JP2012039445A - 狭指向性マイクロホンユニットおよび狭指向性マイクロホン - Google Patents
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Abstract
果が得られ、マイクロホンユニット内蔵部品間相互の偏心を防止することができる狭指向
性マイクロホンユニット、狭指向性マイクロホンを提供する。
【解決手段】
ユニットケース4は、前部音響端子2を形成する小径内周部7と、内蔵部品5を内包す
る大径内周部8と、小径内周部7と大径内周部8の間に形成されていて内蔵部品5を位置
決めする肩部15と、を有し、ユニットケース4はまた、大径内周部8に形成された軸線
A方向の溝Bと、肩部15に半径方向に形成されて軸線A方向の溝Bに連通する半径方向
の溝Dを有し、軸線A方向の溝Bと半径方向の溝Dは、前部音響端子2と後部音響端子3
との連通路Cになっている。
【選択図】 図1
Description
しくは、振動雑音、風雑音を低減できるとともにその性能を高くすることができる狭指向
性マイクロホンユニットおよび狭指向性マイクロホンに関するものである。
ンユニット」という。)が細長い音響管内に組み込まれている。上記音響管の開放端に風
が当たると、狭指向性マイクロホンユニットを構成する振動板の前後に圧力差が生じ、圧
力差を原因とする風雑音が生じる。狭指向性マイクロホンは、風雑音が生じやすい。その
理由としては、音波導入口となる音響管の先端と後部音響端子との間の距離が長くなるた
め、狭指向性マイクロホンユニットの振動板前後、すなわち前部音響端子と後部音響端子
との間に圧力差が生じ易く、これにより低音域において大きな風雑音が発生する。また、
音響管の内部の空気は、低い周波数では音響質量として動作し、この音響質量は、振動板
に付加されたことと等価な状態になって動作する。このことから振動雑音が大きくなる。
風雑音と振動雑音は、ともに低い周波数成分が主である。そこで、狭指向性マイクロホン
にはこれらの雑音の出力を制御するために、電子回路にローカットフィルターを用いるこ
とがある。しかし、振動板が風や振動で変位しているため、音声信号はこの変位によって
変調され、ローカットフィルターを用いても十分な雑音低減効果は得られない。
いて位置させることにより、前部音響端子と後部音響端子との間に連通路を形成し、これ
により前部音響端子と後部音響端子との間に生じた圧力差を均衡させる狭指向性マイクロ
ホンを提案している。この狭指向性マイクロホンによれば、前部音響端子と後部音響端子
との間に圧力差が生じても、高い圧力側の空気が低い圧力側に流入するため圧力差が均衡
し、これにより風雑音を低減することができる。
管内において、音響管内周面から間隙をおいて位置するため音響管が太くならざるを得ず
、全体形状が大型化するという問題がある。このため、特許文献1に記載の狭指向性マイ
クロホンは、音響管の外径が大きくても支障がない場合には好適であるが、音響管を例え
ば直径8mmというように外径を小さくしたい場合、音響管の内径よりも格段に小さな外
径を有する小型のマイクロホンユニットを使用しなければならない。一般的に、マイクロ
ホンユニットは、小型化に伴って有効静電容量が小さくなるため、感度とSN比を高くす
ることができない。
トケース4内に前部音響端子2と後部音響端子3とを連通する連通路C´を形成してなる
狭指向性マイクロホンについて特許出願をした(特許文献2参照。)特許文献2記載の発
明によれば、前部音響端子2と後部音響端子3との間に圧力差が生じても、高い圧力側の
空気が低い圧力側に流入し、圧力差が均衡する。
風雑音を低減できることになる。さらに、連通路C´は、ユニットケース4内に形成され
ているため、従来のように音響管の内径から間隙をおいて狭指向性マイクロホンユニット
40を位置させる必要性を解消できることになる。したがって、従来の狭指向性マイクロ
ホン40に比較して音響管を小径化できることになる。
m以上の音響管を用いる低い周波数まで狭指向性を持つ狭指向性マイクロホンユニットに
その構成を適用すると、ユニットケース4内の連通路C´を設けることによってできる隙
間B´の音響インピーダンスを低くしないと十分な雑音低減効果を得られなくなる。また
、ユニットケース4の内径と、狭指向性マイクロホンユニット40の内蔵部品5(ユニッ
トケース4以外の狭指向性マイクロホンユニット40の部品)の外径を調整することでユ
ニットケース4内の隙間B´を大きくすると、内蔵部品5間相互の偏心が大きくなり、狭
指向性マイクロホンユニット1の軸線AがA´に移動してしまうことがある。それゆえ狭
指向性マイクロホンユニット40の性能を向上させることができない。また、内蔵部品5
間相互の偏心が起こると、スペーサ17が振動板13の振動する部分を押してしまい、振
動板13の振動する部分に傷をつけてしまう可能性がある。さらに、特許文献2に記載の
発明では、連通路C´を設けるため、ユニットケース4と振動板保持体14の間に金属網
50が配置されている。金属網50自体が空隙を持ち、これによって内蔵部品5の各外周
面とユニットケース4の内周面との間に隙間ができるため、連通路C´が形成される。し
かしながら、この場合金属網50で形成した連通路C´は細くなってしまい、金属網50
そのものが音響抵抗となるため、音響特性に悪影響を起こす可能性がある。
子と後部音響端子を連通させる連通路の音響インピーダンスを低くすることを可能にして
、十分な雑音低減効果が得られ、ユニットケースの内径と、マイクロホンユニットの内蔵
部品の外径でマイクロホンユニット内の隙間を大きくしても、マイクロホンユニット内蔵
部品間相互の偏心を防止することができ、音響特性を向上させることができる狭指向性マ
イクロホンユニット、それを使用する狭指向性マイクロホンを提供することを目的する。
板の前面側に通じる前部音響端子と振動板の後面側に通じる後部音響端子と、前部音響端
子と上記後部音響端子を連通させる連通路と、を有し、振動板の振動を音声信号に変換す
る狭指向性マイクロホンユニット、であって、ユニットケースは、前部音響端子を形成す
る小径内周部と、内蔵部品を内包する大径内周部と、小径内周部と大径内周部の間に形成
されていて内蔵部品を位置決めする肩部と、を有し、ユニットケースはまた、大径内周部
に形成された軸線方向の溝と、肩部に半径方向に形成されて軸線方向の溝に連通する半径
方向の溝を有し、軸線方向の溝と半径方向の溝は、前部音響端子と後部音響端子との連通
路になっていることを最も主要な特徴とする。
と、肩部に半径方向に形成されて上記軸線方向の溝に連通する半径方向の溝を有し、軸線
方向の溝と半径方向の溝は、前部音響端子と後部音響端子との連通路になっていることに
よって、低い周波数まで狭指向性を持つ狭指向性マイクロホンでも、前部音響端子と後部
音響端子を連通させる連通路の音響インピーダンスを低くすることを可能にして、十分な
雑音低減効果が得られ、ユニットケースの内径と、マイクロホンユニットの内蔵部品の外
径で狭指向性マイクロホンユニット内の隙間を大きくしても、マイクロホンユニット内蔵
部品間相互の偏心を防止することができ狭指向性マイクロホンユニットおよびそれを使用
する狭指向性マイクロホンの性能を向上させることができる。
について図面を参照しながら説明する。なお、本発明にかかる狭指向性マイクロホンユニ
ットおよび狭指向性マイクロホンは、実施例の構成に限定されるものではない。また、マ
イクロホンケース4によって内包される部品を「内蔵部品」とする。図6に示した従来例
と同様の構成には、同様の符号を用いる。
膜からなる振動板13と、振動板13を内包する円筒状のユニットケース4と、この振動
板13の周縁部が固着されたリング状の振動板保持体14と、リング状のスペーサ17と
、スペーサ17を介在させることにより振動板13との間に隙間をおいて対向配置され振
動板13との間でコンデンサを構成する円盤状の固定極12と、電極6と、固定極12の
背面側(図1の下側)に設けられた絶縁体からなる絶縁座10と、前部音響端子2と後部
音響端子3と、前部音響端子2と後部音響端子3を連通させる連通路Cとを有している。
音波を受けて振動板13は、上述のように固定極12との間で構成したコンデンサの容量
を変化させ、音波を音声信号に変換する。
を有している。ユニットケース4は、その内周に図1、図2において上側にある前部音響
端子2を形成している小径内周部7と、図1、図2において下側に形成された、内蔵部品
5を内包している大径内周部8と、小径内周部7と大径内周部8の間に形成されていて内
蔵部品5を位置決めしている肩部15とを有している。図1において、内蔵部品5は、ユ
ニットケース4に螺合するロックリング11と肩部15との間に挟まれて固定され、位置
決めされている。ユニットケース4の内部には、ロックリング11を螺合するねじ部9が
形成されている。また、ユニットケース4は、大径内周部8に形成された軸線A方向の溝
Bと、肩部15に半径方向に形成されて軸線A方向の溝Bに連通する半径方向の溝Dを有
し、軸線A方向の溝Bと半径方向の溝Dは、前部音響端子2と後部音響端子3とのを連通
させる連通路Cになっている。
の形状を選択でき、図1の実施例に記載されているように外周が大径内周部8、小径内周
部7に対応した大径外周部、小径外周部となっていてもよく、外周が全長に渡って同一径
の単なる円筒状で、その内周側に大径内周部8、小径内周部7、肩部15がその内周に形
成されていてもよい。
れ、上述の大径内周部における溝Bが形成され、半径方向の溝Dが形成されている。溝B
と溝Dの両者を合わせたものが窪みEである。窪みEは、エンドミルで加工されているた
め、その形状は、軸線A方向に円弧状に形成されている。このように、溝Dと溝Bが連通
されていて、連通路Cを形成している。エンドミルでフライス加工することにより、ユニ
ットケース4の窪みEを簡単に形成することができる。また、上述のように機械加工する
ことにより、図6に示す従来例で用いられていた金属網50を設ける必要がなくなり、金
属網50が音響特性に悪影響を起こす可能性をなくし、部品数を減らしてコストを低減す
ることができる。
連通路C)は、ユニットケース4に少なくとも1つ形成されていれば良く、等間隔に複数
箇所形成されていてもよく、図示のように3箇所形成されていてもよい。連通路Cは、図
示のようにユニットケースの周方向に放射状に120度間隔で3か所形成されていると、
連絡路Cの通気性とユニットケース4の耐久性を良くすることができる。また、窪みEの
加工の方法としては、上述のものに限らず、適宜の方法を選択できる。
後部音響端子3との連通路Cになっていることによって、低い周波数まで狭指向性を持つ
狭指向性マイクロホンでも、前部音響端子と後部音響端子を連通させる連通路の音響イン
ピーダンスを低くすることを可能にして、十分な雑音低減効果が得られる。ユニットケー
ス4の内径と、狭指向性マイクロホンユニット1の内蔵部品5の外径で狭指向性マイクロ
ホンユニット1内の隙間Bを大きくしても、内蔵部品5間相互の偏心を防止することがで
きるため、内蔵部品5間の相互の偏心を防止することができ、偏心によって振動板13を
押されてしまい、スペーサ17が振動板13に傷をつけてしまう可能性をなくすことがで
きる。そして狭指向性マイクロホンユニット1、およびそれを使用する狭指向性マイクロ
ホンの性能を向上させることができる。
るためのねじ山を外周に有し、さらに段部11Aを絶縁座10側に、孔11Bをユニット
ケース4の下側(図1の下側)に有していて、これによって上述の連通路Cを形成してい
る。段部11Aと孔11Bの形状としては、適宜の形状にすることができ、例えば、図4
の(A)のように、ロックリング11に、その内周側全周に段部11Aを形成し、内側の
窪みの部分に、円筒状の孔11Bを形成する。また、図4の(B)のように、ロックリン
グ11の内周側に立方体状の凹陥部11Cを複数箇所形成し、凹陥部11Cの底面に円筒
状の孔11Dを形成してもよい。このようにすることにより、ロックリング11は、内蔵
部品5を固定しつつ、上述の連絡路Cの一部を形成することができる。なお、内蔵部品5
を固定する方法は、連通路Cを形成できる限り適宜のものが選択できるため、上述のよう
にロックリング11を使用しなくてもよい。
Aが設けられている。この凹陥部10Aには、固定極12の背面側(図1の下側)からユ
ニットケース4の外部に通ずる後部音響端子3が形成されている。絶縁座10の中心には
、電極6が貫通して固定されていて、固定極12と、振動板13によって生成された音声
信号を外部に出力できるようになっている。固定極12は、絶縁座10の凹間部10A方
向に落としこまれて固定されていて、上述のように、振動板13とスペーサ17を介在さ
せることにより振動板13に隙間をおいて対向配置され振動板11との間でコンデンサを
構成する。
ホンユニット1の先端を嵌合して構成されている。狭指向性マイクロホンユニット1は、
適宜形成された固定部25にその後端を固定されている。音響管20には、その周面に複
数の開口22が形成されている。音響管20は、このように軸方向の一端側が狭指向性マ
イクロホンユニット1の前部音響端子2側に固定されている。上述の連通路Cから抜け出
た空気は、矢印でしめすように、音響管20の開口部22から外部に抜けさせることがで
きる。音響管20の外周面には、図示しないフェルトやナイロンメッシュ等の不織布によ
り構成された音響抵抗材が設けられている。また、狭指向性マイクロホンユニット1およ
び音響管20の外周面には、図示しない適宜の外管を嵌合することができる。狭指向性マ
イクロホンユニット1の電極6は、その後端にある接続部26に固定され、図示しない適
宜の電気回路と接続され、狭指向性マイクロホン101を構成している。音響管20と、
狭指向性マイクロホンユニット1の取り付け構造は、上述のものに限らず適宜のものを採
用可能である。
れるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想を逸脱しない範囲で設計変更する
ことができる。例えば、本発明にかかる狭指向性マイクロホンのユニットケースの内蔵部
品の構成をコンデンサマイクロホンではなく、ダイナミックマイクロホンにしてもよい。
2 前部音響端子
3 後部音響端子
4 ユニットケース
5 内蔵部品
6 電極
7 小径内周部
8 大径内周部
9 ねじ部
10 絶縁座
11 ロックリング
12 固定極
13 振動板
14 振動板保持体
15 肩部
C 連通路
101 狭指向性マイクロホン
Claims (6)
- 音波を受けて振動する振動板と、
上記振動板を内包するユニットケースと、
上記振動板の前面側に通じる前部音響端子と上記振動板の後面側に通じる後部音響端子
と、
上記前部音響端子と上記後部音響端子を連通させる連通路と、を有し、
上記振動板の振動を音声信号に変換する狭指向性マイクロホンユニット、であって、
上記ユニットケースは、上記前部音響端子を形成する小径内周部と、上記内蔵部品を内
包する大径内周部と、上記小径内周部と上記大径内周部の間に形成されていて内蔵部品を
位置決めする肩部と、を有し、
上記ユニットケースはまた、上記大径内周部に形成された軸線方向の溝と、上記肩部に
半径方向に形成されて上記軸線方向の溝に連通する半径方向の溝を有し、
上記軸線方向の溝と上記半径方向の溝は、上記前部音響端子と上記後部音響端子との上
記連通路になっていることを特徴とする狭指向性マイクロホンユニット。 - 連通路は、エンドミルによるフライス加工によって形成されている請求項1に記載の狭
指向性マイクロホン。 - 連通路は、ユニットケースの周方向に放射状に等間隔で複数箇所に形成されている請求
項1または2に記載の狭指向性マイクロホン。 - 内蔵部品は、ユニットケースに螺合するロックリングによって上記ユニットケースに位
置決めされている請求項1乃至3のいずれかに記載の狭指向性マイクロホン。 - ロックリングは、上記前部音響端子と上記後部音響端子との連通路の一部として段差を
有している請求項4に記載の狭指向性マイクロホン。 - 請求項1乃至5のいずれかに記載の狭指向性マイクロホンユニットが音響管内に組み込
まれていることを特徴とする狭指向性マイクロホン。
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