JP2012056865A - 新規化合物ならびにそれを使用した有機電界発光素子、表示装置および照明装置 - Google Patents

新規化合物ならびにそれを使用した有機電界発光素子、表示装置および照明装置 Download PDF

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Abstract

【課題】安価であり、合成が容易であり、且つ有機EL素子の発光ドーパントとして使用した場合に低い印加電圧で発光を開始する銅錯体及び、前記銅錯体を発光ドーパントとして用いた有機電界発光素子、表示装置および照明装置を提供する。
【解決手段】下記一般式で表される化合物:
Figure 2012056865

(式中、Cuは銅であり、PRはCuに配位するホスフィン化合物である。R〜Rは、それぞれ同じまたは異なってよく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であるか、または置換基を有してもよい芳香環基である。Xは、F、Cl、BrまたはIである。)。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、新規化合物ならびにそれを使用した有機電界発光素子、表示装置および照明装置に関する。
近年、次世代ディスプレイや照明のための発光技術として有機電界発光素子(以下、有機EL素子とも称する)が注目されている。有機EL素子の研究初期は、有機層の発光機構として主に蛍光が用いられてきた。しかし、近年では、より内部量子効率の高いリン光を用いた有機EL素子に注目が集まっている。
近年におけるリン光を用いた有機EL素子の発光層の主流は、有機材料からなるホスト材料中に、イリジウムや白金などを中心金属とする発光性金属錯体をドープしたものである。しかしながら、イリジウム錯体や白金錯体は希少金属で高価であるため、それらを用いた有機EL素子はコストが高くなるという問題がある。一方、銅錯体も同じようにリン光発光を示し、安価であるため、発光材料として使用すればコストを抑えることが期待できる。
これまでに、発光材料として銅錯体を使用した有機EL素子が開示されているが、発光開始電圧が高いという問題を有する。有機EL素子の省エネルギー化および長寿命化のためには、より低い印加電圧で発光を開始する発光ドーパントを使用することが好ましい。
Optical Materials.2007,29,667−671
本発明が解決しようとする課題は、安価であり、合成が容易であり、且つ有機EL素子の発光ドーパントとして使用した場合に低い印加電圧で発光を開始する銅錯体を提供することである。また、前記銅錯体を発光ドーパントとして用いた有機電界発光素子、表示装置および照明装置を提供することである。
上記課題を達成するために、実施形態によれば、下記一般式(1)で表される化合物が提供される:
Figure 2012056865
(式中、Cuは銅である。PRは、Cuに配位するホスフィン化合物であり、R、RおよびRは、それぞれ同じまたは異なってよく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であるか、または置換基を有してもよい芳香環基である。RおよびRは、それぞれ同じまたは異なってよく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であるか、または置換基を有してもよい芳香環基である。R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、またはHである。Xは、F、Cl、BrまたはIである。)。
図1は、実施形態に係る有機電界発光素子を示す断面図である。 図2は、実施形態に係る表示装置を示す回路図である。 図3は、実施形態に係る照明装置を示す断面図である。 図4は、[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]のH−NMRスペクトルを示す図である。 図5は、実施例に係る有機電界発光素子のELスペクトルを示す図である。 図6は、実施例に係る有機電界発光素子の発光特性を示す図である。
以下、実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、実施形態に係る有機電界発光素子を示す断面図である。
有機電界発光素子10は、基板11上に、陽極12、正孔輸送層13、発光層14、電子輸送層15、電子注入層16および陰極17を順次形成した構造を有する。正孔輸送層13、電子輸送層15および電子注入層16は、必要に応じて形成される。
以下、実施形態に係る有機電界発光素子の各部材について詳細に説明する。
発光層14は、陽極側から正孔を、陰極側から電子をそれぞれ受け取り、正孔と電子との再結合の場を提供して発光させる機能を有する層である。この結合によるエネルギーで、発光層中のホスト材料が励起される。励起状態のホスト材料から発光ドーパントへエネルギーが移動することにより、発光ドーパントが励起状態となり、発光ドーパントが再び基底状態に戻る際に発光する。
発光層14は、有機材料からなるホスト材料中に、発光性金属錯体(以下、発光ドーパントと称する)をドープした構成をとる。本実施形態においては、発光ドーパントとして、以下の一般式(1)で表される銅錯体を使用する。
Figure 2012056865
式中、Cuは銅である。PRは、Cuに配位するホスフィン化合物であり、R、RおよびRは、それぞれ同じまたは異なってよく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であるか、または置換基を有してもよい芳香環基である。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。前記芳香環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基等が挙げられ、これらは、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシ基等の置換基で置換されてもよい。RおよびRは、それぞれ同じまたは異なってよく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であるか、または置換基を有してもよい芳香環基である。前記アルキル基の具体例としては、メチル基、イソプロピル基、シクロヘキシル基等が挙げられる。前記芳香環基の具体例としては、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基等が挙げられ、これらは、アルキル基、ハロゲン原子、カルボキシ基等の置換基で置換されてもよい。R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、またはHである。R、R、RまたはRがアルキル基である場合、その具体例としては、フェニル基、ナフチル基、フェノキシ基等が挙げられる。Xは、F、Cl、BrまたはIである。
発光ドーパントとして銅錯体を使用することにより、イリジウム錯体や白金錯体を使用した場合よりコストを抑えて有機EL素子を作製することができる。また、上記一般式(1)で示した銅錯体は、発光ドーパントとしての用途が既知である他の銅錯体に比べて、容易に合成することができる。
さらに、上記一般式(1)で表される銅錯体は、有機EL素子の発光ドーパントとして使用した場合、従来と比較して低い印加電圧で発光を開始する。低い印加電圧で同じ発光量を得られれば、消費電力が少なくて済み、材料の劣化も抑えられる。従って、上記一般式(1)の銅錯体を発光ドーパントとして使用すると、他の銅錯体を使用した場合と比較して、有機EL素子を省エネルギー化および長寿命化することができる。
以下に、上記一般式(1)で表される銅錯体の合成スキームを示す。反応式中、R〜RおよびXは、上記で定義した通りである。
Figure 2012056865
上記一般式(1)で表される銅錯体の具体例としては、ピリジン(py)とジフェニルホスフィン(PPh)をエチレン鎖で結合した配位子(PyC2PPh)、トリフェニルホスフィン配位子(PPh)、およびBrがCuに配位した銅錯体([CuBr(PyC2PPh)(PPh)])が挙げられる。[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]の構造を以下に示す。
Figure 2012056865
ホスト材料としては、発光ドーパントへのエネルギー移動効率の高い材料を使用することが好ましい。発光ドーパントとしてリン光発光ドーパントを用いる場合に使用されるホスト材料は、低分子系と高分子系とに大別される。低分子系ホスト材料を含む発光層は、主に低分子系ホスト材料および発光ドーパントを真空共蒸着することによって成膜される。高分子系ホスト材料を含む発光層は、主に高分子系ホスト材料および発光ドーパントを混合した溶液を塗布することによって成膜される。低分子系ホスト材料の代表例は、1,3−ビス(カルバゾール−9−イル)ベンゼン(mCP)等である。高分子系ホスト材料の代表例は、ポリビニルカルバゾール(PVK)等である。本実施形態では、ホスト材料として、他に、4,4’−ビス(9−ジカルバゾリル)−2,2’−ビフェニル(CBP)、
p−ビス(トリフェニルシリル)ベンゼン(UGH2)等を使用することができる。
正孔輸送性の強いホスト材料を使用する場合、発光層内の正孔と電子とのキャリアバランスがとれず、発光効率が低下するという問題が生じ得る。そこで、発光層中にさらに電子注入・輸送材料を含有させてもよい。逆に、電子輸送性の強いホスト材料を使用する場合には、発光層中にさらに正孔注入・輸送材料を含有させてもよい。このような構成とすることで、発光層内の正孔と電子とのキャリアバランスがとれ、発光効率が向上する。
発光層14の成膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えばスピンコート法を使用することが可能である。発光ドーパントおよびホスト材料を含む溶液を所望の膜厚に塗布した後、ホットプレート等で加熱乾燥する。塗布する溶液は、予めフィルターでろ過したものを使用してもよい。
発光層14の厚さは、10〜100nmであることが好ましい。発光層14におけるホスト材料と発光ドーパントの割合は、本発明の効果を損なわない限り任意である。
基板11は、他の部材を支持するためのものである。この基板11は、熱や有機溶剤によって変質しないものが好ましい。基板11の材料としては、例えば、無アルカリガラス、石英ガラス等の無機材料、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリイミド、ポリアミド、ポリアミドイミド、液晶ポリマー、シクロオレフィンポリマー等のプラスチック、高分子フィルム、およびステンレス鋼(SUS)、シリコン等の金属基板が挙げられる。発光を取り出すため、ガラス、合成樹脂等からなる透明な基板を用いることが好ましい。基板11の形状、構造、大きさ等について特に制限はなく、用途、目的等に応じて適宜選択することができる。基板11の厚さは、その他の部材を支持するために十分な強度があれば、特に限定されない。
陽極12は、基板11の上に積層される。陽極12は、正孔輸送層13または発光層14に正孔を注入する。陽極12の材料としては、導電性を有するものであれば特に限定されない。通常は、透明または半透明の導電性を有する材料を、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で成膜する。例えば、導電性の金属酸化物膜、半透明の金属薄膜等を陽極12として使用することができる。具体的には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、およびそれらの複合体であるインジウム錫酸化物(ITO)、フッ素ドープ酸化スズ(FTO)、インジウム亜鉛酸化物等からなる導電性ガラスを用いて作製された膜(NESA等)や、金、白金、銀、銅等が用いられる。特に、ITOからなる透明電極であることが好ましい。また、電極材料として、有機系の導電性ポリマーであるポリアニリンおよびその誘導体、ポリチオフェンおよびその誘導体等を用いてもよい。陽極12の膜厚は、ITOの場合、30〜300nmであることが好ましい。30nmより薄くすると、導電性が低下して抵抗が高くなり、発光効率低下の原因となる。300nmよりも厚くすると、ITOに可撓性がなくなり、応力が作用するとひび割れが生じる。陽極12は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料からなる層を積層したものであってもよい。
正孔輸送層13は、陽極12と発光層14との間に任意に配置される。正孔輸送層13は、陽極12から正孔を受け取り、発光層側へ輸送する機能を有する層である。正孔輸送層13の材料としては、例えば、導電性インクであるポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレン・スルホン酸)[以下、PEDOT:PSSと記す]のようなポリチオフェン系ポリマーを使用することができるが、これに限定されない。正孔輸送層13の成膜方法は、薄膜を形成できる方法であれば特に限定されないが、例えばスピンコート法を使用することが可能である。正孔輸送層13の溶液を所望の膜厚に塗布した後、ホットプレート等で加熱乾燥する。塗布する溶液は、予めフィルターでろ過したものを使用してもよい。
電子輸送層15は、任意に、発光層14の上に積層される。電子輸送層13は、電子注入層16から電子を受け取り、発光層14へ輸送する機能を有する層である。電子輸送層15の材料としては、例えば、トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン[以下、3TPYMBと記す]、トリス(8−ヒドロキシキノリノラト)アルミニウム錯体(Alq3)、バソフェナントロリン(BPhen)等を使用することができるが、これらに限定されない。電子輸送層15は、真空蒸着法、塗布法等で成膜する。
電子注入層16は、任意に、電子輸送層15の上に積層される。電子注入層16は、陰極17から電子を受け取り、電子輸送層15または発光層14へ注入する機能を有する層である。電子注入層16の材料としては、例えば、CsF、LiF等を使用することができるが、これらに限定されない。電子注入層16は、真空蒸着法、塗布法等で成膜する。
陰極17は、発光層14(または電子輸送層15もしくは電子注入層16)の上に積層される。陰極17は、発光層14(または電子輸送層15もしくは電子注入層16)に電子を注入する。通常、透明または半透明の導電性を有する材料を真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法、塗布法等で成膜する。電極材料としては、導電性の金属酸化物膜、金属薄膜等が挙げられる。陽極12を仕事関数の高い材料を用いて形成した場合、陰極17には仕事関数の低い材料を用いることが好ましい。仕事関数の低い材料としては、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属等が挙げられる。具体的には、Li、In、Al、Ca、Mg、Na、K、Yb、Cs等を挙げることができる。
陰極17は、単層であってもよく、異なる仕事関数の材料で構成される層を積層したものであってもよい。また、2種以上の金属の合金を使用してもよい。合金の例としては、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。
陰極17の膜厚は、10〜150nmであることが好ましい。膜厚が上記範囲より薄い場合は、抵抗が大きくなりすぎる。膜厚が厚い場合には、陰極17の成膜に長時間を要し、隣接する層にダメージを与えて性能が劣化する。
以上、基板の上に陽極を積層し、基板と反対側に陰極を配置した構成の有機電界発光素子について説明したが、陰極側に基板を配置してもよい。
図2は、本発明の実施態様に係る表示装置を示す回路図である。
図2に示す表示装置20は、横方向の制御線(CL)と縦方向の信号線(DL)がマトリックス状に配置された回路の中に、それぞれ画素21を配置した構成をとる。画素21には、発光素子25および発光素子25に接続された薄膜トランジスタ(TFT)26が含まれる。TFT26の一方の端子は制御線に接続され、他方の端子は信号線に接続される。信号線は、信号線駆動回路22に接続されている。また、制御線は、制御線駆動回路23に接続されている。信号線駆動回路22および制御線駆動回路23は、コントローラ24により制御される。
図3は、本発明の実施態様に係る照明装置を示す断面図である。
照明装置100は、ガラス基板101上に、陽極107、有機EL層106、および陰極105を順次積層した構成をとる。封止ガラス102は、陰極105を覆うように配置され、UV接着剤104を用いて固定される。封止ガラス102の陰極105側の面には、乾燥剤103が設置される。
<[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]の合成>
100mL茄子フラスコに、臭化銅(I)ジメチルスルフィド(69.8mg,0.34mmol)と2−(2−(ジフェニルホスフィノ)エチル)ピリジン(PyC2PPh)(99.1mg,0.34mmol)を入れ、真空乾燥を行った。茄子フラスコ内を窒素で置換し、窒素置換したシリンジを用いて、窒素バブリングしたクロロホルムを20mL加えた。室温で6時間撹拌した後、真空乾燥したトリフェニルホスフィン(88.7mg,0.34mmol)を加えた。室温下でさらに6時間撹拌した後、反応溶液をろ過して不溶物を取り除いた。ろ液の溶媒を留去した後、真空乾燥を行うと固体が析出した。得られた固体をクロロホルム(富溶媒)に溶かし、ジエチルエーテル(貧溶媒)を拡散させてゆっくり加えると、白色固体が析出した。ろ過して析出物を単離し、目的物質である[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]を得た(収率88%)。
上記合成反応の反応スキームを以下に示す。
Figure 2012056865
上記方法で合成した[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]のH−NMRスペクトル(CDCl,270MHz)を図4に示す。
<有機EL素子の作製>
合成した[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]を発光ドーパントとして使用して有機EL素子を作製した。この素子の層構成は、以下の通りである。
ITO 100nm/PEDOT:PSS 55nm/PVK:OXD−7:[CuBr(PyC2PPh)(PPh)] 70nm/3TPYMB 25nm/CsF 1nm/Al 150nm。
陰極は、厚さ100nmのITO(インジウムスズ酸化物)からなる透明電極である。
正孔輸送層の材料には、導電性インクであるポリ(エチレンジオキシチオフェン):ポリ(スチレン・スルホン酸)[PEDOT:PSS]の水溶液を用いた。PEDOT:PSSの水溶液をスピンコートによって塗布し、加熱して乾燥させることにより正孔輸送層を55nmの厚さに形成した。
発光層の材料には、ホスト材料としてポリビニルカルバゾール[PVK]、電子輸送材料として1,3−ビス(2−(4−ターシャリーブチルフェニル)−1,3,4−オキシジアゾル−5−イル)ベンゼン[OXD−7]、発光ドーパントとして[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]を用いた。PVKは正孔輸送性ホスト材料であり、OXD−7は電子輸送性材料である。従って、これらを混合したものをホスト材料として用いることにより、電圧印加時に電子と正孔を効率良く発光層に注入することが出来る。重量比でPVK:OXD−7:[CuBr(PyC2PPh)(PPh)]=60:30:10となるよう秤量し、これらをクロロベンゼンに溶解した溶液をスピンコートによって塗布し、加熱して乾燥させることにより発光層を70nmの厚さに形成した。
電子輸送層は、トリス[3−(3−ピリジル)−メシチル]ボラン[3TPYMB]を真空蒸着することにより25nmの厚さに形成した。電子注入層は厚さ1nmのCsFで形成し、陰極は厚さ150nmのAlで形成した。
<ELスペクトルの測定>
上記のように作製した有機EL素子について、電圧印加時のエレクトロルミネッセンス(EL)スペクトルを測定した。測定は、浜松フォトニクス製、高感度マルチチャンネル分光器C10027−01を用いて行った。その結果を図5に示す。560nmに発光ピークをもつELスペクトルが得られた。
<有機EL素子の発光特性>
上記のように作製した有機EL素子について、発光特性を調べた。図6(a)は、素子の電圧と電流密度との関係を示す図である。図6(b)は、素子の電圧と輝度との関係を示す図である。輝度は、浜松フォトニクス社製視感度フィルタ付きSiフォトダイオードS7610を用いて測定した。また、電流および電圧の測定は、HEWLETT PACKARD社製半導体パラメータアナライザ4156bを用いて行った。
電圧の印加と共に電流密度は上昇し、4.5Vで発光が開始した。それに対して、先行技術文献として挙げたOptical Materials.2007,29,667−671(非特許文献1)に記載されている銅錯体を用いた有機EL素子の発光開始電圧は、10Vである。従って、本実施例の有機EL素子は、非特許文献1の有機EL素子と比較して、発光開始電圧が5.0V程度低かった。また、本実施例の有機EL素子の輝度は、8Vで10cd/cmであった。
上記実施形態または実施例によれば、安価であり、合成が容易であり、且つ有機EL素子の発光ドーパントとして使用した場合に低い印加電圧で発光を開始する銅錯体を提供することができる。また、前記銅錯体を発光ドーパントとして用いた有機電界発光素子、表示装置および照明装置を提供することができる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…有機電界発光素子、11…基板、12…陽極、13…正孔輸送層、14…発光層、15…電子輸送層、16…電子注入層、17…陰極、20…表示装置、21…画素、22…信号線駆動回路、23…制御線駆動回路、24…コントローラ、25…発光素子、26…TFT、100…照明装置、101…ガラス基板、102…封止ガラス、103…乾燥剤、104…UV接着剤、105…陰極、106…有機EL層、107…陽極。

Claims (5)

  1. 下記一般式(1)で表される化合物:
    Figure 2012056865
    (式中、Cuは銅である。PRは、Cuに配位するホスフィン化合物であり、R、RおよびRは、それぞれ同じまたは異なってよく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であるか、または置換基を有してもよい芳香環基である。RおよびRは、それぞれ同じまたは異なってよく、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基であるか、または置換基を有してもよい芳香環基である。R、R、RおよびRは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、炭素数1〜6の直鎖状、分岐状もしくは環状のアルキル基、またはHである。Xは、F、Cl、BrまたはIである。)。
  2. 互いに離間して配置された陽極および陰極と、
    前記陽極と前記陰極との間に配置され、ホスト材料および発光ドーパントを含む発光層と
    を具備する有機電界発光素子であって、
    前記発光ドーパントとして、請求項1に記載の化合物を含むことを特徴とする有機電界発光素子。
  3. 前記ホスト材料は、低分子または高分子であることを特徴とする請求項2に記載の有機電界発光素子。
  4. 請求項2に記載の有機電界発光素子を具備することを特徴とする表示装置。
  5. 請求項2に記載の有機電界発光素子を具備することを特徴とする照明装置。
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