JP2012050391A - 便検体から細菌類を検出する方法 - Google Patents

便検体から細菌類を検出する方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来の方法に比べて迅速に、高い検出感度で、かつより客観的に細菌類を便検体から検出できる方法を提供する。
【解決手段】便検体から細菌類を検出する方法であって、細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対を用いたPCRを、X種(Xは2以上の整数を示す。)の便から採取された便検体からなるプール検体を含む溶液中で行う工程を含む方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、便検体から細菌類を検出する方法に関する。
便検体から細菌類を検出する方法が種々開発されている(特許文献1及び2)。従来は、検体中の細菌類を培養によって増殖させてから生化学テストを行うという方法が行われてきた。具体的には、検体を所定条件下において培養してある程度まで増殖させた後、検出したい細菌類のみが増殖しうるような選択培地中で培養を行い、増殖によってできたコロニーを観察することによって検出するという方法である。
しかしながら、このような従来の方法では、(1)培養工程を経るため、結果が得られるまでに時間がかかる点、(2)検出感度が低い点、及び(3)コロニーの観察結果に基づいて客観的な判定を下すのは難しいため、検出結果の客観性を担保するのが難しい点等の問題点があった。
特開2002−253216 特開2003−235545
本発明は、従来の方法に比べて迅速に、高い検出感度で、かつより客観的に細菌類を便検体から検出できる方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の末、細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対を用いたPCRを、二種以上の便から採取された便検体からなる検体(プール検体)を含む溶液中で行うと、予想外にも正確な検出が可能であることを見出した。
本発明はかかる知見に基づき、さらに検討を重ねた結果完成されたものであり、下記に掲げるものである。
項1.
便検体から細菌類を検出する方法であって、
(1)細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対を用いたPCRを、X種(Xは2以上の整数を示す。)の便から採取された便検体からなるプール検体を含む溶液中で行う工程
を含む方法。
項2.
前記工程(1)においてDNAが増幅された場合に、さらに、
(2−1)前記プライマー対を用いたPCRを、前記X種の便から適宜選択したY種(YはXよりも少ない整数を示す。)の便から採取された便検体からなる第一次小分けプール検体を含む溶液中で行う工程
を含む、項1に記載の方法。
項3.
前記工程(2−1)においてDNAが増幅された場合に、さらに、
(3−1)前記プライマー対を用いたPCRを、前記Y種の便から適宜選択したZ種(ZはYよりも少ない整数を示す。)の便から採取された便検体からなる第二次小分けプール検体を含む溶液中で行う工程
を含む、項2に記載の方法。
項4.
前記工程(1)においてDNAが増幅された場合に、さらに、
(2−2)生化学性状試験、血清凝集試験、及び免疫学的試験からなる群より選択される少なくとも一種の試験を、前記X種の便から適宜選択したY種の便から採取される便検体からなる第一次小分けプール検体に対して行う工程
を含む、項1に記載の方法。
項5.
前記工程(2−1)においてDNAが増幅された場合に、さらに、
(3−2)生化学性状試験、血清凝集試験、及び免疫学的試験からなる群より選択される少なくとも一種の試験を、前記Y種の便から適宜選択したZ種の便から採取される便検体からなる第二次小分けプール検体に対して行う工程
を含む、項2に記載の方法。
項6.
前記Xが、50〜100である、項1〜5のいずれかに記載の方法。
項7.
前記Yが、5〜10である、項6に記載の方法。
項8.
前記Zが、1である、項7に記載の方法。
項9.
前記PCRが、二種以上の細菌類に由来するDNAをそれぞれ増幅しうるマルチプレックスPCRである、項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
項10.
前記細菌類が、サルモネラ、ベロ毒素産生菌、及び赤痢菌を含む、項9に記載の方法。
項11.
前記細菌類が、さらにカンピロバクター及びノロウイルスからなる群より選択される少なくとも一種の細菌類を含む、項10に記載の方法。
本発明によって、(I)迅速に、(II)良好な検出感度で、かつ(III)客観性をもって便検体から細菌類を検出することができる。
特に、本発明は、プール検体を用い、かつPCRによって検出するため、(1)迅速に細菌類を検出できる。また、本発明は、PCRによって検出するため、(2a)検出対象の細菌類が休眠状態にあっても検出でき、(2b)検出対象の細菌類がごく微量であっても検出できる。また、本発明は培養工程が不要のため(2c)培養工程において検出対象の細菌類が増殖しないことが原因で検出できないという問題は生じない。さらに本発明は、(3)検出対象の細菌類の有無を、目的のDNAが増幅したか否かで判定するので、客観性をもって細菌類を検出できる。
小分けプール検体を便検体として細菌類を検出する本発明の方法を示した模式図である。1000種の便から採取された便検体を用いて検出率が0.10%の細菌類を検出する例を示している。この例では、出発検体として100種の便から採取された便検体からなるプール検体を用い、第一次小分けプール検体として10種の便から採取された便検体からなるプール検体を用い、さらに第二次小分けプール検体として1種の便から採取された便検体を用いている。 100種の便から採取された便検体からなるプール検体A〜Jをそれぞれ出発検体としてサルモネラについての出発検出を行った結果を示す、図面に代わる写真である。サルモネラ陽性の検体を「※」で示している。 図2の出発検出の結果、サルモネラ陽性となったD検体を10種ずつの便検体からなる第一次小分けプール検体D−1〜D−10に小分けし、それぞれについて第一次小分け検出を行った結果を示す、図面に代わる写真である。サルモネラ陽性の検体を「※」で示している。 図3の第一次小分け検出の結果、サルモネラ陽性となったD−6検体を1種ずつの便検体からなる第二次小分けプール検体D−6−1〜D−6−10に小分けし、それぞれについて第二次小分け検出を行った結果を示す、図面に代わる写真である。サルモネラ陽性の検体を「※」で示している。
本発明は、便検体から細菌類を検出する方法であって、細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対を用いたPCRを、X種(Xは2以上の整数を示す。)の便から採取された便検体からなるプール検体を含む溶液中で行う工程を含む方法である。
1.便検体
本発明において便検体とは、便から採取された便検体をいう。便検体は、特に限定されないが、例えば便の一部を掻き取ることによって得ることができる。便検体は、検便のために採取されたものを用いることができる。
本発明において便検体とは、哺乳類の便から採取された便検体をいう。哺乳類としては、特に限定されないが、例えば、ヒト、ウシ、ブタ、イヌ、ネコ等を挙げることができる。
本発明は、細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対を用いたPCRを、便検体をそのまま懸濁させた溶液中で行うことによっても細菌類を検出することができる。このため、本発明においては、細菌類を検出するにあたり、分離又は精製により便検体から特定の成分を選別する必要はない。したがって、本発明において使用する便検体は、特定の分離又は精製を経たものである必要はないが、特殊な事情がある場合は分離又は精製を経たものであってもよい。
本発明では、便検体としてプール検体を用いる。本発明において、プール検体とは、X種(Xは2以上の整数を示す。)の便から採取された便検体からなるものである。
ここでいうX種の便とは、X種の個体が排泄したそれぞれの便であってもよいし、同一個体が排泄したX種の便であってもよい。Xについては、特に限定されないが、検出しようとする細菌類の検出率(100個の便から採取された便検体のうち、1個の便検体においてその細菌類が検出されるとき、検出率が1%であるとする。)に基づいて最適な数を設定することができる。便検体としてヒトの便から採取された便検体を用い、細胞侵入性タンパク質invAを標的とするPCRによってサルモネラを検出しようとする場合、サルモネラの検出率は約0.05%である。この場合、1000種の便から採取された便検体からなるプール検体を用いて検出を行えば、サルモネラが検出される確率は、1000(検体)×0.05%=50%となる。したがって、順次別々のプール検体を入れ替えて検出をすると、2回に1回の確率でサルモネラが検出されることになる。同じ場合に、100種の便から採取された便検体からなるプール検体を用いて検出を行えば、20回に1回の確率でサルモネラが検出されることになる。同じ場合に、10種の便から採取された便検体からなるプール検体を用いて検出を行えば、200回に1回の確率でサルモネラが検出されることになる。順次別々のプール検体を入れ替えて検出をする場合、どの程度の確率で目的の細菌類が検出されれば作業を効率的に進めることができるかを考慮して、プール検体に含まれる便検体の種類を決定することができる。通常は、数十回に1回の確率で目的の細菌類が検出されるようにするのが好ましい。
例えば、便検体としてヒトの便から採取された便検体を用い、invAを標的とするPCRによってサルモネラを検出しようとする場合、50〜200種の便から採取された便検体からなるプール検体を用いて検出を行えば、10〜40回に1回の確率でサルモネラを検出できる計算になる。通常であれば検出率をこの程度とするのが好ましいので、この場合は、50〜200種の便から採取された便検体からなるプール検体を用いるのが好ましい。
なお、二種以上の細菌類を一度に検出する場合、Xをどのように設定すべきかについても、上で説明したのと同様に決定することができる。ただし、検出しようとする細菌類のうちもっとも検出率が高いものを基準に考えるか、もっとも検出率が低いものを基準に考えるか、又は検出しようとする細菌類個々の検出率の平均値を基準に考えるかについては、場合に応じて決定することができる。
また、あまりに多数種の便から採取された便検体からなるプール検体を用いると、個々の便検体が希釈されすぎてしまい、正確に検出できない場合がある。このため、Xは100以下が好ましい。
2.細菌類
本発明において細菌類とは、特に限定されないが、便中に存在している可能性があり、それと身体の状態との因果関係が知られている、又は疑われている等の理由により、それを検出する何らかの要請が存在するものである。
本発明において細菌類とは、特に限定されないが、例えば、サルモネラ、病原性大腸菌、赤痢菌、カンピロバクター、ノロウイルス、黄色ブドウ球菌、リステリア、セレウス、ボツリヌス菌、ウェルシュ菌、腸炎ビブリオ、エルシニア等が挙げられる。病原性大腸菌としては、ベロ毒素産生菌、腸管侵入性大腸菌等が挙げられる。
3.PCR
本発明では、細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対を用いたPCR(ポリメラーゼ連鎖反応)によって、細菌類を検出する。
細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対とは、細菌類由来DNAを鋳型(テンプレート)として、その特定の部分領域をDNA断片として増幅しうるプライマー対であって、当該部分領域の両鎖の5’末端と塩基対を形成する(アニールする)一組のプライマーの対である。
増幅されるDNA断片の長さは特に限定されないが、例えば20〜1000塩基、より好ましくは50〜700塩基、さらに好ましくは100〜500塩基が挙げられる。
PCRによってDNAの特定の部分領域が増幅されれば、検体中に細菌類が存在していると判定できる。
DNAの特定の部分領域が増幅されたか否かは、特に限定されないが、例えばPCR後のPCR反応液を電気泳動に供すること等によって検出することができる。特に限定されないが、例えば、アガロースゲル電気泳動の他、キャピラリー電気泳動等によって検出することができる。好ましくは、PCRによってDNAの特定の部分領域が特異的に増幅(非特異的増幅は除く。)されたことを確認する。
プライマーは、従来公知の方法に従って設計できる。
細菌類由来DNAとは、細菌類に由来するDNAであって、特に限定されない。検出しようとする細菌類が、さらにいくつかの群に分類される場合、いずれの群も検出できるようにするために、多くの群に共通の遺伝子を増幅しうるプライマー対を用いるのが好ましい。
例えば、サルモネラとしては2菌種(S. enterica、及びS. bongori)、6亜種、並びに血清型2501種が知られている。サルモネラを検出しようとする場合、細胞侵入性タンパク質invAの遺伝子を増幅しうるプライマー対を用いるのが好ましい。なお、この場合の検出率は約0.05%である。
例えば、O−157をはじめとするベロ毒素産生菌としてはベロ毒素としてVT1、並びにVT2、VT2vha、VT2vhb、及びVT2vpが知られている。ベロ毒素産生菌を検出しようとする場合、VT1及びVT2の遺伝子をそれぞれ増幅しうる二種のプライマー対を用いるのが好ましい。なお、この場合の検出率は約0.002%である。
例えば、赤痢菌としてはA〜D群(A群として13種血清型;B群として6種血清型;C群として18種血清型;D1群として1種血清型)が知られている。赤痢菌を検出しようとする場合、病原性因子ipaHの遺伝子を増幅しうるプライマー対を用いるのが好ましい。なお、この場合の検出率は0.0001%以下である。
カンピロバクター属(16菌種、8亜種)のうちCampylobacrer jejuniは食中毒や散発下痢症の原因菌として知られており、cdt 遺伝子をターゲットとしたPCRによって検出される事が報告されている。
ノロウイルスはG1ではG1-SKF/G1-SKR,COG1F/COG1Rを、G2ではG2-SKF/G2-SKR、G2-SKF/G2AL-SKR、COG2F/COG2R、ALPF/COG2R といったプライマーを用いて検出することができる。
PCRを、便検体を含む溶液中で行う。便検体を含む溶液としては、特に限定されないが、プライマー、DNAポリメラーゼ、デオキシヌクレオチド三リン酸(dNTP)、及び緩衝液を含む通常のPCR反応液中に、便検体を混合させたものを用いることができる。
DNAポリメラーゼとしては、通常PCRに用いられている耐熱性ポリメラーゼの中から適宜選択することができる。例えば、Taqポリメラーゼ、KOD、EX−Taq、LA−Taq,Expandシリーズ、Plutinumシリーズ、Tbr、Tfl、Tru、Tth、T1i、Tac、Tne、Tma、Tih、Tfi、Pfu、Pfutubo、Pyrobest、Pwo、Bst、Sac、Sso、Poc、Pab、Mth、Pho、ES4、VENT、DEEPVENT、並びにそれらの変異体等が挙げられる。
緩衝液としては、特に限定されないが、例えば、トリス(TRIS)、トリジン(TRICINE)、ビス−トリシン(BIS−TRICINE)、へペス(HEPES)、モプス(MOPS)、テス(TES)、タプス(TAPS)、ピペス(PIPES)、又はキャプス(CAPS)等が挙げられる。
PCR反応液中は、必要に応じてその他の成分をさらに配合してもよい。
便検体の混合割合は、適切にPCRが行われればよく特に限定されないが、例えば、1〜10v/v%の範囲内で適宜調整することができる。
PCRにおける温度サイクルは、使用するプライマーに応じて適宜設定することができる。
また、本発明におけるPCRは、二種以上の細菌類に由来するDNAをそれぞれ増幅しうるマルチプレックスPCRであってもよい。マルチプレックスPCRとは、複数の標的DNA断片を増幅させるためにPCR反応液中において複数のプライマー対を混合させた状態でPCRを行うものである。緩衝液の成分、プライマーの設計及び濃度、金属塩の選択及び濃度、DNAポリメラーゼの選択及び濃度、及びdNTPの濃度、並びに温度サイクル等をはじめとするマルチプレックスPCRの諸条件は、適宜設定することができる。必要であればプライマーの濃度を通常のPCRを行う場合よりも高濃度とする。
4.小分けプール検体を便検体として細菌類を検出する工程
上述のようにX種の便から採取された便検体からなるプール検体(出発検体)に対して検出(出発検出という。)を行い、所望のDNA断片の増幅が確認されることにより細菌類が検出された場合に、X種の便から適宜選択されたY種(YはXよりも少ない整数を示す。)の便から採取される便検体からなる第一次小分けプール検体を便検体として用い、この便検体に対してさらに同じ細菌類の検出(第一次小分け検出という。)を行う方法も、本発明に含まれる。
Yが2以上である場合であって、かつ第一次小分け検出においても目的の細菌類が検出された場合は、さらに第一次小分けプール検体を構成するY種の便から適宜選択されたZ種(ZはYよりも少ない整数を示す。)の便から採取される便検体からなる第二次小分けプール検体を便検体として用い、この便検体に対してさらに同じ細菌類の検出(第二次小分け検出という。)を行う方法も、本発明に含まれる。
第二次小分け検出の後、同様に第三次以降の小分け検出を行うことができ、これらの方法も本発明に含まれる。
第一次以降の小分け検出においては、細菌類の検出を、出発検出におけるのと同様にPCRで行ってもよいし、生化学性状試験、血清凝集試験、及び免疫学的試験からなる群より選択される少なくとも一種の試験によって行ってもよい。
生化学性状試験としては、特に限定されないが、例えば具体的には次のような試験を行うことができる。サルモネラが疑われるコロニーを、TSIおよびLIM培地に接種し、37℃、1夜培養後、サルモネラの性状を示したもの(TSI:斜面赤色、硫化水素産生、LIM:リジン陽性、インドール陰性、培地混濁等)をサルモネラと判定する。その他の細菌類を検出する場合は、これに準じた方法によって試験を行うことができる。
血清凝集試験としては、特に限定されないが、例えば具体的には次のような試験を行うことができる。生化学性状試験でサルモネラと判定された菌をサルモネラ診断用血清を用いO抗原の凝集試験を行う。具体的には、市販のO群多価血清をスライドグラス上に垂らし、TSI斜面上からかきとった菌と混和する。凝集が認められた場合を陽性とする。陽性と判定された菌株は、さらにO群の個々の血清について同様の操作を行い、O群血清型を決定する。その他の細菌類を検出する場合は、これに準じた方法によって試験を行うことができる。
免疫学的試験としては、特に限定されないが、例えば免疫磁性ビーズ法、イムノクロマト法、ELISA法、EIA法等を挙げることができる。
特に限定されないが、例えばYはXの5〜20分の1(具体的には例えば10分の1)とすることができる。同様に、ZはYの5〜20分の1(具体的には例えば10分の1)とすることができる。一例として、Xが、50〜100である場合、Yを5〜10、Zを1とすること等が挙げられる。
以下、本発明を試験例及び実施例に基づき具体的に説明する。ただし、本発明はこれらの具体例に限定されるものではない。
実施例1
本発明の方法を用いてヒトの便検体からサルモネラ、ベロ毒素産生菌、及び赤痢菌を検出した。なお、従来技術である塗沫培養法との比較も行った。
1.塗沫培養法
次のようにして行った。採便管内の便をCT-SMAC寒天培地に塗沫し、37℃、20h培養した。培養後コロニーを採取し、生化学的性状試験及び血清凝集試験を行って判定を行った。
2.本発明の方法
(1)プール検体の調製
ヒトの便検体は次のようにして調製した。採便管内の糞便少量を、滅菌水(1mL程度)の入った試験管に懸濁したものを採便管毎に調製し、100種の便検体を等量ずつ(数μL程度)1本のチューブにプールした。95℃5min熱処理後、遠心上清を検体とした。
採便管
(2)PCR
サルモネラを検出するプライマーとして細胞侵入性タンパク質invAの遺伝子を増幅しうるプライマー対を用意した。
ベロ毒素産生菌を検出するプライマーとしてVT1及びVT2の遺伝子をそれぞれ増幅しうる二種のプライマー対を用意した。
赤痢菌を検出するプライマーとして病原性因子ipaHの遺伝子を増幅しうるプライマー対を用意した。
PCRは、サーマルサイクラーとしてGeneAmp(登録商標)9700(Applied Biosystems社製.)を使用し、全量を50μlとして実施した。5μlの糞便懸濁溶液と試薬混合物(東洋紡製 Blend Taq(登録商標)−plus− 2.5U、10XPCR緩衝液5.0μl、200μMのdNTP、各々0.3μMのプライマー)を混合した。標的DNAの初期変性を94℃で2分間行った後、94℃・30秒の変性工程、55℃・30秒のアニーリング工程、72℃・30秒の伸長工程のサイクルを40回繰り返した。なお、その他のPCR条件は常法通りである(例えば、遺伝子 操作技術マニュアル、医学書院、1995年発行を参照)。
(3)検出
(2)で得られたPCR産物は、キャピラリー電気泳動によって検出した。キャピラリー電気泳動はマイクロチップ電気泳動装置MultiNA(島津社製)を使用して行った。
3.結果
従来法である塗沫培養法(1回目)では、サルモネラしか検出できなかった。これに対して、本発明の方法では、サルモネラ由来のinvAのみならず、塗沫培養法では検出されなかったベロ毒素産生菌由来のVTも検出できた。
そこで、塗沫培養法(2回目)を再度同じ検体群に対して実施したところ、今回はベロ毒素産生菌を検出することができた。
このように、本発明の方法によれば、従来の塗沫培養法と同等の又はより高い感度で細菌類を検出できることが実証された。
実施例2
本発明の方法を用いてヒトの便検体からサルモネラを検出した。陽性率が0.10%であることが分かっているプール検体を予め用い、出発検体を100種の便から採取された便検体からなるプール検体、第一次小分けプール検体を10種の便から採取された便検体からなるプール検体、さらに第二次小分けプール検体を1種の便から採取された便検体からなるプール検体として、出発検出、第一次小分け検出、及び第二次小分け検出を逐次行った。
1.方法
(1)プール検体の調製
ヒトの便検体は次のようにして調製した。採便管内の糞便少量を、滅菌水(1mL程度)の入った試験管に懸濁したものを採便管毎に調製し、100種の便検体を等量ずつ(数μL程度)1本のチューブにプールした。95℃5min熱処理後、遠心上清を検体とした。
(2)PCR
サルモネラを検出するプライマーとして細胞侵入性タンパク質invAの遺伝子を増幅しうるプライマー対を用意した。
PCRは、サーマルサイクラーとしてGeneAmp(登録商標)9700(Applied Biosystems社製.)を使用し、全量を50μlとして実施した。5μlの糞便懸濁溶液と試薬混合物(東洋紡製 Blend Taq(登録商標)−plus− 2.5U、10XPCR緩衝液5.0μl、200μMのdNTP、各々0.3μMのプライマー)を混合した。標的DNAの初期変性を94℃で2分間行った後、94℃・30秒の変性工程、55℃・30秒のアニーリング工程、72℃・30秒の伸長工程のサイクルを40回繰り返した。なお、その他のPCR条件は常法通りである(例えば、遺伝子 操作技術マニュアル、医学書院、1995年発行を参照)。
(3)検出
(2)で得られたPCR産物は、キャピラリー電気泳動によって検出した。キャピラリー電気泳動は実施例1と同様に行った。
2.結果
検出の結果をそれぞれ図1〜3(出発検出(図1)、第一次小分け検出(図2)、及び第二次小分け検出(図3))に示す。各図中「※」はサルモネラが検出された検体を示している。
出発検出の結果、出発検体Dからサルモネラが検出された。続いて第一次小分け検出の結果、一つの第一次小分け検体D−6からサルモネラが検出された。最後に第二次小分け検出の結果、一つの第二次小分け検体D−6−1からサルモネラが検出された。

Claims (10)

  1. 便検体から細菌類を検出する方法であって、
    (1)細菌類由来DNAを増幅しうるプライマー対を用いたPCRを、X種(Xは2以上の整数を示す。)の便から採取された便検体からなるプール検体を含む溶液中で行う工程
    を含む方法。
  2. 前記工程(1)においてDNAが増幅された場合に、さらに、
    (2−1)前記プライマー対を用いたPCRを、前記X種の便から適宜選択したY種(YはXよりも少ない整数を示す。)の便から採取された便検体からなる第一次小分けプール検体を含む溶液中で行う工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記工程(2−1)においてDNAが増幅された場合に、さらに、
    (3−1)前記プライマー対を用いたPCRを、前記Y種の便から適宜選択したZ種(ZはYよりも少ない整数を示す。)の便から採取された便検体からなる第二次小分けプール検体を含む溶液中で行う工程
    を含む、請求項2に記載の方法。
  4. 前記工程(1)においてDNAが増幅された場合に、さらに、
    (2−2)生化学性状試験、血清凝集試験、及び免疫学的試験からなる群より選択される少なくとも一種の試験を、前記X種の便から適宜選択したY種の便から採取される便検体からなる第一次小分けプール検体に対して行う工程
    を含む、請求項1に記載の方法。
  5. 前記Xが、50〜100である、請求項1〜4のいずれかに記載の方法。
  6. 前記Yが、5〜10である、請求項5に記載の方法。
  7. 前記Zが、1である、請求項6に記載の方法。
  8. 前記PCRが、二種以上の細菌類に由来するDNAをそれぞれ増幅しうるマルチプレックスPCRである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の方法。
  9. 前記細菌類が、サルモネラ、ベロ毒素産生菌、及び赤痢菌を含む、請求項8に記載の方法。
  10. 前記細菌類が、さらにカンピロバクター及びノロウイルスからなる群より選択される少なくとも一種の細菌類を含む、請求項9に記載の方法。
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