JP2012037472A - 抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法 - Google Patents

抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法 Download PDF

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Abstract

【課題】チロキシンなどの甲状腺ホルモンに結合する蛍光物質の波長を長波長化(>640 nm:溶血ヘム、ビリルビンの吸収波長より長波長)することによって、血清による干渉(溶血ヘム、ビリルビン)を受けにくいことを特徴とする抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法を提供すること。
【解決手段】シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させて蛍光の変化を測定する、抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンを用いた抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法に関する。
甲状腺ホルモンは、甲状腺から分泌されるホルモンであり、具体的には、下記の構造式で表されるチロキシン(T4)とトリヨードチロニン(T3)が知られている。一般に、甲状腺ホルモンは全身の細胞に作用して細胞の代謝率を上昇させる働きを有する。血中を循環する甲状腺ホルモンのほとんどはチロキシン(T4)である。
試料中の抗甲状腺ホルモン抗体や、新たに取得した抗甲状腺ホルモン抗体の活性を評価する方法としては、当該抗甲状腺ホルモン抗体と甲状腺ホルモンとの反応性を測定する方法が挙げられる。例えば、非特許文献1には、フルオレセインイソチオシアネート(FITC)で標識したチロキシンを用いた蛍光免疫アッセイが記載されている。非特許文献1には、FITC標識チロキシンは弱い蛍光しか発しないが、抗チロキシン抗体の添加により蛍光が増強することが示されている。これによれば、チロキシン分子内にあるヨウ素の重原子効果によりFITCの蛍光が消光された分子(FITCとチロキシンとの結合体)を用いて、遊離したチロキシンと、抗体が結合した状態のチロキシンとを区別することが可能である。しかしながら、FITCはpH依存性があり、媒体の影響を受けやすいという問題があり、また、励起波長490nm及び発光波長510nmと何れも500nm程度であるため、夾雑物の多い系(血清、血漿)では干渉を受けやすいという問題があった。
FEBS Letters, 77, 25 (1977)
本発明の課題は、チロキシンなどの甲状腺ホルモンに結合する蛍光物質の波長を長波長化(>640 nm:溶血ヘム、ビリルビンの吸収波長より長波長)することによって、血清による干渉(溶血ヘム、ビリルビン)を受けにくいことを特徴とする抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法を提供することである。さらに本発明の課題は、蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンを用いた抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法において、甲状腺ホルモンに抗甲状腺ホルモン抗体が未結合である状態と、甲状腺ホルモンに抗甲状腺ホルモン抗体が結合している状態とにおいて蛍光強度変化が大きいことを利用した高感度な抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法を提供することを解決すべき課題とした。さらに本発明の課題は、上記の測定方法に用いることができるシアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモン、並びに上記の測定方法に用いることができる抗甲状腺ホルモン抗体測定用試薬を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、シアニン系蛍光物質で標識したチロキシンと抗チロキシン抗体とを接触させることによって、大きな蛍光強度変化が実現できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の態様は以下に関する。
(1) シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させて蛍光の変化を測定する、抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法。
(2) シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンの蛍光を測定する工程:シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させる工程:及び、接触後の蛍光を測定する工程を含む、(1)に記載の抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法。
(3) シアニン系蛍光物質が下記一般式(I)で表される、(1)又は(2)に記載の方法。
(式中、XはC(CH3)2を示し、R及びR'の少なくとも一方は標識用の官能基を示し、他方は低級アルキル基を示す。nは1から3の自然数を示す。ベンゼン環の水素原子は他の官能基で置換されていてもよい。)
(4) シアニン系蛍光物質がリンカーを介して甲状腺ホルモンに結合している、(1)から(3)の何れか1項に記載の方法。
(5) シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンが、下記一般式(II)で表される、(1)から(4)の何れか1項に記載の方法。
(式中、R1は炭素数1から4のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Yは水素原子またはヨウ素原子を表す。R3、R4はそれぞれ独立にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基またはこれらの塩から選ばれる基である。n1は2または3を表し、n2は3から7の自然数を表す。n3およびn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である。n3またはn4が2である場合、1つのベンゼン環に結合している2つの置換基は同じものでもよいし、異なっていてもよい。)
(6) 一般式(II) で表される化合物が、下記一般式(III)で表される、(5)に記載の方法。
(式中、R3およびR4はスルホン酸基またはその塩である。)
(7) 一般式(II)で示される化合物。
(式中、R1は炭素数1から4のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Yは水素原子またはヨウ素原子を表す。R3、R4はそれぞれ独立にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基またはこれらの塩から選ばれる基である。n1は2または3を表し、n2は3から7の自然数を表す。n3およびn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である。n3またはn4が2である場合、1つのベンゼン環に結合している2つの置換基は同じものでもよいし、異なっていてもよい。)
(8) 一般式(III) で表される化合物。
(式中、R3およびR4はスルホン酸基またはその塩である。)
(9) (7)または(8)に記載の化合物を含む、抗甲状腺ホルモン抗体測定用試薬。
本発明の抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法によれば、シアニン系蛍光物質の波長特性(例えば、Cy5の波長特性はEx/Em= 650nm/670nmである)を利用することによって、血清干渉物質であるピリルビン、溶血ヘモグロビンの影響を回避することができることから、血清中での抗甲状腺ホルモン抗体を評価することが可能になる。また、本発明の抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法においては、シアニン系蛍光物質を利用することによって、蛍光強度の変化の大きい系が実現でき、より感度の高い測定が可能となる。
図1は、Cy5-T4に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体を滴下して測定した結果を示す。 図2は、Cy5-T4に対して、抗T3モノクローナル抗体を滴下して測定した結果を示す。 図3は、Cy5に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体を滴下して測定した結果を示す。 図4は、短波長のBODIPY(Ex/Em= 490/500)-T4に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体を滴下して測定した結果を示す。 図5は、長波長のBODIPY(Ex/Em= 650/660)-T4に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体を滴下して測定した結果を示す。
以下、本発明についてさらに詳細に説明する。
本発明による抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法は、シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させて蛍光の変化を測定することを特徴とする。例えば、本発明による抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法は、シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンの蛍光を測定する行程:シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させる工程:及び、接触後の蛍光を測定する工程により行うことができる。本発明においては、シアニン系蛍光物質(例えばCy5など)で標識した甲状腺ホルモンを用いて、抗甲状腺ホルモン抗体の活性を評価することが特徴である。シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンは、抗甲状腺ホルモン抗体に結合していない状態では消光しているが、抗甲状腺ホルモン抗体に結合している場合には強い蛍光を発する。このメカニズムを利用して、抗甲状腺ホルモン抗体の活性を評価することができる。
本発明の測定方法の測定対象である抗甲状腺ホルモン抗体としては、抗チロキシン(T4)抗体、又は抗トリヨードチロニン(T3)抗体の何れでもよいが、本発明の測定方法は、抗チロキシン(T4)抗体の測定用として特に有用である。
本発明においては、シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させて蛍光の変化を測定することによって、抗甲状腺ホルモン抗体を測定する。ここで、シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンとしては、シアニン系蛍光物質で標識したチロキシン(T4)、又はシアニン系蛍光物質で標識したトリヨードチロニン(T3)の何れを用いてもよく、シアニン系蛍光物質で標識したチロキシン(T4)、又はシアニン系蛍光物質で標識したトリヨードチロニン(T3)の何れかを用いることによって、抗チロキシン(T4)抗体又は抗トリヨードチロニン(T3)抗体の何れをも測定することができる。好ましくは、シアニン系蛍光物質で標識したチロキシン(T4)を用いることによって抗チロキシン(T4)抗体を測定し、シアニン系蛍光物質で標識したトリヨードチロニン(T3)を用いることによって抗トリヨードチロニン(T3)抗体を測定することができる。
本発明で用いるシアニン系蛍光物質は、シアニン骨格を含み、本発明の効果(即ち、血清干渉物質であるピリルビン、溶血ヘモグロビンの影響を回避することができる波長を有し、かつ抗チロキシン抗体の存在の有無により、シアニン系蛍光物質で標識したチロキシンの蛍光強度の変化の大きい)が達成できる限り、その構造は特に限定されない。好ましくは、シアニン系蛍光物質が、下記式で示される蛍光物質である。
(式中、XはC(CH3)2を示し、R及びR'の少なくとも一方は標識用の官能基を示し、他方は低級アルキル基を示す。nは1から5の整数を示す。ベンゼン環の水素原子は他の官能基で置換されていてもよい。)
標識用の官能基としては、カルボキシル基、アミノ基、アルデヒド基、ケトン基、マレイミド基、チオール基などを示し、これらの官能基は、リンカーを介してN原子に結合していてもよい。
また、ベンゼン環上の置換基としては、スルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基、 などが挙げられる。
シアニン系蛍光物質は甲状腺ホルモンに結合して用いるが、シアニン系蛍光物質はリンカーを介して甲状腺ホルモンに結合していることが好ましい。リンカーとしては、例えば、−O−、−NH−、−CO−、低級アルキレンから選ばれる基の組合せであってもよい。例えば、チロキシン誘導体のアミノ基に、必要に応じて適当なリンカーを介して活性エステル基を導入したシアニン系蛍光物質を反応させることによって、シアニン系蛍光物質を甲状腺ホルモンに結合させ、甲状腺ホルモンとシアニン系蛍光物質との結合体を調製することができる。
本発明で用いるシアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンは、好ましくは、下記一般式(II)で表される構造を有する。
(式中、R1は炭素数1から4のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Yは水素原子またはヨウ素原子を表す。R3、R4はそれぞれ独立にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基またはこれらの塩から選ばれる基である。n1は2または3を表し、n2は3から7の自然数を表す。n3およびn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である。n3またはn4が2である場合、1つのベンゼン環に結合している2つの置換基は同じものでもよいし、異なっていてもよい。)
炭素数1から4のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、又はブチル基が挙げられ、これらは直鎖でも分岐鎖でもよい。
3またはR4が塩である場合、例としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム塩および4級アンモニウム塩等が挙げられる。
上記の一般式(II) で表される化合物のうち特に好ましい化合物は、下記一般式(III)で表される化合物である。
(式中、R3およびR4はスルホン酸基またはその塩である。)
本発明におけるシアニン系蛍光物質としては、好ましくは、CyDye(TM)シリーズ(GEヘルスケア)の蛍光物質を使用することができ、Cy2、Cy3、Cy3B、Cy3.5、Cy5、Cy5.5、Cy7などを使用することができるが、特に好ましくはCy5を使用することができる。
本発明で測定に供される抗甲状腺ホルモン抗体は、ポリクローナル抗体でもモノクローナル抗体でもよく、その種類、製造方法などは特に限定されない。なお、血清干渉物質であるピリルビン、溶血ヘモグロビンの影響を回避することができるという本発明の効果の観点から言うと、血清中の抗甲状腺ホルモン抗体を評価することが好ましい。
本発明においては、シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体との接触による蛍光の変化を測定する。即ち、抗甲状腺ホルモン抗体の非存在下における、シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンの蛍光強度と、抗甲状腺ホルモン抗体の存在下におけるシアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンの蛍光強度とを測定し、その蛍光の変化を指標として抗甲状腺ホルモン抗体の活性を評価することができる。蛍光強度の測定は、当業者に公知の方法で行うことができ、例えば市販の蛍光測定機を用いて行うことができる。
本発明によれば、下記一般式(II)で示される化合物が提供される。
(式中、R1は炭素数1から4のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Yは水素原子またはヨウ素原子を表す。R3、R4はそれぞれ独立にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基またはこれらの塩から選ばれる基である。n1は2または3を表し、n2は3から7の自然数を表す。n3およびn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である。n3またはn4が2である場合、1つのベンゼン環に結合している2つの置換基は同じものでもよいし、異なっていてもよい。)
上記一般式(II)で示される化合物は、本発明による抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法において、抗甲状腺ホルモン抗体測定用試薬として使用することができる。
以下、実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
蛍光物質Cy5は、GEヘルスケア社から購入した。また、チロキシンはシグマ−アルドリッチ社から購入した。チロキシン(T4)メチルエステルは、Bull. Chem. Soc., 52, 1879 (1979)に記載の合成方法を改良した。次のステップのアミド化反応を経て最終化合物を得た。
合成例1:Cy5-T4の合成
2 mL DMFにチロキシンメチルエステル12 mg(12μmol)を溶解させ、DIPEA(N,Nジイソプロピルエチルアミン)を2.5μL(15μmol)加え、Cy5-NHS esterを10mg(13μmol)加えた。室温で6時間攪拌した。反応の終了をTLCで確認し、溶媒を減圧留去し、精製は逆相カラムクロマトグラフィー(ODS:H2O/ MeOH = 1/1)で行い、青色固体5 mg(27%)を得た。その後、同定はMALDI-TOF-MSで行った。その結果を以下に示す。
MALDI-TOF-MS(positive mode)[M+1]+ = 1467
合成例2:短波長のBODIPY(Ex/Em= 490/500)-T4の合成
2 mL DMFにチロキシンメチルエステル12 mg(12μmol)を溶解させ、DIPEAを4μL(24μmol)加え、BODIPY(490/500)-NHS esterを5mg(12μmol)加えた。室温で2時間攪拌した。反応の終了をTLCで確認し、溶媒を減圧留去し、精製はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Hexane/ AcEt = 1/2)で行い、黄色固体5 mg(38%)を得た。その後、同定はESI-MSで行った。その結果を以下に示す。
ESI-MS(negative mode)[M]- = 1092.0
合成例3:長波長のBODIPY(Ex/Em= 650/660)-T4の合成
2 mL DMFにチロキシンメチルエステル31 mg(32μmol)を溶解させ、DIPEAを11μL(128μmol)加え、BODIPY(650/660)-NHS esterを10mg(16μmol)加えた。室温で2時間攪拌した。反応の終了をTLCで確認し、溶媒を減圧留去し、精製はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル:Hexane/ AcEt = 1/3)で行い、青色固体3mg(14%)を得た。その後、同定はMALDI-TOF-MSで行った。その結果を以下に示す。
MALDI-TOF-MS(positive mode)[M+K]+ = 1342.4
試験例1:抗チロキシン抗体の蛍光滴定
(方法)
蛍光測定機:RF-4300(島津社製)
Ex= 630 nm, Ex/Em= 1.5 nm/3 nm, 感度:High
1cm 石英セル(2 mL)
[Dye-T4]= 5×10-7 M
[T4 Ab] = 5.4mg/mL in PBS buffer
以下の測定を行った。
実施例1:
Cy5-T4に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体(Kd = 10-11 M程度)を滴下して測定した。結果を図1に示す。抗T4モノクローナル抗体の添加前と添加後における蛍光強度の変化は約5倍程度であった。これに対し、FEBS Letters, 77, 25(1977)の測定系では、蛍光強度変化は3.5倍程度である。従って、本発明における蛍光強度の変化は、従来の測定系よりも有意に高いことが判明した。また、蛍光色素としてFITCではなくCy5を使用することにより、媒体のpHの影響を受けにくい系を実現することができた。
比較例1(コントロール):
Cy5-T4に対して、抗T3モノクローナル抗体を滴下して測定した。結果を図2に示す。
比較例2:
Cy5に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体(Kd = 10-11 M程度)を滴下して測定した。結果を図3に示す。
比較例3:
短波長のBODIPY(Ex/Em= 490/500)-T4に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体(Kd = 10-11 M程度)を滴下して測定した。結果を図4に示す。抗T4モノクローナル抗体の添加の有無で蛍光強度の変化はなかった。この理由は、抗体のない状態で、蛍光消光を起こし、抗体の結合に伴い蛍光の消光が解消される系ではないためである。即ち、BODIPYは蛍光消光を起こしにくい色素であることが示唆された。一方、本発明で使用するシアニン色素は会合消光しやすい性質がある。
比較例4:
長波長のBODIPY(Ex/Em= 650/660)-T4に対して、ハイブリドーマから作製した抗T4モノクローナル抗体(Kd = 10-11 M程度)を滴下して測定した。結果を図5に示す。抗T4モノクローナル抗体の添加の有無で蛍光強度の変化はなかった(抗T4モノクローナル抗体の添加前も添加後も蛍光は検出されなかった)。この理由は、長波長のBODIPYを使用するこの系は、抗体の結合に伴い蛍光強度が変化しない系であるためである。即ち、 この系は、抗体のない状態で蛍光消光を起こし、抗体の結合に伴い蛍光の消光が解消される系ではない。

Claims (9)

  1. シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させて蛍光の変化を測定する、抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法。
  2. シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンの蛍光を測定する工程:シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンと抗甲状腺ホルモン抗体とを接触させる工程:及び、接触後の蛍光を測定する工程を含む、請求項1に記載の抗甲状腺ホルモン抗体の測定方法。
  3. シアニン系蛍光物質が下記一般式(I)で表される、請求項1又は2に記載の方法。
    (式中、XはC(CH3)2を示し、R及びR'の少なくとも一方は標識用の官能基を示し、他方は低級アルキル基を示す。nは1から3の自然数を示す。ベンゼン環の水素原子は他の官能基で置換されていてもよい。)
  4. シアニン系蛍光物質がリンカーを介して甲状腺ホルモンに結合している、請求項1から3の何れか1項に記載の方法。
  5. シアニン系蛍光物質で標識した甲状腺ホルモンが、下記一般式(II)で表される、請求項1から4の何れか1項に記載の方法。
    (式中、R1は炭素数1から4のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Yは水素原子またはヨウ素原子を表す。R3、R4はそれぞれ独立にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基またはこれらの塩から選ばれる基である。n1は2または3を表し、n2は3から7の自然数を表す。n3およびn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である。n3またはn4が2である場合、1つのベンゼン環に結合している2つの置換基は同じものでもよいし、異なっていてもよい。)
  6. 一般式(II) で表される化合物が、下記一般式(III)で表される、請求項5に記載の方法。
    (式中、R3およびR4はスルホン酸基またはその塩である。)
  7. 一般式(II)で示される化合物。
    (式中、R1は炭素数1から4のアルキル基を表し、R2は水素原子または炭素数1から4のアルキル基を表し、Yは水素原子またはヨウ素原子を表す。R3、R4はそれぞれ独立にスルホン酸基、カルボキシル基、リン酸基またはこれらの塩から選ばれる基である。n1は2または3を表し、n2は3から7の自然数を表す。n3およびn4はそれぞれ独立に0〜2の整数である。n3またはn4が2である場合、1つのベンゼン環に結合している2つの置換基は同じものでもよいし、異なっていてもよい。)
  8. 一般式(III) で表される化合物。
    (式中、R3およびR4はスルホン酸基またはその塩である。)
  9. 請求項7または8に記載の化合物を含む、抗甲状腺ホルモン抗体測定用試薬。
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