(第1実施例)
図1は、本発明の実施の形態に係る電力供給システムのブロック図である。第1実施例は、マンション2等の集合住宅として構成されており、図1では入居家庭の代表として簡単のため第1家庭4および第2家庭6を図示しているが、実際には同様の多数の家庭が入居している。マンション2の屋上には、太陽光発電パネル8が設置されており、これが第1家庭用パネル10、第2家庭用パネル12等に分譲されている。また、マンション2には単相3線の商用電源14から交流電力線が入居している各家庭に引き込まれている。
次に、第1家庭4を例にとって第1実施例の電力供給システムの詳細構成を説明する。太陽電池パネル8における第1家庭用パネル10は、第1家庭専用の接続箱16を介して第1家庭用のパワーコンディショナー18に接続されている。パワーコンディショナー18は接続箱16からの直流電力を最も効率の良い電圧に変換するDC/DCコンパータ20及びこれを商用交流電源レベルでその最高電圧よりも若干高めに設定された交流電力に変換するためのDC/ACコンバータ22を有する。DC/ACコンバータ22から出力される太陽光発電交流電力は売電メータ24に接続され、売電メータ24および時間帯別買電メータ26を介して単相3線商用電源14側に売電される。この売電対価は買電の際の通常電力料金の倍額となっている。なお、単相3線商用電源14は、太陽光発電パネル8による発電ができないときの買電や深夜電力料金による買電のため、時間帯別買電メータ26及び売電メータ24を介して通常通り第1家庭4に給電を行うことが可能である。
制御部28は、システム内に設けられた種々のスイッチを制御する。そして制御に必要なパワーコンディショナー18の発電状態の情報および時間帯別買電メータ26の状態の情報がそれぞれ図1にPおよびQで示した接続を通じて入力されている。制御部28は、まず、パワーコンディショナー18のDC/DCコンバータ20から降圧部30を介して蓄電池32に接続される充電路に設けられたAスイッチ34を制御している。そして、昼間において蓄電池32の充電量が欠乏している際にAスイッチ34を閉じることによって太陽光発電パネル8による発電電力にて補助的に充電を行う。蓄電池32は、基本的には単相3線商用電源14から深夜電力料金にて交流電力を買電して充電しておき、これを深夜電力料金時間帯以外において第1家庭4で利用するために設けられているものである。この目的のため、制御部28は売電メータ24に接続されたBスイッチ36を深夜電力料金時間帯に閉じるよう制御し、AC/DCコンパータおよび降圧部38を介して蓄電池32を充電する。なお、深夜電力料金は、通常料金の1/3に設定されている。
蓄電池32に蓄えられた電力は、DC分電盤40からDC家電42に給電される。DC家電42にはLED照明44などが含まれる。蓄電池32に蓄えられた電力は、さらに、DC/ACコンパータおよび昇圧部44を介し、AC分電盤46からAC家電48に給電される。AC家電48は通常の家庭用コンセントから給電される一般家電製品である。なお、制御部28は、深夜料金時間帯において、または深夜料金時間帯以外において蓄電池32の電力が欠乏している時にAC家電48を単相3線商用電源14にて直接駆動するため、売電メータ24とAC分電盤46の間に接続されたCスイッチ50を閉じるよう制御する。
第2家庭6は第1家庭4と同様の構成であるが、簡単のために代表的な構成の図示に留め、他は省略している。図1に明らかなように、第2家庭6には、第1家庭4の蓄電池32と同様の蓄電池52が設けられているが、両者は互いに充電された電力の有料融通が可能である。この融通のための料金は単相3線商用電源14からの深夜電力料金に交流直流間の変換や蓄電池32、52の充放電の際の損失分を上乗せした程度であり、通常電力料金よりも大幅に安くなっている。この目的のため、DC分電盤40には直流売電用のDスイッチ54および直流買電用のEスイッチ56が接続されており、直流売買メータ58を介して第2家庭6と接続されている。損益表示部60には、売電メータ24、時間帯別買電メータ26および直流売買メータ58がそれぞれ接続されており、売電および買電の損益を表示する。
第1家庭4との直流電力融通のための第2家庭6側のスイッチ62は、第1家庭4のDスイッチ54および直流買電用のEスイッチ56と同様の構成であり、これらをまとめて図示したものである。なお、第2家庭6のDC売買メータは図示を省略している。直流売買は、実施には第1家庭4と第2家庭6との二者間取引ではなく、マンション2入居のすべての家庭の間における一対他取引であり、このため各家庭間は共通の直流配線に接続されている。既に述べたように第2家庭6やその他不図示の家庭は第1家庭4と同じ構成を有する。第2家庭6について主なものについて述べると、太陽光発電パネル8の第2家庭用パネル12は接続箱64を介してパワーコンディショナー66に接続されている。売電買電メータ68は第1家庭4の売電メータ24および時間帯別買電メータ26と同様のものであり、これらをまとめて図示したものである。そして売電買電メータ68を介して買電された交流電力はスイッチ70を介して蓄電池52を充電している。AC/DCコンパータおよび降圧部は図示を省略している。パワーコンディショナー66からの太陽光発電電力は売電買電メータ68を介して売電されるとともに、スイッチ72を介して蓄電池52を蓄電している。降圧部は図示を省略している。その他、逐一の説明および図示を省略するが、第2家庭6は第1家庭4と同様の構成を持っている。
図2は、制御部28による各スイッチの制御状態をまとめたもので、図2(A)は、Aスイッチ34、Bスイッチ36およびCスイッチ50に関するものであるとともに、図2(B)は、Dスイッチ54およびEスイッチ56に関するものである。図2(A)から明らかなように、太陽光発電電力を蓄電池32に充電するためのAスイッチ34は、太陽光発電電力があって蓄電池32に蓄えられた電力が欠乏している場合に閉じられ、その他の場合は開かれている。なお、図2(A)において「(ON)」のようにONを括弧で囲んでいるのはスイッチが補助的に閉じられる場合であることを示す。つまり、既に述べたように、蓄電池32の充電は通常は深夜電力料金での単相3線商用電源14から行われ、Aスイッチ34を介した充電は、深夜電力料金時間帯以外に蓄電池32の電力が不足した場合におけるあくまで補助的なものである。
Bスイッチ36は、深夜電力料金時間帯において単相3線商用電源14から蓄電池32を充電するために閉じられるとともに、太陽光発電のない日没後であってまだ深夜電力料金時間帯になっていない状態において蓄電池32の電力が不足した場合に、補助的に閉じられる。Bスイッチ36は、その他の状況では開かれている。一方、Cスイッチ50は、深夜電力料金時間帯において単相3線商用電源14の電力を直接消費してAC家電48を駆動するために閉じられる。これは、深夜料金時間帯では、Bスイッチ36から蓄電池32を一旦経由するよりも直接駆動する方が電力損失がなく、効率的だからである。Cスイッチ50は、さらに、太陽光発電の有無にかかわらず、蓄電池32に蓄えられた電力が欠乏している場合に補助的に閉じられる。
また、図2(B)に明らかなように、蓄電池32から他の家庭に直流電力を売電するためのDスイッチ54および他の家庭から直流電力を買電して蓄電池32を充電するためのEスイッチ56は、まず深夜電力料金時間帯において閉じられる。これは、深夜料金時間帯では、家庭の垣根を越えて各家庭の蓄電池を仮想的な一つの大きな蓄電池と考え、可能な限り協力して安価な電力の蓄積に努めるとともに容量に余裕のある家庭に電力の融通を行うためである。なお、蓄電池32には深夜電力料金で充電した電力とともに単価の高い太陽光発電や通常時間帯の買電による電力も蓄積されている可能性がある。このような高い単価で充電した電力分を深夜電力料金並みの単価で他の家庭に融通するのでは電力融通の清算に混乱が生じるので、本実施例では、蓄電池32に蓄えられた電力のうち高い単価で充電した電力分を除き、深夜電力料金で買電して充電した電力分のみを対象にしてそこに余剰がある場合のみ他の家庭への融通を行う。
図2(B)では、上記のような考えに従って深夜電力料金時間帯以外でのスイッチ制御を行う。まず、蓄電池32から他の家庭に直流電力を売電するためのDスイッチ54は、蓄電池32の充電電力が足りている場合であって且つ深夜電力料金既買電分に余裕がある場合のみ閉じられ、他の場合は開かれる。一方。他の家庭から直流電力を買電して蓄電池32を充電するためのEスイッチ56は、蓄電池32の充電電力が欠乏している場合に閉じられ、他の場合は開かれる。
図3は、蓄電池32の電力の充足または欠乏および上記の直流電力買電の余剰について説明するための蓄電電力の構成図である。図3(A)および図3(B)は、蓄電池32の容量102中の蓄電量が深夜電力料金で買電した電力分104のみで構成されている場合の例である。ここで図3(A)では、深夜料金買電分104は、次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力のライン106を超えた余剰分がある状態で充電されている。この場合は、深夜電力料金時間帯以外において蓄電池32を充電する必要がなく、且つ余剰電力分は他の家庭に売電可能である。これに対し、図3(B)では、深夜料金買電分104による充電量は、次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力のライン106に満たない。この場合は、次の深夜電力料金時間帯までに蓄電池32を充電する必要がある。そして、当然ながら、他の家庭に売電可能な余剰分はない。
上記に対し、図3(C)から図3(E)は、蓄電池32の容量102中の蓄電量が深夜電力料金で買電した電力分104、および単価の高い発電充電分プラス通常料金買電分108で構成されている場合の例である。ここで図3(C)では、深夜料金買電分104だけでも次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力のライン106を超えており、当然ながらトータルの充電量もライン106を超えている。従って、深夜電力料金時間帯以外において蓄電池32を充電する必要はない。ここで注意すべきは、他の家庭に買電できる余剰電力が、ライン106を超えている全ての電力ではなく、そこから単価の高い発電充電分プラス通常料金買電分108を除いた部分であることである。
一方、図3(D)では、深夜料金買電分104が次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力のライン106を下回っており、単価の高い発電充電分プラス通常料金買電分108を加えたトータルがライン106を超えている。この状態では、深夜電力料金時間帯以外において蓄電池32を充電する必要はないが、他の家庭に売電できる余剰電力はない。図3(E)は、深夜料金買電分104が次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力のライン106を下回っており、単価の高い発電充電分プラス通常料金買電分108を加えたトータルでもライン106を下回っている。この状態では、深夜電力料金時間帯以外において単価の高い電力源から蓄電池32をさらに充電する必要がある。当然ながら、他の家庭に売電できる余剰電力はない。
図4は、深夜電力料金で買電した電力の融通について説明するための蓄電電力の構成図であり、図3と同じ意味の部分には同じ番号を付す。また、図4(A1)は第1家庭4の蓄電池32の蓄電電力構成であり、図4(A2)が第2家庭6の蓄電池52の蓄電電力構成である。そして、これら図4(A1)および図4(A2)は、蓄電電力の融通がない場合である。図4(A1)に明らかなように、第1家庭4では、蓄電池32の容量102中の蓄電量が深夜電力料金で買電した電力分104のみで構成されている。そして、充電量が次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力のライン106を超えているため、深夜電力料金時間帯以外において蓄電池32を充電する必要がない。一方、第2家庭6の蓄電池52は、深夜電力料金で買電した電力分104、および単価の高い発電充電分プラス通常料金買電分108で構成されている。そして深夜料金買電分104については次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力のライン106を下回っているが、単価の高い発電充電分プラス通常料金買電分108を加えたトータルがライン106を超えているので、第1家庭4と同様、深夜電力料金時間帯以外において蓄電池32を充電する必要はない。しかしながら、第2家庭6で次の深夜電力料金時間帯までに消費予定の電力には単価の高い電力分が含まれており、コスト高になっている。
これに対し、図4(B1)は第1家庭4の蓄電池32の蓄電電力構成であり、図4(B2)が第2家庭6の蓄電池52の蓄電電力構成であるが、電力の融通がある場合を示したものである。図4(B1)に明らかなように、第1家庭4の余剰電力のうち売電分112は矢印114で示すように第2家庭6で買電され、図4(B2)に示すように蓄電池52に買電分116として充電される。これによって図4(B2)の第2家庭6の蓄電池52における電力構成は、深夜電力料金で買電した電力分104に第1家庭4からの買電分116をプラスしたものとなり、いずれも、深夜電力料金並みの低コストの構成となる。このように、複数家庭間で深夜電力料金で買電した電力を融通することにより、全体として低コストの電力調達が実現する。
図5は、本発明の第1実施例における図1の制御部28のスイッチ制御機能を示す基本フローチャートである。フローはシステムの設置によりスタートし、まずステップS2で次の深夜料金時間帯までに自家庭で消費可能な充電量および次の深夜料金時間帯までに他家庭に融通可能な余剰充電量を設定する処理を行う。その詳細は後述する。次いで、ステップS4で現時刻が深夜電力料金時間帯かどうかのチェックを行う。そして深夜電力料金時間帯でなければステップS6に進み、蓄電池32の充電量が次の深夜料金時間帯までに自家庭で消費可能な充電量以上あるかどうかチェックする。
ステップS6で次の深夜電力料金時間帯までに消費可能な充電量があると判断された場合はステップS8に進み、太陽光発電充電のためのAスイッチ34を開くとともにステップS10に進み、単相3線の商用電源14からの交流電力を充電するためのBスイッチ36を開く。さらにステップS12では、単相3線の商用電源14からの交流電力を直接消費するためのCスイッチ50を開いてステップS14に移行する。以上のようにして、蓄電池32の充電量が次の深夜料金時間帯までに自家庭で消費可能な充電量以上ある場合には、電力消費はもっぱら蓄電池の電力によってまかなわれる。これはDC家電42だけでなくAC家電48についても該当する。従って太陽光発電電力がある場合は、買電のスイッチを開くことにより発電量を全て売電に回し、2倍金額の収益を上げることができる。
一方、ステップS6で次の深夜電力料金時間帯までに消費可能な充電量が不足していると判断された場合はステップS16に進み、太陽光発電中かどうかのチェックを行う。そして太陽光発電中であれば、ステップS18に進み、太陽光発電充電のためのAスイッチ34を閉じる。さらにステップS20では、単相3線の商用電源14からの交流電力を充電するためのBスイッチ36を開く。これによって太陽光発電中は不足分の充電は太陽光発電電力のみによって行われるようになる。さらにステップS22では、単相3線の商用電源14からの交流電力を直接消費するためのCスイッチ50を閉じでステップS14に移行する。Cスイッチ50を閉じるのは、直接消費に関しては、二倍で売れる可能性のある太陽光発電分を自家消費してしまうより、通常料金で買電した交流電力を消費する方が経済的だからである。
また、ステップS4で深夜電力料金時間帯であることが確認された場合はステップS24に進み、発電のない太陽光発電充電用のAスイッチ34を開く。さらにステップS26では、単相3線の商用電源14からの交流電力を充電するためのBスイッチ36を閉じ、深夜電力料金での単相3線商用電源14からの交流電力を買電して蓄電池32の充電を可能とする。そしてステップS22に移行してCスイッチ50を閉じ、深夜電力料金での単相3線商用電源14からの交流電力の直接消費も可能としてステップS14に移行する。
ステップS14では、蓄電池32における他家庭との直流売買の処理を行ってステップS28に移行する。ステップS14の詳細は後述する。ステップS28ではシステムの定期メンテナンス時期の到来または手動によるメンテナンス操作の有無をチェックし、いずれの検出もなければステップS2に戻る。以後ステップS28でメンテナンス検知が行われない限りステップS2からステップS28が繰り返され、種々の状況に対応して各スイッチの制御を行われる。
図6は、図5のステップS14における直流売買処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS32で深夜電力料金時間帯に該当するかどうかのチェックが行われ、該当がなければステップS34に進んで、蓄電池32の充電量が次の深夜料金時間帯までに自家庭で消費可能な充電量以上あるかどうかチェックする。そして該当すれば買電の必要はないのでステップS36に進み、直流買電用のEスイッチ56を開いてステップS38に移行する。ステップS38では、次の深夜料金時間帯までに他家庭に融通可能な深夜買電分充電量の余剰があるかどうかチェックする。そして余剰がなければステップS40に進んで直流売電用のDスイッチ54を開いてフローを終了する。
一方、ステップS34で蓄電池32の充電量が次の深夜料金時間帯までに自家庭で消費可能な充電量以上ないことが確認されると、ステップS42に進み、直流買電用のEスイッチ56を閉じて他家庭からの直流買電を可能とする。そして、当然ながら売電の余剰分はないのでステップS40に進み、直流売電用のDスイッチ54を開いてフローを終了する。さらに、ステップS32で深夜電力料金時間帯に該当することが確認されるとステップS44に進み、直流買電用のEスイッチ56を閉じて他家庭からの買電を可能にするとともにステップS46で直流売電用のDスイッチ54を閉じ、他家庭への売電を可能とする。このように、深夜電力料金時間帯では、自由に直流電力の売買が可能となる。なお、ステップS38で次の深夜料金時間帯までに他家庭に融通可能な深夜買電分充電量の余剰があることが確認された場合はステップS46に進み、直流売電用のDスイッチ54を閉じてフローを終了する。このように深夜電力料金時間帯以外では、深夜買電分の充電電力に余剰がある場合のみ売電を可能とし、次の深夜料金時間帯までに消費可能な電力が充電されていても、コスト高充電分を差し引いたときに余剰がなければ、他家庭への融通を行わない。
図7は、図5のステップS2における次の深夜料金時間帯までに自家庭で消費可能な充電量および次の深夜料金時間帯までに他家庭に融通可能な余剰充電量を設定する処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS52で深夜料金時間帯が満了する午前7時が到来したかどうかをチェックする。ステップS52のチェックは、午前7時以降、図5のフローの繰り返しの数周期後までに該当する極短時間帯のみ行われ、その時間帯が過ぎると、午前7時到来に該当するものとは判断されない。ステップS52で午前7時到来が検知されるとステップS54に進み、一日分の電力消費蓄積データをリセットするとともに蓄積を再スタートさせ、ステップS56に移行する。一方、ステップS52で午前7時到来が検知されない場合は直接ステップS56に移行する。
ステップS56では、深夜料金時間帯であるか否かのチェックが行われ、深夜料金時間帯でなければ、ステップS58で蓄電池32が放電中であるかどうかのチェックが行われる。これは蓄電池32に蓄えられた電力が消費中かどうかのチェックを意味する。放電中でなければステップS60に進み、Cスイッチ50を閉じる指示中であるかどうかをチェックする。これは、単相3線商用電源14の電力を直接消費してAC家電48を駆動しているかどうかのチェックである。そして該当すればステップS62に進んで総消費電力データの蓄積を行いステップS64に移行する。また、ステップS58で蓄電池32の放電が検知されたときもステップS62に移行する。
このようにして、蓄電池32の放電または単相3線商用電源14の直接消費があったときはいずれもステップS62で消費電力データの蓄積が行われる。なお、いずれがきっかけでステップS62に移行したとしても、ステップS62では総消費電力データを蓄積するので、蓄電池32の放電および単相3線商用電源14の直接消費の両者が同時に生じているときはそれらを加算した消費電力データの蓄積が行われる。一方、ステップS56で深夜時間帯であることが検知されたとき、またはステップS60でCスイッチ50を閉じる指示中であることが検知されなかったときは、いずれも消費電力の蓄積は不要なので直接ステップS64に移行する。
ステップS64では、深夜電力料金時間帯が開始する午後11時が到来したかどうかチェックする。ステップS64のチェックも、ステップS52と同様にして、午後11時以降、図5のフローの繰り返しの数周期後までに該当する極短時間帯のみ行われ、その時間帯が過ぎると、午後11時到来に該当するものとは判断されない。ステップS64で午後11時到来が検知されるとステップS66に進み、一日分の電力消費蓄積データ蓄積を終了し、その日の実績としての午前7時から午後11時までの消費電力データを確定する。次のステップS68では、現時点で設定されている深夜電力料金時間帯までに消費可能な充電量データを呼出す。そしてステップS70において、ステップS68で呼出した現時点のデータとステップS68で確定した最新の一日のデータを加重平均し、深夜電力料金時間帯までに消費可能な電力量データを更新してステップS72に移行する。一方、ステップS64で午後11時到来が検知されないときは直接ステップS72に移行する。このようにして、予測値である深夜電力料金時間帯までに消費可能な電力量データを実績に基づいて日々修正し、実際との乖離がないようにする。
ステップS72では、蓄電池32中における家庭間で融通不可なコスト高の電力分を計算する処理を行う。その詳細は後述する。次いで、ステップS74では、次の深夜電力料金時間帯までに消費可能な充電量データを呼出す。このデータは、ステップS66からステップS70が機能した場合、更新された最新データである。そして、ステップS76では、ステップS74で呼出したデータからステップS72で得た融通不可分データを減算する。次のステップS78では、ステップS76の減算結果を次の深夜料金時間帯までに融通可能な余剰充電量データとして更新し、フローを終了する。
図8は、図7のステップS72における融通不可分計算処理の詳細を示すフローチャートである。フローがスタートすると、ステップS82で現時点での蓄電池32中の融通不可分電力データを呼出す。そしてステップS84で深夜電力料金時間帯であるかどうかのチェックが行われる。深夜料金時間帯でないときはコスト高の充電が行われる可能性があるのでステップS86に進み、Bスイッチ36を閉じる旨の指示中かどうかのチェックが行われる。該当すればステップS88に進み、Bスイッチ36経由で行われる単相3線商用電源14から蓄電池32への充電量を融通不可分としてステップS82で呼出したデータに加算してステップS90に移行する。一方、ステップS86でBスイッチ36を閉じる旨の指示中でなければ直接ステップS90に移行する。
ステップS90では、Aスイッチ34を閉じる旨の指示中かどうかのチェックが行われる。該当すればステップS92に進み、Aスイッチ34経由で行われる太陽光発電電力による蓄電池32への充電量を融通不可分としてステップS82で呼出したデータに加算してステップS94に移行する。一方、ステップS90でAスイッチ34を閉じる旨の指示中でなければ直接ステップS94に移行する。また、ステップS84で深夜料金時間帯でなかったときも、直接ステップS94に移行する。
ステップS94では、蓄電池32が放電中であるかどうかのチェックが行われる。該当すればステップS96に進み、Dスイッチ54を閉じる旨の指示中かどうかのチェックが行われる。そして該当すればステップS98に進み、Dスイッチ54経由の他家庭への電力融通のための放電量データを融通計算から除外してステップS100に移行する。他家庭への融通は、自家庭での消費には該当しないからである。一方、ステップS96でDスイッチ54を閉じる旨の指示中でなければ蓄電池32の放電は全て自家庭での消費を意味するので直接ステップS100に移行する。ステップS100では、放電量すなわち自家庭での消費電力量を、ステップS82において融通不可分として呼出したデータから減算する。これは、融通不可の高コスト電力を自家庭で消費した結果、その分だけ融通不可分が減ったことを意味する。
次いでステップS102では、ステップS100での減算の結果、融通不可分がマイナスになったかどうかをチェックする。そして融通不可分がマイナスになればステップS104に進んで融通不可分データをゼロに設定してステップS106に移行する。融通不可分がなくなった以上、それ以上の電力消費を融通不可分の計算に入れることは不合理だからである。一方、ステップS102で融通不可分がマイナスにならない場合は減算結果の融通不可分をそのまま採用するため直接ステップS106に移行する。なお、ステップS94で蓄電池32が放電中であることが検知されないときは融通不可分の減少はないので直接ステップS106に移行する。ステップS106では、以上の結果を更新された蓄電池中の融通不可分データとして格納しフローを終了する。
上記の第1実施例では、各家庭がマンション2に入居している例を示したが、本発明の上記種々の特徴はマンションのような集合住宅での実施に限るものではなく、一戸建ての並んだ住宅地においても同様に実施可能である。この場合、各家庭用の太陽光発電パネルは、それぞれの一戸建て住宅の屋根に設置されることになる。
上記のように、第1実施例によれば、第1電力源と、前記第1電力源の出力が入力される第1充電池と、前記第1充電池の出力が入力される第1電力消費部と、を備えた第1ユニットと;第2充電池と;前記第1充電池と前記第2充電池との間で電力を共有するための電力ラインと;を有する電力システムが提供される。そして、第1実施例の場合、第1電力源(および第2電力源)は、商用電源である。
ここで、第1実施例は、太陽光発電電力の売電価格が高く設定されている場合を前提とし、高く売れる太陽光発電電力は自分で使ってしまわず、電力消費は商用電源から安価な深夜料金電力を買電して行うことにより、その差額を儲ける(AC/DC変換時のロスを差し引いても儲かる)という考え方に立っている。そのため、第1実施例では、太陽光発電電力の利用について、電力の融通はおろか自己消費さえ控えて、できる限りDC/AC変換して売電することに徹する(電力の融通は深夜料金電力について行う)という考え方が採用されている。
(第2実施例)
以下では、第2実施例におけるDC電力ネットワーク網(蓄電池分散システム)の構築について、詳細な説明を行う。
図9は、一般的な集合住宅の電力供給システムを示す模式図である。
従来、マンションなどの集合住宅100に太陽光発電システムを導入した場合、太陽光パネル102やパワーコンディショナー103は、各個人(居室101の居住者毎)の所有物となる。
そこで、以下の第2実施例では、太陽光パネルやパワーコンディショナーが個人所有であることを前提とした上で、集合住宅であることを活かした独自のメリットが産まれるDC電力ネットワーク網を提案する。ただし、上記の「集合住宅」とは、必ずしも、マンションやアパートなどに限定されるものではなく、例えば、一戸建て住宅の集合体であってもよい。
図10は、DC電力ネットワーク網(蓄電池分散システム)の一実施形態を示す模式図である。
本実施形態のDC電力ネットワーク網に含まれる複数のユニット201は、各個人毎の家庭(例えば、マンションの居室や一戸建て住宅)に相当するものであり、それぞれ、ユニット制御部201aと、太陽光パネル201bと、ユニット蓄電池201cと、を有している。なお、ユニット蓄電池201cとして、小容量(例えば、自動車のバッテリー程度)の蓄電池を用いれば、DC電力ネットワーク網の増減築を容易に行うことができる。
また、本実施形態のDC電力ネットワーク網では、複数のユニット201と、共有蓄電池202と、第1クラスの共有電力ライン203と、第1クラスのグループ制御部204と、を含むように、第1クラスのグループ205が形成されている。なお、上記複数のユニット201は、それぞれ、グループ制御部204による統括管理の下、共有電力ライン203を介して共有蓄電池202を共有している。
また、本実施形態のDC電力ネットワーク網では、複数のグループ205と、第1クラスの共有蓄電池206と、第2クラスの共有電力ライン207と、第2クラスのグループ制御部208と、を含むように、第2クラスのグループ209が形成されている。なお、上記複数のグループ205は、それぞれ、グループ制御部208による統括管理の下、共有電力ライン207を介して共有蓄電池206を共有している。
また、本実施形態のDC電力ネットワーク網では、複数のグループ209と、第2クラスの共有蓄電池210と、第3クラスの共有電力ライン211と、第3クラスのグループ制御部212と、を含むように、第3クラスのグループ213が形成されている。なお、上記複数のグループ209は、それぞれ、グループ制御部212による統括管理の下、共有電力ライン211を介して共有蓄電池210を共有している。
また、本実施形態のDC電力ネットワーク網では、上記と同様のグループ形成が繰り返され、最上位クラスのグループとして、第Nクラス(階層数Nは任意)のグループ214が形成されている。そして、最終的には、複数のグループ214と、第Nクラスの共有蓄電池215と、ルートクラスの共有電力ライン216と、ルート制御部217と、AC/DCコンバータ218と、DC/ACコンバータ219と、を含むように、ルート220が形成されている。なお、上記複数のグループ214は、それぞれ、ルート制御部217による統括管理の下、共有電力ライン216を介して共有蓄電池215を共有している。
また、本実施形態のDC電力ネットワーク網では、ルート220と電力会社221との間でAC電力の買電/売電が行われるため、ユニット201やグループ205、209、213、…、214と電力会社221との間でAC電力の買電/売電が直接的に行われることは基本的に認められていない。ただし、DC電力ネットワーク網全体としての蓄電電力が絶対的に不足した場合であっても、ユニット201が所有する電気機器への電力供給は継続しなければならない。そこで、本実施形態のDC電力ネットワーク網では、ユニット201が電力会社221からAC電力を直接的に買電するための経路を残した構成とされている。
このように、本実施形態のDC電力ネットワーク網は、太陽光パネル201bやパワーコンディショナー(不図示)が個人所有であることを前提として構築されており、大規模なインフラ整備を不要とするものである。
また、本実施形態のDC電力ネットワーク網は、ユニット/グループ間(ユニット蓄電池201cと共有蓄電池202との間)、グループ/グループ間(共有蓄電池202と共有蓄電池206との間、共有蓄電池206と共有蓄電池210との間など)、若しくは、グループ/ルート間(第Nクラスのグループ214に属する共有蓄電池(不図示)と共有蓄電池215との間)で、それぞれの蓄電容量を相互に融通し合うことにより、DC電力ネットワーク網全体の蓄電容量を大きく見せかける構成とされている。また、本実施形態のDC電力ネットワーク網では、いずれかの蓄電池が満充電となっている状態をできる限り回避すべく、上記したユニット/グループ間、グループ/グループ間、ないし、グループ/ルート間における蓄電容量の相互融通(蓄電池間の充放電)を頻繁に行う構成とされている。このような構成とすることにより、ユニット201の太陽光パネル201bで得られたDC電力を最大限DC電力のまま使用することができるので、DC/AC変換やAC/DC変換に伴う電力ロスを低減することが可能となる。
図11は、ユニットの一構成例を示す模式図である。本構成例のユニット300には、ユニット制御部301と、ユニット蓄電池302と、電力監視部303と、充電制御部304と、AC/DCコンバータ305と、DC/ACコンバータ306と、ACプラグ307と、DCプラグ308〜310と、照明器具311と、パソコン312と、薄型テレビ313と、買電/充電用のスイッチa1及びa2と、売電/放電/消費用のスイッチb1〜b5と、が含まれている。また、ユニット300が属するグループには、グループ制御部314と、共有蓄電池315と、共有電力ライン316と、が含まれている。また、ユニット300が電力会社317からAC電力を直接的に買電するための経路上には、電力監視部318が設けられている。なお、図11は、ユニット300の構成要素に着目した図面であり、ユニット外の構成要素(ユニット300が属するグループの構成要素)については、その一部のみが描写されている。
ユニット制御部301は、スイッチa1及びa2のオン/オフ制御(買電/充電制御)やスイッチb1〜b5のオン/オフ制御(売電/放電/消費制御)を行う。なお、ユニット制御部301は、ユニット蓄電池302と共有蓄電池315との間でDC電力の充放電を行う際、グループ制御部314に買電要求または売電要求を出力し、グループ制御部314から応答された買電指示または売電指示の内容を確認する。
ユニット蓄電池302は、先にも述べたように、小容量(例えば、自動車のバッテリー程度)の蓄電池である。なお、ユニット蓄電池302は、「パワーコンディショナー(不図示)からのDC給電」と「共有蓄電池315からのDC買電」によって充電される。また、ユニット蓄電池302は、「ユニット300内の電力消費」と「共有蓄電池315へのDC売電」によって放電される。
電力監視部303は、太陽光パネル(不図示)からパワーコンディショナー(不図示)を介してDC給電される発電電力と、ユニット300内の消費電力(ユニット蓄電池302の放電電力)とを比較して、ユニット蓄電池302の電力監視を行う。すなわち、発電電力が消費電力よりも大きければ、ユニット蓄電池302が電力余剰状態(ユニット蓄電池302の電力収支がプラス(余剰)の状態)であると判定される。逆に、発電電力が消費電力よりも小さければ、ユニット蓄電池302が電力不足状態(ユニット蓄電池302の電力収支がマイナス(不足)の状態)であると判定される。
充電制御部304は、パワーコンディショナー(不図示)、または、共有電力ライン316から供給されるDC電力をユニット蓄電池302の充電に適したレベルに変換する。なお、ユニット300が所有するパワーコンディショナー(不図示)は、電力会社317からの商用AC電力との間で系統連系を行う必要がないので、太陽光パネル(不図示)で得られたDC電力をAC電力に変換することなく、直接的に充電制御部304に供給する構成とすればよい。このような構成であれば、パワーコンディショナー(不図示)からユニット蓄電池302への充電に際して、DC/AC変換処理やAC/DC変換処理に伴う電力ロスを生じることはない。
AC/DCコンバータ305は、電力会社317から供給されるAC電力をDC電力に変換してDCプラグ308〜310に供給する。
DC/ACコンバータ306は、ユニット蓄電池302から放電されるDC電力をAC電力に変換してACプラグ307に供給する。
ACプラグ307は、居室内にAC電力を引き出すためのプラグである。
DCプラグ308〜310は、居室内にDC電力を引き出すためのプラグである。
照明器具311としては、ハロゲン灯(AC負荷)、蛍光灯(AC負荷)、LED照明(DC負荷)などを用いることができる。なお、図11では、ACプラグ307から引き出されたAC電力がハロゲン灯に直接供給される給電経路が示されている。また、図11では、DCプラグ308からのDC電力がDC/ACコンバータを介して蛍光灯に供給される給電経路と、DC/DCコンバータを介してLED照明に供給される給電経路が示されている。このように、AC負荷であるハロゲン灯や蛍光灯については、電力会社317から購入したAC電力や、ユニット蓄電池302から放電されたDC電力をDC/AC変換して生成されたAC電力を供給することができる。また、DC負荷であるLED照明については、ユニット蓄電池302から放電されたDC電力や、電力会社317から購入したAC電力をAC/DC変換して生成されたDC電力を供給することができる。
パソコン312は、CPUやHDD(いずれもDC負荷)を有している。なお、図11では、DCプラグ309からのDC電力がパソコン312に引き込まれ、DC/DCコンバータを介してCPUやHDDに供給される給電経路が示されている。このような構成とすることにより、パソコン312にAC/DCコンバータを設ける必要がなくなるので、機器の小型化やコストダウンを図ることができる上、AC/DC変換処理に伴う電力ロスも解消することが可能となる。
薄型テレビ313は、液晶パネルやバックライト(いずれもDC負荷)を有している。なお、図11では、DCプラグ310からのDC電力が薄型テレビ313に引き込まれ、DC/DCコンバータを介して液晶パネルやバックライトに供給される給電経路が示されている。このような構成とすることにより、薄型テレビ313にAC/DCコンバータを設ける必要がなくなるので、機器の小型化やコストダウンを図ることができる上、AC/DC変換処理に伴う電力ロスも解消することが可能となる。
スイッチa1は、ユニット制御部301によってオン/オフ制御され、AC/DCコンバータ305とDCプラグ308〜310との間を導通/遮断する。スイッチa2は、ユニット制御部301によってオン/オフ制御され、共有電力ライン316からユニット蓄電池302への充電経路(DC買電経路)を導通/遮断する。
スイッチb1は、ユニット制御部301によってオン/オフ制御され、電力会社317からACプラグ307へのAC給電経路を導通/遮断する。スイッチb2は、ユニット制御部301によってオン/オフ制御され、DC/ACコンバータ306とACプラグ307との間を導通/遮断する。スイッチb3は、ユニット制御部301によってオン/オフ制御され、AC/DCコンバータ305とDCプラグ308〜310との間を導通/遮断する。スイッチb4は、ユニット制御部301によってオン/オフ制御され、ユニット蓄電池302とDCプラグ308〜310との間を導通/遮断する。スイッチb5は、ユニット制御部301によってオン/オフ制御され、ユニット蓄電池302から共有電力ライン316への放電経路(DC売電経路)を導通/遮断する。
グループ制御部314は、ユニット蓄電池302と共有蓄電池315との間でDC電力の充放電を行う際、グループ制御部314からの買電要求または売電要求を受け取り、ユニット制御部301への応答として、買電指示または売電指示を出力する。
共有蓄電池315は、共有電力ライン316に接続されており、ユニット蓄電池302との間でDC電力の充放電を行う。
共有電力ライン316は、ユニット蓄電池302と共有蓄電池315との間でDC電力を充放電するための経路である。
電力会社317は、ユニット300にAC電力を供給する。
電力監視部318は、電力会社317からユニット300に供給されたAC電力の電力量を所定期間(例えば1ヶ月)毎に積算することで、ユニット300に対する課金情報を取得するための電力メータである。
図12は、ユニット制御部301の動作一覧表であり、左から順に、動作状態毎に付した番号、電力監視部303の電力監視結果、ユニット制御部301から出力される買電要求/売電要求の有無、グループ制御部314の買電指示/売電指示の内容、買電/充電用のスイッチa1及びa2のオン/オフ状態、売電/放電/消費用のスイッチb1〜b5のオン/オフ状態、及び、各動作状態毎の特徴(メリット/デメリット)が示されている。
第1動作状態は、ユニット蓄電池302の電力収支がプラス(余剰)であり、かつ、共有蓄電池315がユニット300の余剰電力を受け入れられる状態である。想定される状況としては、昼間(晴天)にユニット300の消費電力が小さく、かつ、共有蓄電池315に空き容量がある場合や、或いは、ユニット300の消費電力がゼロであり、かつ、共有蓄電池315に空き容量がある場合などが考えられる。
第1動作状態において、電力監視部303は、ユニット蓄電池302が電力余剰状態であると判定する。この判定結果を受けたユニット制御部301は、グループ制御部314に対して売電要求(ユニット300の余剰電力をグループ側にDC売電したい旨の要求)を出力する。この売電要求を受けたグループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC売電を許可(有効)する旨の売電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第1動作状態において、ユニット制御部301からグループ制御部314に対して買電要求(ユニット300の不足電力をグループ側からのDC買電によって補填したい旨の要求)が出力されることはないので、グループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC買電を不許可(無効)とする旨の買電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第1動作状態において、ユニット制御部301は、スイッチa1及びa2、並びに、スイッチb1及びb3をいずれもオフとし、スイッチb2、b4、及び、b5をいずれもオンとする。このようなスイッチ制御により、ユニット蓄電池302からユニット負荷311〜313への電力供給が行われるとともに、ユニット蓄電池302から共有蓄電池315へのDC売電が行われる。
従って、第1動作状態であれば、太陽光発電によって得られたDC電力のみで、ユニット300の消費電力を全て賄うことができる上、さらに、ユニット300の余剰電力をグループ側にDC売電して、その対価収入を得ることも可能となる。
第2動作状態は、ユニット蓄電池302の電力収支がプラス(余剰)であるが、共有蓄電池315がユニット300の余剰電力を受け入れられない状態である。想定される状況としては、昼間(晴天)にユニット300の消費電力が小さく、かつ、共有蓄電池315が満充電である場合や、或いは、ユニット300の消費電力がゼロであり、かつ、共有蓄電池315が満充電である場合などが考えられる。
第2動作状態において、ユニット制御部301からグループ制御部314に対して売電要求が出力される点は、先述の第1動作状態と同様である。しかし、第2動作状態では、共有蓄電池315がユニット300の余剰電力を受け入れられない状態であるため、上記の売電要求を受けたグループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC売電を不許可(無効)とする旨の売電指示(図中では「×」と表記)を出力する。なお、先述の第1動作状態と同様、第2動作状態においても、ユニット制御部301からグループ制御部314に対して買電要求が出力されることはないので、グループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC買電を不許可(無効)とする旨の買電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第2動作状態において、ユニット制御部301は、スイッチa1及びa2、並びに、スイッチb1、b3、及び、b5をいずれもオフとし、スイッチb2及びb4をいずれもオンとする。すなわち、第2動作状態では、先述の第1動作状態と異なり、スイッチb5がオフとされる。このようなスイッチ制御により、ユニット蓄電池302からユニット負荷311〜313への電力供給は行われるが、ユニット蓄電池302から共有蓄電池315へのDC売電は停止される。
従って、第2動作状態であれば、ユニット300の余剰電力をグループ側にDC売電することはできないものの、太陽光発電によって得られたDC電力のみで、ユニット300の消費電力を全て賄うことが可能となる。
第3動作状態は、ユニット蓄電池302の電力収支がマイナス(不足)であるが、共有蓄電池315からユニット300の不足電力を補填し得る状態である。想定される状況としては、昼間(曇り・雨)や夜間であって、かつ、共有蓄電池315に余剰電力がある場合や、或いは、ユニット300の消費電力が大きく、かつ、共有蓄電池315に余剰電力がある場合などが考えられる。
第3動作状態において、電力監視部303は、ユニット蓄電池302が電力不足状態であると判定する。この判定結果を受けたユニット制御部301は、グループ制御部314に対して買電要求を出力する。この買電要求を受けたグループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC買電を許可(有効)する旨の買電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第3動作状態において、ユニット制御部301からグループ制御部314に対して売電要求が出力されることはないので、グループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC売電を不許可(無効)とする旨の売電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第3動作状態において、ユニット制御部301は、スイッチa1、並びに、スイッチb1、b3、及び、b5をいずれもオフとし、スイッチa2、並びに、スイッチb2及びb4をいずれもオンとする。このようなスイッチ制御により、ユニット蓄電池302からユニット負荷311〜313への電力供給が行われるとともに、共有蓄電池315からユニット蓄電池302へのDC買電が行われる。
従って、第3動作状態であれば、電力会社317からのAC買電ではなく、より安価な共有蓄電池315からのDC買電によって、ユニット蓄電池302の不足電力を補うことができるので、グループ内の共有DC電力を有効利用することが可能となる。ただし、先述の第1、第2動作状態とは異なり、第3動作状態では、共有蓄電池315からのDC買電に伴う対価支出が生じる点に留意が必要である。
第4動作状態は、ユニット蓄電池302の電力収支がマイナス(不足)であり、かつ、共有蓄電池315からユニット300の不足電力を補填し得ない状態である。想定される状況としては、昼間(曇り・雨)や夜間であって、かつ、共有蓄電池315に余剰電力がない場合や、或いは、ユニット300の消費電力が大きく、かつ、共有蓄電池315に余剰電力がない場合などが考えられる。
第4動作状態において、ユニット制御部301からグループ制御部314に対して買電要求が出力される点は、先述の第3動作状態と同様である。しかし、第4動作状態では、共有蓄電池315からユニット300の不足電力を補填し得ない状態であるため、上記の買電要求を受けたグループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC買電を不許可(無効)とする旨の買電指示(図中では「×」と表記)を出力する。なお、先述の第3動作状態と同じく、第4動作状態においても、ユニット制御部301からグループ制御部314に対して売電要求が出力されることはないので、グループ制御部314は、ユニット制御部301に対して、ユニット300のDC売電を不許可(無効)とする旨の売電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第4動作状態において、ユニット制御部301は、スイッチa2、並びに、スイッチb2、b4、及び、b5をいずれもオフとし、スイッチa1、並びに、スイッチb1及びb3をいずれもオンとする。このようなスイッチ制御により、電力会社317からのAC買電によって、ユニット負荷311〜313への電力供給が行われる。
従って、第4動作状態であれば、ユニット蓄電池302と共有蓄電池315の双方が電力不足状態に陥っても、電力会社317からのAC買電を行うことにより、ユニット負荷311〜313を動作させるために必要な最低限の電力を確保することが可能となる。ただし、第4動作状態では、電力会社317からのAC買電に伴う対価支出が生じるほか、AC/DC変換処理に伴う電力ロスが生じる点に留意が必要である。
図13は、ユニット制御部301の動作フローチャートである。
ステップS201において、ユニット300の消費電力が発電電力以下であるか否かの判定が行われる。ここで、消費電力が発電電力以下であると判定された場合には、ユニット蓄電池302が電力余剰状態であるとして、フローがステップS202に進められる。一方、消費電力が発電電力以下ではないと判定された場合には、ユニット蓄電池302が電力不足状態であるとして、フローがステップS206に進められる。
ステップS201において、消費電力が発電電力以下であると判定された場合、ステップS202では、ユニット蓄電池302からユニット負荷311〜313への電力供給を行うべく、スイッチa1及びa2、並びに、スイッチb1〜b5が適宜オン/オフ制御され、また、グループ制御部314に対しては、ユニット300の余剰電力をグループ側にDC売電したい旨の売電要求フラグが出力される。
その後、ステップS203では、グループ制御部314から応答されてくる売電指示の内容確認が行われる。ここで、ユニット300のDC売電を許可する旨の売電指示が確認された場合には、フローがステップS204に進められる。一方、ユニット300のDC売電を不許可とする旨の売電指示が確認された場合には、フローがステップS205に進められる。
ステップS203において、ユニット300のDC売電を許可する旨の売電指示が確認された場合、ステップS204では、共有蓄電池315へのDC売電を行うべく、スイッチb5がオンとされる。この状態は、先述の第1動作状態に相当する。その後、フローはステップS201に戻される。
一方、ステップS203において、ユニット300のDC売電を不許可とする旨の売電指示が確認された場合、ステップS205では、共有蓄電池315へのDC売電を停止すべく、スイッチb5がオフとされる。この状態は、先述の第2動作状態に相当する。その後、フローはステップS201に戻される。
また、ステップS201において、消費電力が発電電力以下でないと判定された場合、ステップS206では、グループ制御部314に対して、ユニット300の不足電力をグループ側からのDC買電で補填したい旨の買電要求フラグが出力される。
その後、ステップS207では、グループ制御部314から応答されてくる買電指示の内容確認が行われる。ここで、ユニット300のDC買電を許可する旨の買電指示が確認された場合には、フローがステップS208に進められる。一方、ユニット300のDC買電を不許可とする旨の買電指示が確認された場合には、フローがステップS209に進められる。
ステップS207において、ユニット300のDC買電を許可する旨の買電指示が確認された場合、ステップS208では、共有蓄電池315からのDC買電を行うべく、スイッチa2がオンとされる。この状態は、先述の第3動作状態に相当する。なお、第3動作状態では、ユニット蓄電池302を介して、共有蓄電池315からユニット負荷311〜313に電力供給が行われる。その後、フローはステップS201に戻される。
一方、ステップS207において、ユニット300のDC買電を不許可とする旨の買電指示が確認された場合、ステップS209では、電力会社317からのAC買電を行うべくスイッチa1及びb3がオンとされる。この状態は、先述の第4動作状態に相当する。なお、第4動作状態では、電力会社317からユニット負荷311〜313に電力供給が行われる。その後、フローはステップS201に戻される。
図14は、グループの一構成例を示す模式図である。本構成例のグループ400は、複数のユニット300が属する最下位クラス(第1クラス)のグループであり、グループ400には、グループ制御部401と、共有蓄電池402と、電力監視部403と、充電制御部404と、放電制御部405と、共有電力ライン406と、電力監視部407と、放電制御部408と、充電用のスイッチc1及びc2と、放電用のスイッチd1及びd2とが含まれている。また、グループ400が属する上位クラス(第2クラス)のグループには、グループ制御部409と、共有蓄電池410と、放電制御部411と、共有電力ライン412が含まれている。なお、図14は、グループ400の構成要素に着目した図面であり、グループ外の構成要素(ユニット300や上位グループの構成要素)については、その一部のみが描写されている。また、図14では、最下位クラスのグループを例示して説明を行うが、より上位クラスのグループについても、その基本的な構成は同様である。
グループ制御部401は、自グループの共有蓄電池402と上位グループの共有蓄電池410との間でDC電力の充放電を行う際、上位クラスのグループ制御部409に充電要求または放電要求を出力し、グループ制御部409から応答された充電指示または放電指示の内容を確認する。
また、グループ制御部401は、自グループの共有蓄電池402とユニット300のユニット蓄電池302との間でDC電力の充放電を行う際、ユニット制御部301からの買電要求または売電要求を受け取り、その応答として買電指示または売電指示をユニット制御部301に出力する。
なお、グループ制御部401は、上位グループインターフェイス部401aと、充放電制御部401bと、下位ユニット/グループ電力監視部401cと、下位ユニット/グループコントローラ401dと、を有する。上位グループインターフェイス部401aは、上位クラスのグループ制御部409と相互に通信を行う。充放電制御部401bは、スイッチc1及びc2のオン/オフ制御、並びに、スイッチd1及びd2のオン/オフ制御を行う。下位ユニット/グループ電力監視部401cは、複数あるユニット300毎の課金情報(DC電力の売買収支)を一元的に管理する。下位ユニット/グループコントローラ401dは、ユニット制御部301と相互に通信を行う。
共有蓄電池402は、共有電力ライン406及び412に接続されており、ユニット蓄電池302との間、または、上位グループの共有蓄電池410との間でDC電力の充放電を行う。すなわち、グループ400の共有蓄電池402は、「ユニット蓄電池302(または、下位グループの共有蓄電池)からのDC充電」と「上位グループの共有蓄電池410からのDC充電」によって充電される。また、グループ400の共有蓄電池402は、「ユニット蓄電池302(または、下位グループの共有蓄電池)へのDC放電」と「上位グループの共有蓄電池410へのDC放電」によって放電される。
電力監視部403は、共有蓄電池402の充電電力と放電電力とを比較して、共有蓄電池402の電力監視を行う。すなわち、充電電力が放電電力よりも大きければ、共有蓄電池402が電力余剰状態(共有蓄電池402の電力収支がプラス(余剰)の状態)であると判定される。逆に、充電電力が放電電力よりも小さければ、共有蓄電池402が電力不足状態(共有蓄電池402の電力収支がマイナス(不足)の状態)であると判定される。また、電力監視部403は、共有蓄電池402の満充電判定も合わせて行う。
充電制御部404は、共有電力ライン406ないし412から供給されるDC電力を共有蓄電池402の充電に適したレベルに変換する。
放電制御部405は、共有蓄電池402から放電されるDC電力を共有電力ライン406への供給に適したレベルに変換する。
共有電力ライン406は、ユニット蓄電池302と共有蓄電池402との間でDC電力を充放電するための経路である。
電力監視部407は、ユニット300と共有電力ライン406との間でやりとりされたDC電力の電力量を所定期間(例えば1ヶ月)毎に積算することで、ユニット300に対する課金情報(DC電力の売買収支)を取得するための電力メータである。
放電制御部408は、ユニット蓄電池302から放電されるDC電力を共有電力ライン406への供給に適したレベルに変換する。
スイッチc1は、グループ制御部401によってオン/オフ制御され、共有電力ライン412から共有蓄電池402への充電経路を導通/遮断する。スイッチc2は、グループ制御部401によってオン/オフ制御され、共有電力ライン406から共有蓄電池402への充電経路を導通/遮断する。
スイッチd1は、グループ制御部401によってオン/オフ制御され、共有蓄電池402から共有電力ライン412への放電経路を導通/遮断する。スイッチd2は、グループ制御部401によってオン/オフ制御され、共有蓄電池402から共有電力ライン406への放電経路を導通/遮断する。
グループ制御部409は、共有蓄電池402と共有蓄電池410との間でDC電力の充放電を行う際、グループ制御部401からの充電要求または放電要求を受け取り、グループ制御部401への応答として、充電指示または放電指示を出力する。
共有蓄電池410は、共有電力ライン412に接続されており、共有蓄電池402との間でDC電力の充放電を行う。
放電制御部411は、共有蓄電池402から放電されるDC電力を共有電力ライン412への供給に適したレベルに変換する。
共有電力ライン412は、共有蓄電池402と共有蓄電池410との間でDC電力を充放電するための経路である。
図15は、グループ制御部401の上位グループに対する動作一覧表であり、左から順に、動作状態毎に付した番号、電力監視部403の電力監視結果、グループ制御部401から出力される充電要求/放電要求の有無、グループ制御部409から出力される充電指示/放電指示の内容、充電用のスイッチc1及びc2のオン/オフ状態、及び、放電用のスイッチd1及びd2のオン/オフ状態が示されている。
第1動作状態は、自グループの共有蓄電池402の電力収支がプラス(余剰)であり、かつ、上位グループの共有蓄電池410が自グループ400の余剰電力を受け入れられる状態である。
第1動作状態において、電力監視部403は、共有蓄電池402が電力余剰状態であると判定する。この判定結果を受けたグループ制御部401は、上位のグループ制御部409に対して放電要求(グループ400の余剰電力を上位グループ側にDC放電したい旨の要求)を出力する。この放電要求を受けた上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第1動作状態において、グループ制御部401から上位のグループ制御部409に対して充電要求(グループ400の不足電力を上位グループ側からのDC充電によって補填したい旨の要求)が出力されることはないので、上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第1動作状態において、グループ制御部401はスイッチc1をオフとし、スイッチd1をオンとする。このようなスイッチ制御により、自グループの共有蓄電池402から上位グループの共有蓄電池410へのDC放電が行われる。
第2動作状態は、自グループの共有蓄電池402の電力収支がプラス(余剰)であり、上位グループの共有蓄電池410が自グループ400の余剰電力を受け入れられない状態である。
第2動作状態において、グループ制御部401から上位のグループ制御部409に対して放電要求が出力される点は、先述の第1動作状態と同様である。しかし、第2動作状態では、上位グループの共有蓄電池410が自グループ400の余剰電力を受け入れられない状態であるため、上記の放電要求を受けた上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、自グループ400のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。なお、先述の第1動作状態と同様、第2動作状態においても、グループ制御部401から上位のグループ制御部409に対して充電要求が出力されることはないので、上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第2動作状態において、グループ制御部401は、スイッチc1及びd1をいずれもオフとする。すなわち、第2動作状態では、先述の第1動作状態と異なり、スイッチd1がオフとされる。このようなスイッチ制御により、自グループの共有蓄電池402から上位グループの共有蓄電池410へのDC放電は停止される。
第3動作状態は、自グループの共有蓄電池402の電力収支がマイナス(不足)であるが、上位グループの共有蓄電池410から自グループ400の不足電力を補填し得る状態である。
第3動作状態において、電力監視部403は、共有蓄電池402が電力不足状態であると判定する。この判定結果を受けたグループ制御部401は、上位のグループ制御部409に対して充電要求を出力する。この充電要求を受けた上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第3動作状態において、グループ制御部401から上位のグループ制御部409に対して放電要求が出力されることはないので、上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第3動作状態において、グループ制御部401はスイッチc1をオンとし、スイッチd1をオフとする。このようなスイッチ制御により、上位グループの共有蓄電池410から自グループ400の共有蓄電池402へのDC充電が行われる。
第4動作状態は、自グループの共有蓄電池402の電力収支がマイナス(不足)であって、かつ、上位グループの共有蓄電池410から自グループ400の不足電力を補填し得ない状態である。
第4動作状態において、グループ制御部401から上位のグループ制御部409に対して充電要求が出力される点は、先述の第3動作状態と同様である。しかし、第4動作状態では、上位グループの共有蓄電池410から自グループ400の不足電力を補填し得ない状態であるため、上記の充電要求を受けた上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。なお、先述の第3動作状態と同じく、第4動作状態においても、グループ制御部401から上位のグループ制御部409に対して放電要求が出力されることはないので、上位のグループ制御部409は、グループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第4動作状態において、グループ制御部401は、スイッチc1及びc2をいずれもオフとする。すなわち、第4動作状態では、先述の第3動作状態と異なり、スイッチc1がオフとされる。このようなスイッチ制御により、上位グループの共有蓄電池410から自グループの共有蓄電池402へのDC充電は停止される。
図16は、グループ制御部401の上位グループに対する動作フローチャートである。
ステップS301において、共有蓄電池402の放電電力が充電電力以下であるか否かの判定が行われる。ここで、放電電力が充電電力以下であると判定された場合には、共有蓄電池402が電力余剰状態であるとして、フローがステップS302に進められる。一方、放電電力が充電電力以下ではないと判定された場合には、共有蓄電池402が電力不足状態であるとして、フローがステップS306に進められる。
ステップS301において、放電電力が充電電力以下であると判定された場合、ステップS302では、上位のグループ制御部409に対して、自グループ400の余剰電力を上位グループ側にDC放電したい旨の放電要求フラグが出力される。
その後、ステップS303では、上位のグループ制御部409から応答されてくる放電指示の内容確認が行われる。ここで、自グループ400のDC放電を許可する旨の放電指示が確認された場合には、フローがステップS304に進められる。一方、自グループ400のDC放電を不許可とする旨の放電指示が確認された場合には、フローがステップS305に進められる。
ステップS303において、自グループ400のDC放電を許可する旨の放電指示が確認された場合、ステップS304では、上位グループの共有蓄電池410へのDC放電を行うべく、スイッチd1がオンとされる。この状態は、先述の第1動作状態に相当する。その後、フローはステップS301に戻される。
一方、ステップS303において、自グループ400のDC放電を不許可とする旨の放電指示が確認された場合、ステップS305では、上位グループの共有蓄電池410へのDC放電を停止すべく、スイッチd1がオフとされる。この状態は、先述の第2動作状態に相当する。その後、フローはステップS301に戻される。
また、ステップS301において、放電電力が充電電力以下でないと判定された場合、ステップS306では、上位のグループ制御部409に対して、自グループ400の不足電力を上位グループ側からのDC充電で補填したい旨の充電要求フラグが出力される。
その後、ステップS307では、上位のグループ制御部409から応答されてくる充電指示の内容確認が行われる。ここで、自グループ400のDC充電を許可する旨の充電指示が確認された場合には、フローがステップS308に進められる。一方、自グループ400のDC充電を不許可とする旨の充電指示が確認された場合には、フローがステップS309に進められる。
ステップS307において、自グループ400のDC充電を許可する旨の充電指示が確認された場合、ステップS308では、上位グループの共有蓄電池410からDC充電を行うべく、スイッチc1がオンとされる。この状態は、先述の第3動作状態に相当する。その後、フローはステップS301に戻される。
一方、ステップS307において、自グループ400のDC充電を不許可とする旨の充電指示が確認された場合、ステップS309では、上位グループの共有蓄電池410からのDC充電を停止すべく、スイッチc1がオフとされる。この状態は、先述の第4動作状態に相当する。その後、フローはステップS301に戻される。
図17は、グループ制御部401の下位グループ(下位ユニット300)に対する動作一覧表であり、左から順番に、動作状態毎に付した番号、電力監視部403の電力監視結果、下位のグループ制御部(ユニット制御部300)から出力される充電要求/放電要求(買電要求/売電要求)の有無、グループ制御部401から出力される充電指示/放電指示(買電指示/売電指示)の内容、充電用のスイッチc1及びc2のオン/オフ状態、及び、放電用のスイッチd1及びd2のオン/オフ状態が示されている。
第1動作状態は、共有蓄電池402の電力収支がプラス(余剰)であるものの、満充電には至っていないときに、下位に接続された複数のユニット制御部301からいずれも放電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第1動作状態では、いずれのユニット制御部301も充電要求を出力していないので、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第1動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2をオンとし、スイッチd2をオフとする。このようなスイッチ制御により、ユニット蓄電池302から放電されたDC電力によって共有蓄電池402が充電される。
第2動作状態は、共有蓄電池402の電力収支がプラス(余剰)であるものの、満充電には至っていないときに、下位に接続された複数のユニット制御部301からいずれも充電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第2動作状態では、いずれのユニット制御部301も放電要求を出力していないので、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第2動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2をオフとし、スイッチd2をオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池402から放電されたDC電力によってユニット蓄電池302が充電される。
第3動作状態は、共有蓄電池402の電力収支がプラス(余剰)であるものの、満充電には至っていないときに、下位に接続された複数のユニット制御部301の一部から放電要求が出力され、別の一部から充電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、放電要求を出力したユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力し、充電要求を出力したユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
このような第3動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2及びd2をいずれもオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池402と電力余剰状態のユニット蓄電池302との間では、ユニット蓄電池302から放電されたDC電力によって共有蓄電池402が充電される状態となり、また、共有蓄電池402と電力不足状態のユニット蓄電池302との間では、共有蓄電池402から放電されたDC電力によってユニット蓄電池302が充電される状態となる。
第4動作状態は、共有蓄電池402が満充電であるときに、下位に接続された複数のユニット制御部301からいずれも放電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
なお、第4動作状態では、いずれのユニット制御部301も充電要求を出力していないので、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第4動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2及びd2をいずれもオフとする。このようなスイッチ制御により、ユニット蓄電池302のDC放電は停止される。
第5動作状態は、共有蓄電池402満充電であるときに、下位に接続された複数のユニット制御部301からいずれも充電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第5動作状態では、いずれのユニット制御部301も放電要求を出力していないので、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第5動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2をオフとし、スイッチd2をオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池402から放電されたDC電力によってユニット蓄電池302が充電される。
第6動作状態は、共有蓄電池402が満充電であるときに、下位に接続された複数のユニット制御部301の一部から放電要求が出力され、別の一部から充電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、放電要求を出力したユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を不許可(無効)する旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力し、充電要求を出力したユニット制御部301に対してユニット300のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
このような第6動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2をオフとし、スイッチd2をオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池402と電力余剰状態のユニット蓄電池302との間では、ユニット蓄電池302のDC放電が停止された状態となり、また、共有蓄電池402と電力不足状態のユニット蓄電池302との間では、共有蓄電池402から放電されたDC電力によってユニット蓄電池302が充電される状態となる。
第7動作状態は、共有蓄電池402の電力収支がマイナス(不足)であり、満充電には至っていないときに、下位に接続された複数のユニット制御部301からいずれも放電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第7動作状態では、いずれのユニット制御部301も充電要求を出力していないので、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第7動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2をオンとし、スイッチd2をオフとする。このようなスイッチ制御により、ユニット蓄電池302から放電されたDC電力によって共有蓄電池402が充電される。
第8動作状態は、共有蓄電池402の電力収支がマイナス(不足)であり、満充電には至っていないときに、下位に接続された複数のユニット制御部301からいずれも充電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
なお、第8動作状態では、いずれのユニット制御部301も放電要求を出力していないので、グループ制御部401は、全てのユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第8動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2及びd2をいずれもオフとする。このようなスイッチ制御により、ユニット蓄電池302のDC充電は停止される。
第9動作状態は、共有蓄電池402の電力収支がマイナス(余剰)であり、満充電には至っていないときに、下位に接続された複数のユニット制御部301の一部から放電要求が出力され、別の一部から充電要求が出力された状態である。この場合、グループ制御部401は、放電要求を出力したユニット制御部301に対して、ユニット300のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力し、充電要求を出力したユニット制御部301に対して、ユニット300のDC充電を不許可(無効)する旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第9動作状態において、グループ制御部401はスイッチc2をオンとし、スイッチd2をオフとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池402と電力余剰状態のユニット蓄電池302との間では、ユニット蓄電池302から放電されたDC電力によって共有蓄電池402が充電される状態となり、また、共有蓄電池402と電力不足状態のユニット蓄電池302との間では、ユニット蓄電池302のDC充電が停止された状態となる。
図18は、グループ制御部401の下位グループ(下位ユニット)に対する動作フローチャートである。
ステップS401において、共有蓄電池402の放電電力が充電電力以下であるか否かの判定が行われる。ここで、放電電力が充電電力以下であると判定された場合には、共有蓄電池402が電力余剰状態であるとして、フローがステップS402に進められる。一方、放電電力が充電電力以下ではないと判定された場合には、共有蓄電池402が電力不足状態であるとして、フローがステップS410に進められる。
ステップS401において、放電電力が充電電力以下であると判定された場合、ステップS402では、共有蓄電池402が満充電でないか否かの判定が行われる。ここで、共有蓄電池402が満充電でないと判定された場合には、共有蓄電池402に空き容量があるとして、フローがステップS403に進められる。一方、共有蓄電池402が満充電であると判定された場合には、共有蓄電池402に空き容量がないとして、フローがステップS409に進められる。
ステップS402において、共有蓄電池402が満充電でないと判定された場合、ステップS403では、ユニット制御部301からユニット300の余剰電力をグループ400に放電(売電)したい旨の放電要求(売電要求)があるか否かの確認が行われる。ここで、ユニット制御部301から放電要求があると判定された場合には、フローがステップS404に進められる。一方、ユニット制御部301から放電要求がないと判定された場合には、フローがステップS407に進められる。
ステップS403において、ユニット制御部301から放電要求があると判定された場合、ステップS404では、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を許可する旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第1動作状態、または、第3動作状態に相当する。
一方、ステップS403において、ユニット制御部301から放電要求がないと判定された場合、ステップS407では、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第2動作状態に相当する。
また、ステップS402において共有蓄電池402が満充電であると判定された場合、ステップS409では、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第4動作状態、第5動作状態、または、第6動作状態に相当する。
ステップS404、S407、及び、S409のいずれかを経た後、ステップS405では、ユニット制御部301からユニット300の不足電力をグループ400からの充電(買電)によって補填したい旨の充電要求(買電要求)があるか否かの確認が行われる。ここで、ユニット制御部301から充電要求があると判定された場合には、フローがステップS406に進められる。一方、ユニット制御部301から充電要求がないと判定された場合には、フローがステップS408に進められる。
ステップS405において、ユニット制御部301から充電要求があると判定された場合、ステップS406では、ユニット制御部301に応答する充電指示の内容として、ユニット300のDC充電を許可する旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第2動作状態、第3動作状態、第5動作状態、または、第6動作状態に相当する。その後、フローはステップS401に戻される。
一方、ステップS405において、ユニット制御部301から充電要求がないと判定された場合、ステップS408では、ユニット制御部301に応答する充電指示の内容として、ユニット300のDC充電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、ユニット制御部301に応答する充電指示の内容として、ユニット300のDC充電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第1動作状態、または、第4動作状態に相当する。その後、フローはステップS401に戻される。
また、ステップS401において、放電電力が充電電力以下でないと判定された場合、ステップS410では、ユニット制御部301からユニット300の余剰電力をグループ400に放電(売電)したい旨の放電要求(売電要求)があるか否かの確認が行われる。ここで、ユニット制御部301から放電要求があると判定された場合には、フローがステップS411に進められる。一方、ユニット制御部301から放電要求がないと判定された場合には、フローがステップS413に進められる。
ステップS410において、ユニット制御部301から放電要求があると判定された場合、ステップS411では、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を許可する旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第7動作状態、または、第9動作状態に相当する。
一方、ステップS410において、ユニット制御部301から放電要求がないと判定された場合、ステップS413では、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、ユニット制御部301に応答する放電指示の内容として、ユニット300のDC放電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第8動作状態に相当する。
ステップS411、及び、S413のいずれかを経た後、ステップS412では、ユニット制御部301からユニット300の不足電力をグループ400からの充電(買電)によって補填したい旨の充電要求(買電要求)があるか否かに依ることなく、ユニット制御部301に応答する充電指示の内容として、ユニット300のDC充電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、ユニット制御部301に応答する充電指示の内容として、ユニット300のDC充電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第7動作状態、第8動作状態、または、第9動作状態に相当する。その後、フローはステップS401に戻される。
図19は、共有電力ラインの充放電制御を説明するための模式図である。共有電力ライン500から共有蓄電池501及び502への各充電経路上には、それぞれ、充電制御部505及び506が設けられている。共有蓄電池501及び502から共有電力ライン500への各放電経路上には、それぞれ、放電制御部507及び508が設けられている。共有電力ライン500と充電制御部505及び506との間には、それぞれ、充電制御用のスイッチ509及び510が設けられている。共有蓄電池501及び502と放電制御部507及び508との間には、それぞれ、放電制御用のスイッチ511及び512が設けられている。
充電制御部505は、昇降圧DC/DCコンバータ505aと、定電流ドライバ505bと、を有しており、共有電力ライン500から共有蓄電池501への充電時には、共有電力ライン500から供給されるDC電力を共有蓄電池501の充電に適したレベルに変換する。例えば、共有蓄電池501の最適充電電圧が30Vである場合には、昇降圧DC/DCコンバータ505aの目標出力電圧を31V程度(共有蓄電池501の最適充電電圧30V+定電流ドライバ505bの駆動電圧1V)に設定しておけばよい。このような設定を行うことにより、例えば、共有電力ライン500からの入力電圧Vinが100Vである場合、昇降圧DC/DCコンバータ505aは、100Vの入力電圧Vinを降圧して31Vの出力電圧Voutを生成し、この出力電圧Voutを共有蓄電池501に出力する。なお、定電流ドライバ505bの働きにより、共有蓄電池501への充電電流Icは、所定値に維持される。
充電制御部506は、昇降圧DC/DCコンバータ506aと、定電流ドライバ506bと、を有しており、共有電力ライン500から共有蓄電池502への充電時には、共有電力ライン500から供給されるDC電力を共有蓄電池502の充電に適したレベルに変換する。例えば、共有蓄電池502の最適充電電圧が150Vである場合には、昇降圧DC/DCコンバータ506aの目標出力電圧を151V程度(共有蓄電池502の最適充電電圧150V+定電流ドライバ506bの駆動電圧1V)に設定しておけばよい。このような設定を行うことにより、例えば、共有電力ライン500からの入力電圧Vinが100Vである場合、昇降圧DC/DCコンバータ506aは、100Vの入力電圧Vinを昇圧して151Vの出力電圧Voutを生成し、この出力電圧Voutを共有蓄電池502に出力する。なお、定電流ドライバ506bの働きにより、共有蓄電池502への充電電流Icは、所定値に維持される。
放電制御部507は、昇降圧DC/DCコンバータ507aと、放電電流Id検出用の抵抗507bと、逆流防止用のダイオード507cと、を有しており、共有蓄電池501から共有電力ライン500への放電時には、共有蓄電池501から放電されるDC電力を共有電力ライン500への供給に適したレベルに変換する。例えば、共有電力ライン500の印加電圧が100Vである場合、昇降圧DC/DCコンバータ507aの目標出力電圧は101V程度(放電電流Idを流して、共有電力ライン500への放電を行うことが可能な必要最低限の電圧レベル)に設定しておけばよい。このような設定とすることにより、例えば、共有蓄電池501からの入力電圧Vinが30Vである場合、昇降圧DC/DCコンバータ507aは、30Vの入力電圧Vinを昇圧して101Vの出力電圧Voutを生成し、この出力電圧Voutを共有電力ライン500に出力する。
放電制御部508は、昇降圧DC/DCコンバータ508aと、放電電流Id検出用の抵抗508bと、逆流防止用のダイオード508cと、を有しており、共有蓄電池502から共有電力ライン500への放電時には、共有蓄電池502から放電されるDC電力を共有電力ライン500への供給に適したレベルに変換する。例えば、共有電力ライン500の印加電圧が100Vである場合、昇降圧DC/DCコンバータ508aの目標出力電圧は101V程度(放電電流Idを流して、共有電力ライン500への放電を行うことが可能な必要最低限の電圧レベル)に設定しておけばよい。このような設定とすることにより、例えば、共有蓄電池502からの入力電圧Vinが150Vである場合、昇降圧DC/DCコンバータ508aは、150Vの入力電圧Vinを降圧して101Vの出力電圧Voutを生成し、この出力電圧Voutを共有電力ライン500に出力する。
なお、充電制御部505及び506、並びに、放電制御部507及び508は、常時動作をさせておく構成としてもよいが、不要な消費電力を低減するためには、充電制御用のスイッチ509及び510、並びに、放電制御用のスイッチ511及び512のオン/オフに応じて、充電制御部505及び506、並びに、放電制御部507及び508の動作状態もオン/オフしてやることが望ましい。
その場合、充電制御部505及び506の各動作状態をオン/オフするためのイネーブル信号としては、スイッチ509及び510のオン/オフ制御信号を流用してもよいし、上位クラスのグループ制御部(ルート制御部を含む)と下位クラスのグループ制御部(ユニット制御部を含む)との間でやり取りされる充電指示や買電指示を流用してもよい。
また、放電制御部507及び508の各動作状態をオン/オフするためのイネーブル信号としては、スイッチ511及び512のオン/オフ制御信号を流用してもよいし、上位クラスのグループ制御部(ルート制御部を含む)と下位クラスのグループ制御部(ユニット制御部を含む)との間でやり取りされる放電指示や売電指示を流用してもよい。
図20は、ルートの一構成例を示す模式図である。本構成例のルート600には、最上位クラス(図10では第Nクラス)のグループ400が複数属しており、ルート600には、ルート制御部601と、共有蓄電池602と、電力監視部603と、充電制御部604と、放電制御部605と、共有電力ライン606と、電力監視部607と、放電制御部608と、AC/DCコンバータ609と、DC/ACコンバータ610と、電力監視部611と、充電用のスイッチe1及びe2と、放電用のスイッチf1及びf2とが含まれている。なお、図20は、ルート600の構成要素に着目した図面であり、ルート外の構成要素(グループ400の構成要素)については、その一部のみが描写されている。
ルート制御部601は、ルート600の共有蓄電池602とグループ400の共有蓄電池402との間でDC電力の充放電を行う際、グループ制御部401からの充電要求または放電要求を受け取り、その応答として充電指示または放電指示をグループ制御部401に出力する。
なお、ルート制御部601は、電力会社インターフェイス部601aと、充放電制御部601bと、下位グループ電力監視部601cと、下位グループコントローラ601dとを有する。電力会社インターフェイス部601aは、電力監視部611の監視結果を受け取る。充放電制御部601bは、スイッチe1及びe2のオン/オフ制御、並びに、スイッチf1及びf2のオン/オフ制御を行う。下位グループ電力監視部601cは、複数あるグループ400毎の課金情報(DC電力の売買収支)を一元的に管理する。下位グループコントローラ601dは、グループ制御部401と相互に通信を行う。
共有蓄電池602は、共有電力ライン606に接続されており、下位グループ400の共有蓄電池402との間でDC電力の充放電を行う。また、共有蓄電池602は、AC/DCコンバータ609ないしDC/ACコンバータ610を介して、電力会社612との間で買電/売電を行う。すなわち、ルート600の共有蓄電池602は、「下位グループ400の共有蓄電池402からのDC充電」と「電力会社612からのAC買電」によって充電される。また、ルート600の共有蓄電池602は、「下位グループ400の共有蓄電池402へのDC放電」と「電力会社612へのAC売電」によって放電される。
電力監視部603は、共有蓄電池602の充電量を監視する。例えば、電力監視部603は、共有蓄電池602の充電量がその最大値の90%以上である場合には、ほぼ満充電状態であると判定し、30%以上90%未満である場合には安定状態であると判定し、30%未満である場合には電力不足状態であると判定する。
充電制御部604は、共有電力ライン606ないしAC/DCコンバータ609から供給されるDC電力を共有蓄電池602の充電に適したレベルに変換する。
放電制御部605は、共有蓄電池602から放電されるDC電力を共有電力ライン606ないしはDC/ACコンバータ610への供給に適したレベルに変換する。
共有電力ライン606は、下位グループ400の共有蓄電池602とルート600の共有蓄電池602との間でDC電力を充放電するための経路である。
電力監視部607は、グループ400と共有電力ライン606との間でやりとりされたDC電力の電力量を所定期間(例えば1ヶ月)毎に積算することで、グループ400に対する課金情報(DC電力の売買収支)を取得するための電力メータである。
放電制御部608は、グループ400の共有蓄電池402から放電されるDC電力を共有電力ライン606への供給に適したレベルに変換する。
AC/DCコンバータ609は、電力会社612から供給されるAC電力をDC電力に変換して共有蓄電池602に出力する。
DC/ACコンバータ610は、共有蓄電池602から放電されるDC電力をAC電力に変換して電力会社612に出力する。
電力監視部611は、ルート600と電力会社612との間でやりとりされたAC電力の電力量を所定期間(例えば1ヶ月)毎に積算することで、ルート600に対する課金情報(AC電力の売買収支)を取得するための電力メータである。
電力会社612は、ルート600との間でAC電力の買電/売電を行う。
スイッチe1は、ルート制御部601によってオン/オフ制御され、AC/DCコンバータ609から共有蓄電池602への充電経路を導通/遮断する。スイッチe2は、ルート制御部601によってオン/オフ制御され、共有電力ライン606から共有蓄電池602への充電経路を導通/遮断する。
スイッチf1は、ルート制御部601によってオン/オフ制御され、共有蓄電池602からDC/ACコンバータ610への放電経路を導通/遮断する。スイッチf2は、ルート制御部601によってオン/オフ制御され、共有蓄電池602から共有電力ライン606への放電経路を導通/遮断する。
図21は、ルート制御部601の動作一覧表であり、左から順番に、動作状態毎に付した番号、電力監視部603の電力監視結果、下位のグループ制御部401から出力される充電要求/放電要求の有無、ルート制御部601から出力される充電指示/放電指示の内容、充電用のスイッチe1及びe2のオン/オフ状態、放電用のスイッチf1及びf2のオン/オフ状態、及び、電力会社612との間における買電/売電状態が示されている。
第1動作状態は、共有蓄電池602がほぼ満充電(90%以上)であるときに、下位に接続された複数のグループ制御部401からいずれも放電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第1動作状態では、いずれのグループ制御部401も充電要求を出力していないので、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第1動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe2及びf1をオンとし、スイッチe1及びf2をオフとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602と共有蓄電池402との間では、共有蓄電池402から放電されたDC電力によって共有蓄電池602が充電される状態となり、また、共有蓄電池602と電力会社612との間では、共有蓄電池602から放電されたDC電力がAC電力に変換されて電力会社に売電される状態となる。
第2動作状態は、共有蓄電池602がほぼ満充電(90%以上)であるときに、下位に接続された複数のグループ制御部401からいずれも充電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第2動作状態では、いずれのグループ制御部401も放電要求を出力していないので、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第2動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe1、e2、及びf1をいずれもオフとし、スイッチf2をオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602から放電されたDC電力により共有蓄電池402が充電される。なお、電力会社612との買電/売電は停止された状態となる。
第3動作状態は、共有蓄電池602がほぼ満充電(90%以上)であるときに、下位に接続された複数のグループ制御部401の一部から放電要求が出力され、別の一部から充電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、放電要求を出力したグループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力し、充電要求を出力したグループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
このような第3動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe1をオフとし、スイッチc2、d1、及びd2をいずれもオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602と電力余剰状態の共有蓄電池402との間では、共有蓄電池402から放電されたDC電力によって共有蓄電池602が充電される状態となり、また、共有蓄電池602と電力不足状態の共有蓄電池402との間では、共有蓄電池602から放電されたDC電力によって共有蓄電池402が充電される状態となる。さらに、共有蓄電池602と電力会社612との間では、共有蓄電池602から放電されたDC電力がAC電力に変換されて電力会社612に売電される状態となる。
第4動作状態は、共有蓄電池602の充電量が安定状態(30%以上90%未満)であるときに、下位に接続された複数のグループ制御部401からいずれも放電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対してグループ400のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第4動作状態では、いずれのグループ制御部401も充電要求を出力していないので、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第4動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe2をオンとし、スイッチe1、f1、及びf2をいずれもオフとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602と共有蓄電池402との間では、共有蓄電池402から放電されたDC電力によって共有蓄電池602が充電される状態となる。なお、電力会社612との買電/売電は停止された状態となる。
第5動作状態は、共有蓄電池602の充電量が安定状態(30%以上90%未満)であるときに、下位に接続された複数のグループ制御部401からいずれも充電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対してグループ400のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第5動作状態では、いずれのグループ制御部401も放電要求を出力していないので、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第5動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe1、e2、及びf1をいずれもオフとし、スイッチf2をオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602から放電されたDC電力により共有蓄電池402が充電される。なお、電力会社612との買電/売電は停止された状態となる。
第6動作状態は、共有蓄電池602の充電量が安定状態(30%以上90%未満)であるときに、下位接続された複数のグループ制御部401の一部から放電要求が出力され、別の一部から充電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、放電要求を出力したグループ制御部401に対してグループ400のDC放電を許可(無効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力し、充電要求を出力したグループ制御部401に対してグループ400のDC充電を許可(有効)する旨の充電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
このような第6動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe1及びf1をいずれもオフとし、スイッチe2及びf2をいずれもオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602と電力余剰状態の共有蓄電池402との間では、共有蓄電池402から放電されたDC電力によって共有蓄電池602が充電される状態となり、また、共有蓄電池602と電力不足状態の共有蓄電池602との間では、共有蓄電池602から放電されたDC電力によって共有蓄電池402が充電される状態となる。なお、電力会社612との買電/売電は停止された状態となる。
第7動作状態は、共有蓄電池602が電力不足状態(30%未満)であるときに、下位接続された複数のグループ制御部401からいずれも放電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力する。
なお、第7動作状態では、いずれのグループ制御部401も充電要求を出力していないので、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第7動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe1、f1、及びf2をいずれもオフとし、スイッチe2をオンとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池402から放電されたDC電力により共有蓄電池602が充電される。なお、電力会社612との買電/売電は停止された状態となる。
第8動作状態は、共有蓄電池602が電力不足状態(30%未満)であるときに、下位接続された複数のグループ制御部401からいずれも充電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対してグループ400のDC充電を不許可(無効)とする旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
なお、第8動作状態では、いずれのグループ制御部401も放電要求を出力していないので、ルート制御部601は、全てのグループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を不許可(無効)とする旨の放電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第8動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe1をオンとし、スイッe2、f1、及び、f2をいずれもオフとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602と電力会社612との間では、電力会社612から買電されたAC電力がDC電力に変換され、このDC電力により共有蓄電池602が充電される状態となる。なお、共有蓄電池402との充放電は停止された状態となる。
第9動作状態は、共有蓄電池602が電力不足状態(30%未満)であるときに、下位に接続された複数のグループ制御部401の一部から放電要求が出力され、別の一部から充電要求が出力された状態である。この場合、ルート制御部601は、放電要求を出力したグループ制御部401に対して、グループ400のDC放電を許可(有効)する旨の放電指示(図中では「○」と表記)を出力し、充電要求を出力したグループ制御部401に対して、グループ400のDC充電を不許可(無効)する旨の充電指示(図中では「×」と表記)を出力する。
このような第9動作状態において、ルート制御部601は、スイッチe1及びえ2をいずれもオンとし、スイッチd1及びd2をいずれもオフとする。このようなスイッチ制御により、共有蓄電池602と電力余剰状態の共有蓄電池402との間では、共有蓄電池402から放電されたDC電力によって共有蓄電池602が充電される状態となり、また、共有蓄電池602と電力不足状態の共有蓄電池402との間では、共有蓄電池402のDC充電が停止された状態となる。また、共有蓄電池602と電力会社612との間では、電力会社612から買電されたAC電力がDC電力に変換され、このDC電力により共有蓄電池602が充電される状態となる。
図22は、ルート制御部601の動作フローチャートである。
ステップS501において、共有蓄電池602の充電量がその最大値の90%以上であるか否かの判定が行われる。ここで、共有蓄電池602の充電量がその最大値の90%以上であると判定された場合には、共有蓄電池602がほぼ満充電であるとして、フローがステップS502に進められる。一方、共有蓄電池602の充電量がその最大値の90%以上ではないと判定された場合には、共有蓄電池602の充電が可能であるとして、フローがステップS508に進められる。
ステップS501において、共有蓄電池602の充電量がその最大値の90%以上であると判定された場合、ステップS502では、グループ制御部401からグループ400の余剰電力をルート600に放電したい旨の放電要求があるか否かの確認が行われる。ここで、グループ制御部401から放電要求があると判定された場合には、フローがステップS503に進められる。一方、グループ制御部401から放電要求がないと判定された場合には、フローがステップ506に進められる。
ステップS502において、グループ制御部401から放電要求があると判定された場合、ステップS503では、共有蓄電池602から電力会社612へのAC売電が行われるとともに、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を許可する旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第1動作状態、または第3動作状態に相当する。
一方、ステップS502において、グループ制御部401から放電要求がないと判定された場合、ステップS506では、共有蓄電池602から電力会社612へのAC売電が停止されるとともに、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第2動作状態に相当する。
また、ステップS501において、共有蓄電池602の充電量がその最大値の90%以上でないと判定された場合、ステップS508では、共有蓄電池602の充電量がその最大値の30%以上であるか否かの判定が行われる。ここで、共有蓄電池602の充電量がその最大値の30%以上であると判定された場合には、共有蓄電池602の充電量が安定状態であるとして、フローがステップS509に進められる。一方、共有蓄電池602の充電量がその最大値の30%以上でないと判定された場合には、共有蓄電池602が電力不足状態であるとして、フローがステップS512に進められる。
ステップS508において、共有蓄電池602の充電量がその最大値の30%以上であると判定された場合、ステップS509では、グループ制御部401からグループ400の余剰電力をルート600に放電したい旨の放電要求があるか否かの確認が行われる。ここで、グループ制御部401から放電要求があると判定された場合には、フローがステップS510に進められる。一方、グループ制御部401から放電要求がないと判定された場合には、フローがステップ511に進められる。
ステップS509において、グループ制御部401から放電要求があると判定された場合、ステップS510では、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を許可する旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第4動作状態、または、第6動作状態に相当する。
一方、ステップS509において、グループ制御部401から放電要求がないと判定された場合、ステップS511では、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第5動作状態に相当する。
ステップS503、S506、S510、及び、S511のいずれかを経た後、ステップS504では、グループ制御部401からグループ400の不足電力をルート600からの充電によって補填したい旨の充電要求があるか否かの確認が行われる。ここで、グループ制御部401から充電要求があると判定された場合には、フローがステップS505に進められる。一方、グループ制御部401から充電要求がないと判定された場合には、フローがステップ507に進められる。
ステップS504において、グループ制御部401から充電要求があると判定された場合、ステップS505では、グループ制御部401に応答する充電指示の内容として、グループ400のDC充電を許可する旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第2動作状態、第3動作状態、第5動作状態、または、第6動作状態に相当する。その後、フローはステップS501に戻される。
一方、ステップS504において、グループ制御部401から充電要求がないと判定された場合、ステップS507では、グループ制御部401に応答する充電指示の内容として、グループ400のDC充電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、グループ制御部401に応答する充電指示の内容として、グループ400のDC充電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第1動作状態、または、第4動作状態に相当する。その後、フローはステップS501に戻される。
また、ステップS508において、共有蓄電池602の充電量がその最大値の30%以上でないと判定された場合、ステップS512では、グループ制御部401からグループ400の余剰電力をルート600に放電したい旨の放電要求があるか否かの確認が行われる。ここで、グループ制御部401から放電要求があると判定された場合には、フローがステップS513に進められる。一方、グループ制御部401から放電要求がないと判定された場合には、フローがステップS515に進められる。
ステップS512において、グループ制御部401から放電要求があると判定された場合、ステップS513では、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を許可する旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第7動作状態、または、第9動作状態に相当する。
一方、ステップS512において、グループ制御部401から放電要求がないと判定された場合、ステップS515では、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、グループ制御部401に応答する放電指示の内容として、グループ400のDC放電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第8動作状態に相当する。
ステップS513、及び、S515のいずれかを経た後、ステップS514では、グループ制御部401からグループ400の不足電力をルート600からの充電によって補填したい旨の充電要求があるか否かに依ることなく、グループ制御部401に応答する充電指示の内容として、グループ400のDC充電を許可する旨のフラグが停止される。言い換えれば、グループ制御部401に応答する充電指示の内容として、グループ400のDC充電を不許可とする旨のフラグが出力される。この状態は、先述の第7動作状態、第8動作状態、または、第9動作状態に相当する。その後、フローはステップS501に戻される。
図23は、上記で説明したDC電力ネットワーク網の概念図である。なお、本図では、個人宅がユニットとして例示されており、また、その所属グループの一例としては、集合住宅のフロア、集合住宅の棟、集合住宅全体(または会社)、市町村、及び、都道府県が挙げられている。そして、最終的なルートとしては、州や国が例示されている。
本図に示したように、DC電力ネットワーク網を形成するグループの階層を増やしていくことで、小さなグループからワールドワイドにDC電力のネットワークを拡張していくことが可能である。特に、大きなDC電力ネットワーク網を敷設することにより、一の地方の天候が不良であっても、別の地方の天候が良好であれば、DC電力ネットワーク網全体としての蓄電量は維持されるので、発電電力が天候に左右されやすいという太陽光発電システムの問題点を解消することが可能となる。
図24は、DC電力ネットワーク網とAC電力ネットワーク網との相互接続図である。本図に示すように、DC電力ネットワーク網を拡張していく途中の段階では、既存インフラであるAC電力ネットワーク網との相互接続を行うことにより、遠く離れたDC電力ネットワーク網どうしの電力共有を実現することも可能である。
上記のように、第2実施例によっても、第1電力源と、前記第1電力源の出力が入力される第1充電池と、前記第1充電池の出力が入力される第1電力消費部と、を備えた第1ユニットと;第2充電池と;前記第1充電池と前記第2充電池との間で電力を共有するための電力ラインと;を有する電力システムが提供される。そして、第2実施例の場合、第1電力源(および第2電力源)は、太陽光パネルである。
ここで、第2実施例は、太陽光発電による自給自足とAC−DC間の変換ロスを避けたDC直接配電を第一義とする考え方に立っている。そのため、第2実施例では、太陽光発電電力に自己消費や融通をまず優先し、余剰があれば売電も行うという考え方が採用されている。
また、本発明の構成は、上記実施形態のほか、発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることが可能である。すなわち、上記実施形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきであり、本発明の技術的範囲は、上記実施形態の説明ではなく、特許請求の範囲によって示されるものであり、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内に属する全ての変更が含まれると理解されるべきである。
例えば、上記の第2実施例に関して、図11では、電力会社317からユニット蓄電池302への充電経路を備えていない構成を例示して説明を行ったが、本発明の構成はこれに限定されるものではなく、図25に示す通り、電力会社317からユニット蓄電池302への充電経路を備えた構成としても構わない。この場合、ユニット蓄電池302は、「パワーコンディショナー(不図示)からのDC給電」と「共有蓄電池315からのDC買電」のほか、「電力会社317からのAC買電」によっても充電される。なお、ユニット蓄電池302に蓄えられたDC電力の共有に際しては、電力会社317からの買電によって蓄えられたDC電力を共有対象から除くようにしてもよいし、逆に、共有対象に含めるようにしてもよい。