本発明に係る一実施形態を、図面を参照して説明する。
はじめに、図1を参照して、本実施形態に係る光源制御装置の概略を説明する。本実施形態に係る光源制御装置1は、デジタルフォトフレームである。光源制御装置1は、一定時間(例えば10秒)毎に、順次、表示パネル32に画像を表示する、いわゆるスライドショー表示を行う。光源制御装置1は、スライドショー表示のときに、表示パネル32に、写真画像(元画像の一例)、または、写真画像に画像処理を施した画像(以下、処理後画像という)を表示する。なお、画像処理の詳細等については後述する。
このとき、光源制御装置1は、撮像部40aやセンサ部40bが取得する表示パネル32の前方の情報(前方情報)をもとに、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別する。光源制御装置1は、鑑賞者がいないと判別した場合には、省電力モードでの表示を行う。光源制御装置1は、この省電力モードでは、表示パネル32を背後から照光する光源の輝度を通常の表示よりも所定の分だけ落とす。これによって、光源の消費電力が下げられるので、省電力が実現される。また、光源制御装置1は、省電力モードのときには、処理後画像を表示する。
上記のように、例えば、図1(a)に示すように、表示パネル32の前方に鑑賞者がいる場合は、表示パネル32には写真画像が表示される。一方、図1(b)に示すように、表示パネル32の前方に鑑賞者がいない場合(省電力モード時)は、表示パネル32には処理後画像が表示される。なお、上述したように、鑑賞者が人感センサによって検知されない場所にいることもある。また、通りがかりの鑑賞者が表示装置の画像を鑑賞する場合もある。
詳しくは後述するが、処理後画像の明るさ(その画像が画像データ上で有する明るさ)は、元の写真画像の明るさ(その画像が画像データ上で有する明るさ)よりも明るいので、処理後画像の表示のときに光源30aの輝度をある程度落としても処理後画像の表示パネル32における明るさは極端に暗くならない。このため、この省電力モードにおける表示では、上記のような表示が行われることによって、省電力中であっても、前記の鑑賞者の画像の鑑賞についてのストレスを低減又は無くすことができる。
つづいて、図2および図3を用いて光源制御装置1の構成を説明する。光源制御装置1は、制御部10と、記憶部20と、表示部30と、前方情報取得部40と、入力部50と、読出書込部60と、を備える。
制御部10は、光源制御装置1の各部の制御を行い、光源制御装置1全体の制御を行う。また、制御部10は、後述の光源制御処理を行う。制御部10は、例えば、CPU11と、一次記憶装置12とによって実現される。CPU11は、二次記憶装置21から一次記憶装置12にロードされた光源制御プログラム21aに従って、光源制御装置1全体を制御する。CPU11は、特に、光源制御プログラム21aに従って、制御部10が行う光源制御処理を行う。一次記憶装置12は、RAM(Random Access Memory)等によって構成される。一次記憶装置12は、CPU11が使用するデータや生成したデータを適宜記憶する。なお、制御部10は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit:特定用途向け集積回路)、DSP(Digital Signal Processor)等を含んでもよい。この場合、ASIC、DSP等は、CPU11が行う処理の少なくとも一部を行うものとする。
記憶部20は、例えば、二次記憶装置21によって実現される。二次記憶装置21は、フラッシュメモリまたはハードディスク等によって構成される。二次記憶装置21は、後述の光源制御処理で制御部10が使用する各種画像(写真画像および処理後画像)を表す画像データ等を適宜記憶する。また、二次記憶装置21は、制御部10が処理中に生成した各種画像データ、および、読出書込部60が記録媒体100から読み出した記録画像データ等を適宜記憶する。また、二次記憶装置21には、光源制御プログラム21aが記録されている。CPU11は、二次記憶装置21が記録されている光源制御プログラム21aを一次記憶装置12にロードし、一次記憶装置12にロードした光源制御プログラム21aに基づいて、後述の光源制御処理を行う。
表示部30は、制御部10の制御のもと、各種画像(写真画像および処理後画像)を表示画面に表示する。表示部30は、例えば、ディスプレイ装置に含まれる、光源30aと、表示パネル駆動回路31と、表示パネル32と、光源駆動回路33とによって構成される。
光源30aは、光源駆動回路33によって駆動され、表示パネル32を表示面と反対側の面から照光する。そして、表示パネル32は、表示パネル駆動回路31によって駆動され、光源30aから出射される光を画素毎に透過または不透過することによって、各種画像(写真画像または処理後画像)を表示する。光源駆動回路33は、光源30aの発光輝度を制御できる。このため、光源駆動回路33は、各種画像の明るさの制御を、光源30aの発光輝度の制御によって行うことができる。
光源駆動回路33は、CPU11の制御のもと、光源30aを駆動するとともに、光源30aの輝度を調整する。
光源30aは、例えば、発光ダイオードなどの発光素子と、発光素子が出射する光を導光して表示パネル32を面状に照光する導光部材とを備えるバックライトによって構成される。ここでは、発光素子が光源駆動回路によって駆動され、発光素子が出射する光の輝度によって光源30aの輝度が調整される。
表示パネル駆動回路31は、CPU11の制御のもと、表示パネル32を駆動する。
表示パネル32は、例えば、液晶表示パネルによって構成される。表示パネル32は、表示パネル駆動回路31によって駆動され、各種画像を表示するのに用いられる。
本実施形態では、このような構成によって、制御部10が、表示部30の表示パネル32と光源30aとを、制御する(ここでは、それぞれの駆動回路を介して制御する)ことによって、表示部30に各種画像(写真画像または処理後画像)を表示するとともに、光源30aの輝度を調整する。
前方情報取得部40は、制御部10の制御のもと、表示部30の表示画面(表示パネル32)の前方に鑑賞者がいるか否かを判別するための情報(前方情報)を取得し、取得した前方情報を制御部10に供給する。前方情報取得部40は、例えば、撮像部40aと、センサ部40bとを備え、これによって、前方情報を取得する。
撮像部40aは、図1に示すように、表示部30の上側部の中央に設けられている。撮像部40aは、制御部10の制御のもと、表示部30の表示画面の前方(表示画面における光の出射方向)の画像を撮像することで、撮像した撮像画像を前方情報として取得し、これを制御部10に供給する。撮像部40aは、CPU11の制御のもと撮像を行う、CCD(Charge Coupled Device)イメージセンサまたはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサ等の撮像素子と、撮像素子が撮像することによって生成する撮像信号に処理を行ってデジタルデータを生成するAFE(Analog Front End)と、AFEが生成したデジタルデータに処理を行って撮像画像を現す画像データを生成してCPU11に供給するDSP(Digital Signal Processor)等を備える撮像装置41によって実現される。このような構成によって、制御部10は、撮像部40aに撮像を行わせ、撮像画像を前方情報として取得する。なお、DSPが行う処理は、制御部10側で行っても良い。
センサ部40bは、図1に示すように、表示部30の下側部の中央に設けられている。センサ部40bは、焦電型赤外線センサの人感センサ42によって構成され、制御部10の制御のもと、表示部30の表示画面の前方のセンシング領域の人物の有無を検知することで、人物の有無を表すセンサ情報を前方情報として取得(生成)し、これを制御部10に供給する。例えば、センサ部40bは、人物の有無を表すセンサ信号を生成し、生成したセンサ信号をもとに生成されるセンサデータを前方情報として取得し、これを制御部10に供給する。
入力部50は、光源制御装置1を使用するユーザの操作を受け付ける操作部であり、例えば、電源キー、スライドショー表示の再生操作を行う操作キー等の各種操作キーを含む入力装置51によって実現される。入力部50は、受け付けた操作の内容に対応する操作信号を制御部10に供給する。
読出書込部60は、カードスロット等を含む読出書込装置61によって実現され、制御部10の制御のもと、記録媒体100に各種画像データを記録し、記録媒体100から各種画像データを読み出す。つまり、制御部10は、読取書込部60を介して、記録媒体100に対してデータを読み書きする。
記録媒体100は、各種画像データ等を記録するものである。記録媒体100は、フラッシュメモリタイプのメモリーカード101等によって実現される。メモリーカード101としては、データを記録するSDメモリーカード等がある。
ここで、制御部10が表示パネル32に表示する処理後画像について説明する。処理後画像は、写真画像(元画像)に所定の画像処理が施された画像である。この所定の画像処理には、処理対象となる写真画像の画風を変更する画像変換処理が含まれる。このような画像変換処理としては、例えば、写真画像(元画像)を絵画調の画像(絵画調画像)に変換する処理がある。具体的には、制御部10は、写真画像(元画像)を表す写真画像データが有する各種パラメータ(明るさ、コントラスト、色の濃さ、色合い、シャープネス等のパラメータ)を変更することによって、この写真画像データを絵画のタッチで描いた絵画調画像を表す絵画調画像データに画像変換処理する。なお、この画像変換処理としては、例えば、フォトショップ(登録商標)で使用される各種フィルタ等での処理がある。このような画像変換処理では、変換したい処理後画像の絵画の種類に従って、例えば、この絵画の種類の特徴を有する質感や色調等の表現を行うことになるので、画像変換後の画像は、変換前の画像に比べて画像全体の明るさが明るくなる。特に、パステル、点画、エアブラシ、水彩画、色鉛筆等の絵画の種類に画風を変更する画像変換処理は、絵画調画像の明るさを顕著に明るいものにする。
ここで、写真画像の明るさと処理後画像の明るさとは、それぞれ、その画像が有する明るさである。画像が有する明るさとは、その画像が画像データ上で有する明るさであって、実際に表示パネル32に画像が表示された場合の表示画像の明るさを言うものではない。この明るさは、例えば、その画像の画像データに基づいて算出される平均輝度値によって表される。この平均輝度値は、例えば、その画像を表す画像データがYUV(Y:輝度、UV:色差)データであるとしたときの、このYUVデータ上の全ての画素についての輝度(Y)値の平均として算出される(平均測光方式)。前記の平均輝度値は、画像の中央部分の平均輝度を算出する中央重点測光方式、画像の特定部分の平均輝度を算出するスポット測光方式等の方式によって算出されてもよいが、本実施形態では、平均測光方式によって算出されるものとする。なお、画像の明るさは、その画像の平均輝度値が大きければ大きいほど明るくなる。つまり、処理後画像の平均輝度値は、写真画像の平均輝度値よりも大きい。
例えば、絵画調画像の平均輝度値は、写真画像(元画像)の平均輝度値よりも大きい。なお、絵画調画像の平均輝度値は、変換された絵画調画像の絵画の種類によって異なる。例えば、写真画像の平均輝度値が「91」である場合において、この写真画像を絵画の種類に従って変換した絵画調画像の平均輝度値は、その絵画の種類が、パステルの場合に「205」、点画の場合に「193」、エアブラシの場合に「191」、水彩画の場合に「188」、色鉛筆の場合に「180」、ゴシック油彩の場合に「105」、油彩の場合に「102」となる。
上記のように画像変換処理が施された処理後画像は、その画像が有する明るさが写真画像よりも明るい。そのため、制御部10が、写真画像を表示パネル32に表示するときと処理後画像を表示パネル32に表示するときとで、光源30aが出射する光の明るさを同程度の明るさにして表示パネル32を照光すると、画像表示を行っている表示パネル32の明るさは、写真画像を表示パネル32に表示したときよりも、処理後画像を表示パネル32に表示したときのほうが明るいものとなる。ここで、表示パネル32の明るさは、表示パネル32に画像が表示されたときの表示パネル32が出射する光についての輝度(表示輝度)をいう。なお、ここでは、この輝度は、表示パネル32全体についての輝度をいうが、この輝度は、平均輝度値の算出で使用される方式に応じて、使用される方式での画像の部分に対応する表示パネル32上の領域についての輝度であってもよい。
制御部10は、省電力モードにおいて処理後画像を表示パネル32にするときに、写真画像を表示パネル32に表示するときよりも光源30aの輝度が低くなるように光源30aが出射する光の明るさを調整する。これにより、光源30aの消費電力を抑制することができる。処理後画像は、写真画像よりも、その画像が有する明るさ(画像輝度)が明るいため、処理後画像を表示パネル32に表示したときに、光源30aの輝度を前述のように調整しても、表示パネル32における明るさ(表示輝度)は、写真画像を表示パネル32に表示したときの表示パネル32における明るさと比べて極端に暗くならない。
なお、制御部10は、省電力モードにおいて処理後画像を表示したときの表示輝度と、写真画像を表示したときの表示輝度とが、所定の範囲内(同程度(同じを含む))になるように、光源30aの輝度を調整することが望ましい。これによって、処理後画像を表示したときに、写真画像を表示したときの表示輝度と同程度の表示輝度が確保されるので、上記の鑑賞者が感じる違和感等はより無いか少なくなる。このような場合、制御部10は、写真画像の明るさとこの写真画像の処理後画像の明るさとの違いの度合いを表す相違度を算出し、算出した相違度に基づいて、各画像をそれぞれ表示したときの表示輝度それぞれが、同程度になるように光源30aの輝度(光源輝度)を調整する。相違度は、例えば、それぞれの画像の平均輝度値の差(または比)によって表される。
制御部10は、写真画像とこの写真画像の処理後画像とについての平均輝度値をそれぞれ算出し、算出した平均輝度値の差(または比)を、写真画像と処理後画像との相違度として用いる。制御部10は、処理後画像を表示するときの光源輝度である目標輝度を、前記の相違度に基づいて、例えば、記憶部20等に予め記憶された対応表を参照することによって取得する。この対応表には、相違度と、目標輝度と、が互いに対応付けられて記録されている。目標輝度は、所定の相違度をもつ二つの画像をそれぞれ表示したときの表示輝度それぞれが同程度になるような、省電力モードで処理後画像を表示するときの目標輝度であり、相違度毎に基本的に異なる値で各相違度とそれぞれ対応付けられて対応表に記録されている。目標輝度は、相違度が大きくなるにつれ、低くなるように設定されている(基本的には、比例関係)。つまり、相違度が大きくなるにつれ、光源30aの消費電力は抑制されることになる。制御部10は、省電力モードで処理後画像を表示するときに、このような対応表を参照し、相違度に対応する目標輝度になるように光源30aの輝度を調整する。これにより、表示パネル32の明るさ(表示輝度)は、写真画像を表示パネル32に表示するときと、処理後画像を表示パネル32に表示するときで、同程度にできる。なお、この調整は、例えば、光源30aの発光素子に印加する電圧を制御することによって行われる。印加電圧が大きければ、光源輝度も大きくなる。また、目標輝度は、所定の関係式に相違度(記憶部20等に予め記憶されているものとする。)を代入することによって制御部10に取得されても良い。このように、光源制御装置1は、省電力モードで処理後画像を表示パネル32にするときに、光源30aの消費電力を抑制するとともに、鑑賞者にとってストレスが少なくなるか無くなる。なお、写真画像を表示するとき等の光源輝度(基準輝度)は、一律に予め設定され、記憶部20等に記憶されているものとする。制御部10は、写真画像を表示するときに、この基準輝度になるように、光源輝度を調整する。基準輝度は、当然、目標輝度よりも高い。
なお、前述の画像変換処理とは異なる処理として、写真画像の画風を変更せずに画像の明るさが結果的に明るくなる処理(ガンマ補正等の処理)もある。このような処理を写真画像に施し、これによって得られる画像を表示パネル32に表示するときに、光源輝度を、写真画像を表示するときよりも暗くなるように調整することにより、省電力モードにおいて上記と同様の効果を得られる場合がある。しかし、このような処理が施された画像は、画像上で輝度値が飽和する領域が発生することにより、処理前の画像のコントラストが失われ、写真画像よりも画質が劣化することがある。そのため、このような画像を鑑賞する鑑賞者は、画質の劣化が気になり、違和感(ストレス)を感じる。一方、本実施形態における前述の処理後画像は、写真画像(元画像)とは画風が異なるものであり、そもそも鑑賞者が画質の劣化等を特に意識することはなく、前述のような不都合が生じない。これにより、例えば、表示パネル32から離れた位置にいる鑑賞者がいる場合や、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるにもかかわらず制御部10の誤判別によって鑑賞者がいないと判別された場合等、省電力モードで表示パネル32に表示される処理後画像を鑑賞する鑑賞者がいても、その処理後画像が、写真画像(元画像)とは画風が異なるものであるため、鑑賞者は、画質の劣化等を特に意識することがない。このため、このような観点からも、本実施形態によれば、省電力中であっても、鑑賞者の画像の鑑賞についてのストレスを低減又は無くすことができる。
前述の画像変換処理で得られる処理後画像は、その元画像である写真画像がもともと暗かったり、写真画像との相違度が小さかったりすることもよって、その明るさが十分でない場合がある。この場合、省電力モードで表示される処理後画像についての表示輝度は低く、画像が暗く表示されてしまう。そこで、このような場合、前記の画像処理に含まれる処理として、処理後画像の明るさをさらに明るくする効果をもつ補正処理(ガンマ補正等)を処理後画像に施すことにより、画像が暗く表示されてしまうことを防ぐ。これによって、鑑賞者にストレスを与えることは無いか少ない。なお、このよう処理によれば、画質の劣化は避けられないが、上記のように、そもそも処理後画像については画風が変更されているので、画質の劣化は気にならない。このため、このような処理を行っても、鑑賞者にストレスを与えることは無いか少ない。また、上記のような処理によって、写真画像と補正処理後の処理後画像(補正絵画調画像)との相違度を大きくすることができる。これによって、消費電力の抑制度合いを大きくすることができ、より大きな省電力が期待できる。
一方、処理後画像の明るさが十分に明るい場合、例えば、処理後画像の平均輝度値が画像の最大輝度値である「255」に近似する場合、上記のような補正処理を処理後画像に施しても、画像の各画素の輝度値がさらに「255」に近づいてしまうため、補正処理後の処理後画像のほとんどが真っ白になる等して、画像の破綻が起こることがある。
このような事情に鑑み、制御部10は、相違度が小さくても、画像変換処理によって得られる処理後画像について、その明るさが十分に明るくない場合(明るさが、所定の基準を満たさない場合)に補正処理を行う。なお、補正処理としては、例えば、ガンマ補正やレベル補正等があるが、絵画調画像の平均輝度値をさらに大きくする補正処理であれば良いものとする。これによって、画像の破綻が防止される。
次に、図4等を参照して、光源制御装置1の動作を説明する。なお、下記の動作に必要なデータ等は、記憶部20または記録媒体100に記録されているものとし、制御部10は、適宜のタイミングで、必要なデータを取得して使用するものとする。
光源制御装置1を使用するユーザは、入力部50を用いて光源制御装置1の電源をオンにする操作を行う。制御部10は、光源制御装置1の電源がオンにされると、光源制御処理を開始する。この光源制御処理では、スライドショーの表示タイミング毎に画像(写真画像または処理後画像)を表示するスライドショーを行う。
はじめに、制御部10は、表示部30の表示画面(表示パネル32)に表示するスライドショーの表示順を表す番号nをn=0と設定する(ステップS10)。つづいて、制御部10は、光源制御装置1の電源を落とすか否かを判別する(ステップS11)。制御部10は、光源制御装置1の電源を落とす(オフにする)操作に対応する操作信号を入力部50から受け取った場合、または、後述する省電力表示処理(図7参照)において電源オフが設定された場合(図7のステップS186)、光源制御装置1の電源をオフにすると判別する(ステップS11;YES)。この場合、制御部10は、光源制御処理を終了し、光源制御装置1の電源をオフにする。
一方、制御部10は、前記の操作信号を受け取っていないか、電源オフが設定されていない場合に、光源制御装置1の電源を落とさないと判別し(ステップS11;NO)、スライドショーのデータ(スライドショーデータ)が、記憶部20または記録媒体100に記録されているか否かを判別する(ステップS12)。スライドショーデータは、詳しくは後述するが、表示パネル32に表示されるスライドショーのデータであり、スライドショーの表示タイミング毎にそれぞれ表示される各画像を表す、1以上のスライド画像データ(スライド表示に使用される画像データ)を含む。
制御部10は、スライドショーデータが記録されていないと判別した場合(ステップS12;NO)、スライド画像データを生成するのに必要なスライド情報の選択および決定がされたか否かを判別する(ステップS13)。スライド情報は、スライドショー表示され、かつ、画像処理(画像変換処理)が施される素材(元画像)となる写真画像と、その画像処理(画像変換処理)の内容を表す絵画の種類(パステル、点画、エアブラシ、水彩画、色鉛筆、ゴシック油彩、油彩等)との組からなる。
具体的には、制御部10は、記憶部20または記録媒体100に記録された画像データの画像であって、表示パネル32に表示可能な写真画像の一覧を表示部30に表示する。また、制御部10は、絵画の種類の一覧を表示部30に表示する。ユーザは、表示部30に表示された各一覧をそれぞれ確認し、入力部50を用いて、1組以上の写真画像および絵画の種類を選択する操作を行う。なお、ユーザは、選択する全ての写真画像に対して同じ絵画の種類を選択しても良いし、各写真画像に対して絵画の種類を選択しても良い。
ユーザは、入力部50を用いて、1以上のスライド情報を選択し、選択の終了に伴って決定する操作を行う。この操作に応じて入力部50は、スライド情報の選択および決定の操作に対応する操作信号を制御部10に供給する。制御部10は、入力部50からこの操作信号を受け取ると、スライド情報の選択および決定がされたと判別し(ステップS13;YES)、これに基づいて後述のスライドショーデータ生成処理を行う(ステップS14)。
一方、制御部10は、入力部50から前述の操作信号を受け取らない場合、ステップS11に戻って前述と同じ処理を行う(ステップS13;NO)。つまり、制御部10は、ステップS12において、スライドショーデータが記録されていないと判別した場合(ステップS12;NO)、電源がオフになるか(ステップS11;NO)、スライド情報の決定がされるまで(ステップS13;YES)、待機状態となる。一方、制御部10は、ステップS12において、スライドショーデータが記録されていると判別した場合、ステップS15に進む。
制御部10が行うスライドショーデータ生成処理(ステップS14)を説明する。制御部10は、ユーザによって選択された各スライド情報(写真画像および絵画の種類の組)を用いて、図5に示す、以下の画像処理を行う。制御部10は、各スライド情報それぞれについて、以下の画像処理を繰り返し行い、この画像処理を全てのスライド情報について行う。制御部10は、例えば、ユーザが選択した順序と同じ順序で、スライド情報についての画像処理を行う。
制御部10は、スライド情報により表される写真画像および絵画の種類に基づいて、前述した画像変換処理を行って、絵画調画像を生成する(ステップS141)。
制御部10は、生成した絵画調画像の平均輝度値を算出し(ステップS142)、算出した絵画調画像の平均輝度値が、予め設定された閾値以上であるか否かを判別する(ステップS143)。例えば、閾値は、画像の最大輝度値「255」の70%の輝度値「178」が設定されている。この閾値は、処理後画像(絵画調画像)の明るさが十分に明るいものであるか否か(明るさに関する所定の基準を満たすか否か)を判別する基準である。
制御部10は、絵画調画像の平均輝度値が閾値「178」以上である場合(ステップS143;YES)、処理後画像(絵画調画像)が十分に明るいものであると判別し、この絵画調画像を処理後画像として用いる(ステップS144)。
制御部10は、処理後画像として設定された絵画調画像について、絵画調画像を表示パネル32に表示したときの表示輝度が、画像処理前の写真画像(スライド情報の写真画像)を表示パネル32にしたときの表示輝度と同程度になる光源輝度である目標輝度を求める(ステップS145)。前述したように、制御部10は、写真画像と絵画調画像(処理後画像)とについての平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値の差(または比)を写真画像と絵画調画像との相違度として用いる。制御部10は、記憶部20等に記憶された対応表を参照する等して、相違度に応じた目標輝度を取得する。その後、制御部10は、ステップS149の処理を行う。
一方、制御部10は、ステップS143において、絵画調画像の平均輝度値が閾値「178」未満である場合(ステップS143;YES)、絵画調画像が十分に明るいものでないと判別し、前述した補正処理(ガンマ補正等)を絵画調画像に施して補正絵画調画像を生成し(ステップS146)、この補正処理後画像を処理後画像として用いる(ステップS147)。なお、補正の種類等については、予め設定されているものとする。
制御部10は、処理後画像として設定された補正絵画調画像について、補正絵画調画像を表示パネル32に表示したときの表示輝度が、画像処理前の写真画像(スライド情報の写真画像)を表示パネル32にしたときの表示輝度と同程度になる光源輝度である目標輝度を求める(ステップS148)。前述したように、制御部10は、写真画像と補正絵画調画像(処理後画像)とについての平均輝度値を算出し、算出した平均輝度値の差(または比)を写真画像と補正絵画調画像との相違度として用いる。制御部10は、記憶部20等に記憶された対応表を参照する等して、相違度に応じた目標輝度を取得する。その後、制御部10は、ステップS149の処理を行う。
制御部10は、ステップS149において、スライド情報により表される写真画像を表す写真画像データと、上記で説明した基準輝度のデータ(写真画像を表示するときの光源30aの輝度であって、記憶部20にこのデータが記録され、制御部10に取得されるものとする。)と、前記で画像処理した処理後画像として用いる、絵画調画像を表す絵画調画像データ又は補正絵画調画像を表す補正絵画調画像データと、前記で取得した目標輝度のデータと、を互いに対応付けて、記憶部20に記録する(ステップS149)。以下では、このようなデータをひとまとめにして、スライド画像データという。
制御部10は、各スライド情報(写真画像と絵画の種類との組)全てについて、上記画像処理を行う。そして、全ての画像処理の終了時に、スライド画像データのそれぞれに、さらに、その画像についてのスライドショーにおける表示順序(順序の番号)を表す表示順データを対応づけて記憶部20に記録し、これらデータによって構成されるスライドショーデータを生成する。なお、スライドショーの表示順は、スライド情報の選択順(つまり、画像処理を行ったスライド情報について順番)や、写真画像と処理後画像との相違度(平均輝度値の差等)が大きい順、あるいはユーザの任意の選択等によって設定され、制御部10は、この表示順のデータを生成して、記憶部20に記録する。スライドショーデータの内容を図8に示す。
図4に戻り、制御部10は、スライドショーデータの生成処理後(ステップS14の処理後)、又は、ステップS12においてスライドショーデータが記録されていると判別した場合(ステップS12;YES)、スライドショーの表示順を表す番号をn=n+1(n=1)と設定し(ステップS15)、スライドショーの表示タイミングであるか否かを判別する(ステップS16)。スライドショーの表示タイミングは、表示パネル32に表示されているスライドショーの画像を次の画像に切り替えるタイミングであり、ここでは10秒毎とする。
制御部10は、最初に到来したステップS16では、まだ、スライドショーが始まっていないので、スライドショーを開始するために、スライドショーの表示タイミングであると判別する(ステップS16;YES)。このとき、制御部10は、所定の図示しないタイマによって計時を開始し、2回目以降に到来したステップS16では、この計時した時間が表示タイミングの時間であるかによって、表示タイミングであるか否かの判別を行う。なお、制御部10は、スライドショーの表示タイミングでない場合(ステップS16;NO)、ステップS11に戻り、前述と同様の処理を行う。制御部10は、計時した時間が表示タイミングの時間であることによって、表示タイミングであると判別した場合には(ステップS16;YES)、ステップS17の処理を行う。
次に、制御部10は、表示パネル32に処理後画像を現在表示しているか否かを判別し(ステップS17)、表示パネル32に処理後画像を表示していなければ(ステップS17;NO)、通常表示処理を行う(ステップS18)。一方、制御部10は、表示パネル32に処理後画像を表示していれば(ステップS17;YES)、省電力表示処理を行う(ステップS19)。
このようにして、制御部10は、スライドショーの表示タイミング毎に、スライドショーの表示順(番号n)に従って、その表示順(番号n)に対応するスライド画像データについて通常表示処理(ステップS18)または省電力表示処理(ステップS19)を行って、画像(写真画像または処理後画像)を表示パネル32に表示するスライドショーを行う。
図6を参照して、制御部10が行う通常表示処理を説明する。制御部10は、前方情報取得部40に表示部30の前方の情報(前方情報)を取得させ、前方情報取得部40が取得した前方情報をもとに表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別する処理を行う(ステップS181)。
具体的には、制御部10は、前方情報取得部40が備える撮像部40aに、表示パネル32の前方の画像を撮像させる。撮像部40aは、制御部10の制御のもと、表示パネル32の前方の画像を撮像し、その撮像した画像に所定の処理を施した撮像画像(ここでは写真画像データ)を前方情報として取得し、これを制御部10に供給する。制御部10は、撮像部40aから前方情報の撮像画像を受け取り、これをもとにして表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別する。
例えば、制御部10は、撮像画像に、正面を向いている所定の大きさの顔であって、視線が正面を向いている(つまり、光源制御装置1(デジタルフォトフレーム)を見ている)顔の像が写っていれば、表示パネル32の前方に鑑賞者がいると判別し、このような顔の像が写っていなければ、表示パネル32の前方に鑑賞者がいないと判別する。制御部10は、テンプレートマッチング等の適宜の処理を行うことによって、制御部10が取得した撮像画像から、正面を向いている所定の大きさ以上の顔の像の検出、および、その検出した顔の像により表される視線が正面を向いている顔の像の検出を行う。例えば、制御部10は、正面を向いている所定の大きさ以上の顔のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行い、このテンプレート画像との類似度が所定以上である像を、正面を向いている所定の大きさ以上の顔の像として検出する。また、制御部10は、その検出した顔の像について、黒目が中央にある目のテンプレート画像を用いたテンプレートマッチングを行い、このテンプレート画像との類似度が所定以上である像を、視線が正面を向いている顔の像として検出する。制御部10は、これらの検出によって、撮像画像に前述の顔の像が写っていれば、表示パネル32の前方に鑑賞者がいると判別し、撮像画像に前述の顔の像が写っていなければ、表示パネル32の前方に鑑賞者がいないと判別する。
また、制御部10は、前方情報取得部40が備えるセンサ部40bに、表示パネル32の前方のセンシング領域に人物の有無を検知させる。センサ部40bは、制御部10の制御のもと、センシング領域の人物の有無を検知し、その検知結果を表すセンサ情報(ここではセンサデータ)を前方情報として取得し、これを制御部10に供給する。制御部10は、センサ部40bから前方情報のセンサ情報を受け取り、これをもとにして表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別する。
例えば、制御部10は、センサ部40bが取得したセンサ情報により表される検知結果が、センシング領域の人物を検知したものである場合、表示パネル32の前方に鑑賞者がいると判別し、一方、センシング領域の人物を検知しなかったものである場合、表示パネル32の前方に鑑賞者がいないと判別する。
このようにして、制御部10は、前方情報取得部40が取得した撮像情報およびセンサ情報を用いて、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別する。制御部10は、撮像情報およびセンサ情報の少なくとも何れかの情報によって、表示パネル32の前方に鑑賞者がいると判別した場合に、ステップS181における鑑賞者がいると判別し(ステップS181;YES)、一方、撮像情報およびセンサ情報によって、鑑賞者がいないと判別した場合に鑑賞者がいないと判別する(ステップS181;NO)。制御部10は、ステップS181でYESと判別した場合は従前に立てていたフラグを無効にし(ステップS183)、ステップS181でNOと判別した場合はフラグを立てる(ステップS182)。制御部10は、繰り返し到来するステップS181でNOと連続して判別すると、連続する分だけフラグを立たせることになる。
つづいて、制御部10は、前述の処理を行った結果、一定時間(例えば10分間)、鑑賞者が不在であるか否かを判別する(ステップS184)。ここでいう一定時間は、処理後画像を表示するか否かの基準として用いられる時間である。制御部10は、この判別を、10分間分のフラグ(60本)が立っているか否かにより行う。制御部10は、10分間分のフラグが立っていれば、一定時間、鑑賞者が不在であると判別し(ステップS184;YES)、10分間分のフラグが立っていなければ、一定時間、鑑賞者が不在でないと判別する(ステップS184;NO)。
制御部10は、一定時間、鑑賞者が不在でないと判別した場合(ステップS184;NO)、スライドショーデータを参照し、ステップS15で設定された番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる写真画像データを取得し、取得した写真画像データに基づいて、表示部30を制御し、この写真画像データにより表される写真画像を表示パネル32に表示する(ステップS185)。例えば、図8に示すスライドショーデータを用いる場合において、ステップS15で設定された番号nがn=3であったとき、表示部30には、写真画像Cが表示される。
なお、このとき、制御部10は、すでに画像が表示されている場合には、フェードアウトによって、表示パネル32に表示されている画像(番号n−1の写真画像)を消して、フェードインによって、番号nに対応する写真画像を表示パネル32に表示する。フェードインは、表示パネル32に表示する画像を、一色の状態(例えば黒い状態)から徐々に映し出す表示態様をいう。フェードアウトは、表示パネル32に表示されている画像を、徐々に一色の状態(例えば、黒い状態)に移り変わるようにして消す表示態様をいう。なお、制御部10は、このフェードアウトとフェードインを同時に行っても良い(クロスフェードを行う)。これにより、番号nに対応する写真画像は、表示パネル32に徐々に映し出されるので、鑑賞者に余計なストレス等を与えない。
また、このとき、制御部10は、番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる基準輝度のデータに基づいて光源30aの輝度を調整する。光源30aは、調整された光源30aの輝度によって表示パネル32を照光する。例えば、ステップS15で設定された番号nがn=3であったとき、光源30aの輝度は、輝度A(基準輝度)に調整され、光源30aは、調整された光源30aの輝度Aによって表示パネル32を照光する。
一方、制御部10は、ステップS184において、一定時間、鑑賞者が不在であると判別した場合(ステップS184;YES)、スライドショーデータを参照し、番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる処理後画像データを取得し、取得した処理後画像データに基づいて、表示部30を制御し、この処理後画像データにより表される処理後画像を表示パネル32に表示する(ステップS186)。例えば、ステップS15で設定された番号nがn=3であったとき、表示部30には、処理後画像C’が表示される。
なお、このとき、制御部10は、前述と同様にして、フェードアウトによって、表示パネル32に表示されている画像(番号n−1の写真画像)を消して、フェードインによって、番号nに対応する処理後画像(絵画調画像または補正絵画調画像)を表示パネル32に表示する。これにより、番号nに対応する処理後画像は、表示パネル32に徐々に映し出される。フェードアウトやフェードインを行うことによって、鑑賞者は、画像表示の前後における画像の鑑賞に際して、鑑賞者に余計なストレスを与えないようにすることができる。
また、このとき、制御部10は、番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる目標輝度に従って光源30aの輝度を調整する。光源30aは、調整された光源30aの輝度によって表示パネル32を照光する。例えば、ステップS15で設定された番号nがn=3であったとき、光源30aの輝度は、輝度3B(目標輝度)に調整され、光源30aは、調整された輝度3Bによって表示パネル32を照光する。この目標輝度(輝度3B)は、基準輝度(輝度A)よりも輝度が低い。これにより、処理後画像を表示パネル32に表示するときに、光源30aの消費電力を抑制することができる。
次に、図7を参照して、制御部10が行う省電力表示処理(省電力モードにおける表示処理)を説明する。制御部10は、前述した通常表示処理と同様、前方情報取得部40が取得した撮像情報およびセンサ情報を用いて、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別する(ステップS191)。制御部10は、ステップS191でYESと判別した場合は従前に立てていたフラグを無効にし(ステップS192)、ステップS191でNOと判別した場合はフラグを立てる(ステップS194)。制御部10は、繰り返し到来するステップS191でNOと連続して判別すると、連続する分だけフラグを立たせることになる。
制御部10は、前述の処理(ステップS191;NO)に応じて、フラグを立てた後(ステップS194)、一定期間(例えば30分間)、鑑賞者が不在であるか否かを判別する(ステップS195)。ここでいう一定期間は、前述の通常表示処理のステップS184において処理後画像を表示するか否かの基準の時間(一定時間(10分間))よりも長い時間(30分間)であり、処理後画像を表示せずに電源をオフにするか否かの基準として用いられる。制御部10は、この判別を、30分間分のフラグ(180本)が立っているか否かにより行う。制御部10は、30分間分のフラグが立っていれば、一定期間、鑑賞者が不在であると判別し(ステップS195;YES)、30分間分のフラグが立っていなければ、一定期間、鑑賞者が不在でないと判別する(ステップS195;NO)。
制御部10は、一定期間、鑑賞者が不在でないと判別した場合(ステップS195;NO)、スライドショーデータを参照し、ステップS15で設定された番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる処理後画像データを取得し、取得した処理後画像データに基づいて、表示部30を制御し、この処理後画像データにより表される処理後画像を表示パネル32に表示する(ステップS196)。例えば、図8に示すスライドショーデータを用いる場合において、ステップS15で設定された番号nがn=4であったとき、表示部30には、処理後画像D’が表示される。
また、このとき、制御部10は、前述と同様にして、フェードアウトによって、表示パネル32に表示されている画像(番号n−1の写真画像)を消して、フェードインによって、番号nに対応する処理後画像(絵画調画像または補正絵画調画像)を表示パネル32に表示する。これにより、番号nに対応する処理後画像は、表示パネル32に徐々に映し出されるので、鑑賞者に余計なストレス等を与えない。
また、このとき、制御部10は、番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる目標輝度のデータに基づいて光源30aの輝度を調整する。光源30aは、調整された光源30aの輝度によって表示パネル32を照光する。例えば、ステップS15で設定された番号nがn=4であったとき、光源30aの輝度は、輝度4B(目標輝度)に調整され、光源30aは、調整された光源30aの輝度4Bによって表示パネル32を照光する。この目標輝度(輝度4B)は、基準輝度(輝度A)よりも輝度が低い。これにより、処理後画像を表示パネル32に表示するときに、光源30aの消費電力を抑制することができる。
一方、制御部10は、前述の処理(ステップS191;YES)に応じて、たてたフラグを無効にした後(ステップS192)、スライドショーデータを参照し、ステップS15で設定された番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる写真画像データを取得し、取得した写真画像データに基づいて、表示部30を制御し、この写真画像データにより表される写真画像を表示パネル32に表示する(ステップS193)。例えば、図8に示すスライドショーデータを用いる場合において、ステップS15で設定された番号nがn=4であったとき、表示部30には、写真画像Dが表示される。
なお、このとき、制御部10は、前述と同様にして、フェードアウトによって、表示パネル32に表示されている画像(番号n−1の処理後画像)を消して、フェードインによって、番号nに対応する写真画像を表示パネル32に表示する。これにより、番号nに対応する処理後画像は、表示パネル32に徐々に映し出されるので、鑑賞者に余計なストレス等を与えない。
また、このとき、制御部10は、番号nに対応する番号のスライド画像データに含まれる基準輝度のデータに基づいて光源30aの輝度を調整する。光源30aは、調整された光源30aの輝度によって表示パネル32を照光する。例えば、ステップS15で設定された番号nがn=4であったとき、光源30aの輝度は、輝度A(基準輝度)に調整され、光源30aは、調整された光源30aの輝度Aによって表示パネル32を照光する。
また、制御部10は、ステップS193において、鑑賞者が、一定期間、不在であると判別した場合(ステップS193;YES)、光源制御装置1の電源をオフに設定する(ステップS196)。つまり、この場合、制御部10は、図4に示すステップS11において、光源制御装置1の電源を落とすと判別し(ステップS11;YES)、光源制御処理を終了し、光源制御装置1の電源をオフにする。
このように、光源制御装置1は、表示パネル32に写真画像が表示されている場合(通常の表示モード)において、一定時間、鑑賞者が不在でなければ、写真画像を表示パネル32に表示し、その写真画像を表示するときの基準輝度に光源30aの輝度を調整する(通常の表示モード)。つまり、これによって、通常の表示モードを継続する。例えば、図9(a)に示すように、表示パネル32に表示された写真画像を鑑賞している、表示パネル32の前方にいる鑑賞者Aおよび表示パネル32から離れた位置にいる鑑賞者Bは、スライドショーの表示タイミングで表示パネル32に切り替わって表示される写真画像を鑑賞することができる。なお、図9に示す点線によって表示パネル32が囲まれる範囲は、制御部10によって鑑賞者がいると判別される領域を示す。
また、光源制御装置1は、表示パネル32に写真画像が表示されている場合(通常の表示モード)において、一定時間、鑑賞者が不在であれば、処理後画像を表示パネル32に表示し、その処理後画像を表示するときの目標輝度に光源30aの輝度を調整する(省電力モード)。つまり、これによって、通常の表示モードが省電力モードに移行する。例えば、図9(b)に示すように、表示パネル32から離れた位置において、表示パネル32に表示された写真画像を鑑賞している鑑賞者Bは、スライドショーの表示タイミングで表示パネル32に切り替わって表示される処理後画像を鑑賞することができる。処理後画像の明るさは、写真画像の明るさよりも明るいので、処理後画像の表示のときに光源30aの輝度(目標輝度)を基準輝度より低くしても、処理後画像が表示された表示パネル32の表示輝度は、極端に下がらない(暗くならない)。特に、前述した画像処理において取得した目標輝度は、処理後画像が表示パネル32に表示されたときの表示パネル32の表示輝度を、写真画像が表示パネル32に表示されたときの明るさと同程度の明るさを維持できるものである。これにより、処理後画像が表示パネル32に表示されるときは、省電力中であっても、鑑賞者の画像の鑑賞についてのストレスを低減又は無くすことができる。
また、光源制御装置1は、表示パネル32に処理後画像が表示されている場合(省電力モード)において、鑑賞者が不在であっても、一定期間、鑑賞者が不在でなければ、処理後画像を表示パネル32に表示し、その処理後画像を表示するときの目標輝度に光源30aの輝度を調整する(省電力モード)。つまり、これによって、省電力モードを継続する。例えば、図9(b)に示す鑑賞者Bは、表示パネル32にスライドショーの表示タイミングで切り替わって表示される処理後画像を鑑賞することができる。
また、光源制御装置1は、表示パネル32に処理後画像が表示されている場合(省電力モード)において、鑑賞者が不在でなければ(鑑賞者がいれば)、写真画像を表示パネル32に表示し、その写真画像を表示するときの基準輝度に光源30aの輝度を調整する(通常の表示モード)。つまり、これによって、省電力モードを通常の表示モードに移行する。例えば、図9(c)に示すように、表示パネル32から離れた位置にいた鑑賞者Bが表示パネル32の前方の近くに来た場合、この鑑賞者Bは、表示パネル32にスライドショーの表示タイミングで切り替わって表示される写真画像を鑑賞することができる。
以上、本実施形態に係る光源制御装置1によれば、写真画像(元画像)に、画像の明るさを明るくするとともに画風を変更する画像処理を施した処理後画像を用い、制御部10は、写真画像(元画像)または処理後画像の表示に用いられる光源30aを制御し、写真画像を表示パネル32に表示するときよりも、処理後画像を表示パネル32に表示するときの方が、光源30aの輝度が低くなるように光源30aの輝度を調整している。処理後画像の明るさは、元の写真画像の明るさよりも明るいので、処理後画像の表示のときに光源30aの輝度をある程度落としても処理後画像の表示パネル32における明るさは極端に暗くならない。これにより、光源30aの輝度を落としても(省電力中であっても)、鑑賞者の画像の鑑賞についてのストレスを低減又は無くすことができる。
なお、前述の実施形態では、制御部10は、写真画像の明るさと処理後画像の明るさとの違いの度合いを表す相違度を算出し、算出した相違度に基づいて、各画像をそれぞれ表示したときの各表示輝度が、同程度になるように光源30aの輝度(光源輝度)を調整しているが、これに限定されない。つまり、光源30aの輝度は、写真画像を表示するときよりも、処理後画像を表示するときのほうが、低くなるように調整して、光源30aの消費電力を抑制できるようにすれば良い。例えば、処理後画像を表示するときの光源30aの輝度である目標輝度は、写真画像を表示するときの光源30aの輝度である基準輝度よりも、光源30aの輝度が低くなるように、一律に設定されたものを用いても良い。なお、この目標輝度は、処理後画像を表示したときの表示パネル32の明るさが極端に暗くならない輝度で設定される。
また、制御部10は、鑑賞者がいると判別したときに、写真画像以外に処理後画像(絵画調画像または補正絵画調画像)を表示し、このとき、前述の通常の表示モードで用いた基準輝度になるように、光源30aの輝度を調整しても良い。これにより、表示パネル32の前方にいる鑑賞者は、通常の表示モードで表示パネル32に表示される処理後画像を鑑賞することができる。
また、制御部10は、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かに関わらず、処理後画像(絵画調画像または補正絵画調画像)を表示するときに、前述の省電力モードで用いた目標輝度(基準輝度よりも低い光源輝度)になるように、光源30aの輝度を調整しても良い。これにより、処理後画像が表示パネル32に表示されるときに光源30aの省電力を実現することができる。また、処理後画像を表示しているときに、不必要に暗くならないので、鑑賞者にストレスを与えない。
また、制御部10は、前方情報取得部40が取得した撮像情報およびセンサ情報を用いて、その判別を行う過程で判別される所定の判別結果に応じて予め設定された注目度を加算し、この加算した注目度の合計と、鑑賞者がいると判別する所定の注目度(閾値)とを比較することによって、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別しても良い。
具体的には、制御部10は、撮像部40aから受け取った前方情報の撮像画像に、顔の像があるか、顔の像の大きさが所定の大きさ以上であるか、顔の像が正面方向であるか、顔の像の黒目が目の中央にあるか等について、それぞれ判別を行い、その判別結果に応じて、予め設定された値を注目度として加算する。例えば、撮像画像に、所定の大きさ未満の顔の像が写っていて、その顔の像により表される顔および視線が正面を向いている場合、制御部10は、前記の顔の像の大きさが所定の大きさ以上であるかの判別では注目度を加算しないが、前記のその他の各判別では注目度を加算する。このようにして、制御部10は、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かの判別を行う過程で、前記の注目度を加算し、この加算した注目度の合計が、鑑賞者がいると判別する所定の注目度(閾値)以上である場合、鑑賞者がいると判別し、一方、所定の注目度(閾値)未満である場合、鑑賞者がいないと判別する。これにより、光源制御装置1は、鑑賞者の注目度に応じて、写真画像または処理後画像を表示することができる。なお、センサ部40Bについても、前記と同様にして所定の判別結果に応じて加算した注目度の合計と、鑑賞者がいると判別する所定の注目度(閾値)とを比較することによって、表示パネル32の前方に鑑賞者がいるか否かを判別することができる。これによって、鑑賞者の注目度に応じた表示モードの切り替えが行える。
また、前述の実施形態では、写真画像に画像変換処理を施した絵画調画像に補正処理を施すか否かの判別を、絵画調画像の平均輝度値と、予め設定された閾値とを比較することで行ったが、これに限定されない。例えば、画像変換処理によって写真画像(元画像)と比べて明るさが十分に明るくならない絵画の種類(例えばゴシック油彩や油彩等)を予め設定し、前述の絵画調画像の絵画の種類が、予め設定した絵画の種類であるか否かに応じて、前述の補正処理(絵画調画像の明るさをさらに明るくする補正処理)を施すか否かの判別を行っても良い。
また、前述の実施形態では、前述の補正処理を1回だけ行うものとしたが、制御部10は、補正処理を行った後、処理後画像(補正絵画調画像)の平均輝度値と、予め設定された閾値とを比較し、処理後画像(補正絵画調画像)の平均輝度値が閾値以上であると判別されるまで、前述の補正処理を繰り返し行うようにしても良い。
また、前述の実施形態では、スライド画像データを生成するのに必要なスライド情報が、写真画像と絵画の種類との組からなることを説明したが、スライド情報は、写真画像のみであっても良い。つまり、制御部10は、ユーザによって選択および決定がされた各スライド情報(写真画像)に基づいて、適宜任意に選択される絵画の種類によって、前述の画像処理(画像変換処理、補正処理)を行っても良い。
なお、絵画の種類は、特に、省電力モードにおいて、省電力を実現するために省電力効果が大きい絵画の種類が自動的に選択されるのが望ましい。制御部10は、省電力効果が大きい絵画の種類を自動的に選択するため、例えば、前述の実施形態で説明した、写真画像と処理後画像(絵画調画像または補正絵画調画像)とについての平均輝度値(または比)によって表される相違度を算出する度に、算出した相違度を、画像変換処理の内容である絵画の種類別に記憶部20に記憶し、下記の処理を行う。なお、相違度は、その大きさが大きくなるにつれ、処理後画像についての光源輝度を下げても、表示輝度は不必要に低くならないので、省電力効果が大きくなる。なお、上記では、処理後画像を予め生成していたが、ここでは、制御部10は、処理後画像を表示するタイミングで、下記で選択された絵画調の種類の画像変換処理を含む画像処理(適宜、補正処理を含んでも良い。)で変換した処理後画像を表示する。
例えば、上記の通常の表示モードにおいて、絵画の種類は、ユーザによって、または、ランダム(任意)に選択されるものとする。制御部10は、写真画像に、選択された絵画の種類の画像変換処理を施して、写真画像を絵画調画像に変換する。制御部10は、変換した絵画調画像を表示パネル32に表示する一方、写真画像と絵画調画像との相違度を算出し、算出した相違度を、絵画の種類に対応させて相違度の履歴として記憶部20に記憶する。なお、この絵画調画像の明るさが十分に明るくない場合(明るさが、所定の基準を満たさない場合)、制御部10は、上記同様、この絵画調画像に補正処理を施し、写真画像と補正絵画調画像との相違度を算出し、算出した相違度を、絵画の種類に対応させて相違度の履歴として記憶部20に記憶する。
一方、上記の省電力モードにおいて、制御部10は、記憶部20に絵画の種類別に記憶された相違度の履歴を参照し、例えば、絵画の種類別に相違度の平均値を算出し、算出した相違度の平均値が大きい絵画の種類を、省電力効果が大きい絵画の種類として自動的に選択する(例えば、最も省電力効果が大きなものを選択するか、所定の閾値以上の相違度の絵画の種類のうちの1つをランダムに選択する)。なお、制御部10は、記憶部20に、相違度の履歴が記憶されていなければ、省電力効果が大きい絵画の種類として予め設定された絵画の種類を自動的に選択すれば良い(複数のうちからランダムに選んでも良い。)。これにより、光源制御装置1は、省電力モードにおいて、省電力効果が大きい絵画の種類を自動的に選択することができる。
さらに、前述の実施形態では、表示パネル32に表示される画像を、静止画像であるとして説明したが、動画像(複数の連続する静止画像によって構成された画像群)であっても良い。
また、本発明に係る光源制御装置は、前述の実施形態において、その一例として、デジタルフォトフレームを挙げたが、その他、パーソナルコンピュータ等の表示制御を行う装置であれば適用できる。なお、光源制御装置1がパーソナルコンピュータである場合、光源制御装置1は、記憶部20、表示部30等を備えずに、適宜、外部の、記憶部20、表示部30等に接続される。
なお、前述実施形態の光源制御プログラム21aは、持ち運び可能な記録媒体等に記録されてもよい。持ち運び可能な記録媒体には、例えば、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)またはDVD−ROM(Digital Versatile Disk Read Only Memory)等がある。また、光源制御プログラム21aは、持ち運び可能な記録媒体から各種読取装置を介して光源制御装置1にインストールされてもよい。さらに、光源制御プログラム21aは、インターネット等のネットワークから図示しない通信部を介して光源制御装置1にダウンロードおよびインストールされてもよい。また、光源制御プログラム21aは、光源制御装置1と通信可能なサーバ等の記憶装置に格納されて、CPU等への指令を行ってもよい。さらに、光源制御プログラム21aを記憶した読み取り可能な記録媒体(例えば、RAM、ROM(Read Only Memory)、CD−R、DVD−R、ハードディスク、または、フラッシュメモリ)は、コンピュータが読み取り可能な、プログラムを記憶した記憶媒体となる。
その他、本発明は、前述実施形態の説明および図面によって限定されるものではなく、前記実施形態および図面に適宜変更等を加えることは可能である。