JP2012032673A - 感光性組成物、パターン形成材料、並びに、これを用いた感光性膜、パターン形成方法、パターン膜、低屈折率膜、光学デバイス、及び、固体撮像素子 - Google Patents
感光性組成物、パターン形成材料、並びに、これを用いた感光性膜、パターン形成方法、パターン膜、低屈折率膜、光学デバイス、及び、固体撮像素子 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】(A)中空又は多孔質粒子と、(B)光重合開始剤と、(C)アルカリ可溶性基及び重合性基を含む1価の基を有する珪素原子を含有する構造単位、アルカリ可溶性基を含む1価の基を有する珪素原子を含有する構造単位と、重合性基を含む1価の基を有する珪素原子を含有する構造単位、又はアルカリ可溶性基を含む1価の基と重合性基を含む1価の基とを有する珪素原子を含有する構造単位を少なくとも含有する化合物、とを含有する感光性組成物、パターン形成材料、並びに、これを用いた感光性膜、パターン形成方法、パターン膜、低屈折率膜、光学デバイス、及び、固体撮像素子。
【選択図】なし
Description
即ち、本発明は、屈折率が低く、更には、基板に対する密着性に優れ、かつ高温高湿下での屈折率変化が小さく、耐候性に優れた性能を示すパターンを形成可能な感光性組成物、パターン形成材料、並びに、これを用いた感光性膜、パターン形成方法、パターン膜、低屈折率膜、光学デバイス、及び、固体撮像素子を提供することを目的とする。
(B)光重合開始剤と、
(C)下記一般式(1)で表される構造単位;下記一般式(2−1)で表される構造単位と下記一般式(2−2)で表される構造単位;及び下記一般式(3)で表される構造単位のいずれかを含有する化合物、とを含有する感光性組成物。
X11、X21、X22及びX31は各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
RAPは、アルカリ可溶性基及び重合性基を含む1価の基を表す。
RAは、アルカリ可溶性基を含む1価の基を表す。
RPは、重合性基を含む1価の基を表す。
[2]前記化合物(C)が樹脂であり、樹脂の主鎖に珪素原子を含有する、上記[1]に記載の感光性組成物。
[3]前記一般式(1)で表される構造単位;前記一般式(2−1)で表される構造単位と前記一般式(2−2)で表される構造単位;及び前記一般式(3)で表される構造単位のいずれかが、前記化合物(C)としての樹脂の主鎖に含まれる、上記[2]に記載の感光性組成物。
[4]前記一般式(1)、(2−1)、(2−2)及び(3)において、X11、X21、X22及びX31は各々独立に、単結合、又は酸素原子、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、若しくはこれらの組み合わせを表す、上記[1]〜[3]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
[5]前記一般式(1)、(2−1)及び(2−2)において、R11、R21及びR22は各々独立に、1価の置換基を表す、上記[1]〜[4]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
[6]前記一般式(1)、(2−1)及び(2−2)において、R11、R21及びR22は各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアルコキシ基を表す、上記[5]に記載の感光性組成物。
[7]前記樹脂(C)の数平均分子量が400〜50000である、上記[2]〜[6]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
[8]前記中空又は多孔質粒子(A)がシリカ粒子である、上記[1]〜[7]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
[9]上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の感光性組成物であるパターン形成材料。
[10]上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の感光性組成物により形成される感光性膜。
[11]上記[10]に記載の感光性膜を形成する工程、前記感光性膜を露光する工程、及び、アルカリ現像液により現像してパターン膜を得る現像工程を含むパターン形成方法。
[12]上記[11]に記載のパターン形成方法により得られるパターン膜。
[13]上記[12]に記載のパターン膜である低屈折率膜。
[14]上記[13]に記載の低屈折率膜を有する光学デバイス。
[15]上記[14]に記載の光学デバイスを備えた固体撮像素子。
[16]前記中空又は多孔質粒子(A)が中空粒子である、上記[1]〜[8]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
[17]前記中空又は多孔質粒子(A)が多孔質粒子である、上記[1]〜[8]及び[16]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
[18]前記一般式(1)、(2−1)及び(2−2)において、R11、R21及びR22は各々独立に、アルキル基又はアルコキシ基を表す、上記[6]〜[8]、[16]及び[17]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
[19]前記一般式(1)、(2−1)、(2−2)及び(3)において、X11、X21、X22及びX31は各々独立に、酸素原子又はアルキレン基を表す、上記[4]〜[8]及び[16]〜[18]のいずれか一項に記載の感光性組成物。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
また、本発明は、上記感光性組成物であるパターン形成材料にも関する。
中空粒子は、内部に空洞を有する構造のものであり、外郭に包囲された空洞を有する粒子を指し、多孔質粒子は、多数の空洞を有する多孔質の粒子を指す。
このような粒子の空隙率は、好ましくは10〜80%、更に好ましくは20〜60%、最も好ましくは30〜60%である。中空又は多孔質粒子の空隙率を上述の範囲にすることが、低屈折率化と粒子の耐久性維持の観点で好ましい。
中空又は多孔質粒子は、屈折率を低下しやすい観点から、中空粒子であることがより好ましい。例えば、中空粒子をシリカで構成した場合には、中空シリカ粒子は、屈折率の低い空気(屈折率=1.0)を有しているため、その屈折率は、通常のシリカ(屈折率=1.46)と比較して著しく低くなる。
中空又は多孔質粒子の平均粒子径は、分散した粒子を透過型電子顕微鏡により観察し、得られた写真から求めることができる。粒子の投影面積を求め、そこから円相当径を求め平均粒径とする(通常、平均粒径を求めるために300個以上の粒子について測定する)。
ここでの屈折率は粒子全体として屈折率を表し、粒子が中空粒子である場合、中空粒子を形成している外殻のみの屈折率を表すものではない。粒子が多孔質粒子である場合、多孔質粒子の屈折率は、アッベ屈折率計(アタゴ(株)製)にて測定することができる。
これらの無機粒子の一次粒子径は、1〜100nmであることが好ましく、1〜60nmであることがより好ましい。
無機粒子は、結晶質でも、アモルファスのいずれでも良く、また単分散粒子でも、所定の粒径を満たすならば凝集粒子でも構わない。形状は、球形状が最も好ましいが、数珠状、長径と短径の比が1以上の形状、あるいは不定形状であってもよい。
すなわち、無機粒子がシリカ粒子であり、カップリング剤がシラン化合物である場合、シラン化合物とシラノール基との反応により、オルガノシリル基(モノオルガノシリル、ジオルガノシリル、トリオルガノシリル基)がシリカ粒子の表面に結合するものである。表面処理されたシリカ粒子がその表面に有する有機基としては、飽和又は不飽和の炭素数1〜18の炭化水素基、炭素数1〜18のハロゲン化炭化水素基などが挙げられる。
上記カップリング剤は、無機粒子の表面処理剤として低屈折率膜用塗布液の調製以前にあらかじめ表面処理を施すために用いられても、塗布液調製時に更に添加剤として添加してもよい。
無機粒子は、表面処理前に、媒体中に予め分散されていることが、表面処理の負荷軽減のために好ましい。
例えば日揮触媒化成(株)製スルーリアシリーズ(イソプロパノール(IPA)分散、4−メチル−2−ペンタノン(MIBK)分散など)、OSCALシリーズ、日産化学(株)製スノーテックスシリーズ(IPA分散、エチレングリコール分散、メチルエチルケトン(MEK)分散、ジメチルアセトアミド分散、MIBK分散、プロピレングリコールモノメチルアセテート分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メタノール分散、酢酸エチル分散、酢酸ブチル分散、キシレン−n−ブタノール分散、トルエン分散など)、日鉄鉱業(株)製シリナックス、扶桑化学工業(株)製PLシリーズ(IPA分散、トルエン分散、プロピレングリコールモノメチルエーテル分散、メチルエチルケトン分散など)、EVONIK社製アエロジルシリーズ(プロピレングリコールアセテート分散、エチレングリコール分散、MIBK分散など)、EVONIK社製AERODISPシリーズなどのシリカ粒子を用いることができる。低屈折率性の観点では、日揮触媒化成(株)製スルーリアシリーズが好ましい。
本発明の感光性組成物は、中空又は多孔質粒子の分散性を向上させる観点から、更に、(A’)粒子分散剤を含有することが好ましい。
分散樹脂は、その構造から更に直鎖状高分子、末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子に分類することができる。
また、分散樹脂は、現像性バインダー樹脂(E)において後述する一般式(E−1)で表される化合物を共重合体として使用することにより得られる樹脂であってもよい。
また、フォスファノール ML−200、エマール20T、E−27、ネオペレックスGS、ペレックスNBL、SS−H、SS−L、ポイズ532A、ラムテルASK、E−118B、E−150(花王(株))、EMULSOGEN COL−020、070、080(クラリアント)、プライサーフ A208B、A210B、A210G、A219B、AL、ラベリンFC−45(第一工業製薬)、パイオニン A−24−EA、A−28−B、A−29−M、A−44−B、A−44TW(竹本油脂)、AKYPO RLM100NV、RLM45、RLM45NV、ECT−3、ECT−3NEX、ECT−7、ホステンHLP、HLP−1、HLP−TEA(日本サーファクタント工業)が挙げられる。
これらの粒子分散剤は、単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
具体的には、粒子分散剤が分散樹脂である場合、その使用量は、中空又は多孔質粒子に対して、5〜100質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましい。
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤を含有する。
光重合開始剤を含有することによって感光性が付与された本発明の感光性組成物は、フォトレジスト、カラーレジスト、光学用コーティング材料等に好適に用いることができるようになる。
また、光重合開始剤は、約200〜800nm(300〜450nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
光ラジカル重合開始剤においては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、ヘキサアリールビイミダゾール化合物類、ロフィンダイマー類、ベンゾイン類、ケタール類、2,3−ジアルキルジオン化合物類、有機過酸化物、チオ化合物、ジスルフィド化合物類、アゾ化合物、ホウ酸塩類、無機錯体、クマリン類、ケトン化合物(ベンゾフェノン類、チオキサントン類、チオクロマノン類、アントラキノン類)、芳香族オニウム塩、フルオロアミン化合物類、ケトオキシムエーテル、アセトフェノン類(アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノン化合物)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、オキシム誘導体等のオキシム化合物、などが挙げられる。
上記R1としてのアルキル基及びアルコキシ基、R2及びR3としてのアルキル基、並びに、R2とR3とが結合して形成される環は、更に置換基を有していてもよい。
また、市販のα−ヒドロキシアセトフェノン化合物として、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製からイルガキュア184(IRGACURE 184)、ダロキュア1173(DAROCURE 1173)、イルガキュア127(IRGACURE127)、イルガキュア2959(IRGACURE 2959)、イルガキュア1800(IRGACURE1800)、イルガキュア1870(IRGACURE1870)及びダロキュア4265(DAROCURE4265)の商品名で入手可能な重合開始剤も使用することができる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASFジャパン社製)、IRGACURE−OXE02(BASFジャパン社製)、CGI−124(BASFジャパン社製)、CGI−242(BASFジャパン社製)も好適に用いられる。
更に、特開2007−231000公報、及び、特開2007−322744公報に記載される環状オキシム化合物も好適に用いることができる。
最も好ましくは、特開2007−269779公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
具体的には、オキシム化合物としては、下記式(I)で表される化合物が好ましい。なお、オキシム結合のN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
前記Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
前記一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
具体的には、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、及び、チオキサントリル基が例示できる。
下記の構造中、Y、X、及び、nは、それぞれ、後述する式(II)におけるY、X、及び、nと同義であり、好ましい例も同様である。
中でも、Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
なかでも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
式(II)におけるR、A、及びArは、前記式(I)におけるR、A、及びArと同義であり、好ましい例も同様である。
また、式(2)におけるnは、0〜5の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。
式(III)におけるR、X、A、Ar、及び、nは、前記式(II)におけるR、X、A、Ar、及び、nとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
光カチオン重合開始剤としては、例えば、紫外線等のエネルギー線を受けることにより光カチオン重合を開始させる物質を生成する化合物であれば良く、オニウム塩が好ましく、芳香族オニウム塩がより好ましく、アリールスルホニウム塩及びアリールヨウドニウム塩が更に好ましい。
本発明の感光性組成物は、(C)下記一般式(1)で表される構造単位;下記一般式(2−1)で表される構造単位と下記一般式(2−2)で表される構造単位;及び下記一般式(3)で表される構造単位のいずれかを含有する化合物(以下“化合物(C)”とも言う)を必須成分として含有する。すなわち化合物(C)は、下記一般式(1)で表される構造単位、下記一般式(2−1)で表される構造単位と下記一般式(2−2)で表される構造単位、又は下記一般式(3)で表される構造単位を少なくとも含有する。化合物(C)は、アルカリ可溶性基と重合性基を有することにより、未露光部においてはアルカリ現像液に対する現像性をアルカリ可溶性基から得ることができ、一方で露光部においては光重合開始剤(B)が発生するラジカル等の活性種の作用により重合性基が重合し、アルカリ現像液に対する溶解性が減少するという性質を有する。更に、珪素原子を含有することにより、形成される膜の屈折率が低下するという性質を有する。
X11、X21、X22及びX31は各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
RAPは、アルカリ可溶性基及び重合性基を含む1価の基を表す。
RAは、アルカリ可溶性基を含む1価の基を表す。
RPは、重合性基を含む1価の基を表す。
R11、R21及びR22で表される2価の連結基としては、酸素原子、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、又はこれらの組み合わせなどが挙げられる。
R11、R21及びR22で表されるアルキレン基は、好ましくは炭素数1〜10のアルキレン基であり、より好ましくは炭素数1〜4である。
R11、R21及びR22で表されるアルケニレン基は、好ましくは炭素数2〜10のアルケニレン基であり、より好ましくは炭素数2〜4であり、任意の位置に不飽和二重結合を有していてよい。
R11、R21及びR22で表されるアルキニレン基は、好ましくは炭素数2〜10のアルキニレン基であり、より好ましくは炭素数2〜4であり、任意の位置に不飽和三重結合を有していてよい。
R11、R21及びR22で表されるアリーレン基は、好ましくは炭素数6〜20のアリーレン基であり、より好ましくは炭素数6〜10である。
R11、R21及びR22で表される2価の連結基は、酸素原子、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基及びアリーレン基からなる群より選択される少なくとも2つを組み合わせてなる基であってもよく、酸素原子及びアルキレン基からなる群より選択される少なくとも2つを組み合わせてなる基であることが好ましい。これら少なくとも2つを組み合わせてなる基における総炭素数は、1〜40であることが好ましく、1〜20であることがより好ましく、1〜10であることが更に好ましい。
R11、R21及びR22で表される2価の連結基は置換基を有していても良く、置換基としてはアルキル基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜6、更に好ましくは炭素数1〜4)、アリール基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜10、より好ましくは炭素数1〜4)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜20、より好ましくは炭素数6〜10)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜4)、アシル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜4)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜4)、アミノ基、複素環基(好ましくは炭素数2〜20、より好ましくは炭素数2〜10)、ハロゲン原子等が挙げられる。
低屈折率性の観点から、R11、R21及びR22で表される単結合又は2価の連結基としては、酸素原子、アルキレン基、又は酸素原子及びアルキレン基からなる群より選択される少なくとも2つを組み合わせてなる基であることが好ましく、酸素原子又はアルキレン基がより好ましい。
R11、R21及びR22が各々独立に、1価の置換基を表す場合、R11、R21及びR22は、各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアルコキシ基を表すことが好ましく、より好ましくはアルキル基又はアルコキシ基であり、更に好ましくは炭素数1〜6のアルキル基、又は炭素数1〜4のアルコキシ基であり、最も好ましくはメチル基である。
本発明におけるアルカリ可溶性基としては、酸基、アルコール性水酸基、ピロリドン基、アルキレンオキシド基などを挙げることができ、アルカリ現像液との反応によって塩を生じる基が好ましく、具体的には酸基がより好ましい。例えば、カルボキシル基、活性メチレン基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられる、低屈折率性の観点から、カルボキシル基、活性メチレン基であることがより好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。なお活性メチレン基としては、−NH−C(O)−CH2−C(O)−RMで表される基であることが好ましく、RMはアルキル基又はアルコキシ基を表し、これら基はフッ素原子等の置換基を有していてもよい。RMは好ましくは炭素数1〜6の、アルキル基又はアルコキシ基であり、より好ましくはメチル基、トリフルオロメチル基又はメトキシ基である。
本発明における重合性基としては、特に制限されないが、ラジカル、カチオン又は加熱により重合反応する結合を有する基が好ましく、不飽和基(炭素−炭素不飽和二重結合など)、エポシキ基、オキセタン基等を挙げることができ、不飽和基であることがより好ましい。
本発明における重合性基としては、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基、チオ(メタ)アクリロイル基又はビニル基が好ましく、(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基又はビニル基がより好ましい。
RAPで表される1価の基に含まれる、重合性基の数は特に限定されないが、一般的に1〜6個であり、好ましくは1〜4個であり、より好ましくは1又は2個である。耐擦傷性付与の観点では、2個以上含有されることが好ましい。
RAPで表される1価の基の総炭素数(すなわち、RAPで表される残基の総炭素数)は特に限定されないが、一般的に3〜40であり、好ましくは3〜30であり、より好ましくは3〜20である。RAPで表される1価の基の分子量(すなわち、RAPで表される残基の分子量)は特に限定されないが、一般的に50〜2000の範囲であり、好ましくは50〜1000であり、より好ましくは50〜500である。
RPで表される1価の基の総炭素数(すなわち、RPで表される残基の総炭素数)は特に限定されないが、一般的に2〜40であり、好ましくは2〜30であり、より好ましくは2〜20である。RPで表される1価の基の分子量(すなわち、RPで表される残基の分子量)は特に限定されないが、一般的に20〜2000の範囲であり、好ましくは20〜1000であり、より好ましくは20〜500である。
本発明の化合物(C)は、上述の一般式(1)で表される構造単位;一般式(2−1)で表される構造単位と一般式(2−2)で表される構造単位;及び一般式(3)で表される構造単位のいずれかを含む重合体であることが好ましく、重合体の形態としては特に制限は無く、例えば公知の直鎖状の重合体、かご型ポリシロキサン、ラダー型ポリシロキサンなどを挙げることができる。本発明の化合物(C)は、解像性及び塗布性の観点で、樹脂であることが好ましく、樹脂の主鎖に珪素原子を含有する樹脂であることが、更なる低屈折率化の観点で好ましい。直鎖状の重合体である樹脂としては、例えば、直鎖状ポリシロキサン、直鎖状ポリカルボシラン等が挙げられ、その中でも直鎖状ポリシロキサンであることが原料入手性の観点からより好ましい。
かご型ポリシロキサン及びラダー型ポリシロキサンは、シルセスキオキサン構造を有する化合物の一種である。シルセスキオキサン構造とは、各ケイ素原子が3個の酸素原子と結合し、各酸素原子が2個のケイ素原子と結合している構造(珪素原子数に対する酸素原子数が1.5)である。かご型ポリシロキサン及びラダー型ポリシロキサンの具体例は、例えば特開2010−78834に記載されるものが挙げられる。
本発明の直鎖状の重合体である樹脂は、上記の構造単位を有する直鎖状の重合体である樹脂であれば特に限定されないが、塗布性、現像性、パターン形成性、原料入手性の観点から選ばれることが好ましい。更に好ましくは、有機溶剤に可溶で、かつ、弱アルカリ水溶液により現像可能なものである。
本発明の直鎖状の重合体である樹脂において、一般式(1)で表される構造単位;一般式(2−1)で表される構造単位と一般式(2−2)で表される構造単位;及び一般式(3)で表される構造単位のいずれかは化合物(C)としての樹脂の主鎖を構成していることが好ましく、直鎖状ポリシロキサンの主鎖を構成していることがより好ましい。
本発明の直鎖状の重合体である樹脂における、一般式(1)で表される構造単位(すなわち、繰り返し単位)の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、5〜95モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましい。
本発明の直鎖状の重合体である樹脂における、一般式(2−1)で表される構造単位(すなわち、繰り返し単位)の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、5〜50モル%であることが好ましく、10〜45モル%であることがより好ましい。また一般式(2−2)で表される構造単位(すなわち、繰り返し単位)の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、5〜95モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましい。一般式(2−2)で表される構造単位(すなわち、繰り返し単位)が重合性基として(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基又はチオ(メタ)アクリロイル基を有する場合、一般式(2−2)で表される構造単位の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、5〜50モル%であることが更に好ましく、10〜45モル%であることが更により好ましい。一般式(2−2)で表される構造単位(すなわち、繰り返し単位)が重合性基として(メタ)アクリロイル基、(メタ)アクリルアミド基及びチオ(メタ)アクリロイル基以外の炭素−炭素不飽和基を有する場合、一般式(2−2)で表される構造単位の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、40〜90モル%であることが更に好ましく、60〜90モル%であることが更により好ましい。
本発明の直鎖状の重合体である樹脂における、一般式(3)で表される構造単位(すなわち、繰り返し単位)の含有量は、樹脂の全繰り返し単位に対して、5〜95モル%であることが好ましく、10〜90モル%であることがより好ましい。
X41は、単結合又は2価の連結基を表す。
R41及びR42で表される2価の連結基及び1価の置換基としては、前述のR11、R21及びR22で表される2価の連結基及び1価の置換基の具体例及び好ましい例がそれぞれ同様に挙げられるが、R41及びR42はアルカリ可溶性基及び重合性基を有さない。
X41で表される単結合又は2価の連結基としては、2価の連結基であることが好ましい。X41で表される2価の連結基としては、前述のR11、R21及びR22で表される2価の連結基の具体例及び好ましい例が同様に挙げられる。
重合性基が不飽和基である場合、光感度向上の観点から、本発明の化合物(C)の不飽和価は、0.1mmol/g以上が好ましく、更に0.5mmol/g以上が好ましく、1.0mmol/g以上が最も好ましい。
本発明の感光性組成物は、更に、重合性化合物(重合性基として重合性基を有する現像性バインダー樹脂は、当該重合性化合物(D)には含めない)を含有していても良い。
以下、重合性化合物について説明する。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
[6](E)現像性バインダー樹脂
本発明の感光性組成物は、更に、(E)現像性バインダー樹脂を含有しても良い。ここで、現像性バインダー樹脂は、アルカリ可溶性基を有するバインダー樹脂である。
酸基としては、特に制限されないが、例えば、カルボキシル基、活性メチレン基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基、カルボン酸無水基等が挙げられ、カルボキシル基、活性メチレン基が更に好ましく、カルボキシル基が特に好ましい。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。バインダー樹脂に酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマー及び/又は重合後に酸基を付与しうるモノマー
(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合するようにすればよい。
なお、重合後に酸基を付与しうるモノマーを単量体成分として酸基を導入する場合には、重合後に例えば後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
前記酸基を有するモノマーとしては、例えば、(メタ)アクリル酸やイタコン酸等のカルボキシル基を有するモノマー、N−ヒドロキシフェニルマレイミド等のフェノール性水酸基を有するモノマー、無水マレイン酸、無水イタコン酸等のカルボン酸無水物基を有するモノマー等が挙げられるが、これらの中でも特に、(メタ)アクリル酸が好ましい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
重合後に酸基を付与しうるモノマーを用いる場合において、重合後に酸基を付与するための処理としては、ポリマー側鎖の極性基の一部を、ポリマー反応により変性する処理が挙げられる。
また、現像性バインダー樹脂(E)としては、側鎖にカルボン酸基を有する酸性セルロース誘導体を用いることもできる。この他に、水酸基を有する重合体に環状酸無水物を付加させたものなどが有用である。
また、特公平7−12004号、特公平7−120041号、特公平7−120042号、特公平8−12424号、特開昭63−287944号、特開昭63−287947号、特開平1−271741号、特開平11−352691号等に記載される酸基を含有するウレタン系バインダーポリマーや、特開2002−107918に記載される酸基と二重結合を側鎖に有するウレタン系バインダーポリマーは、非常に、強度に優れるので、好適である。
また、硬化皮膜の強度を上げるために、アルコール可溶性ナイロンや2,2−ビス−(4−ヒドロキシフェニル)−プロパンとエピクロロヒドリンのポリエーテル等も有用である。
合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、テトラヒドロフラン、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、2−メトキシエチルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチル、ジメチルスルホキシド、水等が挙げられる。
これらの溶媒は単独で又は2種以上混合して用いられる。
これらのラジカル重合開始剤は、モノマー100質量部に対して、好ましくは1質量部〜20質量部使用される。
R4〜R6は各々独立に、水素原子又は1価の置換基を表すが、R4としては、水素原子又は置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられ、中でも、水素原子、メチル基、エチル基が好ましい。また、R5、R6は、各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有しもよいアリール基が好ましい。ここで、導入しうる置換基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、イソプロピオキシカルボニル基、メチル基、エチル基、フェニル基等が挙げられる。
G1は、2価の連結基を表すが、置換基を有してもよいアルキレン基が好ましい。より好ましくは、炭素数1〜20の置換基を有してもよいアルキレン基、炭素数3〜20の置換基を有してもよいシクロアルキレン基、炭素数6〜20の置換基を有してもよい芳香族基などが挙げられ、中でも、置換基を有してもよい炭素数1〜10の直鎖状或いは分岐アルキレン基、炭素数3〜10の置換基を有してもよいシクロアルキレン基、炭素数6〜12の置換基を有してもよい芳香族基が強度、現像性等の性能上、好ましい。
R10〜R12は、各々独立に水素原子又は1価の置換基を表す。R10〜R12としては、具体的には例えば、水素原子、ハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。
ここで、導入可能な置換基としては、一般式(21)において挙げたものが同様に例示される。
G2は、2価の連結基を表すが、置換基を有してもよいアルキレン基が好ましい。好ましくは、炭素数1〜20の置換基を有してもよいアルキレン基、炭素数3〜20の置換基を有してもよいシクロアルキレン基、炭素数6〜20の置換基を有してもよい芳香族基などが挙げられ、中でも、置換基を有してもよい炭素数1〜10の直鎖状或いは分岐アルキレン基、炭素数3〜10の置換基を有してもよいシクロアルキレン基、炭素数6〜12の置換基を有してもよい芳香族基が強度、現像性等の性能上、好ましい。
ここで、G2における置換基としては、水素原子がヘテロ原子に結合した基の中でも水酸基を除くもの、例えば、アミノ基、チオール基、カルボキシル基を含まないものが好ましい。
Yは、酸素原子、硫黄原子、−N(R23)−又は置換基を有してもよいフェニレン基を表す。ここで、R23としては、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基などが挙げられる。
R16〜R20は、各々独立に水素原子又は1価の置換基を表すが、R16〜R20は、例えば、水素原子、ハロゲン原子、ジアルキルアミノ基、アルコキシカルボニル基、スルホ基、ニトロ基、シアノ基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいアリールオキシ基、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基、置換基を有してもよいアリールスルホニル基などが挙げられ、中でも、水素原子、アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアリール基が好ましい。導入しうる置換基としては、一般式(1)においてあげたものが例示される。
A3は、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R21)−を表し、Zは、酸素原子、硫黄原子、又は−N(R22)−を表す。R21、R22としては、一般式(21)におけるのと同様のものが挙げられる。
ここで、G3における置換基としては、水素原子がヘテロ原子に結合した基の中でも水酸基を除くもの、例えば、アミノ基、チオール基、カルボキシル基を含まないものが好ましい。
また、現像性バインダー樹脂が重合性基を有する場合であって、重合性基が不飽和基である場合、光感度向上の観点から、現像性バインダー樹脂(E)の不飽和価は、0.5mmol/g以上が好ましく、更に0.7mmol/g以上が好ましく、1.0mmol/g以上が最も好ましい。
ここで、不飽和価とは、バインダーポリマー1gあたりの不飽和結合のミリモル数を意味する。
現像性バインダー樹脂(E)の不飽和当量を0.5mmol/g以上とすることにより、つまり、この樹脂中において不飽和二重結合数が増加することにより、光重合性、感度が向上し、更に、この重合性向上により、支持体などの固体表面への密着性や含有する中空又は多孔質粒子の固定化性も向上し、結果として、現像におけるパターン膜中の中空又は多孔質粒子の欠損が少なく、テーパー状〜矩形状の断面形状を有するパターンが得られ易い傾向となり、好ましい。
Rc31は、水素原子、アルキル基、シアノ基又は−CH2−O−Rac2基を表す。式中、Rac2は、水素原子、アルキル基又はアシル基を表す。
Rc32は、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基を有する基を表す。これら基は、シアノ基で置換されていても良い。
但し、Rc31、Rc32の少なくとも一つはシアノ基を含む。
Lc3は、単結合又は2価の連結基を表す。
シクロアルキル基は、炭素数3〜20のシクロアルキル基が好ましい。
アルケニル基は、炭素数3〜20のアルケニル基が好ましい。
シクロアルケニル基は、炭素数3〜20のシクロアルケニル基が好ましい。
Rc32は無置換のアルキル基が好ましい。
Lc3の2価の連結基は、エステル基、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、オキシ基、エステル結合(−COO−で表される基)が好ましい。
好ましい架橋環式炭化水素環として、ノルボルニル基、アダマンチル基、ビシクロオクタニル基、トリシクロ[5、2、1、02,6]デカニル基、などが挙げられる。より好ましい架橋環式炭化水素環としてノルボニル基、アダマンチル基が挙げられる。
前記エーテルダイマーを示す前記一般式(E−1)中、R1及びR2で表される炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、t−アミル基、ステアリル基、ラウリル基、2−エチルヘキシル基、等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル基等のアリール基;シクロヘキシル基、t−ブチルシクロヘキシル基、ジシクロペンタジエニル基、トリシクロデカニル基、イソボルニル基、アダマンチル基、2−メチル−2−アダマンチル基、等の脂環式基;1−メトキシエチル基、1−エトキシエチル基、等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル基等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。
これらの中でも特に、メチル基、エチル基、シクロヘキシル基、ベンジル基等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素を含む基が耐熱性の点で好ましい。
なお、R1及びR2は、同種の置換基であってもよいし、異なる置換基であってもよい。
重合性組成物は、本発明の効果を損なわない限りにおいて、必要に応じて、以下に詳述する任意成分を更に含有してもよい。
以下、重合性組成物が含有しうる任意成分について説明する。
本発明の感光性組成物は、光重合開始剤等のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。
本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光重合開始剤(B)に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
本発明の感光性組成物は、増感剤を含有してもしなくても良いが、増感剤を含有する場合、感光性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、感光性組成物中の全固形分に対して、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の感光性組成物においては、感光性組成物の製造中或いは保存中において、(D)重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の(H)重合禁止剤を添加してもよい。
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で塗布膜の表面に偏在させてもよい。本発明の感光性組成物が高級脂肪酸誘導体を含有する場合、高級脂肪酸誘導体の添加量は、感光性組成物中の全固形分に対し、0.5質量%〜10質量%であることが好ましい。
本発明の感光性組成物は、一般には、有機溶剤を含有する。
有機溶剤は、各成分の溶解性や感光性組成物の塗布性を満足すれば、基本的には特に制限はなく、特に、バインダーの溶解性、塗布性、及び安全性を考慮して選ばれることが好ましい。有機溶剤としては、例えば、特開2008−32803号公報の段落番号〔0187〕に記載の各種溶剤が挙げられる。
ケトン類としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等が挙げられる。
芳香族炭化水素類としては、例えば、トルエン、キシレン等が好適に挙げられる。
本発明の感光性組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、いかなる密着促進剤を含有していてもよい。密着促進剤としては、例えば、3−グリシジロキシプロピルトリメトキシシラン、1−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノグリシジロキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシジロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。他には、特開2008−243945号公報の段落番号[0048]に記載の化合物が使用される。
本発明の感光性組成物は、密着促進剤を含有してもしなくても良いが、含有する場合、密着促進剤の好ましい使用量は、特に制限されないが、通常、組成物中の全固形分に対して、10質量%以下、特に0.005〜5質量%であることが好ましい。
本発明の感光性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する感光性組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
感光性組成物は、界面活性剤を含んでも含まなくてもよいが、含む場合、界面活性剤の含有量は、本発明の感光性組成物の全固形分質量に対して、0.001質量%以上1質量%以下であることが好ましく、0.01質量%以上0.1質量%以下であることがより好ましい。
更に、本発明の感光性組成物に対しては、硬化皮膜の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等の公知の添加剤を加えてもよい。
可塑剤としては、例えば、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、結合剤を使用した場合、重合性化合物とバインダーポリマーとの合計質量に対し10質量%以下添加することができる。
本発明のパターン形成方法は、感光性膜を形成する工程、前記感光性膜を露光する工程、及び、アルカリ現像液により現像してパターン膜を得る現像工程を含む。
ここで、感光性膜は、本発明の感光性組成物から形成される。
また、本発明は、このパターン形成方法により得られるパターン膜にも関する。
本発明の感光性組成物から形成される感光性膜の形成方法は特に限定されないが、例えば、感光性組成物をスピンコーティング法、ローラーコーティング法、ディップコーティング法、スキャン法、スプレー法、バー塗布法、インクジェット法等の任意の方法により、基板(支持体)に塗布した後、溶媒を必要に応じて加熱処理で除去して塗膜(感光性膜)を形成し、プリベーク処理を施すことにより形成することができる。
基板としては、シリコンウエハ基板、SiO2ウエハ基板、SiNウエハ基板、ガラス基板、又は、これらの表面に各種金属層が形成された基板や、プラスチックフィルム、マイクロレンズ、イメージセンサー用オンチップカラーフィルターが塗布された基板などを挙げることができる。
洗浄液としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、又はアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いることが好ましい。
洗浄液として用いうるこれら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合してなる混合溶剤が好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。混合溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、感光性組成物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には、感光性組成物が含有しうる界面活性剤として前掲した界面活性剤を添加してもよい。
この露光に適用し得る活性光線又は放射線としては、赤外光、g線、h線、i線、KrF光、ArF光、X線、電子線等を挙げることができる。露光量、感度、解像度の観点から、i線、KrF光、ArF光、電子線が好ましく、更に汎用性の観点から、i線、KrF光が最も好ましい。照射光にi線を用いる場合、100mJ/cm2〜10000mJ/cm2の露光量で照射することが好ましい。KrF光を用いる場合は、30mJ/cm2〜300mJ/cm2の露光量で照射することが好ましい。
また、露光した組成物層は、必要に応じて、次の現像処理前にホットプレートやオーブンを用いて、70℃〜180℃で、0.5分間〜15分間程度加熱することができる。
更に、上記アルカリ性水溶液にアルコール類、界面活性剤を適当量添加して使用することもできる。
アルカリ現像液のアルカリ濃度は、通常0.1〜20質量%である。
アルカリ現像液のpHは、通常10.0〜15.0である。
特に、テトラメチルアンモニウムヒドロキシドの0.3質量%の水溶液が望ましい。
上記各種の現像方法が、現像装置の現像ノズルから現像液を感光性膜に向けて吐出する工程を含む場合、吐出される現像液の吐出圧(吐出される現像液の単位面積あたりの流速)は好ましくは2mL/sec/mm2以下、より好ましくは1.5mL/sec/mm2以下、更に好ましくは1mL/sec/mm2以下である。流速の下限は特に無いが、スループットを考慮すると0.2mL/sec/mm2以上が好ましい。
吐出される現像液の吐出圧を上記の範囲とすることにより、現像後のレジスト残渣に由来するパターンの欠陥を著しく低減することができる。
このメカニズムの詳細は定かではないが、恐らくは、吐出圧を上記範囲とすることで、現像液が感光性膜に与える圧力が小さくなり、感光性膜・パターン膜が不用意に削られたり崩れたりすることが抑制されるためと考えられる。
なお、現像液の吐出圧(mL/sec/mm2)は、現像装置中の現像ノズル出口における値である。
このポストベークにおいて、加熱温度は、通常、120〜250℃、好ましくは160〜230℃である。また加熱時間は、加熱手段により異なるが、ホットプレート上で加熱する場合、通常、5〜30分間程度であり、オーブン中で加熱する場合、通常、30〜90分間程度である。
また、ポストベークに際しては、2回以上加熱するステップベーク法等を採用することもできる。
これにより、耐光性、耐気候性、膜強度が向上し、更に低屈折率性も向上させることができる場合がある。
高エネルギー線として、電子線を使用した場合のエネルギーは0.1〜50keVが好ましく、より好ましくは0.2〜30keV、特に好ましくは0.5〜20keVである。電子線の総ドーズ量は好ましくは0.01〜5μC/cm2、より好ましくは0.01〜2μC/cm2、特に好ましくは0.01〜1μC/cm2である。電子線を照射する際の基板温度は0〜500℃が好ましく、より好ましくは20〜450℃、特に好ましくは20〜400℃である。圧力は好ましくは0〜133kPa、より好ましくは0〜60kPa、特に好ましくは0〜20kPaである。
重合体の酸化を防止するという観点から、基板周囲の雰囲気はAr、He、窒素などの不活性雰囲気を用いることが好ましい。また、電子線との相互作用で発生するプラズマ、電磁波、化学種との反応を目的に酸素、炭化水素、アンモニアなどのガスを添加してもよい。電子線照射は複数回行ってもよく、この場合は電子線照射条件を毎回同じにする必要はなく、毎回異なる条件で行ってもよい。
よって、本発明は、上記した本発明のパターン形成方法により得られるパターン膜である低屈折率膜にも関する。
更に、本発明は、上記低屈折率膜を有する光学デバイスにも関する。
また、本発明は、このような光学デバイスを備えた固体撮像素子にも関する。
以下、このような低屈折率膜(例えば、反射防止膜)について詳述する。ただし、低屈折率膜における下記の各種物性の好ましい範囲は、特に低屈折率膜の用途においては好ましい範囲であるものの、その用途に限られたものではない。
上述した組成物を用いて得られるパターン膜は、優れた低屈折率性を示す。具体的には、パターン膜の屈折率(波長633nm、測定温度25℃)は、1.35以下であることが好ましく、1.23〜1.34であることがより好ましく、1.25〜1.33であることが特に好ましい。上記範囲内であれば、後述する反射防止膜として有用である。
上述した本発明の組成物を用いて得られるパターン膜の好適な使用態様として、反射防止膜が挙げられる。特に、光学デバイス(例えば、イメージセンサ用マイクロレンズ、プラズマディスプレイパネル、液晶ディスプレイ、有機エレクトロルミネッセンスなど)用の反射防止膜として好適である。
反射防止膜として使用した場合の反射率は低いほど好ましい。具体的には、450〜650nmの波長領域での鏡面平均反射率が3%以下であることが好ましく、2%以下であることが更に好ましく、1%以下であることが最も好ましい。なお、反射率は小さければ小さいほど好ましく、最も好ましくは0である。
反射防止膜のヘイズは、3%以下であることが好ましく、1%以下であることが更に好ましく、0.5%以下であることが最も好ましい。なお、反射率は小さければ小さいほど好ましく、最も好ましくは0である。
以下に、多層型の場合の各層について詳述する。
低屈折率層は、上述のように本発明の組成物を用いて得られるパターン膜から構成される。低屈折率層の屈折率及び厚さについて説明する。
本発明の組成物を用いて得られるパターン膜の屈折率(波長633nm、測定温度25℃)、即ち、低屈折率膜(低屈折率層ともいう)の屈折率を1.35以下とすることが好ましい。この理由は、低屈折率膜の屈折率が1.35以下であることにより、高屈折率膜(高屈折率層ともいう)と組み合わせた場合に、反射防止効果を確実に発現させることができるためである。
低屈折率膜の屈折率を1.34以下とするのがより好ましく、1.33以下とするのが更に好ましい。なお、低屈折率膜を複数層設ける場合には、そのうちの少なくとも一層が上述した範囲内の屈折率の値を有していればよい。
低屈折率層の厚さについても特に制限されるものではないが、例えば、20〜300nmであることが好ましい。低屈折率層の厚さが20nm以上となると、下地としての高屈折率膜に対する密着力が確実に得られ、一方、厚さが300nm以下となると、光干渉が生じにくく、反射防止効果がより確実に得られやすい。従って、低屈折率層の厚さを20〜250nmとするのがより好ましく、20〜200nmとするのが更に好ましい。なお、より高い反射防止性を得るために、低屈折率層を複数層設けて多層構造とする場合には、その合計した厚さを20〜300nmとすればよい。
高屈折率層を形成するための硬化性組成物としては、特に制限されるものでないが、膜形成成分として、エポキシ系樹脂、フェノール系樹脂、メラミン系樹脂、アルキド系樹脂、シアネート系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ウレタン系樹脂、シロキサン樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを含むことが好ましい。これらの樹脂であれば、高屈折率層として、強固な薄膜を形成することができ、結果として、反射防止膜の耐擦傷性を著しく向上させることができる。
しかしながら、通常、これらの樹脂単独での屈折率は1.45〜1.62であり、高い反射防止性能を得るには十分で無い場合がある。そのため、高屈折率の無機粒子、例えば金属酸化物粒子を配合することにより、屈折率1.70〜2.20とすることが好ましい。また、硬化形態としては、熱硬化、紫外線硬化、電子線硬化できる硬化性組成物を用いることができるが、より好適には生産性の良好な紫外線硬化性組成物が用いられる。
本発明の反射防止膜に用いるハードコート層の構成材料については特に制限されるものでない。このような材料としては、シロキサン樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂等の一種単独又は二種以上の組み合わせを挙げることができる。
本発明の低屈折率膜に用いる基板の種類は特に制限されるものではないが、例えば、ガラス、ポリカーボネート系樹脂、ポリエステル系樹脂、アクリル系樹脂、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)等からなる透明基板及びシリコンウエハを挙げることができる。これらの基板を含む反射防止膜とすることにより、カメラのレンズ部、テレビ(CRT)の画面表示部、液晶表示装置におけるカラーフィルターあるいは撮影素子等の広範な反射防止膜の利用分野において、優れた反射防止効果を得ることができる。
窒素雰囲気下、300mLの三口フラスコにアリルこはく酸無水物20.8g(17.9mmol)とTHF80mLを入れ、マグネチックスターラーで撹拌しながら0℃に冷却した。ヘキサクロロ白金(IV)酸六水和物を154mgを加えて更に10分撹拌した後、ポリ(ジメチルシロキサン―メチルヒドロシラン)共重合体(Aldrich社製、トリメチルシリル末端、数平均分子量〜950、メチルヒドロシラン50mol%)20gのTHF(80mL)溶液を滴下した。滴下終了後、40℃で撹拌した。NMRにて反応を追跡し、Si−Hのピーク消失を確認したところで反応系を室温に戻した。室温に戻した溶液を水/メタノール=1/1(体積比)溶液800mLに滴下することで、粗生成物を沈殿として得た。得られた粗生成物を酢酸エチルに溶解させ、カラムクロマトグラフィーで精製することで白金残渣を除去した。得られた溶液から溶媒を留去することで、25.4g(固形分換算)の前駆体を得た。
上記前駆体5g(固形分換算)に、固形分濃度がおよそ20質量%になるようTHFを加えたのち、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.02g、メタクリル酸―2−ヒドロキシエチル5.07g、N,N−ジメチルー4−アミノピリジン(DMAP)0.05gを加え、室温で4時間撹拌した(ケトンのアルファ位のプロトンがシフトするのをNMRで確認)。その後、水500mLに滴下することで、目的物を沈殿として得た。得られた沈殿を酢酸エチルに再度溶解させて抽出後、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させ、溶媒を留去することで化合物C−1を得た。収量2.68g(固形分換算)。
反応上、最終生成物として2通りの異性体が得られるが、ここでは片方の異性体のみ記載する。
ポリシロキサン(無水コハク酸末端・Aldrich社製Mw=700)5gをTHF10mLに溶解させ、そこにヒドロキノンモノメチルエーテル(HMM)0.02g、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3.32g、DMAP0.05gを加え、6時間撹拌した。得られた化合物を水/メタノール=1/1(体積比)(計400mL)に滴下し、沈殿3.18g(固形分換算)を得た。得られた沈殿を酢酸エチルに再度溶解させて抽出し、硫酸ナトリウムを用いて乾燥させた。得られた溶液にPGMEA42g、p−メトキシフェノール6.4mgを加えたのち、ロータリエバポレーターでTHF、酢酸エチルを留去した。以上により化合物C−31を3.2g(固形分換算)得た。
下記表2に示す成分を下記表2に示す溶媒に溶解させ、孔径0.2μmのテトラフルオロエチレン製フィルターでろ過して、実施例1〜16、比較例1、2及び参考例の感光性組成物を調製した。
表2中の化合物(C)における記号は、成分の具体例として、前述したものに対応する。
スルーリア2320: 日揮触媒化成社製の中空シリカの20質量%分散液
スルーリア1110: 日揮触媒化成社製の中空シリカの20質量%分散液
PL−2L−PGME: 扶桑化学社製の多孔質シリカの20質量%分散液
AERODISP G1220: EVONIK社製の多孔質シリカの20質量%分散液
OSCAL: 日揮触媒化成社製の中空シリカの20質量%分散液
スノーテックス: MIBK−SD−L: 日産化学社製の多孔質シリカの30質量%分散液
AERODISP1030: EVONIK社製の多孔質シリカの20質量%分散液
また有機溶剤(J)におけるPGMEAはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートであり、PGMEはプロピレングリコールモノメチルエーテルである。
上記で得られた感光性組成物をシリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後、ホットプレート上で100℃で2分間加熱して膜厚500nmの感光性膜を得た。
次いで、得られた感光性膜に対し、i線ステッパーFPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で1.0μmの正方ピクセルが基板上に設けられたマスクを介して露光した。
前記露光後の感光性膜に対し、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドの0.3質量%水溶液を用い、23℃で60秒間パドル現像を行った。その後、スピンシャワーにて水を用いてリンスを行い、更に純水にて水洗し、膜厚0.5μmの透明パターンを得た。
得られたパターン膜を測長SEM((株)日立製作所S−8840)により観察し、1.0μmの正方ピクセルパターンの解像が認められた場合を○、パターンが確認できない場合を×と標記した。
上記で得られた感光性組成物をシリコンウエハ上に塗布し、その後、ホットプレート上で100℃で2分間加熱して透明膜を得た。ジェー・エー・ウーラム・ジャパン社製エリプソメーター(VASE)を用いて、この透明膜における波長633nm、25℃で測定した値を屈折率とした。
上記で得られた感光性組成物をシリコンウエハ上にスピンコート法で塗布し、その後、ホットプレート上で100℃で2分間加熱して膜厚500nmの感光性膜を得た。
次いで、得られた感光性膜に対し、i線ステッパーFPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長でマスクを介さず、上記パターン膜形成時における1.0μmの正方ピクセルパターンの解像が認められた最小露光量にて露光し、膜を硬化させ硬化膜を得た。なお比較例2はパターンが確認できなかったので、実施例1における露光量にて露光し、膜を硬化させ硬化膜を得た。
ダイヤモンドペンにて、得られた硬化膜表面に、3mm角のマス目を、縦5個×横5個で配列するように描き、3M製スコッチテープ(No.610)を全てのマス目をカバーし、かつ気泡が入らないように留意して貼り付けた。その後、垂直にはがしSi基板に対する膜の密着性テストを実施した。
25マス中、膜がSi基板から剥れずに残ったマス目の個数が、0〜10個のものを×、11〜20個のものを△、21〜25個のものを○とした。
1.0μmの正方ピクセルパターンの解像が認められた最小露光量で得られたパターンを、60℃,85%RHの調温、調湿されたサーモセルコで3日間放置し、上記と同様の方法で屈折率を測定した。
フレッシュと比較して、屈折率変化が
0.5%未満の場合を○、
0.5%以上1%未満の場合を△、
1%以上の場合を×とした。
表3の結果より、本発明の感光性組成物を使用した場合、屈折率が低く、更には、基板に対する密着性に優れ、かつ高温高湿下での屈折率変化が小さく、耐候性に優れた性能を示すパターンを形成できることが分かった。
一方、中空又は多孔質粒子(A)又は化合物(C)に対応する化合物を含有しない感光性組成物を用いた比較例1及び2は、本発明の上記効果の全てを同時に満たすことはできなかった。より具体的には、中空又は多孔質粒子(A)を含有しない感光性組成物を用いた比較例1は、本発明の実施例と比較して屈折率が高く、かつ耐侯性に劣っていた。また化合物(C)に対応する化合物を含有しない感光性組成物を用いた比較例2は、アルカリ可溶性基を有さないためパターンの形成が不可能であり、かつ本発明の実施例と比較して密着性に劣っていた。なお表3中、比較例2の耐候性に関しては、パターン形成が見られない膜の屈折率変化を同条件にて測定した結果である。
Claims (15)
- (A)中空又は多孔質粒子と、
(B)光重合開始剤と、
(C)下記一般式(1)で表される構造単位;下記一般式(2−1)で表される構造単位と下記一般式(2−2)で表される構造単位;及び下記一般式(3)で表される構造単位のいずれかを含有する化合物、とを含有する感光性組成物。
X11、X21、X22及びX31は各々独立に、単結合又は2価の連結基を表す。
RAPは、アルカリ可溶性基及び重合性基を含む1価の基を表す。
RAは、アルカリ可溶性基を含む1価の基を表す。
RPは、重合性基を含む1価の基を表す。 - 前記化合物(C)が樹脂であり、樹脂の主鎖に珪素原子を含有する、請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記一般式(1)で表される構造単位;前記一般式(2−1)で表される構造単位と前記一般式(2−2)で表される構造単位;及び前記一般式(3)で表される構造単位のいずれかが、前記化合物(C)としての樹脂の主鎖を構成する、請求項2に記載の感光性組成物。
- 前記一般式(1)、(2−1)、(2−2)及び(3)において、X11、X21、X22及びX31は各々独立に、単結合、又は酸素原子、アルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基、若しくはこれらの組み合わせを表す、請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 前記一般式(1)、(2−1)及び(2−2)において、R11、R21及びR22は各々独立に、1価の置換基を表す、請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 前記一般式(1)、(2−1)及び(2−2)において、R11、R21及びR22は各々独立に、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、アリール基又はアルコキシ基を表す、請求項5に記載の感光性組成物。
- 前記樹脂(C)の数平均分子量が400〜50,000である、請求項2〜6のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 前記中空又は多孔質粒子(A)がシリカ粒子である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の感光性組成物。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性組成物であるパターン形成材料。
- 請求項1〜8のいずれか一項に記載の感光性組成物により形成される感光性膜。
- 請求項10に記載の感光性膜を形成する工程、前記感光性膜を露光する工程、及び、アルカリ現像液により現像してパターン膜を得る現像工程を含むパターン形成方法。
- 請求項11に記載のパターン形成方法により得られるパターン膜。
- 請求項12に記載のパターン膜である低屈折率膜。
- 請求項13に記載の低屈折率膜を有する光学デバイス。
- 請求項14に記載の光学デバイスを備えた固体撮像素子。
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