JP2012028367A - 半導体単結晶ウエハを個装する個装材料の選択方法、該個装材料の管理方法及び該個装材料の検査方法 - Google Patents

半導体単結晶ウエハを個装する個装材料の選択方法、該個装材料の管理方法及び該個装材料の検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】半導体単結晶ウエハ個装用の個装材料について、長期間の保存時において半導体単結晶ウエハの特性異常を防止するために、半導体単結晶ウエハの表面状態への影響、特に半導体単結晶ウエハの表面汚染量を低減できる個装材料を短時間で効率良く選ぶための個装材料の選択方法、該個装材料の管理方法及び該個装材料の検査方法を提供する。
【解決手段】半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の実使用時における長期間保管の場合と前記の加速試験時における短時間保管の場合との間で対応させることによって、実使用時の長期間保管に適用できる前記個装材を短時間に選択することを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体単結晶ウエハ個装用の個装材料について、長期間の保存時において半導体単結晶ウエハの特性異常を防止するために、半導体単結晶ウエハの表面状態への影響、特に半導体単結晶ウエハの表面汚染量を低減できる個装材料を短時間で効率良く選ぶための個装材料の選択方法、該個装材料の管理方法及び該個装材料の検査方法に関するものである。
半導体デバイスは、一般的に単結晶ウエハ基板上に、機能性を有するエピタキシャル薄膜を堆積させ作製される。単結晶ウエハ基板表面に存在する単結晶を構成する元素以外の元素(不純物元素)は、原子層レベルの汚染であっても堆積させた薄膜の特性及びその後に作成されるデバイスの性能を低下させる原因となる。そのため、単結晶ウエハ基板表面の不純物汚染を低減する必要があり、基板製造過程で付着する不純物を除去するための半導体ウエハ洗浄技術が日々検討されて開発されている。一方で、ウエハ出荷時に利用するウエハ個装材に対しても、同様の注意が必要となる。すなわち、ウエハ個装中に個装材の材料から放出される不純物ガスやパーテイクルがウエハ基板表面を汚染した場合、前述と同様に薄膜堆積後に特性異常が発生するため、個装材からの汚染物発生を低減することが求められている。
個装材からの汚染物発生を低減する方法としては、使用前にあらかじめ個装材を様々な条件で処理する方法が提案されている。例えば、特許文献1は、収納ケース(個装材)をクリーンな空気又は不活性ガスの気流中に室温〜80℃の温度雰囲気下で静置し、収納ケースに付着した異物を脱離除去する方法が開示されている。また、特許文献2及び特許文献3には、保管ケースや合成樹脂性容器(個装材)を、減圧雰囲気中高温で乾燥することによって、水分や揮発成分を蒸発除去させる方法が開示されている。
そのような方法によって個装材からの不純物の発生が抑制されるが、これらの個装材を半導体ウエハの保管容器として適用した場合に、長期間保管がどの程度可能かについては、実際に試験を行って半導体デバイスの性能を確認する必要がある。個装材から放出されるガスなどによる半導体ウエハ表面の汚染を評価する一般的な方法としては、個装材に半導体ウエハを設置し、想定される保管期間保存した後、半導体ウエハ表面の不純物を測定する方法、又は薄膜を堆積させ特性異常の有無を評価する手法がある。しかしながら、本手法では、個装材の使用可否を判断するまで長い時間を有し、その間に使用する個装材を別途用意しなければならないという問題があった。仮に、長期間試験中において半導体デバイスの性能に異常があった場合には、再度、別の種類の個装材に代えることや放出されるガスを低減するための個装材の処理条件等を見直すことが必要であった。
また、同じ条件で処理した個装材であっても、個装材として実際に使用されるまでに一時保管されていた雰囲気や保管時間に応じて、半導体デバイスの性能に対する影響の程度が異なるため、バッチ毎に再度の長期間保管試験に行い、半導体デバイスの特性確認を行う必要があった。さらに、同じ樹脂材料を使用した場合であっても、ウエハトレイ、ウエハBOX等の個装材の形状によりウエハ表面の汚染度は異なるため、形状別に長期間の評価を行わなければならないという問題もあった。そのため、半導体単結晶ウエハの表面汚染量を低減できる個装材料を短時間で効率良く選ぶための個装材料の選択方法、さらに、その選別を行うための管理方法と検査方法を確立することが強く求められている。
これらの技術課題を解決するものとして、特許文献4には、通常の保管条件よりも高温の熱ストレス下で所定時間放置した後、半導体ウエハの表面変質層の有無を目視確認する半導体ウエハ収納容器の検査方法が提案されている。
特開2008−53392号公報 特開平6−84877号公報 特開2004−265965号公報 特開平5−259254号公報
特許文献4には、60℃24時間等の条件で保持した後のウエハ表面の状態の変化を検査して半導体ウエハに異常を起こさせる個装材を短時間に把握することはできるものの、実際の保管条件下(室温)における保管期間との対応については記載されておらず、この方法は個装材として実際に使用できる期間を予測するものではない。一般的に、半導体ウエハの保管は長期間であるのが好ましいが、実際の保管条件下(室温)における保管期間について予測して算出された許容範囲内で個装材を使用することができれば、個装材の材料、製法及び処理方法等を新たに検討するためのコスト上昇を大幅に抑えることができる。例えば、1年以上の長期間保管は無理であっても、6か月又は3か月の保管期間には問題ないということが明確になれば、従来は使用できなかった個装材料を使用できる場合がある。また、低コストの個装材料を適用できる可能性も高くなる。
加えて、通常の保管条件下での保管期間が分かれば、半導体ウエハ保管中において残りの許容保管期間を予測することが可能となるため、半導体ウエハの管理が容易となり、汚染等による半導体ウエハの廃棄という最悪の事態を避けることができる。
そこで、本発明は、前述の問題を解決し、長期間の保存時において半導体単結晶ウエハの特性異常を防止するために、半導体単結晶ウエハの表面状態への影響、特に半導体単結晶ウエハの表面汚染量を低減できる個装材料を短時間で効率良く選ぶための個装材料の選択方法、該個装材料の管理方法及び該個装材料の検査方法を提供することである。
前記目的を達成するために、本発明者等は、個装材中に内装した半導体ウエハを、実際に使用する保管形にして長期間保管した後の状態を短時間で模擬する加速試験方法に着目して鋭意検討を行った結果、本発明に到った。
(1)本発明は、半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の実使用時における長期間保管の場合と前記の加速試験時における短時間保管の場合との間で対応させることによって、実使用時の長期間保管に適用できる前記個装材を短時間に選択することを特徴とする前記半導体単結晶ウエハの保管に使用する個装材の材料選択方法を提供する。
(2)前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報が、前記個装材に内装された半導体単結晶ウエハ表面に付着する不純物量であることを特徴とする前記(1)に記載の個装材の材料選択方法を提供する。
(3)半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件と同じ条件下での通常試験及び前記の実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下での加速試験をそれぞれ行い、保管時間をパラメーターとして前記個装材からの発生ガス及び/又は前記個装材の内部に存在する大気によって汚染された前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量の変化を測定する手段、前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量を前記通常試験及び前記加速試験の間で対比することによって、前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量が前記加速試験で測定されるものと同じ値を有するときの前記通常試験時の保管時間を推定する手段、半導体単結晶ウエハの特性に異常を生じさせるときの表面汚染量の上限を求める手段、及び前記加速試験において測定された前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量が、長期間保管用として実績のある個装材よりも多い個装材は、前記長期間保管用として実績のある個装材よりも短い保管時間で半導体結晶ウエハの特性に異常を生じさせるため、前記の表面汚染量の上限値を参考にして、前記加速試験における半導体結晶ウエハ表面の汚染量が前記長期間保管用として実績のある個装材よりも少ない個装材を選択する手段、を有する前記(2)に記載の個装材の材料選択方法を提供する。
(4)前記の半導体単結晶ウエハが、鏡面を有するものであることを特徴とする前記(1)、(2)又は(3)に記載の個装材の材料選択方法を提供する。
(5)前記の半導体単結晶ウエハが、化合物半導体であることを特徴とする前記(1)、(2)、(3)又は(4)に記載の個装材の材料選択方法を提供する。
(6)前記の化合物半導体が、砒化ガリウムであることを特徴とする前記(5)に記載の個装材の材料選択方法を提供する。
(7)前記個装材から放出され、前記半導体単結晶ウエハの表面に付着する不純物であるSi原子数を、前記半導体単結晶ウエハの表面を構成する単位面積あたりの総原子数の0.8%以下に制御することを特徴とする前記(2)、(3)、(4)、(5)又は(6)に記載の個装材の材料選択方法を提供する。
(8)本発明は、半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の加速試験時における短時間保管の場合と前記の実使用時における長期間保管の場合との間で対応させることによって、前記個装材の実使用時における使用期間を短時間に推定し、前記使用期間の推定値に基づいて、実使用時の長期間保管に適用できる前記個装材を選択することを特徴とする前記半導体単結晶ウエハの保管に使用する個装材の材料管理方法を提供する。
(9)本発明は、半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の加速試験時における短時間保管の場合と前記の実使用時における長期間保管の場合との間で対応させることによって、前記個装材の実使用時における使用期間を短時間に推定し、前記使用期間の推定値に基づいて、前記個装材が実使用時の長期間保管に適用できるものなのか否かを検査することを特徴とする前記半導体単結晶ウエハの保管に使用する個装材の検査方法を提供する。
本発明によれば、各保管期間後の半導体ウエハの表面状態を短時間で再現でき、且つ半導体ウエハの表面状態の情報として半導体ウエハ表面の不純物付着量に着目して、その付着量を直接的に評価する加速試験条件を確立できるため、実使用時の保管期間の許容範囲及び使用樹脂からの放出ガスの許容範囲の算出が可能となり、半導体ウエハの管理が従来よりも容易となる。
また、本発明によれば、ウエハを購入してからの保管期間、個装材の材料、個装材の形状、半導体ウエハ上に堆積する薄膜の材料や条件に即した加速試験条件を設定するため、加速試験を行ったウエハ表面の不純物分析、薄膜堆積後の特性評価から製品への影響可否の判断を短時間で迅速に行うことができる。特に、これらの因子は、使用する各社により異なるため、製品に影響を及ぼす不純物元素及び不純物付着量の許容範囲は様々であるが、それらの様々な要求に対して迅速に対応することができ、有用性が非常に高い。
本発明の実施の形態で評価した保管日数に対するGaAsウエハ表面に付着した不純物であるSi濃度との関係を示す図である。
本発明は、半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の実使用時における長期間保管の場合と前記の加速試験時における短時間保管の場合との間で対応させることを行う。本発明において行う加速試験は、30〜150℃以下の保管温度で行うことができる。保管温度が30℃未満であると、加速試験を行っても評価期間が長くなるため、好ましくない。本発明は、保管温度を高くすることによって加速試験の評価時間を短くすることができるが、個装材の材料そのものの変質や分解が起きるような高温では、実使用時とは異なるガス成分等の放出があるため、実使用時の保管状態を再現した試験を行うことができない。保管温度は、個装材の材料の種類や成形方法に依存するが、当該分野の個装材として一般的に使用されているポリプロピレンの物性と特性に基づいて、150℃以下が好ましい。より再現性の高い加速試験を行うためには、120℃以下がより好ましい。
また、保管雰囲気としては、実使用時の保管の場合と同じ雰囲気で行うことが、実使用時の保管期間を再現する上で好ましい。通常は、窒素(N)で置換されたパッケージ内で加速試験が行われる。しかし、本発明は、Nパッケージ等の実際に使用する保管形態に限定されない。例えば、通常の大気中で加速試験を行うことによって、実際の保管を大気中で行った場合の保管期間を推定することができる。また、実使用時の保管湿度よりも高い湿度で加速試験を行うこともでき、より厳しい環境における保管期間を推定するために同じ環境下で加速試験を行う。このように、本発明は、様々な雰囲気において加速試験を行うことによって、様々な環境での保管期間を予測することができる。
本発明は、半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報として、個装材からの発生ガス及び/又は前記個装材の内部に存在する大気によって汚染された前記半導体単結晶ウエハの表面に付着する不純物に着目して、付着不純物層の厚さ又は付着不純物量の変化を追跡する方法を採用する。ウエハ上に付着した不純物の厚さは、例えば、特開2004−271203号公報に記載されている公知の方法を用いて、半導体単結晶ウエハの表面をエリプソメーターにより測定し、分光エリプソデータを用いて測定することができる。また、ウエハ上に付着した不純物量は、金属元素の場合は原子吸光分析法(FL−AAS)、二次イオン質量分析法(SIMS)、ICP発光分析又は全反射蛍光X線分析法、有機物の場合は赤外線吸収による炭素量分析やガスクロマトグラフィー等の公知の方法で測定することができる。それらの中で、分光エリプソデータを用いて測定する方法は、光学的パラメーターを求めることが煩雑であり、測定精度と測定時間の点でやや問題があることから、本発明では、ウエハ上に付着した不純物量を測定する方法を用いることが好ましい。特に、全反射蛍光X線分析法、原子吸光分析法(FL−AAS)又は二次イオン質量分析法(SIMS)を用いる方法は測定精度が高く、半導体ウエハの不純物量分析としての実績が高ことから、本発明においては好適である。
本発明の個装材の材料選択法、管理方法及び検査方法は、半導体単結晶ウエハとして、鏡面を有する化合物半導体、特に砒化ガリウム(GaAs)において特に大きな効果を奏する。砒化ガリウム(GaAs)はシリコン(Si)半導体等と比べてウエハ表面上に付着する不純物による影響を受けやすく、表面上に付着する不純物によって、砒化ガリウム(GaAs)の鏡面ウエハの表面にくもり等の変質層を生じさせる等、性能に対する悪影響を受けやすいためである。微量の表面不純物量でも砒化ガリウム(GaAs)デバイスは性能の低下が顕著になるため、従来から個装材から発生するガス放出及び/又は前記個装材の内部に存在する大気による汚染に対して、特に厳重に管理を行う際に本発明が適用される。しかし、本発明は、砒化ガリウム(GaAs)への適用に限定されない。シリコン(Si)半導体や他の化合物半導体等の、ウエハ表面に付着する不純物の評価が可能であるものすべてについて、本発明の個装材の選択方法、管理方法及び検査方法を適用できる。
また、砒化ガリウム(GaAs)の表面に付着する不純物としては、個装材に微量含まれるアルカリ金属やアルカリ土類金属等の各種金属又は可塑剤、添加剤、触媒等から発生するガス成分等である。不純物であるSi成分は、個装材中に含まれるだけではなく、個装材の内部に存在する大気中にも浮遊成分として存在する。そのため、砒化ガリウム(GaAs)デバイスの性能低下に対して特に大きな影響を与えるため、Siによる不純物量の許容範囲に基づいて個装材の保管期間を決める必要がある。本発明は、ウエハ表面に付着する不純物として少なくともSiに着目するが、Siのみならず分析可能な元素であれば、全てにおいて本発明の方法を有効に活用することができる。
本発明の個装材の材料選択法、管理方法及び検査方法は、原理的に同じ機能と作用を有するものである。
個装材の選択方法は、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報、特に半導体単結晶ウエハ表面に付着する不純物量を、前記の実使用時における長期間保管の場合と前記の加速試験時における短時間保管の場合との間で対応させることによって、所望の保管期間内において前記不純物量が許容範囲内になるような個装材を半導体単結晶ウエハの保管に使用することを目的とする。
個装材の管理方法は、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報、特に半導体単結晶ウエハ表面に付着する不純物量を、前記の加速試験時における短時間保管の場合と前記の実使用時における長期間保管の場合との間で対応させることによって、前記個装材の実使用時における使用期間を短時間に推定し、前記使用期間の推定値に基づいて、実使用時の長期間保管に適用できる前記個装材を管理する方法である。その場合、個装材からの不純物ガスや水分の発生を抑制するために、あらかじめ個装材を減圧下高温で乾燥する処理や、不活性ガスを流しながら高温で乾燥する処理によって、個装材中の不純物や水分の含有量を少なくするような状態に維持することも、個装材の管理方法として含まれる。また、個装材を実際に半導体単結晶ウエハの長期保管に使用する前の保管状態を管理することも個装材の管理方法の一部として扱う。
個装材の検査方法は、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報、特に半導体単結晶ウエハ表面に付着する不純物量を、前記の加速試験時における短時間保管の場合と前記の実使用時における長期間保管の場合との間で対応させることによって、前記個装材の実使用時における使用期間を短時間に推定し、前記使用期間の推定値に基づいて、前記個装材が実使用時の長期間保管に適用できるものなのか否かを検査する方法である。
その場合、個装材の実使用時における使用期間を短時間に推定するために必要な測定データ、及び半導体単結晶デバイスの性能に影響を与える表面不純物量の許容範囲のデータを用いて、個装材が実使用時において所望の長期間保管に適用できるものなのか否かの判断や判定等をコンピュータ等を用いて自動的に行うことも、本願発明における個装材の検査方法に含まれる。仮に、選択した個装材が所望の長期間保管に適さない場合に、該個装材を選択して廃棄するか、又は不純物量を低減するための加熱処理等を行うための指示と手配を行うことも、本発明の個装材の管理方法及び個装材の検査方法の範疇に含まれる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
ポリプロピレン製のφ2インチGaAsウエハ用BOX個装材を使用して、ウエハ表面のSi不純物元素を例にとり実験を行った。
図1に、保管期間に対するウエハ表面のSi不純物濃度を示す。保管期間が延びるに伴い、ウエハ表面のSi濃度は線形的に増加している。まず、300日以上の保管期間に使用できるものとして現在使用されている個装材を用いて、同個装材中にGaAsウエハを内装設置し、Nパッケージを行った後、60℃の恒温槽に入れ48時間保持し加速試験を行った。加速試験後のGaAsウエハ表面のSi濃度は全反射蛍光X線分析法で測定して求めた。その結果、加速試験後のGaAsウエハ表面のSi濃度の平均値は、278×1010atoms/cmであり、図1において[A1]に相当する測定値が得られた。図1を参照すると、このSi濃度は、通常の保管条件(N2パッケージ中室温保管)において約300日(約10ヶ月)保管した場合と同じ結果となる。一方で、ウエハ表面Si濃度の異なるGaAs基板上に薄膜を堆積し、ウエハ表面の鏡面異常が発生する上限値を確認した結果、ウエハ表面Si濃度の上限値は500×1010atoms/cmであることが分かった。したがって、本発明において選択する個装材の材料は、加速試験結果に基づくウエハ表面Si濃度は500atoms/cm(基板表面構成原子数の0.8%に相当)を越さないよう個装材の材料を選択又は管理すれば良いことが分かる。図1に示す結果から、現在使用されている個装材は約300日以上の保管期間を有することが確認できる。
次に、上記のものとは異なる新しいポリプロピレン製のφ2インチGaAsウエハ用BOX個装材を用いて、上記と同様にしてGaAsウエハを内装設置し、Nパッケージを行った後、60℃の恒温槽に入れ48時間保持し加速試験を行った。この個装材は、製造してから2年を過ぎており、加速試験を行う前は通常の大気中雰囲気で保管されていたものである。加速試験後のGaAsウエハ表面は、全反射蛍光X線分析法によって測定されたSi濃度が400×1010atoms/cm〜450×1010atoms/cmの範囲内にあり、図1において[A2]に相当する測定値が得られた。なお、表面Si濃度に幅があるのは、測定値のバラツキの範囲をそのまま表しているためである。この個装材を用いて、実使用時の保管条件で試験したところ、300日経過後においてウエハ表面の全体には曇りは観測されなかったが、その周辺部に曇りが観測された。さらに、保管期間が350日後では、ウエハ表面の全体に曇りが観測され、ウエハ鏡面異常が発生した。
図1において、同じ加速試験条件(60℃48時間)のときのウエハ表面Si濃度である[A2]を[A1]と対比すると、[A2]は[A1]よりも表面Si濃度が高くなっており、実使用時の保管条件において短期間でウエハ特性に問題が発生することが予測できた。実際に行った実使用時の保管条件における試験でも、加速試験結果から予測できるものとほぼ同じような保管期間となることが分かった。
図1において[A1]に相当するSi濃度を有する前記の個装材(長期使用用として実績のある個装材)を用いて、100torrの減圧下で75℃12時間の条件で乾燥した後、上記と同様に、GaAsウエハを内装設置し、Nパッケージを行った後、60℃の恒温槽に入れ48時間保持し加速試験を行った。加速試験後のGaAsウエハ表面は、全反射蛍光X線分析法によって測定されたSi濃度が200×1010atoms/cm〜250×1010atoms/cmの範囲内にあり、図1において[A3]に相当する測定値が得られた。この個装材を用いて、実使用時の保管条件で試験したところ、500日経過後でもウエハ表面の全体には曇りは観測されなかった。また、実使用時の保管期間を、図1において[A1]に相当するSi濃度を有する前記の個装材(300日以上の保管期間に使用できるものとして実績のある個装材)と対比すると、ウエハ鏡面異常が発生するまでの保管期間は、[A3]に相当する個装材を用いるときに大幅に延びることが確認できた。
図1に示す[A1]、 [A2]及び [A3]は、加速試験として同じ条件(60℃48時間)用いて対比した場合であるが、別の加速試験条件を用いても、所望の保管期間内においてウエハ表面Si濃度を許容範囲内にできるような個装材を選択することができる。例えば、図1に示す[A1]のデータを含む直線において、より表面Si濃度の小さい[B1]の測定データを示す加速試験条件のときであり、具体的には50℃48時間である。製造してから2年を過ぎた上記の個装材、該個装材を減圧下乾燥処理して得られた上記の個装材について、同じように50℃48時間の加速試験を行った後、ウエハ表面Si濃度を全反射蛍光X線分析法によって測定した。その結果、表面Si濃度は、250×1010atoms/cm〜290×1010atoms/cmであり、図1の[B2]に相当する範囲である。また、図1において[B1]に相当するSi濃度を有する前記の個装材(長期使用用として実績のある個装材)を用いて、100torrの減圧下で75℃12時間の条件で乾燥処理した個装材についても、同じように50℃48時間の加速試験条件を行った後、ウエハ表面Si濃度を全反射蛍光X線分析法によって測定した。その結果、表面Si濃度は、110×1010atoms/cm〜150×1010atoms/cmであり、図1の[B3]に相当する範囲である。これらの測定値を用いて、実使用時の保管試験を行った結果、60℃48時間の加速試験条件の場合と同じような結果が得られた。
このように、加速試験で得られたウエハ表面Si濃度を、300日以上の保管期間に使用できるものとして実績のある個装材と対比することによって、それよりも長期保管が可能な個装材を選択することができる。上記の[A3]及び[B3]の測定値を有する個装材は減圧下で乾燥されたものであるが、そのような処理を行わない個装材についても同様の試験を行うことによって、従来の実績ある個装材よりも長期間保存に適する個装材を選択することができる。それだけではなく、図1に示すように、本発明は試験中の個装材について実使用時の保管期間の許容範囲を短時間に把握することが可能である。
本発明では、加速試験条件として30〜150℃の範囲内の温度を採用することができる。本発明において加速試験結果による予測を迅速に行いたい場合は、より高温が採用される。より高温による加速試験では、図1に示すように、長期保管用として実績のある個装材と対比するときの表面Si濃度の差異が大きくなるため、実使用時の保管期間の予測が容易になる。さらに、これから使用する予定として検討中の個装材が長期保管に適するものなのか否かを明確に判断することができる。しかし、個装材そのものを変質や分解させるような高温では、図1に示す保管期間と表面Si濃度との関係が、別の要因によって線形性を示さないため、解析が困難になる場合がある。そのため、加速試験時の温度は、個装材の材質に依存するものの、120℃以下が好ましく、100℃以下がより好ましい。
上記の実施形態に基づいて、本発明は具体的には次の手段から構成される。すなわち、半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件と同じ条件下での通常試験及び前記の実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下での加速試験をそれぞれ行い、保管時間をパラメーターとして前記個装材からの発生ガス及び/又は前記個装材の内部に存在する大気によって汚染された前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量の変化を測定する手段、前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量を前記通常試験及び前記加速試験の間で対比することによって、前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量が前記加速試験で測定されるものと同じ値を有するときの前記通常試験時の保管時間を推定する手段、半導体単結晶ウエハの特性に異常を生じさせるときの表面汚染量の上限を求める手段、及び前記加速試験において測定された前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量が、長期間保管用として実績のある個装材よりも多い個装材は、前記長期間保管用として実績のある個装材よりも短い保管時間で半導体結晶ウエハの特性に異常を生じさせるため、前記の表面汚染量の上限値を参考にして、前記加速試験における半導体結晶ウエハ表面の汚染量が前記長期間保管用として実績のある個装材よりも少ない個装材を選択する手段、である。
本発明において、半導体ウエハ表面に付着する不純物としてはSiに限らず、他の金属元素や有機物からのガス成分の場合でも、公知の分析手段によって分析することによって本発明の範囲内で対応することができる。また、本発明の選択方法、管理方法及び検査方法は、半導体単結晶ウエハとして砒化ガリウム(GaAs)だけではなく、通常のシリコン(Si)半導体や他の化合物半導体にも適用できるため、その有用性は非常に高い。

Claims (9)

  1. 半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の実使用時における長期間保管の場合と前記の加速試験時における短時間保管の場合との間で対応させることによって、実使用時の長期間保管に適用できる前記個装材を短時間に選択することを特徴とする前記半導体単結晶ウエハの保管に使用する個装材の材料選択方法。
  2. 前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報が、前記個装材に内装された半導体単結晶ウエハ表面に付着する不純物量であることを特徴とする請求項1に記載の個装材の材料選択方法。
  3. 半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件と同じ条件下での通常試験及び前記の実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下での加速試験をそれぞれ行い、保管時間をパラメーターとして前記個装材からの発生ガス及び/又は前記個装材の内部に存在する大気によって汚染された前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量の変化を測定する手段、
    前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量を前記通常試験及び前記加速試験の間で対比することによって、前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量が前記加速試験で測定されるものと同じ値を有するときの前記通常試験時の保管時間を推定する手段、
    半導体単結晶ウエハの特性に異常を生じさせるときの表面汚染量の上限を求める手段、及び
    前記加速試験において測定された前記半導体単結晶ウエハ表面の汚染量が、長期間保管用として実績のある個装材よりも多い個装材は、前記長期間保管用として実績のある個装材よりも短い保管時間で半導体結晶ウエハの特性に異常を生じさせるため、前記の表面汚染量の上限値を参考にして、前記加速試験における半導体結晶ウエハ表面の汚染量が前記長期間保管用として実績のある個装材よりも少ない個装材を選択する手段、
    を有する請求項2に記載の個装材の材料選択方法。
  4. 前記の半導体単結晶ウエハが、鏡面を有するものであることを特徴とする請求項1、2又は3に記載の個装材の材料選択方法。
  5. 前記の半導体単結晶ウエハが、化合物半導体であることを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の個装材の材料選択方法。
  6. 前記の化合物半導体が、砒化ガリウムであることを特徴とする請求項5に記載の個装材の材料選択方法。
  7. 前記個装材から放出され、前記半導体単結晶ウエハの表面に付着する不純物であるSi原子数を、前記半導体単結晶ウエハの表面を構成する単位面積あたりの総原子数の0.8%以下に制御することを特徴とする請求項2、3、4、5又は6に記載の個装材の材料選択方法。
  8. 半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の加速試験時における短時間保管の場合と前記の実使用時における長期間保管の場合との間で対応させることによって、前記個装材の実使用時における使用期間を短時間に推定し、前記使用期間の推定値に基づいて、実使用時の長期間保管に適用できる前記個装材を選択することを特徴とする前記半導体単結晶ウエハの保管に使用する個装材の材料管理方法。
  9. 半導体単結晶ウエハを内装した個装材を用いて、実使用時の保管条件よりも高温の熱ストレス下で加速試験を行い、前記半導体単結晶ウエハの表面状態に関する情報を、前記の加速試験時における短時間保管の場合と前記の実使用時における長期間保管の場合との間で対応させることによって、前記個装材の実使用時における使用期間を短時間に推定し、前記使用期間の推定値に基づいて、前記個装材が実使用時の長期間保管に適用できるものなのか否かを検査することを特徴とする前記半導体単結晶ウエハの保管に使用する個装材の検査方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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RU2494493C1 (ru) * 2012-04-02 2013-09-27 Федеральное государственное бюджетное образовательное учреждение высшего профессионального образования Воронежский государственный университет инженерных технологий (ФГБОУ ВПО ВГУИТ) Способ консервации поверхности подложек из арсенида галлия
TWI549268B (zh) * 2013-02-27 2016-09-11 精材科技股份有限公司 晶圓封裝方法

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