JP2012047644A - 振動式測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は外部振動による計測誤差を判定することを課題する。
【解決手段】流量計測制御回路20は、入力フィルタ40A、40B、正規化部50A、50B、位相遅延フィルタ60A、60B、φ計測部70、φ−Δt変換部80、Δt計測部90、Δt判定部100、出力フィルタ110、Δt−Q変換部120を有する。検出信号SA、SB間の時間差を求める演算方法としては、φ計測部70による検出信号SA、SB間の位相差から時間差を求める方式(X)と、Δt計測部90による検出信号SA、SB間の時間差を直接求める方式(Y)とがある。Δt判定部100では、方式(X)により位相差φから求めた時間差Δt1、方式(Y)により直接計測した時間差Δt2との差分Δt1−Δt2が一定値を超えた場合に、誤出力の可能性があると判定し、アラーム信号を出力する。
【選択図】図3

Description

本発明は振動式測定装置に係り、特に計測精度を高めるように構成された振動式測定装置に関する。
被測流体が流れる流路を有するセンサチューブを振動させて被測流体の物理量(質量や密度など)を測定する測定装置として、コリオリ式質量流量計または振動式密度計と呼ばれる振動式測定装置がある。以下では、被測流体の質量流量を測定するコリオリ式質量流量計について説明する。
この振動式測定装置では、例えば、被測流体の質量流量を測定する場合、被測流体が流れるセンサチューブを加振器により管径方向に振動させ、加振器の上流側(流入側)及び下流側(流出側)にそれぞれ設けられたピックアップによりセンサチューブの流入側変位と流出側変位とのそれぞれの変位を示す検出信号を出力するように構成されている(例えば、特許文献1参照)。
また、振動式測定装置による被測流体の流量の演算方式としては、センサチューブの流入側変位(検出信号)と流出側変位(検出信号)との検出信号の時間差を直接求めてセンサチューブ内を流れる被測流体の流量を演算する時間差方式や、センサチューブの流入側変位(検出信号)と流出側変位(検出信号)との位相差からセンサチューブの流入側変位(検出信号)と流出側変位(検出信号)との検出信号の時間差を間接的に求めてセンサチューブ内を流れる被測流体の流量を演算する位相差方式がある。
特開2008−64544号公報
従来の振動式測定装置では、センサチューブに対し加振器以外の外部振動が作用したり、ピックアップより出力される検出信号に電気的なノイズがのるなどの外的要因により流量計測精度が低下する。より具体的には、例えば、時間差方式による流量計測の場合には、外部振動による変位を含んだセンサチューブの変位がピックアップにより検出されて検出信号が出力され、これらの外部振動の影響を受けた検出信号の時間差から被測流体の流量を計測することとなる。このため、外部振動の影響の度合いにより被測流体の流量計測精度が低下する可能性があるが、この流量計測精度の低下が生じている可能性があることがわからないという問題があった。
また、位相差方式による被測流体の流量計測においても、上述の時間差方式と同様に、流量計測精度の低下している可能性があることがわからないという問題があった。
そこで、本発明は上記事情に鑑み、上記課題を解決した振動式測定装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明は以下のような手段を有する。
(1)本発明は、被測流体が流れるセンサチューブと、
加振信号の入力により前記センサチューブを加振する加振器と、
前記加振器による加振力を制御する励振制御手段と、
前記加振器による加振位置よりも上流側の前記センサチューブの変位に応じた第1検出信号を出力する流入側検出器と、
前記加振器による加振位置よりも下流側の前記センサチューブの変位に応じた第2検出信号を出力する流出側検出器と、
前記流入側検出器より出力された第1検出信号と前記流出側検出器より出力された第2検出信号との差から前記被測流体の流量を演算する流量演算手段と、
を備えた振動式測定装置において、
前記流量演算手段は、
前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号との時間差を異なる方法で求める複数の時間差演算手段と、
前記複数の時間差演算手段から得られた各時間差を比較し、当該比較結果により前記複数の時間差演算手段から得られた各時間差が異なる場合に異常があることを検知する異常検知手段と、
を有することを特徴とする。
(2)本発明の前記複数の時間差演算手段は、
前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号との位相差を演算し、当該位相差から時間差を求める第1時間差演算手段と、
前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号とから直接時間差を求める第2時間差演算手段と、
を有することを特徴とする。
(3)本発明の前記第1時間差演算手段は、前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号との位相差から三角関数を用いて時間差を求めることを特徴とする。
(4)本発明の前記異常検知手段は、前記複数の時間差演算手段から得られた各時間差の偏差が所定値を超える場合に異常があることを検知することを特徴とする。
本発明によれば、複数の時間差演算手段から得られた各時間差を比較することにより、外部振動などの異常を検知することができる。
本発明による振動式測定装置の一実施例の正面図である。 振動式測定装置の側面図である。 流量計測制御回路を示すブロック図である。 流入側振動ピックアップ及び流出側振動ピックアップにより検出される通常の変位検出信号の波形図である。 ゼロクロスのタイミングのずれを示すグラフである。 流量計測制御回路の変形例1を示すブロック図である。 流量計測制御回路の変形例2を示すブロック図である。
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態について説明する。
〔振動式測定装置の構成〕
図1は本発明による振動式測定装置の一実施例の正面図である。図2は振動式測定装置の側面図である。なお、振動式測定装置は、被測流体の密度、及び密度を利用して質量流量を求めることができるため、振動式密度計及びコリオリ式質量流量計として用いられる。振動式密度計とコリオリ式質量流量計とは、同様な構成であるので、本実施例では質量流量計として用いた場合について詳細に説明する。
図1及び図2に示されるように、振動式測定装置10は、マニホルド11と、マニホルド11の上面に接続され、平行に形成された逆U字状のセンサチューブ12,13と、センサチューブ12,13の円弧状の中間部分12c,13c間に取り付けられた加振器14と、センサチューブ12と13との流入側の相対変位を検出する流入側振動ピックアップ(流入側検出器)15と、センサチューブ12と13との流出側の相対変位を検出する流出側振動ピックアップ(流出側検出器)16とを有する。
マニホルド11は、例えば、直方体形状の金属ブロックからなり、一方の端部に流入口11aが設けられ、他方の端部に流出口11bが設けられている。そして、センサチューブ12,13の流入側端部12a,13aが流入口11aに連通され、センサチューブ12,13の流出側端部12b,13bが流出口11bに連通されている。したがって、流入口11aに流入された流体は、センサチューブ12,13を通過して流出口11bより外部に流出される。
加振器14は、センサチューブ12の先端に取り付けられた励振コイル14aとセンサチューブ13の先端に取り付けられたマグネット14bからなる。また、図2に示す流出側振動ピックアップ16は、センサチューブ12に取り付けられたセンサコイル16aと、センサチューブ13に取り付けられたマグネット16bとからなる。なお、流入側振動ピックアップ15は、図2において、流出側振動ピックアップ16と重なって見えないが、流出側振動ピックアップ16と同様に、振動するセンサチューブ12に取り付けられたセンサコイル15aと、センサチューブ13に取り付けられたマグネット15bとからなる。
また、本実施例では、図1に示すように、センサチューブ12,13の流入側又はマニホルド11の流入口11a付近の温度を測定する温度センサ17が設けられている。
加振器14、流入側振動ピックアップ15、流出側振動ピックアップ16は、図1に示すように正面からみてセンサチューブ12,13の中間位置を横切る縦線に対して対称に、且つ加振器14を中心に流入側振動ピックアップ15と流出側振動ピックアップ16とが左右対称に設けられている。そして、加振器14は流量計測制御回路20により駆動制御され、流入側振動ピックアップ15、流出側振動ピックアップ16よりそれぞれ出力された検出信号(第1検出信号・第2検出信号)は、流量計測制御回路20に入力される。
加振器14は、励振コイル14aに正負のある交番電圧(交流信号)が印加されて生じる磁界に対してマグネット14bが吸引又は反発することで、センサチューブ12の中間部分を水平方向(Y方向、図2参照)に振動させる。当然センサチューブ13へはその反力として同じ力が働き、反対方向に振動する。
流入側振動ピックアップ15は、センサコイル15aとマグネット15bから構成されているので、センサコイル15aとマグネット15bが流入側のセンサチューブ12とセンサチューブ13と共に近接・離間する。そのため、センサコイル15aからは、流入側におけるセンサコイル15aとマグネット15bの変位量(変位速度)に応じた検出信号(第1検出信号)が出力される。
また、流出側振動ピックアップ16は、上記センサコイル16aとマグネット16bとから構成されているので、センサコイル16a、マグネット16bが流出側のセンサチューブ12,13と共に、近接・離間する。そのため、センサコイル16aからは、流出側におけるセンサコイル16aとマグネット16bの変位量(変位速度)に応じた検出信号(第2検出信号)が出力される。
〔流量計測制御回路20の構成〕
次に、上述した流量計測制御回路20について図3を用いて説明する。
図3は、流量計測制御回路を示すブロック図である。尚、図3においては、各構成要素を模式的にブロック化して示しているが、各要素をソフトウエアにより作成された制御プログラムによって実施するようにしても良い。
図3に示されるように、流量計測制御回路20は、入力フィルタ40A、40B、正規化部50A、50B、位相遅延フィルタ60A、60B、φ計測部70(第1時間差演算手段)、φ−Δt変換部80、Δt計測部90(第2時間差演算手段)、Δt判定部100(異常検知手段)、出力フィルタ110、Δt−Q変換部120を有する。φ計測部70及びΔt計測部90は、異なる方法で流入側と流出側との各検出信号の時間差Δtを求める複数の時間差演算手段に相当する。
以下では、センサコイル15a、16aからの検出信号をSA、SBとし、温度センサ17からの温度検出信号をTとする。
センサコイル15a、16aの検出信号SA、SB及び温度センサ17の温度検出信号Tは、AD変換器30に入力されてデジタルサンプリングされて流量計測制御回路20に入力される。AD変換器30から出力された各検出信号は、流量計測制御回路20の入力フィルタ40A、40Bに入力される。
入力フィルタ40A、40Bにおいては、各検出信号に含まれるノイズ成分を除去されると共に、センサチューブ12、13の振動周波数付近を通過させ、且つ流入側振動ピックアップ15及び流出側振動ピックアップ16の取付位置のずれによるオフセット成分をキャンセルするフィルタ処理が施される。
尚、このフィルタ処理には、ノイズ成分の除去を行なうローパスフィルタと、上記オフセットをキャンセルするためにセンサチューブ振動周波数よりも低い周波数にカットオフ周波数を設定したハイパスフィルタとの2種類のフィルタを用いる。また、上記ローパスフィルタとハイパスフィルタとを用いる代わりに2種類のカットオフ周波数を設定したバンドパスフィルタを用いても良い。
入力フィルタ40A、40Bでフィルタ処理された信号は、正規化部50A、50B及びφ計測部70に入力される。AD変換器30によりデジタル変換された検出信号は、例えば、0〜1023(10ビットAD変換器の場合)のデジタル値になるが、後段の処理で三角関数を利用するため、正規化部50A、50Bにおいては、予め設定されたセンサチューブ12、13の振幅によって±1の範囲となるように正規化する。
〔検出信号SA、SB間の時間差の演算方法〕
次に、検出信号SA、SB間の時間差を求める演算方法について説明する。
検出信号SA、SB間の時間差を求める演算方法としては、φ計測部70による検出信号SA、SB間の位相差から時間差を求める方式(X)と、Δt計測部90による検出信号SA、SB間の時間差を直接求める方式(Y)とがある。
〔検出信号SA、SB間の位相差から時間差を求める方式(X)〕
まずは、検出信号SA、SB間の位相差から時間差を求める方式について説明する。
ここで、検出信号SA、SBは、センサチューブ12、13の振動状態を検出していることから、加振器14を駆動する正弦波信号として検出される。また、振動するセンサチューブ12、13に流体が流れることによりセンサチューブ12、13にコリオリ力が働くことで、両検出信号SA、SB間に位相差φが生じている状態を想定すると、検出信号SA、SBは、夫々以下の式で表現することができる。
SA信号:A・sinθ(−1≦A≦+1)・・・〔1〕
SB信号:B・sin(θ+φ)(−1≦B≦+1)・・・〔2〕
一方、位相遅延フィルタ60A、60Bでは、SA信号、SB信号の位相を90度遅延させる処理を行なう。そのため、遅延処理された各信号をSA'信号、SB'信号とすると、次式にて表現することができる。
SA'信号:A・cosθ(−1≦A≦+1)・・・〔3〕
SB'信号:B・cos(θ+φ)(−1≦B≦+1)・・・〔4〕
位相遅延フィルタ60A、60Bには、様々な方式が利用されているが、本実施例では、FiR(Finite Impulse Response)フィルタで構成したヒルベルト(Hilbert)変換器を用いる。
前述した式〔1〕〜〔4〕に示す各信号を入力信号として、φ計測では、次のようなSA信号、SB信号間の位相差を求める。両信号間の位相差φの正弦値sinφを考えた場合、三角関数の加法定理から以下の式を得ることができる。
sinφ=sin{(θ+φ)−θ}
=sin(θ+φ)・cosθ−cos(θ+φ)・sinθ・・・〔5〕
つまり、上式〔5〕は以下のように置き換えて考えることができる。
sinφ=SB信号×SA'信号−SB'信号×SA信号・・・〔6〕
以上より、流入側振動ピックアップ15及び流出側振動ピックアップ16で計測した検出信号SA、SBを利用して、上式〔5〕の演算を行なうことで、両信号SA、SB間の位相差φの正弦値sinφを求めることができる。
さらに、φ<<1の場合には、φ≒sinφが成立することから、上式〔5〕の演算結果がそのまま位相差φとなる。
尚、流体によっては、この近似を適用することができない位相差を発生することもある。そのような場合には、次式によって位相差φを求める。
φ=sin−1(SB信号×SA'信号−SB'信号×SA信号)・・・〔7〕
前述したφ計測部70において、式〔7〕の演算が行なわれる。
次に、以下の式を利用して位相差φを時間差Δtに変換する。尚、f(Hz)は、センサチューブ12、13の振動周波数である。
Δt(s)={φ(deg)/360(deg)}×{1/f(Hz)}・・・〔8〕
前述したφ−Δt変換部80において、式〔8〕の演算が行なわれる。
尚、計測した時間差に対して温度センサ17によって検出された温度Tを利用してセンサチューブ12、13のヤング率を補正することで温度変化によって生じるセンサチューブ12、13の振動状態における変位の変化をキャンセルする。
次いで、上記のように求めた時間差Δtの演算結果の安定化を図るために、出力フィルタ110を利用する。この出力フィルタ110は、流量出力に与えられる出力時定数に比例した移動平均処理を含んでいる。
出力フィルタ110による時間差Δtの安定化、及び移動平均処理を行なった後、Δt−Q変換部120により時間差に基づいて質量流量Qを演算する。最終的には、Δt−Q変換部120より質量流量Qに応じた流量信号(アナログ出力、パルス出力)を外部に出力する。
〔検出信号SA、SB間の時間差を直接求める方式(Y)〕
次に、検出信号SA、SB間の時間差を直接求める方式について説明する。
この方式は、図4に示されるように、SA信号、SB信号が電圧0Vをクロスしたときの時間差Δtを直接計測する方式である。但し、SA信号、SB信号をAD変換器30で計測するため、その計測値は図5に示すように離散的データとなってしまい、必ずしも、サンプリング周期のタイミングが0Vにならず、電圧0Vのタイミングで計測できるとは限らない。そこで、図5に示されるように、複数の計測データ(○印)から近似直線I、IIを求め、この近似直線I、IIから電圧0Vを通過するタイミングを推測することで、時間差Δtを求める。
さらに、図3を参照して詳細に説明する。
まず、位相差計測で利用したSA'信号、SB'信号を入力信号としてΔt計測部90に入力する。ここで、複数の計測データからゼロクロスを推測する方法を説明する。
計測点での時間をxi、電圧をyiとし、そのときの近似直線をy=αx+βとした場合、傾きαと切片βを次式〔9〕〔10〕により求める。
Figure 2012047644
Δt計測部90においては、上記式〔9〕〔10〕をSA'信号、SB'信号に適用することで、夫々の近似直線I、II(図5を参照)を得るので、以下のように夫々のゼロクロス時間を求め、その差分から時間差Δtを求めることができる。
ゼロクロス時間=−β/α・・・〔11〕
Δt=SA'信号のゼロクロス時間−SB'信号のゼロクロス時間・・・〔12〕
次にΔt判定について説明する。
図4に示されるように、検出信号SA、SBからなる同一の信号、同一の計測データを利用するため、位相差φから求めた時間差Δt1と直接計測した時間差Δt2は、理論的には同一である。しかし、ノイズ混入などがあった場合には、その結果には差違が生じる。これは、位相差φから求める場合には、波形全体の計測データを利用して位相差φ(時間差Δt)を求めることに対して、時間差Δtを直接求める場合には、ゼロクロス付近だけの計測データを利用しているからである。
例えば、ゼロクロス付近だけにノイズが混入した場合、時間差Δtを直接計測する方式(Y)では、その結果には大きく影響がでるものと考えられるが、位相差φから計測する方式(X)では、平均化されてしまうため、結果への影響は小さくなる。
一方、ゼロクロス付近以外にノイズが混入した場合には、時間差Δtを直接計測する方式(Y)では影響を受けないが、位相差φを計測する方式(X)では、小さいながらも影響を受けることになる。これにより、ノイズ混入に対する影響度の違いから、両方式(X)(Y)の結果には、差違がでることとなる。但し、両方式(X)(Y)のどちらにどの程度の影響がでるのかを判断することは困難なので、Δt判定部100においては、両方式(X)(Y)の計測結果に差違が判定された場合に、誤出力の可能性があると判断することができる。
従って、図3に示すΔt判定部100では、上記方式(X)により位相差φから求めた時間差Δt1、上記方式(Y)により直接計測した時間差Δt2との差分Δt1−Δt2が一定値を超えた場合に、誤出力の可能性があると判定し、アラーム信号を出力する。
尚、上記式〔1〕〜〔8〕においては、sin方式による演算方法について説明したが、sin方式の代わりにtan方式による演算方法を用いても良い。tan方式の演算式としては、次式〔13〕のように表すことができる。
tan{(θ+φ)−θ}=sin{(θ+φ)−θ}/cos{(θ+φ)−θ}
={sin(θ+φ)cosθ−cos(θ+φ)sinθ}/{cos(θ+φ)cosθ+sin(θ+φ)sinθ}
={Asin(θ+φ)Bcosθ−Acos(θ+φ)Bsinθ}/{Acos(θ+φ)Bcosθ+Asin(θ+φ)Bsinθ}・・・〔13〕
この式〔13〕では、ABでくくることで振幅の項A、Bが消えるため、センサ信号の振幅の影響を受けずに演算することができる。
ここで、流量計測制御回路20の変形例について説明する。
〔変形例1〕
図6は流量計測制御回路の変形例1を示すブロック図である。図6において、前述した図3と同一部分には、同一符合を付してその説明を省略する。尚、図6においては、各構成要素を模式的にブロック化して示しているが、各要素をソフトウエアにより作成された制御プログラムによって実施するようにしても良い。
図6に示されるように、流量計測制御回路20Aは、Δt−Q変換部120より出力された質量流量Qに応じた流量信号(アナログ出力、パルス出力)を保持する出力保持部130と、Δt−Q変換部120からの出力をオン、オフする切替スイッチ140が設けられている。
出力保持部130は、Δt−Q変換部120より出力された各サンプリング周期ごとに入力される流量信号を自動的に更新・保持する。なお、出力保持部130には、後述の切替スイッチ140の開閉・切替動作により、Δt判定部100よりアラーム信号が入力されていない状態においてはΔt−Q変換部120より出力された流量信号の更新記憶を繰り返し、アラーム信号が入力されているときには流量信号の更新記憶を停止することによりアラーム信号が出力される直前の流量信号が記憶されるようになっている。
切替スイッチ140は、Δt判定部100よりのアラーム信号の出力の有無(異常の有無)により開閉される開閉部141と、アラーム信号の出力の有無(異常の有無)により切り替わる切替部142とよりなり、Δt判定部100からのアラーム信号の入力がない(誤出力の可能性がない)ときは、開閉部141が閉状態とされるとともに切替部142が端子aに接触しており、Δt−Q変換部120から流量信号が外部に出力される。また、切替スイッチ140は、Δt判定部100からアラーム信号が入力されると、開閉部141が開状態とされるとともに切替部142が端子bに接触する位置に切り替わることにより、出力保持部130に保持された流量信号(Δt判定部100よりアラーム信号が出力される直前にΔt−Q変換部120から出力された流量信号)が出力される。これにより、Δt判定部100において、差分Δt1−Δt2が一定値を超えたと判定された場合には、出力保持部130に記憶されている流量信号(アラーム信号が入力される直前である異常発生前の流量信号)を出力することにより、Δt−Q変換部120からの流量信号に誤差が含まれている可能性(誤出力の可能性)が高い流量信号の出力を防止する。
このように、Δt判定部100で異常判定が行なわれた場合は、Δt−Q変換部120から流量信号の出力を停止させると共に、出力保持部130に記憶された異常検出直前の流量信号を出力することができる。
〔変形例2〕
図7は流量計測制御回路の変形例2を示すブロック図である。図7において、前述した図3、図6と同一部分には、同一符合を付してその説明を省略する。尚、図7においては、各構成要素を模式的にブロック化して示しているが、各要素をソフトウエアにより作成された制御プログラムによって実施するようにしても良い。
図7に示されるように、流量計測制御回路20Bは、φ判定部150、出力保持部160、切替スイッチ170が設けられており、φ計測部70は前述の検出信号SA、SBの位相差φを正接値から求め、当該位相差φを出力するように構成されている。
出力保持部160は、φ計測部70より出力された位相差φの信号を保持しており、各サンプリング周期ごとに入力される位相差φの信号レベルを自動的に更新・保持する。なお、出力保持部160には、後述の切替スイッチ170の開閉・切替動作により、Φ判定部150から切替信号が出力されていない状態においてはφ計測部70より出力された位相差φの更新記憶を繰り返し、切替信号が出力されているときには位相差φの更新記憶を停止することにより切替信号が出力される直前の位相差φが記憶されるようになっている。
切替スイッチ170は、φ判定部150よりの切替信号の出力の有無により開閉される開閉部171と、切替信号の出力の有無により切り替わる切替部172とよりなり、φ判定部150からの切替信号の入力がないときは、開閉部171が閉状態とされるとともに切替部172が端子aに接触しており、φ計測部70から出力される位相差φがφ−Δt変換部80に出力される。また、切替スイッチ170は、φ判定部150から切替信号が入力されると、開閉部171が開状態とされると共に、切替部172が端子bに接触する位置に切り替わることにより、出力保持部160に保持された流量信号(φ判定部150より切替信号が出力される直前にφ計測部70から出力された位相差φ)が出力される。
このように、位相差がφ=90degとなる場合におけるtanφの値は不定となるため、図7に示す流量計測制御回路20Bでは、φ判定部150において、φ=90degであることが判定された場合は、開閉部171を開状態とすると共に、切替スイッチ170の切替部172を端子bに接触する位置に切り替えることにより、φ計測部70から出力された位相差φの信号を遮断するとともに、出力保持部160からφ=90degとなる直前の位相差φの信号を出力する。
このように、φ=90degでtanφが不定となる場合は、出力保持部160からφ=90degとなる直前の位相差φの信号を出力することで、位相差φの計測値を安定化することができる。
尚、上記実施例では、センサチューブが逆U字状に曲げられた構成のものを例に挙げて説明したが、これに限らず、他の形状とされたセンサチューブを振動させる構成のものにも本発明が適用することができるのは勿論である。
また、上記実施例では、センサチューブの流入側変位と流出側変位とを、コイルとマグネットとを組み合わせたピックアップを用いた構成について説明したが、これに限らず、これ以外の構成からなる変位検出センサを用いても良いのは勿論である。
10 振動式測定装置
11 マニホルド
12,13 センサチューブ
14 加振器
14a 励振コイル
14b マグネット
15 流入側振動ピックアップ
16 流出側振動ピックアップ
15a、16a センサコイル
15b、16b マグネット
17 温度センサ
20、20A、20B 流量計測制御回路
40A、40B 入力フィルタ
50A、50B 正規化部
60A、60B 位相遅延フィルタ
70 φ計測部
80 φ−Δt変換部
90 Δt計測部
100 Δt判定部
110 出力フィルタ
120 Δt−Q変換部
130、160 出力保持部
140、170 切替スイッチ
150 φ判定部

Claims (4)

  1. 被測流体が流れるセンサチューブと、
    加振信号の入力により前記センサチューブを加振する加振器と、
    前記加振器による加振力を制御する励振制御手段と、
    前記加振器による加振位置よりも上流側の前記センサチューブの変位に応じた第1検出信号を出力する流入側検出器と、
    前記加振器による加振位置よりも下流側の前記センサチューブの変位に応じた第2検出信号を出力する流出側検出器と、
    前記流入側検出器より出力された第1検出信号と前記流出側検出器より出力された第2検出信号との差から前記被測流体の流量を演算する流量演算手段と、
    を備えた振動式測定装置において、
    前記流量演算手段は、
    前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号との時間差を異なる方法で求める複数の時間差演算手段と、
    前記複数の時間差演算手段から得られた各時間差を比較し、当該比較結果により前記複数の時間差演算手段から得られた各時間差が異なる場合に異常があることを検知する異常検知手段と、
    を有することを特徴とする振動式測定装置。
  2. 前記複数の時間差演算手段は、
    前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号との位相を演算し、当該位相差から時間差を求める第1時間差演算手段と、
    前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号とから直接時間差を求める第2時間差演算手段と、
    を有することを特徴とする請求項1に記載の振動式測定装置。
  3. 前記第1時間差演算手段は、前記流入側検出器からの第1検出信号と前記流出側検出器からの第2検出信号との位相差から三角関数を用いて時間差を求めることを特徴とする請求項2に記載の振動式測定装置。
  4. 前記異常検知手段は、前記複数の時間差演算手段から得られた各時間差の偏差が所定値を超える場合に異常があることを検知することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の振動式測定装置。
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