JP2012036366A - 熱伝導性接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】面方向の熱伝導性に優れながら、接着性または粘着性にも優れる熱伝導性接着シートを提供すること。
【解決手段】熱伝導性接着シート1に、板状の窒化ホウ素粒子4を含有する熱伝導性層2であって、熱伝導性層2の面方向SDの熱伝導率が、4W/m・K以上である熱伝導性層2と、熱伝導性層2の少なくとも表面に積層される接着・粘着層3とを設ける。この熱伝導性接着シート1であれば、電子部品8および実装基板7に対して優れた接着性で接着または粘着できながら、電子部品8の熱を面方向SDに沿って放熱させることができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、熱伝導性接着シート、詳しくは、パワーエレクトロニクス技術に用いられる熱伝導性接着シートに関する。
近年、ハイブリッドデバイス、高輝度LEDデバイス、電磁誘導加熱デバイスなどでは、半導体素子により電力を変換・制御するパワーエレクトロニクス技術が採用されている。パワーエレクトロニクス技術では、大電流を熱などに変換するため、半導体素子の近傍に配置される材料には、高い放熱性(高熱伝導性)が要求されている。
例えば、板状の窒化ホウ素粉末およびアクリル酸エステル共重合樹脂を含有する熱伝導シートが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特許文献1の熱伝導シートでは、窒化ホウ素粉末は、その長軸方向(窒化ホウ素粉末の板厚に直交する方向)が、シートの厚み方向に沿うように配向されており、これによって、熱伝導性シートの厚み方向の熱伝導性を向上させている。
特開2008−280496号公報
しかるに、熱伝導シートは、用途および目的によって、厚み方向に直交する直交方向(面方向)における高い熱伝導性が要求される場合がある。その場合には、特許文献1の熱伝導シートでは、窒化ホウ素粉末の長軸方向が、面方向に対して直交(交差)しているため、かかる面方向の熱伝導性が不十分であるという不具合がある。
また、熱伝導シートは、その使用によって、放熱対象に対する優れた接着性または粘着性が要求される場合があるところ、特許文献1の熱伝導シートでは、放熱対象に対する接着性または粘着性が不十分であるという不具合がある。
本発明の目的は、面方向の熱伝導性に優れながら、接着性または粘着性にも優れる熱伝導性接着シートを提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の熱伝導性接着シートは、板状の窒化ホウ素粒子を含有する熱伝導性層であって、前記熱伝導性層の厚み方向に対する直交方向の熱伝導率が、4W/m・K以上である熱伝導性層と、前記熱伝導性層の少なくとも一方面に積層される接着剤層または粘着剤層とを備えることを特徴としている。
本発明の熱伝導性接着シートは、厚み方向に直交する面方向の熱伝導性に優れながら、接着性または粘着性にも優れている。
そのため、本発明の熱伝導性接着シートであれば、放熱対象に対して優れた接着性または粘着性で接着または粘着できながら、かかる放熱対象の熱を面方向に沿って放熱させることができる。
図1は、本発明の熱伝導性接着シートの一実施形態の断面図を示す。 図2は、図1に示す熱伝導性接着シートの熱伝導性層の製造方法を説明するための工程図であって、(a)は、混合物または積層シートを熱プレスする工程、(b)は、プレスシートを複数個に分割する工程、(c)は、分割シートを積層する工程を示す。 図3は、図2に示す熱伝導性層の斜視図を示す。 図4は、図1に示す熱伝導性接着シートを電子部品および実装基板に接着させる方法を説明するための工程図であって、(a)は、熱伝導性接着シートおよび実装基板をそれぞれ用意する工程、(b)は、熱伝導性接着シートを、電子部品および実装基板に対して熱圧着した後、加熱により接着させる工程を示す。 図5は、本発明の熱伝導性接着シートの他の実施形態(接着・粘着層に開口部が形成される態様)の断面図を示す。 図6は、図5に示す熱伝導性接着シートを電子部品および実装基板に接着させる方法を説明するための工程図であって、(a)は、熱伝導性接着シートおよび実装基板をそれぞれ用意する工程、(b)は、熱伝導性接着シートを、電子部品および実装基板に対して熱圧着した後、加熱により接着または粘着させる工程を示す。
図1は、本発明の熱伝導性接着シートの一実施形態の断面図、図2は、図1に示す熱伝導性接着シートの熱伝導性層の製造方法を説明するための工程図、図3は、図2に示す熱伝導性層の斜視図、図4は、図1に示す熱伝導性接着シートを電子部品および実装基板に接着または粘着させる方法を説明するための工程図を示す。
図1において、この熱伝導性接着シート1は、熱伝導性層2、熱伝導性層2の表面に積層される接着剤層3または粘着剤層3(以下、これらを「接着・粘着層3」と総称する場合がある。)とを備えている。
熱伝導性層2は、平板シート形状に形成されており、窒化ホウ素粒子を含有している。
具体的には、熱伝導性層2は、窒化ホウ素(BN)粒子を必須成分として含有し、さらに、例えば、樹脂成分を含有している。
窒化ホウ素粒子は、板状(あるいは鱗片状)に形成されており、熱伝導性層2において所定方向(後述)に配向された形態で分散されている。
窒化ホウ素粒子は、長手方向長さ(板の厚み方向に対する直交方向における最大長さ)の平均が、例えば、1〜100μm、好ましくは、3〜90μmである。また、窒化ホウ素粒子の長手方向長さの平均は、5μm以上、好ましくは、10μm以上、さらに好ましくは、20μm以上、とりわけ好ましくは、30μm以上、最も好ましくは、40μm以上であり、通常、例えば、100μm以下、好ましくは、90μm以下である。
また、窒化ホウ素粒子の厚み(板の厚み方向長さ、つまり、粒子の短手方向長さ)の平均は、例えば、0.01〜20μm、好ましくは、0.1〜15μmである。
また、窒化ホウ素粒子のアスペクト比(長手方向長さ/厚み)は、例えば、2〜10000、好ましくは、10〜5000である。
そして、窒化ホウ素粒子の光散乱法によって測定される平均粒子径は、例えば、5μm以上、好ましくは、10μm以上、さらに好ましくは、20μm以上、とりわけ好ましくは、30μm以上、最も好ましくは、40μm以上であり、通常、100μm以下である。
なお、光散乱法によって測定される平均粒子径は、動的光散乱式粒度分布測定装置にて測定される体積平均粒子径である。
窒化ホウ素粒子の光散乱法によって測定される平均粒子径が上記範囲に満たないと、熱伝導性層2が脆くなり、取扱性が低下する場合がある。
また、窒化ホウ素粒子の嵩密度(JIS K 5101、見かけ密度)は、例えば、0.3〜1.5g/cm、好ましくは、0.5〜1.0g/cmである。
また、窒化ホウ素粒子は、市販品またはそれを加工した加工品を用いることができる。窒化ホウ素粒子の市販品としては、例えば、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製の「PT」シリーズ(例えば、「PT−110」など)、昭和電工社製の「ショービーエヌUHP」シリーズ(例えば、「ショービーエヌUHP−1」など)などが挙げられる。
樹脂成分は、窒化ホウ素粒子を分散できるもの、つまり、窒化ホウ素粒子が分散される分散媒体(マトリックス)であって、例えば、熱硬化性樹脂成分、熱可塑性樹脂成分などの樹脂成分が挙げられる。
熱硬化性樹脂成分としては、例えば、エポキシ樹脂、熱硬化性ポリイミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、シリコーン樹脂、熱硬化性ウレタン樹脂などが挙げられる。
熱可塑性樹脂成分としては、例えば、ポリオレフィン(例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体など)、アクリル樹脂(例えば、ポリメタクリル酸メチルなど)、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアクリロニトリル、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポリフェニレンオキシド、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアリルスルホン、熱可塑性ポリイミド、熱可塑性ウレタン樹脂、ポリアミノビスマレイミド、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ビスマレイミドトリアジン樹脂、ポリメチルペンテン、フッ化樹脂、液晶ポリマー、オレフィン−ビニルアルコール共重合体、アイオノマー、ポリアリレート、アクリロニトリル−エチレン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン共重合体、アクリロニトリル−スチレン共重合体などが挙げられる。
これら樹脂成分は、単独使用または2種類以上併用することができる。
樹脂成分のうち、好ましくは、エポキシ樹脂が挙げられる。
エポキシ樹脂は、常温において、液状、半固形状および固形状のいずれかの形態である。
具体的には、エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂(例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水素添加ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ダイマー酸変性ビスフェノール型エポキシ樹脂など)、ノボラック型エポキシ樹脂(例えば、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂など)、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂(例えば、ビスアリールフルオレン型エポキシ樹脂など)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂(例えば、トリスヒドロキシフェニルメタン型エポキシ樹脂など)などの芳香族系エポキシ樹脂、例えば、トリエポキシプロピルイソシアヌレート(トリグリシジルイソシアヌレート)、ヒダントインエポキシ樹脂などの含窒素環エポキシ樹脂、例えば、脂肪族型エポキシ樹脂、例えば、脂環族型エポキシ樹脂(例えば、ジシクロ環型エポキシ樹脂など)、例えば、グリシジルエーテル型エポキシ樹脂、例えば、グリシジルアミン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらエポキシ樹脂は、単独使用または2種以上併用することができる。
好ましくは、液状のエポキシ樹脂および固形状のエポキシ樹脂の組合せが挙げられ、さらに好ましくは、液状の芳香族系エポキシ樹脂および固形状の芳香族系エポキシ樹脂の組合せなどが挙げられる。そのような組合せとしては、具体的には、液状のビスフェノール型エポキシ樹脂および固形状のトリフェニルメタン型エポキシ樹脂の組合せ、液状のビスフェノール型エポキシ樹脂および固形状のビスフェノール型エポキシ樹脂の組合せが挙げられる。
また、エポキシ樹脂として、好ましくは、半固形状のエポキシ樹脂の単独使用が挙げられ、さらに好ましくは、半固形状の芳香族系エポキシ樹脂の単独使用が挙げられる。そのようなエポキシ樹脂としては、具体的には、半固形状のフルオレン型エポキシ樹脂が挙げられる。
液状のエポキシ樹脂および固形状のエポキシ樹脂の組合せ、半固形状のエポキシ樹脂であれば、熱伝導性層の段差追従性(後述)を向上させることができる。
また、エポキシ樹脂は、エポキシ当量が、例えば、100〜1000g/eqiv.、好ましくは、160〜700g/eqiv.であり、軟化温度(環球法)が、例えば、80℃以下(具体的には、20〜80℃)、好ましくは、70℃以下(具体的には、25〜70℃)である。
また、エポキシ樹脂の80℃における溶融粘度は、例えば、10〜20,000mPa・s、好ましくは、50〜15,000mPa・sでもある。エポキシ樹脂を2種以上併用する場合には、それらの混合物としての溶融粘度が、上記した範囲内に設定される。
また、常温で固形状のエポキシ樹脂と、常温で液状のエポキシ樹脂とを併用する場合には、軟化温度が、例えば、45℃未満、好ましくは、35℃以下の第1エポキシ樹脂と、軟化温度が、例えば、45℃以上、好ましくは、55℃以上の第2エポキシ樹脂とを併有する。これにより、樹脂成分(混合物)の動粘度(JIS K 7233に準拠、後述)を所望の範囲に設定することができ、また、熱伝導性層の段差追従性を向上させることができる。
また、エポキシ樹脂には、例えば、硬化剤および硬化促進剤を含有させて、エポキシ樹脂組成物として調製することができる。
硬化剤は、加熱によりエポキシ樹脂を硬化させることができる潜在性硬化剤(エポキシ樹脂硬化剤)であって、例えば、イミダゾール化合物、アミン化合物、酸無水物化合物、アミド化合物、ヒドラジド化合物、イミダゾリン化合物などが挙げられる。また、上記の他に、フェノール化合物、ユリア化合物、ポリスルフィド化合物なども挙げられる。
イミダゾール化合物としては、例えば、2−フェニルイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾールなどが挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミンなどの脂肪族ポリアミン、例えば、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンなどの芳香族ポリアミンなどが挙げられる。
酸無水物化合物としては、例えば、無水フタル酸、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸無水物、4−メチル−ヘキサヒドロフタル酸無水物、メチルナジック酸無水物、ピロメリット酸無水物、ドデセニルコハク酸無水物、ジクロロコハク酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、クロレンディック酸無水物などが挙げられる。
アミド化合物としては、例えば、ジシアンジアミド、ポリアミドなどが挙げられる。
ヒドラジド化合物としては、例えば、アジピン酸ジヒドラジドなどが挙げられる。
イミダゾリン化合物としては、例えば、メチルイミダゾリン、2−エチル−4−メチルイミダゾリン、エチルイミダゾリン、イソプロピルイミダゾリン、2,4−ジメチルイミダゾリン、フェニルイミダゾリン、ウンデシルイミダゾリン、ヘプタデシルイミダゾリン、2−フェニル−4−メチルイミダゾリンなどが挙げられる。
これら硬化剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
硬化剤として、好ましくは、イミダゾール化合物が挙げられる。
硬化促進剤としては、例えば、トリエチレンジアミン、トリ−2,4,6−ジメチルアミノメチルフェノールなどの3級アミン化合物、例えば、トリフェニルホスフィン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、テトラ−n−ブチルホスホニウム−o,o−ジエチルホスホロジチオエートなどのリン化合物、例えば、4級アンモニウム塩化合物、例えば、有機金属塩化合物、例えば、それらの誘導体などが挙げられる。これら硬化促進剤は、単独使用または2種類以上併用することができる。
エポキシ樹脂組成物における硬化剤の配合割合は、エポキシ樹脂100質量部に対して、例えば、0.5〜50質量部、好ましくは、1〜10質量部であり、硬化促進剤の配合割合は、例えば、0.1〜10質量部、好ましくは、0.2〜5質量部である。
上記した硬化剤および/または硬化促進剤は、必要により、溶媒により溶解および/または分散された溶媒溶液および/または溶媒分散液として調製して用いることができる。
溶媒としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)などケトン類、例えば、酢酸エチルなどのエステル類、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類などの有機溶媒などが挙げられる。また、溶媒として、例えば、水、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノールなどのアルコール類など水系溶媒が挙げられる。溶媒として、好ましくは、有機溶媒、さらに好ましくは、ケトン類、アミド類が挙げられる。
熱可塑性樹脂成分のうち、好ましくは、ポリオレフィンが挙げられる。
ポリオレフィンとして、好ましくは、ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体が挙げられる。
ポリエチレンとしては、例えば、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンなどが挙げられる。
エチレン−プロピレン共重合体としては、例えば、エチレンおよびプロピレンの、ランダム共重合体、ブロック共重合体またはグラフト共重合体などが挙げられる。
これらポリオレフィンは、単独使用または2種以上併用することができる。
また、ポリオレフィンの重量平均分子量および/または数平均分子量は、例えば、1000〜10000である。
また、ポリオレフィンは、単独使用または複数併用することができる。
また、樹脂成分のJIS K 7233(泡粘度計法)に準拠する動粘度試験(温度:25℃±0.5℃、溶媒:ブチルカルビトール、樹脂成分(固形分)濃度:40質量%)によって測定される動粘度は、例えば、0.22×10−4〜2.00×10−4/s、好ましくは、0.3×10−4〜1.9×10−4/s、さらに好ましくは、0.4×10−4〜1.8×10−4/sである。また、上記の動粘度を、例えば、0.22×10−4〜1.00×10−4/s、好ましくは、0.3×10−4〜0.9×10−4/s、さらに好ましくは、0.4×10−4〜0.8×10−4/sに設定することもできる。
樹脂成分の動粘度が上記範囲を超える場合には、熱伝導性層2に優れた柔軟性および段差追従性(後述)を付与することができない場合がある。一方、樹脂成分の動粘度が上記範囲に満たない場合には、窒化ホウ素粒子を所定方向に配向させることができない場合がある。
なお、JIS K 7233(泡粘度計法)に準拠する動粘度試験では、樹脂成分サンプルにおける泡の上昇速度と、標準サンプル(動粘度が既知)における泡の上昇速度とを比較し、上昇速度が一致する標準サンプルの動粘度が、樹脂成分の動粘度であると判定することにより、樹脂成分の動粘度を測定する。
そして、熱伝導性層2において、窒化ホウ素粒子の体積基準の含有割合(固形分、つまり、樹脂成分および窒化ホウ素粒子の総体積に対する窒化ホウ素粒子の体積百分率)は、例えば、35体積%以上、好ましくは、60体積%以上、好ましくは、65体積%以上、通常、例えば、95体積%以下、好ましくは、90体積%以下である。
窒化ホウ素粒子の体積基準の含有割合が上記した範囲に満たない場合には、窒化ホウ素粒子を熱伝導性層2において所定方向に配向させることができない場合がある。一方、窒化ホウ素粒子の体積基準の含有割合が上記した範囲を超える場合には、熱伝導性層2が脆くなり、取扱性および段差追従性が低下する場合がある。
また、熱伝導性層2を形成する各成分(窒化ホウ素粒子および樹脂成分)の総量(固形分総量)100質量部に対する窒化ホウ素粒子の質量基準の配合割合は、例えば、40〜95質量部、好ましくは、65〜90質量部であり、熱伝導性層2を形成する各成分の総量100質量部に対する樹脂成分の質量基準の配合割合は、例えば、5〜60質量部、好ましくは、10〜35質量部である。なお、窒化ホウ素粒子の、樹脂成分100質量部に対する質量基準の配合割合は、例えば、60〜1900質量部、好ましくは、185〜900質量部でもある。
また、2種のエポキシ樹脂(第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂)を併用する場合において、第1エポキシ樹脂の第2エポキシ樹脂に対する質量割合(第1エポキシ樹脂の質量/第2エポキシ樹脂の質量)は、各エポキシ樹脂(第1エポキシ樹脂および第2エポキシ樹脂)の軟化温度などに応じて適宜設定することができ、例えば、1/99〜99/1、好ましくは、10/90〜90/10である。
なお、樹脂成分には、上記した各成分(重合物)の他に、例えば、ポリマー前駆体(例えば、オリゴマーを含む低分子量ポリマーなど)、および/または、モノマーが含まれる。
次に、熱伝導性層2を形成する方法について説明する。
この方法では、まず、上記した各成分を上記した配合割合で配合して、攪拌混合することにより、混合物を調製する。
攪拌混合では、各成分を効率よく混合すべく、例えば、溶媒を上記した各成分とともに配合するか、または、例えば、加熱により樹脂成分(好ましくは、熱可塑性樹脂成分)を溶融させることができる。
溶媒としては、上記と同様の有機溶媒が挙げられる。また、上記した硬化剤および/または硬化促進剤が溶媒溶液および/または溶媒分散液として調製されている場合には、攪拌混合において溶媒を追加することなく、溶媒溶液および/または溶媒分散液の溶媒をそのまま攪拌混合のための混合溶媒として供することができる。あるいは、攪拌混合において溶媒を混合溶媒としてさらに追加することもできる。
溶媒を用いて攪拌混合する場合には、攪拌混合の後、溶媒を除去する。
溶媒を除去するには、例えば、室温にて、1〜48時間放置するか、例えば、40〜100℃で、0.5〜3時間加熱するか、または、例えば、0.001〜50kPaの減圧雰囲気下で、20〜60℃で、0.5〜3時間加熱する。
加熱により樹脂成分を溶融させる場合には、加熱温度が、例えば、樹脂成分の軟化温度付近またはそれを超過する温度であって、具体的には、40〜150℃、好ましくは、70〜140℃である。
次いで、この方法では、得られた混合物を、熱プレスする。
具体的には、図2(a)に示すように、混合物を、例えば、必要により、2枚の離型フィルム6を介して熱プレスすることにより、プレスシート2Aを得る。熱プレスの条件は、温度が、例えば、50〜150℃、好ましくは、60〜140℃であり、圧力が、例えば、1〜100MPa、好ましくは、5〜50MPaであり、時間が、例えば、0.1〜100分間、好ましくは、1〜30分間である。
さらに好ましくは、混合物を真空熱プレスする。真空熱プレスにおける真空度は、例えば、1〜100Pa、好ましくは、5〜50Paであり、温度、圧力および時間は、上記した熱プレスのそれらと同様である。
熱プレスにおける温度、圧力および/または時間が、上記した範囲外にある場合には、熱伝導性層2の空隙率P(後述)を所望の値に調整できない場合がある。
熱プレスにより得られるプレスシート2Aの厚みは、例えば、50〜1000μm、好ましくは、100〜800μmである。
次いで、この方法では、図2(b)に示すように、プレスシート2Aを、複数個(例えば、4個)に分割して、分割シート2Bを得る(分割工程)。プレスシート2Aの分割では、厚み方向に投影したときに複数個に分断されるように、プレスシート2Aをその厚み方向に沿って切断する。なお、プレスシート2Aは、各分割シート2Bが厚み方向に投影されたときに同一形状となるように、切断する。
次いで、この方法では、図2(c)に示すように、各分割シート2Bを、厚み方向に積層して、積層シート2Cを得る(積層工程)。
その後、この方法では、図2(a)に示すように、積層シート2Cを、熱プレス(好ましくは、真空熱プレス)する(熱プレス工程)。熱プレスの条件は、上記した混合物の熱プレスの条件と同様である。
熱プレス後の積層シート2Cの厚みは、例えば、1mm以下、好ましくは、0.8mm以下、通常、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.1mm以上である。
その後、図3が参照されるように、熱伝導性層2において窒化ホウ素粒子4を樹脂成分5中に所定方向に効率的に配向させるべく、上記した分割工程(図2(b))、積層工程(図2(c))および熱プレス工程(図2(a))の一連の工程を、繰り返し実施する。繰返回数は、特に限定されず、窒化ホウ素粒子の充填状態に応じて適宜設定することができ、例えば、1〜10回、好ましくは、2〜7回である。
なお、上記した熱プレス工程(図2(a))では、例えば、複数のカレンダーロールなどによって、混合物および積層シート2Cを圧延することもできる。
これにより、図2および図3に示す熱伝導性層2を形成することができる。
形成された熱伝導性層2の厚みは、例えば、1mm以下、好ましくは、0.8mm以下、通常、例えば、0.05mm以上、好ましくは、0.1mm以上である。
また、熱伝導性層2における窒化ホウ素粒子4の体積基準の含有割合(固形分、つまり、樹脂成分5および窒化ホウ素粒子4の総体積に対する窒化ホウ素粒子4の体積百分率)は、上記したように、例えば、35体積%以上(好ましくは、60体積%以上、さらに好ましくは、75体積%以上)、通常、95体積%以下(好ましくは、90体積%以下)である。
窒化ホウ素粒子4の含有割合が上記した範囲に満たない場合には、窒化ホウ素粒子4を熱伝導性層2において所定方向に配向させることができない場合がある。
また、樹脂成分5が熱硬化性樹脂成分である場合には、例えば、上記した分割工程(図2(b))、積層工程(図2(c))および熱プレス工程(図2(a))の一連の工程を、未硬化状態で繰り返し実施し、そのまま、未硬化状態の熱伝導性層2として得る。なお、未硬化状態の熱伝導性層2は、熱伝導性接着シート1の電子部品8および実装基板7に対する接着または粘着時に、熱硬化させる。
そして、このようにして形成された熱伝導性層2において、図3およびその部分拡大模式図に示すように、窒化ホウ素粒子4の長手方向LDが、熱伝導性層2の厚み方向TDに交差(直交)する面方向SDに沿って配向している。
また、窒化ホウ素粒子4の長手方向LDが熱伝導性層2の面方向SDに成す角度の算術平均(窒化ホウ素粒子4の熱伝導性層2に対する配向角度α)は、例えば、25度以下、好ましくは、20度以下であり、通常、0度以上である。
なお、窒化ホウ素粒子4の熱伝導性層2に対する配向角度αは熱伝導性層2を厚み方向に沿ってクロスセクションポリッシャー(CP)により切断加工して、それにより現れる断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で、200個以上の窒化ホウ素粒子4を観察できる視野の倍率で写真撮影し、得られたSEM写真より、窒化ホウ素粒子4の長手方向LDの、熱伝導性層2の面方向SD(厚み方向TDに直交する方向)に対する傾斜角αを取得し、その平均値として算出される。
これにより、熱伝導性層2の面方向SDの熱伝導率は、4W/m・K以上、好ましくは、5W/m・K以上、より好ましくは、10W/m・K以上、さらに好ましくは、15W/m・K以上、とりわけ好ましくは、25W/m・K以上であり、通常、200W/m・K以下である。
なお、熱伝導性層2の面方向SDの熱伝導率は、樹脂成分5が熱硬化性樹脂成分である場合に、熱硬化の前後において、実質的に同一である。
熱伝導性層2の面方向SDの熱伝導率が上記範囲に満たないと、面方向SDの熱伝導性が十分でないため、そのような面方向SDの熱伝導性が要求される放熱用途に用いることができない場合がある。
なお、熱伝導性層2の面方向SDの熱伝導率は、パルス加熱法により測定する。パルス加熱法では、キセノンフラッシュアナライザー「LFA−447型」(NETZSCH社製)が用いられる。
また、熱伝導性層2の厚み方向TDの熱伝導率は、例えば、0.5〜15W/m・K、好ましくは、1〜10W/m・Kである。
なお、熱伝導性層2の厚み方向TDの熱伝導率は、パルス加熱法、レーザーフラッシュ法またはTWA法により測定する。パルス加熱法では、上記と同様のものが用いられ、レーザーフラッシュ法では、「TC−9000」(アルバック理工社製)が用いられ、TWA法では、「ai−Phase mobile」(アイフェイズ社製)が用いられる。
これにより、熱伝導性層2の面方向SDの熱伝導率の、熱伝導性層2の厚み方向TDの熱伝導率に対する比(面方向SDの熱伝導率/厚み方向TDの熱伝導率)は、例えば、1.5以上、好ましくは、3以上、さらに好ましくは、4以上であり、通常、20以下である。
また、熱伝導性層2には、図3において図示しないが、例えば、空隙(隙間)が形成されている。
熱伝導性層2における空隙の割合、すなわち、空隙率Pは、窒化ホウ素粒子4の含有割合(体積基準)、さらには、窒化ホウ素粒子4および樹脂成分5の混合物の熱プレス(図2(a))の温度、圧力および/または時間によって、調整することができ、具体的には、上記した熱プレス(図2(a))の温度、圧力および/または時間を上記範囲内に設定することにより、調整することができる。
熱伝導性層2における空隙率Pは、例えば、30体積%以下であり、好ましくは、10体積%以下である。
上記した空隙率Pは、例えば、まず、熱伝導性層2を厚み方向に沿ってクロスセクションポリッシャー(CP)により切断加工して、それにより現れる断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で、200倍で観察して、像を得、得られた像から、空隙部分と、それ以外の部分とを二値化処理し、次いで、熱伝導性層2全体の断面積に対する空隙部分の面積比を算出することにより測定される。
なお、熱伝導性層2において、硬化後の空隙率P2は、硬化前の空隙率P1に対して、例えば、100%以下、好ましくは、50%以下である。
空隙率P(P1)の測定には、樹脂成分5が熱硬化性樹脂成分である場合に、熱硬化前の熱伝導性層2が用いられる。
熱伝導性層2の空隙率Pが上記した範囲内にあれば、熱伝導性層2の段差追従性(後述)を向上させることができる。
また、熱伝導性層2は、JIS K 5600−5−1の円筒形マンドレル法に準拠する耐屈曲性試験において、下記の試験条件で評価したときに、好ましくは、破断が観察されない。
試験条件
試験装置:タイプI
マンドレル:直径10mm
屈曲角度:90度以上
熱伝導性層2の厚み:0.3mm
さらに好ましくは、熱伝導性層2は、上記した試験条件において、屈曲角度を180度に設定したときでも、破断が観察されない。
なお、樹脂成分5が熱硬化性樹脂成分である場合には、屈曲性試験に供される熱伝導性層2は、半硬化(Bステージ状態)の熱伝導性層2)である。
上記した屈曲角度での耐屈曲性試験において熱伝導性層2に破断が観察される場合には、熱伝導性層2に優れた柔軟性を付与することができない場合がある。
また、この熱伝導性層2は、JIS K 7171(2008年)に準拠する3点曲げ試験において、下記の試験条件で評価したときに、例えば、破断が観察されない。
試験条件
試験片:サイズ20mm×15mm
支点間距離:5mm
試験速度:20mm/min(圧子の押下速度)
曲げ角度:120度
評価方法:上記試験条件で試験したときの、試験片の中央部におけるクラックなどの破断の有無を目視にて観察する。
なお、3点曲げ試験には、樹脂成分5が熱硬化性樹脂成分である場合に、熱硬化前の熱伝導性層2が用いられる。
従って、この熱伝導性層2は、上記した3点曲げ試験において破断が観察されないことから、段差追従性が優れている。なお、段差追従性とは、熱伝導性層2を、段差のある設置対象(例えば、後述する実装基板7。図4参照。)に設けるときに、その段差(例えば、後述する電子部品8によって形成される段差。図4参照。)に沿って密着するように追従する特性である。
また、熱伝導性層2には、例えば、文字、記号などのマークを付着させることができる。つまり、熱伝導性層2は、マーク付着性に優れている。マーク付着性とは、上記したマークを熱伝導性層2に確実に付着させることができる特性である。
マークは、具体的には、印刷、または、刻印などによって熱伝導性層2に付着(塗布、定着または固着)される。
印刷として、例えば、インクジェット印刷、凸版印刷、凹版印刷、レーザー印刷などが挙げられる。
なお、インクジェット印刷、凸版印刷または凹版印刷によって、マークが印刷される場合には、例えば、マークの定着性を向上させるためのインク定着層を、熱伝導性層2の表面(印刷側面、接着・粘着層3に対する反対側面。)に設けることができる。
また、レーザー印刷によって、マークが印刷される場合には、例えば、マークの定着性を向上させるためのトナー定着層を、熱伝導性層2の表面(印刷側面、接着・粘着層3に対する反対側面。)に設けることができる。
刻印としては、例えば、レーザー刻印、打刻などが挙げられる。
接着・粘着層3は、図1に示すように、熱伝導性層2の下面全面に形成されている。
接着・粘着層3は、常温雰囲気および加熱雰囲気において、柔軟性、かつ、接着性または粘着性(タック性)を有しており、加熱、または、加熱後の冷却により、接着作用を発現できる接着剤、または、粘着作用を発現できる粘着剤からなる。接着剤として、例えば、熱硬化型接着剤、ホットメルト型接着剤などが挙げられる。
熱硬化型接着剤は、加熱により熱硬化して固化することにより、被着体に接着する。熱硬化型接着剤としては、例えば、エポキシ系熱硬化型接着剤、ウレタン系熱硬化型接着剤、アクリル系熱硬化型接着剤などが挙げられる。好ましくは、エポキシ系熱硬化型接着剤が挙げられる。
熱硬化型接着剤の硬化温度は、例えば、100〜200℃である。
ホットメルト型接着剤は、加熱により溶融または軟化して、被着体に熱融着し、その後の冷却によって、固化することにより、被着体に接着する。ホットメルト型接着剤としては、例えば、ゴム系ホットメルト型接着剤、ポリエステル系ホットメルト型接着剤、オレフィン系ホットメルト型接着剤などが挙げられる。好ましくは、ゴム系ホットメルト型接着剤が挙げられる。
ホットメルト型接着剤の軟化温度(環球法)は、例えば、100〜200℃である。また、ホットメルト型接着剤の溶融粘度は、180℃で、例えば、100〜30,000mPa・sである。
また、上記した接着剤に、必要により、例えば、熱伝導性粒子を含有させることもできる。
熱伝導性粒子としては、例えば、熱伝導性無機粒子、熱伝導性有機粒子が挙げられ、好ましくは、熱伝導性無機粒子が挙げられる。
熱伝導性無機粒子としては、例えば、窒化ホウ素粒子、窒化アルミニウム粒子、窒化ケイ素粒子、窒化ガリウム粒子などの窒化物粒子、例えば、水酸化アルミニウム粒子、水酸化マグネシウム粒子などの水酸化物粒子、例えば、酸化ケイ素粒子、酸化アルミニウム粒子、酸化チタン粒子、酸化亜鉛粒子、酸化錫粒子、酸化銅粒子、酸化ニッケル粒子などの酸化物粒子、例えば、炭化ケイ素粒子などの炭化物粒子、例えば、炭酸カルシウム粒子などの炭酸塩粒子、例えば、チタン酸バリウム粒子、チタン酸カリウム粒子などのチタン酸塩粒子などの金属酸塩粒子、例えば、銅粒子、銀粒子、金粒子、ニッケル粒子、アルミニウム粒子、白金粒子などの金属粒子などが挙げられる。
これら熱伝導性粒子は、単独使用または2種以上併用することができる。
熱伝導性粒子の形状としては、例えば、バルク状、針状、板状、層状、チューブ状などが挙げられる。熱伝導性粒子の平均粒子径は、例えば、0.1〜1000μmである。
また、熱伝導性粒子は、例えば、異方的熱伝導性または等方的熱伝導性を有している。好ましくは、等方的熱伝導性を有している。
熱伝導性粒子の熱伝導率は、例えば、1W/m・K以上、好ましくは、2W/m・K以上、さらに好ましくは、3W/m・K以上であり、通常、1000W/m・K以下である。
熱伝導性粒子の配合割合は、接着剤100質量部に対して、例えば、0.01〜10質量部である。
熱伝導性粒子を接着剤に配合する場合には、熱伝導性粒子を接着剤に上記した配合割合で加えて、攪拌混合する。
これにより、接着剤を、熱伝導性接着剤して調製する。
熱伝導性接着剤の熱伝導率は、例えば、0.01W/m・K以上、通常、100W/m・K以下である。
また、粘着剤としては、例えば、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが挙げられる。また、粘着剤に、上記した熱伝導性粒子を上記と同様の割合で含有させて、粘着剤を熱伝導性粘着剤として調製することもできる。熱伝導性粘着剤の熱伝導率は、上記と同様である。
接着・粘着層3の厚みは、例えば、10〜500μm、好ましくは、20〜200μmである。
そして、熱伝導性接着シート1を得るには、まず、上記した熱伝導性層2を用意し、次いで、接着・粘着層3を、熱伝導性層2の表面に積層する。
接着剤(具体的には、熱硬化型接着剤)または粘着剤に上記した溶媒を配合して溶解させることによりワニスを調製し、かかるワニスをセパレータの表面に塗布し、その後、常圧乾燥または真空(減圧)乾燥により、ワニスの有機溶媒を留去させる。なお、ワニスの固形分濃度は、例えば、10〜90質量%である。
その後、接着・粘着層3を、熱伝導性層2に貼り合わせる。接着・粘着層3と熱伝導性層2とを貼り合わせる際に、必要に応じて、圧着または熱圧着する。
次に、熱伝導性接着シート1を電子部品8および実装基板7に接着させる方法について、図4を用いて説明する。
まず、この方法では、図4(a)に示すように、熱伝導性接着シート1および実装基板7をそれぞれ用意する。
実装基板7は、その表面(上面)に、電子部品8を実装している。
電子部品8は、例えば、IC(集積回路)チップ9、コンデンサ10、コイル11および/または抵抗器12を含んでいる。なお、図4において図示しないが、電子部品8は、例えば、上記の他に、例えば、発光ダイオードなどを含むこともできる。電子部品8は、実装基板7において、面方向(実装基板7の面方向)に互いに間隔を隔てて配置されている。
次いで、この方法では、図4(b)に示すように、熱伝導性接着シート1を電子部品8および実装基板7に熱圧着する。
具体的には、まず、熱伝導性接着シート1と実装基板7とを、接着・粘着層3が電子部品8に対向するように、配置して、次いで、それらを互いに接触させて、熱伝導性接着シート1を加熱しつつ、熱伝導性接着シート1を実装基板7に向けて圧着(押圧、熱圧着)する。
圧着は、例えば、シリコーン樹脂などの樹脂からなるスポンジロールを、熱伝導性接着シート1に対して押圧させながら、熱伝導性接着シート1の裏面(熱伝導性層2の上面)を転動させる。
加熱温度は、例えば、40〜120℃である。
この熱圧着では、接着・粘着層3の柔軟性がより向上するので、実装基板7の表面(上面)から表側(上側)に突出する電子部品8が接着・粘着層3を突き破り、電子部品8の表面(上面)が熱伝導性層2の表面(下面)に接触する。また、電子部品8の周囲に形成される隙間(例えば、抵抗器12と実装基板7との間の隙間)14が、接着・粘着層3によって充填される。さらに、電子部品8(具体的には、ICチップ9および抵抗器12)と、実装基板7とを接続するための図示しない端子および/またはワイヤ15には、接着・粘着層3が絡まり被覆する。
詳しくは、電子部品8の上面(および側面の上部)は、熱伝導性層2に被覆されている。
一方、電子部品8の側面(下部の側面)は、電子部品8に突き破られた接着・粘着層3に被覆(接着または粘着)されている。
より具体的には、熱圧着では、樹脂成分5が熱硬化性樹脂成分である場合には、樹脂成分5がBステージ状態となるので、熱伝導性層2は、電子部品8から露出する実装基板7の表面(上面)に粘着する。さらに、電子部品8の厚みが接着・粘着層3の厚みより厚い場合には、熱伝導性層2には、電子部品8の上部が、熱伝導性層2の表面から内部に向かって進入する。
また、接着剤がホットメルト型接着剤である場合には、上記した熱圧着により、接着・粘着層3は、溶融または軟化して、実装基板7の表面および電子部品8の側面に熱融着する。次いで、熱伝導性接着シート1を常温で放置して冷却することにより、接着・粘着層3が実装基板7の表面および電子部品8の側面に接着する。
一方、接着・粘着層3における接着剤層が熱硬化型接着剤である場合には、上記した熱圧着により、接着剤がBステージ状態となり、熱伝導性接着シート1は実装基板7および電子部品8を仮固定し、次いで、熱伝導性接着シート1をさらに加熱することにより、接着・粘着層3が熱硬化して、実装基板7の表面および電子部品8の側面に接着する。
接着・粘着層3を熱硬化させるには、熱プレスまたは乾燥機が用いられる。好ましくは、乾燥機が用いられる。かかる熱硬化の条件は、加熱温度が、例えば、100〜250℃、好ましくは、120〜200℃であり、加熱時間が、例えば、10〜200分間、好ましくは、60〜150分間である。
また、熱伝導性層2における樹脂成分5が熱硬化性樹脂成分である場合には、接着・粘着層3の熱融着および/または熱硬化と同時に、未硬化状態の熱伝導性層2を熱硬化させる。
そして、上記した熱伝導性接着シート1は、面方向SDの熱伝導性に優れながら、接着性または粘着性にも優れている。
そのため、この熱伝導性接着シート1は、実装基板7および電子部品8に対して優れた接着性または粘着性で接着または粘着できながら、電子部品8の熱を面方向SDに沿って放熱させることができる。
とりわけ、実装基板7および電子部品8に、長期間にわたって、振動、繰り返し応力および/または熱サイクル(加熱および冷却の繰り返し工程)がかかる場合にも、上記した耐久性に必要とされる実装基板7および電子部品8の接着および放熱に、熱伝導性接着シート1を用いることができる。
さらに、上記した熱伝導性接着シート1は、接着・粘着層3が熱伝導性層2の表面全面に形成されており、電子部品8が接着・粘着層3を突き破るので、熱伝導性接着シート1を、電子部品8に対して正確に位置決めする必要がなく、熱伝導性接着シート1が実装基板7に対向配置した後、熱圧着すればよいので、熱伝導性接着シート1を電子部品8に簡便に接着または粘着させることができる。
なお、接着・粘着層3が熱伝導性層2の表面全面に形成される場合には、接着・粘着層3を、好ましくは、熱伝導性接着剤または熱伝導性粘着剤から形成する。
図5は、本発明の熱伝導性接着シートの他の実施形態(接着・粘着層に開口部が形成される態様)の断面図、図6は、図5に示す熱伝導性接着シートを電子部品および実装基板に接着または粘着させる方法を説明するための工程図を示す。
なお、以降の各図面において、上記した各部に対応する部材については、同一の参照符号を付し、その詳細な説明を省略する。
上記した図1および図4(a)の説明では、接着・粘着層3を、熱伝導性層2の表面全面に形成しているが、例えば、図5および図6(a)に示すように、熱伝導性層2の表面の一部に形成することもできる。
図5において、接着・粘着層3には、厚み方向を貫通する開口部13が形成されている。
開口部13は、接着・粘着層3において、電子部品8と同一パターンで開口されている。つまり、各開口部13は、実装基板7と対向配置して、厚み方向に投影したときに、各電子部品8と同一の外形形状に形成されている。すなわち、開口部13は、後述する熱伝導性接着シート1の実装基板7に対する圧着において、電子部品8と嵌合するパターンで形成されている。
また、接着・粘着層3は、好ましくは、熱伝導性粒子を含有しない接着剤または粘着剤から形成されている。
接着剤層3を熱伝導性層2の表面に積層するには、接着・粘着剤を、開口部13と同一パターンを有するマスク(図示せず)を介して、熱伝導性層2の表面に塗布または熱圧着し、その後、マスクを引き上げる。マスクは、例えば、ステンレスなどの金属材料からから形成され、裏面(熱伝導性層2に対向する面)が、必要により、シリコーン系化合物によって、離型処理されている。マスクの厚みは、例えば、10〜1000μmである。
開口部13を有する接着・粘着層3を備える熱伝導性接着シート1を実装基板7および電子部品8に接着または粘着するには、まず、図6(a)に示すように、熱伝導性接着シート1および実装基板7をそれぞれ用意し、次いで、図6(b)に示すように、熱伝導性接着シート1を実装基板7に熱圧着する。
熱伝導性接着シート1の熱圧着では、熱伝導性接着シート1を、厚み方向に投影したときに、電子部品8と接着剤層3の開口部13とが同一位置となるように、電子部品8に対して位置決めした後、熱伝導性接着シート1を加熱しながら、電子部品8が開口部13に嵌合するように、電子部品8を接着・粘着層3の開口部13内に充填および収容する。
そのため、熱伝導性層2が、電子部品8の上面(および上部の側面)に確実に接触して、直接接着または粘着できる。
その結果、電子部品8の熱を面方向SDに沿って確実に放熱させることができる。
なお、上記した説明では、接着・粘着層3に、厚み方向を貫通する開口部13を形成しているが、例えば、開口部13に代えて、図示しないが、電子部品8の厚みに対応するように、接着・粘着層3の表面から内部に向かって窪む凹部を形成することもできる。
また、上記した説明では、接着・粘着層3を、熱伝導性層2の片面に積層しているが、例えば、図1の仮想線および図5の仮想線で示すように、熱伝導性接着シート1の両面(上面および下面)に形成することもできる。
また、上記した説明では、接着・粘着層3を、熱伝導性層2の両面全面に積層し(図1の仮想線)、あるいは、熱伝導性層2の両面の一部に積層している(図5の仮想線)が、例えば、図5の実線および破線で示すように、接着・粘着層3を、熱伝導性層2の上面全面(破線、一方面全面)に形成するとともに、熱伝導性層2の下面の一部(実線、他方面の一部)に形成することもできる。
以下に調製例および実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、何らそれらに限定されない。
(熱伝導性層の調製)
調製例1
PT−110(商品名、板状の窒化ホウ素粒子、平均粒子径(光散乱法)45μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製)13.42gと、JER828(商品名、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、第1エポキシ樹脂、液状、エポキシ当量184〜194g/eqiv.、軟化温度(環球法)25℃未満、溶融粘度(80℃)70mPa・s、ジャパンエポキシレジン社製)1.0g、および、EPPN−501HY(商品名、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、第2エポキシ樹脂、固形状、エポキシ当量163〜175g/eqiv.、軟化温度(環球法)57〜63℃、日本化薬社製)2.0gと、硬化剤(キュアゾール2P4MHZ−PW(商品名、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、四国化成社製)の5質量%メチルエチルケトン分散液)3g(固形分0.15g)(エポキシ樹脂であるJER828およびEPPN−501HYの総量に対して5質量%)とを配合して攪拌し、室温(23℃)で1晩放置して、メチルエチルケトン(硬化剤の分散媒)を揮発させて、半固形状の混合物を調製した。
なお、上記の配合において、硬化剤を除く固形分(つまり、窒化ホウ素粒子と、エポキシ樹脂との固形分)の総体積に対する窒化ホウ素粒子の体積百分率(体積%)は、70体積%であった。
次いで、得られた混合物をシリコーン処理した2枚の離型フィルムで挟み込み、それらを真空加熱プレス機によって、80℃、10Paの雰囲気(真空雰囲気)下、5トンの荷重(20MPa)で、2分間、熱プレスすることにより、厚み0.3mmのプレスシートを得た(図2(a)参照)。
その後、得られたプレスシートを、プレスシートの厚み方向に投影したときに、複数個に分割されるように切断することにより分割シートを得(図2(b)参照)、続いて、分割シートを厚み方向に積層して積層シートを得た(図2(c)参照)。
続いて、得られた積層シートを、上記と同様の真空加熱プレス機によって、上記と同様の条件で熱プレスした(図2(a)参照)。
次いで、上記した切断、積層および熱プレスの一連の操作(図2参照)を、4回繰り返して、厚み0.3mmの熱伝導性層(未硬化状態)を得た(図3参照)。
調製例2〜16
表1〜表3の配合処方および製造条件に準拠して、実施例1と同様に処理して、熱伝導性層(未硬化状態)を得た。
(熱伝導性接着シートの作製)
実施例1
エポキシ系熱硬化型接着剤のワニス(溶媒:MEK、固形分濃度:50質量%、フィラーレスタイプ)を、セパレータの表面に、乾燥時の厚みが25μmとなるように、塗布した。次いで、真空乾燥により、MEKを留去させることにより、接着剤層を形成した。
次いで、接着剤層を、調製例1の熱伝導性層に圧着させて、これにより、熱伝導性接着シートを作製した(図3参照)。
実施例2〜16
調製例1の熱伝導性層に代えて、表4に記載の調製例2〜16の熱伝導性層をそれぞれ用いた以外は、実施例1と同様に処理して、熱伝導性接着シートを作製した(図3参照)。
実施例17
実施例1の熱伝導性層の上に、次の評価で詳述する電子部品(ICチップ、コンデンサ、コイルおよび抵抗器)と同一パターンのステンレス製メタルマスク(厚み100μm、裏面にシリコーン離型処理済。)を介して、ゴム系ホットメルト型接着剤(商品名:HM409、軟化温度110℃、溶融粘度(180℃)1200mPa・s、セメダイン社製)を積層し、その後、メタルマスクを引き上げることにより、開口部が形成された、厚み100μmの接着剤層を形成した
これにより、熱伝導性接着シートを作製した(図5参照)。
実施例18〜32
調製例1の熱伝導性層に代えて、表4に記載の調製例2〜16の熱伝導性層をそれぞれ用いた以外は、実施例17と同様に処理して、熱伝導性接着シートを作製した(図5参照)。
(熱伝導性接着シートおよび実装基板の接着)
A.実施例1〜16の熱伝導性接着シートおよび実装基板の接着
電子部品(ICチップ、コンデンサ、コイルおよび抵抗器)が実装された実装基板を用意した(図4(a)参照)。
次いで、実施例1〜16の熱伝導性接着シートを、電子部品および実装基板に、シリコーン樹脂からなるスポンジロールを用いて80℃でそれぞれ熱圧着して仮固定した。熱圧着では、電子部品が接着剤層を突き破り、熱伝導性層に接触した。
その後、150℃で、120分間加熱することにより、熱伝導性層および接着剤層の両方を熱硬化させて、熱伝導性接着シートを電子部品および実装基板に接着した(図4(b)参照)。
熱硬化では、熱伝導性層が電子部品の表面に接着し、接着剤層が実装基板の表面および電子部品の側面に接着した。
B.実施例17〜32の熱伝導性接着シートおよび実装基板の接着
電子部品(ICチップ、コンデンサ、コイルおよび抵抗器)が実装された実装基板を用意した(図6(a)参照)。
次いで、実施例17〜32の熱伝導性接着シートを、厚み方向において、電子部品と接着剤層の開口部とが同一位置となるように、電子部品に対して位置決めした後、電子部品を開口部に嵌合させて、熱伝導性接着シートを実装基板に、120℃で、それぞれ熱圧着した。
この熱圧着によって、接着剤層は、溶融して、実装基板の表面および電子部品の側面に熱融着するとともに、熱伝導性層は、熱硬化して固化し、電子部品の表面に接着した。その後、室温で放置して冷却することにより、接着剤は、固化して、実装基板の表面および電子部品の側面に接着した。
これにより、熱伝導性接着シートを実装基板に接着した(図6(b)参照)。
(評価)
1.熱伝導率
調製例1〜16により得られた熱伝導性層について、熱伝導率を測定した。
すなわち、面方向(SD)における熱伝導率を、キセノンフラッシュアナライザー「LFA−447型」(NETZSCH社製)を用いるパルス加熱法により測定した。
その結果を表1〜表3に示す。
2.接着性
実施例1〜32により得られた熱伝導性接着シートを、実装基板から剥離しようと試みた。その結果、いずれの熱伝導性接着シートについても、凝集破壊(つまり、接着剤層の破壊)が発生した。
従って、実施例1〜32の熱伝導性接着シートの接着性または粘着性が優れていることが確認された。
3.空隙率(P)
調製例1〜16の熱硬化前の熱伝導性層の空隙率(P1)を下記の測定方法により測定した。
空隙率の測定方法:まず、熱伝導性シートを厚み方向に沿ってクロスセクションポリッシャー(CP)により切断加工して、それにより現れる断面を、走査型電子顕微鏡(SEM)で、200倍で観察して、像を得た。その後、得られた像から、空隙部分と、それ以外の部分とを二値化処理し、次いで、熱伝導性シート全体の断面積に対する空隙部分の面積比を算出した。 その結果を、表1〜表3に示す。
4.段差追従性(3点曲げ試験)
調製例1〜16の熱硬化前の熱伝導性層について、下記試験条件における3点曲げ試験を、JIS K7171(2008年)に準拠して、実施することにより、段差追従性を下記の評価基準に従って評価した。その結果を表1〜表3に示す。
試験条件
試験片:サイズ20mm×15mm
支点間距離:5mm
試験速度:20mm/min(圧子の押下速度)
曲げ角度:120度
(評価基準)
◎:破断が全く観察されなかった。
○:破断がほとんど観察されなかった。
×:破断が明確に観察された。
5.印刷マーク視認性(印刷マーク付着性:インクジェット印刷またはレーザー印刷によるマーク付着性)
調製例1〜16の熱伝導性層に、インクジェット印刷およびレーザー印刷によって、マークを印刷し、かかるマークを観察した。
その結果、調製例1〜16の熱伝導性層のいずれについても、インクジェット印刷およびレーザー印刷の両方によるマークを良好に視認することができ、印刷マーク付着性が良好であることを確認した。
Figure 2012036366
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表1〜表3における各成分中の数値は、特段の記載がない場合には、g数を示す。
なお、表1〜表3の窒化ホウ素粒子の欄において、上段の数値は、窒化ホウ素粒子の配合重量(g)であり、中段の数値は、熱伝導性層において硬化剤を除く固形分(つまり、窒化ホウ素粒子と、エポキシ樹脂またはポリエチレンとの固形分)の総体積に対する窒化ホウ素粒子の体積百分率(体積%)であり、下段の数値は、熱伝導性層の固形分(つまり、窒化ホウ素粒子と、エポキシ樹脂および硬化剤との固形分)の総体積に対する窒化ホウ素粒子の体積百分率(体積%)である。
また、表1〜表3の各成分中、※印を付した成分について、以下にその詳細を記載する。
PT−110※1:商品名、板状の窒化ホウ素粒子、平均粒子径(光散乱法)45μm、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン社製
UHP−1※2:商品名:ショービーエヌUHP−1、板状の窒化ホウ素粒子、平均粒子径(光散乱法)9μm、昭和電工社製
エポキシ樹脂A※3:オグソールEG(商品名)、ビスアリールフルオレン型エポキシ樹脂、半固形状、エポキシ当量294g/eqiv.、軟化温度(環球法)47℃、溶融粘度(80℃)1360mPa・s、大阪ガスケミカル社製
エポキシ樹脂B※4:JER828(商品名)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、液状、エポキシ当量184〜194g/eqiv.、軟化温度(環球法)25℃未満、溶融粘度(80℃)70mPa・s、ジャパンエポキシレジン社製
エポキシ樹脂C※5:JER1002(商品名)、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、固形状、エポキシ当量600〜700g/eqiv.、軟化温度(環球法)78℃、溶融粘度(80℃)10000mPa・s以上(測定限界以上)、ジャパンエポキシレジン社製
エポキシ樹脂D※6:EPPN−501HY(商品名)、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、固形状、エポキシ当量163〜175g/eqiv.、軟化温度(環球法)57〜63℃、日本化薬社製
硬化剤※7:キュアゾール2PZ(商品名、四国化成社製)の5質量%メチルエチルケトン溶液
硬化剤※8:キュアゾール2P4MHZ−PW(商品名、四国化成社製)の5質量%メチルエチルケトン分散液
ポリエチレン※9:低密度ポリエチレン、重量平均分子量(Mw)4000、数平均分子量(Mn)1700、Aldrich社製
1 熱伝導性接着シート
2 熱伝導性層
3 接着・粘着層
4 窒化ホウ素粒子
TD 厚み方向
SD 面方向(直交方向)

Claims (1)

  1. 板状の窒化ホウ素粒子を含有する熱伝導性層であって、前記熱伝導性層の厚み方向に対する直交方向の熱伝導率が、4W/m・K以上である熱伝導性層と、
    前記熱伝導性層の少なくとも一方面に積層される接着剤層または粘着剤層と
    を備えることを特徴とする、熱伝導性接着シート。
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