JP2012034345A - 多値ハザード除去回路 - Google Patents

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Abstract

【課題】ディジタル信号から多値ハザードを除去する。
【解決手段】トランジスタ1、2、17と抵抗20、21が構成する多値判別手段、この判別手段の出力信号に基づいて動作するトランジスタ22〜25とダイオード36が構成するオン・オフ駆動手段、及びこのオン・オフ駆動手段がオン・オフ駆動するトランジスタ3、5が構成する双方向性プル・スイッチング手段、が『フージ(Hooji)代数』を具体化した1多値論理回路を構成する。この多値論理回路、プル・ダウン用抵抗26及びD型フリップ・フロップ27の入力部に有る2値判別手段の組合せが、多値信号を2値信号に変えると同時に多値ハザードを2値ハザードに変える。同期信号により制御されたD型フリップ・フロップ27がその2値ハザードを除去した2値信号を出力する。
【選択図】図1

Description

本発明は、その多値数N(=N値のNのこと。)がいくつであっても電位モード(又は電圧モード)の多値回路{例:多値論理回路、多値演算回路(又は多進法演算回路)、多値ディジタル回路など。}の「入力前」又は「入力時」又は「回路中」において発生した多値ハザードを除去することができる多値ハザード除去回路に関する。
なお、本発明ではN値の各整数と各電位供給手段(例:電源線など。)が互いに順々に1対1ずつ対応するが、請求項1又は2記載の多値ハザード除去回路は正論理に対応し、請求項3記載の多値ハザード除去回路は負論理に対応する。
また、「多値ハザード」とは、従来の2値ハザードと同様な仕組みで発生するハザードに加えて、特に「ある多値信号の論理レベルが変化するとき途中の論理レベルを通過することにより生じる、多値固有の回路障害」を含んでいる。
さらに、本発明の構成手段である電位モード(又は電圧モード)の各多値論理回路は「本発明者が独自に考え出した全く新しい世界初の新・多値論理『フージ(Hooji)代数』(詳細は段落番号0061)」に基づいて構成されている。
参考:「多値ハザード」:下記・非特許文献1の最下段「後ろから13〜10行目」。
『ハイテク教室 多値論理回路 IC集積度増して二値も三値も行かず』、日経産業新聞(東京版)が昭和60年(1985年)11月22日(金曜日)に発行。執筆:石塚興彦。
先ず予備知識として「多値の各論理レベル」、「その各論理レベルの各しきい値電位(又は各しきい値電圧)」及び「電位(または電圧)変化の連続性」について説明する。
■■ 多値の各論理レベル ■■
2値回路の場合、その2つの論理数値に例えば「0」と「1」しかないので、正論理、負論理に関係無く各論理レベルの表現に「LレベルとHレベル」という用語を使うことができる。正論理では実質的にLレベルは「(論理)数値0の論理レベル」を意味し、Hレベルは「(論理)数値1の論理レベル」を意味し、負論理では実質的にLレベルは「(論理)数値1の論理レベル」を意味し、Hレベルは「(論理)数値0の論理レベル」を意味する。
また、3値回路の場合、その3つの論理数値に例えば「0」、「1」、「2」が有るので、正論理、負論理に関係無く各論理レベルの表現に「Lレベル、Mレベル、Hレベル」という用語を使うことができる。
さらに、4値回路の場合、その4つの論理数値に例えば「0」、「1」、「2」、「3」が有るので、正論理、負論理に関係無く各論理レベルの表現に例えば「Lレベル、M0レベル、M1レベル、Hレベル」という用語を使うことができる。
しかし、多値数(=N値のNのこと。)の違う多値回路が複数個入り混じるディジタル回路などの場合(例:後述する段落番号[0080]。)、それらの用語が混乱してしまう。
それなら、いっその事、例えば「(論理)数値2の論理レベル」のことを略して「論理2レベル」と呼び、さらに略して「L2レベル」と呼んだ方がすっきりする。10値では当然「数値0〜9の論理レベル」は「L0レベル〜L9レベル」と呼び、「各論理レベルと1対1ずつ対応する各『電位または電圧』」はL0レベルからL9レベルに向かって、正論理なら高くなって行き、負論理なら低くなって行くことになる。
以後、多値の各数値の論理レベルを「L0レベル、L1レベル、L2レベル……」とか「……、L(−2)レベル、L(−1)レベル、L0レベル、L1レベル、L2レベル……」(符号対称表現の場合)という具合に呼ぶことにする。
『トランジスタ回路入門講座5 ディジタル回路の考え方』、p.46〜p.47の『4・6 論理回路使用上の注意 〔1〕論理電圧レベルと雑音余裕』。監修:雨宮好文・小柴典居(つねおり)。著者:清水賢資(けんすけ)・曽和将容(まさひろ)。(株)オーム社が昭和56年5月20日発行。 『よくわかるディジタル電子回路』、p.76〜p.80の『[1]論理レベル〜[2]雑音余裕度』。著者:関根慶太郎、(株)オーム社が平成9年7月25日発行。 『論理回路入門』、p.126〜p.128の『6.4 ICの特性 (1)信号の電圧値と雑音余裕度』。著者:浜辺隆二、森北出版(株)が2001年9月28日発行。 『パルス・ディジタル回路』、p.125〜p.130の『5.回路の基本特性 5・1 パルス・ディジタル回路の振幅特性』。著者:川又晃。日刊工業新聞社が1995年2月15日発行。 『パルスとデジタル回路』、p.128の『スレッショルドレベル』とp.129の『論理レベル』。編集:米山正雄。執筆:大原茂之・吉川(きっかわ)澄男・篠崎寿夫・高橋史郎。東海大学出版会が2001年4月5日発行。
■■ 数値判別と各しきい値電位(または各しきい値電圧) ■■
正論理の(数値)判別方法について述べる。2値回路においてLレベルの入力電圧(又は入力電位)とは実質的に電圧ゼロ(又は電位ゼロ)を基準にしたプラス側しきい値電圧(又はプラス側しきい値電位)のことであり、Hレベルの入力電圧(又は入力電位)とは実質的にプラス電源電圧(又はプラス電源電位)を基準にしたマイナス側しきい値電圧(又はマイナス側しきい値電位)のことである。
従って、多値の入力数値が「最低の論理レベルに対応すると定義された数値」であるかを判別する方法は、その入力数値の信号電位が「その最低の論理レベルに対応する電位を基準にしたプラス側しきい値電位」より低ければ、その入力数値は「その最低の論理レベルの数値」であると判別される。
また、多値の入力数値が「最高の論理レベルに対応すると定義された数値」であるかを判別する方法は、その入力数値の信号電位が「その最高の論理レベルに対応する電位を基準にしたマイナス側しきい値電位」より高ければ、その入力数値は「その最高の論理レベルの数値」であると判別される。
さらに、多値の入力数値が「最低、最高の両論理レベル以外の各中間の論理レベルと1対1ずつ対応すると定義された各数値」であるかを判別する方法は、その入力数値の信号電位が「その1つ又は複数個の中間の論理レベルに対応する電位それぞれを基準にしたプラス側しきい値電位とマイナス側しきい値電位」の間のうち1つに有れば、その入力数値は「その1つの中間の論理レベルの数値」であると判別される。
例えば、数値0〜9の10値回路の場合、正論理なら、以下の通りになる。
★L0レベルの領域は「最低電位の第1電位(例:電位ゼロ等。)を基準にしたプラス側しきい値電位」より低い領域。
★L1〜L8の各レベルの領域は「第2電位〜第9電位の各電位を基準にしたプラス側しきい値電位とマイナス側しきい値電位」の間の領域。
★L9レベルの領域は「最高電位の第10電位を基準にしたマイナス側しきい値電位」より高い領域。
一般的に『スペック』等で次の通り設定されるのが普通であるが、そうではない例外(例:バイポーラ・トランジスタ等を使う場合。)も有る。L1レベル〜L9レベルの各マイナス側しきい値電位は「その論理レベル電位」と「その論理レベル電位と『その論理レベル電位より1つ下の論理レベル電位』の真ん中電位」の間に1つずつ設定される一方、L0レベル〜L8レベルの各プラス側しきい値電位は「『その論理レベル電位より1つ上の論理レベル電位』とその論理レベル電位の真ん中電位」と「その論理レベル電位」の間に1つずつ設定される。
ところで、「『……の数値である』と判別する際のしきい値電位(又はしきい値電圧)」と「『その数値ではない』と『明確に』に判別する際のしきい値電位(又はしきい値電圧)」は同じではない。
2値回路では当たり前のことであるが、正論理なら、「『数値0である』と判別する際のしきい値電位(又はしきい値電圧)」はLレベルの入力電位(又は入力電圧)になる一方、「『数値0ではない』と『明確に』判別する際のしきい値電位(又はしきい値電圧)」は「『数値1である』と判別する際のしきい値電位(又はしきい値電圧)」すなわちHレベルの入力電位(又は入力電圧)と同じになるので、両しきい値電位は一致しない。
●このため、例えば10値回路の入力数値が数値「0」ではないと『明確に』判別される為には、その入力数値は数値「1〜9」のいずれか1つであると判別される必要が有るので、その入力数値の信号電位は必ずL1レベルのマイナス側しきい値電位より高いと判別されなければならない。
つまり、「その入力数値が数値「0」であると『明確に』判別される為のしきい値電位」はL0レベルのプラス側しきい値電位であるが、「その入力数値が数値「0」ではないと『明確に』判別される為のしきい値電位」はL1レベルのマイナス側しきい値電位となり、両しきい値電位は一致しない。
●同様に、10値回路の入力数値が数値「9」ではないと『明確に』判別される為には、その入力数値は数値「0〜8」のいずれか1つであると判別される必要が有るので、その入力数値の信号電位は必ずL8レベルのプラス側しきい値電位より低いと判別されなければならない。
つまり、「その入力数値が数値「9」であると『明確に』判別される為のしきい値電位」はL9レベルのマイナス側しきい値電位であるが、「その入力数値が数値「9」ではないと『明確に』判別される為のしきい値電位」はL8レベルのプラス側しきい値電位となり、両しきい値電位は一致しない。
●また同様に、10値回路の入力数値が数値「1」ではないと『明確に』判別される為には、その入力数値は数値「0、2〜9」のいずれか1つであると判別される必要が有るので、その入力数値の信号電位は必ず「L0レベルのプラス側しきい値電位より低いと判別されるか、又は、L2レベルのマイナス側しきい値電位より高いと判別されるか」しなければならない。
つまり、「その入力数値が数値『1』であると『明確に』判別される為のしきい値電位2つ」はL1レベルのプラス、マイナス両側のしきい値電位であるが、「その入力数値が数値『1』ではないと『明確に』判別される為のしきい値電位2つ」は「L0レベルのプラス側しきい値電位」と「L2レベルのマイナス側しきい値電位」となり、両「しきい値電位2つ」は一致しない。
●全く同じ様に、数値「2〜8」それぞれにおいても『明確に』判別される為の同様な両「しきい値電位2つ」は一致しない。
→→→ 「請求項1中に記載の●a)項〜●c)項の各しきい値電位」
→→→ 「請求項2中に記載の●a)項〜●b)項の各しきい値電位」
■■ 電位(または電圧)変化の連続性 ■■
「論理」には「連続」という概念は無いが、論理動作を物理的な動作(例:電子回路動作など。)に置き換えて代理的に実際に動作させる為、その論理動作は必ずその物理的性質によって制約される。例えばコンデンサ電圧の連続性(その静電容量が一定の時。)やコイル電流の連続性(そのインダクタンスが一定の時。)である。
コンデンサ電圧の連続性はMOS・FET等の電圧駆動型トランジスタのゲート・ソース間静電容量(その静電容量が一定の時。)などの電圧連続性に直結するので、その「ゲート電位またはゲート電圧」等は必ず連続的に変化し、不連続に跳び跳びの値を取ることは無い。
コイル電流の連続性も回路中の導線などのインダクタンス電流の連続性に直結するので、その電流の連続性から逃(のが)れられない限り、バイポーラ・トランジスタ等の電流駆動型トランジスタのベース電流などは必ず連続的に変化し、不連続に跳び跳びの値を取ることは無い。
その結果、ある多値信号の論理レベルが例えば「L0レベルからL3レベル」に変化する際に、その多値信号の論理レベルは必ず途中で「L1レベル」と「L2レベル」を通過する。
■■さて、ここから本題に入る。従来から多値論理回路には、従来の2値ハザードと同様な仕組みで発生するハザードに加えて、特に『多値数がいくつであっても、ある多値信号の論理レベルが変化するとき、途中の論理レベルを通過することによって過渡的ハザードが発生してしまう』という多値固有の回路障害、多値ハザードが大きな課題として有る。
( 従来の課題 )
また、従来の2値回路(例:2値論理回路、2値演算回路、2値ディジタル・システム等。)でも、多値回路でも、「ハザード」は「他の回路動作に悪影響(誤動作など)を与える原因」になるが、多値回路ではさらに悪い事に『多値ハザードが電力損失の増幅・増大に繋(つな)がる』という課題が有る。 ( その課題に付随する課題 )
さらに、その多値数が大きければ大きい程それだけ「その多値信号の論理レベルが変化するときに通過する途中の論理レベルの数」が多くなり、多値ハザードが多く発生し易くなる為、その多値回路の段数を重ねるに連れてその発生回数の増幅・増加作用が強くなるので、それらの課題・悪影響度も大きくなる。
( 大きな多値数ほど課題・悪影響も大きい )
ここで、分かり易く極端な例で多値ハザードの発生を説明する。例えば多値数N=4で、第1の多値論理回路の入力数値が最小値「0」から最大値「3」に変化するときに、必ず途中の数値「1と2」を通過するが、その回路の出力側は「入力数値0に対応する出力数値」から「入力数値1に対応する出力数値」、「入力数値2に対応する出力数値」を経て「入力数値3に対応する出力数値」になる。このとき各出力数値の値によっては以下の様に多値ハザードが発生してしまう。
仮に、その「入力数値1と3に対応する出力数値」が「3」で、その「入力数値0と2に対応する出力数値」が「0」ならば、その入力数値が「0」から「3」へ1回変化する間にその出力数値は「0」→「3」→「0」→「3」と無駄に3回変化する為、その入力側の変化回数が3倍増幅され、しかも、余計なパルスが1つその出力側に現われてしまう。
( 多値ハザードの発生 )
そして、その出力数値を入力する第2の多値論理回路・以降でも同様な事が起これば、「その無駄に変化する回数」と「その余計な発生パルス」はその多値回路の段数を重ねるに連れてさらにどんどん増えて行くので、その回路動作は極めて複雑・異常になる上に、ほかの回路動作にさらにどんどん悪影響(例:ハザード・ノイズによる誤動作など。)を与えて行く。仕舞(しまい)には使い物にならなくなってしまう。
( 多値ハザード発生回数の増幅・増加作用と、それによる悪影響の拡大 )
しかも、「その無駄に変化する回数の増幅・増加」すなわち「一定期間内の多値ハザード発生回数の増幅・増加(=多値ハザード発生周波数の高周波化)」は『オン・オフ切換え時のスイッチング(電力)損失や、MOS・FETならゲート・ソース間静電容量などの充放電に伴う電力損失が、さらに無駄に増幅・増加すること』を意味する。
( 電力損失のさらに無駄な増加 )
以上の説明は多値数N=4の場合の極端な例であるが、当然の事ながら、その多値数が大きければ大きい程それだけ「その多値信号の論理レベルが変化するときに通過する途中の論理レベルの数」が多くなり、多値ハザードが多く発生し易くなる為、その多値回路の段数を重ねるに連れてその発生回数の増幅・増加作用が強くなるので、それらの課題・悪影響も大きくなる。 ( 大きな多値数ほど課題・悪影響も大きい )
特開2004−032702号(新・多値論理『フージ代数』に基づく多値論理回路。参考:後述する段落番号0061)(見なし取下) 特開2004−088763号(多値記憶手段)(見なし取下) 特開2005−116168号(多値記憶手段) 特開2005−198226号(新・多値論理『フージ代数』に基づく多値論理回路) 特開2005−236985号(新・多値論理『フージ代数』に基づく多値論理回路) 特開2006−190239号(多値論理を応用した「不正侵入操作阻止機能を持つ情報処理手段」) 特開2006−228388号(多値記憶手段) 特開2006−252742号(多値記憶手段など) 特開2006−345468号(多値記憶手段、多値トランスファー・ゲート手段など) 特開2007−035233号(多値デコーディング手段、多値情報処理手段など) 特願2010−098893号(多値ハザード消去手段、本発明の先願同一発明)
『ハイテク教室 多値論理回路 IC集積度増して二値も三値も行かず』、日経産業新聞(東京版)が昭和60年(1985年)11月22日(金曜日)に発行。執筆:石塚興彦。 『多値情報処理 ―ポストバイナリエレクトロニクス―』、著者:樋口龍雄・亀山充隆(みちたか)、昭晃堂(しょうこうどう)が1989年6月に発行。 『数理科学2月号(1980年、No.200) 特集 多値論理』、(株)サイエンス社が昭和55年2月1日発行。 『トランジスタ技術1997年9月号』のp.374〜p.375に掲載の『屋根裏の資料室 多値論理』。CQ出版(株)が1997年9月1日発行。執筆:井上秀和。 『図解ディジタル回路入門』のp.79〜p.88(2値パルス・トリガー方式など)。(株)日本理工出版会が2008年4月25日に第4版発行。著者:中村次男。
そんな訳で、従来の多値論理回路には『従来の2値ハザードと同様な仕組みで発生する多値ハザードの問題に加えて、特に[多値数がいくつであっても、論理レベルが変化するとき、途中の論理レベル状態を通過することによって発生する多値固有の回路障害、多値ハザードの問題]』が有る。 ( 従来の課題 )
その上、前述(段落番号0007〜8)の通り、『多値ハザードが電力損失の増幅・増大に繋(つな)がる』という課題も有る。 { その課題に付随(ふずい)する課題 }
さらに、前述(段落番号0007〜8)の通り、その多値数が大きければ大きい程、それらの課題・悪影響も大きくなる。 ( 大きな多値数ほど課題・悪影響も大きい )
そこで、本発明は『従来の2値ハザードと同様な仕組みで発生する多値ハザードに加えて、上記[多値固有の多値ハザード]も除去することができる』多値ハザード除去回路を提供することを目的としている。 ( 発明の目的 )
2つに分けて記述する。第1の「課題を解決するための手段」は以下の通りである。
***
3又は3以上の所定の複数をNで表わし、所定の整数をPで表わし、所定の自然数をSで表わしたときに、
「第1電位から第N電位まで番号順に電位が高くなって行くN個の電位を供給し、その各電位がP〜(P+N−1)の各整数と順々に1対1ずつ対応すると定義された第1電位供給手段〜第N電位供給手段」と、
「S個の入力電位信号の入口となる第1の入口手段〜第Sの入口手段」と、
「出力電位信号の出口となる出口手段」と、
「『前記第1電位供給手段〜前記第N電位供給手段の中で、あらかじめ決められた1つの出力用特定電位供給手段』と前記出口手段の間に接続され、オフ駆動された時に前記出口手段とそのオン・オフ駆動部の間が1方向または双方向にオフとなるプル・スイッチング手段」と、
「『S=1の場合は1つの前記入力電位信号に対応する整数、S≧2の場合は[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のすべて]か[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のうち、少なくとも1つ]』が『P〜(P+N−1)の整数の中で、あらかじめ決められた1つの入力用特定値』に対してどうなのか、『[等しいのか等しくないのか]、[大きいのか大きくないのか]、[小さいのか小さくないのか]のいずれか1つ』について、それに適用する下記(段落番号[0013]中)の『2つ又は4つのしきい値電位』に基づいて判別する判別手段」と、
「前記判別手段によって制御され、『その判別結果が肯定であれば前記プル・スイッチング手段をオン駆動し、その判別結果が否定であれば前記プル・スイッチング手段をオフ駆動する』か『正反対に肯定であればオフ駆動し、否定であればオン駆動する』オン・オフ駆動手段」を有する多値論理回路において、
「前記多値論理回路の後段に接続される『2値ハザードを除去する2値ハザード除去手段』」と、
「前記出力電位信号が2値ハザード除去手段にとって2値信号として機能する様にマッチングを行う『プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段』」を有する多値ハザード除去回路。
ただし、その各抵抗手段には定電流ダイオードや「1方向性または双方向性」の定電流手段が含まれる。
●a)「等しいのか等しくないのか」の場合は「『等しいのか』では『前記入力用特定値に対応する入力用特定電位』を基準にしてあらかじめ決められたプラス側とマイナス側の両しきい値電位」、「『等しくないのか』では前記入力用特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位、及び、前記入力用特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
●b)「大きいのか大きくないのか」の場合は「『大きいのか』では前記入力用特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」、「『大きくないのか』では前記入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
●c)「小さいのか小さくないのか」の場合は「『小さいのか』では前記入力用特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」、「『小さくないのか』では前記入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」。
第2の「課題を解決するための手段」は以下の通りである。
***
3又は3以上の所定の複数をNで表わし、所定の整数をPで表わし、所定の自然数をSで表わしたときに、
「第1電位から第N電位まで番号順に電位が高くなって行くN個の電位を供給し、その各電位がP〜(P+N−1)の各整数と順々に1対1ずつ対応すると定義された第1電位供給手段〜第N電位供給手段」と、
「S個の入力電位信号の入口となる第1の入口手段〜第Sの入口手段」と、
「出力電位信号の出口となる出口手段」と、
「『前記第1電位供給手段〜前記第N電位供給手段の中で、あらかじめ決められた1つの出力用特定電位供給手段』と前記出口手段の間に接続され、オフ駆動された時に前記出口手段とそのオン・オフ駆動部の間が1方向または双方向にオフとなるプル・スイッチング手段」と、
「『S=1の場合は1つの前記入力電位信号に対応する整数、S≧2の場合は[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のすべて]か[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のうち、少なくとも1つ]』が『P〜(P+N−1)の整数の中で、あらかじめ決められた、その差が少なくとも2である2つの入力用特定値』に対してどうなのか、『両・前記入力用特定値の間に有るのか無いのか』について下記(段落番号[0015]中)の『4つのしきい値電位』に基づいて判別する判別手段」と、
「前記判別手段によって制御され、『両・前記入力用特定値の間に有れば前記プル・スイッチング手段をオン駆動し、両・前記入力用特定値の間に無ければ前記プル・スイッチング手段をオフ駆動する』か『正反対に、両・前記入力用特定値の間に有ればオフ駆動し、無ければオン駆動する』オン・オフ駆動手段」を有する多値論理回路において、
「前記多値論理回路の後段に接続される『2値ハザードを除去する2値ハザード除去手段』」と、
「前記出力電位信号が2値ハザード除去手段にとって2値信号として機能する様にマッチングを行う『プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段』」を有する多値ハザード除去回路。
ただし、その各抵抗手段には定電流ダイオードや「1方向性または双方向性」の定電流手段が含まれる。
●a)「両・前記入力用特定値の間に有るのか」では「小さい方の前記入力用特定値に対応する第1の入力用特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」と「大きい方の前記入力用特定値に対応する第2の入力用特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
●b)「両・前記入力用特定値の間に無いのか」では「前記第1の入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」と「前記第2の入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」。
なお、そのN(≧3)はN値の多値数Nを指しており、その使用する整数はP〜(P+N−1)である。その第1電位が整数Pに、その第2電位が整数(P+1)に、……(同様に1つずつ増えて行き)……、そして、その第N電位が整数(P+N−1)にそれぞれ対応する。
そして、論理(電位)レベルとの関係で言えば次の通りである。ある電位信号が「その第1電位を基準にしたプラス側のしきい値電位」より低ければ、その電位信号は整数Pに対応する。ある電位信号が「その第2電位を基準にしたマイナス側のしきい値電位とプラス側のしきい値電位の間」にあれば、その電位信号は整数(P+1)に対応する。以下同様に、ある電位信号が順々に「第(N−1)電位までの各電位を基準にしたプラス側、マイナス側の両しきい値電位間」にあれば、その電位信号は順々に整数(P+N−2)までの各整数に対応する。ある電位信号が「その第N電位を基準にしたマイナス側のしきい値電位」より高ければ、その電位信号は整数(P+N−1)に対応する。
このため、一般的に、特定値(=特定の整数)の論理レベルのマイナス側しきい値電位は「特定電位」と「特定電位と『特定電位より1つ下の電位』の真ん中電位」の間に設定される一方、特定値の論理レベルのプラス側しきい値電位は「『特定電位より1つ上の電位』と特定電位の真ん中電位」と「特定電位」の間に設定される。当然の事ながら、同様な事が特定値以外の整数(P+1)〜整数(P+N−2)の各判別についても言える。
『トランジスタ回路入門講座5 ディジタル回路の考え方』、p.46〜p.47の『4・6 論理回路使用上の注意 〔1〕論理電圧レベルと雑音余裕』。監修:雨宮好文・小柴典居(つねおり)。著者:清水賢資(けんすけ)・曽和将容(まさひろ)。(株)オーム社が昭和56年5月20日発行。 『よくわかるディジタル電子回路』、p.76〜p.80の『[1]論理レベル〜[2]雑音余裕度』。著者:関根慶太郎、(株)オーム社が平成9年7月25日発行。 『論理回路入門』、p.126〜p.128の『6.4 ICの特性 (1)信号の電圧値と雑音余裕度』。著者:浜辺隆二、森北出版(株)が2001年9月28日発行。 『パルス・ディジタル回路』、p.125〜p.130の『5.回路の基本特性 5・1 パルス・ディジタル回路の振幅特性』。著者:川又晃。日刊工業新聞社が1995年2月15日発行。 『パルスとデジタル回路』、p.128の『スレッショルドレベル』とp.129の『論理レベル』。編集:米山正雄。執筆:大原茂之・吉川(きっかわ)澄男・篠崎寿夫・高橋史郎。東海大学出版会が2001年4月5日発行。
どちら(段落番号0012〜13と段落番号0014〜15)の場合も、「その多値論理回路中で」又は「その入力前に」又は「その入力時に」発生した多値ハザードを、「『前記多値論理回路』と『前記プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段』の組合せが持つ多値・2値コード変換機能」によって2値ハザードを含む前記2値信号に変換する。
ただし、この段階では前記2値信号は通常の2値信号である場合も有るし、暫定(ざんてい)的な2値信号の場合も有る。その暫定的な2値信号の「HレベルとLレベル」は通常の2値回路の2値信号の「HレベルとLレベル」とは違う。ほとんどの場合、両2値信号は互いに電位レベルが異なる。すなわち、例えば数値で言えば、多値でも「1と0」の2数値の場合も有るが、ほとんどが「5と0」とか「3と0」とかの2数値であって、通常の2値回路の「1と0」の2数値ではない。
しかし、「前記2値ハザード除去手段、又は、前記2値ハザード除去手段の後段に接続されるであろう2値回路」の入力部に有る2値(数値)判別手段は、Hレベルの下限値より高い入力電位信号をHレベル信号と判別する一方、Lレベルの上限値より低い入力電位信号をLレベル信号と判別するので、その2値(数値)判別手段が上記の暫定的な2値信号を通常の2値信号に変換する。すなわち、前記出力電位信号が2値ハザード除去手段にとって2値信号として機能する様にマッチングを行う。
あるいは、「前記2値ハザード除去手段、又は、前記2値ハザード除去手段の後段に接続されるであろう2値回路」の入力部に有るクランプ手段(例:2つのクランプ・ダイオード等。)が、その暫定(ざんてい)的な2値信号の上限をその2値電源のプラス側電源電位にクランプする一方、その暫定的な2値信号の下限をその2値電源のマイナス側電源電位にクランプして、その暫定的な2値信号を通常の2値信号に変換する。
そして、前記2値ハザード除去手段が「2値ハザードを除去した『暫定的な2値信号、又は、通常の2値信号』」を出力する。その出力信号が暫定的な2値信号であれば、前述の「後段に接続されるであろう2値回路」が通常の2値信号に変換する。
前記2値ハザード除去手段の例としては『クロック信号で制御された2値ゲート回路に、ハザードが現われる2値の出力信号を入力する』という良く行われる常套(じょうとう)手段を用いた回路である。
●イ)その暫定的(ざんてい)な2値信号を通常の2値信号に変換しない前記2値ハザード除去手段の例として、4端子のPMOS又はNMOSで構成されたパス・トランジスタ型トランスファー・ゲート手段が有る。クロック信号に基づいて「その多値論理回路の出力信号に多値ハザードが現われる期間」中そのトランスファー・ゲート手段の入出力間を遮断(しゃだん)する一方、「その多値ハザードが現われず、その出力信号が安定する期間」中にそのトランスファー・ゲート手段の入出力間を接続する。
当然の事ながら、そのトランスファー・ゲート手段の後段には「そのトランスファー・ゲート手段の遮断中、自分の入力端子が開放になっても支障が無い2値回路」が接続される。この事は下記●ロ)項の場合も同様である。
●ロ)その暫定的な2値信号を通常の2値信号に変換する前記2値ハザード除去手段の例として、その入力部に2値(数値)判別手段を持つ2値3ステート・バッファー手段が有る。クロック信号に基づいて「その多値論理回路の出力信号に多値ハザードが現われる期間」中そのバッファー手段の入出力間を遮断(しゃだん)する一方、「その多値ハザードが現われず、その出力信号が安定する期間」中にそのバッファー手段の入出力間を接続する。
●ハ)2値3ステート・バッファーの後段に2値メモリー手段を設ける例も有る。クロック信号に基づいて「その多値論理回路の出力信号に多値ハザードが現われる期間」中そのバッファーの入出力間を遮断(しゃだん)する一方、「その多値ハザードが現われず、その出力信号が安定する期間」中にそのバッファーの入出力間を接続してその2値メモリー手段を書き換える。
●ニ)同期型2値フリップ・フロップの例も有る。同様に多値ハザードの消滅後にその多値論理回路の出力信号が安定してからクロック信号に基づいてその出力信号を保持してそのフリップ・フロップの出力側に出力する。
以上の様にして、「多値ハザードの問題」を極めて容易に解決することができる。
ところで、本発明が請求項3記載の多値ハザード除去手段である場合、請求項1又は2記載の多値ハザード除去手段が正論理に対応するのに対して、請求項3記載の多値ハザード除去手段は負論理に対応する。その多値論理機能が元と同じ場合も有るし、違う場合も有る。この辺の話は各2値回路の正論理と負論理の関係と同様である。
図1の実施例〜図8の実施例、段落番号[0049]の実施例9及び段落番号[0050]の実施例10の各実施例またはその各派生実施例において各電源電位の高低を正反対にして、各可制御スイッチング手段を「それと相補関係に有る可制御スイッチング手段(例:Nチャネル型MOS・FETに対するPチャネル型MOS・FET)」で1つずつ置き換え、方向性または電圧極性の有る各構成要素(例:ダイオード)の向きを逆にした「元の実施例に対して電圧方向または電圧極性に関して対称的な関係に有る実施例」もまた可能である。この対称的な関係に有る実施例は請求項3記載の多値ハザード除去手段に対応する。
『電気学会 電気専門用語集 No.9 パワーエレクトロニクス』、著者:「電気学会 電気用語標準特別委員会」・「電気学会 半導体電力変換装置用語小委員会」、編者:(社)電気学会、(株)コロナ社が2000年2月28日改正版第1刷発行。参考:用語「可制御スイッチ、可制御デバイス」など。なお、「バルブ(弁)」の意味はほぼ「スイッチ」と同じである。
その結果、本発明には『従来の2値ハザードと同様な仕組みで発生する多値ハザードに加えて、特に[その多値数N(=N値のNのこと。)がいくつであっても、多値回路{例:多値論理回路、多値演算回路(又は多進法演算回路)、多値ディジタル回路など。}において発生した多値固有の多値ハザードも除去することができる』という効果が有る。
本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の1実施例を示す回路図である。 本発明の構成手段である(基本・)多値論理回路の等価回路と双対性について説明する回路図である。 本発明の構成手段である(基本・)多値論理回路の基になる新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の『極めて柔軟な完全(性)』を裏付ける、10値の第1回路を示す回路図である。 図10の合成・多値論理回路の、説明の為に簡略化された真理値表を示す真理値表・図である。 同じく新・多値論理『フージ代数』の『極めて柔軟な完全(性)』を裏付ける、3値の第2回路を示す回路図である。 図12の合成・多値論理回路の真理値表を示す真理値表・図である。 図10、図12の各回路で使う、新・多値論理『フージ代数』に基づいた多値(特定値)AND回路の1例を示す回路図である。 図10、図12の各回路で使う、新・多値論理『フージ代数』に基づいた多値(特定値)NOT回路をの1例を示す回路図である。
本発明をより詳細に説明するために以下添付図面に従ってこれを説明する。ただし、各実施例中nとpが前述したNとPに相当する。また、mは出力用特定値で、「前述した出力用特定電位供給手段の出力用特定電位vm」に対応し、「p+n−1≧m≧p」の関係に有る。さらに、V(p−1)〜V(p+n−1)、V(p+n)は電源線で、これらの電位をv(p−1)〜v(p+n−1)、v(p+n)で表わし、この順序で電位は高くなって行く。
それから、例えばダイオード36、抵抗28又は「ツェナー・ダイオード2つを逆向きに直列接続したツェナー・ダイオード対」等、点線で回路構成手段の接続を示す場合は「その接続あるいは挿入・接続が有る場合と無い場合」が有ることを意味する。
そして、主に請求項1又は2記載の多値ハザード除去手段の正論理の各実施例について説明するが、請求項3記載の多値ハザード除去手段の負論理の各実施例については前述(段落番号[0020])の通りである。
図1の実施例1では次の通り各構成要素が前述[段落番号0012〜13](請求項1に対応。)した各構成手段に相当し、S=1、p=0(ゼロ)で、「n≧3」、「n−1≧m≧0」の関係に有る。出力用特定値mは入力用特定値を兼ねるので、出力用特定電位vmは前記入力用特定電位を兼ねる。
●a)電位v0(ブイ・ゼロ)〜電位v(n−1)が前述した第1電位〜第N電位に。
●b)電源線V0〜電源線V(n−1)が前述した第1電位供給手段〜第N電位供給手段に。
●c)入力端子Inが前述した第1(S=1)の入口手段に。
●d)出力端子Outが前述した出口手段に。
●e)電源線Vmが前述した出力用特定電位供給手段(=入力用特定電位供給手段)に。
なお、図示されていないが、当然の事ながら、各・両電位供給手段間には直流電源手段が1つずつ接続されている。
●f)トランジスタ3、5の直列回路が前述したプル・スイッチング手段に。
★★参 考:特開2006−252742号(特許文献8)
●g)「トランジスタ1、2、17及び抵抗20、21が構成する回路部」が前述した判別手段に。
●h)トランジスタ22〜25(とダイオード36)の回路部が前述したオン・オフ駆動手段に。
(なお、点線で示すダイオード36は無い場合も有るが、有った方が良い。無い場合、トランジスタ5のオフ駆動時に出力端子Outの電位が電位v(m+1)より高い場合、トランジスタ5のソース・ゲート静電容量の充電電流が出力端子Outからトランジスタ5の内蔵ダイオードとトランジスタ22を経て電源線V(m+1)へ流れてしまう。)
●i)「電源線V0〜電源線V(n−1)、トランジスタ1、2、3、5、17、22〜25及び抵抗20、21等(直流電源は図示せず。)が構成する多値論理回路」が前述した多値論理回路に。
●j)抵抗26又は抵抗26、28が前述した「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」に。
{なお、D型フリップ・フロップ27の入力部に「D端子の電位の上限と下限それぞれを電源電位v0、v(−1)それぞれにクランプするクランプ・ダイオード2つ(図示せず。)」が接続されていて、特定電位vmがD型フリップ・フロップ27のプラス側電源電位(電位v0)より高い場合、抵抗28を接続する。}
●k)「D型フリップ・フロップ27と同期信号供給手段(又はタイミング信号供給手段またはクロック・パルス供給手段)(図示せず。)の組合せ回路部」が前述した2値ハザード除去手段に。
上述の通り出力用特定値(=出力用特定電位に対応する整数)mは入力用特定値を兼ね、電源線Vmは入力用特定電位供給手段と出力用特定電位供給手段を兼ね、電位vmは入力用特定電位と出力用特定電位を兼ねるので、入力用特定値mの論理レベルのしきい値電位などに関しては以下の通りである。
●m=n−1の場合(つまりmが最高数値の場合)、電位v(n−1)を基準にしたマイナス側しきい値電位。
従って、その入力電位(=入力端子Inの電位)がそのマイナス側しきい値電位より高ければ、その入力数値は(n−1)と判別される。この場合、電位vnの電源線Vnを追加する必要が有り、電源線Vn等は前記判別手段に含まれることになる。
●n−1>m>0(ゼロ)の場合(つまりmが中間数値の場合)、各中間電位vmを基準にしたプラス側しきい値電位とマイナス側しきい値電位。
従って、その入力電位(=入力端子Inの電位)がその両しきい値電位間に在れば、その入力数値はその中間数値m(n−1>m>0)と判別される。
●m=0(ゼロ)の場合(つまりmが最低数値の場合)、電位v0を基準にしたプラス側しきい値電位。
従って、その入力電位(=入力端子Inの電位)がそのプラス側しきい値電位より低ければ、その入力数値は0(ゼロ)と判別される。この場合、電位v(−1)の電源線V(−1)等も前記判別手段に含まれることになる。
その結果、その入力数値が特定値mのときトランジスタ1、2、17、23、24、3、5がオンとなり、トランジスタ22、25がオフとなる為、出力端子Outの電位は電位vmになる。一方、入力数値が特定値m以外のときトランジスタ「1か2」、17、23、24、3、5がオフとなり、トランジスタ22、25がオンとなる為、出力端子Outの電位は電位v(−1)にプル・ダウンされる。
このため、本発明者はこの多値論理回路を「多値特定値EQUAL(イコール)回路」{あるいはゴルフ用語で統一して「多値特定値EVEN(イーブン)回路」}と呼ぶ。
また、前述した判別手段として「トランジスタ1、2、17及び抵抗20、21が構成する回路部」を「後述する図8の実施例8中のトランジスタ1、2、51及び抵抗20、21が構成する回路部」で置き換えると、トランジスタ3、5の両オン・オフ動作が正反対になるので、本発明者はこの多値論理回路を「多値特定値NOT(ノット)回路{あるいは多値特定値EVEN回路の否定で多値特定値NEVEN(ネーブン)回路}」と呼ぶ。
図1の実施例1の動作は次の通りである。「その多値論理回路」、「抵抗26又は抵抗26、28」及び「D型フリップ・フロップ27の入力部に有る『2値(数値)判別手段またはクランプ・ダイオード2つ』」の組合せは『容易に多値信号を通常の2値信号に変換することができる』という機能を持っている。
つまり、その多値論理回路には『その後段の2値回路との接続性が極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無い』という効果・特徴が有る。
その第1の理由は、その多値論理回路の出力が「出力用特定値」と「出力開放」という2種類の出力に限定されている、からである。
その第2の理由は、「2値回路が、そのHレベルの下限値より高いすべての『多値信号電位または多値信号電圧』を常に『Hレベル』と判別し、そのLレベルの上限値より低いすべての『多値信号電位または多値信号電圧』を常に『Lレベル』と判別する」という2値回路・固有の動作特性を積極的に有益に活用している、からである。
あるいは、「2値回路の入力部に有るクランプ・ダイオード2つが、『多値信号電位または多値信号電圧』の上限をその2値回路のプラス側電源電位(又はプラス側電源電圧)にクランプする一方、その下限をその2値回路のマイナス側電源電位(又はマイナス側電源電圧)にクランプする」という2値回路の動作を積極的に有益に活用している、からである。
この図1に示す実施例1の場合、その2値回路はD型フリップ・フロップ27である。
もし、「その多値論理回路中で」又は「その入力前に」又は「その入力時に」多値ハザードが発生すると、「その多値論理回路」、「抵抗26又は抵抗26、28」及び「D型フリップ・フロップ27の入力部に有る『2値(数値)判別手段またはクランプ・ダイオード2つ』」の組合せがその多値ハザードを2値ハザードに変えてしまう。
また、多値ハザードが現われる期間は回路の設計段階で予測できるので、その多値ハザードの出現タイミングと同期信号(又はタイミング信号またはクロック信号)のタイミングを擦(す)り合わせることができる。
このため、「多値ハザードが出力端子Outの電位信号に現われる期間」中、図1中に図示された同期信号がロー・レベルな為、D型フリップ・フロップ27はその出力電位信号を無視して前のデータを記憶・保持し続ける。
一方、「その多値ハザードが出力端子Outの電位信号に現われず、出力端子Outの電位信号が安定する期間」中にその同期信号が立ち上がる為、D型フリップ・フロップ27はその出力電位信号を取り入れ、新しいデータとして記憶・保持する。
あとは同様に、D型フリップ・フロップ27はその同期信号に基づいて「データの書換え」と「新データの記憶・保持」を行(おこな)って行くので、D型フリップ・フロップ27はその「多値ハザードから変換された2値ハザード」を除去した2値信号を出力することができる。
以上の様にして、図1の実施例1は多値ハザードを2値ハザードに変えて除去することができる。
●なお、抵抗28を接続して抵抗分圧することも考えられる。特にvm≠v0(ゼロ)で、2値のD型フリップ・フロップ27のD端子がクランプ・ダイオードによって2値のプラス側電源電位(この場合、電位v0)に電位クランプされている場合、電源短絡防止用に抵抗28が必要である。(派生実施例)
●また、抵抗26又は28の代わりに抵抗手段として1方向性あるいは双方向性の定電流手段(例:定電流ダイオード、「定電流ダイオード2つを逆向きに直列接続したもの」等。)を使うことができるし、抵抗26の代わりにカレント・ミラー回路を使うことができる。両方とも定電流手段のときはその出力電圧比はそのD端子のHレベル電圧を考慮する。
●さらに、D型フリップ・フロップ27の代わりに前述(段落番号0019)した「2値3ステート・バッファー等」又は「2値3ステート・バッファーとその後段の2値メモリー手段の組合せ」などを用いても構わない。(派生実施例)
●それから、フリップ・フロップや3ステート・バッファー等がそのクロック信号に基づいて動作するトリガー方式の種類には以下3つの方式が有るので、他のトリガー方式に変更することもできる。(派生実施例)
イ)レベル・トリガー方式
ロ)エッジ・トリガー方式
ハ)パルス・トリガー方式(=マスター・スレーブ方式)
『図解ディジタル回路入門』のp.79〜p.88。(株)日本理工出版会が2008年4月25日に第4版発行。著者:中村次男。
●ところで、図1の実施例1中の接続端子ct1の接続を切り離し、トランジスタ1のソースを電源線V(m+2)〜電源線Vn(図示せず。)のいずれか1つに接続し直して、その多値論理回路部を「後述する図2の実施例2の様な『多値特定値BETWEEN(ビトウィーン)回路」又は『多値特定値IN(イン)回路』又は『多値特定値NOUT(ナウト)回路』と本発明者が呼ぶ多値論理回路」にすることも考えられる。(派生実施例)
あるいは、図1の実施例1中の接続端子ct2の接続を切り離し、トランジスタ2のソースを電源線V(−1)〜電源線V(m−2)のいずれか1つに接続し直して、その多値論理回路部を「後述する図2の実施例2の様な『多値特定値BETWEEN(ビトウィーン)回路」又は『多値特定値IN(イン)回路』又は『多値特定値NOUT(ナウト)回路』と本発明者が呼ぶ多値論理回路」にすることも考えられる。(派生実施例)
これらの派生実施例は請求項2記載の多値ハザード除去回路に対応する。なお、この為、本当は入力端子を「In」ではなく「Tin」とし、出力端子を「Out」ではなく「Tout」とした方が混同し難くなって良いのだが。
●そして、図1の実施例1において、トランジスタ22〜25、3、5と抵抗21を取り外し、接続端子ct5を直接出力端子Outとすることも可能である。(派生実施例)
あるいは、図1の実施例1において、「トランジスタ5の代わりにダイオードを用いてトランジスタ3と共に1方向性プル・ダウン手段を構成するか」又は「トランジスタ5を取り外してトランジスタ3のドレイン端子を出力端子Outにして逆導通型プル・ダウン手段を構成して」、D型フリップ・フロップ27を両電源線「Vn・V(n−1){又はV(n−1)・V(n−2)}」間に接続変更し、抵抗26の一端を電源線V(−1)から電源線Vn{又はV(n−1)}に接続変更した実施例も可能である。(派生実施例)
あるいは、図1の実施例1において、「トランジスタ3を取り外してトランジスタ5のソース端子を電源線Vmに直結して逆導通型プル・アップ手段を構成したり」又は「トランジスタ3を取り外してトランジスタ5のソース端子を電源線Vmに直結し、トランジスタ5のドレイン端子と出力端子Outの間にダイオードを挿入・接続して1方向性プル・アップ手段を構成したり」することも可能である。(派生実施例)
●あと、p≠0(ゼロ)の場合は、それぞれにpを加算して、0(ゼロ)→pすなわち「V0→Vp、vo→vp」、n→(p+n)にそれぞれ置き換わるだけである。従って、V(n−1)→V(p+n−1)、「n−1≧m≧0」→「p+n−1≧m≧p」にそれぞれ置き換わる。
図2に示す実施例2は図1の実施例において(数値)判別回路部を別タイプに置き換えた多値ハザード除去回路で、「トランジスタ31〜33、ダイオード34〜35及び抵抗20〜21の回路部分」がその(数値)判別回路部である。ただし、S=1、p=0で、「n−1>k≧l(エル)≧m+1」及び「m−1≧0(ゼロ)」の関係すなわち「n−2>k−1≧l(エル)−1≧m≧1」の関係に有る。
kとl(エル)は請求項2記載中の2つの入力用特定値、mは請求項1又は2記載中の出力用特定値、vkとvlは請求項2記載中の2つの入力用特定電位、vmは請求項1又は2記載中の出力用特定電位、電源線Vk、Vlは請求項2記載中の2つの入力用特定電位供給手段、そして、電源線Vmは請求項1又は2記載中の出力用特定電位供給手段である。
そして、点線で示すダイオード36は無い場合も有るが、有った方が良い。無い場合、トランジスタ3のオフ駆動時に出力端子Outの電位が電位v(m−1)より低い場合、トランジスタ3のゲート・ソース静電容量の充電電流が電源線V(m−1)からトランジスタ23とトランジスタ3内蔵ダイオードを経て出力端子Outへ流れてしまう。
●k=l(エル)の場合、実施例2は請求項1記載の多値ハザード除去回路に対応する。
入力数値がkのときトランジスタ31〜33、23、24がオフとなり、トランジスタ22、25、3、5がオンとなる為、出力端子Outの電位は電位vmになる。一方、入力数値がkでないときトランジスタ「『31、33』又は32」、23、24がオンとなり、トランジスタ22、25、3、5がオフとなる為、出力端子Outの電位は電位v0にプル・ダウンされる。
このため、本発明者はこの多値論理回路を「多値特定値EQUAL(イコール)回路」{あるいはゴルフ用語で統一して「多値特定値EVEN(イーブン)回路」}と呼ぶ。
また、接続端子ct5の所に「トランジスタ24、25の様に両電源線V(m+1)・V(m−1)間に接続された2値インバーター回路」を挿入・接続して、接続端子ct5の出力信号を反転させれば、トランジスタ3、5の両オン・オフ動作も正反対になるので、本発明者はこの多値論理回路を「多値特定値NOT(ノット)回路{あるいは多値特定値EVEN回路の否定で多値特定値NEVEN(ネーブン)回路}」と呼ぶ。
あるいは、両・接続端子ct3、ct4とトランジスタ3、5の両ゲート端子の接続を正反対にして、トランジスタ3、5の両オン・オフ動作も正反対にすることも考えられるが、この多値特定値NOT(ノット)回路の場合、前述(段落番号[0032]中の「そして……。」の記載部分)と同様にダイオード36をトランジスタ24、25の両ドレイン間に接続し、ダイオード36のアノード側を接続端子ct4とした方が良い。
この後者の「NOT回路への変更」とその「ダイオード36の接続」に関する事は図1の実施例1でも言える。
●k≠l(エル)の場合、実施例2は請求項2記載の多値ハザード除去回路に対応する。
k≧(入力数値)≧l(エル)のとき出力端子Outの電位は電位vmになる一方、「(入力数値)>k」又は「l(エル)>(入力数値)」のとき出力端子Outの電位は電位v0にプル・ダウンされる。
このため、本発明者はこの多値論理回路を「2つの入力特定値が(k+1)と{l(エル)+1}である多値特定値BETWEEN(ビトウィーン)回路」{あるいはゴルフ用語で統一して「多値特定値IN(イン)回路」}とか、「2つの入力特定値がkとl(エル)である多値特定値NOUT(ナウト)回路{=多値特定値OUT(アウト)回路の否定}」と呼ぶ。
そして、本発明者は前者の否定回路を「2つの入力特定値が(k+1)と{l(エル)+1}である多値特定値NOBETWEEN(ノー・ビトウィーン)回路」(あるいは「多値特定値NIN(ニン)回路」)と呼び、後者の肯定回路を「2つの入力特定値がkとl(エル)である多値特定値OUT(アウト)回路」と呼ぶ。
その否定のために、例えば接続端子ct5の所に「トランジスタ24、25の様に両電源線V(m+1)・V(m−1)間に接続された2値インバーター回路」を挿入・接続して、接続端子ct5の出力信号を反転させて、トランジスタ3、5の両オン・オフ動作も正反対にすれば良い。
あるいは、例えば両・接続端子ct3、ct4とトランジスタ3、5の両ゲート端子の接続を正反対にして、トランジスタ3、5の両オン・オフ動作を正反対にすることも考えられるが、これらの否定回路の場合、前述(段落番号[0032]中の「そして……。」の記載部分)と同様にダイオード36をトランジスタ24、25の両ドレイン間に接続し、ダイオード36のアノード側を接続端子ct4とした方が良い。
k=l(エル)の場合もk≠l(エル)の場合も、あとの「プル・ダウン抵抗26又は『26、28』とD型フリップ・フロップ27」の各動作は図1の実施例1の場合(段落番号0028〜0029)と同様である。
●なお、前述(段落番号0030)した4つの事(なお……。また、……。さらに、……。それから、……。)は実施例2についても同様に言える。
●また、図2の実施例2において、トランジスタ22〜25、3、5と抵抗21を取り外し、接続端子ct5を直接出力端子Outとすることも可能である。(派生実施例)
あるいは、図2の実施例2において、「トランジスタ3の代わりにダイオードを用いてトランジスタ5と共に1方向性プル・アップ手段を構成したり」又は「トランジスタ3を取り外してトランジスタ5のドレイン端子を出力端子Outにして逆導通型プル・アップ手段を構成したり」することも可能である。(派生実施例)
あるいは、図2の実施例2において、「トランジスタ5を取り外してトランジスタ3のソース端子を電源線Vmに直結して逆導通型プル・ダウン手段を構成するか」又は「トランジスタ5を取り外してトランジスタ3のソース端子を電源線Vmに直結し、トランジスタ3のドレイン端子と出力端子Outの間にダイオードを挿入・接続して1方向性プル・ダウン手段を構成して」、D型フリップ・フロップ27を両電源線「Vn・V(n−1){又はV(n−1)・V(n−2)}」間に接続変更し、抵抗26の一端を電源線V(−1)から電源線Vn{又はV(n−1)}に接続変更した実施例も可能である。(派生実施例)
●さらに、多値特定値IN(イン)回路と多値特定値NOUT(ナウト)回路の違いは、前者が両・入力用特定値kとl(エル)を含まないのに対して後者は両・入力用特定値kとl(エル)を含むことである。
一方、多値特定値NIN(ニン)回路と多値特定値OUT(アウト)回路の違いは、前者が両・入力用特定値kとl(エル)を含むのに対して後者は両・入力用特定値kとl(エル)を含まないことである。
●それから、p≠0(ゼロ)の場合、それぞれにpを加算して、0(ゼロ)→pすなわち「V0→Vp、vo→vp」、n→(p+n)、V(n−1)→V(p+n−1)、そして、「n−2>k−1≧l(エル)−1≧m≧1」→「p+n−2>k−1≧l(エル)−1≧m≧p+1」にそれぞれ置き換わるだけである。
◆◆蛇足ながら、特開2005−236985号の明細書・段落番号[0033]には『AND』、『NAND』、『OR』、『NOR』のグループと『BETWEEN』、『NOBETWEEN』の組合せについて記載されている。
同様に、『AND』、『NAND』、『OR』、『NOR』のグループと『IN(イン)』、『NIN(ニン)』、『OUT(アウト)』、『NOUT(ナウト)』のグループの組合せが以下の通り考えられる。
●多値特定値AND・IN回路=多値特定値AND・BETWEEN回路
●多値特定値NAND・IN回路=多値特定値NAND・BETWEEN回路
●多値特定値AND・NIN回路=多値特定値AND・NOBETWEEN回路
●多値特定値NAND・NIN回路=多値特定値NAND・NOBETWEEN回路
***
●多値特定値OR・IN回路=多値特定値OR・BETWEEN回路
●多値特定値NOR・IN回路=多値特定値NOR・BETWEEN回路
●多値特定値OR・NIN回路=多値特定値OR・NOBETWEEN回路
●多値特定値NOR・NIN回路=多値特定値NOR・NOBETWEEN回路
***
●多値特定値AND・OUT回路
●多値特定値NAND・OUT回路
●多値特定値AND・NOUT回路
●多値特定値NAND・NOUT回路
***
●多値特定値OR・OUT回路
●多値特定値NOR・OUT回路
●多値特定値OR・NOUT回路
●多値特定値NOR・NOUT回路
なお、最初に提案する為、取り敢(あ)えず各機能に冗長(じょうちょう)性を持たせたので、一部機能が重複するが、もし広く利用されて行くなら、利用し易い様にこれらの回路名や機能は収斂(しゅうれん)されて行くだろう。
つまり、最初に提案するので、取り敢(あ)えず重複する機能を持たせているが、もし広く利用されて行くなら、利用し易い様にこれらの回路名や機能は整理されて行くと本発明者は思う。
実施例3を図3に示す。ただし、前述した「2値ハザード除去手段」と「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」は図示していないが、「図1の実施例1又は図2の実施例2」中で用いた「D型フリップ・フロップ27や抵抗26等」の2値ハザード除去手段などを実施例3中の出力端子Outに接続する。また、S=1、p=0、「n≧3」である。さらに、ふつう「n−2≧m≧1」であるが、「n=m+1」または「m=0」でも構わない。ただし、「電位vnの電源線Vn」又は「電位(−1)の電源線Vn(−1)」を追加する必要が有る。
なお、図3中の多値論理回路は「多値特定値EQUAL(イコール)回路」あるいは「多値特定値EVEN(イーブン)回路」で、その双方向性スイッチング手段部のターン・オフを速める為に、そのオフ駆動時「その双方向性スイッチング手段を構成するトランジスタ3〜6の全ゲート・ソース間静電容量」を両放電手段(=トランジスタ37、ダイオード39及び抵抗15の接続体と、トランジスタ38、ダイオード40及び抵抗16の接続体)が速やかに放電させる。
また、本当は入力端子を「In」ではなく「Tin」とし、出力端子を「Out」ではなく「Tout」とした方が混同し難くなって良い。
特開平6−196991号(双方向性スイッチング手段) 特許第3,423,780号(双方向性スイッチング手段) 特開昭51−135355号(放電手段、ターン・オフ高速化) 特開昭53−68066号(放電手段、ターン・オフ高速化) 特開昭48−71874号(3端子スイッチ) 特開昭55−136727号(3端子スイッチ)
さらに、p≠0(ゼロ)の場合は、それぞれにpを加算して、0(ゼロ)→pすなわち「V0→Vp、vo→vp」、n→(p+n)、V(n−1)→V(p+n−1)、そして、「n−1≧m≧0(ゼロ)→p+n−1≧m≧pにそれぞれ置き換わるだけである。
特開2005−198226号(新・多値論理に基づく多値論理回路)
実施例4を図4に示す。ただし、前述した「2値ハザード除去手段」と「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」は図示していないが、「図1の実施例1又は図2の実施例2」中で用いた「D型フリップ・フロップ27や抵抗26等」の2値ハザード除去手段などを実施例4中の出力端子Outに接続する。また、S=1、p=0、「n≧3」である。さらに、ふつう「n−2≧m≧1」であるが、「n=m+1」又は「m=0」でも構わない。ただし、「電位vnの電源線Vn」又は「電位(−1)の電源線Vn(−1)」を追加する必要が有る。
●なお、図4中の多値論理回路は「多値特定値EQUAL(イコール)回路」あるいは「多値特定値EVEN(イーブン)回路」で、その双方向性スイッチング手段部のターン・オフを速める為に、オフ駆動時に「その双方向性スイッチング手段を構成するトランジスタ3〜4の両ゲート・ソース間静電容量」を放電手段(=トランジスタ37、ダイオード39及び抵抗15の接続体)が速やかに放電させる。
●また、p≠0(ゼロ)の場合は、それぞれにpを加算して、0(ゼロ)→pすなわち「V0→Vp、vo→vp」、n→(p+n)、V(n−1)→V(p+n−1)、そして、「n−1≧m≧0(ゼロ)→p+n−1≧m≧pにそれぞれ置き換わるだけである。にそれぞれ置き換わるだけである。
特開2005−236985号(新・多値論理に基づく多値論理回路)
実施例5を図5に示す。ただし、前述した「2値ハザード除去手段」と「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」は図示していない。
図5中に示す多値論理回路は、図3(実施例3)中の多値論理回路を改良したもので、k=l(エル)+2の時「多値特定値EQUAL回路」又は「多値特定値EVEN回路」であり、k>l(エル)+2の時「多値特定値BETWEEN回路」または「多値特定値IN回路」である。
両方の時をまとめて「n≧k≧l(エル)+2≧−3」であるが、その双方向性スイッチング手段に完全絶縁型スイッチを用いているため出力用特定値mの値は入力用特定値「kとl(エル)」の各値に全く拘束されず、n−1≧m≧p=0の間でmを自由な値に設定することができる。
その理由は次の通りである。トランジスタ1、2、17、18(及びその双方向性スイッチング手段)がオフのとき、トランジスタ41、42等がその双方向性スイッチング手段中のPMOS対(5、6)とNMOS対(3、4)それぞれをゲート逆バイアスすると同時にゲート順バイアス用の各コンデンサ45、46を充電する。このとき、トランジスタ3〜6がオフな為そのオン・オフ駆動部は電源線Vm及び出力端子Outと遮断(しゃだん)されている。
一方、トランジスタ1、2、17、18及びその双方向性スイッチング手段がオンのときトランジスタ41、42はオフな為、そのオン・オフ駆動部は電源線Vk、Vl(エル)と遮断(しゃだん)されているので、そのオン・オフ駆動部が電源線Vm及び出力端子Outと導通状態にあっても全く支障は無い。このとき、両ゲート順バイアス用コンデンサ45、46がPMOS対(5、6)とNMOS対(3、4)を同時にオン駆動する。
特開平6−196991号(完全絶縁型スイッチング手段) 特許第3,423,780号(完全絶縁型スイッチング手段)
●なお、前述した「図1の実施例1又は図2の実施例2」中で用いた「D型フリップ・フロップ27や抵抗26等」を実施例5中の出力端子Outに接続する場合は、「抵抗26の一端とD型フリップ・フロップ27のマイナス側電源供給端子を接続する電源線」は電位vmより1つ以上低い電源線である必要が有る。あるいは、「抵抗26の一端とD型フリップ・フロップ27のプラス側電源供給端子を接続する電源線」は電位vmより1つ以上高い電源線である必要が有る。
●また、p≠0(ゼロ)の場合は、それぞれに加算して、0(ゼロ)→pすなわち「V0→Vp、vo→vp」、n→(p+n)、V(n−1)→V(p+n−1)、「n≧k≧l(エル)+2≧−3」→「p+n≧k≧l(エル)+2≧p−3」、「n−1≧m≧0(ゼロ)」→「p+n−1≧m≧p」にそれぞれ置き換わるだけである。
実施例6を図6に示す。ただし、前述した「2値ハザード除去手段」と「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」は図示していない。
図6中に示す多値論理回路は、図5(実施例5)中の多値論理回路を一部変更したもので、k=l(エル)+2のとき「多値特定値NOT(ノット)回路{あるいは多値特定値EVEN回路の否定で多値特定値NEVEN(ネーブン)回路}」であり、k>l(エル)+2のとき「多値特定値NOBETWEEN回路」あるいは「多値特定値NIN回路」である。
このため、同様に「n≧k≧l(エル)+2≧−3」であるが、その双方向性スイッチング手段に完全絶縁型を用いているため出力用特定値mの値は入力用特定値「kとl(エル)」の各値に全く拘束されず、n−1≧m≧p=0の間でmを自由な値に設定することができる。
その一部変更は「図5(実施例5)中の両ゲート順バイアス用コンデンサ45、46を1つにまとめたこと」と「その出力を否定型にする為に、図5(実施例5)中のオン・オフ駆動部から『抵抗43とトランジスタ41を直列接続した2値インバーター回路』と『抵抗44とトランジスタ42を直列接続した2値インバーター回路』を取り外し、トランジスタ17、18で直接オン・オフ駆動したこと」である。
●なお、前述した「図1の実施例1又は図2の実施例2」中で用いた「D型フリップ・フロップ27や抵抗26等」を実施例6中の出力端子Outに接続する場合は、「抵抗26の一端とD型フリップ・フロップ27のマイナス側電源供給端子を接続する電源線」は電位vmより1つ以上低い電源線である必要が有る。あるいは、「抵抗26の一端とD型フリップ・フロップ27のプラス側電源供給端子を接続する電源線」は電位vmより1つ以上高い電源線である必要が有る。
●また、p≠0(ゼロ)の場合は、それぞれにpを加算して、0(ゼロ)→pすなわち「V0→Vp、vo→vp」、n→(p+n)、V(n−1)→V(p+n−1)、「n≧k≧l(エル)+2≧−3」→「p+n≧k≧l(エル)+2≧p−3」、「n−1≧m≧0(ゼロ)」→「p+n−1≧m≧p」にそれぞれ置き換わるだけである。
実施例7を図7に示す。ただし、前述した「2値ハザード除去手段」と「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」は図示していない。
図7中に示す多値論理回路は、図4(実施例4)中の多値論理回路を一部変更したもので、k=l(エル)+2のとき「多値特定値NOT(ノット)回路{あるいは多値特定値EVEN回路の否定で多値特定値NEVEN(ネーブン)回路}」であり、k>l(エル)+2のとき「多値特定値NOBETWEEN回路」あるいは「多値特定値NIN回路」である。
両方の時をまとめて「n≧k≧l(エル)+2≧−3」であるが、その双方向性スイッチング手段に条件付き絶縁型スイッチを用いているが、出力用特定値mの値は入力用特定値「kとl(エル)」の各値に全く拘束されず、n−1≧m≧p=1の間でmを自由な値に設定することができる。
その理由は次の通りである。トランジスタ1、2、17、47、48がオンのとき、トランジスタ47、48及びダイオード49、50がその双方向性スイッチング手段中のNMOS対(3、4)をゲート逆バイアスしてオフ駆動すると同時にゲート順バイアス用のコンデンサ45を充電する。このとき、特定電位vmと出力端子Outの電位が電位v0より高い限り、そのオン・オフ駆動部は電源線Vm及び出力端子Outと遮断(しゃだん)されている。
一方、その双方向性スイッチング手段がオンのとき、トランジスタ1、2、17と共にトランジスタ47、48及びダイオード49、50はオフな為、そのオン・オフ駆動部は電源線V0、V(−1)と遮断(しゃだん)されているので、そのオン・オフ駆動部が電源線Vm及び出力端子Outと導通状態にあっても支障は無い。このとき、ゲート順バイアス用コンデンサ45がNMOS対(3、4)をオン駆動する。
特許第3,321,203号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特許第3,321,218号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特許第3,333,643号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特許第3,553,666号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特開平9−252582号(条件付き絶縁型スイッチング手段)
●なお、前述した「図1の実施例1又は図2の実施例2」中で用いた「D型フリップ・フロップ27や抵抗26等」を実施例5中の出力端子Outに接続する場合は、「抵抗26の一端とD型フリップ・フロップ27のマイナス側電源供給端子を接続する電源線」は電位vmより1つ以上低く、v0より高い電源線である必要が有る。あるいは、「抵抗26の一端とD型フリップ・フロップ27のプラス側電源供給端子を接続する電源線」は電位vmより1つ以上高い電源線である必要が有る。
●また、p≠0(ゼロ)の場合は、それぞれにpを加算して、0(ゼロ)→pすなわち「V0→Vp、vo→vp」、n→(p+n)、V(n−1)→V(p+n−1)、V(−1)→V(p−1)、「n≧k≧l(エル)+2≧−3」→「p+n≧k≧l(エル)+2≧p−3」、「n−1≧m≧0(ゼロ)」→「p+n−1≧m≧p」にそれぞれ置き換わるだけである。
●さらに、図7の実施例7中の多値論理回路を「多値特定値EQUAL回路」(あるいは「多値特定値EVEN回路」)又は「多値特定値BETWEEN回路」(あるいは「多値特定値IN回路」)に変更する場合は、図7中の接続端子ct6の所に「両電源線Vo・V(−1)間に接続された2値インバーター回路」を挿入接続して、その信号を反転させれば良い。
図8に示す実施例8は、図1の実施例において「前述した判別手段として『トランジスタ1、2、17及び抵抗20、21が構成する判別手段部』を『図8中のトランジスタ1、2、51及び抵抗20、21が構成する判別手段部』で置き換えて、接続端子ct5の出力信号を反転させ」、かつ、「トランジスタ23〜25と接続端子ct3、ct4の接続を正反対にして、接続端子ct3、ct4の各出力信号を反転させ」、かつ、「『直列接続されたトランジスタ3、5が形成する双方向性スイッチング手段』の代わりに図3の実施例3中で用いている『トランジスタ3〜6とダイオード9〜12が形成する双方向性スイッチング手段』を使った」多値ハザード除去回路である。
ただし、前述した「2値ハザード除去手段」と「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」は図示されていないが、「図1の実施例1又は図2の実施例2」中で用いた「D型フリップ・フロップ27や抵抗26等」の2値ハザード除去手段などを実施例8中の出力端子Outに接続する。また、S=1、p=0(ゼロ)で、「n≧3」、「n−1≧m≧0」の関係に有る。
●なお、図8の実施例8中の多値論理回路は「多値特定値EQUAL(イコール)回路」{又は「多値特定値EVEN(イーブン)回路」}であるが、両・接続端子ct3、ct4とトランジスタ対「3、4」、「5、6」の両ゲート端子の接続を正反対にすると、この多値論理回路は「多値特定値NOT(ノット)回路{あるいは多値特定値EVEN回路の否定で多値特定値NEVEN(ネーブン)回路}」になる。
●また、図1の各派生実施例または図2の実施例またはその各派生実施例においても「直列接続されたトランジスタ3、5が形成する双方向性スイッチング手段」の代わりに図8の実施例8中で用いている「トランジスタ3〜6とダイオード9〜12等が形成する双方向性スイッチング手段」を使うことができる。ただし、図2の実施例中のダイオード36は要らない。この場合も、両・接続端子ct3、ct4とトランジスタ対「3、4」、「5、6」の両ゲート端子の接続を正反対にすると、その多値論理回路は元の多値論理回路に対して「多値特定値NOT(ノット)回路{又は多値特定値NEVEN(ネーブン)回路}」などの否定回路になる。
他の実施例(図示せず。)として、特開2005−198226号の図1〜図26、図31〜図38の各実施例(多値論理回路)とその派生実施例{段落番号[0076]の最後の補足説明d)項}の出力端子Outに本発明の様に「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」と「2値ハザード除去手段」の組合せを1組ずつ接続した「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。
また、特開2005−198226号の図1の実施例において、トランジスタ3、6及びダイオード9、12を取り外した、その出力スイッチ部が1方向性プル・ダウン手段である多値論理回路の出力端子Outに本発明の様に「プル・アップ抵抗手段またはプル抵抗手段」と「2値ハザード除去手段」の組合せを接続した「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。同様に、図9、図13〜図26の各実施例においても同様なことをした「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。
さらに、特開2005−198226号の図1の実施例において、トランジスタ4、5及びダイオード10、11を取り外した、その出力スイッチ部が1方向性プル・アップ手段である多値論理回路の出力端子Outに本発明の様に「プル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」と「2値ハザード除去手段」の組合せを接続した「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。同様に、図9、図13〜図26の各実施例においても同様なことをした「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。
別の他の実施例(図示せず。)として、特開2005−236985号の図1、図5〜図27の各実施例(多値論理回路)とその派生実施例の出力端子Out、図28〜図31の各回路(多値論理回路)の出力端子Outに本発明の様に「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」と「2値ハザード除去手段」の組合せを1組ずつ接続した「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。
また、特開2005−236985号の図1の実施例において、「トランジスタ3を取り外し、トランジスタ4のソースを電源線Vmに直結し、その出力スイッチ部を逆導通型プル・ダウン手段にしたり」、「トランジスタ3を取り外し、トランジスタ4のソースを電源線Vmに直結し、トランジスタ4のドレインと出力端子Outの間にダイオードを挿入・接続して、その出力スイッチ部を1方向性プル・ダウン手段にしたり」、「トランジスタ4を取り外し、トランジスタ3のソース端子を出力端子Outにして、その出力スイッチ部を逆導通型プル・アップ手段にしたり」、あるいは、「トランジスタ4を取り外し、トランジスタ3のソースと出力端子Outの間にダイオードを挿入・接続して、その出力スイッチ部を1方向性プル・アップ手段にしたり」した多値論理回路の出力端子Outに、本発明の様に「プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段」と「2値ハザード除去手段」の組合せを接続した「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。同様に、図5、図9〜図25の各実施例においても同様なことをした「多値ハザード除去回路」の実施例が有る。
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************ 最後に以下の事を補足する。 ************
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■(1)各実施例またはその各派生実施例において、トランジスタ3(、4)のバックゲートは「そのソース」ではなく「その回路の最低電位の電源線V(−1)又はV0」に接続しても良いし、トランジスタ5(、6)のバックゲートは「そのソース」ではなく「その回路の最高電位の電源線Vn又はV(n−1)」に接続しても良い。(派生実施例)
■(2)各実施例またはその各派生実施例において抵抗26又は28の代わりに「そのゲート・ソース間を直結した接合型FETまたはノーマリィ・オン型MOS・FET」、「そのドレイン・ゲート間を接続したノーマリィ・オフ型MOS・FET」、定電流ダイオード、「定電流ダイオード2つを逆向きに直列接続したもの」、カレント・ミラー回路または2端子の定電流手段を抵抗手段として1つずつ使用できる。(派生実施例)
■(3)各実施例またはその各派生実施例において各ダイオードの代わりに他のPN接合、「そのコレクタとベースを直結したバイポーラ・トランジスタ」、「そのドレインとソースを直結した接合型FET」、「そのドレインとゲートを直結したバイポーラ・モードのSIT又はGTBT」、「そのゲート、バック・ゲート及びソースを接続したノーマリィ・オフ型MOS・FET」又は「そのドレイン・バックゲート間、そのソース・バックゲート間それぞれが導通しない様にそのバックゲート電位を保ち、そのドレインとゲートを接続したノーマリィ・オフ型MOS・FET」を1つずつ使用できる。(派生実施例)
■(4)図1、図2の各実施例中のD型フリップ・フロップ27の入力部にクランプ・ダイオードを接続する場合、そのプラス側のクランプ先を「その回路の最高電位の電源線Vn又はV(n−1)」にすることが考えられる。そのプラス側のクランプ先を電源線V0又はV1にするときは、当然の事ながら「分圧抵抗用」又は「電源短絡防止用」の抵抗28を接続することになる。
■(5)図1の実施例中のD型フリップ・フロップ27は両・電源線V0・V(−1)間に接続されているが、図2の実施例の様に両・電源線V1・V0間に接続する場合も有る。抵抗26の一端は電源線V(−1)に接続したままでも良いが、電源線V0に接続し直しても良い。
一方、図2の実施例中のD型フリップ・フロップ27は両・電源線V1・V0間に接続されているが、電源線V(−1)を追加して図1の実施例の様に両・電源線V0・V(−1)間に接続する場合も有る。抵抗26の一端も電源線V0から電源線V(−1)に接続し直す。
■(6)各実施例またはその各派生実施例において各電源電位の高低を正反対にして、各可制御スイッチング手段を「それと相補関係に有る可制御スイッチング手段(例:Nチャネル型MOS・FETに対するPチャネル型MOS・FET)」で1つずつ置き換え、方向性または電圧極性の有る各構成要素(例:ダイオード)の向きを逆にした「元の実施例に対して電圧方向または電圧極性に関して対称的な関係に有る実施例」もまた可能である。この対称的な関係に有る実施例は請求項3記載の多値ハザード除去手段に対応する。
ただし、その場合、それは正論理に対する負論理に対応するので、その多値論理機能が元と同じ場合も有るし、違う場合も有る。
『電気学会 電気専門用語集 No.9 パワーエレクトロニクス』、著者:「電気学会 電気用語標準特別委員会」・「電気学会 半導体電力変換装置用語小委員会」、編者:(社)電気学会、(株)コロナ社が2000年2月28日改正版第1刷発行。参考:用語「可制御スイッチ、可制御デバイス」など。なお、「バルブ(弁)」の意味はほぼ「スイッチ」と同じである。
■(7)前述した2値ハザード除去手段の接続が前述した多値論理回路の直ぐ後ろでなくても良い場合、つまり、両者の間に別の2値回路が接続されていても構わない場合は、そうなることも有る。
■(8)図5〜図7に示す各多値論理回路は、その双方向性スイッチング手段の一端を電源線Vmから切り離せば、多値トランスファー・ゲート手段として利用することができる。
特開平6−196991号(完全絶縁型スイッチング手段) 特許第3,423,780号(完全絶縁型スイッチング手段) 特許第3,321,203号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特許第3,321,218号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特許第3,333,643号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特許第3,553,666号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特開平9−252582号(条件付き絶縁型スイッチング手段) 特開平11−164546号(条件付き絶縁型スイッチング手段)
■(9)他の多値ハザード除去回路として「従来の他の多値論理回路」、「広義(=広い意味)のデコーダー(=多値・2値コード変換回路)」及び「2値ハザード除去回路」の組合せが考えられる。但し、その多値・2値コード変換回路において前述(段落番号[0008])と同様な『多値ハザード発生回数の増幅・増加作用』が働く場合、本発明の様に容易には行かないかもしれない。
************** 電源の課題を解決 **************
***
■(10)電位モード(又は電圧モード)の多値論理回路では各・直流電圧供給が大きな課題(参照:非特許文献1)であるが、以下の通り、既にDC−DCコンバーター回路などに関する技術が有る。さらに精密な定電圧制御が必要ならば「定電圧制御されたDC−DCコンバーター回路」等の後段に3端子レギュレーター等の定電圧手段を接続すれば良い。
特許第2,717,963号*シュミット・トリガー回路を使用した間欠発振制御による定電圧制御。*自己発振式DC−DCコンバーター回路(非共振型)と組み合せる点が「この発明以前のヒステリシス制御(参照:下記・非特許文献9)」と全く違う点である。*シュミット・トリガー回路が引き起こす「異常発振、異常過熱および異常な電力損失の増大」を防ぐ工夫が為されている。*出願日:1987年5月19日、優先日:1986年6月25日、同年8月25日。
特許第3,187,470号*複合共振型DC−DCコンバーター回路(完全・電流ゼロ・スイッチング、オン・オフ切換え時のスイッチング損失ゼロ)。*特許公報に記載の回路定数と使用部品などは「有り合わせの部品を用いたので、ベストな選択ではない」が、第三者はその回路動作を検証し易い。*下記・非特許文献7、8もこの発明技術の確かさと有用性を裏付ける。*出願日:1991年6月1日、優先日:1990年6月1日。
特許第3,187,411号(共振型DC−DCコンバーター回路)[下記・特許文献26特許技術を改良した自己発振式、駆動用変圧器と出力用変圧器の共通化による駆動電力の節約、部品点数の削減] 特許第3,333,504号(同上)[自己発振式、双方向性定電圧手段(例:逆並列接続ダイオード。)を用いた簡単な駆動手段、共振電圧の一定化など] 特許第3,477,136号*シュミット・トリガー回路を用いた間欠発振制御による定電圧制御。*共振型・自己発振式DC−DCコンバーター回路と組み合わせる点が「この発明以前のヒステリシス制御(参照:下記・非特許文献9)」と全く違う点である。*このため、共振動作による一定のスイッチング周波数となるので、その共振周期とその間欠周期は互いに独立している。*電流ゼロ・スイッチングがもたらす効用により上記・特許文献23の発明技術において必要な工夫・構成手段を必要とせず、回路構成や入出力電圧関係の自由度が高い。*特許文献24の原出願の分割出願。
特許第3,494,303号(共振型DC−DCコンバーター回路)[少ない巻線数] 特許第3,521,055号(同上)[制御手段の削減] 特許第3,645,274号(同上)[特許文献25特許技術の共振型DC−DCコンバーター回路において発振起動のアシスト] 特許第3,730,354号(トランジスタ式ダイオード手段)[順電圧の大きさを低減、電力損失の低減] 特開平9−51677号(共振型DC−DCコンバーター回路)[少ない巻線数]{最優先日:1994年10月17日、見なし取下}[多くの実施例を開示]
J.G.Hayes,et al.:"Full−Bridge,Series−Resonant Converter Supplying the SAE J−1773 Electric Vehicle Inductive Charging Interface",PESC’96 Record,1913(1996)。 [上記・特許文献24の複合共振型DC−DCコンバーター回路の技術などを応用した電気自動車用蓄電池の急速充電器]。 『電気学会技術報告 第687号 電力変換器の高性能スイッチング技術』、p.46の図4.14の[電流複共振を使用したDC−DCコンバータ]。著者:電力変換器の高性能スイッチング技術調査専門委員会、(社)電気学会が1998年8月25日に発行。 [上記・非特許文献7の回路技術の紹介]。 『日経エレクトロニクス6月15日号(2009年)、第1006号』、p.78〜p.86の『アナログ強化塾 第6回 高速が特徴のヒステリシス制御 電源制御方式の主役に躍り出る』、執筆:山下勝己、日経BP社が2009年6月15日発行。
また、各・直流電圧供給にチャージ・ポンプ回路などを使うことも考えられる。
特許第3,657,623号(チャージ・ポンプ回路) 特開平6−225518号(コンデンサを用いた絶縁給電手段とコイルを用いた絶縁給電手段){見なし取下} 特開平8−23671号(直列共振回路を用いた絶縁給電手段){見なし取下} 特開平9−98567号(直列共振回路を用いた絶縁給電手段){自発取下} 特開平9−182414号(コンデンサを用いた降圧回路){見なし取下} 特開平10−164826号(コンデンサを用いた降圧回路){見なし取下} 特開平11−164546号(コンデンサを用いた降圧回路){見なし取下} 特開2000−60112号(コンデンサを用いた降圧回路){見なし取下}
******* 新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の説明 *******
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■(11)本発明の構成手段である電位モード(又は電圧モード)多値論理回路は『本発明者が独自に考え出した全く新しい世界初の新・多値論理』を具体化・実現化したものである。しかし、その新・多値論理に名前が無いと何かと不便なので、『フージ(Hooji)代数』と名付けることにする。
そう名付けた理由は「本発明者は日本人なので、日本の象徴である富士山に因(ちな)んでいること」、「ブール代数(Boolean algebra)の『ブール』に少し語路(ごろ)合わせしていること」及び「その能力、可能性、実用性、展開拡張性、将来性など、いずれを取っても、huge{=度外(どはず)れて大きい、途方も無く大きい、巨大な。}であると本発明者は強く判断しているので、英語のhuge(ヒュージ)に語路合わせしていること」である。
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その様に判断した理由は以下の通り新・多値論理『フージ代数』には「これまでの多値論理には無い有利な独特の効果」がいくつも有る、からである。
●a)前段の2値回路との接続性が極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無いこと。[段落番号0081]
●b)後段の2値回路との接続性も極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無いこと。[段落番号0028]
●c)多値数Nに関係無く、すべての多値論理関数を1種類の多値論理(完全系)で表現できること。 ⇒⇒ 完全性、それも『完全』。[段落番号0068〜0074]
●d)2値・ブール代数の(非反転論理、)AND論理、OR論理、NOT論理、NAND論理、NOR論理を包含していること。[段落番号0079]
●e)多値数Nの変更が極めて容易なこと。[段落番号0067]
●f)多値数Nに全く影響されずに、回路の「ユニット化あるいはモジュール化」が極めて容易なこと。[段落番号0065]
●g)『完全』回路の(3次元の)プログラマブル・ロジック・アレイ化、セミ・オーダー(3次元)IC・LSI化などが可能なこと。[段落番号0075〜0078]
●h)複数の論理変数「…、x、y、z、…」とその関数f(…、x、y、z、…)の各多値数N(≧2)が互いに全く異なっていても、全く問題無く対応できる柔軟な対応性が有ること。[段落番号0080]
●i)本発明と違って2値に変換しなくても多値ハザードを除去できる第2の多値ハザード除去回路またはその方法が有ること。[段落番号0083〜0085]
●j)多値論理回路内の信号伝達途中においても2値回路との接続性が極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無いこと。[段落番号0086]
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なお、「前段の2値回路との接続性」も「その多値論理回路内の信号伝達途中における2値回路との接続性」も「後段の2値回路との接続性」も極めて良いにもかかわらず、その多値数Nに関係無く、全ての多値論理関数を1種類の多値論理(完全系)で表現できること(=完全性、それも『完全』)等は、新・多値論理『フージ(Hooji)代数』に基づいた多値論理回路の際立った独特な効果・特徴である。これまで、その様な多値論理も多値論理回路も無かった。
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そんな訳で、新・多値論理『フージ代数』は「これまでで一番忠実に・正統的にブール代数を展開・拡張したもの」ではないかと本発明者は考えている。
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特開2004−032702号(『フージ代数』に基づく多値論理回路)[出願日:2003年3月10日、優先日:2002年3月11日、同じく5月7日]、(見なし取下)。 特開2005−198226号(特許文献1特許の拡大再出願) 特開2005−236985号(特許文献4特許の改良)
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■(12)新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の『多値数Nに関係無く成り立つ双対(そうつい)性』という特徴などについて:
『フージ代数』は「2値ブール代数を☆本発明者・流に忠実に多値へ展開・拡張させたもの」なので、当然、その多値(特定値)NOT論理、多値(特定値)AND論理および多値(特定値)OR論理に関して『双対性』が成り立つ。
『ブール代数における双対性』とは「NOT論理、AND論理あるいはOR論理で構成された任意の論理関数の恒等式において、その両辺の「1」と「0」を入れ換え、同時にAND論理とOR論理を入れ換えても、その恒等式が成り立つこと」である。
図9は『フージ代数』においても「ブール代数における2重否定の定理、ド・モルガンの定理、双対定理それぞれと同様に対応する各定理」が成り立つことを示している。
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『トランジスタ回路入門講座5 ディジタル回路の考え方』、p.27〜p.31の『3・3 ブール代数 〔1〕公理 〔2〕定理 〔3〕双対性』、監修:雨宮好文・小柴典居(つねおり)、著者:清水賢資(けんすけ)・曽和将容(まさひろ)、(株)オーム社が昭和56年5月20日発行。
先ず先に、ブール代数において既に公知なOR回路、AND回路それぞれの等価回路について説明する。
●●OR回路の等価回路;
*2重否定の定理より
「AとBのOR論理」=A+B
=「(A+B)の2重否定」
*ド・モルガン定理のより
「(A+B)の2重否定」=「(Aの否定)・(Bの否定)の否定」
=「(Aの否定)と(Bの否定)のAND論理の否定」
*従って、
「AとBのOR論理」=「(Aの否定)と(Bの否定)のAND論理の否定」 ……
… … … … … … … … … … … … … … … … … 式(1)
●●AND回路の等価回路;
*2重否定の定理より
「AとBのAND論理」=A・B
=「A・Bの2重否定」
*ド・モルガン定理のより
「A・Bの2重否定」=「{(Aの否定)+(Bの否定)}の否定」
=「(Aの否定)と(Bの否定)のOR論理の否定」
*従って、
「AとBのAND論理」=「(Aの否定)と(Bの否定)のOR論理の否定」 ……
… … … … … … … … … … … … … … … … … 式(2)
●◎●ブール代数における双対性;
式(1)と式(2)は自分の両辺の「1」と「0」を入れ換え、同時にAND論理とOR論理を入れ換えると、互いに相手の恒等式に成り、双対が成り立つ。
●◎●新・多値論理[フージ(Hooji)代数における双対性;
次に、図9の多値論理回路に基づいて『新・多値論理[フージ(Hooji)代数]において多値数Nに関係無く、双対(そうつい)性が成り立つこと』等について説明する。
ただし、m=入力用特定値=出力用特定値、vmは「特定値mに対応する電位」、vCm(≠vm)は「特定値m以外の数値に対応する電位」又は「どの数値とも対応しない、独立した追加電位、つまり、多値のAND、OR、NOTの各回路がその入力数値がmであると判別することが無い電位なら何でも良い電位」である。
また、「NOT(m)=m」は入力用特定値=出力用特定値=mの多値NOT回路を、「AND(m)=m」は入力用特定値=出力用特定値=mの多値AND回路を、「OR(m)=m」は入力用特定値=出力用特定値=mの多値OR回路を、それぞれ意味する。
念の為述べておくと、多値(特定値)NOT論理、多値(特定値)AND論理、多値(特定値)OR論理の各定義は以下の通りである。
●多値NOT論理;その入力数値が特定値mと等しいとき「その出力を開放し」、そうでなければ特定値mを出力する。
●多値AND論理;そのすべての入力数値が特定値mと等しいとき特定値mを出力し、そうでなければ「その出力を開放する」。
●多値OR論理;その少なくとも1つの入力数値が特定値mと等しいとき特定値mを出力し、そうでなければ「その出力を開放する」。
図9(a)の多値OR(m)回路の等価回路では「入力変数x、yの少なくとも1つが数値mのときf(x、y)は特定値mを出力し、そうでなければその出力を開放する」ことが分かる。しかも、mの値はマイナス整数からプラス整数まで、自由な値である。
一方、図9(b)の多値AND(m)回路の等価回路では「入力変数x、yのすべてが数値mのときf(x、y)は特定値mを出力し、そうでなければその出力を開放する」ことが分かる。こちらも、mの値はマイナス整数からプラス整数まで、自由な値である。
しかも、後述(段落番号0067)する(14)項の通り多値数Nの変更が極めて容易なので、『新・多値論理[フージ代数]では多値数Nに関係無く、少なくとも2重否定の定理、ド・モルガン定理、双対定理が成り立つ』ことが分かる。
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■(13)その多値論理回路の『[多値数Nに全く影響されない、特定値の変更の容易性]と[多値数Nに全く影響されない、極めて容易な回路のユニット化またはモジュール化(独特な効果)]』という2つの特徴について:
●下記・特許文献1、4、5の各特許公報に開示されたEQUAL(または判定)回路、AND回路、OR回路、NOT回路、NAND回路、NOR回路の各実施例とその派生実施例などの場合、その出力部のスイッチが双方向性のとき特定値mは(n−2)≧m≧1になっているが、別に「m=n−1」又は「m=0」であっても回路動作的にも論理動作的にも全く問題は無く、特定値mの値を(n−1)≧m≧0の範囲で自由に設定できる。ただ、接続する電位供給手段(例:電源線など)を変更するだけである。
ただし、m=n−1の場合、電位v(n−1)の上に電位vnを供給する電源線Vnが必要になったり、あるいは、「プラス側のしきい値電位に基づいて判別する」という余分な機能や構成部分が有ったり、等するだけである。
そして、m=0の場合、電位v0の下に電位v(−1)を供給する電源線V(−1)が必要になったり、あるいは、「マイナス側のしきい値電位に基づいて判別する」という余分な機能や構成部分が有ったり、等するだけである。
しかも、特定値mはマイナス整数からプラス整数まで、自由な値を取っても構わない。いずれにしても、接続する電位供給手段(例:電源線など)を変更するだけで特定値mの値を自由に変更できる。
この為、特定値mの違いを考慮する必要が無く、同じ回路構成のままで良いので、多値論理の種類ごとに回路の「ユニット化またはモジュール化」が可能になる。
( 独特な効果 )
★具体例:図14の多値AND回路と図15の多値NOT{又はNEVEN(ネーブン)}回路。
●また、同じく「OVER回路、UNDER回路、NOVER(ノウバー)回路、NUNDER(ナンダー)回路」、前述(段落番号0034〜0038)の「IN回路、OUT回路、NIN(ニン)回路、NOUT(ナウト)回路」の場合でも、その限定された「1つ又は2つの入力用特定値」の設定範囲内でその数値を自由に設定できる。ただ、接続する電位供給手段(例:電源線など)を同様に変更するだけである。こちらも、各特定値mの違いを考慮すること無く、同じ回路構成のままで良いので、多値論理の種類ごとに回路の「ユニット化またはモジュール化」が可能になる。
●しかも、いずれの場合も後述(段落番号0067)する通り『多値数Nの変更が極めて容易である』という特徴が有るので、『特定値の変更の容易性』も『極めて容易な回路の[ユニット化またはモジュール化]』もその多値数Nに全く影響されない。
特開2004−032702号(新・多値論理『フージ代数』に基づく多値論理回路) 特開2005−198226号(同上) 特開2005−236985号(同上)
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■(14)新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の『多値数Nの変更が極めて容易である』という独特な効果・特徴について:
前述(段落番号0065)の通り、特定値の変更が極めて容易な為、多値数Nの変更も極めて容易である。
例えば、4値で合成・多値論理回路を組んでいた時に5値に変更したければ、電位供給手段(例:電源と電源線。)を1つ追加し、「その入力用特定値あるいは出力用特定値を「5」等に設定した(つまり、接続する電源線などを決めた)、必要な各種の『基本・多値論理回路または多値論理回路ユニットまたは多値論理回路モジュール』を追加し、必要な結線をする」だけで、その多値数Nを極めて容易に変更することができる。
つまり、「多値数Nの小さい合成・多値論理回路」を土台にして「多値数Nの大きい合成・多値論理回路」が構成されているのである。
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■(15)新・多値論理『フージ(Hooji)代数』における『多値数Nに全く影響されない、1種類の多値論理による完全性、それも[完全]』という独特な効果・特徴について:
前述(段落番号0064)した『多値数Nに関係無く成り立つ双対(そうつい)性』等により、『多値NAND論理か多値NOR論理のどちらか1種類の多値論理を[単独で]又は[複数個組み合わせることにより]、その多値数Nに関係無くすべての多値論理関数を実現することができる完全性、それも[完全]』という効果・特徴が新・多値論理『フージ代数』に有る。
『よくわかるディジタル電子回路』、p.9の14行目〜p.10の1行目の『完全系』。著者:関根慶太郎、(株)オーム社が平成9年7月25日発行。 『論理回路入門』、p.31の『(8)完全系』。著者:浜辺隆二、森北出版(株)が2001年9月28日発行。 『多値情報処理 ―ポストバイナリエレクトロニクス―』、p.16〜p.17の『完全性、完全系、完全』に関する記載内容。著者:樋口龍雄・亀山充隆(みちたか)、昭晃堂(しょうこうどう)が1989年6月に発行。
図10の合成・多値論理回路に基づいて「電子回路工学的に分かり易く」、その『完全(性)』について以下説明する。
●なお、多値数N=10(10進法)で、各・特定値m(=入力用特定値=出力用特定値)と各・電源線電位(例:v0〜v9、vC0〜vC9、vC0≠v0、………、vC9≠v9)に関しては具体的に始めから各数値を書き込んでいるが、それぞれの定義は前述(段落番号0064中)の通りである。
●また、2値論理回路の場合と同様に、「多値NAND回路の全・入力端子を接続して1つの入力端子にまとめたり」あるいは「多値NAND回路の1つの入力端子を残して他の入力端子すべてをそのNAND回路の入力用特定電位vm(=その入力用特定値mに対応する電源電位)の電源線等に接続したり」すれば、その多値NAND回路は「多値NOT回路」になる。
★参考:特開2005−236985号・図11の多値(特定値)NAND回路。
●さらに、多値NAND回路の出力端子をそのNAND回路の入力用特定電位(=出力用特定電位)vm以外の電源電位vCmに抵抗等でプル・アップ又はプル・ダウンし、その出力端子の後段に上記「多値NOT回路」を接続すれば、その多値NAND回路は多値AND回路になる。
●あるいは、2値論理回路の場合と同様に、「多値NOR回路の全・入力端子を接続して1つの入力端子にまとめたり」あるいは「多値NOR回路の1つの入力端子を残して他の入力端子すべてをそのNOR回路の入力用特定電位vm以外の電位vCmの電源線などに接続したり」すれば、その多値NOR回路は「多値NOT回路」になる。
★参考:特開2005−236985号・図13の多値(特定値)NOR回路。
●それから、多値NOR回路の出力端子をそのNOR回路の入力用特定電位(=出力用特定電位)vm以外の電源電位vCmに抵抗でプル・アップ又はプル・ダウンし、その出力端子の後段に上記「多値NOT回路」を接続すれば、その多値NOR回路は多値OR回路になる。
●しかも、前述(図9と段落番号0064)の通り「新・多値論理『フージ代数』の双対性」という特徴により多値OR回路から多値AND回路などを構成したり、または、多値OR回路から多値AND回路などを構成したり、することができる。
このため、多値NOR回路1種類から多値OR回路、多値AND回路、多値NOT回路、多値NAND回路を構成したり、多値NAND回路1種類から多値OR回路、多値AND回路、多値NOT回路、多値NOR回路を構成したり、することができる。
その結果、前述(段落番号0065)の「多値数Nに全く影響されない、特定値の変更の容易性」という特徴も有って、新・多値論理『フージ代数』に基づく「多値NAND回路か多値NOR回路」のどちらか1種類の基本・多値論理回路だけで図10の合成・多値論理回路を構成できることが分かる。
そして、図10の合成・多値論理回路は「図11に示す関数f(x、y)の真理値表で表現されるすべての多値論理関数」を実現できる回路である。ただし、図11は分かり易く説明する為にかなり簡略化されている。
図11に示すf(x、y)の真理値表はその数値パターンの書換えによって、つまり、各・升(ます)目の数値を書き換えることによって、10進法・2論理変数x、yの全・多値論理関数(全部で10の100乗・種類有る。)を表現できる。なぜなら、1つの升(ます)目が取り得る数値は「0〜9」の10通りで、しかも、升目の総数は全部で100個有るので、升目100個が取り得る数値のパターンは全部で、(10通り)×(10通り)×………… ≪≪100個の(10通り)同士の積≫≫ …………×(10通り)×(10通り)=10の100乗・種類になる、からである。
そのうえ、図11に示すf(x、y)の真理値表において、その「多値数N」と「論理変数x、yの各・論理変数範囲」の変更によってN進法・2論理変数の全・多値論理関数を表現できる。例えば、N=7の7進法で、6≧x≧0、6≧y≧0。この場合、図11中のx横方向の升目は全部で7つ、y縦方向の升目も全部で7つ、従って升目の総数49個になる。その数値パターンは全部で(7の49乗)種類になる。
そんな訳で、もし、図10の合成・多値論理回路が「図11に示すf(x、y)の真理値表が表現する、N進法・2論理変数x、yの全・多値論理関数」を実現・具体化できることを証明できれば、新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の『完全性』、それも『完全』が証明されることになる。
なぜなら、その論理変数の個数が2個で成立するなら、3個またはそれ以上でも成立する、からである。 →→ 段落番号[0072]中の●イ)項。
特開2007−035233号、その(段落番号0030〜0031)に多値論理関数の種類数に関する説明。
図10の合成・多値論理回路は「すべての、2論理変数の多値論理関数を実現できる回路」の1構成例で、その大部分の構成手段は点線で示されていて、具体的に図示されていないが下記の様に有る。
ただし、「NOT(m)=m」は入力用特定値=出力用特定値=mの多値NOT回路を、「AND(m)=m」は入力用特定値=出力用特定値=mの多値AND回路を、「OR(m)=m」は入力用特定値=出力用特定値=mの多値OR回路を、それぞれ意味し、図10中では各特定値mに具体的な数値を書き込んでいる。
図10中、多値「OR(0)=0」回路と多値「OR(9)=9」回路の間にはふつう多値「OR(1)=1」回路〜多値「OR(8)=8」回路の8回路が有り、多値「AND(0)=0」回路グループと多値「AND(9)=9」回路グループの間にはふつう多値「AND(1)=1」回路グループ〜多値「AND(8)=8」回路グループの8回路グループが有る。ただし、各多値「AND(…)=…」回路グループには、対応する多値「NOT(…)=…」回路が必要な数だけ含まれている。
■■ 各機能は次の通りである。 ■■
●特定値m=0に設定した多値回路グループでは、多値「OR(0)=0」回路の入力部は図11に示すf(x、y)の真理値表においてf(x、y)=0を満足する場合すべてを網羅(もうら)する。すなわち、「0が書き込まれた升目の総数」=多値「OR(0)=0」回路の入力端子の総数(=多値「AND(0)=0」回路の総数)。
もし、その真理値表に「0が書き込まれた升目」が全部で2個しか無ければ、多値「OR(0)=0」回路の入力端子数も2個である。もし、その「0が書き込まれた升目」が全部で70個有れば、その入力端子数も70個である。
●各・多値「AND(0)=0」回路は「f(x、y)=0を満足する論理変数x、yの値の各・組合せ」を網羅(もうら)する。すなわち、各・多値「AND(0)=0」回路は「0が書き込まれた升目」のx値とy値の各組合せと1対1ずつ対応する。
図11の真理値表では(5,0)と(8,3)の各組合せが図示されており、f(5,0)=0とf(8,3)=0である。
●多値「OR(0)=0」回路と各・多値「AND(0)=0」回路の間に1つずつ接続されたプル・「アップ又はダウン」抵抗は信号のマッチング(整合)を行う。
●「多値『NOT(…)=…』回路とプル・『アップ又はダウン』抵抗」の各組合せは☆入力端子x、yの各電位信号と各・多値「AND(0)=0」回路の入力部をマッチング(整合)させる。
ただし、当然の事ながら、f(x、y)=0を満足する論理変数x又はyの値が0なら、☆入力端子x又はyの電位信号はそのまま多値「AND(0)=0」回路に入力されるので、多値「NOT(…)=…」回路は不要で、図10中の様に導線で直結される。
→→ f(5,0)=0のとき入力端子yは一番下の多値「AND(0)=0」回路の第2入力端子に直結される。
●以下同様に、「特定値m=1〜9」それぞれに設定した各・多値回路グループ(=多値OR、ANDおよびNOTの各回路グループ)においても、それぞれが全く同様な機能を果たす。
ただし、f(7,9)=9のとき入力端子yは一番下の多値「AND(9)=9」回路の第2入力端子に直結される。
●以上は10進法の場合であるが、N進法の場合なら、ただ上記「特定値m=1〜9」が「特定値m=1〜(N−1)」又は「特定値m=−(N−1)〜−1、1〜(N−1)」等に変わるだけである。
***
以上の通り、図10の合成・多値論理回路は「図11に示すf(x、y)の真理値表が表現する、すべての多値論理関数」を実現化・具体化できるので、新・多値論理『フージ代数』の『完全性』が証明される。それも、『論理定数入力回路』を使わず、前述(段落番号0068)の通り1種類の基本・多値論理回路だけでそのすべての多値論理関数を実現化・具体化できる為、新・多値論理『フージ代数』の『完全』が証明される。
◆◆ 基本・多値論理回路1種類だけによる『フージ代数』の『完全』 ◆◆
『多値情報処理 ―ポストバイナリエレクトロニクス―』、p.16〜p.17の『完全性、完全系、完全』に関する記載内容。著者:樋口龍雄・亀山充隆(みちたか)、昭晃堂(しょうこうどう)が1989年6月に発行。
念の為ここから、図10に示す合成・多値論理回路の構成・個々について図11に示す「簡略したf(x、y)の真理値表」を用いて具体的に説明する。ただし、最大ファン・イン、最大ファン・アウト、電流容量、多値ハザードの問題は無視している。
■■ 図10に示す合成・多値論理回路の構成・個々の説明 ■■
●イ)各多値AND回路の入力端子数は論理変数x、yの個数2と同じ2であるが、論理変数がx、y、zの3個有ればその入力端子数は3になり、論理変数がw、x、y、zの4個有ればその入力端子数は4になる。
●ロ)図11に示すf(x、y)の真理値表の各升(ます)目にはふつう「f(x、y)=0〜9という各・具体的な数値」が記載されるが、その記載される各・具体的な数値を特定値mとする各多値「OR(m)=m」回路を用意する。そこに記載されていない具体的な数値が有れば、その記載されていない具体的な数値の多値「OR(m)=m」回路や多値「AND(m)=m」回路等は不要なので省略できる。
●ハ)図11に示すf(x、y)の真理値表において、ある1つの升目の数値、例えばm=0としてf(x、y)=0の升目を観ると全部で2つ有る(図示を簡略している為、実際にはもっと多い場合が有る。)ので、多値「OR(m)=m」回路においてm=0とした多値「OR(0)=0」回路の入力端子数を同数の2個に設定する。
●ニ)多値「OR(0)=0」回路の入力端子数と同じ数だけ、多値「AND(m)=m」回路においてm=0とした多値「AND(0)=0」回路を用意する。そして、多値「OR(0)=0」回路の前段にその多値「AND(0)=0」回路を1つずつ接続する。このとき、上記イ)項の通り各多値「AND(0)=0」回路の入力端子数は2個である。
●ホ)各多値「AND(0)=0」回路の出力端子を電位v0(このときm=0だからvm=v0。)以外の電位vC0(このときm=0だからvCm=vC0。)にプル・アップ又はプル・ダウンする。vC0≠v0。
なお、電位vC0は「その特定値0(このときm=0)以外の数値(1〜9のうちの1数値)に対応する電位」または「いずれの数値にも対応しない独立した追加電位で、多値『OR(0)=0』回路が数値0(=m)と判別することが無い電位なら何でも良い電位」である。
●ヘ)図11においてf(x、y)=0を満足する論理変数x、yの値の各組合せ(5、0)、(8、3)を確認する。
●ト)第1組(5、0)に対しては、入力端子xと第1の多値「AND(0)=0」回路(このときm=0)の第1入力端子の間に特定値m=5(=論理変数xの値)とする多値「NOT(5)=5」回路を接続し、その多値「NOT(5)=5」回路の出力端子を電位v0(このときm=0だからvm=v0。)にプル・「アップ又はダウン」する。
一方、入力端子yと第1の多値「AND(0)=0」回路(このときm=0)の第2入力端子の間の場合、論理変数yの値my=0で、そのAND回路の特定値m=0と同じ値0なので、入力端子yをそのまま第1の多値「AND(0)=0」回路の第2入力端子に直結する。
もちろん、論理変数yの値my≠0なら、入力端子xの場合と同様に入力端子y・その第2入力端子・間に、その0と違う数値…を特定値とする多値「NOT(…)=…」回路を接続する等する。
また、論理変数xの値mx=0の場合が有るなら、上記の論理変数yの値my=0の場合と同様に入力端子xはそのまま第1の多値「AND(0)=0」回路の第1入力端子に直結する。
●チ)第2組(8、3)に対しては、入力端子xと第2の多値「AND(0)=0」回路(このときm=0)の第1入力端子の間に特定値m=8(=論理変数xの値mx)とする多値「NOT(8)=8」回路を接続し、その多値「NOT(8)=8」回路の出力端子を電位v0(このときm=0だからvm=v0。)にプル・「アップ又はダウン」する。
一方、入力端子yと第2の多値「AND(0)=0」回路(このときm=0)の第2入力端子の間に特定値m=3(=論理変数yの値my)とする多値「NOT(3)=3」回路を接続し、その多値「NOT(3)=3」回路の出力端子を電位v0(このときm=0だからvm=v0。)にプル・「アップ又はダウン」する。
もちろん、論理変数xの値mx=0又は論理変数yの値my=0の場合が有るなら、上記ト)項内の結線操作と同様に直結の結線操作をする。
●リ)もし、図11に示すf(x、y)の真理値表においてf(x、y)=0を満足する論理変数xとyの値mx、myの組合せが他にも有れば、その組合せの数だけ上記ト)項または上記チ)項の結線操作を繰り返す。
●ヌ)同様に、図11に示すf(x、y)の真理値表・中のf(x、y)=1〜9の数値についても、その数値ごとにその数値をm=0の代わりに特定値mに設定して上記ハ)〜上記リ)項の結線操作を繰り返す。
●ル)以上は10進法の場合であるが、N進法の場合なら、ただ上記「f(x、y)=1〜9」が「f(x、y)=1〜(N−1)」又は「f(x、y)=−(N−1)〜−1、1〜(N−1)」等に変わるだけである。
以上で結線操作・完了。
それから、図10の合成・多値論理回路において、各・多値「OR(m)=m」回路と各・多値「AND(m)=m」回路を同時に多値「NAND(m)=m」回路で1つずつ置き換えた多値等価回路が可能である。もちろん、mの各値は図10中に示された各値に設定し、各・入力端子数も図10中に示された各・入力端子数に設定する。
その等価回路になる理由は、図10中の各・多値「OR(m)=m」回路を図9(a)の多値「OR(m)=m」回路の等価回路で1つずつ置き換え、その置換え後の「多値『AND(m)=m』回路とその後段に接続される多値『NOT(m)=m』回路」の各・直列回路を多値「NAND(m)=m」回路で1つずつ置き換えると、上記の多値等価回路になる、からである。
さらに、前述(段落番号[0069])の通り、図10中の各・多値「NOT(m)=m」回路を「その全・入力端子を接続して入力端子1つにまとめた多値『NAND(m)=m』回路」等で1つずつ置き換えれば、上記の多値等価回路すなわち図10の合成・多値論理回路は多値「NAND(m)=m」回路だけで構成できることが分かる。
しかも、前述(段落番号[0070]中)の通り論理変数x、yの各・論理変数範囲の変更によってN進法・2論理変数の全・多値論理関数を表現できるし、前述{段落番号[0072]の●イ項)}の通り論理変数の個数を変更することができる。
そういう訳で、新・多値論理『フージ(Hooji)代数』には『多値数Nに全く影響されない、1種類の多値論理による完全性、それも[完全]』という独特な効果・特徴が有る。
◆◆ 多値数Nに全く影響されない、基本・多値論理回路1種類だけ ◆◆
◆◆ による新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の『完全』 ◆◆
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■(16)『完全』回路の(3次元の)プログラマブル・ロジック・アレイ化、セミ・オーダー(3次元)IC・LSI化などが可能なこと:
図12の合成・多値論理回路は「図10の合成・多値論理回路において、両論理変数x、yの多値数を10から3に変更し、3個の多値「OR(m)=m」回路(m=0、1、2)の代わりにワイヤードOR回路を用いて回路構成を簡単化し、標準化したもの」である。これにより、(3次元の)プログラマブル・ロジック・アレイ化、セミ・オーダー(3次元)IC・LSI化などが実現し易くなり、便利である。
そして、図13は、図12中の関数f(x、y)=mzの真理値表・図で、書き直すと以下の通りである。
●x=0、1、2
●y=0、1、2
●f(x、y)=mz、(z=0、1、……、7、8)
f(0、0)=m0、 f(0、1)=m1、 f(0、2)=m2
f(1、0)=m3、 f(1、1)=m4、 f(1、2)=m5
f(2、0)=m6、 f(2、1)=m7、 f(2、2)=m8
ただし、2≧m0、m1、m2、m3、m4、m5、m6、m7、m8≧0
***
m0〜m8の各値は0、1、2のいずれか1つである為、m0の値は3通り、m1の値は3通り、……、m8の値は3通り有るので、結局、「これら全部で表現できる多値論理関数f(x、y)の種類」=(3通り)×(3通り)×(3通り)×(3通り)×(3通り)×(3通り)×(3通り)×(3通り)×(3通り)=3の9乗・種類=19,683種類有る。
それから、図12では各・多値「NOT(m)=m」回路の横に「単なる導線」が1つずつ画かれ、入力端子x、yそれぞれと各・多値「AND(mz)=mz」回路・入力部の間が各・多値「NOT(m)=m」回路を介して接続される場合と、直結される場合が有ることが示されている。
図13で論理変数xの値mx(0、1、2のうち、いずれか1つ)と関数f(x、y)の値mzが同じ(mx=mz)とき、入力端子xは「そのmzを特定値とする多値『AND(mz)=mz』回路の第1入力端子」に直結される。
一方、論理変数xの値mxと関数f(x、y)の値mzが異なる(mx≠mz)とき、入力端子xは図12の様に多値「NOT(mx)=mx」回路を介して「そのmzを特定値とする多値『AND(mz)=mz』回路の第1入力端子」に接続される。
同様に、入力端子yと各・多値「AND(mz)=mz」回路の第2入力端子の接続についても、多値「NOT(my)=my」回路を介して接続したり、あるいは、直結したりする。ただし、myは論理変数yの値で、0、1、2のうち、いずれか1つである。
なお、m0〜m8の各数値を順々に0〜8の各数値に設定すると、図12の合成・多値論理回路は3値・9値コード変換回路になる。もちろん、yがその3値表現の1桁目で、xがその3値表現の2桁目である。
また、論理変数x、y及び関数f(x、y)3つそれぞれの多値数を自由に設定することができる。全・多値数を同一に設定しても良いし、各・多値数を互いに違う値に設定しても良い。
さらに、それら3つの多値数Nが同一で、4のとき、「表現できる多値論理関数f(x、y)の種類」は4の16乗・種類≒4,294,968,000種類も有る。しかも、そのぼう大な種類の多値論理関数は「図12の合成・多値論理回路において『多値[AND(…)=…]回路、2つの多値[NOT(…)=…]回路および2つの導線』の組合せを9組から16組に増やし、多値数の1増加に伴う電源と電源線を1つずつ増やす」だけで実現することができる。
同様に、その同一多値数が5のとき「表現できる多値論理関数f(x、y)の種類」は5の25乗・種類≒2.980233×(10の17乗)種類で、図12の合成・多値論理回路において上記・組合せをさらに16組から25組に増やす等するだけで良い。
同じく、その同一多値数が10のとき「表現できる多値論理関数f(x、y)の種類」は10の100乗・種類で、図12の合成・多値論理回路において上記・組合せをさらに25組から100組に増やす等するだけで良い。
そんな訳で、少ない部品点数の割りには「表現できる多値論理関数f(x、y)の種類」はその同一多値数Nの増加と共に超・爆発的に増えて行くことになる。
しかも、後述(段落番号0080
)する通り論理変数x、論理変数y及び関数f(x、y)の各・多値数が違っても構わない。同一である必要は無い。
★参 考:下記・特許文献10の段落番号0031〜0033。
この様な超・爆発的な増加等は、図12の合成・多値論理回路などをプログラマブル・3次元化ロジック・アレイ、セミ・オーダー・3次元化IC・LSIなどで実用化する際に、極めて強力な武器・効能になる。
特開2007−35233号。
それから、図10の合成・多値論理回路には『非常に不便で、実用的でない』という課題が有るが、図12の合成・多値論理回路はその課題を解決することができる。
●例1;図11の真理値表において、その数値が例えば6である升目が全部で80個有り、6以外の数値0〜5、7〜9の升目が2、3個ずつ有る場合、多値「OR(6)=6」回路の総・入力端子数だけ80個必要になる。他のそれは2、3個ずつである。
●例2;図11の真理値表において、0〜9の各数値である升目の数が均一的にほぼ10個ずつの場合、各・多値「OR(m)=m」回路の総・入力端子数も均一的にほぼ10個ずつである。
***
要するに、図11の真理値表の数値パターンによって、すなわち、各・升目の数値がいくつであるかによって、各・多値「OR(m)=m」回路の総・入力端子数が変動してしまい、しかも、その書き込まれる数値が片寄ると、特定の多値「OR(m)=m」回路の総・入力端子数だけ特に多くなってしまう。
その結果、図11の真理値表で示される多値論理関数を合成・多値論理回路として具体化、実現化する際に非常に不便で、実用的ではない。
一方、図12の合成・多値論理回路では図13の真理値表の数値パターンによって変動する各・多値「OR(m)=m」回路そのものが無いので、上述の課題は無く、図10の合成・多値論理回路に比べて極めて実用的で、とても便利である。その回路構成が簡単になり、その部品点数が少なくなる。
具体的な各多値回路として、図14に多値「AND(m)=m」回路の1例を示し、図15に多値「NOT(m)=m」回路の1例を示す。図15の回路においてダイオード125は「電源線Vmからトランジスタ128の内蔵ダイオードを経て電源線V(m−1)へ電流が流れるのを阻止する為のもの」であるが、トランジスタ128のバック・ゲートを「電源線V(m+1)又はこれより電位の高い電源線」に接続するときは、ダイオード125、126を挿入接続する必要は無いし、抵抗127も不要である。
特開2005−236985号の図10と図9の各回路。
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■(17)新・多値論理『フージ(Hooji)代数』が2値論理のブール代数を包含していることについて:
新・多値論理『フージ代数』は本発明者のやり方で2値論理のブール代数を忠実に多値へ展開・拡張したもので、ブール代数を完全に包含している。
例えば、特定値が1である多値特定値EQUAL(又はEVEN又は非反転)回路、AND回路、OR回路、NOT{又はNEVEN(ネーブン)}回路、NAND回路、NOR回路の各出力端子を抵抗で電源線V0の電位v0にプル・ダウンして、各入力数値を「1」と「0」に限定すれば、これら多値論理回路は2値・正論理のバッファー(又は非反転)回路、AND回路、OR回路、NOT回路、NAND回路、NOR回路と全く同じ論理動作をし、互換性が有る。
そして、特定値が0である多値特定値EQUAL(又はEVEN又は非反転)回路、AND回路、OR回路、NOT{又はNEVEN(ネーブン)}回路、NAND回路、NOR回路の各出力端子を抵抗で電源線V1の電位v1にプル・アップして、各入力数値を「1」と「0」に限定すれば、これらの多値論理回路は2値・負論理のバッファー(又は非反転)回路、AND回路、OR回路、NOT回路、NAND回路、NOR回路と全く同じ論理動作をし、互換性が有る。
一方、「AND回路(=Min回路)、OR回路(=Max回路)、反転(complement)回路、リテラル(literal)回路およびサイクリング(cycling)回路」で構成される、ブール代数を多値へ展開・拡張した筈の従来の多値論理回路(ウカシェヴィッチ型)の場合、2値NOT回路を多値へ展開・拡張した「反転回路、リテラル回路およびサイクリング回路」に関して、どの多値回路もブール代数の2値NOT回路を包含せず、互換性が無い。
従って、その従来の多値NAND回路、多値NOR回路についても、当然の事ながら、同様にブール代数の2値NAND回路、2値NOR回路を包含せず、互換性が無い。
★参 考:非特許文献2のp.18〜p.20。
『多値情報処理 ―ポストバイナリエレクトロニクス―』、著者:樋口龍雄・亀山充隆(みちたか)、昭晃堂(しょうこうどう)が1989年6月に発行。
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■(18)新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の『複数の論理変数およびそれらの関数それぞれの多値数N(≧2)が互いに異なっていても対応できる柔軟な対応性』という特徴について:
★参 照;多値数N=2の場合については → (段落番号[0081]の終わり)
多値論理回路システムによっては、多値数N(≧2)が互いに異なる複数の情報が入(い)り交(ま)じった複合情報を取り扱う場合が有る。例えば、光の3原色(青赤緑)の多値数「3」、陽画と陰画の多値数「2」、他にも「明るさの多段階」という多値数、「青赤緑の配合割合」という多値数などである。
この様な場合、互いに多値数N(≧2)の異なる多値論理回路を混在して組むことになるが、「その多値数の大きい方の多値論理」は「その多値数の小さい方の多値論理」を完全に包含し、前者が後者に対して互換性が有った方が良い。
新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の場合、前述(段落番号0067)の通り前者は後者(多値数N≧2)を土台にして組み上げられているので、当然の事ながら前者は後者を包含し、後者に対して互換性が有る。
また、前述した図10の合成・多値論理回路では多値AND回路と多値OR回路の多値数N1(≧2)に対して、論理変数xの多値数N2(≧2)は常に同じである必要は無いし、論理変数yの多値数N3(≧2)も常に同じである必要は無い。N1≠N2又はN1≠N3の場合が有っても構わない。さらに、N2とN3も常に同じである必要は無い。N1≠N2又はN1≠N3又はN2≠N3の場合が有っても構わない。
その結果、『[複数の論理変数およびそれらの関数]それぞれの多値数N(≧2)が互いに異なっていても対応できる柔軟な対応性』が新・多値論理『フージ(Hooji)代数』に有る。
一方、前述(段落番号[0079]の終わり)の「AND回路、OR回路、反転回路、リテラル回路およびサイクリング回路」で構成される従来の多値論理回路の場合、互いに多値数の異なる「反転回路同士、リテラル回路同士およびサイクリング回路同士」では包含が成り立たず、互換性が全く無いので、新・多値論理『フージ代数』の様な柔軟な対応性が無い。
★参 考:非特許文献2のp.19〜p.20。
『多値情報処理 ―ポストバイナリエレクトロニクス―』、著者:樋口龍雄・亀山充隆(みちたか)、昭晃堂(しょうこうどう)が1989年6月に発行。
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■(19)新・多値論理『フージ(Hooji)代数』の『前段の2値回路との接続性が極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無い』という独特な効果・特徴について:
請求項1中に記載の多値論理回路も請求項2中に記載の多値論理回路も新・多値論理『フージ代数』を実現・具体化したものであるが、どちらの判別手段も結局根本的に判別することは「各・判別内容に対して肯定か否定かを示す信号、肯定・否定信号(二者択一信号)」つまり「各・判別内容に対してYesかNoかを示す信号、Yes・No信号(二者択一信号)、2値信号みたいなもの」なので、基本的に2値回路の出力信号との相性(あいしょう)がとても良い。
従って、あとは以下の通り2値回路の出力部とそれら多値論理回路の入力部をマッチング(整合)させるだけである。
●a)2値回路がHレベルとLレベルの2つを出力する場合;
その多値論理回路が「肯定」と判別する入力判別範囲内にその2値回路のHレベル、Lレベルのうち一方の出力レベル範囲がすっぽり入(はい)り、その多値論理回路が「否定」と判別する入力判別範囲内にその他方の出力レベル範囲がすっぽり入る様にマッチング(整合)させれば良い。
●b)2値回路の出力部がオープン・コレクタ又はオープン・ドレイン等の場合;
図9、図10、図12の各回路中の各・多値「NOT(…)=…」回路の様にそれら多値論理回路の出力端子にプル・アップ抵抗またはプル・ダウン抵抗を接続し、その2値回路が出力するHレベル、Lレベルの各・出力レベル範囲内について上記●a)項と同様にマッチング(整合)させれば良い。
なお、●a)項、●b)項どちらの場合も、H、L両レベルが対応する両・電源電位は「多値回路の最低電位〜最高電位のうち、いずれか2つの電源電位」なら何でも良い。例えば10進法なら、その両・電源電位は「v0とv1」、「v4とv5」、「v8とv9」、「v5とv7」、「v3とv8」、「v0とv9」、「v0未満とv9を超えた電位」など。
***
と言うことは、逆に図9、図10、図12の各回路中の各・多値「NOT(…)=…」回路は2値回路でも良いことを裏付ける。つまり、各・多値「AND(mz)=mz」回路の前段は2値回路でも良いことを裏付ける。 → (00 )
***
従って、『前段の2値回路との接続性が極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無い』という独特な効果・特徴が新・多値論理『フージ代数』に有ることが分かる。
しかも、前述(段落番号0028)の通り『後段の2値回路との接続性も極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無い』という独特な効果・特徴も有る。
一方、多値論理分野ではよく知られた従来のウカシェヴィッチ型多値論理回路の場合、前段でも後段でも2値回路との接続性が悪く、その間に特別なインターフェイス(2値・多値コード変換手段と多値・2値コード変換手段)が必要である。
★参 考:非特許文献2のp.13の図1.2。
『多値情報処理 ―ポストバイナリエレクトロニクス―』、著者:樋口龍雄・亀山充隆(みちたか)、昭晃堂(しょうこうどう)が1989年6月に発行。
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■(20)第2の多値ハザード除去回路およびその方法:
図1〜図8の各実施例などでは多値ハザードを除去する為に多値信号を2値信号に変換しなければならない。しかし、図10、図12の各・合成・多値論理回路など、一般的な多値論理回路では多値信号のまま情報処理などを行う場合が多い。
そこで、第2の多値ハザード除去回路およびその方法として、具体的に以下の事が可能である。
●a)図8に示す多値論理回路において接続端子ct5の所に「電源電圧2倍で動作するD型フリップ・フロップ27(図1)」を挿入・接続する。もちろん、そのD端子を前段の接続端子ct5に接続し、その出力端子Q又はQバーを後段の接続端子ct5に接続する。また、D型フリップ・フロップ27の電源は電源線V(m+1)と電源線V(m−1)から供給する。
図1の実施例では抵抗26又は抵抗26、28を用いてD端子にデータ信号を入力した様に、今度は「図8の多値論理回路を上述の様にした回路」において、抵抗26又は抵抗26、28を用いてCP端子に同期信号(又はタイミング信号またはクロック・パルス信号)を入力する。
例えば「その出力部が電流シンク型オープン・ドレイン(またはオープン・コレクタ)のクロック・パルス供給手段(図示せず。)」が両・電源線V0・V1間に接続されていれば、電源線V(m+1)・CP端子間に抵抗26を接続し、CP端子・「そのオープン・ドレイン端子等」間に抵抗28を接続する。m=1なら、抵抗28の抵抗値はゼロで良い。
あるいは逆に、「その出力部が電流ソース型オープン・ドレイン(またはオープン・コレクタ)の『同期信号供給手段(又はタイミング信号供給手段またはクロック・パルス供給手段)(図示せず。)』」が両・電源線V(n−1)・V(n−2)間に接続されていれば、電源線V(m−1)・CP端子間に抵抗26を接続し、CP端子・「そのオープン・ドレイン端子等」間に抵抗28を接続する。「n−1=m+1」すなわち「n=m+2」なら、抵抗28の抵抗値はゼロで良い。
同様に、「図1中に示す多値論理回路」や「図2中に示す多値論理回路」においても、今述べた「図8に示す多値論理回路」の様にD型フリップ・フロップ27を挿入・接続する等することが可能である。
●b)図7に示す多値論理回路において接続端子ct6の所にD型フリップ・フロップ27(図1)を挿入・接続する。もちろん、そのD端子を前段の接続端子ct6に接続し、その出力端子Q又はQバーを後段の接続端子ct6に接続する。もし、その出力端子Q又はQバーの電流容量が不足するときは当然バッファー手段を介して後段の接続端子ct6に接続する。
そして、D型フリップ・フロップ27とそのクロック・パルス供給手段(図示せず。)」の電源は電源線V0と電源線V(−1)から供給する。
ただし、トランジスタ17と抵抗21の間に、「図1中に示す、電源短絡防止用の抵抗28」の挿入・接続と同様に、抵抗を挿入・接続する。
なお、D型フリップ・フロップ27の代わりに前述(段落番号0019)と同様に「2値3ステート・バッファーとその後段の2値メモリー手段の組合せ」などを用いても構わない。
***
また、フリップ・フロップや3ステート・バッファー等がそのクロック信号に基づいて動作するトリガー方式の種類には以下3つの方式が有るので、他のトリガー方式に変更することもできる。
イ)レベル・トリガー方式
ロ)エッジ・トリガー方式
ハ)パルス・トリガー方式(=マスター・スレーブ方式)
『図解ディジタル回路入門』のp.79〜p.88。(株)日本理工出版会が2008年4月25日に第4版発行。著者:中村次男。
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■(21)『多値論理回路内の信号伝達途中においても2値回路との接続性が極めて良く、その間に特別なインターフェイスが必要無い』という独特な効果・特徴について:
前述(段落番号0083〜0085)の様に信号伝達の途中に2値回路(例:フリップ・フロップなど。)を設ける第2の多値ハザード除去方法は従来の多値論理回路には応用することができない。なぜなら、従来の場合、その信号伝達途中の信号が多値信号だからである。
一方、新・多値論理『フージ(Hooji)代数』に基づいた多値論理回路の場合、その信号伝達途中の信号は「前述(段落番号0081)の通り、判別内容に対するYesかNoかのYes・No信号(二者択一信号)」すなわち「一方が特定値の出力に対応し、他方が出力開放に対応する、2値信号もしくは暫定的2値信号」である為、2値回路との相性・接続性が極めて良いので、前記第2の多値ハザード除去方法を採(と)ることができる。
なお、「前段の2値回路との接続性」も「その多値論理回路内の信号伝達途中における2値回路との接続性」も「後段の2値回路との接続性」も極めて良いにもかかわらず、その多値数Nに関係無く、すべての多値論理関数を1種類の多値論理(完全系)で表現できること(=完全性、それも『完全』)は、新・多値論理『フージ(Hooji)代数』に基づいた多値論理回路の際立った独特な効果・特徴である。
●イ)本発明者は、プログラム・ソフトウエアやCPU等を使わない新概念のコンピューターとして、自分の先願発明「特開2007−035233号」において入出力パターン記憶型{または関数(=ファンクション)記憶型または処理結果記憶型}10進法コンピューター等を開示しているが、これに活用することができる。
その新概念コンピューターでは入出力パターン・ソフトウエア(又は、ファンクション・ソフトウエア、又は、リザルト・ソフトウエア)と多値論理回路などを使う。また、プログラミングに相当するのがパターニング(又は、ファンクショニング、又は、リザルティング)である。さらに、プログラマーに相当するのがパターナー(又は、ファンクショナー、又は、リザルター)である。
将来「この新概念の入出力パターン記憶型コンピューター」と「従来のプログラム内蔵型コンピューター」は、「必要とする記憶容量の大小」、「情報処理速度の優先度の高さ」、「電力節約の面から」、「ソフトウエア作成の容易性」、「バグの発生具合」又は「不正侵入操作に対する耐性」等によって、『両者の利用分野が棲(す)み分けられる』と本発明者は確信している。
そして、『ひょっとして両方式の良い所取りで、両方式を有機的に組み合わせて使うことが有るかもしれない』。
●ロ)本発明者は自分の先願発明「特開2006−190239号」において「不正侵入操作阻止機能を持つ情報処理手段」を開示しているが、これにも活用することができる。
この先願技術では、割り切って「不正侵入されても不正操作されなければ、それで良し」という考え方に基づいている。
例えば、2値表現と明確に区別できる3値表現(例:その機械語の少なくとも1つの桁が数値2であること。)で表現された「命令(インストラクション)、プログラム又はコマンド」を使い、「完全に信頼できない、2値表現で表現された『外部データ又は外部情報』」を取り入れるとき「2値表現で表現されたものしか通過させないフィルター手段」を介してそれを取り入れる。
つまり、その3値表現された「命令(インストラクション)、プログラム又はコマンド」が実行の対象であり、2値表現された「データ又は情報」が情報処理の対象であり、その2値表現された「外部データ又は外部情報」は入力の対象に含まれる。
その結果、不正侵入した「不正プログラム、不正コマンド」等は、実行対象ではない為全く実行されないので、その情報処理手段が不正操作されることは完全に無い。その不正プログラム・不正コマンド等はその情報処理手段にとってただの無害、無価値なガラクタ「データ又は情報」になるだけである。
そんな訳で、最近の「不正侵入操作に対する対策の手こずり」、「いたちごっこを終わりにする究極的な対策への強い要望」からすれば、今直ぐにでも利用されてもおかしくないと本発明者は考える。
もちろん、●イ)項、●ロ)項どちらの回路にも前述(段落番号0083)した「第2の多値ハザード除去回路」を利用することができる。



Claims (3)

  1. 3又は3以上の所定の複数をNで表わし、所定の整数をPで表わし、所定の自然数をSで表わしたときに、
    「第1電位から第N電位まで番号順に電位が高くなって行くN個の電位を供給し、その各電位がP〜(P+N−1)の各整数と順々に1対1ずつ対応すると定義された第1電位供給手段〜第N電位供給手段」と、
    「S個の入力電位信号の入口となる第1の入口手段〜第Sの入口手段」と、
    「出力電位信号の出口となる出口手段」と、
    「『前記第1電位供給手段〜前記第N電位供給手段の中で、あらかじめ決められた1つの出力用特定電位供給手段』と前記出口手段の間に接続され、オフ駆動された時に前記出口手段とそのオン・オフ駆動部の間が1方向または双方向にオフとなるプル・スイッチング手段」と、
    「『S=1の場合は1つの前記入力電位信号に対応する整数、S≧2の場合は[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のすべて]か[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のうち、少なくとも1つ]』が『P〜(P+N−1)の整数の中で、あらかじめ決められた1つの入力用特定値』に対してどうなのか、『[等しいのか等しくないのか]、[大きいのか大きくないのか]、[小さいのか小さくないのか]のいずれか1つ』について、それに適用する下記の『2つ又は4つのしきい値電位』に基づいて判別する判別手段」と、
    「前記判別手段によって制御され、『その判別結果が肯定であれば前記プル・スイッチング手段をオン駆動し、その判別結果が否定であれば前記プル・スイッチング手段をオフ駆動する』か『正反対に肯定であればオフ駆動し、否定であればオン駆動する』オン・オフ駆動手段」を有する多値論理回路において、
    「前記多値論理回路の後段に接続される『2値ハザードを除去する2値ハザード除去手段』」と、
    「前記出力電位信号が前記2値ハザード除去手段にとって2値信号として機能する様にマッチングを行う『プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段』」を有することを特徴とする多値ハザード除去回路。
    ただし、その各抵抗手段は定電流ダイオード、「1方向性、双方向性」の定電流手段を含む。
    ●a)「等しいのか等しくないのか」の場合は「『等しいのか』では『前記入力用特定値に対応する入力用特定電位』を基準にしてあらかじめ決められたプラス側とマイナス側の両しきい値電位」、「『等しくないのか』では前記入力用特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位、及び、前記入力用特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
    ●b)「大きいのか大きくないのか」の場合は「『大きいのか』では前記入力用特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」、「『大きくないのか』では前記入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
    ●c)「小さいのか小さくないのか」の場合は「『小さいのか』では前記入力用特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」、「『小さくないのか』では前記入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」。
  2. 3又は3以上の所定の複数をNで表わし、所定の整数をPで表わし、所定の自然数をSで表わしたときに、
    「第1電位から第N電位まで番号順に電位が高くなって行くN個の電位を供給し、その各電位がP〜(P+N−1)の各整数と順々に1対1ずつ対応すると定義された第1電位供給手段〜第N電位供給手段」と、
    「S個の入力電位信号の入口となる第1の入口手段〜第Sの入口手段」と、
    「出力電位信号の出口となる出口手段」と、
    「『前記第1電位供給手段〜前記第N電位供給手段の中で、あらかじめ決められた1つの出力用特定電位供給手段』と前記出口手段の間に接続され、オフ駆動された時に前記出口手段とそのオン・オフ駆動部の間が1方向または双方向にオフとなるプル・スイッチング手段」と、
    「『S=1の場合は1つの前記入力電位信号に対応する整数、S≧2の場合は[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のすべて]か[S個の前記入力電位信号のそれぞれに対応するS個の整数のうち、少なくとも1つ]』が『P〜(P+N−1)の整数の中で、あらかじめ決められた、その差が少なくとも2である2つの入力用特定値』に対してどうなのか、『両・前記入力用特定値の間に有るのか無いのか』について下記『4つのしきい値電位』に基づいて判別する判別手段」と、
    「前記判別手段によって制御され、『両・前記入力用特定値の間に有れば前記プル・スイッチング手段をオン駆動し、両・前記入力用特定値の間に無ければ前記プル・スイッチング手段をオフ駆動する』か『正反対に、両・前記入力用特定値の間に有ればオフ駆動し、無ければオン駆動する』オン・オフ駆動手段」を有する多値論理回路において、
    「前記多値論理回路の後段に接続される『2値ハザードを除去する2値ハザード除去手段』」と、
    「前記出力電位信号が2値ハザード除去手段にとって2値信号として機能する様にマッチングを行う『プル・アップ抵抗手段またはプル・ダウン抵抗手段またはプル抵抗手段』」を有することを特徴とする多値ハザード除去回路。
    ただし、その各抵抗手段は定電流ダイオード、「1方向性、双方向性」の定電流手段を含む。
    ●a)「両・前記入力用特定値の間に有るのか」では「小さい方の前記入力用特定値に対応する第1の入力用特定電位より1つ上の電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」と「大きい方の前記入力用特定値に対応する第2の入力用特定電位より1つ下の電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」。
    ●b)「両・前記入力用特定値の間に無いのか」では「前記第1の入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたプラス側のしきい値電位」と「前記第2の入力用特定電位を基準にしてあらかじめ決められたマイナス側のしきい値電位」。
  3. 請求項1又は2記載の多値ハザード除去回路において、
    「前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が高くなって行く」のではなく、前記第1電位から前記第N電位まで番号順に電位が低くなって行き、
    1つ又は複数の前述したプラス側のしきい値電位を全部マイナス側のしきい値電位に変更し、
    1つ又は複数の前述したマイナス側のしきい値電位を全部プラス側のしきい値電位に変更し、
    「1つ上の電位」という記載内容が1つ又は複数有れば全部「1つ下の電位」に変更し、
    「1つ下の電位」という記載内容が1つ又は複数有れば全部「1つ上の電位」に変更したことを特徴とする多値ハザード除去回路。



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