JP2012057020A - バイオディーゼル燃料油の分散製造システム - Google Patents

バイオディーゼル燃料油の分散製造システム Download PDF

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Abstract

【課題】 パーム果房などの原料を生産地などで熱分解して粗油を製造し、粗油を集めてバイオディーゼル燃料油を効率よく製造する分散製造システムを提供する。
【解決手段】 原料の生産地又は生産地近くの集荷場所に設けられ、原料を熱分解し熱分解ガスが抽出される熱分解槽(11)、該熱分解槽の熱分解ガスから熱分解油を凝縮して粗油を製造する凝縮器(13)、及び製造された粗油を貯留する粗油タンク(1)を備えた粗油製造設備(30)と、生産地及び集荷場所と異なる精製場所に設けられ、移送された粗油を貯留する粗油タンク(15)、粗油から中質油を蒸留する蒸留塔(16)、及び中質油を精製する精製器(17)を備えた燃料油精製設備(31)と、粗油製造設備から燃料油精製設備に粗油を移送する粗油移送手段(32)と、を備える。
【選択図】 図1

Description

本発明はバイオディーゼル燃料油の分散製造システムに関し、特にパーム果房などの原料を生産地などで熱分解して粗油を製造し、粗油を集めてバイオディーゼル燃料油を効率よく製造するようにした分散製造システムに関する。
最近、化石燃料に代替されるバイオマスエネルギーが盛んに研究されているが、バイオマスエネルギーの中でバイオディーゼル燃料油(以下、単に「BDF」ともいう)が、軽油代替燃料として注目されている。
BDFを製造する場合、動植物の油脂に、メタノールやアルカリ性化合物などを加えて60°C〜260°Cの範囲内の温度でエステル交換反応を行わせることによりBDFを製造する方法(特許文献1、特許文献2)、パーム油、大豆油、廃食物油などのオイルをエステル交換してBDFを得る方法が提案されている。
また、植物油脂に炭酸ナトリウムや水酸化カリウムなどを添加して熱分解によって液状油を得る方法(非特許文献1)、ヒマワリ油に炭酸ナトリウムを加えて400°C又は420°Cで熱分解して熱分解油を製造する方法(非特許文献2)、パーム油を熱分解してディーゼル燃料に近い性状の燃料油を製造する方法(非特許文献3)、油脂原料を取り除いたオイルパーム空房や油脂が搾取された果実の外皮に対し、アルカリ触媒を用いて熱分解油を得る方法(非特許文献4、非特許文献5)、が提案されている。
さらに、アルカリ性化合物の存在下、パーム果房、パーム果実、パーム粉末、パーム油、ココヤシの果実、ココナッツ油、ジャトロファの果実、これらの腐敗物(以下、これらを単に「原料」ともいう)の熱分解を行わせ、得られた熱分解中質油から低粘性で低流動点、かつ高セタン価の燃料油を得るようにしたBDFの製造方法が提案されている(特許文献3)。
特許文献3記載のBDFの製造方法(以下、単に「アルカリ熱分解法」ともいう)では得られた燃料油の粘性はエステル交換法に比して低く、流動性がよく目詰まりを起こし難いBDFを製造することができる。
特開2005−29715号公報 特開2008−81730号公報 特開2010−1400号公報
Fuel Processing Technology, 1998年, No.57, p81-92 J.Anal. Appl. Pyrolysis, 2004,No.71, p.987-996 Energy Sources, Part A, 2008年6 月1 日, Vol.30, No.9, p.1060-1064 社団法人資源・素材学会春季大会講演集(II) 素材編,2006年, p.1-12 Energy Sources, 2000年, Vol.22, No.7, p.631-639
しかし、従来のアルカリ熱分解法ではパーム果房などの原料は65重量%以上が水分であるにもかかわらず、原料を生産地から熱分解・精製設備のある場所まで輸送して処理しなければならず、輸送に無駄が多くなるばかりでなく、原料から生ずる大量の廃水を処理しなければならず、コスト高になるという問題があった。
本発明はかかる点に鑑み、輸送を効率よく行うことができ、しかもBDFの製造現場において廃水の問題が起こることがないようにした製造システムを提供することを課題とする。
そこで、本発明に係るバイオディーゼル燃料油の分散製造システムは、パーム果房、パーム果実、パーム粉末、パーム油、ココヤシの果実、ココナッツ油、ジャトロファの果実、植物性廃食用油、動物性廃食用油及びこれらの腐敗物の群から選ばれる1又は複数の原料を熱分解してバイオディーゼル燃料油を製造する分散製造システムであって、上記原料の生産地又は生産地近くの集荷場所に設けられ、上記原料を熱分解し熱分解ガスが抽出される熱分解槽、該熱分解槽の熱分解ガスから熱分解油を凝縮して粗油を製造する凝縮器、及び製造された粗油を貯留する粗油タンクを備えた粗油製造設備と、上記生産地及び集荷場所と異なる精製場所に設けられ、上記移送された粗油を貯留する粗油タンク、上記粗油から中質油を蒸留する蒸留塔、及び上記中質油を精製する精製器を備えた燃料油精製設備と、上記粗油製造設備から燃料油精製設備に粗油を移送する粗油移送手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の特徴の1つは原料の生産地又は集荷場所には熱分解油(粗油)の製造設備を設けて、水分を除去した粗油を製造し、粗油を原料の生産地又は集荷場所と異なる精製場所に移送して大量の粗油を精製してBDFを製造するようにした点にある。
これにより、パーム果房などの原料の生産地又は集荷場所で原料の含有水分を処理すればよく、廃水が大量に出ることはないので、比較的容易に廃水を処理できる。
また、生産地や集荷場所においては原料の熱分解によって熱分解油を製造すればよいので、生産地や集荷場所における粗油製造設備の運転には高い技術力を必要とせず、安定した運転を確実に行うことができる。
生産地や集荷場所から精製場所までは水分を除去した熱分解油を移送すればよいので、無駄な移送を行う必要がなく、移送コストを大幅に低減できる。しかも、精製場所で大量の廃水が出ず、廃水処理の問題が起こることはない。
また、精製場所にて専門的技術力を必要とする熱分解油の精製を行うようにしたので、熱分解油の精製を安定かつ確実に行うことができる。その結果、燃料油の粘性及び流動点が低く、しかもセタン価が高く、寒冷地における使用が可能となったBDFを効率よく製造することができる。
本発明では燃料油の原料にはパーム果房、パーム果実、パーム粉末、パーム油、ココヤシの果実、ココナッツ抽、ジャトロファの果実、植物性廃食用油、動物性廃食用油及びこれらの腐敗物を用いるが、特にパーム果房及びその腐敗物を主原料として燃料油を製造するのに適している。パーム果房などの腐敗物は生産地において廃棄されていたが、本発明によれば腐敗物を原料として利用することができ、その有用性は大きい。
植物性廃食用油には例えば大豆油、菜種油、ひまわり油、綿実油、胡麻油、落花生油、椿油等の植物性油脂の使用済み廃油を挙げることができ、又動物性廃食用油には牛脂、豚脂、馬脂、魚油、鯨油等の動物性油脂の使用済み廃油を挙げることができる。
また、従来は廃棄されていた廃食用油をBDFの原料として用いることができるので、省資源の観点からも環境上の観点からも大きなメリットがあり、極めて有用である。
熱分解中質油はそのままでは酸価(mgKOH/g)値が高い。そこで、本発明では熱分解中質油からバイオディーゼル燃料油を溶媒抽出する。溶媒によって不純物を除去すると適切な酸価にすることができ、又臭気も低減することができる。溶媒抽出は2回以上行ってもよい。複数回行うことにより、酸価をより改善できる。
上述の溶媒としては例えばメタノールやエタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジメチルエーテルなどのエーテル類を挙げることができるが、抽出効果が高く、入手し易い点からもアルコール類が好ましい。
抽出方法は例えば熱分解中質油と溶媒とを十分に混合した後静置し、不純物を含む溶媒層を分離することにより燃料油を抽出することができる。不純物を含む溶媒は溶媒のみを蒸発させて不純物を分離し、再利用するのがよい。
また、溶媒抽出に代え、水素ガス添加反応によって熱分解中質油を精製するようにしてもよい。すなわち、熱分解中質油を260°C〜427°Cの範囲内の温度に予熱した後、水素ガスとともに反応塔に送り、反応塔で3.5kg/cm2 ・g〜56kg/cm2 ・gの圧力で、再生可能な金属酸化物の触媒の存在下で反応させると、色相及び酸化安定性が向上し、不純物が減少し、臭いを改善することができる。得られた燃料油から水素を分離し、水素ガスは再使用する。ジャトロファを原料とするBDFの場合、水素ガス添加反応による精製の方が溶媒抽出による精製よりもBDF中の硫黄分が少なくなるので、好ましい。
熱分解槽からの水蒸気は600°C以上(好ましくは800°C以下)の温度の燃焼炉(脱臭炉)に2〜3秒の間滞留させて加熱脱臭し、過熱蒸気を多く含む高温燃焼ガスはボイラーの熱源や発電機の駆動源に利用することができ、これにより廃熱を有効に活用することができるばかりでなく、電力設備の乏しい地域に電気を供給することができ、有用である。
また、熱分解残渣はカーボンを多量に含むので、自家燃料や活性炭原料、高付加価値炭素材料として利用することができ、又熱分解残渣を自家燃料として利用する場合、その排ガスはボイラーの熱源に利用することができる。
また、熱分解残渣には活性白土や生石灰が含まれているので、残った灰には有用なアルカリ成分が含有されており、肥料に最適である。
さらに、蒸留後の軽質油や重質油は自家燃料として利用することができる。
本発明に係るバイオディーゼル燃料油の分散製造システムの好ましい実施形態を示す概念図である。 上記実施形態における水素化精製器の1例を示す構成図である。 他の実施形態における丸型横型熱分解槽を示す側面図である。 上記丸型横型熱分解槽を示す正面図である。
以下、本発明を図面に示す具体例に基づいて詳細に説明する。図1及び図2は本発明に係るバイオディーゼル燃料油の分散製造システムの好ましい実施形態を示す。本例の分散製造システムはパーム果房などの原料の生産地又は生産地近くの集荷場所に設けられる複数の粗油製造設備30、生産地及び集荷場所と異なる精製場所に設けられる大規模燃料油精製設備31、及び粗油製造設備30から燃料油精製設備31に熱分解油(粗油)を移送するタンク車両(粗油移送手段)32とから構成される。
粗油製造設備30において、10はパーム果房、パーム果実、パーム粉末、パーム油、ココヤシの果実、ココナッツ油、ジャトロファの果実、植物性廃食用油、動物性廃食用油、及びこれらの腐敗物の群から選ばれる1又は複数の原料を粗破砕する破砕機である。
また、11はパーム果房などの原料を熱分解する流動床構造の熱分解槽で、炉床には流動砂11Aが満たされるとともに、炉床に高温水蒸気が供給されることによって流動砂11Aが加熱されるとともに流動され、槽底からは熱分解残渣が排出スクリューなどによって流動砂11Aの一部とともに排出され、排出された流動砂11Aは焼却されて再生され、生石灰と活性白土とが添加され混合されて槽内に戻されるようになっている。
また、12は熱分解槽11から熱分解ガスを抽出するサイクロン、13は凝縮器を備えた熱分解油受槽、14は熱分解油を貯留する粗油タンクである。
燃料油精製設備31において、15は各地の粗油製造設備30から移送された熱分解油を貯留する粗油タンク、16は熱分解油を蒸留して中質油を軽質油及び重質油から分離する蒸留塔、17は中質油からBDFを精製する精製器、19は重質油を加熱する加熱器である。
パーム果房などの原料の生産地や集荷場所に設けられた粗油製造設備30では、熱風炉(図示せず)などで700°C〜1000°Cの範囲内の高温水蒸気を生成し、熱分解槽11の槽底から槽内に供給すると、生石灰及び活性白土が混合された炉床の流動砂11Aが流動されるとともに加熱される。このとき、熱分解槽11の槽内は常圧に保持する。生石灰の投入量は原料に対して5〜15重量%とする。活性白土の添加量は未分解油に対して3〜10重量%とする。
他方、パーム果房及びその腐敗物を主原料として準備する。必要に応じて、パーム果実、パーム粉末、パーム油、ココヤシの果実、ココナッツ油、ジャトロファの果実、植物性廃食用油、動物性廃食用油及びこれらの腐敗物の1又は複数を副原料として準備することができる。これらの原料を破砕機10で粗破砕する。
粗破砕した原料は熱分解槽11内に連続的(又は一定時間ごと)に所定量ずつ投入する。投入された原料は流動砂11Aとともに流動されながら加熱され、400°C〜550°Cの範囲内の温度に達すると、原料は熱分解される。熱分解ガスはサイクロン12によって熱分解槽11から抽出され、熱分解油受槽13の凝縮器で熱分解油が凝縮されて熱分解油受槽13で受けられ、粗油タンク14に貯留される。また、熱分解油が凝縮された後の熱分解ガスは凝縮器(図示せず)でさらに凝縮して凝縮水と軽質油を分離し、軽質油は自家燃料として利用することができる。
各地の粗油タンク14に熱分解油が所定量貯留されると、タンク車両32が各地の粗油製造設備30を巡回して貯留された熱分解油を回収し、燃料油精製設備31に移送して燃料油精製設備31の粗油タンク15に貯留する。
粗油タンク15に所定量の熱分解油が貯留されると、熱分解油をポンプによって蒸留塔16に送って蒸留し、沸点150°C以上の中質油を沸点150°C以下の軽質油及びWAX分を含む重質油から分離し、精製器17に送り、水素ガス添加反応によって不純物を除去する。
熱分解中質油から不純物が除去されると、ワックス留分の少ない低粘性、低流動点で、しかも高セタン価の良質の燃料油BDFが得られる。蒸留塔16の塔底のWAX分を含む重質油は加熱器19で加熱して蒸留塔16に戻され、再度蒸留される。
槽底の流動砂11Aには熱分解残渣が付着する。この熱分解残渣は排出スクリューなどによって流動砂11Aの一部とともに連続的(又は一定時間ごと)に槽外に排出され、排出された流動砂11Aは焼却炉で焼却されて再生され、生石灰及び活性白土が所定量だけ混合されて熱分解槽11の炉床に戻される。
また、熱分解残渣は自家燃料、活性炭原料、肥料、製鋼保温材として利用することができる。
図2は上記実施形態において、水素ガス添加反応によって中質油を精製する水素化精製器17の構成の1例を示す。蒸留塔16を出た中質油には水素ガスが添加され、加熱器20で260°C〜427°Cの範囲内の温度、例えば420°Cに加熱された後、反応塔21に送られる。
反応塔21では中質油と水素ガスとが3.5kg/cm2 ・g〜56kg/cm2 ・gの圧力、再生可能な金属酸化物の触媒の存在下で反応し、色相及び酸化安定性が向上し、不純物が減少し、臭いを改善した中質油が得られる。この中質油を冷却器22で冷却した後、分離槽23に送って水素ガスを分離する。
水素ガス分離後の中質油を加熱して接触槽24で蒸気と接触させ、蒸気は冷却して分離器25でガスと水とに分離される。蒸気と接触された中質油は冷却器26で冷却され、ワックス留分の少ない低粘性、低流動点で、高セタン価の良質のBDFが得られる。
なお、上記の例では精製器として水素ガス添加反応によって熱分解中質油を精製する水素化精製器17を用いたが、溶媒抽出によって熱分解中質を精製する精製器を用いることもできる。
溶媒としては例えばメタノールやエタノールなどのアルコール類、アセトンなどのケトン類、ジメチルエーテルなどのエーテル類を挙げることができるが、抽出効果が高く、入手し易い点からもアルコール類が好ましい。
抽出方法は例えば熱分解中質油と溶媒とを十分に混合した後静置し、不純物を含む溶媒層を分離することにより燃料油を抽出することができる。不純物を含む溶媒は溶媒のみを蒸発させて不純物を分離し、再利用するのがよい。
図3及び図4は第2の実施形態を示す。本例では流動床構造の熱分解槽に代え、丸型横型熱分解槽を用いる例を示す。丸型横型熱分解槽100は図3及び図4に示されるように、横長円筒状の槽本体110を有し、槽本体110の長手方向の一端には扉110Bによって密閉可能な原料の主投入口110Aが形成され、槽本体110内には受皿120が主投入口110Aから装入され、受皿120には熱分解原料と、生石灰と活性白土とが搭載されるようになっている。
また、槽本体110の上部には熱分解油のガスを抽出する抽出口110Cと副投入口110Dとwax投入口110Eが形成され、抽出口110Cには生石灰150が配置され、熱分解油ガスが生石灰150を通して抽出されるようになっている。酸性物質は原料への直接添加と抽出口110Cの2段階でキャッチされる。
また、副投入口110Dからは原料を受皿120上に追加投入でき、又wax投入口110Eからwaxを受皿120上に戻すことができるようになっている。
触媒には生石灰と活性白土が使用されている。石灰の添加量は塩素に対して理論量の1.2〜2倍程度、PET樹脂1molに対して1〜10molとする。活性白土の添加量は原料に対して2〜10wt%とする。
また、槽本体110の外側は加熱炉130によって覆われ、加熱炉130には燃焼炉(図示せず)が接続され、燃焼炉は熱分解油ガスなどを燃料とし、約1000°Cの燃焼ガスを加熱炉130に供給し、約800°Cまで低下した燃焼ガスが排出され、受皿120上の原料を500°C程度まで加熱できるようになっている。
さらに、槽本体110内には加熱管140が槽本体110内に延びて設けられ、約800°Cの高温ガスが流通されて受皿120上の原料を500°C程度まで加熱できるようになっている。この加熱管140は処理する原料によって高温燃焼ガスによる間接加熱や高温蒸気等の直接吹込みに代えることができる。
原料を熱分解する場合、原料を生石灰と活性白土とともに受皿120上に搭載する。原料は通常無破砕のままとする。この受皿120を主投入口110Aから槽本体110内に装入し、扉110Bによって主投入口110Aを閉鎖する。
次に、槽本体110の外側から加熱炉130によって受皿120上の原料を加熱するとともに、槽本体110の内側から加熱管140によって受皿120上の原料を加熱する。原料が400°C程度まで昇温すると、原料が溶融し、400°C〜450°Cの温度で熱分解が起こる。
熱分解が起こると、熱分解ガスが生成され、熱分解ガスは抽出口110Cから生石灰150を通して槽外に抽出される。
このとき、受皿120上の原料には生石灰と活性白土が添加されているので、熱分解反応の温度が下がり、コーキングの生成が少なく、又蒸気生成のための燃料費が少なく、更には熱分解生成油が軽質化し、臭いが改善し、WAX量も少なくなる。
受皿120上の原料が溶融して容積が少なくなると、副投入口110Dから原料を追加投入することができる。追加投入する原料も無破砕とするが、副投入口110Dから投入できるように圧縮しておくのがよい。
熱分解が済むと、受皿120上の温度を450°C〜500°Cに昇温させ、受皿120上の熱分解残渣の焼き絞めを行う。その後、槽本体110内に低圧蒸気を導入して槽本体110内を冷却し、最後に受皿120を槽本体110から引き出し、残渣を廃棄するとともに、受皿120を洗浄し、槽本体110内に空気をパージし、低圧蒸気によって槽本体110内壁を洗浄する。
1バッチ12時間運転とすると、運転スケジュールは例えば、槽本体110内の昇温(20〜400°C):2.5時間、熱分解:5時間、残渣焼き絞め:1時間、冷却:2時間、残渣処理、原料投入及び系内空気パージ:1.5時間とすることができる。つまり、1系列で2バッチ/日運転が可能となる。2系列設けると、4バッチ/日の運転が可能である。
一方の丸型横型熱分解槽100の運転が済むと、他方の丸型横型熱分解槽100をバッチ運転する。作業は上記と同様である。
上述のように、丸型横型熱分解槽100から熱分解ガスが抽出されると、熱分解油を凝縮して粗油タンクに貯留し、後は第1の実施形態と同様にして燃料油精製設備まで移送されて精製される。
11 熱分解槽
13 凝縮器付き熱分解油受槽
14 粗油タンク
15 粗油タンク
16 蒸留塔
17 精製器
30 粗油製造設備
31 燃料油精製設備
32 タンク車両(粗油移送手段)

Claims (4)

  1. パーム果房、パーム果実、パーム粉末、パーム油、ココヤシの果実、ココナッツ油、ジャトロファの果実、植物性廃食用油、動物性廃食用油及びこれらの腐敗物の群から選ばれる1又は複数の原料を熱分解してバイオディーゼル燃料油を製造する分散製造システムであって、
    上記原料の生産地又は生産地近くの集荷場所に設けられ、上記原料を熱分解し熱分解ガスが抽出される熱分解槽(11、100)、該熱分解槽(11、100)の熱分解ガスから熱分解油を凝縮して粗油を製造する凝縮器(13)、及び製造された粗油を貯留する粗油タンク(14)を備えた粗油製造設備(30)と、
    上記生産地及び集荷場所と異なる精製場所に設けられ、上記移送された粗油を貯留する粗油タンク(15)、上記粗油から中質油を蒸留する蒸留塔(16)、及び上記中質油を精製する精製器(17)を備えた燃料油精製設備(31)と、
    上記粗油製造設備(30)から燃料油精製設備(31)に粗油を移送する粗油移送手段(32)と、
    を備えたことを特徴とするバイオディーゼル燃料油の分散製造システム。
  2. 上記熱分解槽が丸型横型分解槽(100)又は流動床構造の熱分解槽(11)である請求項1記載のバイオディーゼル燃料油の分散製造システム。
  3. 上記粗油移送手段がタンク車両(32)である請求項1記載のバイオディーゼル燃料油の分散製造システム。
  4. 粗油製造設備(30)における熱分解槽(11、100)からの水蒸気を600°C以上800°C以下の温度に加熱し脱臭する燃焼炉を更に備え、過熱蒸気を含む高温燃焼ガスをボイラーの熱源又は発電機の駆動源に利用するようにした請求項1記載のバイオディーゼル燃料油の分散製造システム。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101465066B1 (ko) * 2013-04-23 2014-11-26 대한민국 바이오 오일 생산 시스템

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