JP2012039978A - 解凍装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷凍された対象物に電圧を印加するにあたり、交流電圧を昇圧する昇圧用変圧器の二次側の一方を絶縁処理するとともに他方を抵抗を介して対象物側に接続した解凍装置であって、印加電圧値を容易且つ安全に変更可能な解凍装置を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、冷凍された対象物Wに交流電圧を印加する電圧印加装置7を備え、電圧印加装置7には、電源12からの交流電圧を昇圧する昇圧用変圧器16が設けられ、昇圧用変圧器16の二次側の一方を絶縁処理するとともに他方を抵抗34を介して対象物W側に電気的に接続し、前記電圧印加装置7による上記対象物Wへの電圧印加によって対象物Wの解凍処理を行う解凍装置であって、対象物Wを収容する解凍室1を形成し、解凍室1の内壁2aを電気的に接地させ、変圧比を変更可能な調整用変圧器13を、電圧印加装置7における昇圧用変圧器16と電源12との間に配置し、調整用変圧器13の二次側に所定以上の大きさの電流が流れることを防止する防止手段27を設ける。
【選択図】図2

Description

この発明は、冷凍された対象物を解凍する解凍装置に関する。
冷凍された対象物に交流電圧を印加する電圧印加装置を備え、電圧印加装置には、電源からの交流電圧を昇圧する昇圧用変圧器が設けられ、電圧印加装置による上記対象物への電圧印加によって、対象物の解凍処理を、低温で行うことができる解凍装置が従来公知である。
さらに、この解凍装置を改良したものとして、昇圧用変圧器の二次側の一方を絶縁処理するとともに他方を対象物側に電気的に接続し、昇圧用変圧器の二次側に流れる電流を最小限に抑制した状態で、対象物の解凍を行うことができる特許文献1に示す解凍装置が公知になっている。
特開平11−32687号公報(第1図)
しかし、上記文献では、対象物に印加する電圧を変更するためには、昇圧用変圧器を交換する必要があり、汎用性が低い。
本発明は、冷凍された対象物に電圧を印加するにあたり、交流電圧を昇圧する昇圧用変圧器の二次側の一方を絶縁処理するとともに他方を抵抗を介して対象物側に接続した解凍装置であって、印加電圧値を容易且つ安全に変更可能な解凍装置を提供することを課題とする。
上記課題を解決するため本発明は、第1に、冷凍された対象物Wに交流電圧を印加する電圧印加装置7を備え、電圧印加装置7には、電源12からの交流電圧を昇圧する昇圧用変圧器16が設けられ、昇圧用変圧器16の二次側の一方を絶縁処理するとともに他方を抵抗34を介して対象物W側に電気的に接続し、前記電圧印加装置7による上記対象物Wへの電圧印加によって対象物Wの解凍処理を行う解凍装置であって、対象物Wを収容する解凍室1を形成し、解凍室1の内壁2aを電気的に接地させ、変圧比を変更可能な調整用変圧器13を、電圧印加装置7における昇圧用変圧器16と電源12との間に配置し、調整用変圧器13の二次側に所定以上の大きさの電流が流れることを防止する防止手段27を設けたことを特徴としている。
第2に、防止手段27が、ヒューズからなることを特徴としている。
第3に、調整用変圧器13の二次側の一方に前記防止手段27を設け、調整用変圧器13の二次側の他方を、短絡回路36によって一次側に短絡させてなることを特徴としている。
第4に、調整用変圧器13の二次側の一方と他方との間にノイズフィルタ28を設けたことを特徴としている。
第5に、解凍室1に対象物Wを保持するラック6を設け、ラック6を通電可能な部材で構成するとともに解凍室1の内壁2aに対して絶縁し、該ラック6に、抵抗34を介して、昇圧用変圧器16の二次側の前記他方を電気的に接続してなることを特徴としている。
第6に、解凍室1を冷却する冷却機4を解凍室1の天井側に設け、冷却機4が、冷却した空気を下方側の送る送風ファン4aを備え、ラック6には、自身の上下方向の通気性を確保する通気手段を設けたことを特徴としている。
第7に、ラック6には、対象物Wを載置して保持する載置棚9を上下に複数設け、載置棚9を通気性を有する網状部材によって形成することにより、前記通気手段を構成したことを特徴としている。
上記構成によれば、調整用変圧器によって、対象物に印加する電圧を容易に変更可能であるため、汎用性が向上するとともに、この変更により調整用変圧器の二次側に大きな電流が不測に流れることを、防止手段によって防止可能であるため、高い安全性が確保される。
また、調整用変圧器の二次側の一方と他方との間にノイズフィルタを設ければ、ノイズ発生を簡易な構成で容易に防止可能になる。
また、解凍室に対象物を保持するラックを設け、ラックを通電可能な部材で構成するとともに解凍室の内壁に対して絶縁し、該ラックに、抵抗を介して、昇圧用変圧器の二次側の前記他方を電気的に接続し、解凍室を冷却する冷却機を解凍室の天井側に設け、冷却機が、冷却した空気を下方側に送る送風ファンを備え、ラックには、自身の上下方向の通気性を確保する通気手段を設ければ、対象物を安定した低温下で容易に解凍できる。
さらに、ラックには、対象物を載置して保持する載置棚を上下に複数設け、載置棚を通気性を有する網状部材によって形成することにより、前記通気手段を構成すれば、安易な構成で、上記通気手段を構成可能になる。
本発明を適用した解凍装置の構成を示す正断面図である。 電圧印加装置の構成を示す電気回路図である。 中間変圧器の構成を示す部分断面図である。
図1は、本発明を適用した解凍装置の構成を示す正断面図である。図示する解凍装置は、内部に解凍室1が形成された直方体状の本体ケース2と、本体ケース2を設置面に支持する複数の支持部材3と、本体ケース1の上面側に設置された冷凍機4と、冷凍室1に収容保持されたラック6と、電圧印加装置7とを備え、冷凍された対象物Wを解凍する機能を有している。ちなみに、ここでの対象物Wとは、例えば、生鮮食品等を意味する。
上記本体ケース2は、解凍室1を形成する内壁2aと、外壁2bとの間に図示しない断熱層が形成され、外壁2b側の温度の影響を少なくして、解凍室1の温度を制御できるように構成されている。上述の内壁1aは、通電可能の金属製の部材によって構成され、電気的にアース(接地)Gされている。
上記支持部材3は、絶縁体によって構成され且つ設置面と本体ケースとの間に介在し、解凍装置を設置面に対して絶縁させている。
上記冷凍機4は、コンプレッサ→凝縮器→エバポレータ→コンプレッサ→・・・と続く冷媒の循環によって気化と液化を繰返すことにより冷却を行う従来公知の冷却器(図示しない)と、冷却器内での気化熱による吸熱によって冷却された空気を解凍室1の天井側から下方側に送風する送風ファン4aとを有している。ちなみに、冷凍機4は、本体ケース2の上部の外壁側から内壁側に至る範囲(解凍室1の天井側)に配設されている。
上記ラック6は、四方及び上下が開放された直方体状の骨組みからなる枠体8と、枠体8内において上下方向に所定間隔を介して複数配置された載置棚9とを備え、これらの構成部材が全て通電可能な金属製部材からなる。この載置棚9は、その上面側に対象物Wを位置決め載置して保持可能な網状部材(具体的には金網)からなり、ラック6の上下方向の通気性を確保する通気手段を構成している。
このラック6は、解凍室1の内壁2aの床面に、複数の支持部材11を介して位置決め固定されている。この位置決め状態において、ラック6の周囲及び下面は、解凍室1の内壁1aの周面及び床面と近接するとともに、真上側に冷却機4が位置している。この他、支持部材11は絶縁体からなり、この絶縁体11によってラック6と内壁2aとが絶縁されている。
上記電圧印加装置7は、電源装置の一種であり、本体ケース2の上面側に設置固定されている。この電圧印加装置7は、ラック6と電気的に接続されることによって、載置棚9上の対象物Wに電圧を印加できるように構成されている。
次に、図2に基づき電圧印加装置の構成について説明する。
図2は、電圧印加装置の構成を示す電気回路図である。同図に示す電圧印加装置(電源装置)7は、一般家庭に供給される交流電源(電源)12(実行値:100V,周波数:50又は60Hz)とラック6との間に、変圧比を変更調整可能な調整用変圧器13と、中間変圧器14と、昇圧用変圧器16とを、この順番で配置している。すなわち、交流電源12からの電圧は、調整用変圧器13→中間変圧器14→昇圧用変圧器16のようにして、順次変圧され、ラック6に印加される。
上記調整用変圧器13は、一次コイル17及び二次コイル18と、変圧比を変更調整するダイヤル式の操作具(図示しない)とを備え、一次コイル17及び二次コイル18の内周には、それぞれ鉄心19,21が挿通されている。一次コイル17の一端(一次側の一方)は、交流電源12の電圧印加側に接続され、他端(一次側の他方)は、交流電源12のアースG側と接続されている。
上記中間変圧器14は、一次コイル22及び二次コイル23を備え、この一次コイル22と二次コイル23の内周には鉄心24,26がそれぞれ挿通されている。中間変圧器14の一次コイル22の一端(一次側の一方)は、ヒューズ27を介して、調整用変圧器13の二次コイル18の一端と電気的に接続されるとともに、中間変圧器14の一次コイル22の他端(一次側の他方)は、調整用変圧器13の二次コイル18の他端とダイレクトに電気的に接続されている。
この調整用変圧器13の二次側(中間変圧器14の一次側)に配置されたヒューズ27は、所定以上の大きさの電流(本例では3A以上の大きさの電流)が流れることを防止する過電流防止手段(防止手段)として機能している。
また、この中間変圧器14の一次コイル22の両端間は、抵抗28aとコンデンサ28bを直列に接続することによりなるノイズフィルタ28が介設されている。このノイズフィルタ28によって交流電源12側で発生したノイズが除去される。
なお、図示する例では、このノイズフィルタ28を、ヒューズ27に対して、中間変圧器14寄りに配置しているが、これを調整用変圧器13寄りに配置してもよい。さらに、調整用変圧器13の一次コイル17の両端側にこのノイズフィルタ28を配置してもよい。
上記昇圧用変圧器16は、鉄心29,31がそれぞれ挿通された一次コイル32及び二次コイル33を備えている。昇圧用変圧器16の一次コイル32の一端(一次側の一方)が中間変圧器14の二次コイル23の一端とダイレクトに電気的に接続されるとともに、昇圧用変圧器16の一次コイル32の他端(一次側の他方)が中間変圧器14の二次コイル23の他端とダイレクトに電気的に接続される。また、二次コイル33の一端(二次側の一方)が抵抗器(抵抗)34を介して上述のラック6に電気的に接続されているとともに、二次コイル33の他端33a(二次側の他方)が絶縁物質によって覆われることにより、絶縁封鎖(絶縁処理)されている。
ちなみに、この昇圧用変圧器16は、具体的には、一次側の電圧を大きく昇圧して、二次側に印加するように構成されている。この他、抵抗器34は、昇圧用変圧器16の二次側に漏れ電流が流れることを極力防止し、その値を適正値に保持する部材として機能している。
また、調整用変圧器13の一次コイル17の他端と、中間変圧器14の一次コイル22の他端と、昇圧用変圧器16の一次コイル32の他端とは、短絡回路36によって短絡され、電気的に接地されている。言換えると、短絡回路36は、調整用変圧器13の一次コイル17の他端と、二次コイル18の他端とを短絡させて電気的に接続するとともに、中間変圧器14の一次コイル22の他端と、二次コイル23の他端とを短絡させて電気的に接続させる他、この短絡回路36は交流電源12のアースG側に直接接続されている。
次に、図3に基づき中間変圧器の構成について詳述する。
図3は、中間変圧器の構成を示す部分断面図である。同図に示す中間変圧器14は、同一軸心となる一次コイル22側の鉄心(一次側鉄心)24と、二次コイル23側の鉄心(二次側鉄心)26とが別体成形され、一次側鉄心24を含む一次コイル22と、二次側鉄心26を含む二次コイル23とは、両者の間に介挿されたボックス状の絶縁体37によって、絶縁されている。そして、これらの一対のコイル22,23及び鉄心24,26並びにボックス状の絶縁体37は、方形状の枠フレーム38内に取付支持されている。
これに加えて、上述の絶縁体37内には、中心が上記鉄心の軸心上に位置する円盤状の調整用鉄心39を複数収容保持可能であって、この調整用鉄心39の数を調整することによって、中間変圧器14の変圧比も変更可能である。
以上により、中間変圧器14の一次側と、二次側が絶縁されるため、対象物W側であるラック6と、解凍室1の内壁2aとの間に形成されるコンデンサCと、上記3つの変圧器13,14,16の何れかによって、閉じた回路であるLC共振回路が生成されることが抑制され、逆に該コンデンサCが静電容量によって、対象物Wをより安定的に解凍可能になる。
該構成の解凍装置によれば、冷却機4により解凍室1を−5〜0℃程度の低温に保持した状態で、500〜1500V程度の交流電圧を対象物に印加することにより、冷凍状態の対象物Wを、高鮮度に維持したまま、低エネルギーで、迅速且つ効率的に、解凍可能である。
また、この際、前述した調整用変圧器13によって対象物Wに印加する交流電圧の実行値を容易に変更可能であるため、様々な種類の生鮮食品等を、効率的に解凍することが可能になり、汎用性が高い。
1 解凍室
2a 内壁
4 冷却機
4a 送風ファン
7 電圧印加装置(電源装置)
6 ラック
9 載置棚(金網)
12 交流電源(電源)
13 調整用変圧器
16 昇圧用変圧器
27 ヒューズ(防止手段,過電流防止手段)
28 ノイズフィルタ
34 抵抗器(抵抗)
36 短絡回路
W 対象物

Claims (7)

  1. 冷凍された対象物(W)に交流電圧を印加する電圧印加装置(7)を備え、電圧印加装置(7)には、電源(12)からの交流電圧を昇圧する昇圧用変圧器(16)が設けられ、昇圧用変圧器(16)の二次側の一方を絶縁処理するとともに他方を抵抗(34)を介して対象物(W)側に電気的に接続し、前記電圧印加装置(7)による上記対象物(W)への電圧印加によって対象物(W)の解凍処理を行う解凍装置であって、対象物(W)を収容する解凍室(1)を形成し、解凍室(1)の内壁(2a)を電気的に接地させ、変圧比を変更可能な調整用変圧器(13)を、電圧印加装置(7)における昇圧用変圧器(16)と電源(12)との間に配置し、調整用変圧器(13)の二次側に所定以上の大きさの電流が流れることを防止する防止手段(27)を設けた解凍装置。
  2. 防止手段(27)が、ヒューズからなる請求項1に記載の解凍装置。
  3. 調整用変圧器(13)の二次側の一方に前記防止手段(27)を設け、調整用変圧器(13)の二次側の他方を、短絡回路(36)によって一次側に短絡させてなる請求項1又は2の何れかに記載の解凍装置。
  4. 調整用変圧器(13)の二次側の一方と他方との間にノイズフィルタ(28)を設けた請求項1乃至3の何れかに記載の解凍装置。
  5. 解凍室(1)に対象物(W)を保持するラック(6)を設け、ラック(6)を通電可能な部材で構成するとともに解凍室(1)の内壁(2a)に対して絶縁し、該ラック(6)に、抵抗(34)を介して、昇圧用変圧器(16)の二次側の前記他方を電気的に接続してなる請求項1乃至4の何れかに記載の解凍装置。
  6. 解凍室(1)を冷却する冷却機(4)を解凍室(1)の天井側に設け、冷却機(4)が、冷却した空気を下方側の送る送風ファン(4a)を備え、ラック(6)には、自身の上下方向の通気性を確保する通気手段を設けた請求項5に記載の解凍装置。
  7. ラック(6)には、対象物(W)を載置して保持する載置棚(9)を上下に複数設け、載置棚(9)を通気性を有する網状部材によって形成することにより、前記通気手段を構成した請求項6に記載の解凍装置。
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