とに基づいて、未知試料の屈折率を補正することを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定装置。
- 請求項1〜16のいずれかに記載の屈折率測定装置を用いた屈折率測定方法であって、
同一の導波モード共鳴格子を用いて基準液の測定と未知試料の測定とを時分割で行うことを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定方法。 - 請求項1〜16のいずれかに記載の屈折率測定装置を用いた屈折率測定方法であって、同一の導波モード共鳴格子の異なる部位を用いて、基準液の測定と未知試料の測定とを同時並行的に行うことを特徴とする、導波モード共鳴格子を用いた屈折率測定方法。
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