JP2012034816A - 除湿加温装置とそれを用いた衣類乾燥機 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡単な構成で除湿水の排水異常を検知し、除湿水が溢れるのを防止する。
【解決手段】結露水を受けるドレンパン13と、圧縮機2から吐出する冷媒の温度を測定する第1の冷媒温度測定装置10と、放熱器3内の凝縮温度を測定する第2の冷媒温度測定装置12と、第1の冷媒温度測定装置10および第2の冷媒温度測定装置12により測定した温度情報によって圧縮機2の運転を制御する制御装置9とを備え、第1の温度測定部8をドレンパン13の溢水線より重力方向側のドレンパン13内に設置するとともに、運転の開始時に第2の冷媒温度測定装置12で測定した温度が所定の温度に上昇しているとき、第1の冷媒温度測定装置10で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇停止、または温度の低下のいずれかを検知すると、圧縮機2の運転を停止するようにしたものである。
【選択図】図2
【解決手段】結露水を受けるドレンパン13と、圧縮機2から吐出する冷媒の温度を測定する第1の冷媒温度測定装置10と、放熱器3内の凝縮温度を測定する第2の冷媒温度測定装置12と、第1の冷媒温度測定装置10および第2の冷媒温度測定装置12により測定した温度情報によって圧縮機2の運転を制御する制御装置9とを備え、第1の温度測定部8をドレンパン13の溢水線より重力方向側のドレンパン13内に設置するとともに、運転の開始時に第2の冷媒温度測定装置12で測定した温度が所定の温度に上昇しているとき、第1の冷媒温度測定装置10で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇停止、または温度の低下のいずれかを検知すると、圧縮機2の運転を停止するようにしたものである。
【選択図】図2
Description
本発明は、ヒートポンプ装置を用いた除湿加温装置と、それを用いた衣類の乾燥を行う衣類乾燥機に関するものである。
従来、この種の除湿加温装置51は、図10〜図12に示すように、筐体52内に圧縮機53、放熱器54、吸熱器55および絞り手段56とからなるヒートポンプ装置57を備えている。圧縮機53と放熱器54とを繋ぐ配管58に、圧縮機53から吐出する冷媒の温度を測定するための温度測定部59を設置している。吸熱器55の下方には、吸熱器55で除湿された除湿水を受けるドレンパン60が設けてあり、このドレンパン60に集められた除湿水を排水する排水口61と、除湿水を検知する水位センサー62が設けられている。
ヒートポンプ装置57の動作は、圧縮機53で高温高圧に圧縮された冷媒が配管58を通って放熱器54に入り、送風機(図示せず)で送風された空気と熱交換して空気が加温され、冷媒は冷却されて液化する。液化した高圧冷媒は絞り手段56に入り減圧されて、低温低圧の液冷媒となり吸熱器55に入る。送風機で送風された空気と熱交換して空気は冷却除湿され、冷媒は加熱され、蒸気冷媒となって圧縮機53に戻る。
圧縮機53の冷媒吐出温度が規定値を超えると、圧縮機53内にある潤滑油の劣化が激しくなるため、圧縮機53から吐出される冷媒の温度を温度測定部59により測定し、冷媒吐出温度が規定値以上になると圧縮機53を停止する安全対策が施されている。
また、吸熱器55で除湿された除湿水は、重力によって吸熱器55の下方に設けたドレンパン60に滴下し、排水口61から除湿加温装置51外に排出される。ドレンパン60には、排水口61が異物によって目詰まりしたとき等、ドレンパン60に溜まる除湿水の水位の上昇を検知する水位センサー62が設けてあり、除湿水がドレンパン60から溢れるのを防止している。
一方、空気の流れについて説明すると、送風機によって空気口63から除湿加温装置51に送り込まれた空気は、まず、吸熱器55に入って冷却され、吸熱器55の温度が空気の飽和温度以下になると吸熱器55の表面に結露し、除湿される。その後、放熱器54に入って加熱され、高温低湿の空気となって排気口64から除湿加温装置51を出る。
近年、省エネルギの観点から、衣類乾燥機にヒータに代えて、このようなヒートポンプ装置を用いた除湿加温装置が用いられるようになっている(例えば、特許文献1参照)。
また、ヒートポンプ装置を用いた洗濯乾燥機において、除湿水の水位をサーミスタで検知することが考えられている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、前記従来の構成では、ドレンパン60の除湿水を検知するために水位センサー62を設けているため、水位センサー62を設置するためのスペースが必要で装置が大型化するとともに、構成が複雑で高価になるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、簡単な構成で除湿水の排水異常を検知し、除湿水が溢れるのを防止することができる除湿加温装置を提供することを目的とする。
前記従来の課題を解決するために、本発明の除湿加温装置は、ヒートポンプ装置の吸熱器で空気と熱交換して生じる結露水を受けるドレンパンと、圧縮機と放熱器を連結する配管に設けた第1の温度測定部によって冷媒の温度を測定する第1の冷媒温度測定装置と、前記放熱器内の凝縮温度を第2の温度測定部によって測定する第2の冷媒温度測定装置と、前記第1および第2の冷媒温度測定装置により測定した温度情報によって前記圧縮機の運転を制御する制御装置とを備え、前記第1の温度測定部を前記ドレンパンの溢水線より重力方向側の前記ドレンパン内に設置するとともに、前記制御装置は、運転の開始時に前記第2の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の温度に上昇しているとき、前記第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇停止、または温度の低下のいずれかを検知すると、前記圧縮機の運転を停止するようにしたものである。
これによって、運転の開始時に、排水不良等により結露水がドレンパン内に溜まり、凝縮温度よりも高い圧縮機からの吐出冷媒温度を測定する第1の冷媒温度測定装置の第1の温度測定部が結露水と接触すると、結露水の温度は冷媒の温度よりも大幅に低いため、測定温度が急激に低下する。このとき、第2の冷媒温度測定装置により測定される温度が正常に上昇していれば、ヒートポンプサイクルの動作変動により第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が変化したのではなく、ドレンパン内の水位異常と判断することができ、専用の水位センサーを設けることなく、排水異常であることを検知することができるとともに、圧縮機の運転を停止することにより除湿の進行を停止し、運転中の結露水の溢水を防止することができる。
本発明の除湿加温装置は、運転の開始時に、簡単な構成で除湿水の排水異常を検知することができ、運転中に除湿水がドレンパンから溢れるのを防止することができる。
第1の発明は、圧縮機、放熱器、絞り手段、および吸熱器を冷媒が循環する配管により連結したヒートポンプ装置と、空気流入口から前記吸熱器および前記放熱器を通って空気流出口へ流れる風回路と、前記吸熱器で空気と熱交換して生じる結露水を受けるドレンパンと、前記圧縮機と前記放熱器を連結する配管に設けた第1の温度測定部によって冷媒の温度を測定する第1の冷媒温度測定装置と、前記放熱器内の凝縮温度を第2の温度測定部によって測定する第2の冷媒温度測定装置と、前記第1および第2の冷媒温度測定装置により測定した温度情報によって前記圧縮機の運転を制御する制御装置とを備え、前記第1の温度測定部を前記ドレンパンの溢水線より重力方向側の前記ドレンパン内に設置するとともに、前記制御装置は、運転の開始時に前記第2の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の温度に上昇しているとき、前記第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇停止、または温度の低下のいずれかを検知すると、前記圧縮機の運転を停止するようにしたことにより、運転の開始時に排水不良等により結露水がドレンパン内に溜まり、凝縮温度よりも高い圧縮機からの吐出冷媒温度を測定する第1の冷媒温度測定装置の第1の温度測定部が結露水と接触すると、結露水の温度は冷媒の温度よりも大幅に低いため、測定温度が急激に低下する。このとき、第2の冷媒温度測定装置により測定される温度が正常に上昇していれば、ヒートポンプサイクルの動作変動により第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が変化したのではなく、ドレンパン内の水位異常と判断することができ、専用の水位センサーを設けることなく、排水異常であることを検知することができるとともに、圧縮機の運転を停止することにより除湿の進行を停止し、運転中の結露水の溢水を防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明の制御装置は、第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇が停止、または温度の低下を検知すると、圧縮機の回転数を所定時間低下させ、前記第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が、再び上昇しなければ、前記圧縮機の運転を停止するようにしたことにより、完全な排水不良でない場合、例えば、ドレンパンの排水口がリント等の堆積によって狭くなっている状態では、結露水の排水量が減少し、排水量以上の結露水が生成されると水位が上昇する。したがって、圧縮機の運転回転数を低下させて除湿能力を低減し、結露量を減少させて運転することにより、結露水がドレンパンから溢れることなく、運転を継続することができる。そして、圧縮機の運転回転数を所定時間低下させても、再び上昇しなければ、完全な排水不良であると判断し、圧縮機の運転を停止することで溢水を防止することができる。
第3の発明は、第1〜第3のいずれか1つの発明の除湿加温装置を搭載した衣類乾燥機であり、水位センサーを設けることなく、簡単な構成で排水異常を検知することができる衣類乾燥機を提供することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における除湿加温装置の上面図、図2は、同除湿加温装置のブロック図、図3は、図1のB−B断面図である。
図1は、本発明の第1の実施の形態における除湿加温装置の上面図、図2は、同除湿加温装置のブロック図、図3は、図1のB−B断面図である。
図1〜図3において、筐体1内に圧縮機2、放熱器3、絞り手段4および吸熱器5と、これらを冷媒が循環する配管6で繋いだヒートポンプ装置7が設置されている。圧縮機2と放熱器3とを繋ぐ配管6に、圧縮機2から吐出する冷媒の温度を測定する第1の温度測定部8を設けてあり、この第1の温度測定部8で測定した冷媒の温度は、圧縮機2の動作を制御する制御装置9の第1の冷媒温度測定装置10に入力される。
また、放熱器3内に冷媒の凝縮温度を測定する第2の温度測定部11を設けてあり、こ
の第2の温度測定部11で測定した冷媒の温度は、制御装置9の第2の冷媒温度測定装置12に入力される。
の第2の温度測定部11で測定した冷媒の温度は、制御装置9の第2の冷媒温度測定装置12に入力される。
吸熱器5の下方には、吸熱器5で除湿された除湿水を受けるドレンパン13が設けてあり、このドレンパン13に集められた除湿水を排水する排水口14を設けている。配管6は、圧縮機2と放熱器3とを繋ぐ部分の一部をドレンパン13内の底部に近接配置し、サーミスタ等で構成した第1の温度測定部8は、ドレンパン13から除湿水が溢れないように設定された溢水線Wより重力方向下側に、少なくともその一部または全部が位置するように配管6に取り付けられている。
ヒートポンプ装置7の基本的な動作は従来と同様であり、説明は簡略におこなう。圧縮機2で高温高圧に圧縮された冷媒は、配管6を通り第1の温度測定部8が取り付けられている部分を通って放熱器3に入る。放熱器3で送風機(図示せず)で送風された空気と熱交換して空気が加温され、冷媒は冷却されて液化する。液化した高圧冷媒は絞り手段4に入り、減圧されて低温低圧の液冷媒となり吸熱器5に入る。吸熱器5で送風機によって送風された空気と熱交換して空気は冷却除湿され、冷媒は加熱されて蒸気冷媒となり圧縮機2に戻る。
圧縮機2の冷媒吐出温度が規定値を超えると、圧縮機2内にある潤滑油の劣化が激しくなるため、圧縮機2から吐出される冷媒温度を第1の温度測定部8により測定し、冷媒吐出温度が規定値以上になると制御装置9によって圧縮機2の動作を停止するようにしている。
ヒートポンプサイクルでは、圧縮機2から吐出される冷媒の吐出温度は、凝縮温度より高い関係にあり、第1の冷媒温度すなわち冷媒の吐出温度(例えば、80℃〜100℃)は第1の温度測定部8で測定し、第2の冷媒温度すなわち冷媒の凝縮温度(例えば、60℃〜70℃)は第2の温度測定部11で測定している。
第1の冷媒温度(冷媒の吐出温度)と第2の冷媒温度(冷媒の凝縮温度)は、圧縮機2の動作に連動して所定の範囲内で制御される。すなわち、図4に示すように、第1の温度測定部8で測定する第1の冷媒温度は、第1の所定範囲内に制御され、第2の温度測定部11で測定する第2の冷媒温度は、吐出温度より低い第2の所定範囲内である。
一方、除湿加温装置によって除湿加温される空気の流れを説明すると、図示しない送風機によって筐体1に設けた空気流入口15から除湿加温装置に送り込まれた空気は、まず、吸熱器5に入って冷却され、吸熱器5の温度が空気の飽和温度以下になると吸熱器5の表面に結露し、除湿される。その後、放熱器3に入って加熱され、高温低湿の空気となって空気流出口16から除湿加温装置を出る風回路17が構成されている。
ヒートポンプ装置7の動作により、吸熱器3で結露した除湿水はドレンパン13に落下して集められ、最下部にある排水口14から筺体1外に排出される。送風機で送風される空気にリント等の異物が含まれていると、吸熱器3で結露した除湿水に付着しドレンパン13に溜まる。
排水口14がリント等の異物によって目詰まりする等の排水不良が起きた場合、除湿水は排水口14から排水されずにドレンパン13に溜まる。ヒートポンプ装置7の動作により吸熱器3で結露した除湿水で水位が上昇し、やがて溢水線Wを超えるとドレンパン13から除湿水が溢れて水漏れが生じる。圧縮機2と放熱器3とを繋ぐ配管6の一部をドレンパン13内の底部に近接配置しているので、ドレンパン13内の水位が上昇すると、その底部に配設された配管6の一部が結露水と接触し、溢水線Wを超える前に第1の温度測定
部8とともに配管6の一部が結露水と接触する。
部8とともに配管6の一部が結露水と接触する。
ヒートポンプ装置7の運転開始時において、圧縮機2の起動により第1の温度測定部8で測定される第1の冷媒温度と、第2の温度測定部11で測定される第2の冷媒温度は、ともに上昇するが、前記のような結露水の排水不良が発生すると、第1の温度測定部8が冷却されて測定温度が低下する。
このとき、第2の冷媒温度測定装置12の第2の温度測定部11で測定した冷媒凝縮温度、すなわち、第2の冷媒温度が正常に上昇していれば、圧縮機2の回転数変化等のヒートポンプサイクルの変動による温度低下ではなく、排水不良によるものであると判断することができ、圧縮機2の運転を制御する制御装置9により、圧縮機2の運転を停止させ、水漏れを防止することができる。つまり、冷媒の吐出温度と凝縮温度の両方の変化を監視することにより、排水異常を精度よく検知することができる。
図5は、運転開始時の立ち上がり過程の温度を示したもので、第1の温度測定部8で測定される第1の冷媒温度と、第2の温度測定部11で測定される第2の冷媒温度は、ともに上昇する。ドレンパン13内の水位がW1まで上昇した点Pで、第1の温度測定部8がドレンパン13に溜まった結露水と接触すると、第2の温度測定部11で測定される第2の冷媒温度が、安定的に上昇しているのに対し、第1の温度測定部8で測定される第1の冷媒温度が所定の上昇量より少なくなる。
この温度の上昇量の変化で排水異常を検知し、所定時間t1後に圧縮機2の運転を停止する。結露水は、第1の温度測定部8が結露水と接触した水位がW1から、圧縮機2の運転を停止するまでにW2に上昇した状態で停止し、結露水の溢水による水漏れを防止することができる。すなわち、第2の温度測定部11で測定した第2の冷媒温度が、安定的に上昇していれば、排水不良によるものであると判断することができ、排水異常を早期に精度よく検知し、圧縮機2の運転を停止して水漏れを防止することができる。
図6は、圧縮機2の回転数が図5の場合より少ないときの温度の変化を示したもので、ドレンパン13内の水位がW1まで上昇した点Pで、第1の温度測定部8がドレンパン13に溜まった結露水と接触すると、温度の上昇が停止している。これは、冷媒から第1の温度測定部8に与えられる熱量と、結露水に奪われる熱量とがバランスしていることによる。
図7は、圧縮機2の回転数がさらに少ないときの温度の変化を示したもので、第1の温度測定部8がドレンパン13に溜まった結露水と点Pで接触した後、温度が接触時から低下している。これは、冷媒の循環量がさらに少なくなったことにより、冷媒から第1の温度測定部8に与えられる熱量が、結露水に奪われる熱量より少なくなったことによる。
運転開始後の立ち上がり過程において、上記のいずれかの状態を検知すると、所定時間t1後に圧縮機2の運転を停止する。所定時間t1は、温度上昇の変化が検知可能な時間であり、単位時間当たりの変化量から容易に検知することができる。点Pから排水の異常を検知して圧縮機2の運転を停止するまでの時間を短くすると、W1からの結露水の増加量を少なくすることができる。
以上のように、運転の開始時に、圧縮機2の回転数が異なっている場合でも、第1の温度測定部8で測定する温度変化を検知して排水異常を精度よく的確に検知することができる。特に、使用者が圧縮機2の能力を強/弱の切り替え、または、強〜弱を複数段階に任意に設定可能な場合に効果的である。
(実施の形態2)
図8は、本発明の第2の実施の形態における除湿加温装置の動作を示すタイムチャートである。本実施の形態の特徴は、圧縮機2をインバーター等の回転数を可変できる構成とし、制御装置9は、第1の冷媒温度測定装置10で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇が停止、または温度の低下を検知すると、圧縮機2の回転数を所定時間t2低下させ、第1の冷媒温度測定装置10で測定した温度が再び上昇しなければ、圧縮機2の運転を停止するようにしたことである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の符号を付して詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図8は、本発明の第2の実施の形態における除湿加温装置の動作を示すタイムチャートである。本実施の形態の特徴は、圧縮機2をインバーター等の回転数を可変できる構成とし、制御装置9は、第1の冷媒温度測定装置10で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇が停止、または温度の低下を検知すると、圧縮機2の回転数を所定時間t2低下させ、第1の冷媒温度測定装置10で測定した温度が再び上昇しなければ、圧縮機2の運転を停止するようにしたことである。他の構成は実施の形態1と同じであり、同一の符号を付して詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
上記の構成により、完全な排水不良でない場合、例えば、ドレンパン13の排水口14がリント等の堆積によって狭くなっている状態では、結露水の排水量が減少し、排水量以上の結露水が生成されると水位が上昇する。したがって、圧縮機2の運転回転数を低下させて除湿能力を低減し、結露量を減少させて運転することにより、結露水は水位W2からW3への上昇量を少なくでき、ドレンパン13から溢れることなく、運転を継続することができる。
そして、圧縮機2の運転回転数を所定時間t2低下させても、再び上昇しなければ、完全な排水不良であると判断し、圧縮機2の運転を停止することで溢水を防止することができる。このとき、温度上昇の有無は、圧縮機2の運転回転数を低下させたときの温度を基準とする。つまり、運転回転数の低下で第1の冷媒温度も低下することから、低下した能力で第1の冷媒温度が上昇すると、結露水の水位が低下したと考えられる。
したがって、第1の冷媒温度の上昇を判定する基準値を、変更した圧縮機2の回転数に応じて設定することにより、圧縮機2の運転を精度よく制御することができる。
(実施の形態3)
図9は、本発明の第3の実施の形態における除湿加温装置を備えた衣類乾燥機の要部断面図である。除湿加温装置の構成は、実施の形態1のものと同じであり、同一の符号を付して詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
図9は、本発明の第3の実施の形態における除湿加温装置を備えた衣類乾燥機の要部断面図である。除湿加温装置の構成は、実施の形態1のものと同じであり、同一の符号を付して詳細な説明は実施の形態1のものを援用する。
本実施の形態の衣類乾燥機は、洗濯機能を備えた洗濯乾燥機であり、洗濯、すすぎ、脱水に続いて乾燥までおこなうことができる。洗濯乾燥機の筐体21内に洗濯水を溜める水槽22が弾性支持され、この水槽22内にドラム23が回転可能に配設されている。ドラム23は、洗濯槽、脱水槽、乾燥槽として機能する。ドラム23の前面側には、衣類等の洗濯物をドラム23内に出し入れする開口部24が設けてあり、扉25によって開閉することができる。ドラム23の回転軸は前上がりに傾斜している。
ドラム23は、水槽22の背面側に取り付けたモータ26によって正逆回転駆動され、洗濯およびすすぎ時は、投入された洗濯物の量に応じて設定された所定量の洗濯水を給水し、ドラム23内の洗濯物を撹拌し、ドラム23内で落下するたたき洗いの作用が洗濯物に及ぶ速度で、所定時間回転動作する。脱水時は、洗濯物に遠心力が作用しドラム23の内周側面に張り付く高速で回転動作し、洗濯物から脱水された洗濯水は水槽22から筐体21外へ排出される。
さらに、乾燥時は、脱水時にドラム23の内周側面に張り付いた洗濯物をほぐす動作に続いて、ドラム23内で洗濯物を撹拌する動作をおこなう。このとき、除湿加温装置で除湿加温された乾燥用空気がドラム23内に導入される。除湿加温装置の空気流出口16から出た乾いた高温の乾燥用空気は、送風機29によって水槽22の背面側の上部に設けた導入口27から水槽22内に導入される。
ドラム23の内周側面には多数の孔(図示せず)が設けてあり、この孔から水槽22内に導入された乾燥用空気がドラム23内に入り、ドラム23内で撹拌されている洗濯物と接触する。洗濯物から水分を奪って多湿となった乾燥用空気は、ドラム23の周側面に設けた多数の孔から出て水槽22内に入り、水槽22の前面側の上部に設けた導出口28から空気流入口15を通り、除湿加温装置の風回路17を流れる。
空気流入口15から除湿加温装置に送り込まれた空気は、吸熱器5で冷却除湿された後、放熱器3に入って加熱され、高温低湿の空気となって空気流出口16から導入口27へ導かれる。このように、除湿加温装置で除湿加温された乾燥用空気は、矢印イのように、導入口27からドラム23内に入り、導出口28から除湿加温装置に戻る循環風路30を循環し、ドラム23内の洗濯物の乾燥を進行させる。
なお、本実施の形態では、洗濯機能を備えた洗濯乾燥機について説明したが、洗濯機能がなく、衣類の乾燥のみをおこなう衣類乾燥機でも同様である。
以上のように、本発明にかかる除湿加温装置は、運転の開始時に、簡単な構成で除湿水の排水異常を検知することができ、運転中に除湿水がドレンパンから溢れるのを防止することができるので、除湿加温装置および衣類乾燥機として有用である。
2 圧縮機
3 放熱器
4 絞り手段
5 吸熱器
6 配管
7 ヒートポンプ装置
8 第1の温度測定部
9 制御装置
10 第1の冷媒温度測定装置
11 第2の温度測定部
12 第2の冷媒温度測定装置
13 ドレンパン
15 空気流入口
16 空気流出口
17 風回路
3 放熱器
4 絞り手段
5 吸熱器
6 配管
7 ヒートポンプ装置
8 第1の温度測定部
9 制御装置
10 第1の冷媒温度測定装置
11 第2の温度測定部
12 第2の冷媒温度測定装置
13 ドレンパン
15 空気流入口
16 空気流出口
17 風回路
Claims (3)
- 圧縮機、放熱器、絞り手段、および吸熱器を冷媒が循環する配管により連結したヒートポンプ装置と、空気流入口から前記吸熱器および前記放熱器を通って空気流出口へ流れる風回路と、前記吸熱器で空気と熱交換して生じる結露水を受けるドレンパンと、前記圧縮機と前記放熱器を連結する配管に設けた第1の温度測定部によって冷媒の温度を測定する第1の冷媒温度測定装置と、前記放熱器内の凝縮温度を第2の温度測定部によって測定する第2の冷媒温度測定装置と、前記第1および第2の冷媒温度測定装置により測定した温度情報によって前記圧縮機の運転を制御する制御装置とを備え、前記第1の温度測定部を前記ドレンパンの溢水線より重力方向側の前記ドレンパン内に設置するとともに、前記制御装置は、運転の開始時に前記第2の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の温度に上昇しているとき、前記第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇停止、または温度の低下のいずれかを検知すると、前記圧縮機の運転を停止するようにした除湿加温装置。
- 制御装置は、第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が所定の上昇量より少ない、または温度の上昇が停止、または温度の低下を検知すると、圧縮機の回転数を所定時間低下させ、前記第1の冷媒温度測定装置で測定した温度が、再び上昇しなければ、前記圧縮機の運転を停止するようにした請求項1記載の除湿加温装置。
- 請求項1または2記載の除湿加温装置を搭載した衣類乾燥機。
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JP2010177218A JP2012034816A (ja) | 2010-08-06 | 2010-08-06 | 除湿加温装置とそれを用いた衣類乾燥機 |
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JP2010177218A Pending JP2012034816A (ja) | 2010-08-06 | 2010-08-06 | 除湿加温装置とそれを用いた衣類乾燥機 |
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JP (1) | JP2012034816A (ja) |
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2010
- 2010-08-06 JP JP2010177218A patent/JP2012034816A/ja active Pending
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