JP2012053470A - 光導波路構造体、その製造方法、モード同期光ファイバレーザ装置、微粒子堆積方法および微粒子抽出方法。 - Google Patents

光導波路構造体、その製造方法、モード同期光ファイバレーザ装置、微粒子堆積方法および微粒子抽出方法。 Download PDF

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Abstract

【課題】取り扱いが困難であったカーボンナノチューブをはじめとする微粒子を容易に必要な場所に堆積・配置することを可能とする。
【解決手段】光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体を用意し、微粒子を分散させた媒体中に端面を浸積した状態で、光導波路の露出部からレーザ光を出射し、光導波路の露出部および/または光導波路の露出部周縁に、微粒子を位置選択的に堆積する。
【選択図】図1

Description

本発明は、光導波路構造体およびその製造方法、モード同期光ファイバレーザ装置、微粒子堆積方法および微粒子抽出方法に関する。
近年、光分野において、カーボンナノチューブは、応用が期待される新しい材料となっている。特許文献1には、カーボンナノチューブの可飽和吸収機能を利用した、光スイッチ、可飽和吸収ミラー、波形成型器、あるいは超解像光ディスクといった光学素子が報告されている。また、特許文献2には、カーボンナノチューブを可飽和吸収体として用いることにより、光通信における信号光の雑音を低減した雑音低減装置が報告されている。
カーボンナノチューブの可飽和吸収機能を好適に発現させるためには、光学素子や光学材料表面にカーボンナノチューブを堆積させた薄膜を作製することが必要である。この薄膜を作製する方法として、特許文献1には、スプレー法、電気泳動製膜法、ポリマー分散法等が例示されている。
スプレー法によれば、カーボンナノチューブを分散媒体に分散させて得られた分散液を光学材料にスプレー塗布することによってカーボンナノチューブの薄膜が作製される。
また、ポリマー分散法によれば、精製されたカーボンナノチューブをポリスチレン等のポリマーの有機溶媒溶液中に分散し、スピンコーター等の任意の塗布手段で被塗布表面に塗布される。
その他の方法として、特許文献1には、カーボンナノチューブ製造装置内に基板等の被塗布物を挿入し、直接被塗布物表面にカーボンナノチューブを捕集する方法も記載されている。この場合、製膜後に、空気中酸化法により不純物であるアモルファスカーボンを除去し、真空中高温加熱昇華法により金属触媒を除去することにより、純度の高いカーボンナノチューブに精製することが可能であり、利用可能なカーボンナノチューブの薄膜を得ている。
以上、カーボンナノチューブの可飽和吸収機能に関する技術の一例を示したが、カーボンナノチューブの応用技術は、これに限定されるものではない。カーボンナノチューブは、その幾何学的、物理学的特徴を利用することにより、複合材料、電子材料、電子源、ナノテクノロジー、バイオテクノロジー、医薬、エネルギー及び化学といったさまざま分野に応用されている。
特開2003−121892号公報 特開2003−248251号公報
しかしながら、上記の従来技術は、以下の改善の余地を有していた。
まず、これらの手法では、位置選択的にカーボンナノチューブの薄膜を作製することが困難である。
例えば、光ファイバレーザ装置の場合、端面に露出させた、光路となる部分(コア部分)がカーボンナノチューブで覆われることにより、カーボンナノチューブの可飽和吸収機能を発揮させることができる。
しかしながら、上記の従来技術を用いて光ファイバ端面上にカーボンナノチューブの薄膜を作製する場合、コア部に選択的にカーボンナノチューブを配置することができず、クラッド部にもカーボンナノチューブが配置されてしまう。したがって、光路となる位置をカーボンナノチューブの薄膜で覆うためには、過剰なカーボンナノチューブが必要となり、カーボンナノチューブの利用効率を低下させてしまう。
また、カーボンナノチューブには、カーボンナノチューブどうしの強い相互の凝集力(ファンデルワールス力)を有することから、カーボンナノチューブが束状および縄状になったり、被塗物表面でカーボンナノチューブが凝集し、大きな塊になる等、取り扱いが困難である。このようなカーボンナノチューブの性質は、カーボンナノチューブの利用効率をさらに低下させることとなる。
以上、光ファイバ端面にカーボンナノチューブ薄膜を作製する技術を例に挙げて説明したが、これに限らず、光導波路構造体にカーボンナノチューブ薄膜を作製する場合や、カーボンナノチューブ、アモルファスカーボン粒子、カーボンナノホーン、フラーレン等のナノカーボン、金属微粒子等の微粒子を用いた場合にも共通の課題が挙げられる。
本発明は、取り扱いが困難であったカーボンナノチューブをはじめとする微粒子を容易に必要な場所に堆積・配置することを可能とする。
本発明によれば、光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体を用意する工程と、微粒子を分散させた媒体中に前記端面を浸積した状態で、前記光導波路の露出部からレーザ光を出射し、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、前記微粒子を位置選択的に堆積させる工程と、を含むことを特徴とする光導波路構造体の製造方法が提供される。
本発明の製造方法によれば、光導波路の端面から出射されたレーザ光は、導波路の端面から出射して拡がっていく。このとき、導波路の端面には、光ピンセットの原理により、「捕捉する力」が働くことになる。一方、端面は、微粒子を分散させた媒体に浸積されている。したがって、媒体中に浮遊する微粒子は、光ピンセットの「捕捉する力」によって、導波路の端面に捕捉されることとなり、導波路の端面および/またはその周縁に微粒子を位置選択的に堆積させることが可能となる。
また、本発明によれば、光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体であって、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、微粒子を位置選択的に堆積させた光導波路構造体が提供される。
また、本発明によれば、レーザ光源を有するとともに、前記レーザ光源からの光が供給される光増幅領域が形成され、前記光増幅領域から出射された光の一部を再度、前記光増幅領域に導入するとともに、前記光増幅領域から出射された光の他の一部を出力するモード同期光ファイバレーザ装置であって、前記光増幅領域に請求項8に記載の光導波路構造体を備えることを特徴とするモード同期光ファイバレーザ装置が提供される。
また、本発明によれば、光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体を用意する工程と、微粒子を分散させた媒体中に前記端面を浸積した状態で、前記光導波路の露出部からレーザ光を出射し、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、前記微粒子を位置選択的に堆積させる工程と、を含む、微粒子堆積方法が提供される。
また、本発明によれば、光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体を用意する工程と、複数種類の微粒子を分散させた媒体中に前記端面を浸積した状態で、前記光導波路の露出部からレーザ光を出射し、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、特定の微粒子を位置選択的に堆積させる工程と、前記光導波路構造体から前記特定の微粒子を剥離して抽出する工程と、を含む、微粒子抽出方法が提供される。
本発明によれば、微粒子を分散させた媒体中に、レーザ光の出射端面を浸積させることにより、微粒子を位置選択的に堆積することができ、微粒子の堆積物を簡易に効率よく作製することができる。
第1の実施形態を説明する装置を模式的に示す図である。 第1の実施形態を説明する図とラマンスペクトルである。 第1の実施形態を説明する図とラマンスペクトルである。 第1の実施形態を説明する装置を模式的に示す図である。 (a)第1の実施形態を説明するグラフである。(b)第1の実施形態を説明する図である。 (a)第1の実施形態を説明するグラフである。(b)第1の実施形態を説明する図である。 第1の実施形態の効果を説明する図である。 第1の実施形態の効果を説明する図である。 第2の実施形態のモード同期光ファイバレーザ装置である。 (a)第2の実施形態を説明する図である。(b)第2の実施形態を説明するグラフである。 (a)第2の実施形態を説明する光スペクトルである。(b)第2の実施形態を説明する光スペクトルである。(c)第2の実施形態を説明するグラフである。 第3の実施形態を説明する装置を模式的に示す図である。 第3の実施形態を説明する図である。 (a)第3の実施形態を説明する図である。(b)第3の実施形態を説明する図である。(c)第3の実施形態を説明する図である。 第4の実施形態のモード同期光ファイバレーザ装置である。 第4の実施形態を説明する図である。 第4の実施形態を説明する光スペクトルである。 本発明の実施形態を例示する模式図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、すべて図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。
(第1の実施形態)
本実施形態では、光導波路構造体の一例として光ファイバを用い、微粒子の一例として、カーボンナノチューブを用いる。
光ファイバは、光導波路であるコア部と、コア部の周囲を取り囲む光閉じこめ層であるクラッド部と、レーザ光の出射する端面を備える。カーボンナノチューブを分散させた液体にこの光ファイバ端面を浸積し、光ファイバ端面からレーザ光を出射させることにより、液体中に分散させたカーボンナノチューブをコア部及びコア・クラッド境界の周囲に位置選択的に堆積させる。
図1は、本実施形態に係る光導波路構造体の製造方法の概略構成を示す図である。
具体的には、この装置は、レーザ光源101と、レーザ光源101からのレーザ光が供給される光増幅器102と、光ファイバ103と、カーボンナノチューブを分散させた液体104とを備える。
レーザ光源101の出力は、ここでは、光ファイバを経由して取り出されるが、光路の構造は、特に限定されるものではなく空間系や平面導波路系であってもよい。
レーザ光源101は、波長1560nmのレーザ光を出力するが、レーザ光の波長は、これに限定されるものではない。レーザ光の波長は、短波長のレーザ光であっても、長波長のレーザ光であってもよいが、実用性を考えると、短波長のレーザ光が好ましい。
光増幅器102は、希土類ドープ光ファイバ増幅器を用いることができる。この希土類ドープ光ファイバ増幅器は、希土類添加光ファイバを有している。希土類添加光ファイバとは、シングルモードの光ファイバのコア部にイッテルビウム(Yb)や、エルビウム(Er)等の希土類(光増幅媒体)が添加された光ファイバである。光増幅媒体は、レーザ光源からの光により励起され、光を増幅する。
本実施形態では、エルビウム(Er)添加光ファイバを使用するが、これに限定されるものではなく、光ファイバラマン増幅器であってもよい。
光ファイバ103は、コア・クラッド構造を持つものであれば、何でもよいが、たとえば、単一モード光ファイバや分散シフトファイバを用いることができる。光ファイバの材料も特に限定されず、石英光ファイバであってもよいし、プラスチック光ファイバであってもよい。光ファイバ103の一方の端面は、光軸(光ファイバの長手方向)に対して90度に切られている。光ファイバ103の他端は、光増幅器102に接続されている。
液体は、カーボンナノチューブを適当に分散させるものであれば何でもよい。好ましくは、DMF(ジメチルホルムアミド)、ジクロロエタン、アルコール等を用いることができ、DMFを用いることがより好ましい。この液体には、界面活性剤等を添加したものであってもよいし、2種類以上の液体を混合させた混合溶媒であってもよい。
カーボンナノチューブは、単層カーボンナノチューブであってもよいし、多層カーボンナノチューブであってもよい。また、カーボンナノチューブは、装飾されていても、未装飾であってもよい。装飾したカーボンナノチューブを用いる場合、端部がカルボキシル基あるいはヒドロキシ基により装飾されたオープンエンドのカーボンナノチューブであることが好ましい。このような装飾したカーボンナノチューブは、溶媒中に分散させやすい。カーボンナノチューブは、従来公知の製造方法を採用して製造することができる。
まず、光ファイバ103を光軸方向に直角に切断し、コア部とクラッド部を露出させて、レーザ光の出射端面を作製する。
続いて、カーボンナノチューブを分散させた液体104に、作製した光ファイバ端面を浸す。レーザ光源101から出射した連続光を光増幅器102により増幅し、光ファイバ端面から出射して、カーボンナノチューブを光ファイバ端面に堆積させる。
ここで、光強度を調節すれば、安定して光ファイバ端面にカーボンナノチューブを位置選択的に堆積させることができる。
光強度とカーボンナノチューブ堆積の位置選択性の関係は、カーボンナノチューブの凝集の大きさや分散によって、異なるものである。また、カーボンナノチューブの種類によっても変化する。したがって、光強度は、カーボンナノチューブの状態に応じて適宜設定されるものであり、カーボンナノチューブの分散溶媒毎に調整することにより、安定してカーボンナノチューブを堆積させることができる。光強度の上限は、溶媒の沸点に依存し、熱的に溶媒が蒸発しない程度に設定することができる。また、光強度の下限は、低い方が好ましく、堆積可能な閾値とすると、より安定してカーボンナノチューブを堆積させることができる。たとえば、5dBm以上40dBm以下の範囲では、コア部、及びコア・クラッド境界の周囲に位置選択的にカーボンナノチューブを堆積させることができる。
以下に、光強度を変えて、単一モード光ファイバ(SMF)の端面にカーボンナノチューブを堆積させた例を示す。
図2(a)(b)(c)は、SMFの端面に堆積したカーボンナノチューブの図である。また、図2(d)(e)(f)は、堆積したカーボンナノチューブのラマンスペクトルである。ラマンスペクトル中の250cm−1近傍に存在する小さなピーク(RBM、Radidal Bleathing Mode)は、カーボンナノチューブの存在を示す。図とラマンスペクトルを取得した位置の対応関係を円とピークの線種で示している。円は、直径2ミクロンであり、図上の実線の円は、SMFのコア部分に相当する。
レーザ光の光強度は、20.0、21.5、22.0dBmとした。
21.5dBmの入射光では、SMF端面の中心のコア近傍にカーボンナノチューブが堆積した(図2(b)(e))。20.0dBmの入射光では、光ピンセットによるカーボンナノチューブの堆積は認められず、偶発的に端の方に堆積したカーボンナノチューブが検出された(図2(a)(d))。一方、入射光強度が22.0dBmの場合には、SMF端面のコア近傍にはカーボンチューブが堆積されず、コア・クラッド境界の周縁にカーボンナノチューブが堆積した(図2(c)(f))。
以下に、光強度を変えて、分散シフトファイバ(DSF)の端面にカーボンナノチューブを堆積させた例を示す。
図3(a)は、DSFに堆積したカーボンナノチューブの図である。また、図3(b)は、DSFに堆積したカーボンナノチューブのラマンスペクトルである。ラマンスペクトルは、光ファイバ端面のコア部について測定したものである。入射光は、19.0dBmとした。図3(b)のラマンスペクトル中の250cm−1近傍に小さなピークが存在することから、DSF端面へのカーボンナノチューブの堆積が検出された。
入射光の強度を19.0〜20.0dBmとすると、DSF端面の中心のコア近傍にカーボンナノチューブが堆積した。また、18.5dBm未満の入射光にすると、光ピンセットによるカーボンナノチューブの堆積は認められなかった。一方、入射光強度を21.5dBmより高くすると、DMF端面のコア近傍にはカーボンチューブが堆積されず、コア部とクラッド部の境界から外側にカーボンナノチューブが堆積した。
また、本実施形態には、光リフレクトメトリを導入することができる。
光リフレクトメトリとは、光の反射光から様々な情報を測定する技術である。
図4は、光リフレクトメトリを導入した本実施形態の装置を示す。
図4に示す装置は、基本的には、図1と同様であるが、2つのパワーメータ405、406と、減衰器407と、サーキュレータ408を備える。
以下に、光リフレクトメトリを導入した本実施形態の実施例を示す。
光ファイバ103として、単一モード光ファイバを用いた。
光増幅器の出射光を10%分岐し、パワーメータ405で測定し、光ファイバ103端面の入力光強度をモニタした。高強度の光からパワーメータ405を保護するため、20dBの減衰器407をパワーメータ405の前に挿入した。光増幅器102の出射光のうち残りの90%の光は、サーキュレータ408を通り、90度にカットした光ファイバ103端面を通して、カーボンナノチューブを分散した液体104に入射させた。光ファイバと液体の界面で反射された光はサーキュレータ408を通して、もう一方のパワーメータ406でその強度を測定した。パワーメータ405、406の値は、500ミリ秒毎に記録した。また、液体には、DMFを用いた。
光ファイバとDMFの屈折率差は小さいため、カーボンナノチューブ堆積前の反射率は、−40dB程度であった。入射光強度は、22dB程度に上げて一定にした。光強度を上げた後、すぐには堆積が開始されなかったが、ある一定の時間が経った後に、カーボンナノチューブの堆積が開始した。
図5(a)は、堆積開始後8秒程度で光入力を止めた場合、入力光強度と反射率波形の関係を示すグラフである。図5(b)は、光ファイバ端面に堆積したカーボンナノチューブを示す図である。図5(b)で示すように、カーボンナノチューブ層は薄く堆積した。
図6(a)は、堆積開始後300秒ほど光入力を続けた場合の入力光強度と反射率波形の関係を示すグラフである。図6(b)は、光ファイバ端面に堆積したカーボンナノチューブを示す図である。図6(b)で示すように、光ファイバ端面のカーボンナノチューブ層は厚く堆積した。
したがって、カーボンナノチューブの堆積時間の長さによってカーボンナノチューブの厚さを調整することが示された。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態では、光デバイスの光路を通過する光の光ピンセットによりカーボンナノチューブを堆積することができる。これにより、光路から大きく逸脱する箇所への堆積・拡散もなく、カーボンナノチューブは効率的に利用され、堆積時間も大幅に短縮することができる。
光ピンセットとは、光子の持つ運動量を元にした運動量保存則に基づく対象物の捕捉手法である。図7に光ピンセット原理の模式図を示す。
光が物質に入射して屈折することは、運動量ベクトルが変化したことを意味し、運動量保存則の観点から屈折した逆方向へ物質を押していることになる。この「押す力」は、図7(a)で示すように、光を集光することにより「ひく力」「捕捉する力」とすることができる。したがって、レンズの集光点近傍が対象物を捕らえる点となり、図7(b)で示すように、集光点に対象物が捕捉される。通常はその力が小さいため観測されないが、対象物が微小であり、光強度が強い場合には、対象物をとらえることができる。また、光軸から対象物がずれた場合でも、ある程度であれば、図7(c)で示すように復元力が働き、集光点に戻される。この点を利用して、集光点を掃引することにより、対象物も操作することが可能である。
以上のような説明は、対象物が光の波長と同程度以上の大きさの場合に成り立つ。対象物がそれ以下のサイズであった場合は、対象物を電気双極子と仮定して、光強度勾配により発生するローレンツ力により集光点に対象物を捕捉することが出来る。
本実施形態では、光ファイバに入射したレーザ光は、光ファイバ内部を進み、光ファイバ端面のコア部から出射して液体中に拡がっていく。したがって、光ファイバ端面のコア部全体に、光ピンセットの原理により、「捕捉する力」が働くことなる。この「捕捉する力」は、コア部の中心点でもっとも強く働き、中心点から外側に向かって弱くなっていくと考えられる。
本実施形態は、カーボンナノチューブを液体に適切に分散させ、この媒体に光ファイバ端面を浸積させたことに大きな特徴を有する。これにより、媒体中に浮遊する微粒子は、光ピンセットの「捕捉する力」によって、光ファイバ端面のコア部に選択的に捕捉されることとなる(図8)。そして、光を連続して出射することにより、光ファイバ端面のコア部及びコア・クラッド境界の周辺に微粒子を堆積させることが可能となる。
コア・クラッド境界の周辺にカーボンナノチューブが堆積する理由は、明らかではないが、端面から出射したレーザ光の熱によって液体の対流が生ずることが一因と推測される。また、後述するが、レーザ光の強度を上げることにより、カーボンナノチューブが端面で球状に堆積することが明らかとなっている。つまり、球状のカーボンナノチューブの堆積物がコア部を覆うことにより、コア部への堆積が阻害される結果、コア・クラッド境界の周辺に微粒子が堆積するとも考えられる。
本実施形態によれば、コア部とコア部の同心円上に位置選択的にカーボンナノチューブを堆積することができ、カーボンナノチューブの利用効率を向上させることができる。カーボンナノチューブが堆積する領域を光ファイバの断面積の50%にすれば、使用するカーボンナノチューブを節約でき、カーボンナノチューブが堆積する領域を光ファイバの断面積の20%とすれば、さらにカーボンナノチューブの使用量を節約することができる。
また、本実施形態は、光路にカーボンナノチューブを集める技術であることから、カーボンナノチューブの堆積の位置調整が不必要となる。必要となる設備も基本的には光源だけであり、装置の単純化にも貢献することができる。
また、単一モード光ファイバよりも開口数の大きい分散シフトファイバを用いることにより、単一モード光ファイバより少ない光強度でカーボンナノチューブを堆積することができる。また、コア部に選択的に堆積できる光強度の範囲も拡げることが可能となる。
さらに、本実施形態には、光リフレクトメトリを導入することができる。光リフレクトメトリとは、光の反射光から様々な情報を測定する技術である。光ファイバ、DMF等の溶媒または空気、カーボンナノチューブの屈折率はそれぞれ異なる(光ファイバ:1.46、DMF:1.42、空気:1.0、カーボンナノチューブ:〜3.0)ことから、光ファイバ端面にカーボンナノチューブが堆積することにより、反射率が変化する。これにより、カーボンナノチューブの堆積開始時間を検知することができる。
光ピンセットによる光ファイバ端面へのカーボンナノチューブの堆積は、光ファイバ端の近傍に偶然浮遊してきたカーボンナノチューブを捕捉することにより開始する。一度カーボンナノチューブが堆積されれば、それを核としてカーボンナノチューブ同士が絡まる効果により、堆積が持続的に行われる。したがって、光リフレクトメトリによって堆積開始時間が定まることから、堆積時間から堆積量を調整することが可能となる。
また、図6(a)のグラフでは、カーボンナノチューブの堆積開始時には、反射率の揺らぎが大きかったものが、次第に揺らぎが小さくなっている。これは、カーボンナノチューブが堆積されるにつれて、次第に層が均一になっていることを示すものである。したがって、光リフレクトメトリによって、カーボンナノチューブ層の均一性を測定することができる。
以上のことから、光リフレクトメトリを導入することにより、カーボンナノチューブの堆積層の厚さの制御およびその均一性を見積もることが可能となる。また、カーボンナノチューブの堆積を媒体から光ファイバを取り出すことなく確認できるため、堆積条件、特に入力光強度を調整しながら、最適化を行うことができる。
また、再現よく、光ファイバ端面へカーボンナノチューブを堆積させることができる。
(第2の実施形態)
図9は、本実施形態に係る受動モード同期光ファイバレーザ装置の概略構成を示す図である。
レーザ光源を有するとともに、レーザ光源からの光が供給される光増幅領域902が形成されている。光増幅領域902から出射された光の一部を再度、光増幅領域902に導入する。光増幅領域902から出射された光の他の一部を出力する。光増幅領域902に光導波路構造体として増幅用光ファイバを備える。
具体的には、この受動モード同期光ファイバレーザ装置は、励起用レーザ光源と増幅用光ファイバを内蔵する光増幅領域902と、光ファイバ903と、アイソレータ907と、偏波コントローラ(Polarization Controller:PC)908とカプラ909を備える。
光ファイバ903の出射端面は、カーボンナノチューブ層906を備える。このカーボンナノチューブ層906を作成する方法として、カーボンナノチューブを分散させた媒体中に光ファイバ端面を浸積し、光ファイバ端面からレーザ光を出射し、媒体中に分散させたカーボンナノチューブを、光ファイバのコア部及びコア・クラッド境界の周囲に位置選択的に堆積させる方法が用いられている。
光増幅領域902と、アイソレータ907と、偏波コントローラ908は、光ファイバ903によりリング上に接続されている。光ファイバ910は、単一モード光ファイバであり、共振器内の分散を調整する。
レーザ光源からの光が供給される光増幅領域902から出射された光の一部は、リングを1周して再度、光増幅領域902に導入される。また、光増幅領域902から出射された残りの光は、カプラ909を通じて出力される。
光ファイバ903の端面には、フェルール904が取り付けられている。本実施形態では、単一モード光ファイバが用いられている。
フェルール904は、光ファイバ903の一方の端部が挿入されるものであり、光ファイバ903は、カーボンナノチューブ層906を介して接続され、スリーブ905で覆われている。
光ファイバ903の端面は、次のように加工される。
まず、光ファイバ903の一対の端部にそれぞれ、フェルール904を取り付ける。
次に、フェルール904端面にカーボンナノチューブ層906を形成させる。
カーボンナノチューブを媒体に分散させ、フェルール904の端面を浸積し、フェルール904の端面からレーザ光を出射し、媒体中に分散させたカーボンナノチューブを、光ファイバ903のコア部及びコア・クラッド境界の周囲に位置選択的に堆積させる。
なお、カーボンナノチューブを分散させる溶媒としては、DMF、ジクロロメタン、アルコール等があげられるが、なかでも、DMFを使用することが好ましい。
図10(a)は、カーボンナノチューブを堆積されたフェルール端の図を示す。また、図10(b)は、コア部分/クラッド部分のラマンスペクトルを示す。コア部分のラマンスペクトル中には、250cm−1近傍に存在する小さなピークが検出されている。一方、クラッド部分には、250cm−1近傍にピークは検出されていない。したがって、コア部分に、位置選択的にカーボンナノチューブが堆積していることが示されている。なお、図10(a)とラマンスペクトル(図10(b))を取得した位置の対応関係は、円とピークの線種で示されている。
このようにフェルール端にカーボンナノチューブを堆積することにより、残留溶媒をファイバの外側へ容易に逃がすことが可能であり、カーボンナノチューブ層のムラの発生とDMF分子の残留を防止することができる。また、さらに調整を加えることなく、そのまま受動モード同期光ファイバレーザ装置に使用することができる。カーボンナノチューブ層906は、可飽和吸収体として用いられる。
カーボンナノチューブは、モード同期光ファイバレーザ装置から出射される光の波長領域で可飽和吸収特性を示すものであればよい。カーボンナノチューブは、端部がカルボキシル基あるいはヒドロキシ基により装飾されたオープンエンドのカーボンナノチューブであることが好ましい。端部がカルボキシル基、あるいは、ヒドロキシ基により装飾されたオープンエンドのカーボンナノチューブは、溶媒中に分散させやすい。
増幅用光ファイバには、希土類添加光ファイバを用いることができる。この希土類添加光ファイバは、シングルモードの光ファイバのコア部分にイッテルビウム(Yb)や、エルビウム(Er)等の希土類(光増幅媒体)が添加された光ファイバである。前記光増幅媒体は、レーザ光源からの光により励起され、光を増幅する。
本実施形態では、たとえば、1550nm付近で大きな利得を有するエルビウム(Er)添加光ファイバを使用することができる。
偏波コントローラ908は、共振器内の偏波を調整する。アイソレータ907は、レーザ発振を一方向に定める。カプラ909は、合波、分波を行う。共振器内の分散を調整するために20mの光ファイバ903が挿入され、カプラ909から出力される。
次に、本実施形態のモード同期光ファイバレーザ装置を用いたレーザ発振について説明する。
モード同期光ファイバレーザ装置の電源が投入され、レーザ光源に電流が加えられると、レーザ光が出力され、アイソレータ907内に導入される。そして、この光は、偏波コントローラ908により調整され、光増幅領域902に導入される。光増幅領域902では、光の増幅が行われ、増幅された光は、光ファイバ903を介してレーザ光として出力される。
ここで、モード同期光ファイバレーザ装置に電源を投入した当初では、モード同期光ファイバレーザ装置内を循環する光の強度が弱いため、不安定な多モード発振が行われる。
光がモード同期光ファイバレーザ装置内を循環するにつれて、光の強度が大きくなる。そして、カーボンナノチューブの可飽和吸収特性が出現するパワーに達すると、カーボンナノチューブの可飽和吸収特性の回復時間に依存して、モード同期状態となり、パルス発振状態に達する。
以下に、モード同期光ファイバレーザ装置を用いてレーザ発振を行った例を示す。
図11(a)は、光スペクトル(分散能0.1nm)を示す。図11(b)は、正規化光スペクトル(分散能:0.1nm)を示す。図11(c)は、自己相関波形(分解能:50fs)である。
図11(a)(b)で示すように、短パルスレーザ特有の広い光スペクトルが見られた。また、図11(c)から、400fsのパルス出力が得られたことが示された。
(第3の実施形態)
本実施形態は、光ピンセットによる球状のカーボンナノチューブ超構造作製に関するものである。図12は、本実施形態に係る光導波路構造体の製造方法の概略構成を実現するための装置の概略構成を示す図である。
この装置は、レーザ光源101と、レーザ光源101からのレーザ光を供給される光増幅器102と、光ファイバ103と、カーボンナノチューブを分散させた液体104とを備える。また、2つのパワーメータ405、406と、減衰器407と、サーキュレータ408を備える。ここでは、光ファイバ103として、単一モード光ファイバを用いている。光増幅器の出射光を10%分枝し、パワーメータ405で測定し、光ファイバ103端面の入力光強度をモニタする。高強度の光からパワーメータ405を保護するため、20dBの減衰器407をパワーメータ405の前に挿入する。光増幅器102の出射光のうち残りの90%の光は、サーキュレータ408を通り、光軸方向に90度にカットした光ファイバ103端面を通して、カーボンナノチューブを分散した液体104に入射される。光ファイバと液体の界面で反射された光はサーキュレータ408を通して、もう一方のパワーメータ406でその強度が測定される。光ファイバ103の先端を観察するために、顕微鏡219を備えており、光ファイバ103を水平にスライドガラス220上に固定して上方から顕微鏡219で観測できる構成となっている。スライドガラス220上にカーボンナノチューブを分散させた液体104を滴下して使用する。溶媒は、たとえば、DMFを用いることができる。
上記装置を使用し、カーボンナノチューブを分散させた液体104に光ファイバ103の端面を浸積し、光ファイバ103の端面からレーザ光を出射させることにより、液体中に分散させたカーボンナノチューブを光ファイバ103のコア部及びコア・クラッド境界の周囲に位置選択的に堆積させる。
図13は、カーボンナノチューブが経時的に堆積され、球状のカーボンナノチューブ超構造が作製される様子を示す図である。このとき、用いた光ファイバ103は、直径125μmであるが、この光ファイバ103と比較することにより、20μm程度の直径を持つ球が形成されたことがわかる。図13は球状のカーボンナノチューブの10秒ごとの変化を示している。
カーボンナノチューブ球は、直径200μmを超える程度の大きさも作製可能である。このカーボンナノチューブ球は比較的安定であり、弾性を示すことから、図14(a)に示すように巨視的操作が可能である。また、図14(b)で示すように、球が付着しているファイバを回転させることもできる。また、このカーボンナノチューブ球は、図14(c)で示すように一定の時間が経過すると、崩壊する。
このように、本実施形態によれば、カーボンナノチューブや微粒子を捕捉したり、移動させて目的の場所に設置したりすることができる。
(第4の実施形態)
図15は、カーボンナノチューブ球を光ファイバレーザ中に挿入した本実施形態に係る受動モード同期ファイバレーザ装置を示す図である。装置の構成は、第2の実施形態と同様であり、共振器中の一カ所に対向する2本の光ファイバ903間にカーボンナノチューブ球906が作製されている。
本実施形態で用いられる球状のカーボンナノチューブは、以下のようにして、共振器中に挿入される。共振器中の一カ所に対向する2本の光ファイバ間に5μm程度の間隙を加えた後、カーボンナノチューブを分散させたDMF溶媒中に浸す。そして、レーザ発振している共振器中の光によりカーボンナノチューブ球を作製する。
図16にその作製したカーボンナノチューブ球の図を示す。レーザ中の光強度はカーボンナノチューブ球が5μm程度に維持されるように調整した。図17は、このカーボンナノチューブ球により受動モード同期が起こった際の出力の光スペクトルを示すものであり、短パルスレーザ特有の広い光スペクトルが見られる。これにより、受動モード同期が起こっていることが示されている。
(第5の実施形態)
本実施形態は、複数種類の微粒子を分散させた液体から特定の微粒子を抽出する方法に係るものである。本実施形態では、光導波路構造体の一例として光ファイバを用い、特定の微粒子の一例として、カーボンナノチューブを用いる。
光ファイバは、導波路であるコア部と、コア部の周囲を取り囲む光閉じこめ層であるクラッド部と、レーザ光を出射する端面を備える。カーボンナノチューブを分散させた液体にこの光ファイバ端面を浸積させる。
本実施形態は、図1または図3に示す装置を用いることにより、実現することができる。
液体には、カーボンナノチューブのほかに不要な微粒子が含まれている。不要な微粒子としては、たとえば、金属微粒子を用いることができる。金属微粒子としては、金、銀、ニッケル又はコバルトが例示される。
光ファイバ端面からレーザ光を出射し、光ファイバのコア部およびコア・クラッド境界の周辺に位置選択的にカーボンナノチューブのみを堆積させることができる。このとき、不要な微粒子は、光ファイバ端面に堆積されない。
このようにして、光ファイバ端面に堆積させたカーボンナノチューブを剥離することによって、目的のカーボンナノチューブのみを得ることができる。
光ピンセットは、対象物の屈折率やその電気的な特性に捕捉可能性が大きく依存する。 したがって、液体中に分散された電気的特性の異なるカーボンナノチューブと金属微粒子を分離し、目的のカーボンナノチューブのみを抽出することが可能となる。
本実施形態では、光ファイバに変えて種々の光デバイスを用いることもできる。また、カーボンナノチューブに変えて、アモルファスカーボン粒子を用いてもよい。
以上、本発明の構成について説明したが、本発明は、これに限られず様々な態様を含む。以下はその例示である。
たとえば、用いるレーザ光は、連続光であってもよいし、パルス光であってもよい。
実施形態では、光路として光ファイバ系を用いたが、光路の構造は、特に限定されるものでなく、空間系や平面導波路系であってもよい。
また、実施形態では、光ファイバ端面へのカーボンナノチューブを堆積する技術を提案したが、光ファイバ端面に限らず、ガラス基板などのその他の箇所にも堆積することが可能である。
光ピンセットはエバネッセント波成分によっても実現されている。これを用いることによって、エバネッセント波成分が空気中に染み出している導波路構造では、その側面に沿ってカーボンナノチューブを堆積することが可能である。図18にその模式図を示す。この場合には、エバネッセント波成分が染み出している構造(a)であればどのようなものにでも適用可能であり、上部クラッドのないスラブ構造(b)、リッジ構造(c)、リブ型構造(d)などの平面導波路構造や、D−shapeファイバ(e)、holeyファイバまたはフォトニック結晶ファイバ(f)、穴あきコアファイバ(g)、テーパードファイバ(h)などのファイバ構造などが挙げられる。また、溶媒の浸す範囲を選択することにより、堆積範囲の選択が可能である。また、堆積位置も、堆積後に光圧により動かすことが可能である。
光ピンセットは、対象物の屈折率やその電気的な特性に捕捉可能性が大きく依存する。そのため、金属型カーボンナノチューブと半導体型カーボンナノチューブの分離が可能である。通常、DMF溶媒中で分散されたカーボンナノチューブは互いに絡まり合っているために分離困難である。界面活性剤やDNAなどで個々のカーボンナノチューブを取り囲んだり、カーボンナノチューブを超音波破砕機により短くすることで絡まりづらくしたりするなどにより、カーボンナノチューブは一本一本分離することが出来る。このような状態のカーボンナノチューブであれば、分離が可能である。究極的には、カーボンナノチューブはそのカイラリティにより特性が異なり、これら個々の種類のカーボンナノチューブを分離することも可能である。分離の後は、それぞれの種類の混合比率の調整など、カーボンナノチューブデバイスの更なる高機能化に適用することができる。
個々に分離されたカーボンナノチューブの軸方向を調整することも可能である。カーボンナノチューブは電場の方向に向きやすいという性質を持つ上に、光ピンセットの原理から光の電界方向に向いた状態で捕捉することが可能であると考えられ、軸方向の調整されたカーボンナノチューブの堆積が可能である。
光ピンセットは、一点に対象物を集めるだけの技術ではなく、ホログラフィックに光強度の分布を作製することにより、周期的なカーボンナノチューブの堆積も可能となる。また、レンズなどの組み合わせにより、周期的ではなくてもパターニングが可能である。
カーボンナノチューブ超構造は、水素貯蔵などカーボンナノチューブを大量に密に配置するような際に有用である。
また、微粒子は、カーボンナノチューブに限定されるものではなく、種々の微粒子を用いることもできる。たとえば、アモルファスカーボン粒子を用いてもよい。金属微粒子や半導体微粒子を用いてもよい。
101 レーザ光源
102 光増幅器
103 光ファイバ
104 カーボンナノチューブを分散させた液体
106 カーボンナノチューブ
219 顕微鏡
220 スライドガラス
405 パワーメータ
406 パワーメータ
407 減衰器
408 サーキュレータ
902 光増幅領域
903 光ファイバ
904 フェルール
905 スリーブ
906 カーボンナノチューブ層
907 アイソレータ
908 偏波コントローラ
909 カプラ
910 光ファイバ

Claims (11)

  1. 光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体を用意する工程と、
    微粒子を分散させた媒体中に前記端面を浸積した状態で、前記光導波路の露出部からレーザ光を出射し、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、前記微粒子を位置選択的に堆積させる工程と、を含むことを特徴とする光導波路構造体の製造方法。
  2. 前記微粒子は、カーボンナノチューブまたはアモルファスカーボン粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路構造体の製造方法。
  3. 前記微粒子は、金属微粒子または半導体微粒子であることを特徴とする請求項1に記載の光導波路構造体の製造方法。
  4. 前記構造体は、光ファイバであることを特徴とする請求項1または2に記載の光導波路構造体の製造方法。
  5. 光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体であって、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、微粒子を位置選択的に堆積させた光導波路構造体。
  6. 前記微粒子は、カーボンナノチューブまたはアモルファスカーボン粒子であることを特徴とする請求項5に記載の光導波路構造体。
  7. 前記微粒子は、金属微粒子または半導体微粒子であることを特徴とする請求項5に記載の光導波路構造体。
  8. 前記光導波路となるコアと、該コアの周囲に設けられたクラッドとを備えた光ファイバである、請求項5または6に記載の光導波路構造体。
  9. レーザ光源を有するとともに、
    前記レーザ光源からの光が供給される光増幅領域が形成され、
    前記光増幅領域から出射された光の一部を再度、前記光増幅領域に導入するとともに、前記光増幅領域から出射された光の他の一部を出力するモード同期光ファイバレーザ装置であって、
    前記光増幅領域に請求項8に記載の光導波路構造体を備えることを特徴とするモード同期光ファイバレーザ装置。
  10. 光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体を用意する工程と、
    微粒子を分散させた媒体中に前記端面を浸積した状態で、前記光導波路の露出部からレーザ光を出射し、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、前記微粒子を位置選択的に堆積させる工程と、
    を含む、微粒子堆積方法。
  11. 光導波路を備え、該光導波路の露出部を一部に含む端面を有する光導波路構造体を用意する工程と、
    複数種類の微粒子を分散させた媒体中に前記端面を浸積した状態で、前記光導波路の露出部からレーザ光を出射し、前記光導波路の露出部および/または前記光導波路の露出部周縁に、特定の微粒子を位置選択的に堆積させる工程と、
    前記光導波路構造体から前記特定の微粒子を剥離して微粒子を抽出する工程と、
    を含む、微粒子抽出方法。
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