JP2012038841A - 光電変換素子および太陽電池 - Google Patents

光電変換素子および太陽電池 Download PDF

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Abstract

【課題】有機半導体および無機半導体を用いたpn積層構造を有し、光電変換効率が優れた光電変換素子を提供する。
【解決手段】有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、その有機半導体層に隣接し、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造を有する光電変換素子であって、該有機半導体(p型)はp型有機半導体分子が隣接するp型有機半導体分子どうしが配列した構造を有し、該p型有機半導体分子は有機半導体分子部位とそれに直接結合する結合部位とを有し、該pn積層構造中、pn接合部において、該有機半導体分子部位と該無機半導体(n型)とが、該結合部位を介して共有結合を形成していることを特徴とする光電変換素子。
【選択図】 図7

Description

本発明は光電変換素子および太陽電池に関する。より詳細には、p型有機半導体とn型無機半導体とのpn積層構造を有する光電変換素子および太陽電池に関する。
最近、有機半導体を用いた電子デバイスの開発が精力的に進められているが、その中でも、有機太陽電池、有機FET(電界効果トランジスタ)、有機LED(EL)に代表される有機発光素子といった有機電子デバイスが注目を浴びている。
これらの有機半導体を用いた電子デバイスは、柔軟性、印刷プロセスへの適応性、低温プロセスへの適応性といった種々の利点を有している。
しかしながら、すべて有機半導体を用いた電子デバイスは、無機半導体を用いた電子デバイスと比較して、応用範囲が限定される場合が数多くある。
有機半導体は、半導体としてp型、n型のいずれの型もとることができる。
ところが、半導体特性の観点からいえば、p型有機半導体は優れた特性を有するものが開発されているが、n型有機半導体は、特性、安定性(特に、熱的安定性)が、無機半導体と比較して優れたものが開発されていない。
そのため、すべて有機半導体を使用した場合に、半導体としての特性がアンバランスになってしまう。
例えば、p型およびn型の双方に有機半導体を用いた電子デバイスでは、n型半導体の特性がp型半導体の特性に比べて著しく劣るため、電子デバイスを構成した際に、正孔(ホール)よりも電子の移動度が大幅に遅くなり、結果としてデバイス特性の低下を招いてしまう。
この問題を解決するため、n型半導体として無機半導体を使用し、正孔と電子の移動度を整合させた有機/無機ハイブリッド材料が開発され、注目を集めている。
p型有機半導体とn型無機半導体のハイブリッド材料は、p型およびn型をともに有機半導体で構成した場合のアンバランスを是正することができるばかりでなく、無機半導体材料の優れた物性と安定性、有機半導体材料の設計の柔軟性や印刷プロセスの適応性、低温プロセスを活かすことも可能であるといった利点も有する。
このような有機/無機ハイブリッド材料としては、無機半導体粒子を有機半導体中に分散したもの、有機半導体粒子を無機半導体中に分散したもの、有機半導体と無機半導体とを積層したもの等が検討されている。
無機半導体粒子を有機半導体中に分散したものの例として、特許文献1には、「(A)第1電極及び第2電極、並びに、(B)第1電極と第2電極の間に設けられた能動層、を備えた2端子型の電子デバイスであって、能動層は、保護層で被覆された無機半導体微粒子から構成された複合材料の集合から成り、保護層は、無機半導体微粒子に結合した官能基を一端に有するアルキル鎖、及び、アルキル鎖の他端に結合した有機半導体分子から成り、無機半導体微粒子はn型導電性を有し、有機半導体分子はp型導電性を有し、能動層への光の照射によって電力が生成することを特徴とする電子デバイス。」が記載されている。
また、有機半導体粒子を無機半導体中に分散したものの例として、特許文献2には、「有機化合物が分散した無機化合物層を有する発光素子において、該無機化合物層が、炭素原子との共有結合を少なくとも一つ有する金属原子を含むことを特徴とする発光素子。」が記載されている。
また、有機半導体と無機半導体とを積層したものの例として、特許文献3には、「有機半導体材料を主材料として構成された有機半導体層と、少なくとも表面付近が無機酸化物(ただし、シリコン酸化物を除く)を主材料として構成された電極と、前記有機半導体層と前記電極との間に設けられ、キャリアを輸送する機能を有する有機物を主材料として構成される中間層とを有し、前記電極と前記中間層との界面付近において、前記無機酸化物と前記有機物とが化学結合しており、かつ、該化学結合は、実質的にシリコン原子を含まないことを特徴とする電子デバイス用基板。」が記載されている。
無機半導体粒子を有機半導体中に分散した構造を有する電子デバイスは各種報告されているが、有機半導体のみを使用した電子デバイスと比較すると高性能であるものの、無機半導体のみを使用した電子デバイスと比較すると、極めて低い光電変換効率にとどまっている。
特開2009−182333号公報 特開2008−130883号公報 特開2007−207961号公報
低い性能にとどまった原因は、無機半導体粒子を有機半導体中に分散した構造を有していることにあると考えられる。例えば、太陽電池に光を照射すると電荷が発生するが、発生した電荷は、有機無機半導体中の無機半導体粒子に蓄積されてしまう。しかし、無機半導体粒子は有機半導体中に分散しているだけであるため、集電体である電極まで電荷を移動させるための障壁が大きい。そのため、発生した電荷が電極まで効率よく集められず、結果として低い性能にとどまってしまうと考えられる。
そこで、本発明は、有機半導体および無機半導体を用いたpn積層構造を有し、光電変換効率が優れた光電変換素子を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、有機半導体−無機半導体間のエネルギーギャップを小さくすると、有機半導体および無機半導体を用いたpn積層構造を有し、光電変換効率が優れた光電変換素子を提供することができることを知得し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は以下に掲げる(1)〜(20)を提供する。
(1)有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、その有機半導体層に隣接し、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造を有する光電変換素子であって、
該p型有機半導体分子は有機半導体分子部位とそれに直接結合する結合部位とを有し、
該pn積層構造中、pn接合部において、該有機半導体分子部位と該無機半導体(n型)とが、該結合部位を介して共有結合を形成していることを特徴とする光電変換素子。
(2)上記p型有機半導体分子は、上記有機半導体分子部位1つに対して、上記結合部位が2つ以上直接結合する、上記(1)に記載の光電変換素子。
(3)上記共有結合が、イオウ、セレンおよびテルルからなる群から選択される少なくとも1種の原子を介する、上記(1)または(2)に記載の光電変換素子。
(4)上記結合部位が、下記式で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1種である、上記(3)に記載の光電変換素子。
−R−X− または −X−
ただし、式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeである。Rが存在するとき、Rは有機半導体分子部位に直接結合し、かつ、Xは無機半導体(n型)に直接結合する。Rが存在しないとき、Xは有機半導体分子部位に直接結合し、かつ、無機半導体(n型)に直接結合する。
(5)上記結合部位が、イオウ、セレンおよびテルルからなる群から選択される少なくとも1種の原子である、上記(1)または(2)に記載の光電変換素子。
(6)上記無機半導体(n型)が、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−VI族化合物半導体、IV族化合物半導体およびIV族半導体からなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(5)のいずれかに記載の光電変換素子。
(7)上記無機半導体(n型)が、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSbInNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSb、PbS、PbSe、PbTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeならびにSi、Ge、SiCおよびSiGeからなる群から選択される少なくとも1種である、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光電変換素子。
(8)上記無機半導体(n型)が、硫化カドミウム、セレン化カドミウムおよびテルル化カドミウムからなる群から選択される、上記(1)〜(6)のいずれかに記載の光電変換素子。
(9)上記p型有機半導体分子とそのp型有機半導体分子に隣接するp型有機半導体分子とが配列し、自己配列構造をとる、上記(1)〜(8)のいずれかに記載の光電変換素子。
(10)上記p型有機半導体分子の上記結合部位が下記式で表され、その式中R部分が該p型有機半導体分子に隣接するp型有機半導体分子と相互作用をして配列し、p型有機半導体分子どうしが自己配列する、上記(1)〜(9)のいずれかに記載の光電変換素子。
−R−X−
ただし、式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeであり、Rが有機半導体分子部位に直接結合し、かつ、Xが無機半導体(n型)に直接結合する。
(11)上記有機半導体分子部位が、その有機半導体分子部位に隣接する有機半導体分子部位と相互作用をし、スタッキング構造をとる、上記(1)〜(10)のいずれかに記載の光電変換素子。
(12)上記相互作用が、疎水性相互作用、静電的相互作用、配位結合、ファン・デル・ワールス力、水素結合、電荷移動相互作用、抗原−抗体反応および逐次化学反応による共有結合からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である、上記(10)または(11)に記載の光電変換素子。
(13)上記有機半導体分子部位が、繰返し単位数3〜12のオリゴチオフェンもしくはその誘導体、繰返し単位数3〜12のオリゴ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)もしくはその誘導体または繰返し単位数3〜7のアセンもしくはその誘導体である、上記(1)〜(12)のいずれかに記載の光電変換素子。
(14)上記有機半導体分子部位が、下記式(1)〜(5)のいずれかで表される有機半導体分子である、上記(1)〜(13)のいずれかに記載の光電変換素子。
ただし、上記式(1)および(2)において、nは0〜10の整数である。
(15)上記p型有機半導体分子が、下記式(6)〜(10)のいずれかで表される構造を有する、上記(1)〜(14)のいずれかに記載の光電変換素子。
ただし、式(6)〜(10)において、RおよびRは、それぞれ独立に、C〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeである。Xは上記無機半導体(n型)と共有結合を形成し得る。式(6)および(7)において、nは0〜10の整数である。
(16)下記式(11)〜(15)で表される少なくとも1種類の有機半導体分子が、有機半導体分子間の相互作用および有機半導体分子と無機半導体(n型)との間の共有結合形成によって自己配列し、上記有機半導体層が形成された、上記(1)〜(15)のいずれかに記載の光電変換素子。
ただし、上記式(11)〜(15)において、RおよびRは、それぞれ独立に、C〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeである。上記式(11)および(12)において、nは0〜10の整数である。
(17)上記有機半導体層が上記p型有機半導体分子の自己配列単分子膜である、上記(1)〜(16)のいずれかに記載の光電変換素子。
(18)太陽電池である、上記(1)〜(17)のいずれかに記載の光電変換素子。
(19)有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、その有機半導体層に隣接し、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造を有する光電変換素子の製造方法であって、電極基板または無機半導体層の上に、有機半導体分子部位と結合部位とからなる有機半導体分子を乗せ、該有機半導体分子を、該結合部位を介した該無機半導体(n型)との間の共有結合の形成および該有機半導体分子間の相互作用によって、自己配列させ、有機半導体層を形成させる工程を含む光電変換素子の製造方法。
(20)光電変換素子の製造方法であって、
表面に−XH基を有する電極基板または無機半導体層の上に、1分子中に2以上の−XH基を有するp型有機半導体分子を塗布し(ここで、XおよびXは、それぞれ独立に、S、SeまたはTeを表す。)、
上記p型有機半導体分子の間の相互作用および上記−XH基と上記−XH基との間の共有結合の形成により、p型有機半導体分子を自己配列させ、
上記電極基板または上記無機半導体層の上に有機半導体層を形成する、光電変換素子の製造方法。
本発明によれば、有機半導体および無機半導体を用いたpn積層構造を有し、光電変換効率が優れた光電変換素子を提供することができる。
本発明の光電変換素子を表す図である。 本発明の光電変換素子のpn積層構造を表す図である。 本発明のpn積層構造形成工程の概略を表す図である。 本発明のpn積層構造の作成方法の一例を説明する図である。 CdS層形成過程の概略を表す図である。 HS−3T−SH/CdSの積層数と膜厚との関係を表すグラフである(AFMに基づく)。 本発明の太陽電池を表す模式図である。
本発明は、有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、その有機半導体層に隣接し、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造を有する光電変換素子であって、上記有機半導体(p型)は有機半導体分子部位とその有機半導体分子部位と直接結合する結合部位とを有し、上記pn積層構造中、pn接合部において、上記有機半導体分子部位と上記無機半導体(n型)とが、上記結合部位を介して共有結合を形成していることを特徴とする光電変換素子およびその製造方法である。
以下、本発明について詳細に説明する。
[光電変換素子]
本発明の光電変換素子は、有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、その有機半導体層に隣接し、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造を有する(図1)。
本発明においては、積層数とは、1の有機半導体層と1の無機半導体層とからなる1組のpn積層構造の数をいう。
また、積層数が1または2以上のpn積層構造を有するものについて、その物を示す場合に、pn積層構造体またはpn積層体ということがある。
〈pn積層構造〉
本発明では、従来技術のように有機半導体を含有する層の中に無機半導体の粒子を分散したり、無機半導体中に有機半導体分子を分散したりするのではなく、有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造をとり、無機半導体(n型)に蓄積した電荷を効率よく取り出せるように、構造の面での最適化を図った。
すなわち、本発明の光電変換素子が有するpn積層構造をより詳細にみれば、有機半導体(p型)は、無機半導体(n型)と、結合部位(詳細は後述する。)を介して共有結合を形成し、かつ、有機半導体分子部位(詳細は後述する。)は、有機半導体分子部位間の相互作用によって規則的な配列を形成している(図2参照)。これによって、有機半導体(p型)と無機半導体(n型)との間のエネルギーギャップを小さくすることができ、pn接合間での電荷移動の効率化を図り、もって、光電変換素子の光電変換効率の向上を図った。
本発明においては、積層数は1以上であれば特に限定されないが、太陽電池の応用では、変換効率は光の吸収量に依存するため、総厚みを全体として厚くして、吸光量を大きくすることが好ましい。
有機半導体層および/または無機半導体層のそれぞれの層厚を増す方法も考えられる。しかし、p型有機半導体分子の自己配列のしやすさを考慮すると、光吸収に十分な厚さを1層で持たせることは難しい。そのため、積層構造をとる方が有利である。
〈有機半導体層〉
有機半導体層は有機半導体(p型)を含有する。
有機半導体は、半導体特性の観点から、p型有機半導体では、特性、安定性が優れたものが開発されているのに対して、n型有機半導体では、未だ開発されていない。そのため、本発明では、有機半導体としては、p型有機半導体を用いる。
有機半導体(p型)以外には、本発明の目的を損なわず、本発明の作用効果を妨げない範囲内で、有機半導体層に含有することができる従来公知の成分をさらに含有してもよい。
本発明において、有機半導体(p型)は、p型有機半導体分子が自発的に集合し、規則的な配列を形作ることによって構成されるものである。
すなわち、有機半導体層は、p型有機半導体分子の自己配列(分子が自発的に集合し、規則的な配列を形作ることをいう。以下同じ。)による単分子層または数層程度の分子層からなる膜である。
本発明では、このような自己配列分子膜を、1)p型有機半導体分子(前駆体分子)が固体表面の基と共有結合を形成する際に形成される分子会合体であり、2)前駆体分子が液相または気相中にあるときの分子配列状態と比較すると、会合体となり薄膜を形成したときに分子配向性や配列規則性が著しく向上している分子膜と定義する。
《有機半導体(p型)》
本発明において、有機半導体(p型)は、有機半導体層中のp型半導体を構成する部分である。
有機半導体(p型)は、実質的に、p型有機半導体分子の自己配列膜である。
《p型有機半導体分子》
本発明において、p型有機半導体分子は、有機半導体化合物(母化合物)の2個以上の水素基を、当該母化合物と無機半導体(n型)とを共有結合により連結する連結基で置換した構造を有する(図2参照)。なお、本発明において、上記p型有機半導体分子から上記2個以上の連結基のすべてを除去した部分を「有機半導体分子部位」といい、上記連結基の部分を「結合部位」という。
すなわち、本発明において、p型有機半導体分子は、1個の有機半導体分子部位と、それに直接結合する2個以上の結合部位とから構成される。
また、本明細書においては、「p型有機半導体分子(前駆体分子)」の用語は無機半導体(n型)と結合していない(結合する前および結合しようとしている時を含む。)p型有機半導体分子を限定的に意味し、「p型有機半導体分子」の用語は無機半導体(n型)と結合している状態および/または結合していない状態のp型有機半導体分子を意味するものとする。
(有機半導体分子部位)
上記有機半導体化合物(母化合物)としては、例えば、チオフェン、フェニルビニリデンまたはこれらの誘導体の単体や数量体〜オリゴマーなどの共役系有機半導体化合物、アントラセン、テトラセン、ペンタセンなどのアセン系有機半導体化合物等を挙げることができる。
すなわち、上記有機半導体分子部位としては、例えば、上記母化合物から2個以上の水素基を除去したもの等を挙げることができる。
これらのうちでも、有機半導体分子部位は、有機半導体分子部位どうしでスタッキング構造をとることが特性向上の観点から望ましい。そのため、母化合物としては、チオフェン系有機半導体化合物またはアセン系有機半導体化合物が好ましく、チオフェン系有機半導体化合物がより好ましい。
ここで、スタッキング構造とは、容易に分子どうしが重なりあい結晶化しやすい平面性の高い有機半導体分子またはそれに直鎖アルキル基を結合させた分子が、分子どうし重なりあい、結晶化した構造またはこれと実質上同一の機構によって形成される構造のことをいう。
なお、有機半導体分子部位がスタッキング構造をとれない場合、結合部位で配列をさせてもよい。このような結合部位としては、例えば、下記式で表される構造を有するものが挙げられる。
−R−X−
[式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeである。Rは有機半導体分子部位に結合し、かつ、Xは無機半導体(n型)に結合する。]
上記R部分に隣接するp型有機半導体分子と相互作用を持たせることにより、p型有機半導体分子どうしを自己配列させることができる。相互作用としては、疎水性相互作用、静電的相互作用、配位結合、ファン・デル・ワールス力、水素結合、電荷移動相互作用、抗原−抗体反応などの特異的相互作用、逐次化学反応による共有結合等を挙げることができる。例えば、カルボニル基等、水素結合を形成することが可能な置換基等を用いることができる。
チオフェン系有機半導体化合物としては、従来公知のものを用いることができる。
チオフェン系有機半導体化合物の分子構造としては、下記式(i)で表される構造を繰返し単位として含むものが好ましい。すなわち、チオフェン系有機半導体分子としては、下記式(i)で表される構造を繰返し単位として含むものが好ましい。
上記式(i)において、RおよびRは、それぞれ独立に、水素、C〜C20アルキル基またはC〜C20アルコキシ基を表す。
上記アルキル基および上記アルコキシ基は1〜8個の酸素原子および/またはイオウ原子が挿入されてもよい。
あるいは、RおよびRは、同時に、置換されていてよいC〜C20ジオキシアルキレン基またはC〜C20ジオキシアリーレン基であってもよい。
また、チオフェン系有機半導体化合物の分子構造としては、下記式(ii)で表される構造を繰返し単位として含むものがより好ましい。すなわち、チオフェン系有機半導体分子としては、下記式(ii)で表される構造を繰返し単位として含むものがより好ましい。
上記式(ii)において、Aは、置換されていてよいC〜Cアルキレン基またはC〜C12アリーレン基、好ましくは、置換されていてよいC〜Cアルキレン基である。
Rは、直鎖状または分岐鎖状の、置換されていてよいC〜C18アルキル基、好ましくは、直鎖状または分岐鎖状の、置換されていてよいC〜C14アルキル基;置換されていてよいC〜C12シクロアルキル基;置換されていてよいC〜C14アリール基;置換されていてよいC〜C18アラルキル基;または、置換されていてよいC〜Cヒドロキシアルキル基、好ましくは置換されていてよいC〜C20オキシアルキル基を表す。
xは、0〜8の整数、好ましくは0〜6の整数、より好ましくは0または1を表し、かつ、いくつかの基RがAに直接結合する場合に、これらは同一または異なっていてよい。
上記C〜Cアルキレン基Aとしては、例えば、メチレン基、エチレン基、n−プロピレン基、n−ブチレン基、n−ペンチレン基等が挙げられる。
上記C〜C12アリーレン基Aとしては、例えば、フェニレン基、ナフチレン基、ペンジリデン基、アントラセニリデン基等が挙げられる。
上記C〜C18アルキル基は、直鎖状であっても分岐鎖状であってもよい。
上記C〜C18アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1−エチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−トリデシル基、n−テトラデシル基、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル等が挙げられる。
〜C12シクロアルキル基としては、例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基等が挙げられる。
〜C14アリール基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基等が挙げれる。
〜C18アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,4−キシリル基、2,5−キシリル基、2,6−キシリル基、3,4−キシリル基、3,5−キシリル基、メシチル基等が挙げられる。
〜C20オキシアルキル基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペンチルオキシ基、1−メチルブチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、3−メチルブチルオキシ基、1−エチルプロピルオキシ基、1,1−ジメチルプロピルオキシ基、1,2−ジメチルプロピルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルオキシ基、n−ヘキシルオキシ基、n−ヘプチルオキシ基、n−オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、n−ノニルオキシ基、n−デシルオキシ基、n−ウンデシルオキシ基、n−ドデシルオキシ基、n−トリデシルオキシ基、n−テトラデシルオキシ基、n−ヘキサデシルオキシ基、n−ノナデシルオキシ基、n−エイコシルオキシ基等が挙げられる。
上記アルキレン基またはアリーレン基Aとしては、例えば、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、ハロゲン基、エーテル基、チオエーテル基、ジスルフィド基、スルホキシド基、スルホン基、スルホネート基、アミノ基、アルデヒド基、ケト基、カルボン酸エステル基、カルボン酸基、カーボネート基、カルボキシレート基、シアノ基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基、カルボキシルアミド基等が挙げられる。
また、チオフェン系有機半導体化合物の分子構造としては、下記式(iii)で表される構造を繰返し単位として含むものがさらに好ましい。すなわち、チオフェン系有機半導体分子としては、下記式(iii)で表される構造を繰返し単位として含むものがさらに好ましい。
式(iii)において、Rおよびxは、式(ii)におけるものと同じ意味である。
チオフェン系有機半導体分子は、上記の繰返し単位を一つ以上含んでいれば良く、共重合体であっても構わない。
チオフェン系有機半導体分子は1または2以上の光学異性体を有してもよい。
チオフェン系有機半導体分子は、ラセミ体、エナンチオマー的に純粋な、もしくはジアステレオマーとして純粋な化合物、または任意の割合で光学異性体比を調整してもよい。また、これらの混合物であってもよい。
特に好ましいチオフェン系半導体化合物は、繰返し単位数が12以下の、オリゴチオフェンまたはオリゴ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)である。
チオフェン系有機半導体化合物またはアセン系有機半導体化合物の分子構造としては、下記式(1)〜(5)のいずれかで表されるものが好ましく、下記式(1)または(2)で表されるものがより好ましい。すなわち、チオフェン系有機半導体分子またはアセン系有機半導体分子としては、下記式(1)〜(5)のいずれかで表されるものが好ましく、下記式(1)または(2)で表されるものがより好ましい。
上記式(1)〜(5)において、nは0〜10の整数である。
本発明において、有機半導体分子部位は、上記式(1)〜(5)のいずれかで表される有機半導体分子であることが好ましい。
したがって、本発明において、p型有機半導体分子としては、上記式(1)〜(5)のいずれかで表される有機半導体分子の2個以上の水素基を下記式で表される結合部位で置換した構造を有するものが好ましい。
−R−X− または −X−
ただし、式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS,SeまたはTeである。Rが存在するとき、Rは上記式(1)〜(5)のいずれかで表される有機半導体分子の水素基を除去した箇所に結合する。Rが存在しないとき、Xは上記式(1)〜(5)のいずれかで表される有機半導体分子の水素基を除去した箇所に結合する。また、Xは無機半導体(n型)と共有結合を形成し得る。
上記共有結合は、Rが存在するときであっても、Rが存在しないときであっても、Xを介して形成される。換言すれば、Xが有機半導体分子部位と無機半導体(n型)とを連結する分子鎖中に存在する。
本発明において、p型有機半導体分子としては、下記式(6)〜(10)で表される構造を有するものが好ましく、下記式(6)または(7)で表される構造を有するものがより好ましい。
上記式(6)〜(10)において、RおよびRは、それぞれ独立に、C〜C20アルキレン基または隣接する有機半導体と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeであり、nは0〜10の整数である。Xは無機半導体(n型)と共有結合を形成し得る。
本発明において、p型有機半導体分子としては、また、下記式(6´)〜(10´)で表される構造を有するものも好ましく、下記式(6´)または(7´)で表される構造を有するものもより好ましい。
上記式(6´)〜(10´)において、XはS、SeまたはTeであり、nは0〜10の整数である。Xは無機半導体(n型)と共有結合を形成し得る。
(結合部位)
結合部位について詳細に説明する。
結合部位は、適切なアルキレン基、エステル結合、エーテル結合等を含んでもよく、有機半導体分子のスタッキング性が低い場合またはそれがない場合には、隣接する有機半導体と相互作用をすることが可能な置換基であることが好ましい。また、エネルギーギャップをより小さいものとする観点からは、その長さは、短い方が好ましく、C以下であることがより好ましい。また、膜の平滑性を高めるためには、分子鎖はある程度長い方が好ましく、C以上であることがより好ましい。
p型有機半導体分子の結合部位は、−SH、−SeHおよび−TeHからなる群から選ばれる1つ以上の置換基を有することが好ましい。
これらの置換基は、無機半導体(n型)を構成可能な、Cd、Zn、Ga、Pb等の金属と直接反応をすることができ、無機半導体(n型)の中心に近い位置に有機半導体(p型)を結合させることができる。この結果、有機半導体(p型)と無機半導体(n型)との距離が近くなり、結果としてエネルギーギャップを小さくすることができるからである。
すなわち、pn積層体において、p型有機半導体分子の結合部位は、末端部に無機半導体(n型)と直接結合する原子が、イオウ(S)、セレン(Se)およびテルル(Te)からなる群から選ばれる1つ以上であることが好ましい。
無機半導体(n型)であるCdS、CdSeもしくはCdTeを直接接触させることにより、有機半導体(p型)−無機半導体(n型)間のエネルギー注入効率を上げることができるからである。
p型有機半導体分子(前駆体分子)が有する結合部位は、下記式で表されるものであることが好ましい。
−R−XH または −XH
ただし、式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS,SeまたはTeである。Xは無機半導体(n型)と共有結合を形成し得る。
上記共有結合は、Rが存在するときであってもRが存在しないときであっても、Xを介して形成される。換言すれば、Xが有機半導体分子部位と無機半導体(n型)とを連結する分子鎖中に存在する。
p型有機半導体分子(前駆体分子)としては、下記式(11)〜(15)で表されるものが好ましく、下記式(11)または(12)で表されるものがより好ましい。
上記式(11)〜(15)において、RおよびRは、それぞれ独立に、C〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeであり、nは0〜10の整数である。
p型有機半導体分子(前駆体分子)としては、また、下記式(11´)〜(15´)で表されるものが好ましく、下記式(11´)または(12´)で表されるものがより好ましい。
上記式(11´)〜(15´)において、XはS、SeまたはTeであり、nは0〜10の整数である。
上記式(11)〜(15)、(11´)〜(15´)で表される少なくとも1種類のp型有機半導体分子が、p型有機半導体分子どうしの相互作用および有機半導体分子と無機半導体(n型)との間の共有結合の形成によって自己配列し、有機半導体層を形成することができる。
《有機半導体(p型)以外の成分》
また、有機半導体層には、公知の添加物、すなわち、ドーパント、触媒、高分子電解質、イオン交換樹脂、水、アルコール、グリコール類、アミン系溶剤等溶剤、塩、界面活性剤、ワックス等が含有されてもよい。また、硬化剤、耐摩耗剤、バインダー等が含まれていてもよい。また、作成法も公知の方法を用いることができ、限定されない。
〈無機半導体層〉
無機半導体層は無機半導体(n型)を含有する。
《無機半導体(n型)》
上記無機半導体(n型)としては、例えば、CdS,CdSe,CdTe,ZnS,ZnSe,ZnTe,CdSeS,CdSeTe,CdSTe,ZnSeS,ZnSeTe,ZnSTe,CdZnS,CdZnSe,CdZnTe,CdZnSeS,CdZnSeTe,CdZnSTe,CdHgSeS,CdHgSeTe,CdHgSTe,HgZnSeS,HgZnSeTe,HgZnSTeなどの1種のII−VI族化合物半導体;GaN,GaP,GaAs,GaSb,InP,InAs,InSb,GaNP,GaNAs,GaNSb,GaPAs,GaPSbInNP,InNAs,InNSb,InPAs,InPSb,GaAlNP,GaAlNAs,GaAlNSb,GaAlPAs,GaAlPSb,GaInNP,GaInNAs,GaInNSb,GaInPAs,GaInPSb,InAlNP,InAlNAs,InAlNSb,InAlPAs,InAlPSbなどのIII−V族化合物半導体;PbS,PbSe,PbTe,PbSeS,PbSeTe,PbSTe,SnPbS,SnPbSe,SnPbTe,SnPbSSe,SnPbSeTe,SnPbSTeなどのIV−VI族化合物半導体;SiC,SiGeなどのIV族化合物半導体;SiまたはGe;等を挙げることができる。
これらの半導体は、1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
無機半導体(n型)としては、有機半導体(p型)の結合部位選択の観点から、S、SeまたはTeを含む化合物であることが好ましく、CdS、CdSeおよびCdTeからなる群から選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
《無機半導体(n型)以外の成分》
また、無機半導体層には、公知の添加物、すなわち、ドーパント、触媒、高分子電解質、イオン交換樹脂、水、アルコール、グリコール類、アミン系溶剤等溶剤、塩、界面活性剤、ワックス等が含有されてもよい。また、硬化剤、耐摩耗剤、バインダー等が含まれていてもよい。また、作成法も公知の方法を用いることができ、限定されない。
〈基板・電極〉
本発明の光電変換素子は、上記pn積層構造体を電極または電極つき基板で挟んだ構造とすることが好ましい。
電極としては、例えば、金、銀、白金等の金属非透光性電極、ITO、金属メッシュ、金属薄膜、導電性高分子等の透光性電極を挙げることができる。
電極は有機半導体層または無機半導体層と直接的または間接的に電気的接触をする。
基板としては、例えば、ガラス・シリコン等半導体絶縁基板、絶縁性樹脂フィルム等を挙げることができる。
基板、電極ともに、従来公知の技術を用いることができる。
[光電変換素子の製造方法]
〈pn積層構造〉
本発明の光学変換素子が有するpn積層構造を形成する方法としては、例えば、蒸着、スパッタ、CVD(化学的気相成長法)などのドライプロセス、LB法、交互吸着、キャスト、印刷、ディップコートなどのウェットプロセスが挙げられるが、有機材料の低温プロセスの利点を生かすことを考えあわせると、ウェットプロセスが好ましい。
前述のとおり、本発明では、無機半導体に有機半導体を直接結合させることによってエネルギーギャップの影響を最小限にした。
層の厚さ方向に有機半導体分子を配列させ、さらに結晶化させると、特性の均質化効果、欠陥の低減効果、有機半導体の密度向上効果によって、結果として特性向上効果が得られる。
そして、層の厚さ方向に有機半導体分子を配列させることは、有機半導体の厚さのばらつきを減らすことにつながる。
有機半導体層の厚さのばらつきにより、電子デバイスとして動作しなかったり、特性を大幅に悪化させてしまったりすることはよく知られている。このため、有機半導体層の厚さを均一にすることが望ましい。
以上の課題を鑑み、有機半導体を配列させる構造を簡便に形成可能な手法に想到した。有機半導体自体が自ら配列する自己配列により、有機半導体を配列させた。
平面性の高い有機半導体分子または平面性の高い有機半導体分子に直接アルキルを結合させた分子は、容易に分子どうしが重なりあい、結晶化する(スタッキング構造)。この構造を用いて有機半導体を自己配列させる。
平面性の高い有機半導体分子として、繰返し単位数3〜12のオリゴチオフェンもしくはその誘導体、繰返し単位数3〜12のオリゴ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)もしくはその誘導体または繰返し単位数3〜7のアセンもしくはその誘導体を挙げることができる。
有機半導体分子部位どうしではスタッキング構造をとれない場合、下記式で表される結合部位で配列をさせてもよい。
−R−X−
[式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeであり、Rが有機半導体分子部位に結合し、かつ、Xが無機半導体(n型)に結合する。]
上記式中のR部位に隣接する有機半導体分子と相互作用を持たせることにより、自己配列をさせることができる。上記相互作用としては、水素結合、共有結合、静電作用等を挙げることができる。例えば、カルボニル基等、水素結合可能な置換基等を用いることができる。
さらに、有機半導体分子どうしが重なりあうため、配列方向も揃えることができる。また、配列方向が揃っているため、有機半導体層の厚さのばらつきも小さくなる。このため、特性の均質化効果、欠陥の低減効果、有機半導体の密度向上効果により、特性向上効果が得られる。
p型有機半導体分子の結合部位にはS、SeまたはTeを使用することが好ましい。Cdとの接触により優れたn型無機半導体であるCdS、CdSeまたはCdTeを直接形成することができるからである。これにより、有機半導体・無機半導体間のエネルギー注入効率を上げることができる。
無機半導体(n型)と共有結合を形成することができる結合部位(置換基)は種々知られているが、結合部位にS、SeまたはTeを使用すると、結合部位を直接無機半導体(n型)にすることができる利点があり、好ましい。
直接形成できることにより、有機半導体(p型)と無機半導体(n型)との距離を縮めることが可能である。無機半導体(n型)の形成後、−SH基等により無機半導体(n型)と結合させる場合は、無機半導体(n型)の表層に−SH基が結合する確率が高いと考えられる。
一方、本発明の、−SHで無機半導体(n型)を形成させる方法では、無機半導体(n型)の中心により近い位置に有機半導体(p型)を結合させることができる。この結果、有機半導体と無機半導体の距離が近くなり、結果として、エネルギーギャップを小さくすることができる。
これを、従来の方法である、有機半導体の設計変更だけで成し遂げようとすると、アルキル鎖のような自由鎖を短くせざるを得ない。しかしながら、アルキル鎖を短くすることにより、良好な成膜性を得られない場合が多い。
《作成方法》
本発明の積層構造形成の手段として、蒸着、スパッタ、CVD(化学的気相成長法)などのドライプロセス、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、リップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法、LB法、交互吸着膜法などのウェットプロセスを例示することができる。これらの方法は1種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて使用することができる。
有機材料の低温プロセスの利点を生かすことを考えると、ウェットプロセスが好ましい。この場合、プロセスの容易さと工業化の観点から、交互吸着膜法が有利であると考えられる。
交互吸着(Layer−by−Layer)を利用した有機薄膜の作成方法は、1992年にG.デッカーらによって発表された(Decher, G., Hong, J. D. and Schmidt, J. (1992) Thin Solid Films, 210/211:831)。
カチオン性(+)高分子電解質溶液と、アニオン性(−)高分子電解質溶液を作成し、表面電荷を与えた基板材料を交互に浸すことにより、多層構造を有する交互吸着膜が得られる。例えば、ガラス基板を用いた場合、このガラス基板の表面を親水処理して表面にOH基を導入して、表面電荷として負の電荷を与える。
そして、この表面が負に帯電した基板を、カチオン性高分子電解質溶液に浸せば、クーロン力により、表面電荷が中和されるまでカチオン性高分子電解質が表面に吸着し、1層の薄膜が形成される。
こうして形成された薄膜の表面部分は正に帯電している。
基板を洗浄乾燥後、今度はこの基板をアニオン性高分子電解質溶液に浸せば、クーロン力によりアニオン性高分子電解質が吸着し、1層の薄膜が形成される。
このようにして、基板を2つの高分子電解質溶液に交互に浸すことにより、カチオン性高分子電解質からなる薄膜層とアニオン性高分子電解質からなる薄膜層とを交互に成膜することができ、多層構造を有する薄膜を作成することができる。
交互吸着法は、1層あたり1nm程度の厚さの膜を形成することができる技術として知られている。
厚さは、高分子電解質の種類、分子量、水溶液濃度、pH、粘度、温度等で自由にコントロールすることができる。
また、簡単なプロセスかつ強力な基板との密着性を有している。
交互吸着法における物理的・化学的相互作用とは、疎水性相互作用、静電的相互作用、配位結合、ファン・デル・ワールス力、水素結合、電荷移動相互作用、抗原−抗体反応のような特異的相互作用および逐次化学反応による共有結合等が挙げられ、相互作用の強さや、材料の選択幅の広さ等の観点で静電的相互作用を用いることが一般的である。
静電相互作用を用いた交互吸着膜では、強い静電相互作用を有する極性分子を用いることにより層を形成し、無機半導体層を形成するためには、当該金属イオンを吸着させ、必要に応じ還元するか、別途無機半導体粒子を形成した上で、無機半導体粒子表面に強い静電相互作用を有する極性分子を修飾し使用している。
このため、有機半導体/無機半導体の層構成は、有機半導体分子−アルキル鎖−極性分子−無機半導体粒子−極性分子−アルキル鎖になる。
そうすると、有機半導体から無機半導体へ至るまでにエネルギーギャップが生じ、デバイスとしての効率を著しく低下させてしまう。
そこで、本発明では、無機半導体に直接有機半導体を結合させることにより、極性分子によって生じたエネルギーギャップを低下させた。
《層構造作成手順》
基板の洗浄・乾燥等前処理は、既存の技術を使用してもよい。基板は応用により変化するが、平滑な基板であることが好ましい。一層目は有機半導体、無機半導体でのいずれでも用いることができるが、以下の基本ステップを含むことが好ましい。
(1)有機半導体層形成
有機半導体を含む溶液を基板に塗布する方法としては、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、リップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法等が挙げられるが、これらに限定されない。
これらの方法は、1種類を単独で、または、2種類以上を組み合わせて用いることができる。
塗布により、基板上に有機半導体層が形成され、基板表面に−SH、−SeHまたは−TeH形成の反応性置換基層が形成される。この際に有機半導体分子部位または接続部分で自己配列する。有機半導体分子部位が自己配列しない場合は、結合部位または層形成後、自己配列させてもよい。
所望により、乾燥、洗浄工程をいれてもよい。
所望により、S化剤、Se化剤、Te化剤の投入工程を入れてもよい。
所望により、金属イオンの還元工程をいれてもよい。
(2)無機半導体層形成
無機半導体金属含有溶液を塗布することが好ましいが、安定性の観点から溶液中での還元が難しい場合もあるため、予め、n型無機半導体またはその前駆体を用いてもかまわない。
塗布方法としては、例えば、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、リップダイレクト法、コンマコーター法、スリットリバース法、ダイコーター法、グラビアロールコーター法、ブレードコーター法、スプレーコーター法、エアーナイフコート法、ディップコート法、バーコーター法等が挙げられる。
これらの方法は、一種類を単独で、または2種類以上を組み合わせて用いることができる。
金属イオン(Cd、Zn、Ga、Pbイオン)等を含む溶液を塗布する。Cdイオンであれば、基板上の−SH、−SeHまたは−TeHと反応し、−CdS、−CdSまたは−CdTe層を形成する。洗浄工程を行い、余剰のカドミウムを除去することが好ましい。S化剤、Se化剤、Te化剤等の投入工程を入れてもよいが、次に有機半導体層を入れる場合、−SH、SeHまたは−TeHとの反応性を高めるため、有機半導体層を形成後に入れてもよい。
所望により、金属イオンの還元工程を入れてもよい。予め形成した無機半導体粒子、結晶を塗布してもよい。
以上の操作を繰り返すことにより、連続した有機半導体層/無機半導体層からなるpn積層構造を作成することができる。有機半導体(p型)または無機半導体(n型)の種類を途中で変えてタンデム構造にしてもよいし、他の方法で形成した有機半導体層または無機半導体層を入れてもかまわない。また、集電効率を上げるため、層間に導電体を入れてもかまわない。
p型有機半導体とn型無機半導体の積層数は、アプリケーション・製造コストに依存するが、例えば、太陽電池に応用する場合、吸光量が多い方が良好な発電量が得られるため、数十〜数百層程度とすることが好ましい。
本発明の無機半導体および有機半導体は、従来公知の方法でドーピングしてもよい。
本発明の基本構造を有する半導体構成は、無機半導体粒子と有機半導体との組合せを用いた半導体のpnの基本構造である。もちろん、pn接合はダイオード等整流素子としてそのまま応用可能であるが、光電効果を利用すれば太陽電池であり、電荷を外部から注入すれば発光素子になる。また、pnp、npn等の構成をとれば、トランジスタとして応用可能である。
以下に、実施例によって本発明をより具体的に説明する。ただし、本発明の技術的範囲は本実施例に限定して解釈されるものではない。
[有機半導体の作成方法]
(ターチオフェンのジチオール化)
ターチオフェン(以下「3T」という。)のジチオール化は、Huらのジチオール化方法(Hu,J.Fox,M.A.,J.Org.Chem.1999,64,4959)を用いて、2,5−ジ(6−ブロモヘキシル)−2,2-’:5,2”−ターチオフェン(以下「3TBr」という。)から、2,5−ジ(6−メルカプトヘキシル)−2,2’:5,2”−ターチオフェン(以下、「HS−3T−SH」という。)を合成することによって行った。
(セキシチオフェンのジチオール化)
セキシチオフェン(以下「6T」という。)のジチオール化は、上記Huらのジチオール化方法を用いて、2,5−ジ(6−ブロモヘキシル)−2,2’:5,2”−セキシチオフェン(以下「6TBr」という。)から、2,5−ジ(6−メルカプトヘキシル)−2,2’−:5,2”−セキシチオフェン(以下「HS−6T−SH」という。)を合成することによって行った。
[有機半導体/無機半導体の積層体の作成方法]
概略を図3〜5に示した。
(ITO基板の修飾)
ITO基板を洗浄し、真空乾燥をした(図3(a))。
その後、0.5%(v/v) 3−メルカプトプロピルトリエトキシシランのトルエン溶液に2時間浸漬し、表面をチオールで修飾した(図3(b))。
(CdS積層基板の作成)
表面をチオール修飾したITO基板を用意した。
その基板を1mM CdCl溶液に15分浸漬し、カドミウムイオンを吸着させた(図4の工程1、図3(c)、(e))。
その後、その基板をCdCl溶液から引き上げ、純水で3回洗浄した(図4の工程2)。
0.5%(v/v) HS−3T−SH(実施例1)またはHS−6T−SH(実施例2)のTHF溶液に15分間浸漬し、カドミウムと反応させた(図4の工程3、図3(d))。カドミウムを還元する前にチオールと反応させるのは、チオールとの反応性を高め、より無機半導体と有機半導体との間のエネルギーギャップを小さくするためである。
過剰のHS−3T−SHまたはHS−6T−SHを、THFを用いて3回洗浄し、除去した(図4の工程4)。
0.1%(v/v)NaS溶液で15分間浸漬し、膜中の未反応のカドミウムをCdSにした(図4の工程5)。
過剰のNaSを、純水を用いて3回洗浄し、除去した(図4の工程6)。
以上の操作(図4の工程1〜6)を繰り返し、有機半導体/無機半導体の積層体(CdS積層基板)を作成した。
40〜60層(有機半導体/無機半導体の組合せを一層とする。)程度まで積層した。膜厚は40層で200nm程度であった。
(CdSe積層基板の作成)
ITO基板を準備した
そのITO基板の表面をチオール修飾した。
その基板を、1mM CdCl溶液に15分間浸漬し、表面にカドミウムイオンを吸着させた。
その後、その基板をCdCl溶液から引き上げ、純水で3回洗浄し、乾燥した。
0.5%(v/v) HS−3T−SH(実施例3)のTHF溶液にて15分間浸漬し、カドミウムと反応させた。カドミウムを還元する前にチオールと反応させるのは、チオールとの反応性を高め、より無機半導体と有機半導体とのエネルギーギャップを小さくするためである。
過剰のHS−3T−SHは、THFを用いて3回洗浄し、除去した。
0.05mol% NaSeO溶液で15分間浸漬することにより、膜中の未反応のカドミウムをCdSeにした。
基板を引き上げ、3回純水にて洗浄することにより余剰のNaSを除去した。
以上の操作(工程1〜6)を繰り返し、有機半導体/無機半導体の積層構造(CdSe積層基板)を作成した。
40〜60層(有機半導体/無機半導体の組合せを1層とする)程度積層した。膜厚は40層で50nm程度であった(図7を参照)。
積層膜の成長過程は、紫外可視分光計で確認し、いずれのサンプルでも積層回数が増加するに従い吸光度が大きくなることが確認でき、層形成を確認することができた。
[デバイス作成と評価]
作成した有機半導体/無機半導体の積層体上に、真空蒸着法により、アルミニウムを約200nmの厚さで蒸着してアルミ電極を形成し、太陽電池を作成した(図7)。
こうして作成した太陽電池に、白色光を光量30μW/mで照射し、電流/電圧曲線を作成した。電流/電圧曲線の作成には、アドバンテスト社製R6142プログラマブル電源とアドバンテスト社製R8240デジタルエレクトロメーターを使用した。
また、積層膜の厚さ(膜厚)は、紫外可視分光硬度計を用いた吸光度変化および原子間力顕微鏡(AFM)を用い測定した。
実施例1〜3について、有機半導体および無機半導体の種類、開放電圧(VOC)、変換効率(%)、積層数を第1表に記載した。
実施例3では12.8%もの変換効率を得ることができ、従来の有機無機ハイブリッド膜と比較して大きな変換効率を得ることができた。
また、比較例1および2として、無機半導体(CdSまたはCdSe)微粒子を有機半導体中に分散させた能動層をITO電極とアルミニウム電極で挟んだ構造を有する太陽電池を作成し、評価を行った。無機半導体の1次粒子径はCdS、CdSeともに4〜8nm程度であった。
評価条件は実施例3と同一とした。
有機半導体および無機半導体の種類、開放電圧(VOC)、変換効率(%)、能動層の数を第1表に記載した。
比較例1および2では、太陽電池として、ほとんど出力が出なかった。
10 光電変換素子
11 電極
12 無機半導体層
13 有機半導体層
20 pn積層構造
21 有機半導体部位
22 結合部位
23 有機半導体層
24 無機半導体層
31 基板
32 ITO電極
33 CdS
34 有機半導体層
70 太陽電池
71 電極(ITO/ガラス)
72 有機/無機半導体層
73 電極(Al)

Claims (20)

  1. 有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、その有機半導体層に隣接し、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造を有する光電変換素子であって、
    該p型有機半導体分子は有機半導体分子部位とそれに直接結合する結合部位とを有し、
    該pn積層構造中、pn接合部において、該有機半導体分子部位と該無機半導体(n型)とが、該結合部位を介して共有結合を形成していることを特徴とする光電変換素子。
  2. 前記p型有機半導体分子は、前記有機半導体分子部位1つに対して、前記結合部位が2つ以上直接結合する、請求項1に記載の光電変換素子。
  3. 前記共有結合が、イオウ、セレンおよびテルルからなる群から選択される少なくとも1種の原子を介する、請求項1または2に記載の光電変換素子。
  4. 前記結合部位が、下記式で表される基からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3に記載の光電変換素子。
    −R−X− または −X−
    [式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeである。Rが存在するとき、Rは有機半導体分子部位に直接結合し、かつ、Xは無機半導体(n型)に直接結合する。Rが存在しないとき、Xは有機半導体分子部位に直接結合し、かつ、無機半導体(n型)に直接結合する。]
  5. 前記結合部位が、イオウ、セレンおよびテルルからなる群から選択される少なくとも1種の原子である、請求項1または2に記載の光電変換素子。
  6. 前記無機半導体(n型)が、II−VI族化合物半導体、III−V族化合物半導体、IV−VI族化合物半導体、IV族化合物半導体およびIV族半導体からなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜5のいずれかに記載の光電変換素子。
  7. 前記無機半導体(n型)が、CdS、CdSe、CdTe、ZnS、ZnSe、ZnTe、CdSeS、CdSeTe、CdSTe、ZnSeS、ZnSeTe、ZnSTe、CdZnS、CdZnSe、CdZnTe、CdZnSeS、CdZnSeTe、CdZnSTe、CdHgSeS、CdHgSeTe、CdHgSTe、HgZnSeS、HgZnSeTeおよびHgZnSTe、GaN、GaP、GaAs、GaSb、InP、InAs、InSb、GaNP、GaNAs、GaNSb、GaPAs、GaPSbInNP、InNAs、InNSb、InPAs、InPSb、GaAlNP、GaAlNAs、GaAlNSb、GaAlPAs、GaAlPSb、GaInNP、GaInNAs、GaInNSb、GaInPAs、GaInPSb、InAlNP、InAlNAs、InAlNSb、InAlPAsおよびInAlPSb、PbS、PbSe、PbTe、PbSeS、PbSeTe、PbSTe、SnPbS、SnPbSe、SnPbTe、SnPbSSe、SnPbSeTeおよびSnPbSTeならびにSi、Ge、SiCおよびSiGeからなる群から選択される少なくとも1種である、請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子。
  8. 前記無機半導体(n型)が、硫化カドミウム、セレン化カドミウムおよびテルル化カドミウムからなる群から選択される、請求項1〜6のいずれかに記載の光電変換素子。
  9. 前記p型有機半導体分子とそのp型有機半導体分子に隣接するp型有機半導体分子とが配列し、自己配列構造をとる、請求項1〜8のいずれかに記載の光電変換素子。
  10. 前記p型有機半導体分子の前記結合部位が下記式で表され、その式中R部分が該p型有機半導体分子に隣接するp型有機半導体分子と相互作用をして配列し、p型有機半導体分子どうしが自己配列する、請求項1〜9のいずれかに記載の光電変換素子。
    −R−X−
    [式中、RはC〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeであり、Rが有機半導体分子部位に直接結合し、かつ、Xが無機半導体(n型)に直接結合する。]
  11. 前記有機半導体分子部位が、その有機半導体分子部位に隣接する有機半導体分子部位と相互作用をし、スタッキング構造をとる、請求項1〜10のいずれかに記載の光電変換素子。
  12. 前記相互作用が、疎水性相互作用、静電的相互作用、配位結合、ファン・デル・ワールス力、水素結合、電荷移動相互作用、抗原−抗体反応および逐次化学反応による共有結合からなる群から選ばれる少なくとも1種以上である、請求項10または11に記載の光電変換素子。
  13. 前記有機半導体分子部位が、繰返し単位数3〜12のオリゴチオフェンもしくはその誘導体、繰返し単位数3〜12のオリゴ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)もしくはその誘導体または繰返し単位数3〜7のアセンもしくはその誘導体である、請求項1〜12のいずれかに記載の光電変換素子。
  14. 前記有機半導体分子部位が、下記式(1)〜(5)のいずれかで表される有機半導体分子である、請求項1〜13のいずれかに記載の光電変換素子。

    [式(1)および(2)において、nは0〜10の整数である。]
  15. 前記p型有機半導体分子が、下記式(6)〜(10)のいずれかで表される構造を有する、請求項1〜14のいずれかに記載の光電変換素子。

    [式(6)〜(10)において、RおよびRは、それぞれ独立に、C〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeである。Xは前記無機半導体(n型)共有結合を形成し得る。式(6)および(7)において、nは0〜10の整数である。]
  16. 下記式(11)〜(15)で表される少なくとも1種類の有機半導体分子が、有機半導体分子間の相互作用および有機半導体分子と無機半導体(n型)との間の共有結合形成によって自己配列し、前記有機半導体層が形成された、請求項1〜15のいずれかに記載の光電変換素子。

    [式(11)〜(15)において、RおよびRは、それぞれ独立に、C〜C20アルキレン基または隣接するp型有機半導体分子と相互作用をすることが可能な分子であり、XはS、SeまたはTeである。式(11)および(12)において、nは0〜10の整数である。]
  17. 前記有機半導体層が前記p型有機半導体分子の自己配列単分子膜である、請求項1〜16のいずれかに記載の光電変換素子。
  18. 太陽電池である、請求項1〜17のいずれかに記載の光電変換素子。
  19. 有機半導体(p型)を含有する有機半導体層と、その有機半導体層に隣接し、無機半導体(n型)を含有する無機半導体層とからなるpn積層構造を有する光電変換素子の製造方法であって、電極基板または無機半導体層の上に、有機半導体分子部位と結合部位とからなる有機半導体分子を乗せ、該有機半導体分子を、該結合部位を介した該無機半導体(n型)との間の共有結合の形成および該有機半導体分子間の相互作用によって、自己配列させ、有機半導体層を形成させる工程を含む光電変換素子の製造方法。
  20. 光電変換素子の製造方法であって、
    表面に−XH基を有する電極基板または無機半導体層の上に、1分子中に2以上の−XH基を有するp型有機半導体分子を塗布し(ここで、XおよびXは、それぞれ独立に、S、SeまたはTeを表す。)、
    前記p型有機半導体分子の間の相互作用および前記−XH基と前記−XH基との間の共有結合の形成により、p型有機半導体分子を自己配列させ、
    前記電極基板または前記無機半導体層の上に有機半導体層を形成する、光電変換素子の製造方法。
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WO2023082964A1 (zh) * 2021-11-15 2023-05-19 Tcl科技集团股份有限公司 复合物、复合物的制备方法及电致发光器件

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