JP2012056981A - エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、および繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、エポキシ樹脂硬化物、プリプレグ、および繊維強化複合材料 Download PDF

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Abstract

【課題】高い耐熱性を有しながら、靭性、弾性率に優れた硬化物を与え、かつ低粘度で強化繊維への含浸性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記3成分を含むエポキシ樹脂組成物。[A]式1または式2の構造式で表されるエポキシ樹脂
Figure 2012056981

nは、0以上の整数、Rは、水素原子またはメチル基、Xは、環状構造を含み、かつエポキシ基を含まない炭素数5〜20の炭化水素基[B]アミン型エポキシ樹脂、[C]アミン系硬化剤
【選択図】なし

Description

本発明は、スポーツ用途、航空宇宙用途、および一般産業用途に適した繊維強化複合材料のマトリックス樹脂として用いられるエポキシ樹脂組成物に関するものである。
近年、炭素繊維やアラミド繊維などの強化繊維を用いた繊維強化複合材料は、その高い比強度・比弾性率を利用して、航空機や自動車の構造材料や、テニスラケット、ゴルフシャフト、釣り竿などのスポーツ用途・一般産業用途などに利用されてきた。繊推強化複合材料の製造方法としては、強化繊維に未硬化のマトリックス樹脂が含浸されたシート状中間材料であるプリプレグを用い、それを複数枚積層した後、加熱硬化させる方法や、モールド中に配置した強化繊維に液状の樹脂を流し込こんだ後、樹脂を加熱硬化させるレジン・トランスファー・モールディング法などが用いられている。
これらの製造方法のうち、プリプレグを用いる方法は、強化繊維の配向を厳密に制御でき、また積層構成の設計自由度が高いことから、高性能な繊維強化複合材料を得やすい利点がある。このプリプレグに用いられるマトリックス樹脂としては、耐熱性や生産性の観点から、主に熱硬化性樹脂が用いられ、中でも樹脂と強化繊維との接着性や寸法安定性、および得られる複合材料の強度や剛性といった力学特性の観点からエポキシ樹脂が好適に用いられる。
その中で、高温あるいは高湿環境下における優れた強度特性および耐久安定性の求められる航空宇宙用途向け繊維強化複合材料には、その強化繊維のマトリックス樹脂として、エポキシ当量が小さく架橋密度の高い硬化物が得られるアミン型エポキシが好適に用いられてきた。これにより、高弾性率でありかつ耐熱性の高い樹脂設計が可能となる一方、変形能力が小さく靭性の低い樹脂硬化物となる傾向があった。
そこで、エポキシ樹脂の靱性を向上させる方法として、靱性に優れるゴム成分や熱可塑性樹脂を配合し、エポキシ樹脂と相分離構造を形成させる方法などが試されてきた。しかし、これらの方法では、弾性率あるいは耐熱性の低下や、増粘によるプロセス性の悪化、ボイド発生等の品位低下を招きやすいという問題があった。
例えば、フェノキシ樹脂やポリエーテルスルホンを大量に配合し、これらを相分離させることで、靱性を大きく向上させる方法が提案されている(特許文献1)。しかしながら、熱可塑性樹脂の配合は粘度上昇の影響が大きいために、プロセス性を悪くする傾向にあり、特に航空機1次構造材用プリプレグ向けエポキシ樹脂組成物として用いる場合、プロセス性に悪影響の無いように、熱可塑性樹脂の配合量は少なくせざるを得ず、エポキシ樹脂に十分な靱性を付与できない傾向があった。
こういった課題に対し、エポキシ成分以外の高靭性化剤に頼らない、エポキシ処方設計による高靭性化技術が提案されている。例えば、エポキシ成分として、剛直なジシクロペンタジエン骨格を有するエポキシ樹脂をアミン型エポキシと組み合わせて使用することで、航空機材料レベルの耐熱性を確保しつつ架橋密度を低減させることで、靭性を向上させるものである(特許文献2)。ただし、この場合でも架橋密度を大幅に低減することは困難であり、大幅な靭性向上に繋がるものではなかった。一方で、分子量の極めて高いビスフェノール型エポキシをアミン型エポキシと組み合わせることで、大幅な靭性向上が可能となることが見出されている(特許文献3)。ただし、本技術では高温高湿環境下において繊維強化複合材料としての強度特性が低下する傾向があり、航空・宇宙用途向け繊維強化複合材料としての使用に十分耐えうるものではなかった。
特開2007−314753号公報 特開平9−296024号公報 国際公開2009/107697号パンフレット
本発明の目的は、かかる従来技術の欠点を改良し、高い耐熱性を有しながら、靭性、弾性率に優れた硬化物を与え、かつ低粘度で強化繊維への含浸性に優れるエポキシ樹脂組成物を提供することにある。さらには、かかるエポキシ樹脂組成物を用いることで、高温高湿環境下における強度特性に優れ、かつ耐衝撃性に優れた繊維強化複合材料を提供することにある。
本発明はかかる課題を解決するために以下の構成を有する。すなわち、
(1)下記[A]〜[C]を含むエポキシ樹脂組成物。
[A]式1または式2の構造式で表され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量が2200〜15000の範囲であり、かつ、軟化点が80〜130℃の範囲にあるエポキシ樹脂
Figure 2012056981
nは、0以上の整数
Rは、水素原子またはメチル基
Xは、環状構造を含み、かつエポキシ基を含まない炭素数5〜20の炭化水素基
[B]アミン型エポキシ樹脂
[C]アミン系硬化剤
(2)[A]エポキシ樹脂の置換基Xが、ジシクロペンタジエン、ナフタレン、ビフェニル、フェニルのうち少なくとも一つの化学構造を含むものである、前記(1)記載のエポキシ樹脂組成物。
(3)かかる[A]〜[C]を、下記式(a)〜(c)を満たす配合比で含む、前記(1)または(2)記載のエポキシ樹脂組成物。
0.2≦A/(A+B+D)≦0.6 (a)
0.4≦B/(A+B+D)≦0.8 (b)
0.02≦C/(A+B+D)≦0.4 (c)
(各式中、A、B、Cは、それぞれ[A]、[B]、[C]の質量、Dは[A]、[B]以外のエポキシ樹脂の質量)
(4)[A]、[B]以外のエポキシ樹脂[D]を、下記式(d)を満たす配合比で含む、前記(1)〜(3)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
0≦D/(A+B+D)≦0.3 (d)
(5)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物であって、DMAによる室温と150℃の貯蔵弾性率の比が1.1〜1.5の範囲にあるエポキシ樹脂硬化物。
(6)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物であって、少なくとも[A]リッチ相と[B]リッチ相を有する相分離構造を有し、その構造周期が0.01〜5μmの範囲にあるエポキシ樹脂硬化物。
(7)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグ。
(8)前記(7)に記載のプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。
(9)前記(5)または(6)に記載のエポキシ樹脂硬化物と強化繊維を含む繊維強化複合材料。
(10)前記(1)〜(4)のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物と強化繊維を含む繊維強化複合材料。
本発明によれば、硬化時にエポキシ樹脂の微細な相分離構造が形成され、高弾性率、かつ靱性の高い硬化物を与えるエポキシ樹脂組成物を提供できる。また、得られた繊維強化複合材料は、高温高湿環境下における優れた強度特性および耐久安定性を併せ持つ。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記[A]〜[C]を含むエポキシ樹脂組成物である。
[A]式1または式2の構造式で表され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量が2200〜15000の範囲であり、かつ、軟化点が80〜130℃の範囲にあるエポキシ樹脂
Figure 2012056981
nは、0以上の整数
Rは、水素原子またはメチル基
Xは、環状構造を含み、かつエポキシ基を含まない炭素数5〜20の炭化水素基
[B]アミン型エポキシ樹脂
[C]アミン系硬化剤。
[A]としては、式1および式2に示す通り、フェノールノボラック型エポキシ、あるいはナフトールノボラック型エポキシのメチレン基が、環状構造を含み、かつエポキシ基を含まない炭素数5〜20の炭化水素基Xに置換された構造をとるエポキシ樹脂である。かかるエポキシ樹脂[A]は、軟化点が80〜130℃の範囲にあることが必要であり、好ましくは、85〜130℃の範囲である。かかる軟化点は、JIS K7234(1986)に従い、環球法により測定することができる。かかる軟化点が80〜130℃の範囲にある場合、[A]成分と[B]成分が所望の相分離構造を形成しうる、適度な分子量と分子骨格の剛直性のバランスが実現される。かかる軟化点が80℃に満たない場合、得られた樹脂硬化物の靭性向上効果が乏しく、繊維強化複合材料の耐衝撃性が不足する。軟化点が130℃を超える場合、樹脂調製の作業性が悪化するとともに、均一な樹脂組成物が得られなくなる傾向がある。
かかるエポキシ樹脂[A]のユニット繰り返し数nは、軟化点が上記範囲にあれば特に限定されるものではないが、n=2〜10という比較的繰り返し数の多いものが主成分となっていることが好ましい。また、かかる置換基Xについては、炭素数が5〜20個の範囲にあり、また一つ以上の環状構造を含み、かつエポキシ基を含まないものであれば特に限定されるものではないが、ジシクロペンタジエン、ナフタレン、ビフェニル、フェニルのうち少なくとも一つの化学構造を含むものが好適に用いられる。
本発明で[B]として用いられるアミン型エポキシ樹脂としては、エポキシ樹脂1分子内に3つ以上のエポキシ基を含むアミン型エポキシを指す。かかるエポキシ樹脂[B]としては、例えば、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルキシリレンジアミン、ジグリシジルアニリンや、これらのハロゲン置換体、アルキル置換体、アラルキル置換体、アリル置換体、アルコキシ置換体、アラルコキシ置換体、アリロキシ置換体、水添品などを使用することができる。
かかるアミン型エポキシ樹脂は特に限定されるものではないが、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジルアミノフェノールに代表される多官能アミン型エポキシ樹脂が好適に使用される。
前記テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンとしては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学工業(株)製)、YH434L(東都化成(株)製)、“jER(登録商標)”604(三菱化学(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY720、MY721(ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ社製)等を使用することができる。トリグリシジルアミノフェノールおよびそのアルキル置換体としては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM100、ELM120(住友化学工業(株)製)、“アラルダイド(登録商標)”MY0500、MY0510、MY0600(ハンツマン・アドバンズド・マテリアルズ社製)、“jER(登録商標)”630(三菱化学(株)製)等を使用することができる。テトラグリシジルキシリレンジアミンおよびその水素添加品として、“TETRAD(登録商標)”−X、“TETRAD(登録商標)”−C(三菱ガス化学(株)製)等を使用することができる。ジグリシジルアニリンおよびそのアルキル置換体として、GAN(日本化薬(株)製)、GOT(日本化薬(株)製)等を使用することができる。
本発明で[C]として用いられるアミン系硬化剤とは、エポキシ基への求核置換反応により、エポキシ基を開環させ、共有結合を形成しうる、第1級もしくは第2級アミノ基を有する化合物である。アミン系硬化剤は特に限定されるものではなく、芳香族アミンであるジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルメタンまたはその誘導体、脂肪族アミンであるジシアンジアミドまたはその誘導体、ヒドラジド化合物等が用いられる。中でも芳香族アミン、特にジアミノジフェニルスルホンまたはその誘導体は、耐熱性と靭性のバランスに優れ、また、樹脂組成物の保存安定性に優れることから、本発明において好適に使用される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、[A]〜[C]を、下記式(a)〜(c)を満たす配合比で含まれていることが好ましい。
0.2≦A/(A+B+D)≦0.6 (a)
0.4≦B/(A+B+D)≦0.8 (b)
0.02≦C/(A+B+D)≦0.4 (c)。
式(a)、(b)は、次のことを表している。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂としては、[A]式1または式2の構造式で表され、かつ軟化点が80〜130℃の範囲にあるエポキシ樹脂、[B]アミン型エポキシ樹脂を含み、[A]を[A]、[B]、およびそれ以外のエポキシ樹脂[D](以降、全エポキシ樹脂と記す)100質量部のうち20〜60質量部、[B]を全エポキシ樹脂100質量部のうち40〜80質量部含むことが好ましいことを表しており、より好ましくは、[A]を30〜50質量部、[B]を40〜70質量部含むことである。
かかる[A]の配合量が20質量部に満たない場合、相分離構造が形成されず、必要な靭性が得られないことがある。一方、60質量部を上回る場合、樹脂組成物の粘度が高くなるため強化繊維への含浸性の悪化を招くことがある。また、[B]の配合量が40質量部に満たない場合、相分離構造が形成されず、必要な靭性が得られないとともに、弾性率が不十分な樹脂硬化物となることがある。一方、80質量部を上回る場合、架橋密度の著しい上昇により、極めて伸度の低い樹脂硬化物となってしまうことがある。
また、式(c)は、次のことを表している。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物において、[C]アミン系硬化剤を全エポキシ樹脂100質量部のうち2〜40質量部含むことが必要であることを表している。
かかる[D]の配合量が2質量部に満たない場合、相分離構造が形成されず、必要な靭性が得られないことがある。一方、60質量部を上回る場合、樹脂組成物の粘度が高くなるため強化繊維への含浸性の悪化を招くことがある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物は、[A]、[B]以外のエポキシ樹脂[D]を、下記式(d)を満たす配合比で含まれていることが好ましい。
0≦D/(A+B+D)≦0.3 (d)。
式(d)は、次のことを表している。すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物において、[A]、[B]以外のエポキシ樹脂[D]は全エポキシ樹脂中100質量部のうち30質量部以下であることが好ましく、20質量部以下であることがさらに好ましい。
[A]、[B]以外のエポキシ樹脂、[D]としては、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラックエポキシ樹脂、レゾルシノール型エポキシ樹脂、ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂などが挙げられる。
ビスフェノール型エポキシとしては特に限定されるものではなく、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、もしくはこれらビスフェノールのハロゲン、アルキル置換体、水添品等が用いられる。かかるエポキシ樹脂の具体例として以下のものが挙げられる。
ビスフェノールA型エポキシ樹脂の市販品としては、“エポトート(登録商標)”YD128(東都化成(株)製)、“jER(登録商標)”825、“jER(登録商標)”828、“jER(登録商標)”834、“jER(登録商標)”1001、“jER(登録商標)”1004、“jER(登録商標)”1007、“jER(登録商標)”1009、“jER(登録商標)”1010(以上、三菱化学(株)製)などが挙げられる。
ビスフェノールF型エポキシ樹脂の市販品としては“jER(登録商標)”806、“jER(登録商標)”807、jER4004P、jER4007P、jER4009P、jER4010P(以上、三菱化学(株)製)、“エポトート(登録商標)”YDF170、“エポトート(登録商標)”YDF2001(以上、東都化成(株)製)などが挙げられる。
フェノールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては“エピコート(登録商標)”152、“エピコート(登録商標)”154(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)、“エピクロン(登録商標)”N−740、“エピクロン(登録商標)”N−770、“エピクロン(登録商標)”N−775(以上、ディーアイシー(株)製)などが挙げられる。
クレゾールノボラック型エポキシ樹脂の市販品としては、“エピクロン(登録商標)”N−660、“エピクロン(登録商標)”N−665、“エピクロン(登録商標)”N−670、“エピクロン(登録商標)”N−673、“エピクロン(登録商標)”N−695(以上、ディーアイシー(株)製)、EOCN−1020、EOCN−102S、EOCN−104S(以上、日本化薬(株)製)などが挙げられる。
レゾルシノール型エポキシ樹脂の具体例としては、“デナコール(登録商標)”EX−201(ナガセケムテックス(株)製)などが挙げられる。
ビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂の市販品としては、“エピコート(登録商標)”YX4000H、“エピコート(登録商標)”YX4000、“エピコート(登録商標)”YL6616(以上、ジャパンエポキシレジン(株)製)などが挙げられる。
ウレタンおよびイソシアネート変性エポキシ樹脂の市販品としては、オキサゾリドン環を有するAER4152(旭化成エポキシ(株)製)やACR1348(旭電化(株)製)などが挙げられる。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、[A]~[D]以外に、その他の成分を含んでも構わない。その他の成分としては、エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂や、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子や、無機粒子等が挙げられ、好ましい範囲としては、0〜20質量部、さらに好ましくは0〜15質量部である。
本発明における[A]成分は、GPCすなわちゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量が2200〜15000の範囲にあり、2500〜4000の範囲にあることが好ましい。かかる重量平均分子量が2200に満たない場合、相分離構造の形成が不十分となり、必要な靭性が得られない。一方、15000を上回る場合、樹脂調製時の溶解性が不十分となり樹脂調製作業が繁雑になるとともに、樹脂組成物の粘度が高くなるため強化繊維への含浸性の悪化を招く。かかるGPCの測定機器、使用カラム、展開溶媒、測定温度等は、特に限定されるものではなく、適当なものを選べばよいが、一つの例として、装置本体としてHLC−8220GPC(東ソー(株)製)、検出器としてUV−8000(254nm)を用いて、カラムにはTSK−G4000H(東ソー(株)製)を用い、流速1.0ml/min、温度40℃にて測定することができる。
本発明におけるエポキシ樹脂硬化物は、前記エポキシ樹脂組成物を硬化させてなるものである。かかるエポキシ樹脂硬化物は、DMA測定で得られる25℃と150℃の貯蔵弾性率の比が1.1〜1.5の範囲にあることが望ましい。これは、かかるエポキシ樹脂硬化物の中に、25〜150℃の間で軟化する相を実質的に含まないために、例えば本発明のエポキシ樹脂組成物が航空機材料として用いられた場合、その航空機材料が曝される高温環境での樹脂弾性率低下がなく、繊維強化複合材料としての高い圧縮強度を維持できることを意味する。かかる貯蔵弾性率の比が1.1に満たない場合、架橋密度が非常に高く、極めて脆い樹脂硬化物となる場合がある。一方、かかる貯蔵弾性率の比が1.5を上回る場合、繊維強化複合材料の高温領域での圧縮強度が低下する傾向となる。かかるDMAの測定機器、測定温度等は、特に限定されるものではなく、適当なものを選べばよいが、一つの例として、測定機器には動的粘弾性測定装置(ARES、TAインスツルメント(株)製)を使用し、固体ねじりモード、周波数:1Hz、歪み量:1%、昇温速度:5℃/分にて測定することができる。
かかるエポキシ樹脂組成物を硬化して得られる樹脂硬化物は、[A]リッチ相と、[B]リッチ相を有する相分離構造を形成することに因り、耐熱性と靭性の両立が可能となるものである。
本発明の樹脂組成物においては[A]、[B]、[D]のエポキシ成分が均一に相溶しているが、成形時の硬化反応の過程で両者の分子量増加に伴い、[A]リッチ相と[B]リッチ相に相分離を起こす、いわゆる反応誘発型相分離により、上記[A]リッチ相と、[B]リッチ相を有する相構造を形成する。
本発明において相分離構造とは、異なる成分を主成分とする相が、0.01μm以上の構造周期を有する構造をいう。これに対し、分子レベルで均一に混合している状態を、相溶状態といい、本発明においては異なる成分を主成分とする相が0.01μm未満の相分離構造周期である場合は、相溶状態と見なすものとする。相分離構造を示すか否かは、電子顕微鏡、位相差光学顕微鏡、その他種々の方法によって判断することができる。
本発明において、相分離の構造周期は、次のように定義するものとする。なお、相分離構造には、両相連続構造と海島構造が有るのでそれぞれについて定義する。両相連続構造の場合、顕微鏡写真の上に所定の長さの直線を引き、その直線と相界面の交点を抽出し、隣り合う交点間の距離を測定し、これらの数平均値を構造周期とする。かかる所定の長さとは、顕微鏡写真を基に以下のようにして設定するものとする。構造周期が0.01μmオーダー(0.01μm以上0.1μm未満)と予想される場合、倍率を20,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに20mmの長さ(サンプル上1μmの長さ)3本を選出したものをいい、同様にして、相分離構造周期が0.1μmオーダー(0.1μm以上1μm未満)と予想される場合、倍率を2,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに20mmの長さ(サンプル上10μmの長さ)3本を選出したものをいい、相分離構造周期が1μmオーダー(1μm以上10μm未満)と予想される場合、倍率を200倍で写真撮影し、写真上でランダムに20mmの長さ(サンプル上100μmの長さ)3本を選出したものをいうものとする。もし、測定した相分離構造周期が予想したオーダーより外れていた場合、該当するオーダーに対応する倍率にて対応する長さを再度測定し、これを採用する。海島構造の場合、島相と島相の距離の数平均値である。島相が楕円形、不定形、または、二層以上の円または楕円になっている場合であっても、島相と島相の最短距離を用いるものとする。
かかる所定の領域とは、顕微鏡写真を基に以下のようにして設定するものとする。粒子間距離が0.01μmオーダー(0.01μm以上0.1μm未満)と予想される場合、倍率を20,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに4mm四方の領域(サンプル上0.2μm四方の領域)3箇所を選出した領域をいい、同様にして、粒子間距離が0.1μmオーダー(0.1μm以上1μm未満)と予想される場合、倍率を2,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに4mm四方の領域(サンプル上2μm四方の領域)3箇所を選出した領域をいい、相分離構造周期が1μmオーダー(1μm以上10μm未満)と予想される場合、倍率を200倍で写真撮影し、写真上でランダムに4mm四方の領域(サンプル上20μm四方の領域)をいうものとする。もし、測定した相分離構造周期が予想したオーダーより外れていた場合、該当するオーダーに対応する倍率にて対応する領域を再度測定し、これを採用する。
この樹脂硬化物の相分離構造は、樹脂硬化物の断面を走査型電子顕微鏡もしくは透過型電子顕微鏡により観察することができる。必要に応じて、オスミウムなどで染色しても良い。染色は、通常の方法で行うことができる。
かかる構造周期は、0.01〜5μmの範囲にあることが好ましく、さらに好ましくは0.05〜1μmの範囲にあることが望ましい。構造周期が0.01μmに満たない場合、樹脂硬化物の靭性が不足する場合があり、構造周期が5μmを超える場合、繊維強化複合材料の、単糸間領域より相分離構造周期が大きくなり、繊維強化複合材料とした際に、十分な靭性向上効果が発揮できない場合がある。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には粘弾性を制御しプリプレグのタックやドレープ特性を改良したり、繊維強化複合材料の耐衝撃性などの力学特性を改良するため、エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂や、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子や、無機粒子等を配合することができる。
エポキシ樹脂に可溶性の熱可塑性樹脂としては、樹脂と強化繊維との接着性改善効果が期待できる水素結合性の官能基を有する熱可塑性樹脂が好ましく用いられる。
水素結合性官能基としては、アルコール性水酸基、アミド結合、スルホニル基などを挙げることができる。
アルコール性水酸基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリビニルホルマールやポリビニルブチラールなどのポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルアルコール、フェノキシ樹脂、アミド結合を有する熱可塑性樹脂としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルピロリドン、スルホニル基を有する熱可塑性樹脂としては、ポリスルホンを挙げることができる。ポリアミド、ポリイミドおよびポリスルホンは主鎖にエーテル結合、カルボニル基などの官能基を有してもよい。ポリアミドは、アミド基の窒素原子に置換基を有してもよい。
エポキシ樹脂可溶で、水素結合性官能基を有する熱可塑性樹脂の市販品としては、ポリビニルアセタール樹脂として、デンカブチラールおよび“デンカホルマール(登録商標)”(電気化学工業株式会社製)、“ビニレック(登録商標)”(チッソ(株)製)、フェノキシ樹脂として、“UCAR(登録商標)”PKHP(ユニオンカーバイド社製)、ポリアミド樹脂として“マクロメルト(登録商標)”(ヘンケル白水株式会社製)、“アミラン(登録商標)”CM4000(東レ株式会社製)、ポリイミドとして“ウルテム(登録商標)”(ジェネラル・エレクトリック社製)、“Matrimid(登録商標)”5218(チバ社製)、ポリスルホンとして“Victrex(登録商標)”(三井化学株式会社製)、“スミカエクセル(登録商標)”(住友化学(株)製)“UDEL(登録商標)”(ユニオンカーバイド社製)、ポリビニルピロリドンとして、“ルビスコール(登録商標)”(ビーエーエスエフジャパン(株)製)を挙げることができる。
また、アクリル系樹脂はエポキシ樹脂との相溶性が高く、粘弾性制御のために好適に用いられる。アクリル樹脂の市販品としては、“ダイヤナール(登録商標)”BRシリーズ(三菱レイヨン(株)製)、“マツモトマイクロスフェアー(登録商標)”M,M100,M500(松本油脂製薬(株)製)などを挙げることができる。
ゴム粒子としては、架橋ゴム粒子、および架橋ゴム粒子の表面に異種ポリマーをグラフト重合したコアシェルゴム粒子が、取り扱い性等の観点から好ましく用いられる。
架橋ゴム粒子の市販品としては、カルボキシル変性のブタジエン−アクリロニトリル共重合体の架橋物からなるFX501P(日本合成ゴム工業社製)、アクリルゴム微粒子からなるCX−MNシリーズ(日本触媒(株)製)、YR−500シリーズ(東都化成(株)製)等を使用することができる。
コアシェルゴム粒子の市販品としては、例えば、ブタジエン・メタクリル酸アルキル・スチレン共重合物からなる“パラロイド(登録商標)”EXL−2655(呉羽化学工業(株)製)、アクリル酸エステル・メタクリル酸エステル共重合体からなる“スタフィロイド(登録商標)”AC−3355、TR−2122(武田薬品工業(株)製)、アクリル酸ブチル・メタクリル酸メチル共重合物からなる“PARALOID(登録商標)”EXL−2611、EXL−3387(Rohm&Haas社製)、“カネエース(登録商標)”MXシリーズ(カネカ(株)製)等を使用することができる。
熱可塑性樹脂粒子としては、ポリアミド粒子やポリイミド粒子が好ましく用いられ、ポリアミド粒子の市販品として、SP−500(東レ(株)製)、“オルガソール(登録商標)”(アルケマ社製)等を使用することができる。
本発明では、ゴム粒子および熱可塑性樹脂粒子等の有機粒子は、得られる樹脂硬化物の弾性率と靱性を両立させる点から、全エポキシ樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部が好ましく、1〜15質量部配合するのがさらに好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物の調製には、ニーダー、プラネタリーミキサー、3本ロールおよび2軸押出機などが好ましく用いられる。エポキシ樹脂として[A]、[B]および[D]を投入、混練後、撹拌しながらエポキシ樹脂混合物の温度を130〜180℃の任意の温度まで上昇させ、硬化剤と硬化触媒以外の残りの成分をエポキシ樹脂混合物に溶解もしくは分散させる。その後、撹拌しながら好ましくは100℃以下、より好ましくは80℃以下の温度まで下げて硬化剤ならびに硬化触媒を添加し混練、分散させる。この方法は、保存安定性に優れるエポキシ樹脂組成物を得ることができるため好ましく用いられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物をプリプレグのマトリックス樹脂として用いる場合、タックやドレープなどのプロセス性の観点から、80℃における粘度が0.1〜200Pa・sであることが好ましく、より好ましくは0.5〜100Pa・s、さらに好ましくは1〜50Pa・sの範囲にあることが望ましい。80℃における粘度が0.1Pa・sに満たない場合、プリプレグの形状保持性が不十分となり割れが発生する場合があり、また成形時の樹脂フローが多く発生し、強化繊維含有量にばらつきを生じたりする場合がある。80℃における粘度が200Pa・sを超える場合、エポキシ樹脂組成物のフィルム化工程でかすれを生じたり、強化繊維への含浸工程で未含浸部分が発生する場合がある。ここでいう粘度は、動的粘弾性測定装置(ARES、TAインスツルメント(株)製)を用い、直径40mmのパラレルプレートを用い、昇温速度2℃/minで単純昇温し、周波数0.5Hz、Gap 1mmで測定を行った複素粘弾性率ηのことを指している。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その硬化物のDMA測定で得られる25℃での貯蔵弾性率(G’)が、2.0〜1.4GPaの範囲内であることが好ましい。より好ましくは、1.8〜1.5GPaであることがより好ましい。かかる曲げ弾性率が1.4GPaに満たない場合、繊維強化複合材料とした際の圧縮強度が不十分となる場合がある。2.0GPaを超える場合、塑性変形能力が不十分となり、衝撃破損が起こりやすくなる場合がある。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物の樹脂靱性(KIC)は、0.7〜1.8MPa・cm−1の範囲内であることが好ましい。より好ましくは、0.8〜1.6MPa・cm−1の範囲内であり、さらに好ましくは、0.9〜1.5MPa・cm−1の範囲内にあることが望ましい。KICが0.7未満であると、繊維強化複合材料の耐衝撃性が不足する場合があり、1.8を超えると、繊維強化複合材料としたときに切削加工等の作業性が悪化する場合がある。
ここで、硬化物の樹脂靭性測定は、次のようにして得たサンプルを用い、万能力学試験機(インストロン社製)を用い、ASTM D5045(1999)に従って測定し、サンプル数n=5の平均値として得るものとする。硬化物の樹脂靭性測定サンプルは、未硬化のエポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、6mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み6mmになるように設定したモールド中で所定の硬化条件で硬化させることでボイドのない板状硬化物を得、これをダイヤモンドカッターにより幅12.7mm、長さ150mmに切り出し、幅方向の片端から5〜7mmの予亀裂を導入して作製した。試験片への初期の予亀裂の導入は、液体窒素温度まで冷やした剃刀の刃を試験片にあてハンマーで剃刀に衝撃を加えることで行った。
ここで、かかる硬化物を得るための硬化温度や硬化時間は特に限定されず、配合する硬化剤や触媒に応じて、コストや生産性、また得られる硬化物の力学特性、耐熱性、品位等の観点から適宜選択できる。例えば、ジシアンジアミドとDCMUを組み合わせた硬化剤系では、135℃の温度で2時間硬化させるのが好適であり、ジアミノジフェニルスルホンを用いた場合には、180℃の温度で2時間硬化させるのが好適である。
本発明に用いられる強化繊維は特に限定されるものではなく、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、炭化ケイ素繊維等が用いられる。これらの繊維を2種以上混合して用いても構わない。この中で、軽量かつ高剛性な繊維強化複合材料が得られる炭素繊維を用いることが好ましい。中でも、引張弾性率が280〜800GPaの炭素繊維が好ましく、より好ましくは380〜800GPaの炭素繊維であることが望ましい。このような高弾性率の炭素繊維を本発明のエポキシ樹脂組成物と組み合わせた場合に、本発明の効果が特に顕著に現れる傾向がある。
強化繊維の形態は特に限定されるものではなく、たとえば、一方向に引き揃えた長繊維、トウ、織物、マット、ニット、組み紐、10mm未満の長さにチョップした短繊維などが用いられる。ここでいう、長繊維とは実質的に10mm以上連続な単繊維もしくは繊維束のことをさす。また、短繊維とは10mm未満の長さに切断された繊維束である。また、特に、比強度、比弾性率が高いことを要求される用途には強化繊維束が単一方向に引き揃えられた配列が最も適しているが、取り扱いの容易なクロス(織物)状の配列も本発明には適している。
本発明のプリプレグは、前記本発明のエポキシ樹脂組成物を繊維基材に含浸させてなるものである。含浸させる方法としてはエポキシ樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して低粘度化し、含浸させるウェット法と、加熱により低粘度化し、含浸させるホットメルト法(ドライ法)等を挙げることができる。
ウェット法は、強化繊維をエポキシ樹脂組成物の溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法であり、ホットメルト法は、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、または一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙等の上にコーティングしたフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の両側または片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維に樹脂を含浸させる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
得られたプリプレグを積層後、積層物に圧力を付与しながらマトリックス樹脂を加熱硬化させる方法等により、本発明による繊維強化複合材料が作製される。
ここで熱および圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法および内圧成形法等が採用される。
本発明の繊維強化複合材料は、プリプレグを介さず、エポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させた後、加熱硬化せしめる方法、例えば、ハンド・レイアップ法、フィラメント・ワインディング法、プルトルージョン法、レジン・インジェクション・モールディング法、およびレジン・トランスファー・モールディング法等の成形法によっても作製できる。これら方法では、エポキシ樹脂からなる主剤とエポキシ樹脂硬化剤との2液を使用直前に混合してエポキシ樹脂組成物を調製することが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物をマトリックス樹脂として用いた繊維強化複合材料は、スポーツ用途、航空機用途および一般産業用途に好適に用いられる。より具体的には、航空宇宙用途では、主翼、尾翼およびフロアビーム等の航空機一次構造材用途、フラップ、エルロン、カウル、フェアリングおよび内装材等の二次構造材用途、ロケットモーターケースおよび人工衛星構造材用途等に好適に用いられる。このような航空宇宙用途の中でも、特に耐衝撃性が必要で、かつ、高度飛行中において低温にさらされるため、低温における引張強度が必要な航空機一次構造材用途、特に胴体スキンや主翼スキンにおいて、本発明による繊維強化複合材料が特に好適に用いられる。また、スポーツ用途では、ゴルフシャフト、釣り竿、テニス、バトミントンおよびスカッシュ等のラケット用途、ホッケー等のスティック用途、およびスキーポール用途等に好適に用いられる。さらに一般産業用途では、自動車、船舶および鉄道車両等の移動体の構造材、ドライブシャフト、板バネ、風車ブレード、圧力容器、フライホイール、製紙用ローラ、屋根材、ケーブル、補強筋、および補修補強材料等の土木・建築材料用途等に好適に用いられる。
以下、実施例により、本発明のエポキシ樹脂組成物についてさらに詳細に説明する。各実施例の樹脂組成物を得るために、下記の樹脂原料を用いた。なお、表1、2中の樹脂組成物の含有割合の単位は、特に断らない限り「質量部」を意味する。
[A]エポキシ樹脂
・“エピクロン(登録商標)”HP7200H(ディーアイシー(株)製):式3の構造で表されるジシクロペンタジエン骨格を含むエポキシ樹脂。軟化点:83℃
・“エピクロン(登録商標)”HP7200HH(ディーアイシー(株)製):式3の構造で表されるジシクロペンタジエン骨格を含むエポキシ樹脂。軟化点:89℃。
・“エピクロン(登録商標)”HP7200HHH(ディーアイシー(株)製):式3の構造で表されるジシクロペンタジエン骨格を含むエポキシ樹脂。軟化点:102℃。
Figure 2012056981
nは、0以上の整数。
・NC3000FH−75M(日本化薬(株)製):式4の構造で表されるビフェニル骨格を含むエポキシ樹脂。軟化点:80℃。溶剤希釈タイプ(固形分75質量%含有)。
Figure 2012056981
nは、0以上の整数。
[B]アミン型エポキシ樹脂
・“jER(登録商標)”630(三菱化学(株)製):トリグリシジル−p−アミノフェノール。
・“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学工業(株)製):テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン。
[C]アミン系硬化剤
・“セイカキュア(登録商標)”−S(和歌山精化工業(株)製):4,4’−ジアミノジフェニルスルホン。
・DICY−7(三菱化学(株)製)):ジシアンジアミド。
[D]その他のエポキシ樹脂
・“jER(登録商標)”828(三菱化学(株)製):液状ビスフェノールA型エポキシ樹脂。
・“jER(登録商標)”1007(三菱化学(株)製):固形ビスフェノールA型エポキシ樹脂。軟化点:128℃。
・“エピクロン(登録商標)”HP7200(ディーアイシー(株)製):式3の構造で表されるジシクロペンタジエン骨格を含むエポキシ樹脂。軟化点:61℃。
・EPPN−503(日本化薬(株)製):式5の構造で表されるグリシジロキシフェニル骨格を含むエポキシ樹脂。軟化点:88℃。
Figure 2012056981
nは、0以上の整数。
その他の成分
・“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P(住友化学(株)製):ポリエーテルスルホン。
・DCMU99(保土ヶ谷化学工業(株)製):3−(3,4−ジクロロフェニル)−1,1−ジメチルウレア。
樹脂組成物の調製、樹脂硬化物の貯蔵弾性率、破壊靭性、プリプレグの作製、0°圧縮強度、衝撃後圧縮強度および有孔板圧縮強度の測定は、次のような条件で行った。特に断りのない限り、温度23℃、相対湿度50%の環境で測定を行った。また、結果は表1にまとめて示した。
(1)エポキシ樹脂の軟化点測定
JIS K7234(1986)に従い、環球法によりエポキシ樹脂の軟化点を測定した。
(2)エポキシ樹脂の分子量測定
エポキシ樹脂をTHFに、濃度0.1mg/mlで溶解させ、装置本体としてHLC−8220GPC(東ソー株式会社製)、検出器としてUV−8000(254nm)を用いて、ポリスチレン標準サンプルを用いて、相対分子量測定を行った。カラムにはTSK−G4000H(東ソー(株)製)を用い、流速1.0ml/min、温度40℃にて測定した。
(3)エポキシ樹脂組成物の調製
ニーダー中に、硬化剤および硬化促進剤以外の成分を所定量加え、混練しつつ、160℃まで昇温し、160℃、1時間混練することで、透明な粘調液を得た。混練しつつ80℃まで降温させた後、硬化剤および硬化促進剤を所定量添加え、さらに混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。各実施例、比較例の成分配合比は、表1、2に示す通りである。
(4)樹脂硬化物の貯蔵弾性率(G’)測定
エポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製スペーサーにより厚み2mmになるように設定したモールド中で180℃の温度で2時間硬化させ、厚さ2mmの樹脂硬化物を得、幅10mm、長さ40mmの試験片を切り出した。動的粘弾性測定装置(ARES:TAインスツルメント社製)を用い、固体ねじり治具に試験片をセットし、昇温速度2℃/分、周波数1Hzにて25℃から150℃の温度範囲について測定を行った。25℃と150℃での貯蔵弾性率(G’25℃、G’150℃)を読み取り、これらの比(G’25℃/G’150℃)を算出した。
(5)樹脂硬化物の靱性(KIC)の測定
エポキシ樹脂組成物を真空中で脱泡した後、6mm厚のテフロン(登録商標)製スペーサーにより厚み6mmになるように設定したモールド中で特に断らない限り、135℃の温度で2時間硬化させ、厚さ6mmの樹脂硬化物を得た。この樹脂硬化物を12.7×150mmでカットし、試験片を得た。インストロン万能試験機(インストロン社製)を用い、ASTM D5045(1999)に従って試験片を加工・実験をおこなった。試験片への初期の予亀裂の導入は、液体窒素温度まで冷やした剃刀の刃を試験片にあてハンマーで剃刀に衝撃を加えることで行った。ここでいう、樹脂硬化物の靱性とは、変形モード1(開口型)の臨界応力強度のことをさしている。
(6)構造周期の測定
上記(4)で得られた樹脂硬化物を染色後、薄切片化し、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて下記の条件で透過電子像を取得した。染色剤は、モルホロジーに十分なコントラストが付くよう、OsOとRuOを樹脂組成に応じて使い分けた。
・装置:H−7100透過型電子顕微鏡(日立(株)製)
・加速電圧:100kV
・倍率:10,000倍。
これにより、[A]リッチ相と[B]リッチ相の構造周期を観察した。[A]と[B]の種類や比率により、硬化物の相分離構造は、両相連続構造や海島構造を形成するのでそれぞれについて以下のように測定した。
両相連続構造の場合、顕微鏡写真の上に所定の長さの直線を引き、その直線と相界面の交点を抽出し、隣り合う交点間の距離を測定し、これらの数平均値を構造周期とした。かかる所定の長さとは、顕微鏡写真を基に以下のようにして設定した。構造周期が0.01μmオーダー(0.01μm以上0.1μm未満)と予想される場合、倍率を20,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに20mmの長さ(サンプル上1μmの長さ)3本を選出し、同様にして、相分離構造周期が0.1μmオーダー(0.1μm以上1μm未満)と予想される場合、倍率を2,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに20mmの長さ(サンプル上10μmの長さ)3本を選出し、相分離構造周期が1μmオーダー(1μm以上10μm未満)と予想される場合、倍率を200倍で写真撮影し、写真上でランダムに20mmの長さ(サンプル上100μmの長さ)3本を選出した。もし、測定した相分離構造周期が予想したオーダーより外れていた場合、該当するオーダーに対応する倍率にて対応する長さを再度測定し、これを採用した。
海島構造の場合、島相と島相の距離の数平均値を構造周期とした。島相が楕円形、不定形、または、二層以上の円または楕円になっている場合は、島相と島相の最短距離を用いた。かかる所定の領域とは、顕微鏡写真を基に以下のようにして設定した。粒子間距離が0.01μmオーダー(0.01μm以上0.1μm未満)と予想される場合、倍率を20,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに4mm四方の領域(サンプル上0.2μm四方の領域)3箇所を選出し、同様にして、粒子間距離が0.1μmオーダー(0.1μm以上1μm未満)と予想される場合、倍率を2,000倍で写真撮影し、写真上でランダムに4mm四方の領域(サンプル上2μm四方の領域)3箇所を選出し、相分離構造周期が1μmオーダー(1μm以上10μm未満)と予想される場合、倍率を200倍で写真撮影し、写真上でランダムに4mm四方の領域(サンプル上20μm四方の領域)を選出した。もし、測定した相分離構造周期が予想したオーダーより外れていた場合、該当するオーダーに対応する倍率にて対応する領域を再度測定し、これを採用した。
(7)プリプレグの作製
樹脂組成物を、リバースロールコーターを使用し離型紙状に塗布し、樹脂フィルムを作製した。次に、シート状に一方向に整列させた炭素繊維“トレカ(登録商標)”T800HB−12K(東レ(株)製、引張弾性率:294GPa、引張強度:5490MPa)に樹脂フィルム2枚を炭素繊維の両面から重ね、加熱加圧して樹脂組成物を含浸させ、単位面積辺りの炭素繊維重量190g/m、繊維重量含有率65%の、T800HB使い一方向プリプレグを作製した。
なお、強化繊維への含浸性は、プリプレグ断面の走査型電子顕微鏡を用いた観察により、以下の3段階で評価した。樹脂が強化繊維に完全に含浸し、実質的に未含浸領域がないものを○、未含浸領域が1割未満ではあるが存在するものを△、未含浸領域が1割以上存在するものを×とした。走査型電子顕微鏡にはリアルサーフェスビュー顕微鏡VE−7800(キーエンス(株)製)を使用し、倍率を500倍とし、剃刀を用いて繊維直交方向に切断したプリプレグの断面について、厚み方向はプリプレグ厚み全体、幅方向は0.2mmに視野範囲を設定し、未含浸領域の面積率を算出した。また、この視野範囲を無作為に5カ所選定し、これらの未含浸領域の面積率の平均値から含浸性を判定した。
(8)繊維強化複合材料の作成と高温高湿環境下(H/W)圧縮強度
上記(7)により作製した一方向プリプレグを、繊維方向を圧縮方向と平行に揃えて12プライ積層し、オートクレーブにて、180℃の温度で2時間、0.59MPaの圧力下、昇温速度1.5℃/分で成型して積層体を作製した。この積層体から厚み2mm、幅15mm、長さ78mmのタブ付き試験片を作成し、71℃の温水に14日間浸漬した。この試験片を、JIS K7076(1991)に従い、恒温槽付き万能試験機を用いて、82℃における0°圧縮強度を測定した。サンプル数はn=5とした。
上記方法により各実施例、比較例についてエポキシ樹脂組成物、樹脂硬化物、プリプレグおよび繊維強化複合材料を作製し、各特性を評価した結果を表1および表2にまとめて示す。
(実施例1)
表1に示す通り、[A]として軟化点が102℃、重量平均分子量が3000のジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂であるHP7200HHHを20質量部、[B]としてjER630を80質量部、[C]として4,4’−DDSを35質量部用いてエポキシ樹脂組成物を調製した。相構造サイズ1.1μmの相分離構造が形成され、樹脂硬化物の靭性は0.8MPa・m0.5と、問題ないレベルであった。また、樹脂硬化物の150℃でのG’は1.2GPaと高く、高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度も1190MPaと十分に高いものであった。
(実施例2)
[A]としてHP7200HHHを40質量部、[B]としてjER630を60質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1に比べて相構造サイズが微細化した結果、靭性がさらに向上した。高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度も高いものであった。
(実施例3)
[A]としてHP7200HHHを60質量部、[B]としてjER630を40質量部としたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1に比べて相構造サイズが微細化した結果、靭性がさらに向上した。高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度も問題ないレベルであった。
(実施例4)
HP7200HHHとjER630をそれぞれ10質量部減量し、[D]としてjER828を20質量部配合し、またPES5003Pを10質量部配合したこと以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度がやや低下したが問題ないレベルであった。
(実施例5)
[A]として軟化点が89℃、重量平均分子量が2700であるHP7200HHを20質量部、[B]としてELM434を80質量部用いたこと以外は、実施例1と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。実施例1に比べ高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度が若干低下したが、十分なレベルであった。
(実施例6)
[A]として軟化点が83℃、重量平均分子量が2400であるHP7200Hを用いたこと以外は、実施例5と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。実施例5に比べ若干靭性が低下したが、許容できるレベルであった。
(実施例7)
[A]として軟化点が80℃のビフェニル型エポキシ樹脂であるNC3000FH−75Mを固形分で20質量部配合したこと以外は、実施例5と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。実施例5に比べ若干靭性が低下したが、許容できるレベルであった。
(実施例8)
[C]としてDICY7を5質量部配合し、さらに硬化促進剤であるDCMU99を2質量部配合したこと以外は、実施例2と同様にしてエポキシ樹脂組成物を調製した。実施例2に比べ150℃でのG’が低下し、高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度が低下したが、許容できるレベルであった。
(比較例1)
HP7200HHHを固形2官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER1007に置き換えたこと以外は、実施例2と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。耐熱性の低いjER1007リッチ相が形成された結果、150℃でのG’が大きく低下し、高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度が不十分なものとなった。
(比較例2)
HP7200HHHを軟化点が61℃、重量平均分子量が2100であるHP7200に置き換えたこと以外は、実施例2と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。樹脂硬化物は相分離せず均一なものとなった結果、樹脂靭性は不十分なものとなった。
(比較例3)
HP7200HHHを[A]に該当しない構造のエポキシ樹脂であるEPPN−503に置き換えたこと以外は、実施例2と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。樹脂硬化物は相分離せず均一なものとなった結果、樹脂靭性は不十分なものとなった。
(比較例4)
jER630を液状2官能ビスフェノールA型エポキシ樹脂であるjER828に置き換えたこと以外は、実施例2と同様にして熱硬化性樹脂組成物を調製した。樹脂硬化物は相分離せず均一なものとなった結果、樹脂靭性が低下し、また150℃でのG’が低下した結果、高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度が不十分なものとなった。
(比較例5)
[B]としてjER630を100質量部、[C]として4,4’−DDSを35質量部、さらにPES5003Pを25質量部配合した熱硬化性樹脂組成物を調製した。樹脂組成物の粘度が高いため強化繊維への含浸性が不十分となった。また、高温高湿環境下でのコンポジット圧縮強度も不十分なものであった。
Figure 2012056981
Figure 2012056981
本発明のエポキシ樹脂組成物は、高い耐熱性を有しながら、靭性に優れた硬化物を与えるため、高温高湿環境下においても強度特性に優れ、かつ耐衝撃性に優れた繊維強化複合材料を得ることが出来る。これにより、特に航空宇宙用途において繊維強化複合材料のさらなる軽量化が進展することが期待される。

Claims (10)

  1. 下記[A]〜[C]を含むエポキシ樹脂組成物。
    [A]式1または式2の構造式で表され、ゲルパーミエーションクロマトグラフィによるポリスチレン換算重量平均分子量が2200〜15000の範囲であり、かつ、軟化点が80〜130℃の範囲にあるエポキシ樹脂
    Figure 2012056981
    nは、0以上の整数
    Rは、水素原子またはメチル基
    Xは、環状構造を含み、かつエポキシ基を含まない炭素数5〜20の炭化水素基
    [B]アミン型エポキシ樹脂
    [C]アミン系硬化剤
  2. [A]エポキシ樹脂の置換基Xが、ジシクロペンタジエン、ナフタレン、ビフェニル、フェニルのうち少なくとも一つの化学構造を含むものである、請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. かかる[A]〜[C]を、下記式(a)〜(c)を満たす配合比で含む、請求項1または2記載のエポキシ樹脂組成物。
    0.2≦A/(A+B+D)≦0.6 (a)
    0.4≦B/(A+B+D)≦0.8 (b)
    0.02≦C/(A+B+D)≦0.4 (c)
    (各式中、A、B、Cは、それぞれ[A]、[B]、[C]の質量、Dは[A]、[B]以外のエポキシ樹脂の質量)
  4. [A]、[B]以外のエポキシ樹脂[D]を、下記式(d)を満たす配合比で含む、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
    0≦D/(A+B+D)≦0.3 (d)
  5. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物であって、DMAによる室温と150℃の貯蔵弾性率の比が1.1〜1.5の範囲にあるエポキシ樹脂硬化物。
  6. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させたエポキシ樹脂硬化物であって、少なくとも[A]リッチ相と[B]リッチ相を有する相分離構造を有し、その構造周期が0.01〜5μmの範囲にあるエポキシ樹脂硬化物。
  7. 請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグ。
  8. 請求項7に記載のプリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料。
  9. 請求項5または6に記載のエポキシ樹脂硬化物と強化繊維を含む繊維強化複合材料。
  10. 請求項1〜4に記載のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させた硬化物と、強化繊維基材を含む繊維強化複合材料。
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